研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

札幌国際大学解雇事件 

大学の健全化を求めた言動を理由に懲戒解雇(2020年6月29日)

九州看護福祉大学懲戒事件

九州看護福祉大学を正常化する会HP
豊田保教授に対する懲戒処分について(2019年7月31日)

「高木義紀(常務理事)、不正在職疑惑に対する説明責任果たさず」
(1)高木氏本人からは、不正在職疑惑に対する明確な回答はなされなかった
(2)むしろ、不正在職に関する質問を封じるように求めてきた
(3)さらに、そのような問いをする行為それ自体が、屈辱行為だと反論してきた

「審査期日の通知及び意見陳述の催告書」に対する意見書(2019年6月5日)

学園理事長宛「申込書」(2019年8月1日)

裁判での和解について

早稲田大学教員公募事件

早稲田大学教員公募事件
大学教員の真の公募制のために(2019年8月6日)

岡山短期大学不当配転事件 

岡山地裁・判決(3月28日)・勝訴
訴状  判決文

山口雪子さんを支える会
障害者差別を訴える山口雪子(IPNET-J顧問)准教授を応援するWeb

都留文科大学事件 

■労働組合役職者に対する所属学科からの不当な排除事件
  2018年3月26日東京地裁に提訴(3人)
1.異を唱えた専任教員3名を所属学科から不当に排除 (三多摩法律事務所)
2.組合理由に排除は不当 都留文科大学教授ら提訴 (日本共産党山梨県委員会)

■根拠のないパワハラを理由とした授業・ゼミ担当外し事件
  2018年2月1日東京地裁に提訴 (1名)

■東京地裁無実確定後も授業を外し研究室などへの立ち入りを妨害する事件
 2018年7月4日東京地裁に提訴(1名)

■ 労働組合に所属の教員6名に対して違法な退職金減額事件
 東京地裁(2015年6月13日)二審高裁高裁判決(2015年10月28日),最高裁で大学側敗訴(2016年6月)

■上と同様の事件で,別の6人による提訴(不当に退職金を減額した事件)
  甲府地裁判決(2018年1月18日)約1250万円の支払い命令

この大学、かなり異常! 
80人が所属するこの大学で,2年間に11名が不法な扱いで大学を提訴。

都留文科大学における執行部による大学私物化とその背景(法と民主主義 2017/6 No.519)

明治学院大学解雇事件

速報 東京地裁・判決(2018年6月28日)勝訴!

■学問の自由と信教の自由を弁(わきま)えない大学
■授業を無断録音し教授を解雇した明治学院大学の犯罪
■明治学院、「いじめ対策せず」元高校女生徒に続き―大学でも「盗聴」に抗議する教授を懲戒解雇し提訴されていた
明治学院大学、授業盗聴・教科書検閲・理事会乗っ取り いま大学で何が起きているのか?

「東京新聞」(2017.1.7), (2018.1.4), 日刊ゲンダイ』(2018.1.4), 弁護士ドットコム

明治学院大学、授業無断録音に抗議した教授の解雇は「無効」判決(東京地裁)

『大学における〈学問・教育・表現の自由〉を問う』(法律文化社、2018年)を刊行
 ∟●貴方は「明治学院大学事件」をご存じだろうか?――学問の自由のために!

実況中継「明治学院大学事件」(『情況』2019年冬号)
非常勤講師をクビにする方法(首都圏大学非常勤講師組合『控室』第95号(2019年4月1日))
本で取り上げられる。小川仁志『公共性主義とは何か――〈である〉哲学から〈する〉哲学へ』(教育評論社、2019年6月)

■「学問の自由」シリーズの第2弾が発行
寄川条路編『大学の危機と学問の自由』法律文化社、2019年

「明治学院大学事件」が小説になった!「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!
明治学院大学事件、大学が盗聴を謝罪し和解案を提出
明治学院大学事件、文庫になって登場(2019年11月1日)

明治学院大学事件、2019年11月 東京高裁において、和解が成立!
【明治学院大学事件】が「科学者の権利と学問・思想の自由を守る闘い」として紹介されました。
大学当局が授業を盗聴していた【明治学院大学事件】が「判例集」に収録される。
もう一つの明治学院大学事件
ブックレット「学問の自由」シリーズ第3弾が出ました

名古屋芸術大学解雇事件 

2017年10月25日に教職員組合の委員長・副委員長の教授を不当懲戒解雇
中河・小西両教授を支援する会HP

新聞記事

宮崎大学不当解雇事件、最高裁で勝訴 

宮崎大 パワハラまで捏造 最高裁が異例の対応

『現代ビジネス』(2017年3月28日号)「パワハラを捏造され、解雇通告を受けた教授の告白 」
『週刊金曜日』(2017年3月31日号)「宮崎大ハラスメント訴訟、「無実」確定も現職戻れず」

早野慎吾氏「宮崎大学パワハラ捏造事件について」
大学が裸体と主張した卒論写真一覧

都留文科大の解雇事件、解雇無効
宮崎大の解雇事件 最高裁決定・大学側敗訴確定

宮崎大学学長宛公開質問状(2017年6月15日) 

都留文科大は、直ちに原職復帰させよ!

広島大学原爆放射線医科学研究所 

パワハラ訴訟 新聞記事1 新聞記事2 新聞記事3
これはひどい!
不当なパワハラを受けた原告教員に対して,提訴の報復として再任を拒否(3月末で解雇) 

[週刊金曜日に連載]
広島大学で“大人のいじめ”1──業績水増し告発の准教授が“クビ”へ
広島大学で“大人のいじめ”2──対応しない大学当局

追手門学院大学不当配転事件 控訴審 
学園側が控訴取下 大阪地裁判決(2015年年11月18日)が確定!
祝! 落合正行前学長の勝訴確定

大阪地裁判決(抄)  原告声明 左2つの文書提供は「支援する会」より

弘前学院大学 不当解雇事件

原告教員、青森地裁弘前支部に提訴(2015年12月28日)

 

追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分

懲戒解雇に対する声明 (文書提供は「支援する会」より) 訴状(2015年12月28日)

追手門学院大学で何が起こっているのか(「私大教連かんさい」No.115,2015年11月26日)

大学オンブズマン

学校法人四国大学は徳島地裁の判決に従うとともに、女性准教授に謝罪せよ (2017年12月20日)

過去記事 (労災・損害賠償訴訟 新聞記事1 記事2 記事3  大学オンブズマン声明

(2017年12月18日現在)

名古屋芸術大学不当解雇事件  2017年10月25日に教職員組合の委員長・副委員長の教授を不当懲戒解雇 中河・小西両教授を支援する会HP 
常葉大短大部不当解雇事件・控訴裁判  2017年7月13日東京高裁判決 祝 勝訴! 声明 
岡山短期大学不当配転事件・本訴裁判  2017年3月28日岡山地裁判決 祝 勝訴! 記事 訴状 
宮崎大学不当処分事件  2016年10月28日最高裁判決 祝 勝訴! 記事 
京都産業大学昇任拒否雇止め事件  2016年9月27日京都地裁不当判決! 記事
名古屋女子大組合副委員長不当解雇事件  2016年6月17日最高裁、上告を棄却 祝!原告勝訴   
 記事 鶴舞総合法律事務所  「AERA」2013年7月8日号  TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」2013年7月23日
四国大学労災損害賠償請求事件  原告教員が徳島地裁に提訴中
弘前学院大学不当解雇事件  原告教員が青森地裁に提訴(2015年12月28日)  
追手門学院大学不当配転事件  2016年3月1日学園側控訴取下 落合正行前学長の勝訴確定! 祝! 記事 
常葉大短大部不当解雇事件   2016年1月25日静岡地裁仮処分意義申立決定 祝! 勝訴!  地裁決定全文 
追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分 懲戒解雇に対する声明 原告・訴状(2015年12月28日)
吉備国際大学不当労働行為事件 2015年7月23日岡山地労委命令! 祝!勝訴 地労委命令書  
聖トマス大学解雇事件 2015年7月21日 神戸地裁で和解  
常葉大短大部不当解雇事件   2015年7月3日静岡地裁仮処分決定 祝! 勝訴!  報道 
九州産業大学教授降格処分事件   2015年3月18日福岡地裁に提訴   
野中教授「名誉毀損」不当提訴事件   2014年11月12日東京高裁   祝! 勝訴!   報道 判決文
名古屋女子大組合委員長不当解雇事件 名古屋地裁   祝! 勝訴!  新聞報道 
愛媛大学アカハラ等人権侵害事件 教官の違法行為と大学の責任を問う! 支援する会 訴状
専修大学職員解雇事件 東京地裁判決 新聞記事 
鈴鹿医療大学不当配転事件 理事会・名古屋高裁に控訴 鶴舞総合法律事務所 
岡山商科大不当労働行為事件 岡山県労委命令 2013年4月11日中労委再審申立
日本社会事業大学未払賃金請求訴訟 東京地裁2012年6月28日提訴  
東京女学館大学不当労働行為事件 東京地裁2012年12月14日提訴 募集停止問題  
東京国際大学不当労働行為事件 2012年2月27日都労委に救済申立  
大阪産業大学不当労働行為事件 2012年7月9日大阪府労委に救済申立  

北海道関係の訴訟一覧(2017年4月09日現在)

千歳科学技術大学不当解雇事件 最高裁・不当判決(2017年3月30日) 記事 
札幌大学未払い賃金請求訴訟 札幌地裁判決(2017年3月30日)祝 勝訴! 新聞記事 
酪農学園大学前常務理事の損害賠償等請求事件 最高裁上告棄却(2016年9月11日)祝 勝訴!  記事 
酪農学園大学前常務理事の損害賠償等請求事件 札幌高裁判決(2016年3月11日)祝 逆転勝訴!  記事 
酪農学園大学長解任無効確認訴訟 札幌地裁に提訴(2016年1月8日) 訴状
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 札幌地裁不当判決(2015年12月18日 新聞記事 
専修大学道短大副学長不当解雇事件 札幌地裁不当判決(2015年9月18日) 声明文 組合HP 
札幌医科大学退職強要・バワハラ訴訟 札幌高裁・不当判決(2015年6月2日) 
千歳科学技術大学不当解雇事件 札幌地裁・不当判決(2015年5月28日) 記事 
酪農学園大学前常務理事の現学長を含む6教員に対する訴訟 札幌地裁・不当判決(2015年5月11日)  財界さっぽろ2015年5月号記事
北海道文教大学雇止無効訴訟 札幌地裁判決(2015年5月8日)元2教授の請求棄却 新聞記事 
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌高裁・不当判決(2015年4月24日) 組合HP  声明 
天使大学懲戒処分無効確認訴訟 札幌地裁(2014年12月12日)   祝! 勝訴!  
札幌大学不当労働行為事件 2014年10月28日道労委命令!   祝! 勝訴!   道労委命令(全文)  
天使大学不当労働行為事件 2014年9月3日中労委命令!  祝! 勝訴!   中労委命令道労委命令 
室蘭工業大学不当労働行為事件 道労委へ提訴(2014年7月)
北海道教育大学旭川校不当解雇事件 最高裁(2014年2月20日)  祝! 勝訴! 新聞記事  
北海道教育大学学長選挙無効確認訴訟 札幌高裁・不当判決(2014年2月21日) 原告団・弁護団、抗議声明 
北海道大学非正規職員雇止無効訴訟 札幌高裁・不当判決(2014年2月20日) 上告!
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌地裁・不当判決(2013年12月2日) 組合HP  声明文
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 2013年5月24日札幌地裁へ提訴! 新聞記事 
東京理科大長万部キャンパス・職員懲戒処分事件 

[決着済訴訟一覧]
名古屋女子大組合副委員長不当解雇事件  2016年6月17日最高裁、上告を棄却 祝!原告勝訴   
 記事 鶴舞総合法律事務所  「AERA」2013年7月8日号  TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」2013年7月23日
富山大学懲戒解雇事件 富山地裁で和解(2016年11月29日)  原告・支援する会のコメント  「シュレッダーから甦った書類ー富山大学懲戒解雇事件を考える」
北陸大学不当解雇事件 全面勝訴で和解  記事 
長崎県立大学懲戒処分事件 最高裁 勝訴確定 New 事件を考える会HP 
関西外語大昇給差別訴訟控訴審 最高裁判所が不当判決 組合ニュース 
金沢大出勤停止処分無効確認等請求事件 勝訴確定!大学側控訴断念 原告ブログ 
■東和大解雇事件 解雇撤回で和解 福岡地裁 記事 過去経緯1過去経緯2
■名古屋女子大組合員不当解雇事件 2009年6月に決着 自由法曹団通信1306号
■大阪工大解雇事件 解雇撤回 逆転勝訴 記事 過去経緯
■大阪芸術大不当労働行為事件 大阪地裁 勝利判決 記事  学園側が大阪高裁に控訴
■鹿国大不当解雇事件 最高裁・上告を棄却 三教授勝訴 記事 
■湘南工科大不当解雇事件 最高裁が上告棄却 勝訴確定! 譴責処分も撤回 記事
■APU常勤講師解雇事件 最高裁「特別抗告棄却」 記事 
■APU専任講師解雇事件 京都地裁が解雇権濫用を断定
■京都大学任期制再任拒否事件 最高裁が上告棄却  記事
全国大学の非正規雇止無効訴訟一覧
(2013年11月29日現在)

名城大学・金城学院大学非常勤講師裁判 原告の訴え
京都精華大学ユニオン
■京都産業大学 昇任拒否による雇止め,2013年3月28日京都地裁へ提訴 新聞記事
■九州共立大学 教授雇止め 2012年7月10日 福岡地裁へ提訴
■九州女子短期大学 講師雇止め 2012年11月6日 福岡地裁へ本訴提訴 新聞記事

首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学に対する告発状

 

2020年07月08日

大分大学、学長“独裁化”で教授会と内紛…学長の任期上限を撤廃、ルール無視し人事強行

Business Journal(2020年7月6日)

大分大学、学長“独裁化”で教授会と内紛…学長の任期上限を撤廃、ルール無視し人事強行

文=田中圭太郎/ジャーナリスト

 国立大学法人大分大学では、学部長人事や教授採用などをめぐり、北野正剛学長と教授会が対立。教員OBも異議を唱えるなど、混乱が起きている。

 昨年8月には経済学部長の選考をめぐり、学長に意見として上げる候補者を学部の要項にもとづいて教授会が選んだにもかかわらず、学長が無視して学部長を決めた。批判の声が上がると「第三者委員会」が「要項は大学規程に抵触する」と教授会を悪者にして、要項自体が撤廃された。

 また昨年9月の医学部の教授採用では、教授会が選んだ候補者を学長が覆し、必要な手続きも経ずに別の人物を採用した。教授会によって選ばれていた候補者は、大分県弁護士会に人権救済の申し立てをしている。

 これらの問題の背景には、北野学長を中心とした執行部の専制にある――。そう指摘するのは、大学の混乱を受けて、教員OBらが昨年12月に立ち上げた「大分大学のガバナンスを考える市民の会」の関係者だ。関係者が「学問の自由と大学の自治が危機的な状況にある」と危惧する大分大学で、何が起きているのかを取材した。

学長がルールを無視して教授選考

 大分大学医学部の准教授だった50代の男性が今年1月、大学を退職した。男性は前任の教授が退官した約1年9カ月前から、准教授兼大学附属病院の放射線科部長として、研究や学生の教育、医局や病院の放射線部の運営に関わっていた人物。医学部の教授候補者選定委員会の選考、教授審査委員会の投票を経て、昨年9月の人事会議で次期教授候補者に決定していた。

 ところが、いつの間にか北野学長が別の人物を候補者に選んだために、教授になれなくなってしまったのだ。

 大分大学の教員選考規程では、教員の任用は「人事会議の審議に基づく部門長の申出により、教育研究評議会の審議を経て、学長が行う」となっており、最終的な任用権限は学長にある。しかし、教員の選考過程に学長が関与することは想定されていないし、認められてもいない。

 にもかかわらず、北野学長は昨年11月の医学部教授会に、別の人物を教授に任命することを通知。10月に就任したばかりの医学部長は、同月にメールによる人事会議を開いて、学長が選んだ人物を教授候補者として教育研究評議会に推薦する方針と、期日までに回答がなければ異議なしとして取り扱うことを通知。メールで会議を開いたことにして、9月の医学部人事会議の決定を覆したのだ。

 元准教授は今年1月、医学部人事会議による教授候補者の決定を学長が覆したのはアカデミック・ハラスメントであり、人権を不当に侵害する行為に該当するとして、大分県弁護士会に人権救済を申し立てた。

 北野学長は九州大学医学部出身で、大分大学医学部の教授や副学部長などを務め、2011年に学長に就任。元准教授は大分大学に合併する前の大分医科大学出身で、最終的に教授に選ばれた人物は九州大学出身だった。教員OBの一人は教授選考の問題は「学閥争いが影響したのではないか」と指摘しており、医療関係者からも「やりすぎではないか」との声が聞こえてくる。

経済学部長の選考をめぐる混乱

 ところが、北野学長が介入したのは医学部の人事だけではなかった昨年8月、経済学部では学部長を選考するため、教授会で選挙を実施して、候補者を選んだ。しかし、北野学長は候補者の名前を聞くことを拒否したのだ。

 大学の規程では学長が新しい学部長を任命することになっている。その規程のもとで経済学部では要項を定めて、学長に意見として上げる推薦候補を、教授会が選ぶことになっていた。教授会が選挙の結果選んだ候補者の名前を聞くように要請したが、北野学長は聞き入れず、候補者ではなかった高見博之氏を学部長に決定した。

 すると大学執行部は、経済学部の一連の行為が「大学の規程に触れるおそれがある」などとして、一方的に「第三者委員会」を設置。委員会は昨年12月、「学部の要項とその運用は大学規程に抵触する」と答申した。教授会が選んだ候補者の名前を聞くことを北野学長が拒否した理由は明らかにされない一方で、教授会だけが悪者扱いされた。

 答申を受けて、経済学部は今年1月、学部長の高見氏のもとで、教授会の選挙で学部長候補者を選ぶことを定めた要項を廃止する。今後は学長が教授会の意見に関わらず、学部長を決められるようになってしまったのだ。

 この状況に、大分大学の教員OBらが異を唱えた。昨年12月に「大分大学のガバナンスを考える市民の会」を結成。経済学部長選考をめぐる経緯については「ルールを無視した学長が、ルールを守るよう要請した学部長及び学部を非難した」と批判した。医学部の教授選考についても問題視し、「学長による権限の行き過ぎた行使を監視する」として、記者会見などで学長の独裁に警鐘を鳴らしている。

学長の任期上限と意向投票がないのは国立では2大学だけ

 北野学長の任期は、昨年10月から3期目に入った。国立大学法人でありながら、これほど強い権限を手にしている背景には、2015年の学校教育法の改正がある。改正前の第93条は、「重要な事項を審議するため、教授会をおかなければならない」とされていた。それが改正法では、教授会は学長が決定を行うに当たり「意見を述べる組織」に格下げされた。

 とはいえ、法改正後も教授会の意見が尊重されている大学は当然ながらある。しかし大分大学ではこの年、学長の再任については、任期の上限と教職員による意向投票を撤廃した。つまり、学長は自分の息がかかった執行部体制が続く限り、いつまでも続けられることになった。全国の国立大学法人で学長の再任上限と意向投票をともに撤廃しているのは、大分大学と弘前大学だけだ。

 その頃から北野学長は、他の学部でも学部長を自ら指名するようになった。2016年に新たに設置した福祉健康科学部では、設置準備をリードしていた教授がいたにもかかわらず、北野学長が別の教授を学部長に指名した。ところが、この学部長に「研究費を不正使用している」との疑惑が持ち上がる。2018年12月に内部告発があり、調査の結果、出張費を5年余りにわたって約110万円不正に受給していたことが判明。この元学部長は、去年3月に停職10カ月の懲戒処分を受けている。

 経済学部では学部長の任期は1期2年で2期までとされていたが、経済学部の学部長選考に関する要項を撤廃した際、学部長の任期の上限も撤廃された。教授会は、学部長の選考に一切関われなくなってしまったのだ。撤廃された学部長選考に関する要項は「北野学長が従来の慣行を変えようとする中で、一定の歯止めをかけるためのものだった」と経済学部の教員OBは振り返る。

「学部長を選考する際に、教授会の意見を聞くという要項があれば、学部の発言が一定程度は確保されるだろうと思っていました。しかし、学部長選考をきっかけに、経済学部は完全に学長に屈服させられた状態になってしまいました」

「第三者委員会」の公平性に疑問

 経済学部長選考の問題は、大学としては幕引きをした形だが、先述したように北野学長が教授会の意見を聞かなかったことなど、疑問点は残っている。加えて、教員OBらが疑問視するのは、調査をした「第三者委員会」の公平性だ。

 第三者委員会のメンバーには、経済学部同窓会の会長代行が任命されていた。ところが、経済学部の同窓会会長は、理事の一人である石川公一氏が務めている。しかも石川氏は法務・コンプライアンス担当の理事でもある。

 石川氏は元大分県職員で、大分県教育委員会教育長や大分県副知事などの要職を歴任した。大分大学では2010年から2016年3月まで監事を務めた後、顧問を経て、2016年10月に非常勤理事に就任。翌年1月から常勤の理事となった。企業でいえば監査役にあたる監事から理事に就任するのは、国立大学法人では極めて珍しいケースだろう。

 市民の会が設立される前に存在した退職教員の会は、「同窓会は大学と無関係ではなく、しかも、同窓会会長は法務担当の理事であり、この委員の中立性には疑問がある」として、同窓会会長代行の委員を変えるように大学に要請した。しかし、大学側は「人選に問題はない」として応じなかった。教員OBは、次のように憤る。

「同窓会長であり理事である人物の意向が、同窓会長代行に反映される可能性があれば、第三者委員会とは言えないのではないでしょうか。大学執行部は教授会が悪者にして、教授会の選挙で学部長を選ぶ要項を廃止することで幕引きしたつもりでしょうが、到底納得ができません」

混乱の影響は学生にも

 さらに、経済学部長選考の影響は、学生にも及んだ。昨年11月、学生有志を名乗る匿名の人物が、学部長選考を批判する文書を高見氏に送った。すると高見氏は、大学の一斉送信システムを使って学部生1200人全員に「手続きに則り適正に学部長に就任した」「自主的、主体的に実名で主張を展開していただくよう『学者』『教育者』として付言させていただく」という趣旨のメールを送信したのだ。

 学生に対して高圧的ともいえる高見氏の行為は教授会で問題視され、結局、高見氏は学生向け説明会を開いて謝罪した。しかし、北野学長は高見氏のメールを問題視しない考えを示している。

 また大分大学は6月30日、医学部にメディカル・イノベーション学科を新たに開設する構想を発表した。3年後の開設を目指している。しかし、大学広報によると「学内での合意形成はこれから」だという。大学関係者からは「大学内での検討をほとんど経ずに新学科の構想が発表された」と戸惑う声も出ている。

 大分大学の混乱は、学校教育法改正など、国が進めてきた大学のガバナンス改革の延長線上にある。その弊害として、独裁化が進んだケースともいえる。教員OBの一人は「強い危機感を持っている」として、次のように話している。

「大分大学はいま急速に変化しています。学長が自由にすべてを決められるようになってしまいましたが、本当にこのままでいいのでしょうか。学問の自由と大学の自治を守るためには、いま声を上げていかなければならないと思っています」

(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)


2020年07月06日

梅光学院大特任教授、不当な雇い止め 損害賠償求め提訴

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2020年07月04日

札幌国際大学懲戒解雇事件 大学の健全化を求めた言動を理由に懲戒解雇

毎日新聞(2020年6月30日)


2020年07月03日

北大学長解任 長期混乱の説明足りぬ

道新(2020/07/03)

 萩生田光一文部科学相が、北大の名和豊春学長を解任した。

 大学職員らを過度に叱責(しっせき)するなどの不適切な行為を重ねたのが理由とされる。国立大が2004年度に法人化されて以降、学長の解任は初のケースだ。

 名和氏は問題が表面化した直後から休職し、1年半にわたって学長不在という異常事態が続いている。にもかかわらず、北大側が対外的な説明を十分にしてこなかったのは納得できない。

 解任を受けた記者会見を経ても「内部で何があったのか」という疑問は残されたままだ。

 北大は問題が長期化した経緯を含め混乱の原因を明らかにし、再発防止に努めてもらいたい。

 北大によると、名和氏は学長に就任した2017年以降、職員らに過度な叱責や威圧的な言動を重ね、特定業者のために再入札を求めるなど不適切な行為を重ねた。

 これを受け北大の学長選考会議が文科相に名和氏の解任を申し立てた。文科相は調査の上、「(国立大学の)役員たるに適しない」との理由で解任を決めた。

 ただ、名和氏の行為が解任に十分相当するかの具体的根拠は示されず、処分が適正かは判断が難しい。名和氏と大学側との間でどんないきさつがあったのかも、詳しく知りたいところだ。

 名和氏は不適切な行為を否定し、「処分は不当だ」として、文科相に対する審査請求や国を相手取った処分取り消しの訴訟を起こす構えだ。

 だが、処分理由に対する反論は明確さを欠き、疑問は残る。名和氏にも説明責任はあるだろう。

 一連の混乱が学内外に及ぼした影響は小さくはない。

 新型コロナウイルスの感染拡大が、大学の授業や入試日程に影響を及ぼしている。在籍する学生や受験生らに、大学の現状や今後を不安視する向きは多かろう。

 そうした中で、大学の役員らが内部の混乱を長引かせるのでは、信頼を得ることは難しい。まずは学生らの不安を解消し、学問に落ち着いて打ち込める環境を整えるべきだ。

 北大の学内規定は、学長欠員の場合は速やかに次期学長選挙を行うと定めている。大学側は年内に行う意向を示したが、不在の長期化を考えれば、早期の決着が望ましい。

 今回のような問題の再発防止を徹底し、地域の拠点的研究・教育機関としての責任を果たしてもらいたい。


2020年07月02日

京大iPS研の元非常勤職員、懲戒解雇の無効求め提訴へ

朝日新聞(2020/07/02)

 京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)を懲戒解雇された50代の元非常勤職員が、解雇処分の取り消しを求める訴えを3日にも京都地裁に起こすことがわかった。代理人弁護士は「理由のない懲戒解雇を受けた」と主張している。

 京大は、元職員が勤務していた研究室の教授のメールを無断で見たり、機密書類を持ち出したりしたことなどが、大学の秩序・風紀を乱す行為を禁じた規則に違反したとして、3月31日付で懲戒解雇処分にした。

 一方、元職員の代理人弁護士によると、処分理由の記載が抽象的だったため、京大に詳細な日時や内容を求めたが、回答が得られなかった。訴訟では、京大側に処分理由に該当した行為を具体的に特定させた上で、事実の有無や、懲戒処分にあたりうるかを争う方針。

 元職員は、2007年度から1年間の雇用契約更新を繰り返し、19年4月に雇用期間の定めのない契約に変わった。17年から執拗(しつよう)な退職勧奨の嫌がらせを受けていたとしている。訴訟では100万円の慰謝料も求める。

 元職員は「労働者が提訴するのは費用や転職の面でハードルが高いが、このような問題は京大だけではないと思う。iPS細胞は人類の希望を大きく担うもので、辞めさせられた人間が申し上げるのはおかしいが、iPS細胞の研究については応援してほしい」と話している。


懲戒解雇の京大iPS研元職員、パワハラで大学提訴へ 慰謝料など求め

毎日新聞(2020年7月2日)

 懲戒解雇された京都大iPS細胞研究所(京都市左京区)元職員の50代女性が、男性教授からパワハラを受け続けた末に理由なく解雇されたとして、京大に地位確認や慰謝料など約530万円の支払いを求め、3日にも京都地裁に提訴する。

 代理人の弁護士によると、女性は2007年4月から同研究所に勤務し、男性教授の研究室に勤めていた。17年2月以降、教授から「何で辞めへんの」「居座ってどうするん」などと繰り返し退職を迫られた。女性は20年3月、「教授の機密情報が記載されたメールを無断で閲覧した」などとして懲戒解雇された。

 女性は処分歴はなく、解雇の理由も「どのメールの件を問題にしているのか全く分からない」と主張。5月には処分の理由を説明するよう京大に文書で求めたが、明確な回答はなかったという。代理人の弁護士は「大学側が圧力をかけたが辞めなかったので処分を利用した。不当な解雇だ」と主張。一方、京大は「訴えの内容が分からないので、コメントすることはない」としている。


2020年06月02日

大学に巣食う「ワルい奴ら」

ZAITEN(2020年7月号)

フリージャーナリスト,田中圭太郎氏が「大学に巣食う「ワルい奴ら」」と題する特集記事を執筆されました。
是非,購入・購読ください。

大学に巣食う「ワルい奴ら」

特集
当初は今年としていた「大学入試共通テスト」における、民間の英語検定試験の利用と記述式設問の導入だが、昨年11 月、萩生田光一文部科学大臣は急遽見送りを決定、「混乱を招いた」と謝罪したことは記憶に新しい。そんな折、新型コロナウイルスの影響で教育も「リモート」にシフトし、9月入学・始業も議論されるなど、現場の混乱は止まらない。しかし、そんな喧騒の陰で放置されているのが、昨今増殖する、経営トップの腐敗による大学崩壊の危機的な現状である。背景にあるのは、2015年に施行された学校教育法の「改悪」に他ならない。「ガバナンス改革」の名の下に、教育と研究が破壊されている全国の大学をレポートする―。

独裁体制で進む"野蛮な大学改革" 地方大学を破壊する「よそ者トップ」たち 弁護士、天下り官僚、地方自治体幹部......。全国の中・小規模大学では、理事長や学長に 教育者ではない人物が就くことで、野蛮な改革によるトラブルが相次いでいる―。
ジャーナリスト 田中圭太郎

■【弁護士トップが専横する大学】追手門学院大学、山梨学院大学
■【天下り幹部たちの私利私欲】目白大学、梅光学院大学
■【公立大学でも吹き荒れる独裁の嵐】下関市立大学、都留文科大学
■【国立大学「学長任期撤廃」の弊害】大分大学、弘前大学
■【利権確保に走る官僚OBと地元財界】札幌国際大学

2020年05月29日

立教大学の要職教員がセクハラ、初期対応の誤りで総長が引責退任へ

Christian Today(2020年5月15日)

立教大学は15日、ハラスメントを行ったとして学内の要職者であった教員を懲戒解雇処分とし、初期対応を誤ったとして、郭洋春(カク・ヤンチュン)総長が来年3月末に任期を1年残して退任すると発表した。毎日新聞が関係者の話として伝えたところによると、ハラスメントの内容は学生らに対するセクシャルハラスメント。

立教大学の発表によると、教員によるハラスメントは2018年6月に発覚。副総長2人と教員が所属する学部が対応に当たり、教員は19年3月に要職を解任された。しかしその後、ハラスメントに関する調査があり、同年6月、初期対応を行った副総長2人が退任。当時の報道によると、2人は初期対応で誤りがあったとして、責任を重く受け止め辞意を申し出たという(関連記事:立教大学の副総長2人が退任、ハラスメントの初期対応で誤り)。

同年7月、教員による新たなハラスメントが発覚。同年10月から今年3月にかけ、教員のハラスメントに関する人事委員会や学外の第三者を交えてのハラスメント対応の検証を行い、3月23日に教員の懲戒解雇を決定した。第三者を交えての検証では、教員が学内の要職者であったことや、初期対応における判断の誤りが解決の遅れにつながったとする指摘があったという。

郭総長はこれを受け今月8日、大学を運営する学校法人立教学院の理事会で、ハラスメントを行った教員の任命責任と監督責任、また初期対応の責任を重く受け止め、任期途中での辞意を表明。理事会が同日、申し出を受理した。退任日が来年3月31日となるのは、新型コロナウイルスへの対応や次期総長選定のための手続きなどを考慮しての対応。

次期総長選は、7月に公示を行い年内に実施。12月の理事会で次期総長が決定する見込み。

毎日新聞や共同通信によると、ハラスメントが18年6月に発覚した際、郭総長が副総長2人に対応を指示。2人は学内の「人権・ハラスメント対策センター」に相談しないまま、教員が所属する学部内で調査を行い、同年12月に学部長による厳重注意処分とするのみにとどめた。郭総長はこれらの報告を受けた上で、教員を解任せずに要職にとどめたが、対策センターが19年3月、処分が軽過ぎると指摘。これにより、教員が要職から解任されることになったという。


2020年05月12日

下関市立大学が“無法地帯化”…安倍首相元秘書の市長、無審査で人事・教育内容決定を可能に

Business Journal, 2020年5月12日

下関市立大学が“無法地帯化”…安倍首相元秘書の市長、無審査で人事・教育内容決定を可能に

文=田中圭太郎/ジャーナリスト

 安倍晋三首相の元秘書である前田晋太郎下関市長が、「私物化」を進めている下関市立大学。昨年6月、経済学部しかない大学に、特別支援教育などについて研究する専攻科設置と、それに伴う教授ら数人の採用を、学内で定められた手続きを踏まず前田市長の要請で強引に決めた。

 この決定に教員の9割が反対すると、9月に前田市長は学内の審査がなくても教育研究に関することや、教員の人事・懲戒などを理事会の審理だけで可能とする定款変更の議案を市議会に提案。市長派の議員によって可決された。こうした「私物化」に、識者からも「見逃すことができない大学破壊だ」と声が上がっている状況を、前回の記事(『安倍首相元秘書の前田市長、下関市立大学を私物化…ルール無視し人事と教育内容に介入』)でお伝えした。

 4月に入り、この定款変更が有効になった。新型コロナウイルスの感染拡大で大学の授業はまだ始まっていないが、定款変更に伴う教育内容や人事、懲戒などの規程について審議が行われないまま新年度を迎えてしまった。しかも、副学長人事などが教員を無視して行われている。「無法地帯」状態とも言える下関市立大学の現状を、整理してみたい。

強引に採用した教授と市職員OBを副学長に

 下関市立大学の川波洋一学長は3月16日、大学に新たに2人の副学長ポストを置くことと、その人選について発表した。しかし、その内容に下関市立大学の教員のみならず、市長による大学の「私物化」に疑問を呈している市民も、呆れざるを得なかった。

 副学長の一人は、専攻科の教授に内定していた、ハン・チャンワン氏。前田市長が大学に採用を要請して、学内の教授らで構成される教育研究審議会の承諾を得ぬまま、強引に教授内定が決まっていた人物だ。しかもハン氏は、今年1月に、大学の経営側とも言える理事に任命されていた。

 下関市立大学には経済学部しかないが、ハン氏は特別支援教育の研究者である。大学の従来の教育分野とは関係ない人物が、市長の要請によって採用されただけではなく、副学長に就任してしまった。理事としても、教育研究を担当するという。あからさまなコネ人事に、「ここまでやるのか」と驚きを通り越して呆れる声があがっている。

 さらに、もう一人の副学長は前事務局長の砂原雅夫氏で、下関市の職員OBだ。学識経験者でもない人物が副学長に就任したことにも、「なぜ教育者でもない人間が副学長に就任するのか」と関係者は怒りを隠せない。こうした人事は、大学内の教員に事前に通知されることなく、報道機関に発表されたという。

 下関市立大学の理事長も、元副市長だった山村重彰氏が務める。理事会だけで教育内容も人事も決めることができて、なおかつ市長が強引に採用した人物と、市職員OBが副学長に就任することで、市長の意向を受けた大学運営が可能になってしまった。

市民団体が定款変更と専攻科設置の停止求める要望書

 副学長人事が発表される前から、教員OBや市民からは市のやり方に反発する声があがっていた。1月31日には下関市民会館で元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士、元文部科学省官僚の寺脇研京都造形芸術大学教授、作曲家・指揮者の伊東乾東京大学准教授によるシンポジウムが開かれた。3人は下関市立大学の問題点を指摘し、「見逃すことができない大学破壊」だと断じた。

 3月14日には、市民団体「下関市立大学“私物化”を許さず大学を守り発展させる会」が、大学の定款変更と専攻科設置計画の停止などを求める要望書を、下関市と市議会、それに下関市立大学に提出している。

 一方、学内では昨年12月に、前田市長や理事長の意向を受けて専攻科設置と採用人事を進めた学長の解任を教育研究審議会が議決した。この議決を受けて、学長選考会議で解任について議論したが、会議のメンバーが経営側3人、教員側3人の6人の構成だったことから、3対3で解任は不成立に終わった。

 こうした状況の中、3月をもって他の大学に移っていった教員も数人いるという。理不尽な決定の数々に対して、抵抗しなければならなかった状況に、疲れてしまったのではないだろうか。

 さらに、定款が変更されたことによる「教育人事評価委員会規程」「教員懲戒委員会規程」「教育研究審議会規程」など、新たな規程の案は審議されないまま。今後、大学でどのように物事が決まっていくのか、教員がわからないという異常事態になっている。

下関市立大学の今後に注視が必要

 新年度を迎えたものの、新型コロナウイルスの影響で、下関市立大学ではまだ授業は始まっていない。5月18日から遠隔授業を始める予定で、教員は授業の準備に追われている。

 一方で教員は、今後大学が正常に運営されていくのかどうか、大きな不安を抱えている。大学では教員全体の9割がハン氏の教授採用や定款変更に反対してきた。教員たちは、これから理事会によって一方的な懲戒処分など、強権的な弾圧が行われるのではないかと危惧している。

 その危惧には理由がある。すでにハン氏が、自分の採用に反対した経済学部の学部長と副学部長の2人に対し、「プライバシーの侵害」と「名誉毀損」があったとして損害賠償を求める民事訴訟を起こしているからだ。

ハン氏の教授、理事、副学長就任以外にも、首を傾げざるを得ない人事が次々と明らかになっている。専攻科設置に伴いハン氏とともに採用された数人のうちの1人は、専任講師と昨年9月の教育研究審議会で報告されていたが、准教授として採用されたことがわかった。さらに、専攻科の事務職員が不正に採用された疑いもあるという。

 下関市立大学は1956年創立の下関商業短期大学を前身として、1962年に4年生大学になり、経済学部だけの単科大学としてこれまで実績を積み上げてきた。安定した黒字経営で、学生の就職状況も良好で、地方の名門公立大学として知られている存在だ。

 しかし、昨年6月以降生じている問題は、その実績だけでなく、今後の教育にも大きな影を落とす可能性がある。下関市立大学の動向は、今後も注視すべきだろう。

(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)

2020年05月02日

高等教育予算の大幅増額・学習権保障を求める共同アピール

学生,大学教職員のみならず,市民の方の賛同署名もお願います.
署名サイト⇒「政府に対して、学費無償化に向けて足を踏み出すことを求めます

高等教育予算の大幅増額・学習権保障を求める共同アピール

わたしたちは学生たちの「学費半減を求める」運動に賛同し、
政府に「無償教育の漸進的導入」に取り組むことを求めます

2020年5月1日

高等教育予算の大幅増額・学習権保障を求める大学関係者の会

 新型コロナウイルスの感染が広がるもとで、世界は深刻な不況に陥っています。日本でも企業の倒産や失業者の増大などが広がっています。

 感染の影響は大学や短期大学(以下、大学)にも及んでいます。新学期を迎えた大学では、新入生たちをキャンパスに迎えることができずに、オンラインでの授業をせざるを得ない状況です。教員たちはその準備に追われています。また、職員たちは学生たちの支援に力を尽くしています。

 同時に、わたしたちが直視しなければならないのは、学生たちもかつてない厳しい状況におかれているということです。とりわけ世界有数の高学費、そして貧困な奨学金制度のもとで学ぶ権利を奪われようとしている大勢の学生がいることです。

 高学費を学生自らが負担することは困難であり、家族が学費を負担することが一般的です。しかし、不況が深刻化するもとで家計の経済状況は急速に悪化しています。学生たちのアルバイトも営業の自粛などによってその機会が奪われています。一方で、オンライン授業にともなう支出の増大にも対応しなければなりません。

 わたしたちは、いま全国的に広がっている学生たちによる「学費半減を求める」運動は正当なものであると考えます。しかし、それは新型コロナウイルスの感染にともなう緊急避難的な要求にとどまらないものという認識をもつことが必要です。

 大学の教育は商品やサービスではありません。教育は高等教育までを含めて基本的人権の中核をなすものです。また、対面での授業はできなくなったとはいえ、大学は懸命にオンライン授業を行うなどして学生たちの学びを保障しようとしています。対面授業ができなくなったからといって、学費を引き下げるという論理は適切とはいえないでしょう。

 高等教育についても日本政府は「無償教育の漸進的導入」を国際社会に対して約束しています。このようなことからすると学生たちの要求は、国際水準に立ったものとして受け止めるべきです。ここで「無償教育の漸進的導入」とは、学ぶ権利を保障するために、(学費以外を含めて)教育費の負担を徐々に減らしていくということです。

 いま全国の大学では、①オンライン授業のための費用を大学が負担し、全学生に一律3~5万円程度を支給する、②学費納入期限の延長や分納の措置をとる、③(一部の大学では)独自の給付制奨学金を設ける、といったことが行われています。しかし、これは新型コロナウイルスの感染の広がりへの対応として不十分です。加えて、「無償教育の漸進的導入」という国際社会の到達点からしても大きな問題点があります。肝心の学費、とりわけ授業料は据え置かれたままであるからです。

 なぜ、このような状況なのでしょうか。学費が無償であったり低学費であったりする国では、日本のような「学費半減を求める」運動は起こらないのではないでしょうか。日本では、世界的に見ても高等教育(を含め教育)に対する公財政支出が貧困です。そのため学生や家族は学費負担の重さに苦しめられています。一方、大学は学費収入に大きく依存せざるを得ません。それは、とりわけ私立大学において顕著です。

 個別の大学で学生の経済的な困難に対する支援策を抜本的に拡充することには限界があります。また、財政的に一定の余裕がある大学であれば学生に対する経済的な支援は可能ですが、すべての大学がそのようなことができるわけではありません。

 いま求められているのは、高等教育予算の大幅な増額であり、すべての学生の学ぶ権利を保障することです。学費を引き下げ、給付奨学金の対象者の拡大などが急務となっています。そのためには、国民的な運動が必要です。大学関係者も連帯して社会に対してこのことを積極的に呼びかけていく必要があります。

 新型コロナウイルスの感染の拡大は、さまざまなシステムの限界を露呈させています。危機の状況にある現在だからこそ、未来を切り拓く若者たちに対する社会的な支援が必要です。わたしたちのアピールへのみなさまの賛同を心から呼びかけます。

井上 千一(大阪人間科学大学)   
岡山 茂 (早稲田大学)      
片山 一義(札幌学院大学)     
國本 真吾(鳥取短期大学)     
小池由美子(上田短期大学)     
小山 由美(日本大学)       
西垣 順子(大阪市立大学)     
藤原 隆信(筑紫女学園大学)    
細川 孝 (龍谷大学)       
堀 雅晴 (立命館大学)      
光本 滋 (北海道大学)      

事務局(連絡先)          
細川孝(hosokawa@biz.ryukoku.ac.jp)


コロナで困窮する大学生、国は救済してくれないのか あまりに少ない予算措置、このままでは大量の中退者を生むことに

JBpress:2020.4.30(木)

2020.4.30(木)
玉木 俊明

 令和2年度文部科学省補正予算(案)が発表された。GIGAスクール構想の加速による学びの保障への2292億円という大型予算、学校における感染症対策事業への137億円、学校等衛生環境改善(トイレ・給食施設等)への106億円といった比較的大型の予算も組まれている。

 ところが、国立大学における授業料減免(案)が4億円、私立大学等授業料減免等支援(案)が3億円でしかない。このコントラストには、唖然とするばかりである。

 国立大学の授業料減免の目的が、「新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、意欲のある学生が、経済的理由により修学を断念することがないよう、国立大学が行う授業料減免を支援する」となっており、私立大学授業料減免支援に関しては、「新型コロナウイルスの影響により家計が急変した家庭の学生に対して、授業料減免等を実施した大学等に対し、私立大学等経常費補助金により所要額の一部を補助(補助率1/2)」とある。

 国立と私立を合わせてわずか7億円である。これはあまりに少額であり、焼け石に水にすらならない。石はずっと焼け続けるであろう。ほとんどの学生にとって、この援助では役に立たない。
多くの学生はアルバイト収入なしでは生活できない

 国立大学の授業料は年間53万5000円、私立大学の学費は、文系で100万円を超え、理系で150万円を超えるのが普通である。

 そのため自宅生の比率が増え、私の学生時代には自宅か下宿かは通学に2時間かかるかどうかで決められたが、現在ではそれが2時間半になっている。

 今年度からはじまった高等教育無償化の対象となる世帯収入は、380万円であり、それは学生が高等教育を受ける機会をより広げたものの、十分ではないことは明らかである。私見によれば、せめて600万円にまで引き上げる必要がある。

 多くの学生は、決して贅沢な暮らしをしているわけではない。これは、学生と日常的に接触している私の偽らざる気持ちである。授業料は保護者に出してもらっているが、生活費は自分で稼いでいる学生は決して稀ではない。

 高校生の時から奨学金を借りており、大学卒業時には1000万円以上の借金を背負っている学生もいる。そういう学生は、たくさんのアルバイトを入れていたりする。たとえば、授業料を奨学金で支払い、生活費はアルバイトにより賄っているのである。貸与型の奨学金が大半を占める現在においては、そうして生活するしかなく、彼らには、卒業後、重い借金が課せられるのである。

 しかも、受験生人口が激減したため、私の学生時代だった1980年代とは違って、家庭教師や塾講師などのアルバイトで高賃金を得ることはきわめて難しい。学生のアルバイト先は、コンビニや飲食業が圧倒的に多い。そこに今回の新型コロナウイルスの蔓延で日本全国に緊急事態宣言が出されたために、学生のアルバイト先も急速に縮小しており、彼らが生活していくこと自体困難になっているのが現状である。

 その彼らに対する援助額が7億円しかないなら、「国はほとんど援助する気がない」とか「文科省は学生の学習権をかなり軽視している」と受け止められても仕方がないであろう。

 しかも、多くの私立大学側にも、生活に窮するすべての学生に対して、授業料を減免してあげるだけの経済的余裕はない。

教職員の負担も激増

 教員も、決して安楽な生活をしているわけではない。これまで動画配信やオンライン授業などまったく興味がなかった60歳代の教員も、突然それらを使った授業を余儀なくされ、膨大な時間をかけて試行錯誤している状態だ。

 教員は、自分のことだけを考えているわけではない。学生がちゃんとオンライン授業に参加できるためにはどうしたら良いのかと、絶えず悩んでいる。オンライン授業に参加できない学生が一人でもいることは、大学としてきちんとした教育を提供する義務を放棄しているということになるからである。

 さらに、外国人教員の中には、日本語があまりできない人がいるが、そういう人たちのために日本語のマニュアルを苦心惨憺して読み、英語やドイツ語やフランス語やイタリア語や中国語やロシア語などに訳すことに膨大なエネルギーをとられている日本人教員もいる。そのために土日返上で働いて、自分の授業の準備すらままならない有様だ。本当に倒れそうになって働いている同僚を見るにつけ、身体を壊さないかどうか心配になる。

 オンライン授業に慣れていないというだけではなく、これまでの対面形式の授業がいかに効果的・効率的であるかということを実感しながらも、どうすればそれに劣らない授業を提供できるのかと悩んでいるのが、平均的な教員の姿なのである。

 大学の職員も、在宅勤務状態にあり、以前ほどには効率よく働けない。しかし、緊急事態が発生したからこそ、確実に学生に、特に新入生に情報が伝わるよう、じつに苦労している。

 一番大変なのはこの春入学した新入生だろう。そもそも高校生から大学生になるだけで、生活は大きく変化する。これは、多くの読者にも経験があろう。それに加えて今回は、おそらくこれまで経験したことがないオンライン授業で大学の講義が始まる。新入生はかなり混乱するはずであるが、その混乱をできる限り抑えるべく、職員も尽力しているのである。

ほとんどの私学は授業料減免する体力ない

 国立大学においては、学生は授業料を大学に収めるのではなく、国庫に納める。そして国は、学生数などに応じて国立大学運営交付金が支給される。したがって、授業料そのもので運営されている、というわけではないが、国立大学も経営力が問われる時代になっていると言える。

 だが、私立大学の経営環境はそれ以上に厳しい。約4割が定員割れしているといわれ、そのような大学の中には、危機的な財政状況に置かれている大学もある。実際、すでにリストラ、賃金カットが進んでいる私立大学は、決して珍しくはない。定年の年齢が引き下げられた大学も少なくはない。任期制の教員は当たり前のことになった。教員の多くが、数年間の契約である場合すらある。このような傾向は、一般企業と同じである。

「豊かな私学」というイメージは、大規模私学の一部にのみあてはまるのである。多くの私学には、少数の学生だけならまだしも、多くの学生に授業料減免を実行する経済的余裕はない。

 仮に、収入が200億円程度で、そのうち授業料収入が100億円の大学があると仮定しよう。もし総額30億円の授業料減免をすることとし、それを教職員の賃金カットで補おうとすれば、専任教職員が500人というこの規模では普通の大学の場合、一人当たり600万円の賃金カットになる。これでは、教職員はとても生きていけない。十分な流動資産がある大学なら、賃金カットは不必要かもしれないが、そのような大学はほとんどあるまい。今回の文科省(案)は、それを理解しているとは思えないのである。

国は学生にもっと多くの財政的支援を

 もし、政府の方針通り、私立大学の学生には3億円の援助があったとしよう。しかし、文科省の指針を文面通り読むとするなら、授業料減免などをした大学の所属する学生しかこの特典に与かることはできず、それは恵まれた数少ない私学の学生に限定される。さらにそうした私学に通う学生の家庭は、むしろ比較的裕福だと推測される。であれば、文科省の政策は格差を助長することになり、明らかに間違っていると思うのである。

 政府のすべきことは、困っている学生に財政的支援をすることにほかならない。アルバイトで生活していた学生に対する給付金を支給することが必要なのである。そこに目を向けてくれるならば、国立と私立を合わせて7億円というような金額ではなく、最低でも数百億円単位となるはずだ。もちろん私立大学は、それに加えて、授業料減免の学生数を増やす取り組みもしなければならない。

 それで少なからぬ学生が退学しなくてすみ、日本社会は安定し、将来有望な若者の芽を摘み取ることがなくなるのならば、社会にとっても大きなメリットがある。このメリットを、わが国は、もっと重要視すべきではないか。

 このままいけば、就職氷河期のため正社員として就職できなかったロストジェネレーションと呼ばれる人々を再生産することになってしましかねない。いや、正確には「中退ジェネレーション」と呼ぶべきであり、彼らの境遇はさらに悪い。

 そうならないためにも、国は学生にもっと多くの財政的支援をすべきだと訴えたい。学生の学習権を保障することこそ、このような緊急事態における国家の責任ではないだろうか。

2020年04月09日

追手門学院大学不当懲戒解雇事件、3月25日大阪地裁原告勝訴の判決!

■支援する会ニュース第24号より

3月25日 大阪地裁 原告勝訴の判決!

判決主文

1 本件訴えのうち,原告田中耕二郎が,被告に対し,本判決確定後の金員の支払を求める部分を却下する。
2 原告田中耕二郎が,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
3 被告は,原告落合正行に対し.平成27 年11月21 日から平成31 年3 月31 日まで,毎月21 日限り73 万0800 円及びこれらに対する各
支払期日の翌日から支払済みまで年5分の都
合による金員を支払え。
4 被告は.原告田中耕二郎に対し,平成27 年11月21 日から本判決確定の日まで,毎月21 日限り72 万0800 円及びこれらに対する各支払
期日の翌日から支払済みまで年5 分の割合による金員を支払え。
5 被告は,原告落合正行に対し、1521 万7700 円及び別紙1 の「金額」欄記載の金員に対する同別紙の「支給日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年5 分の割合による金員を支払え
6 被告は,原告田中耕二郎に対し,1500 万2700円及び別紙2 の「金額」欄記載の金員に対する同別紙の「支給日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年5 分の割合による金員を支払
え。
7 原告らのその余の請求をいずれも棄却する
8 訴訟費用は被告の負担とする。
9 この判決は,主文3 項ないし6 項に限り.仮に執行することができる。

報告集会での弁護団の報告(要旨)

 今回の判決は「原告の請求のほとんどについて認める。」という内容で、「訴訟費用は被告の法人側がすべて負担せよ。」という点をみても裁判所の判断が端的に表れています。裁判所の判決文では詳細な記述をしていますが、結論的に言いますと、お二人のこれまで長い間の追手門学院における貢献に対して、「一部メールの内容を外部に流した事実もあるが、それは懲戒解雇の事由にはならない」という判断です。賞与に関してもこちらの求めた内容を認めておりますので、結論的に言えば大きな勝利であると考えております。

 田中さんは定年ではありませんので、契約上の地位も認めております。法人側がお二人に対して重大な懲戒解雇という処分をしたことは客観的・社会的相当性を欠くという結論です。

 さらに「記者レク」問題、コーチの方が田中先生と落合先生に煽り唆されて「あやつり人形としてやらされた」ということについては「そうではない」と裁判所は判断しており、さらに田中先生がコーチの起こした訴訟の費用を立て替えたという問題に関しても「そのこと(立て替え)をもって自ら訴訟を主導してやろうとしたということはできない」と判断しています。

 さらに「記者会見を画策した」ということですが、「記者会見で事実を明らかにしないといけない」といったメールのやり取りがあったわけですが、判決は実際、記者会見は行われていませんし報道もされていません。これによって法人側の不利益は発生していない。こうした点から「お二人の懲戒処分の事由には当たらない」と裁判所は判断しています。

 落合先生については、「理事会の内容を外部に漏洩した」「調査委員会の内容を漏洩した」とされていますが、これが「懲戒解雇事由にはあたらない」というのが裁判所の判断です。田中先生に関しては「落合先生から提供された資料などを他の人に提供した」ということですが、これも「懲戒事由には当たらない」とされました。

 合先生、田中先生に関して「追手門学院大学に採用され、長年にわたって勤務しこの間特段の懲戒処分もなかったことも考えると懲戒処分は正当性を失する。懲戒権の乱用である」と指摘しています。

 最終段階で被告・法人側は「懲戒解雇にあたらなくても普通解雇ができる」との主張をしてきましたが、これも「普通解雇事由には当たらない」としています。

 さらに落合先生はすでに定年退職されていますが、田中先生はこの3月で退職となります。お二人の退職金についても法人側がどのような対応でくるのか不明ですが、この点についても今後訴訟になる事も考えられます。

 相手側は当然控訴してくるでしょうから、これからも十分な準備をして控訴審に対する十分な準備をするとともに一層の支援の態勢が望まれます。


淑徳大学不当解雇事件の勝利和解および不当労働行為救済命令取消訴訟の最高裁上告不受理決定

東京私大教連

 2020年3月11日、最高裁第二小法廷は、学校法人大乗淑徳学園(淑徳大学等を設置)が中央労働委員会の不当労働行為救済命令(2018年10月4日付)の取消を求めた行政訴訟において、法人の上告受理申立を不受理とする決定を下しました。また、1月21日には国際コミュニケーション学部の改組転換を理由とした教授三名の解雇を全員撤回し、一名は2020年4月より職場復帰させるという内容での和解が成立しました。これをもって、淑徳大学の不当労働行為事件と不当解雇事件は、ひとまず解決したこととなります。

 東京私大教連と淑徳大学教職員組合は、2020年4月7日、今回の事件解決にあたって「淑徳大学不当解雇事件の勝利和解および不当労働行為救済命令取消訴訟についての最高裁上告不受理決定の御報告と御礼」を発表しました。


淑徳大3教授解雇撤回、組合と和解1人職場復帰

■しんぶん赤旗(2020年4月9日)

 淑徳大学(本部・東京都板橋区)が、学部閉鎖を理由に3人の教授を解雇した事件は、全員の解雇を撤回し、ぅち1人を今月から職場復帰させる内容で和解しました。

 その過程で大学当局が淑徳大学教職員組合(東京私大教連加盟)の組合活動を妨害し、団体交渉を拒否した事件も3月11日、最高裁で当局側の不当労働行為認定が確定し、司法での決着がつきました。

 事件は、淑徳大が国際コミュニケーション学部を17年3月末で閉鎖すると発表し、教員に退職か解雇の選択を迫りました。組合の団体交渉も事実上拒否し、3人を解雇したものです。

 解雇事件は19年5月、東京地裁で解雇無効判決が出され、東京高裁で今回、和解が成立。3人の解雇撤回と未払い賃金支払い、退職する2人に解決金を支払いました。解雇されたポール・ジグラー氏は4月から教授職に復帰。所属学部や担当講義を確定させることが今後の課題になります。

 組合側は7日、声明を発表し、「淑徳大学のすべての教職員の地位と権利の補償、教育・研究・労働条件の改善をめざして、法人と交渉を進めていく」と強調しています。


2020年03月31日

留学生急増で混乱 日本語能力に問題/入学後育てる 札幌国際大、一部教員反発

■毎日新聞(2020年3月31日地方版)

 札幌国際大学(札幌市清田区)で、定員充足のため、2019年4月に留学生を急増させた経営側の対応に対し、一部の教員が「日本語能力が大学に入学させる基準に達していない学生が多く、安易な受け入れだ」と反発。入国管理局や文部科学省に調査するよう求めるなど、学内が混乱している。学生確保に苦しむ地方大学が活路を見いだす留学生の増加に、日本語能力を向上させる環境整備が追いついていない現状が背景にある。【山下智恵】

 大学によると、19年4月の学部入学者は3年次編入も含め65人で全学生の16・6%を占める。18年4月の3人から急増した。


留学生不適切受け入れか 札幌国際大を入管庁調査

■北海道新聞(2020/03/31)

 札幌国際大(札幌市清田区、上野八郎理事長)が日本語能力を十分に確認せずに外国人留学生を入学させた疑いがあるとして、出入国在留管理庁が大学関係者への調査を始めたことが30日、分かった。留学生の不法滞在につながる恐れもあることから、入試や在籍管理が適切に行われているか調べているとみられる。

 関係者によると同大には2019年4月、中国などから1年生45人が面接や筆記試験を経て入学。日本語が理解できず授業に付いてこられない留学生が多数おり、担当教官らが試験を行ったところ、15人は同庁が大学で日本語の授業を受ける留学生の目安とする、日本語能力試験の認定レベル「N2相当」を下回った。欠席が続く留学生もいるという。城後豊学長が31日に記者会見し、こうした実態を明らかにする。


2020年03月28日

私大の認証評価、苫駒大「不適合」

道新(2020年3月27日)

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2020年03月27日

「追手門学院大学懲戒解雇」大阪地裁判決に対する声明文

「追手門学院大学懲戒解雇」大阪地裁判決に対する声明文

2020年3月25日

「追手門学院大学懲戒解雇」大阪地裁判決に対する声明文

 追手門学院現理事長で弁護士でもある川原俊明氏が、原告落合と田中に行った懲戒解雇を無効と判じた大阪地裁の判断は、誠に合理的であり,社会的に意味のある判断だと考えます 。

 判決において、現理事長等が原告等を大学から排除する強い意志を持って、合理的事由がないにもかかわらず、本来証拠と出来ない内心をも懲戒事由とし、学院では懲戒解雇時には弁護士など専門家の意見を聞く慣例の手続きも経ず、遵守すべき事実、論理、倫理、人権をも軽んじる権力行使を行い、排除したい者を独断的に懲戒解雇できる統治のあり方が明らかにされました。そして,この統治のあり方が,「腐ったミカンはいらない 」とするターゲットとした教職員の人権をも無視する酷い手法で辞めさせることを目的に行った研修へとつながったのです。

 事の始まりは、前理事長が追手門学院大学において幹部職員(当時事務 No.2) による複数学生とチアクラブコーチとに対する深刻なセクハラ行為(大学設置調査委員会で認定)をコーチから相談された事務局長(当時)が結果として隠蔽したという事務職最高幹部二人の起こした悪質な事案であります。クラブコーチは原告田中に相談し、学長であった原告落合を長とする大学ハラスメント委員会に訴えました。そして、大学調査委員会によりセクハラが認定され、隠蔽には厳しく重い付言がつけられましたが、法人懲戒委員会では理事長一任となり、その結果、理事長が加害職員に厳重注意と謝罪文の提出を求めたのみで、自己都合による退職(退職後 、直ちに他の学校法人の常務理事に就任)を承認し、事務局長に対しても口頭による厳重注意のみで、事実上不問に付しました。事務局長と理事長の2度にわたる隠蔽でこの事案を無かったことにした学院中枢の極めて重大な事案です。特に前理事長は厳正な処分と同時になすべき被害学生等への十分な心身のケア、そして学院としての再発防止策の策定など教育機関としてのあるべき姿を全く示すことをしませんでした。

 学院のこのようなあり方に対して,クラブコーチが提訴し、原告等は自浄作用が機能しない法人では大学の機能を損なう事になると考え 、勇気ある行動を支援しました。

 これに対して、前理事長は、原告落合を自ら辞めるように、学長就任前から非協力的姿勢をあらわにし、学長就任後には合理的理由がないにもかかわらず学長辞任勧告を10ヶ月にわたり行いました。さらに学長辞任後には、現理事長等が原告落合に対して3年にわたり3度の配転を行い、研究者総覧や教員名簿、大学院の受験生用パンフレットから名前を消す、強引な統治や懲戒解雇を履行しやすくするため必ずしもデュープロセスを経ないで一方的に懲戒手続きをはじめ様々な学内規程を都合のよい内容に変更してきました。

 一方、クラブコーチは裁判の過程で訴訟を唐突に担当弁護士にも相談せずに取下げ、裁判支援のためのグループ内での情報・意見交換のメールを全て被告側に提供しました。その上クラブコーチは、自身の相談を真摯に受け止め、支えてきた原告田中を貶める多数の事実に反する発言を学院の証人として行いました。原告としては、このような理事会執行部とクラブコーチの行為を厳しく問いたいところです。

 鑑みれば、現理事長等の敗訴濃厚な落合の配転判決の直前の2015年10月25日に突如懲戒解雇され 、爾来4年5ヶ月が経過しました。懲戒解雇の結果、私達は大学教授としての教育・研究の機会を奪われ、給与も支給されない状況に置かれ,取り返しのつかない負の影響を長期間にわたり止むなく受けざるを得なくされたことは、決して許すことの出来ないことです。

 もとより、私学といえども大学は教育機関として社会の公器であります。最高学府にある大学の現理事長で、弁護士でもある川原氏は、大学が大切にしている事実に基づき、論理に沿った理性的判断、倫理と人権の尊重という学問と教育に大切な価値を全く尊重せず、従って妥当性も、適切性も認められない権力の行使を行い、自身に都合の悪い原告や教職員を学院から追放した事、自身の学院にとどまらず中京大学や名古屋芸術大学、さらには梅光学園など他の教育機関にまでもその手法を波及させていることは、追手門学院の役職はもとより、社会的な役職を自ら辞するに十分値する振る舞いであると考えます。

 最後に、本判決を得る事が出来ましたのも、提訴から4年5ヶ月余にも及び私達を支えてくださいました弁護士の先生方のおかげであり、深く感謝致します。さらに、はじめから一貫して私達の裁判を支援してくださいましたさまざまな大学の教員をはじめ、追手門学院の卒業生の皆様を含む多くの方々の支援の賜であり、皆様方に深く感謝いたします 。


田中耕二郎 ・落合正行

2020年03月26日

追手門学院大学元学長らの懲戒解雇は「不当」判決

ABCテレビ3/25(水)

大阪府茨木市の追手門学院大学を事実無根の理由で解雇されたとして、元学長ら2人が大学を運営する法人を訴えていた裁判で大阪地裁は懲戒解雇を「不当な解雇」だと認めました。

訴えを起こしていたのは、追手門学院大学の元学長Aさん(71)と、元教授のBさん(70)です。訴状によりますと2人は、セクハラ被害を訴えていた運動部の女性コーチに訴訟を起こすよう促した上、提訴にあわせて記者会見を開き学校の名誉を毀損しようとしたなどの理由で2015年に懲戒解雇されました。Aさんらは「そのような事実は一切なく、不当な解雇だ」と主張し、解雇された後の給料やボーナスの支払いを求めて同年に訴えを起こしていました。25日の判決で大阪地裁は、セクハラ被害の訴えについて「女性コーチは自らの意思で訴訟を起こしている」として、2人が提訴を促したという解雇理由を否定しました。さらに記者会見については「実際には記者会見は開かれておらず名誉を毀損されたとは認められない」とした上でAさんとBさんへの懲戒解雇は「合理的な理由を欠き、権利を濫用したもの」と無効だと認め、追手門学院にあわせて1億円あまりの支払いを命じました。追手門学院は「懲戒解雇は正当な手続きだった」として控訴することを表明しています。


2020年03月24日

苫小牧駒澤大学運営元に是正勧告、就業規則の周知を怠る

北海道新聞(2020年3月24日)

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2020年03月21日

稚内北星大再建へ、育英館から4理事

北海道新聞(2020年3月21日)

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2020年03月18日

城西大学めぐる2件の訴訟に判決 前理事長の訴えをいずれも棄却

週刊金曜日(2020/3/18)

 学校法人城西大学(上原明理事長、埼玉県坂戸市)から不法に排除されたとして、前理事長の水田宗子さんが同大学と元文科事務次官の小野元之理事らに損害賠償を求めた2件の訴訟の一審判決が2月25、26の両日相次いで出され、東京地裁はいずれも水田さんの請求を棄却した。

 同大学創立者の二女で比較文学や女性学の研究者でもある水田さんは2016年11月の同大学の理事会で小野理事による緊急動議によって理事長職辞任に追い込まれた。城西国際大学(千葉県東金市)の大学院院長も務めていたが、大学側は17年2月に「大学院長職の廃止」を決め、17年度から「前年どおり」(当時の研究科長)行なうはずだった授業も取りやめ、大学から排除した。さらに同年4月に文部科学省で記者会見し、文科省OBの北村幸久法人局長(現事務局長)が「1億円を超える私的利用が疑われる」「会計調査委員会の結果を待って刑事告発するか否か検討」などと調査委の結果を待たずに発表した(本誌18年8月10日号、同24日号、9月21日号参照)。

 主な争点について小田正二裁判長は「大学院長職の廃止」も「授業取りやめ」も「一定の合理性が認められる」とし「不法行為は認められない」と判断。また、田中寛明裁判長は会見での北村発言について会計調査委で調査すべき程度の「疑い」はあったため発言に真実性が認められるとし、それぞれ水田さんの請求を退けた。

 原告代理人の大室俊三弁護士は「研究科長の『前年どおり』という発言を認めながら、教育の機会を奪ったことをよしとする判断は納得できない」とし、村尾治亮弁護士は「判決が、会計調査委員会と一線を画した点は評価できるが、一方的に『疑いがある』と公表することを是認するのはいかがものか」と批判。水田さんは控訴する意向を示した。同大学をめぐる訴訟は、会計調査委の報告に基づく「理事解任」の是非を問う訴訟など2件が係争中だ。

(片岡伸行・記者、2020年3月6日号)


2020年03月12日

関西私大教連、「関西外大ストライキ権判決に対する声明」

声明

2020年1月29日(水曜日),13時10分,大阪地方裁判所809号法廷(裁判長 中山誠一,裁判官 大寄悦加・溝口達)で,学校法人関西外国語大学のストライキ権行使に対する懲戒処分無効を求める裁判の判決が下された。判決主文は「原告らの請求をいずれも棄却する」という不当なものであった。

■ストライキ権を著しく狭く限定

判決では憲法で保障されたストライキ権について,「団体交渉における労働者の立場を強化し,あるいは団体交渉における交渉の行き詰まりを打開するなど,団体交渉を機能させる趣旨のものと解される。そして,団体交渉を通じた労使間の合意形成を促進する目的あるいは態様で行われなければならないものと解される」と著しく狭く限定している。その上で,関西外国語大学21世紀教職員組合のストライキが6コマを超える部分でのストライキとなっており,これが「基準6コマを超えて,8コマを押し付けるな」という組合要求と合致していることから,「当該義務の不存在確認という目的自体は,争議行為によって,団体交渉を経ずして達成されることになる」とし,「当該争議行為は,労使間の合意形成を促進するという目的を離れ,労働組合による使用者の人事権行使となる側面がある」としている。そのため,「常に正当なものということはできず,団体交渉を通じた労使間の合意形成を促進する目的が失われたものと評価できる場合には,当該時点から正当性を有しない」と断定している。

■団体交渉での理事会対応で事実誤認

 一方,団体交渉については,「原告組合の要求通りの合意を強制されるものではなく,誠実交渉義務の内容として,原告組合の主張や要求の具体性や追及の程度に応じて,自らの主張や回答をし,必要に応じて論拠や資料を提示するなどして相手方の説得に努めることをもって必要かつ十分なもの」とし,学校法人関西外国語大学理事会が「誠実交渉義務を尽くしていた」と判断している。これはまったく荒唐無稽というべき事実誤認である。
 学校法人関西外国語大学理事会は関西外国語大学21世紀教職員組合が結成以来掲げてきた「基準6コマを超えて,8コマ以上を押し付けるな」という要求に対して,まったく妥協的な対案も示さず,「入職時の8コマ合意」を繰り返すだけで,それを根拠づける資料も一切提示しなかったのである。今回の裁判が始まって,初めて裁判所に理事会内の決裁書を示したが,これは50回を超える団体交渉を通じて頑なに開示を拒否してきたものである。組合は,理事会が論拠も示さず資料も提示せず,一切の妥協を拒み続けたことから,やむを得ず6コマを超えるコマ数についてストライキ権を行使するに至ったのである。さらに組合はストライキ権を行使しながら団体交渉を継続してきたが,それでも理事会は一切の妥協を拒み,組合を説得するための資料も提示しなかった。判決では「被告が,平成28年7月4日,原告組合に対し,団体交渉が平行線をたどって行き詰まりの状態にあって,原告組合から提案がない限りは,交渉に応じる義務がない旨を伝えてもなお,団体交渉は進展をみなかった」としているが,組合からの提案を一貫して無視し,平行線をたどらせたのは理事会の頑なな姿勢に他ならない。
 判決は,以上の事実すべてを無視し,理事会が誠実な交渉を行っている一方,組合は対案も示さず,交渉が行き詰まりになっているにもかかわらずストライキを続けていたと決めつけ,「本件懲戒処分の対象行為がなされた時点においては,もはや当該事項についての団体交渉が進展する状況にはなく,団体交渉を通じた労使間の合意形成を促進する目的が失われたものと評価でき,本件争議行為は,正当性を有しないと解される」と,理事会側の主張を鵜呑みにした結論を導き出している。

■理事会の不当労働行為体質を全く考慮しない

 また本件争議行為は,組合員に対して行った不利益取り扱いや,団体交渉拒否,不誠実団交に対抗するものであったと訴状・準備書面で主張しており,理事会も認否・反論している。それにも関わらず,裁判所はこれらの主張を「時期に遅れた攻撃防御方法の提出」として恣意的に却下した。その結果、ストライキ権行使に対する組合員の懲戒処分通知を学内に張り出した行為を、組合に対する重大な支配介入と見ず、規程に照らし合理的と判断するなど、理事会の不当労働行為体質は全く考慮されていない。

■控訴し、たたかいを継続する

 結局、今回のストライキ権行使に対する処分が理事会による組合つぶしの一環であるという点について全く判断を行わないまま,一方的で偏った間違った事実認定に基づいた,きわめて不当で結論ありきの薄っぺらな判決となっている。
 関西地区私立大学教職員組合連合(関西私大教連)は今回の不当な判決を許さず,教育・研究の質を担保しようとする労働者の権利を守り,教職員の声が生かされる関西外国語大学をつくるため,大阪高等裁判所に控訴し,たたかいを継続するものである。

2020年2月18日
関西地区私立大学教職員組合連合


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