研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

九州看護福祉大学懲戒事件

九州看護福祉大学を正常化する会HP
豊田保教授に対する懲戒処分について(2019年7月31日)

「高木義紀(常務理事)、不正在職疑惑に対する説明責任果たさず」
(1)高木氏本人からは、不正在職疑惑に対する明確な回答はなされなかった
(2)むしろ、不正在職に関する質問を封じるように求めてきた
(3)さらに、そのような問いをする行為それ自体が、屈辱行為だと反論してきた

「審査期日の通知及び意見陳述の催告書」に対する意見書(2019年6月5日)

学園理事長宛「申込書」(2019年8月1日)

早稲田大学教員公募事件

早稲田大学教員公募事件
大学教員の真の公募制のために(2019年8月6日)

岡山短期大学不当配転事件 

岡山地裁・判決(3月28日)・勝訴
訴状  判決文

山口雪子さんを支える会
障害者差別を訴える山口雪子(IPNET-J顧問)准教授を応援するWeb

都留文科大学事件 

■労働組合役職者に対する所属学科からの不当な排除事件
  2018年3月26日東京地裁に提訴(3人)
1.異を唱えた専任教員3名を所属学科から不当に排除 (三多摩法律事務所)
2.組合理由に排除は不当 都留文科大学教授ら提訴 (日本共産党山梨県委員会)

■根拠のないパワハラを理由とした授業・ゼミ担当外し事件
  2018年2月1日東京地裁に提訴 (1名)

■東京地裁無実確定後も授業を外し研究室などへの立ち入りを妨害する事件
 2018年7月4日東京地裁に提訴(1名)

■ 労働組合に所属の教員6名に対して違法な退職金減額事件
 東京地裁(2015年6月13日)二審高裁高裁判決(2015年10月28日),最高裁で大学側敗訴(2016年6月)

■上と同様の事件で,別の6人による提訴(不当に退職金を減額した事件)
  甲府地裁判決(2018年1月18日)約1250万円の支払い命令

この大学、かなり異常! 
80人が所属するこの大学で,2年間に11名が不法な扱いで大学を提訴。

都留文科大学における執行部による大学私物化とその背景(法と民主主義 2017/6 No.519)

明治学院大学解雇事件

速報 東京地裁・判決(2018年6月28日)勝訴!

■学問の自由と信教の自由を弁(わきま)えない大学
■授業を無断録音し教授を解雇した明治学院大学の犯罪
■明治学院、「いじめ対策せず」元高校女生徒に続き―大学でも「盗聴」に抗議する教授を懲戒解雇し提訴されていた
明治学院大学、授業盗聴・教科書検閲・理事会乗っ取り いま大学で何が起きているのか?

「東京新聞」(2017.1.7), (2018.1.4), 日刊ゲンダイ』(2018.1.4), 弁護士ドットコム

明治学院大学、授業無断録音に抗議した教授の解雇は「無効」判決(東京地裁)

『大学における〈学問・教育・表現の自由〉を問う』(法律文化社、2018年)を刊行
 ∟●貴方は「明治学院大学事件」をご存じだろうか?――学問の自由のために!

実況中継「明治学院大学事件」(『情況』2019年冬号)
非常勤講師をクビにする方法(首都圏大学非常勤講師組合『控室』第95号(2019年4月1日))
本で取り上げられる。小川仁志『公共性主義とは何か――〈である〉哲学から〈する〉哲学へ』(教育評論社、2019年6月)

■「学問の自由」シリーズの第2弾が発行
寄川条路編『大学の危機と学問の自由』法律文化社、2019年

「明治学院大学事件」が小説になった!「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!
明治学院大学事件、大学が盗聴を謝罪し和解案を提出

名古屋芸術大学解雇事件 

2017年10月25日に教職員組合の委員長・副委員長の教授を不当懲戒解雇
中河・小西両教授を支援する会HP

新聞記事

宮崎大学不当解雇事件、最高裁で勝訴 

宮崎大 パワハラまで捏造 最高裁が異例の対応

『現代ビジネス』(2017年3月28日号)「パワハラを捏造され、解雇通告を受けた教授の告白 」
『週刊金曜日』(2017年3月31日号)「宮崎大ハラスメント訴訟、「無実」確定も現職戻れず」

早野慎吾氏「宮崎大学パワハラ捏造事件について」
大学が裸体と主張した卒論写真一覧

都留文科大の解雇事件、解雇無効
宮崎大の解雇事件 最高裁決定・大学側敗訴確定

宮崎大学学長宛公開質問状(2017年6月15日) 

都留文科大は、直ちに原職復帰させよ!

広島大学原爆放射線医科学研究所 

パワハラ訴訟 新聞記事1 新聞記事2 新聞記事3
これはひどい!
不当なパワハラを受けた原告教員に対して,提訴の報復として再任を拒否(3月末で解雇) 

[週刊金曜日に連載]
広島大学で“大人のいじめ”1──業績水増し告発の准教授が“クビ”へ
広島大学で“大人のいじめ”2──対応しない大学当局

追手門学院大学不当配転事件 控訴審 
学園側が控訴取下 大阪地裁判決(2015年年11月18日)が確定!
祝! 落合正行前学長の勝訴確定

大阪地裁判決(抄)  原告声明 左2つの文書提供は「支援する会」より

弘前学院大学 不当解雇事件

原告教員、青森地裁弘前支部に提訴(2015年12月28日)

 

追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分

懲戒解雇に対する声明 (文書提供は「支援する会」より) 訴状(2015年12月28日)

追手門学院大学で何が起こっているのか(「私大教連かんさい」No.115,2015年11月26日)

大学オンブズマン

学校法人四国大学は徳島地裁の判決に従うとともに、女性准教授に謝罪せよ (2017年12月20日)

過去記事 (労災・損害賠償訴訟 新聞記事1 記事2 記事3  大学オンブズマン声明

(2017年12月18日現在)

名古屋芸術大学不当解雇事件  2017年10月25日に教職員組合の委員長・副委員長の教授を不当懲戒解雇 中河・小西両教授を支援する会HP 
常葉大短大部不当解雇事件・控訴裁判  2017年7月13日東京高裁判決 祝 勝訴! 声明 
岡山短期大学不当配転事件・本訴裁判  2017年3月28日岡山地裁判決 祝 勝訴! 記事 訴状 
宮崎大学不当処分事件  2016年10月28日最高裁判決 祝 勝訴! 記事 
京都産業大学昇任拒否雇止め事件  2016年9月27日京都地裁不当判決! 記事
名古屋女子大組合副委員長不当解雇事件  2016年6月17日最高裁、上告を棄却 祝!原告勝訴   
 記事 鶴舞総合法律事務所  「AERA」2013年7月8日号  TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」2013年7月23日
四国大学労災損害賠償請求事件  原告教員が徳島地裁に提訴中
弘前学院大学不当解雇事件  原告教員が青森地裁に提訴(2015年12月28日)  
追手門学院大学不当配転事件  2016年3月1日学園側控訴取下 落合正行前学長の勝訴確定! 祝! 記事 
常葉大短大部不当解雇事件   2016年1月25日静岡地裁仮処分意義申立決定 祝! 勝訴!  地裁決定全文 
追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分 懲戒解雇に対する声明 原告・訴状(2015年12月28日)
吉備国際大学不当労働行為事件 2015年7月23日岡山地労委命令! 祝!勝訴 地労委命令書  
聖トマス大学解雇事件 2015年7月21日 神戸地裁で和解  
常葉大短大部不当解雇事件   2015年7月3日静岡地裁仮処分決定 祝! 勝訴!  報道 
九州産業大学教授降格処分事件   2015年3月18日福岡地裁に提訴   
野中教授「名誉毀損」不当提訴事件   2014年11月12日東京高裁   祝! 勝訴!   報道 判決文
名古屋女子大組合委員長不当解雇事件 名古屋地裁   祝! 勝訴!  新聞報道 
愛媛大学アカハラ等人権侵害事件 教官の違法行為と大学の責任を問う! 支援する会 訴状
専修大学職員解雇事件 東京地裁判決 新聞記事 
鈴鹿医療大学不当配転事件 理事会・名古屋高裁に控訴 鶴舞総合法律事務所 
岡山商科大不当労働行為事件 岡山県労委命令 2013年4月11日中労委再審申立
日本社会事業大学未払賃金請求訴訟 東京地裁2012年6月28日提訴  
東京女学館大学不当労働行為事件 東京地裁2012年12月14日提訴 募集停止問題  
東京国際大学不当労働行為事件 2012年2月27日都労委に救済申立  
大阪産業大学不当労働行為事件 2012年7月9日大阪府労委に救済申立  

北海道関係の訴訟一覧(2017年4月09日現在)

千歳科学技術大学不当解雇事件 最高裁・不当判決(2017年3月30日) 記事 
札幌大学未払い賃金請求訴訟 札幌地裁判決(2017年3月30日)祝 勝訴! 新聞記事 
酪農学園大学前常務理事の損害賠償等請求事件 最高裁上告棄却(2016年9月11日)祝 勝訴!  記事 
酪農学園大学前常務理事の損害賠償等請求事件 札幌高裁判決(2016年3月11日)祝 逆転勝訴!  記事 
酪農学園大学長解任無効確認訴訟 札幌地裁に提訴(2016年1月8日) 訴状
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 札幌地裁不当判決(2015年12月18日 新聞記事 
専修大学道短大副学長不当解雇事件 札幌地裁不当判決(2015年9月18日) 声明文 組合HP 
札幌医科大学退職強要・バワハラ訴訟 札幌高裁・不当判決(2015年6月2日) 
千歳科学技術大学不当解雇事件 札幌地裁・不当判決(2015年5月28日) 記事 
酪農学園大学前常務理事の現学長を含む6教員に対する訴訟 札幌地裁・不当判決(2015年5月11日)  財界さっぽろ2015年5月号記事
北海道文教大学雇止無効訴訟 札幌地裁判決(2015年5月8日)元2教授の請求棄却 新聞記事 
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌高裁・不当判決(2015年4月24日) 組合HP  声明 
天使大学懲戒処分無効確認訴訟 札幌地裁(2014年12月12日)   祝! 勝訴!  
札幌大学不当労働行為事件 2014年10月28日道労委命令!   祝! 勝訴!   道労委命令(全文)  
天使大学不当労働行為事件 2014年9月3日中労委命令!  祝! 勝訴!   中労委命令道労委命令 
室蘭工業大学不当労働行為事件 道労委へ提訴(2014年7月)
北海道教育大学旭川校不当解雇事件 最高裁(2014年2月20日)  祝! 勝訴! 新聞記事  
北海道教育大学学長選挙無効確認訴訟 札幌高裁・不当判決(2014年2月21日) 原告団・弁護団、抗議声明 
北海道大学非正規職員雇止無効訴訟 札幌高裁・不当判決(2014年2月20日) 上告!
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌地裁・不当判決(2013年12月2日) 組合HP  声明文
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 2013年5月24日札幌地裁へ提訴! 新聞記事 
東京理科大長万部キャンパス・職員懲戒処分事件 

[決着済訴訟一覧]
名古屋女子大組合副委員長不当解雇事件  2016年6月17日最高裁、上告を棄却 祝!原告勝訴   
 記事 鶴舞総合法律事務所  「AERA」2013年7月8日号  TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」2013年7月23日
富山大学懲戒解雇事件 富山地裁で和解(2016年11月29日)  原告・支援する会のコメント  「シュレッダーから甦った書類ー富山大学懲戒解雇事件を考える」
北陸大学不当解雇事件 全面勝訴で和解  記事 
長崎県立大学懲戒処分事件 最高裁 勝訴確定 New 事件を考える会HP 
関西外語大昇給差別訴訟控訴審 最高裁判所が不当判決 組合ニュース 
金沢大出勤停止処分無効確認等請求事件 勝訴確定!大学側控訴断念 原告ブログ 
■東和大解雇事件 解雇撤回で和解 福岡地裁 記事 過去経緯1過去経緯2
■名古屋女子大組合員不当解雇事件 2009年6月に決着 自由法曹団通信1306号
■大阪工大解雇事件 解雇撤回 逆転勝訴 記事 過去経緯
■大阪芸術大不当労働行為事件 大阪地裁 勝利判決 記事  学園側が大阪高裁に控訴
■鹿国大不当解雇事件 最高裁・上告を棄却 三教授勝訴 記事 
■湘南工科大不当解雇事件 最高裁が上告棄却 勝訴確定! 譴責処分も撤回 記事
■APU常勤講師解雇事件 最高裁「特別抗告棄却」 記事 
■APU専任講師解雇事件 京都地裁が解雇権濫用を断定
■京都大学任期制再任拒否事件 最高裁が上告棄却  記事
全国大学の非正規雇止無効訴訟一覧
(2013年11月29日現在)

名城大学・金城学院大学非常勤講師裁判 原告の訴え
京都精華大学ユニオン
■京都産業大学 昇任拒否による雇止め,2013年3月28日京都地裁へ提訴 新聞記事
■九州共立大学 教授雇止め 2012年7月10日 福岡地裁へ提訴
■九州女子短期大学 講師雇止め 2012年11月6日 福岡地裁へ本訴提訴 新聞記事

首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学に対する告発状

 

2019年10月11日

明治学院大学事件、大学が盗聴を謝罪し和解案を提出

・大学:授業の盗聴を謝罪し、6000万円の慰謝料を支払う。
・教授:大学の提案を一蹴し、判決を希望する。
・高裁:和解協議を打ち切り、判決へ向かうか。
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2019年10月10日

札幌大・雇い止め特任准教授の上告と鈴木学長辞任を巡る点と線

リアルエコノミー
 ∟●札幌大・雇い止め特任准教授の上告と鈴木学長辞任を巡る点と線

 札幌大学(札幌市豊平区)のロシア語担当の元特任准教授の女性(45)が、違法に雇い止めされたとして札幌大を相手に地位確認などを求めていた訴訟でその女性は8日、札幌高裁が控訴を棄却した判決(9月24日)を不服として上告した。それと同時進行するように札大の鈴木淳一学長(68)が任期途中で辞任する。何らかの関係があるのだろうか。(写真は、札幌大学中央棟)

 女性は、札大ロシア語学科を卒業し東京外国語大学修士課程を卒業。札大は2008~9年当時、度重なるロシア語特任教員の突然の退職で困り、長期にわたり働いてもらうことを目的に卒業生から優秀な人材を採用する方針でその女性を採用。その後、女性は6回の契約更新をして特任准教授としては初めて教職課程も担当。また、教授会や各種業務などにも特任教員の校務を超えて出席を課せられていた。このため労働契約更新の期待する合理的理由があったと主張。

 9月24日の控訴審判決で冨田一彦裁判長は、「労働契約更新を期待する合理的理由がなく控訴人(元特任准教授)の主張は採用できない」と棄却、札幌地裁判決を支持した。
 高裁の審理から女性側は元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害を大学に相談したことが雇い止めに影響したとの主張を加えた。この点について冨田裁判長は、「労働契約が更新されると期待を抱いたかどうかは無関係」と退けたものの、セクハラ・ストーカー被害の事実は認定している。
 
 女性は上告について、こうコメントしている。「改正労働契約法を悪用した違法な雇い止めが全国的に横行しており、非正規労働者は精神的にも経済的にも極限状態に置かれています。人間が部品のように使い捨てにされる社会に未来はありません。この悪循環を断ち切るために、最高裁判所には、改正労働契約法19条に関する規範・指針となる判断を示していただきたい」
 
 なお、控訴審判決が出る数日前に札大鈴木淳一学長は法人側に辞任届を提出、任期途中の11月15日付で辞任することになった。鈴木学長はその女性の札大学生時代のロシア語担当教授で、女性が特任教員に採用された後も鈴木氏の授業を代講するなど師弟関係だった。鈴木氏は、女性が元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害とも関係しており、女性の雇い止めにも関わったとされる。
 鈴木学長の任期は21年3月末までだったが、突然の辞任届提出は札大教員の間でも波紋が広がっている。女性の控訴審判決と上告、それと同時進行している鈴木学長辞任は点と線で関連しているのか。


2019年10月09日

札大雇い止め訴訟、元准教授が上告

北海道新聞(2019/10/08)

 札幌大に違法に雇い止めされたとして、元特任准教授の女性(45)が同大を相手取り、解雇の無効などを求めた訴訟で、女性側は8日、雇用打ち切りを適法とした9月24日の札幌高裁判決を不服とし、上告した。

 札幌高裁判決は「大学側は雇用継続を約束できない旨、3年前に女性に伝えていた」と認定。大学側は契約打ち切りを断言しておらず、更新を期待する合理的理由があったなどとする女性側の主張を退けていた。

 女性は取材に対し「非正規労働者が使い捨てにされる現状を変えたい」と述べた。同大は「上告状を確認しておらず、コメントは控えたい」とした。

 労働契約法は、有期労働者が契約更新を期待することに合理的理由がある場合、使用者は更新を拒めないと定める。


2019年10月06日

シンポジウム「北海道大学の総長解任問題を考える」

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2019年10月04日

「明治学院大学事件」が小説になった!「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!

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「明治学院大学事件」が小説になりました。
「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!

■紀川しのろ『シノロ教授の大学事件』(世界書院、2019年10月)
(文庫、全219頁、750円+税、ISBN978-4-7927-9581-8)
https://books.rakuten.co.jp/rb/16083040/
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4792795818

■概要
大事件勃発! 平成の世の大学案内をつとめてきたシノロ教授が、なんと「令和学院大学」で解雇処分に?
授業の盗聴事件が発覚し、シノロ教授の講義を受けたい学生が猛反発。令和の世の学問の独立と大学自治をゆるがす大事件。はたしてその背景にある陰謀とは。これは学問と大学をめぐるミステリーだ。

■内容
本書は、「明治学院大学事件」の小説化で、ミッションスクールの「令和学院大学」を舞台に大学教授の受難を描いたフィクションです。若者の半数以上が大学に進学し大学の数が多すぎて余っている現代、教授の人員削減のために策を弄する大学側の思惑と、それを阻止するための作戦を展開する学生たちの行動がユーモア溢れる筆致で描かれています。学生たちに絶大な人気のあるラクタン倫理学の「シノロ教授」を主人公に、「シノロ教授の登場」「シノロ教授の災難」「シノロ教授の逆襲」「シノロ教授の教訓」という起承転結でアカデミックな世界で巻き起こった事件を形而上学的弁証法等も交えて描いたキャンパス小説であり、今時の大学や大学生たちの生態を揶揄しているような諧謔味が最大の特色ともなっています。

■目次
1 シノロ教授の登場
シノロ教授の倫理学――カントかヘーゲルか
大学生が求める倫理――プラトンのアカデメイア
人気科目ランキング――ボランティア学とは
多人数授業は抽選科目――イギリスの古典派経済学
少人数授業は不人気科目――孔子と孟子
人数制限はクレームの嵐――ギリシア語のスコレー
抽選登録のひみつ――アリストテレスの形而上学
履修登録の秘訣と裏技――儒教の王道
シノロ教授の授業ガイダンス――マルクスの下部構造
倫理とは何ぞや――広くて浅い教養
2 シノロ教授の災難
大学当局のマル秘作戦――ヘーゲルの弁証法
シノロ教授を狙え――孫子の兵法
秘密録音される授業――法律か倫理か
仕掛けられた罠――人の道とは
左手に聖書、右手に日の丸――相対主義的寛容論
教養部主任の尋問――リベラルアーツ対パターナリズム
自白を迫る誘導尋問――世界史の変革
学びたい科目を学びたい――アイデンティティーの哲学
雇われの身――リベラリズムとリバタリアニズム
欠席裁判のゆくえ――信じるものは救われるか?
3 シノロ教授の逆襲
イケメン弁護士・草薙五郎の登場――該当性と相当性
学長への挑戦状――やむを得ず、法的措置を講じます
哲人三銃士の共闘――デカルトとデリダ
哲学者の生き方――人間ぎらいの倫理
学生の意向はいかに――授業評価のアンケート
相手を説得する――倫理的に正しい行為か自爆テロか
弁護士・草薙五郎の再登場――1億円の慰謝料請求
教授会、多数派で強行採決か――公正中立とは
ガチで総選挙――キルケゴールの実存主義的選択
シノローズ結成――言論の自由を守れ!
4 シノロ教授の教訓
研究・教育・社会活動・校務――大学教授の仕事
令和学院大学のドン・キホーテ――倫理を問いただす
独立自尊か間柄の倫理か――福沢諭吉と和辻哲郎
シノローズ登場――神さまの声か学生の声か
作戦名は〈シノロ准教授の恋〉――プラトンからマルクスへ
機動隊の突入――ルターの宗教改革
クビを切るか反省文を書くか――虚勢を張るか去勢されるか
「無」の存在証明――西洋の形而上学
懲戒処分取消等請求事件――証拠裁判主義
実利よりも倫理――ライプニッツの充足理由律


2019年09月29日

特許不正契約で解雇の前副学長、京都工芸繊維大を提訴

■産経
 ∟●特許不正契約で解雇の前副学長 京都工芸繊維大を提訴(2019.9.27)

 大学と共有する特許使用の権利で不正行為をしたとして、京都工芸繊維大(京都市左京区)を懲戒解雇された同大の森肇前副学長(60)が27日、解雇処分は無効として大学側に地位確認と慰謝料など約1100万円を求める訴訟を京都地裁に起こした。

 大学は平成27年1月、森氏が設立した企業と英国企業との間で特許契約を不正に締結し、大学が単独出願するはずだった別の特許で大学を外して出願したなどとして、森氏を懲戒解雇処分。一方、森氏は訴状で、大学との共同特許は実際は森氏の企業の単独特許で、大学を外した特許の出願については大学側が手続きを故意に怠ったと主張。懲戒権の乱用だと訴えている。

 森氏の代理人弁護士は「過去の問題を不当に蒸し返しており、次期学長と目される森氏に対する大学側の『粛清』だ」と指摘。大学は「訴状を見ておらずコメントできない」としている。


2019年09月27日

明海大学の組合役員に対する不当解雇事件、東京高裁における勝利和解にあたっての声明

■東京私大教連
 ∟●明海大学の組合役員に対する不当解雇事件、東京高裁における勝利和解にあたっての声明

<明海大学の組合役員に対する不当解雇事件>
東京高裁における勝利和解にあたっての声明

1.東京高等裁判所(以下、「東京高裁」)において、明海大学教職員組合(以下、「組合」)の執行委員である教授を学校法人明海大学(以下、「法人」)が懲戒解雇したことについて、東京高裁より、法人による懲戒解雇は無効であるとの判断が示され、法人が懲戒解雇を撤回し退職金および違法解雇の慰謝料を支払うとともに、懲戒解雇撤回を学内で公示するなどの名誉回復措置を取ることを前提として、法人が返還を求めている通勤手当の一部を当人が支払うという和解提案がありました。この内容で、2019 年 9 月 24 日に和解が成立しました。

2.本件懲戒解雇は、以下に述べるとおりきわめて不当なものでした。
①この懲戒解雇は、組合が 2017 年 1 月 13 日に、東京都労働委員会へ不当労働行為(団交拒否・支配介入)の救済を申し立てたこと(2019 年 8 月 21 日に全面勝利命令、理事会が中央労働委員会に再審査申立)への報復として、また「見せしめ」として強行された組合攻撃です。同教授は、組合結成時から書記長をはじめとする組合役員を務めてきました。そうした同教授に対して、明海大学理事会(宮田淳理事長)は、組合が不当労働行為救済申立を行った直後に通勤手当についての追及を開始し、前例を無視した勝手なルールをでっち上げて、過去 10 年にわたり通勤手当を不正受給していたとして懲戒解雇を強行しました。
②同教授は、2017 年 3 月末日で定年退職の予定でしたが、法人は、そのわずか2週間前に懲戒解雇を強行し、勤続 29 年の退職金を不支給としました。これにより、同教授の就学中の2人の子どもの養育をはじめとする人生設計は破壊され、また大学教員・研究者としての名誉が著しく傷つけられることにより、退職後の教育・研究活動の継続に重大な支障が生じています。そればかりか法人は、懲戒解雇撤回を求める同教授の提訴に対し、通勤手当の「返還」を要求する反訴を起こし、同教授の生活をさらに困窮させようとしました。
③このような不当解雇について、東京地方裁判所立川支部(以下、「一審」)は 2019 年 3 月 27日、懲戒解雇を無効とし、法人に対して、退職金および違法解雇の慰謝料の支払いを命ずる勝利判決を言い渡しました。

3.東京高裁で提示された前述の和解提案は、法人の控訴を退けて一審と同じく懲戒解雇処分を違法とし、一審判決にはその性質上含まれない名誉回復措置が盛り込まれたものであることから、裁判官の強い和解の勧めがある中で、同教授の名誉回復を第一に重視するとともに、今後の労使関係の改善を前進させるために、組合はこの高裁の和解提案を受けることにしたものです。このたびの和解は、本件懲戒解雇が、大学教職員の権利を侵害した違法な解雇であることを法人が公的な場において認めたものです。私たちは法人に対し、教職員に対する権利侵害を繰り返すことなく、組合に対する不当労働行為をやめ、教職員および教職員組合の権利を尊重し、正常な労使関係を確立することを強く求めるものです。

2019年9月24日

東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)
明海大学教職員組合
支援する会

京都工芸繊維大、いきなり懲戒解雇は「粛清だ」 元副学長が大学を提訴へ

朝日新聞
 ∟●いきなり懲戒解雇は「粛清だ」 元副学長が大学を提訴へ(2019年9月20日)

 大学と権利を共有している特許契約で不正をしたとして、京都工芸繊維大(京都市左京区)に懲戒解雇された元副学長が近く、大学側に解雇処分の取り消しを求める訴えを京都地裁に起こす。元副学長が取材に明らかにした。

 元副学長が設立したベンチャーは、薬のカプセルに応用できるたんぱく質を作る方法の特許を大学と共有していた。大学は12日、元副学長が2015年に英国企業と特許の使用契約を無断で結び、17年には関連特許の申請時に大学を出願人から勝手に外したとして、同日付で懲戒解雇したと発表。その際、元副学長が一連の行為が発覚しないよう大学事務局職員に働きかけていたとも説明した。

 元副学長は取材に「使用契約は大学の了解を得て進めていた。関連特許の申請も、大学が決裁を滞らせたため、やむなく出願人から外し、後から追加する予定だった」と主張。事務局への隠蔽(いんぺい)協力の働きかけも否定し、「弁解の機会も不十分のまま、いきなり懲戒解雇するやり方は『粛清』だ」と訴えている。

 大学の担当理事は取材に「訴状が届いていない段階でのコメントは差し控える」と話した。


札大の雇い止め訴訟 元准教授の控訴棄却 札幌高裁

■北海道新聞
 ∟●札大の雇い止め訴訟 元准教授の控訴棄却 札幌高裁(2021/09/24)

 札幌大に違法に雇い止めされたとして、元特任准教授の女性(45)が同大を相手取り、解雇の無効などを求めた訴訟の控訴審判決が24日、札幌高裁であった。冨田一彦裁判長は、雇用の打ち切りは大学側の採用の自由の範囲内とした一審札幌地裁判決を支持し、女性側の控訴を棄却した。

 判決によると、女性は2010年度にロシア語担当の特任教員となり、1年ごとに契約を更新。大学側は15年度の契約更新時に「17年度以降の雇用を保障しない」との条項を契約書に加え、17年2月に同3月末で契約を打ち切ると通知した。

 判決理由で冨田裁判長は「大学側は、14年3月の雇用に関する説明会で、数年後の雇用の継続は約束できないと女性に伝えていた」と指摘。大学側は契約打ち切りを断言しておらず、契約更新を期待する合理的理由があったなどとする女性側の主張を退けた。

 判決後の記者会見で女性は「労働者の権利保護に逆行する残念な判決」と述べた。札幌大は「これまで主張してきたことが認められたものと受け止める」とコメントした。

 労働契約法は、有期労働者が契約更新を期待することに合理的理由がある場合、使用者は更新を拒めないと定める。


元教授3人の解雇は「無効」 淑徳大に賃金支払い命令

■朝日新聞
 ∟●元教授3人の解雇は「無効」 淑徳大に賃金支払い命令(2019年5月23日)

 学部の廃止にともなう解雇は不当だとして、淑徳大(千葉)の元教授3人が地位確認などを求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。春名茂裁判長は3人の主張を認めて解雇は無効だとし、大学側に未払いの賃金や手当など計5382万6094円を支払うよう命じた。

 判決によると、淑徳大は2017年3月に国際コミュニケーション学部を廃止した際、希望退職募集に応じなかった3人を解雇した。3人は翌月に雇用継続などを求め、提訴した。

 春名裁判長は、大学の経営状態から人員削減の必要性は高くなく、同じ時期に新設した学部に異動させることも可能だったと認定。新設学部の教員を決めてから3人を解雇した経緯などから「原告らを大学から排除しようとした疑いが払拭(ふっしょく)できない」と指摘し、「解雇権を乱用したものであり、無効」とした。

 原告の一人であるジグラー・ポール氏は判決後の記者会見で「職場復帰し、教育や研究に積極的に献身していきたい」と話した。大学を運営する大乗淑徳学園は「承服できない理由がある結果のため、控訴を検討している」としている。

 淑徳大は、この3人が労働組合を結成して団体交渉を求めたのを拒否し、中央労働委員会から17年10月に不当労働行為を認定された。さらに中労委の認定取り消しを東京地裁に訴えたが今年2月に敗訴し、現在控訴している。


2019年09月26日

札大雇い止め訴訟、セクハラ被害を判断しない高裁判決

リアルエコノミー
 ∟●札大雇い止め訴訟、セクハラ被害を判断しない高裁判決(2019/09/25)

 札幌大学(札幌市豊平区)のロシア語担当の元特任教員の女性(45)が、違法に雇い止めされたとして札幌大を相手に地位確認などを求めていた札幌高裁の控訴審判決が24日あった。冨田一彦裁判長は「労働契約更新を期待する合理的理由がなく控訴人(元特任教員)の主張は採用できない」として控訴を棄却、一審の札幌地裁判決を支持した。また、女性が元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害を大学に相談したことが雇い止めに影響したとの主張は「無関係」と退けた。(写真は、札幌高裁の入っている札幌市中央区の裁判所)

 女性は、札大ロシア語学科を卒業し東京外国語大学修士課程を卒業。札大は2010年当時、卒業生から優秀な人材を採用して末永く働いてもらう目的を掲げて女性を採用した。その後、女性は特任教員として教職課程も担当、「特任教員が教職課程の担当になったことは過去になかったため、17年度以降も雇用継続への期待を持つ理由があった」と主張したほか、教授会への参加など特任教員の業務範囲を超えて各種会議への参加を課せられていたことも労働契約更新を期待させたなどと主張。

 大学は14年3月の契約更新時に「16年度末までの雇用の継続は確実だが、労働契約が1年ごとに更新される以上、2年後、3年後の雇用の継続を約束することはできない」と回答したことや教授会への参加はオブザーバーとしてのものであり、会議等への出席も義務付けられていなかったと主張。

 冨田裁判長は、女性の主張に「雇用契約更新に係る期待の合理性との関連性は認められないため控訴人の請求は理由がない」と一審判決を支持した。

 女性は10年12月から15年7月までの4年半にわたって元副学長からセクハラを受け、学内の苦情相談員に被害を申し立て、大学側は副学長の研究室を移動させた。このセクハラ被害については大学側も記録を残している。女性はセクハラ・ストーカー被害を大学に申し立てたことに対する報復措置として雇い止めを強行したとも主張したが、冨田裁判長は「無関係」と断じ、このことが雇い止めと関係するかの判断はしなかった。


2019年09月25日

下関市立大・専攻科設置問題、「引くわけにはいかない」市長による市議会答弁

毎日新聞(山口・下関)2019年9月25日付

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「学問の自由」シリーズの第2弾が発行、寄川条路編『大学の危機と学問の自由』法律文化社

ブックレット「学問の自由」シリーズの第2弾が発行されました。

■寄川条路編『大学の危機と学問の自由』法律文化社、2019年。
(A5判、全66頁、1000円+税、ISBN978-4-589-04026-8)
https://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-04026-8
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4589040263/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i2

■概要
「学問の府」であるはずの大学が、いまサバイバル時代を迎え危機に瀕している。その危機のほころびとして大学権力が教員を排除するリアルな実態とその深刻さを問うとともに、本来の大学の公的役割や倫理の構築を提言する。日本の大学が直面する危機を知り、それを乗り切ることで「大学における学問・教育・表現の自由」を守ろうとする闘いの書がついに誕生。

■内容
ハラスメントをねつ造され解雇された宮崎大学事件、授業の無断録音の告発によって解雇された明治学院大学事件、傷害をもつ教員が教壇から排除された岡山短期事件など、いま大学において、本来あってはならない事件が横行している。その深刻さを問うとともに、倫理学・哲学からあるべき大学像や大学倫理の構築を提言する。

■目次
序 章 大学教授とは何か?(小川仁志)
第1章 明治学院大学「授業盗聴」事件とその後(寄川条路)
第2章 大学人の理性の「公的使用」(福吉勝男)
第3章 国立大学法人化による教授会運営の変化(野中善政)
第4章 岡山短期大学「障害者差別」事件(山口雪子)
終 章 人間学的「学問の自由」を求めて(石塚正英)

龍谷大学事件、「大学自治のあり方」訴訟-それは学生たちの訴えから始まった

以下に,龍谷大学事件に係わり,『Agendaアジェンダ;未来への課題』第66号(2019年秋号)<発行;アジェンダ・プロジェクト>に掲載された寄稿文を掲載います。

http://university.main.jp/blog/bunsyo/2019Agenda.pdf

下関市立大学を私物化するな 市長による教員の縁故採用は許されるのか モリカケに通じる問題の性質

■長周新聞
 ∟●下関市立大学を私物化するな 市長による教員の縁故採用は許されるのか モリカケに通じる問題の性質(2019年9月21日)

 下関市議会9月定例会で本紙記者でもある本池涼子市議は18日、一般質問に立ち、下関市立大学に新しい専攻科を設置する動きが9割の教員の反対を押し切って強引に進められている問題について追及した。その質問と答弁の要旨を紹介する。

 本池 下関市立大学への専攻科の設置について質問する。9月11日付の毎日新聞で報道され、既にご存じの方も多いかと思うが、「日本の大学のシステムとして想定されていないこと」がこの下関の街で、下関市長や元副市長たちがかかわった下関市立大学で起こっているという事実に衝撃を受けている。

 その記事の見出しには「教研審経ずに計画進行」「理事長(元副市長の山村氏) 市長の要望受け担当教員採用」「教員9割が撤回求める」とあり、「ガバナンス上大いに問題」として、大学のガバナンス(統治)に詳しい明治学院大の石原教授の話として、「学内にこれまでなかった組織をつくるときには、従来いる専門家(教員)の意見を聞きながら進めるのが当然だ。そもそも、事前に教育研究審議会で承認を得ない限り、教育研究の中身に関わる人事やカリキュラムを決めることはできない。日本の大学のシステムとして想定されていないことを市長と理事長が決めているということは、大学のガバナンス上、大いに問題がある」との意見が紹介されていた。

 何度も申し上げるが、「日本の大学のシステムとして想定されていないこと」が下関市立大学では起こっているというのだ。……(以下,省略,あとは当該新聞記事で)

2019年09月21日

文科省が下関市大に助言、事案は規定に則らぬ恐れ

山口民報(2019年9月15日)

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下関l市大専攻科設置、「要望」巡り食い違い

朝日新聞(2019年9月19日)

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下関下関市大の定款大幅変更へ、市議会委「可決すべき」

朝日新聞(2019年9月4日)
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2019年09月13日

下関市立大専攻科新設計画問題、「ガバナンス上大いに問題」

■毎日新聞
 ∟●下関市立大、揺れる専攻科新設計画 理事長、市長の要望受け担当教員採用(2019年9月11日)

同記事には,この問題に詳しい研究者による以下のようなコメントが付いていた。それを掲載する。

ガバナンス上 大いに問題

大学のガバナンス(統治)に詳しい石原俊・明治学院大教授(社会学)の話 学内にこれまで無かった組織を作る時には、従来いる専門家(教員)の意見を聴きながら進めるのが当然だ。そもそも、事前に教育研究審議会で承認を得ない限り、教育研究の中身に関わる人事やカリキュラムを決めることはできない。日本の大学のシステムとして想定されていないことを市長と理事長が決めているということは、大学のガバナンス上、大いに問題がある。計画がこのまま進めば、学長や理事長に教員が協力せず、大学が機能しなくなるおそれがある。


2019年09月11日

下関市立大、揺れる専攻科新設計画 理事長、市長の要望受け担当教員採用

■毎日新聞
 ∟●下関市立大、揺れる専攻科新設計画 理事長、市長の要望受け担当教員採用(2019年9月11日)

 山口県下関市の市立大学(川波洋一学長)が、特別支援教育の専攻科を新設する計画を巡って揺れている。計画は、同大設置者である市の前田晋太郎市長の要望を受け、山村重彰理事長ら大学経営側が教授らの審議を経ずに約1カ月で方針を決め、担当教員の採用を内定した。専門家は、学内に新しい組織を作る際は、既にいる教授らの意見を聴きながら進めるべきだと指摘している。【佐藤緑平】

教研審経ずに計画進行

 前田市長は6月4日、山村理事長宛ての文書で、大卒者らを対象とするインクルーシブ教育(障害児と健常児が共に学ぶ教育法)の専攻科設置などに取り組むよう要請した。

 同大の定款は教員人事や、教育課程の編成に関する事項は、教育研究審議会(教研審)で教授らの意見を聴くよう定めている。関係者によると大学側は今回、教研審を開いていない段階で教員に対し、専攻科の組織概要を説明し、担当教授として「採用を想定している」とし、特定の研究者の名を挙げたという。同20日の教授会では山村理事長が「市長の意を介して、私も意志を持って(計画を)実行している」などと話したとされる。

 大学側は同25、26両日、専攻科設置などの議題で教研審開催を呼び掛けたが、反対する教授らの欠席で流会。欠席した1人は「市長が意向を示し、理事長が実行するのは学則に違反する。そのことについて議論はできなかった」と話す。

 大学側は欠席を事実上の権利放棄と判断し、同26日の経営審議会で、2021年度に専攻科を開設するなどの方針を決めた。同28日には担当の教授、准教授、講師として、名前を挙げていた研究者ら3人に採用内定を通知。関係者によると、内定した教授は事前に前田市長が大学側に推薦していた研究者で、5月30日に市長応接室で山村理事長らに対し「(研究者と)ぜひ会ってほしい。下関の何か役に立ってくれる方になりそうだ」などと話していたという。

教員9割が撤回求める

 毎日新聞の取材に前田市長は「(内定した教授は)情熱的で頭が良く、改革志向で前進しようという気持ちが強い。下関で発達障害の子に対応する良い仕組みを取り入れたかった」と発言を認めた。「個人的な利益誘導や、誰かの思いでやっていることではない」とし「大学が少子化に立ち向かうため、変化を求めて良くしていかないと維持できない危機感がある」と話した。

 計画を巡っては、同大教授会の9割を超える教員51人が撤回を求めて文書に署名し、7月に大学側に提出している。


下関市立大学で何が起きているか、「市長が持ち出した人物をルールを破って教授に採用」

山口民報(2019年9月8日)の「下関市立大学で何が起きているか」の記事を掲載します。
http://university.main.jp/blog/bunsyo/190908yamaguchiminpou.pdf

2019年08月30日

サイト紹介、九州看護福祉大学を正常化する会

九州看護福祉大学を正常化する会
http://www.bizserver1.com/toyoda-kyushu/index.html

豊田保教授に対する懲戒処分について

本年7月9日、学校法人熊本城北学園は九州看護福祉大学豊田保教授(社会福祉学科)に対して停職6月の処分を下しました。

しかし、豊田教授は反社会的行為をしたわけでも、本学に損害を与えたわけでもありません。このような処分が下されたことは異常なことであり、懲戒手続きにも重大な問題があります。


2019年08月27日

明海大不当労働行為事件、都労委が完全勝利命令

■東京私大教連
 ∟●東京私大教連ニュース(2019年8月21日)

東京都労働委員会の勝利命令にあたっての声明

 2019年8月21日、東京都労働委員会は、明海大学教職 員組合 (以下、「組合 J ) が申し立てた不当労働行為救済申立事件(都労委平成29 年(不) 第3号)について、学校 法人明海大学の不当労働行為(団交矩否と支配介入)と認め、学校法人明海大学に対して 、これらの不当労働行為の是正、および、このような行為を繰り返さない趣旨の文書をキャンパスに掲示することを命ずる命令を下しました。
 これらの団交拒否と支配介入は、以下に述べるとおりきわめて不当なものでした。

1. 明海大学の2つのキャンパスは千葉県浦安市と埼玉県坂戸市にあり、両キャンパス問の移動には長時間かかるため、一方のキャンパスで就業時間終了後に団交を開催すると他方のキャンパスに勤務する執行委員の参加が困難です。そのため組合は、中間地点の代々木にある東 京事務所での団交開催を申し入れてきました。しかし、 学校法人明海大学の理事会は、坂戸キャンパス組合員の身分問題が議題のときに浦安キャンパスでの開催を一方的に指定するなど、東京事務所での団交開催を頑なに拒否しています。こうした理事会による団交場所の一方 的指定は、組合の団交参加者を制約して組合の力を弱めさせる不当な攻撃です。

2 .組合が結成されて以来、理事会は、就業時間内 ・大学敷地内での組合活動を 一切禁止し、組合ニュースの学内での配布等も禁止しています。このため、組合は、団交で法人に確認を取った上で、大学の教職員宛に組合ニュ スを封書で郵送しました。この封書は、メールボックスに投函されるなどして一旦は教職員に配布されましたが、封入物が組合ニュースであることを知った理事会 は、郵便物をメールボ ックスから抜き取り、既に個人に渡っていたものについても回収しました。さらに理事会は、「事情を全く知らない郵便局員と本学事務職員を道具として利用して」学内での組合活動を行った就業規則違反の行為であるとして、組合執行委員に対して「厳重 注意」を行いました。これは、組合の運営を妨害し 、執行委員を威嚇して組合を弱体化させようとする支配介入に他なりません。

これらの団交拒否や支配介入は、理事会の組合嫌悪 ・敵視に基づ く悪質な不当労働行為です。また、組合が本件について不当労働行為救済を申し立てた直後に組合執行委員を懲戒解雇( 2019年3月27日に東京地裁立川支部で解雇無効の判決、理事会が控訴)するなど、理事会の組合攻撃はエスカレートしています。

 私たちは、学校法人明海大学に対し、本日下された命令を真塾に受けとめ、中央労働委員会に再審査申立をすることなく本命令を誠実に履行するよう強く求めるものです。

2019年8月21日
東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)
明海大学教職員組合

2019年08月26日

「無期転換逃れ雇い止め」地位確認求め長崎大提訴へ ベルギー人元助教

毎日新聞(2019年8月26日)

 長崎大で有期契約の助教として8年間勤務し、2月末で雇い止めになったベルギー人男性が「無期契約への転換を逃れる目的で雇い止めにされた」と訴え、助教としての地位確認を求める訴訟を来月、長崎地裁に起こす。2017年3月の契約更新時に従来と同じ3年契約を結んでいれば無期転換を申し込む権利を得られるはずだったが、長崎大は日本語の読み書きが不自由な男性に対し、日本語の文書を渡して2年契約に変更していた。

 男性は、11年3月に3年契約で採用され、医学部の学生に医学英語を教えていたリュク・ロースフェルトさ…以下略。


2019年08月25日

明海大の団交拒否 不当労働行為を認定 都労委

■しんぶん赤旗(2019年8月24日)

明海大の団交拒否 不当労働行為を認定 都労委

 明海大学が、明海大教職員組合(東京私大教連加盟)の希望する場所での団体交渉開催を拒否し、大学の各教員あてに郵送した組合ニュースを回収した事件について、東京都労働委員会は21日、不当労働行為を認定し、「行為を繰り返さない」と誓約する文書を大学内に掲示するよう命令しました。

 明海大は、千葉県浦安市と埼玉県壁戸市にキャンパスがあり、組合は両キャンパスの役員が参加できるよう中間にある東京事務所(東京都港区)での団交開催を求めましたが、2011年11月以降、当局は拒否を続けています。

 また当局は敷地内での組合活動を一切禁止し、16年3月、組合が大学の教職員あてに郵送した組合ニュースをメールボックスから引き抜き、教職員からも回収。組合役員に対して「厳重注意」を行いました。

 命令書は、かつて東京事務所で団交をしていたことを指摘し、「合理的な理由もなく拒んでいるといわざるを得ない。組合にとって支障のある開催条件を意図的に押し付けようとしているものとみざるを得ない」として、不誠実団交とともに支配介入だと認定しました。

 組合ニュース回収については、「勤務時間の内外を問わず、法人施設内での一切の組合活動禁止を明言していた法人が、その意思を貫徹するために行ったものとみるべきであり、組合活動を抑制し弱体化することを意図したものである」として支配介入だと判断しました。

 大学側は組合が都労委申し立てをした直後の17年3月、組合役員の教授を懲戒解雇しましたが、今年3月、東京地裁立川支部で解雇無効判決が出ています。


2019年08月24日

九州看護福祉大、豊田保教授に対する懲戒処分について

■九州看護福祉大学教職員組合
 ∟●豊田保教授に対する懲戒処分について

令和元年7月31日
九州看護福祉大学教職員組合

豊田保教授に対する懲戒処分について

 本年7月9日、学校法人熊本城北学園は九州看護福祉大学豊田保教授(社会福祉学科)に対して停職6月の処分を下しました。しかし、豊田教授は反社会的行為をしたわけでも、本学に損害を与えたわけでもありません。それにもかかわらず、このような重い処分が下されたことは弁護士も呆れるほど異常なことであり、懲戒手続きにも重大な問題があります。これは懲戒権の濫用に他なりません。今回の処分により、豊田教授担当授業の履修生が数コマの講義を残して単位を取れない事態になっており、学生に大きな不利益が発生しています。合理性・正当性を著しく欠いた今回の処分は、経営陣の意に沿わない発言・行動をした者は処分されるという悪しき見本であり、労働者が発言することはますます封じ込められることになります。教職員組合は豊田教授に対する懲戒処分の撤回および学生・保護者への説明を要求します。

 本学の運営には、今回の問題だけでなく、論文不正疑惑の調査や動物実験の審査について看過できない問題があります。教職員が安心して働ける環境や正常な大学運営を取り戻すために声をあげましょう。

主な懲戒理由と豊田教授の主張

【理由】教員A氏の勤務時間について学園の指示に従わず、A氏と産業医との面談を妨害し遅らせた
【主張】社会福祉学科長であった豊田教授は本学に対して、睡眠障害を抱えている教員A氏(同学科)の出退勤時刻をスライドするよう要望したが、拒否されたため大学の指示に従うよう教員A氏に伝えた(本年3月1日)。それ以降、豊田教授は教員A氏の勤務時間には介入しておらず、大学の指示に従わなかった事実はない。また、教員A氏と産業医との面談を豊田教授が妨害し遅らせた事実はない。なお、教員A氏は主治医の診断書を提出したが、冨田淳事務局長は、本学での合理的配慮は震災時などのケースを想定しており、個別的な対応は認められないと回答し、その後の交渉のストレスから教員A氏は適応障害も罹患した。弁護士によれば、教員A氏への本学(学校法人)の対応は安全配慮(健康配慮)義務違反である。

【理由】大学院研究科委員会の審議内容を研究科委員会以外に漏洩し、人事委員会の審議内容を漏洩した
【主張】大学院研究科委員会の審議内容とは、研究科長である肥後成美副学長(リハビリテーション学科教授、理事)が大学院入学試験成績の極めて悪い受験生を合格させようとしたことを指す。豊田教授はこのことを、研究科委員会委員ではない大学院教員にも知らせたが、研究科委員会の規定には守秘義務条項はない。また、受験生の個人情報は漏洩していない。問題視されるべきことは本学大学院での勉学に支障のあると思われる受験生を合格させようとした肥後副学長や本学の姿勢であり、豊田教授の行為ではない。人事委員会の審議内容の漏洩については、その内容が何を指すのか、誰に漏洩したのかが明記されておらず、懲戒理由として不適当である。

【理由】高木義紀常務理事の個人情報(生年月日、職歴)を本人の許可なく職員全員に流布した
【主張】高木理事の本学での職歴については不正在職(定年を過ぎても事務局長に在職し続けた等)の疑いがあり、豊田教授はそのことを指摘する文書において高木理事の生年月日と本学での職歴を示した。高木理事の生年月日及び本学着任までの職歴は雑誌「くまもと経済」(2014年5月号)に記載されている。すなわち、高木理事は自身の生年月日等が不特定多数に知られることを容認している。また、本学での職歴は教職員向け通知や理事会資料等において周知のことである。つまり、弁護士も指摘しているように、本懲戒理由には根拠がまったくない。

懲戒手続きの問題

肥後副学長は豊田教授の懲戒理由に関わる当事者であるにもかかわらず懲戒委員として審査に加わった。そのような懲戒委員会において中立・公正な審査を望めないことは明らかである。


2019年08月18日

山梨学院大学で異常事態、「非常勤講師切り捨て」とモラルの崩壊

現代ビジネス
 ∟●山梨学院大学で異常事態…「非常勤講師切り捨て」とモラルの崩壊(2019年8月18日)

山梨学院大学で異常事態…「非常勤講師切り捨て」とモラルの崩壊

田中 圭太郎

山梨県庁で記者会見の「異常事態」

山梨県甲府市に広大なキャンパスを構え、法学部、経営学部、健康栄養学部、国際リベラルアーツ学部、スポーツ科学部の5学部6学科と、2つの研究科をもつ山梨学院大学。運営する学校法人山梨学院は、3800人以上の学生が通う大学のほか、幼稚園、小・中学校、高校、短大も有している。

この山梨県を代表する総合大学で、異常な事態が起きているという。大学の非常勤講師2人と首都圏大学非常勤講師組合は6月24日、山梨県庁で記者会見し、次のように述べた。

「山梨学院大学ではいま、非常勤講師の違法な定年切り下げや雇い止めが起きていて、多くの教員が追い詰められています。このまま放置するわけにはいきません」

会見した講師らは、学校法人山梨学院が今年1月に甲府労働基準監督署から立ち入り調査を受けて、指導と是正勧告を受けたことを明かした。その理由は、労働基準法に定められた手続きをとらずに、非常勤講師の定年の切り下げや、65歳以上の講師を退職させることなどを定めた就業規則を作成していたからだ。

しかし、是正勧告を受けても、山梨学院は就業規則を改めていない。そればかりか、5年以上勤務して無期雇用転換権を有している非常勤講師を雇い止めしていることもわかっている。山梨学院大学に何が起きているのか、取材した。

労基署が立ち入り調査、是正勧告

甲府労働基準監督署は今年1月28日、学校法人山梨学院に対して立ち入り調査を実施し、ただちに是正勧告を行った。

問題となったのは、2018年4月に山梨学院が作成した非常勤講師の就業規則。慣例で70歳だった定年を65歳に引き下げ、65歳以上の講師は今年度末に退職してもらう、というものだ。しかし、在籍する約150人の非常勤講師たちは、このような就業規則が新たに作られていたことを知らなかった。

山梨学院には、労働者の過半数が所属する組合がなく、就業規則を作成もしくは変更する場合には、すべての労働者の中から過半数代表者を選んで意見を求めることが労働基準法で定められている。違反すれば、30万円以下の罰金が課される。

ところが山梨学院は、労働基準法で定められた手続きをとらずに、勝手に就業規則を作成していた。その上で非常勤講師の雇い止めを始めたのだ。

労働基準監督署は、就業規則に盛り込まれた、非常勤講師にとって不利益な変更内容の取り扱いを検討するとともに、法律に沿った手続きをやり直すことを求めた。労基署がこれだけ明確に指導し、是正を勧告するケースは、全国的にも珍しい。それほど悪質だったといえる。

にもかかわらず、山梨学院の就業規則の内容は、半年以上が経った現在も変わっていないのだ。

きっかけは非常勤講師の「雇い止め」

山梨学院が指導と是正勧告を受けたことを明らかにしたのは、非常勤講師として約15年勤務する高橋明弘さんと、同じく10年以上勤務している柴崎暁さん。2人が労基署に山梨学院の違法行為を申告した。

高橋さんと柴崎さんが異変に気づいたのは去年10月。同僚だった40代の非常勤講師の女性が、大学から突然雇い止めを告げられた。

2013年に改正された労働契約法では、非正規労働者が5年以上勤務した場合、無期雇用への転換権を得られるようになった。この講師は山梨学院に5年以上勤務していたことから、すでにこの権利を得ていた。

ところが、講師が無期雇用への転換を申し込もうと思っていた矢先、大学の人事課から突然「あなたは今期限りです」と告げられた。学科を改編するためという理由だったが、実際は学部と学科の名前が変わっただけで、中身は変わっていなかったことがのちに判明している。

つまりは無期雇用転換を逃れることが目的の、脱法行為が疑われる雇い止めだったのだ。

この講師は大きなショックを受けて、告げられた通りに大学を辞めてしまった。しかし、この他にも雇い止めされそうになっている講師がいることが判明。高橋さんらは調査を進め、職員も知らないうちに学院の就業規則が作成されていたことを突き止めた。

つまり、山梨学院は、無期転換権がある非常勤講師を雇い止めすると同時に、就業規則を作って65歳以上の非常勤講師を切り捨てる計画を立てていたのだ。

高橋さんと柴崎さんは今年1月24日に労基署に申告。労基署がわずか4日後に大学に対して指導し、是正勧告したことから、2人は山梨学院に就業規則の撤回と手続きのやり直しを求めた。

就業規則変更を巡るゴタゴタ

指導と是正勧告を受けて山梨学院は今年3月、就業規則変更のための過半数代表者選挙を実施した。しかし、このとき学院側が提出してきた就業規則の改定案は、前年に作られたものと同じ内容だった。非常勤講師にとって不利益な変更は再度検討するように、という労基署からの指導を無視した形だ。

選挙を実施した時期も問題だった。大学が春休み中の3月末に突然選挙を行うことを明らかにしたのである。立候補期間は土日を除くと3日間しかなく、投票期間に至っては2日間だけ。これでは多くの人が選挙を知らないまま終わってしまう。

さらに投票の方法を、直接匿名秘密投票ではなく、記名投票とした。言うまでもないことだが、記名投票では、山梨学院側が事実上擁立した候補者に投票しなかった人物がわかってしまい、教職員が萎縮するおそれがあった。

過半数代表者の選挙には、山梨学院側が擁立した候補と、柴崎さん、さらに「このままではまずい」と立ち上がった別の専任教員の3人が立候補。教職員の間に労働条件や労働環境に対する危機感が広がり、結局、山梨学院の思惑に反して専任教員が当選した。

すると山梨学院はこの専任教員に、18年度・19年度と2年分の就業規則変更について意見書を作成させた。2年分の意見書を1度に書かせる行為は、適正とは言えない。

しかも、専任教員がパソコンで作成した意見書を提出すると、山梨学院は所定のモデル形式を手渡し、A4用紙1枚に収めるようにと、手書きによる書き直しを強く指示した。書き直して提出すると、今度は「定年の引き下げなどの不利益変更をしないように」と意見を書いた部分を削除させたのだ。この書き直し要求は、労働基準法施行規則に抵触する。

しかし山梨学院は「(過半数代表者の)意見が(就業規則に)反映されるものではないから」と、問題ないという姿勢だった。そのまま就業規則を労基署に届け出て「法的に有効」と主張。高橋さんと柴崎さんは「労基署の指導と是正勧告を無視している」と抗議している。これが現在の状況だ。

「研究者とはマッチングしない」

高橋さんと柴崎さん、それに首都圏大学非常勤講師組合が調査を進めるうちに、山梨学院が教員の雇用を非常に軽く見ていることがわかってきた。

山梨学院の2016年の事業報告書を見ると、改正労働契約法によって非常勤講師を無期雇用に転換しなければならないことに対して、否定的な見解が明記されている。

〝非常勤職員への対応について、当初の「雇い止め」から「無期転換」への方針転換を軸に検討を進める動きもあったが、結果的には「雇い止め」を実施することで最終的な経営判断が下された。今後は、「雇い止め」をめぐる具体的な対応と適正な実務を検討していく〟

これは改正労働契約法を無視することを堂々と宣言したものだ。全国の大学などで無期転換を嫌がって非常勤の教職員を雇い止めするケースが問題になったが、公式な文書で脱法行為をおこなう意思を明確にしているのは珍しい。

しかも、専任教員や職員の待遇も改悪していた。今年4月以降、専任教員や職員の期末手当の乗率は、これまでの年間5・1ヵ月分から、評価によって3ヵ月分から4・6ヵ月分に変更されていた。平均的なB評価の場合は3・8ヵ月分の支給なので、ダウン幅は決して小さくない。評価の基準も明らかにされていない。

さらに、山梨学院の考え方が明確にわかる資料もある。山梨学院の古屋光司理事長兼学長は、先代の理事長兼学長である父親の跡を継ぐ形で去年4月、39歳の若さで着任した。司法試験に合格して弁護士登録をしたのち、2006年4月から法人本部で勤務。副学長などを歴任した。この古屋理事長兼学長が教授会で示したとされるのが、次の文書だ。


1枚目の冒頭には、〝本学は、あくまで教育に特化する〟〝高度な研究機関として評価される大学は目指さない〟と掲げている。

その上で、2枚目には〝本学が求める大学教員像〟が示され、一番下には〝従来の日本の大学に見られる典型的な「研究者教員」を望む人は、今後、本学とのマッチングはない〟と明記されている。

言うまでもなく、大学の両輪は「研究」と「教育」であるはずだ。しかし「研究者は今後雇用しない」と受け止められる文言が、ここには堂々と書かれているのだ。

大学では、上層部のモラル崩壊も起きているという。昨年度、特定の運動部に所属する学生10数人が、本来は単位を落としていたのに、大学が担当教員に知らせずに補講を実施して、学生に単位を与えたことがわかった。

山梨学院大学がスポーツに力を入れていることは理解できる。だからといって、特定の部に所属する学生だけに、落としたはずの単位を秘密裏に与えていては、「何でもありの大学」だと思われても仕方がないのではないだろうか。

退職した教員の数は「答えられない」
労基署による指導と勧告の後も、就業規則作成の手続きが適法と言えないことと、非常勤講師の就業規則の内容が変わっていないことについて、山梨学院に質問した。広報からの回答は、次の通りだった。

「今回の過半数代表者の選任については、労働基準監督署の是正勧告・指導に基づき、適切な対応・手続きを経て行っております。現在の山梨学院非常勤講師就業規則は法的にも有効であると考えております」

定年を65歳に引き下げることついても「顧問弁護士に確認し、現行規則が法的に有効」という認識を示した。

また、今後「研究者教員」を望む人とはマッチングしない、という教授会で示された内容について確認を求めると、事実と認めた上で次のように釈明した。

「『研究者教員を望む人は、本学とのマッチングはない』という表現については、『今後、学生の成長につながるように更に教育に力を入れていく』という趣旨の現れです。各教員には、学部教育の充実(学生指導)とともに、学部教育やリベラルアーツ教育の向上につながる研究、これまでも本学が行ってきた地元山梨の経済・政治・行政の活性化に具体的に貢献できる研究、全学的国際化の実現を目指し、海外大学との共同研究や学術交流などを積極的に推進していただきたいと考えております」

山梨学院は非常勤講師の無期転換について、現状では申し込みがあった場合は応じていると説明した。しかし、去年4月以降、何人の非常勤教員が退職したのかを訪ねると、「答えられない」と明らかにしなかった。

おかしな方向に進んでいる

労基署への申告者の1人である柴崎さんは、教員の雇用の問題が噴出してきたのは、現在の理事長が就任してからだと感じている。

「理事長は就任の際、山梨に必要とされる、愛される学園にしたいと話していました。それが本当なら全面的に賛同します。しかし、おかしな方向に進んでいるのは明らかです。以前の山梨学院は普通に学問ができる場所でした。軌道修正してほしいと思っています」

もう1人の申告者の高橋さんは、非常勤講師だけではなく、常勤の教員や職員も追い詰められていると指摘している。

「私たちのところには、教員からかなりの数の相談が来ています。闇は深いと思っています。辞めざるを得なかった人も少なくないはずで、いまも多くの人が追い詰められていると感じています」

首都圏大学非常勤講師組合では、7月と8月に甲府市内で説明会を開催した。今後は山梨県内の教職員を対象にしたユニオンを結成するために支援していくという。

また組合は、労基署から是正勧告を受けた後も適正な手続きがとられていないなどとして、現在も山梨学院に就業規則の撤回を求めて交渉を申し入れている。松村比奈子委員長は「山梨学院大学の行為はこのまま放置しておくわけにはいかないレベルだと考えています。このような不正がまかり通る環境は改善しないと、大変なことになるのではないでしょうか」と危惧している。

しかし、山梨学院が態度を変える気配はなく、現状では解決の道は見えていない。


2019年08月08日

サイト紹介、「原朗氏を支援する会」ウェブサイト 小林英夫氏盗作行為の起源

「原朗氏を支援する会」ウェブサイト

堀和生「小林英夫氏盗作行為の起源」

構成
はじめに
(1)引用注
(2)二重の背信行為
(3)剽窃の重み
おわりに
参考資料
剽窃箇所対照表(一部)
・参考資料B:尹亨彬「1929年元山労働者のゼネスト」(堀監訳訂正版)
・参考資料C:小林英夫「元山ゼネスト─一九二九年朝鮮人民のたたかい」(一部)
小林氏自身による改題(小林英夫・ 福井紳一著『論戦「満洲国」・満鉄調査部事件 ―― 学問的論争の深まりを期して』彩流社 2011年より一部引用)

2019年5月17日

堀 和生

はじめに

本件の訴訟の冒頭において、小林英夫氏(以下、「小林」と呼ぶ)は、自分は「学会上の常識や倫理上批判を受けうる、いかなる行為も行っていない」(原告「第2準備書面」2014年1月21日 4頁)、と述べている。はたしてそうであろうか。本稿の目的は、小林の主張とは異なり、彼が研究活動の当初から、甚だしく研究倫理を欠いた行為を行っていたことを、わかりやすく示すことである。

取りあげる論文は、小林英夫「元山ゼネスト-1929年朝鮮人民のたたかい」(労働運動史研究会『労働運動史研究』44号 1966年7月。小林英夫・ 福井紳一著『論戦「満洲国」・満鉄調査部事件 ―― 学問的論争の深まりを期して』彩流社 2011年 再録)である。これは小林が、裁判所に提出した自己の「発表論文目録」(甲第5号証)でその第一番目に掲げたもので、上記の「第二準備書面」(2頁)では次のように述べている。「原告は、その著作の主要部分を既に学会誌等への12本の論文を通じて発表し(甲5)、本件学会発表の前に、原告著書の主要な章節は既に完成していた。原告著書の内容・編別構成は、被告の学会発表前に、上記12本の論文の中でほとんど発表しているものであり、当然の帰結として、被告の学会発表に依拠したものではない」。このように、小林の本論文(以後、「小林論文」と呼ぶ)は、本件訴訟の資料の一部を構成するものであり、当然にこの論文中における剽窃問題は、自らこれを組み込んだと主張する本件小林著書に対する学術的な信頼性に直結するものである。

小林論文との関係を検討するのは、北朝鮮の学術雑誌に発表された論文、尹亨彬「1929年元山労働者の総罷業とその教訓」(『歴史科学』1964年2号。以後、「尹亨彬論文」と呼ぶ)である。小林論文の2年半前に発表されており、同じく1929年朝鮮の元山府で勃発した著名な総罷業(ゼネラル・ストライキ)を対象としている。この論文を取りあげるのは、表題に掲げた問題を第三者が簡単明瞭に理解することができる素材であるからである。

本論に入る前に、2つの論文の対象となった事件の概略を紹介したうえで、当時までの研究史について説明しておこう。1928年英蘭系石油会社ロイヤル・ダッチシェルの子会社ライジングサンの朝鮮元山の油槽所でおこった労働争議が、警察署長や商工会議所の調停では解決できず、やがて運送労働者・埠頭労働者までを巻き込み、最終的に1929年1月から商店の同情ストまでよびおこす全市的な総罷業にまで拡大した。この3ヶ月に及ぶ総罷業は、朝鮮の労働・民族運動としても、近代日本帝国における社会運動としても規模が大きく、当時から注目を集めた大事件であった。ただし、その事件は日本の植民地統治に関わるものであったために、注目度の高さに比して公開された報道・情報資料は多くはなかった。最もまとまったものは、同時代資料である×(ふ)×(せ)×(字)「元山に於ける総同盟罷業」(『新興科学の旗のもとに』1929年7月号)であり、その他は断片的な報道、伝聞資料のみであった。戦後の研究においてもそれら戦前の報道、伝聞資料を再引用する状態に留まっていたなかで、事実発掘の密度を格段に引き上げた時代を画する研究として登場したのが、ここで紹介する尹亨彬論文である。そして、日本における新しい水準の研究が、それから若干遅れて公刊された小林論文であった。

尹亨彬論文の全文を掲げたのが資料Aで、朝鮮語文で17頁である。尹亨彬論文を筆者の責任で日本語翻訳したものが資料Bで、A4で17枚である。小林論文の全文が資料Cで、4段組10頁のものである(以下,単に「A」「B」「C」という。)。この3つの文献を比較することによって論を進める。小林論文の文章を基準として重複する箇所に赤線引いて明示した。接続詞の違いやわずかな表現の変更相違、AからCに至る過程で少しの省略や加筆があっても、それらがおおむね文章の10%以内のものであれ、重複と判断した。表現の変更とは、日帝?日本あるいは日本資本主義のような言い換えや、文章の圧縮のことである。当該箇所の重複の実相については、読者が直接に照合して読み合わせていただきたい。

筆者がA・BとCを比較検討した結論は、次の3点に要約される。

……以下,略……


2019年08月07日

早稲田大学教員公募事件、大学教員の真の公募制のために

■労働組合東京ユニオン早稲田大学支部
 ∟●大学教員の真の公募制のために

大学教員の真の公募制のために

2019年8月6日

大学教員の公募はいかなる専門領域(ディシプリン)にあっても、その分野が学問として自律しているか否かを知るためのよい機会となる。それが政治学であるなら、政治学という学問の自律性が問われることになる。

中国政治の研究者は、いまの中国の体制を肯定するのでも否定するのでもなく、中国の歴史の全体を把握しようと努めながら中国政治のいまについて語らねばならない。公募とはそうした者を公に募ることだから、もとより公正かつ透明なものでなければならない。

しかしそれはなかなか難しい。早稲田大学は学内に多くの反対意見があったにもかかわらず、江沢民や胡錦涛が日本を訪れたときには大講堂で講演をさせた。いまでも孔子学院の事務所が学内にあり、構内には中国からたくさんの留学生がいる。たしかにそれは日中両国の交流を深めるのに貢献するかもしれない。しかし天安門事件以降の中国の政治体制に批判的な研究者は、中国にはいまだに子供を大学にやれない貧しい家庭も多いし、日本に留学できるのは都市に暮らすゆたかな家庭の子に限られるという現実も見ている。早稲田大学で働く者ならだれでも、政治学を研究する者はなおさら、大学の政治的選択(総長がそれを代表する)を批判してもよい。なぜならそこに学問の自律がかかっており、大学とは学問の自律を保障すべきところだからである(「建学の精神」)。

わたしたちは2019年6月11日に早稲田大学を東京地裁に提訴した。2016年度に早稲田大学アジア太平洋研究科で行なわれた中国政治の専任教員の公募において不当な差別があったと訴えている。選考の結果に不満があるのではなく、そのプロセスにおいて生じた疑念について大学側に何度も説明を求めたけれども、拒否されたためである(団交の拒否)。

公募に関して、大学は外に向かって公明正大であるばかりでなく、その内部においても公募による選考のプロセスが学則や内規に抵触していないかどうかの検証をおこなわれねばならない。早稲田大学の田中総長は自ら積極的に公募での教員採用をおし進めており、しかも政治学の研究者である。われわれの疑問に法廷で答えるべきだろう。

開かれた公募制のために

大学がすべて国立であり、教員がすべて国家公務員であるフランスには、CNU(全国大学評議会)という組織がある。CNUは専門分野ごとの分科会をもち、それぞれの分野で各大学の教員の採用や昇進を全国レベルでチェックしている。私立大学が75%を超える日本では、フランスのCNUのような組織をつくるのは難しいかもしれない。しかし国公私立のすべての大学を文科省が管理している日本のシステムは、フランスの中央集権的なシステムとよく似たところがある。ゆたかな自己資本をもつアングロサクソン諸国の有名私立大学とは異なり、日本の私立大学は一九一八年の大学令以来、文科省(文部省)の管理のもとでしか機能しえない貧しい状況にいる(「私学助成」)。

フランスの大学は数のうえでは70ほどだが、すべて博士課程までそなえている。そのため地方の大学でも大学教員を養成できる。しかし地方とパリとでは提出される博士論文の数も違うし、審査のきびしさも異なる。またいずれの大学においても自分のところで育てた学生を教員にしたいという閥族主義(ネポティスム)がはびこりやすい。そのためパリで大量に生産される博士たちは、いかに優秀であってもなかなか就職できないというジレンマにおちいる。しかしCNUは「大学自治」とぶつかることも多く、必ずしもうまく機能していないのが実情である(アレゼール日本編『大学界改造要綱』参照)。

日本には800近い大学があるが、博士課程までそなえている大学は東京などの都市圏に偏っている。それゆえ博士課程を修了した者は、たやすく地方の大学にポストを得られそうにみえる。しかし事実はそうではない。すべての大学が公募をおこなうわけではないし、たとえ公募が行われていても、その公正をチェックできるCNUのような組織がない。

そこでは「採用の自由」がものをいう。公募が中教審と文科省によって推奨されるなか、私立大学においても公募による採用は増えたけれども、公募における選考のプロセスは不透明なままである。こうして日本にもフランスと同じように、大学教員の採用における「不公正と怨恨の連鎖」が生じてしまう。

バランスを欠いた国と文科省の大学政策

若年人口も減少するなか、日本の大学はアジアから留学生をあつめて経営を支えようしている。しかしその留学生はたいてい裕福な家庭のこどもたちである。日本の大学は、日本の社会の階層間に「流動性」をもたらさないばかりか、アジアの国々のエリートと大衆の二極化に貢献するものとなってしまっている。

文科省は公募の公正については何の対策も取ってこなかったにもかかわらず、「任期制」を導入して大学教員の「流動性」を高めようとしている。まるで大学から「自治」をうばうことによって、その「ガバナンス」(トップダウンの「統治」)を完成させようとしているかのようだ。財政基盤の弱い日本の大学の学内政治は国や文科省の影響をもろに受ける。たとえ総長(学長)が選挙で選ばれる大学でも、選ばれた総長(学長)が競争型資金の獲得競争に参入できる大学をめざせば、文科省のいう「ガバナンス」に組み込まれざるをえない。早稲田大学はむしろ積極的にそこに組みこまれようとしている大学なのである(「ヴィジョン150」)。

今回の訴訟の原告は早稲田大学では非常勤講師をしているが、他大学にすでに専任教員の職を持っている。非常勤の職しか持たない教員やポスドクは、応募における選考の公正に疑問を感じても声をあげることは難しい。大学側の採用の自由ばかりがまかりとおり、応募者の人権がおろそかにされている。私たちは日本の大学のこのような実情を広く社会に訴えるためにこの訴訟を起こした。

石井知章(早稲田大学非常勤講師)
岡山茂(早稲田大学教授)

早稲田大学教員公募事件

■労働組合東京ユニオン早稲田大学支部
 ∟●早稲田大学教員公募事件

早稲田大学教員公募事件

 明治大学教員の石井知章氏と労働組合東京ユニオンは、早稲田大学における教員の公募の問題をめぐってこの6月に東京地裁に提訴しました。

 国立大学ばかりでなく私立大学でも、教員採用のさいに公募がよく行われるようになりました。より公正で透明な採用をおこなうという趣旨から、文科省がそれを推奨しているという背景があります。しかし2016年に早稲田大学アジア太平洋研究科で行われた公募では、その選考の経過に疑念をいだいた応募者(原告となった石井氏自身)が、研究科の科長に事実確認を求めるという事態が発生しました。研究科の科長が回答することを拒否したため、応募者は大学当局にも訴えましたが、それも拒否されました。

 もとより大学教員の採用にあっては、採用する側が選考の経過を明らかにすることはありません。しかしこの件にかんしては、内規違反の可能性があるという情報を落選した本人がつかんでいました。大学教員の採用はそれぞれの大学の学部や研究科が独自に行いますが、そのさいには定められたプロセスに従います。そこに問題がなければ何も言えません。しかしそこに疑念がある場合、それを晴らそうとすることは応募した者の権利であると思います。公募とはいってもあまりにも恣意的な選考が行われており、しかも応募者は採用してもらうという弱い立場にあるため、声も上げられずにいるのが日本の大学の実情です。

 今回原告となった本人は明治大学の専任教員であり、早稲田大学政治経済学部で非常勤講師をしているということもあって、あえてこの問題を追及することにしました。そしてそのために東京ユニオンに加盟し、早稲田大学支部を立ち上げました。大学側とは2回団体交渉をおこないましたが、大学側は非常勤講師の労働条件などについては議論に応じたものの、公募の問題については団交事項ではないとして交渉を拒否しました。裁判に訴えることになったのはそのためです。

 私たちの主張は公募をやりなおせというのではありません。すでに選ばれた候補者が優秀であることを疑うものでもありません。ただし、①大学は公募をやるからには公正と透明性を保障すべきである、②大学はこの問題にかんして団交に応じるべきである、ということを裁判でも主張していきたいと思います。

 この問題には二つの背景があります。一つは、日本の私立大学が大学としての自律性を失ってしまっているということ、もう一つは、文科省自体も政策を誤っているということです。

 国立大学法人ばかりでなく学校法人(私立大学)においても、文科省への「忖度」は働きます。文科省は「大学自治」を理由に公募を推奨するだけにとどめていますが、国の私学助成費を少しでも多くもらうためには、その意向に沿うのが一番です。それゆえ形だけの公募をおこなう私立大学が増えています。また文科省は90年代中頃から任期制もおし進めていますが、任期切れであらたな職を探さないといけない教員・研究者も増えています。

 全国の「教員市場」を真の意味で「流動化」させるためには、私立大学を含めたすべての大学に公募を義務づけるとともに、公募の公正と透明性を確保するための全国的な仕組みが必要です。バランスを欠いた文科省の「ガバナンス」によって苦しめられているのは、テニュア(終身)職のないすべてのポスドク、非常勤講師、教員、研究者です。応募のたびに膨大な資料を作成する時間と労力を要求され、論文のコピーや面接の移動に多額の出費を強いられ、ふつうは落選してしまいます。多くの研究者の時間、労力、意欲を無駄にし、疲弊させているのがいまの公募の実態なのです。

8月22日の東京地裁での第一回裁判期日への傍聴をよろしくお願いします。
2019年8月22日(木)13時15分 東京地裁709号法廷
連絡先:労働組合東京ユニオン 電話03-5354-6251 FAX03-5354-6252

2019年07月31日

元教授、再雇用拒否不当 南山大に慰謝料支払い命令

■毎日新聞(2019年7月31日)

 南山大(名古屋市)の元教授の男性(67)が懲戒処分を受け、定年後に再雇用を拒否されたのは不当として、慰謝料500万円や賃金の支払いなどを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(佐藤久貴裁判官)は30日、処分の無効と雇用関係を認め、慰謝料50万円などの支払いを大学側に命じた。

 判決によると、元教授は2017年3月に定年退職したが、大学は元教授が16年にけん責処分を受けたことを理由に再雇用を拒否した。……


2019年07月30日

下関市大、経営側と教授ら専攻科新設巡り対立

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下関市大、専攻科の新設「白紙撤回を」教授会の9割が反対署名

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下関市立大 新専攻科設置巡り対立 経営陣に撤回求め署名提出 教員側「実績ないのに学生集まるか」

■毎日新聞(2019年7月27日)

下関市立大の理事長らが強引に新たな専攻科などを設置しようとしているとして、撤回を求める署名を同大の教授会の9割を超える教員51人が25日、大学側に提出した。大学の理事を務める飯塚靖経済学部長を含む教授4人が26日、記者会見して明らかにした。

 教授らによると、大学側が設置を計画しているのは「特別支援教育特別専攻科」。発達障害児などの教育を支援するため、専門的な知識を持つ人材を育てるのが目的としている。1学年10人が1年間学び、特別支援教員免許1種を取得できるほか、学内外向けの講座なども開く予定。2021年春の開設を目指しているという。

 教職員は5月31日に突然大学事務局からメールで計画を知らされ、6月6日に山村重彰理事長から説明があ…


2019年07月13日

「特に女性が無給にさせられた」 - 無給医の現場の声

m3.com

無給医に関する緊急アンケート:「現場の若手医師を助けて」との悲痛な声
2019年7月13日 高橋直純(m3.com編集部)


Q 「無給医」の調査結果に対する意見、「無給医」をめぐる課題、解決策について、ご意見をお書きください。


【体験談】

・現在、大学院生として大学病院で診療に従事しつつ、学生としての身分を有している。一応大学病院から給与が支払われているため、無給医ではないものとされているがその実態は、悪質極まりない。その理由を以下に挙げる。非常勤職員として働いているが、その内容が現実的ではない。契約内容は、時給1580円で月に8時間しか労働していないことになっている。

 しかし、その実態はフルタイム勤務である。実態とかけ離れた契約書にサインさせられており不条理である。そのため健康保険や公的年金に加入することができない。まずは無給医以外の、不条理な雇用状態の医師の数を把握しないことには真の改革は不可能であると考える。【勤務医】

・特に女性は、いろいろな理由で無給にさせられました。医局長には、ご主人が稼いでいるから良いでしょうとか、その他、色々と理由を付けられては無給で働いていました。子供が生まれた時は子供を預かってもらうのに数十万円かかることもありました。やむを得ずバイトに出たら、それも本業に専念していないと叱られました。説明をしても、聞いてもらえなかった記憶があります。

 感情的にならず日本社会の見学と称して当時のことは自分なりに考えてみました。親戚が支援してくれていたので何とか乗り切りましたが、本人の意思の確認、個人の考えを基に話し合うことすらしない当時の日本は決して先進国ではないと結論。今後の若い方の改革に期待します。ただ、このような社会でも学べることは多く、じっと我慢してでも本分を忘れずに仕事をしていると仕事をした分、それなりに実力は付いたと思います。圧力や困難に屈せずと言う意味での訓練、鍛錬を兼ねていたようにも思います。ただし。やるなら、公平にやっていただきたいですが。【勤務医】

・私は嘱託医、自己研鑽目的として無給、交通費なし、週1日の外来を医局を辞めるその日まで強要されています。大学にポストを得ない医局員全員が同様です。医局の中では奴隷外来と呼ばれています。これをしないと、専門医を認定しないと脅されてもいます。助けてください。無給で苦しんでいるのは大学常勤医だけではありません。他の病院に常勤医として籍のある、非常勤嘱託医も苦しんでいます。助けてください。早く、自己申告できる問い合わせ窓口、被害相談窓口を設置してください。

 クローズドな調査で、クローズドな救済は、変革する本気度を疑ってしまいます。無給で外来をしないと、専門医の指導をしない、博士号の指導をしないとさえ言われて、実名で声を上げることができない現場の若手医師を助けてください。希望をください。きちんとした待遇なしに、きちんとした治療はできません。皆さま助けてください。お願いします。無給嘱託医にも希望を。文科省による救済窓口の設置を。【勤務医】

・私も大学院生時代、無給医師でしたが、研修指導医、また当直業務は月2回はあり、外来、検査なども常勤医師以上に義務化されていました。医局会で、このことに対して、反論をしたところ、慣習だとのことで、学位研究は、その合間をぬって行っていました。大きな疑問はあり、大学院生であれば、研究のみに没頭できる体制を作るべきとは考えています。以前と比べて、労働環境は改善されているように思われますが、大学院生を戦力として、常勤医同様に働かせる体制は見直すべきと思います。【勤務医】

・かつて、自分も自分の同期も無給でした。ICU勤務は無給、正式採用のstaff の給料をみんなで分けて、1カ月1万円の給料、その後、大学正式採用も日雇い扱いであり、手取り11万円(勤務は9時―17時になっており、当然土日も出てきていない形)。そこから年金、保険諸々捻出、緊急呼び出しあるのに、タクシー代無し、駐車場は有料でした。優遇無し。家族5人、どうやって暮らせばいいか?バイトですよね。もう戻りたくないですね。大学には、本気で改善しようとしたら、大学経営破綻ですよね。低給医、無給医いなくなると。【勤務医】

・私も30年前は無給でした。大学院生は学費を払って週1日の研究日をもらい講義を受けるでもなく、残りの6日間は給料をもらっているほかの医員と同じように働き、大変な生活苦でした。今さら何を初めて聞いた風に言うのかと。やっと公に騒がれるようになったかと思います。30年前の賃金を払ってほしいと思います。【勤務医】

・夫が大学病院に勤務していますが、無給医に該当します。平日は日付が変わる頃まで働いていますが、労働の対価として博士号があるのみで、給与を得るため土日に休みなくバイトをしている姿を見ると辛いものがあります。自分の所属する科では大学院進学が一般的コースとされますが、夫の現状を見ると、とても自分は進学する気にはなれません。

 また、入院・外来ともに医師の説明にかける時間が長い割に労働対価の実感がなく、医師説明に対してもっとお金を払ってもらうシステムにするなどしていった方がよいのではないでしょうか。そうすることで大学の診療報酬につながるように思います。【勤務医】

・妊娠、出産の時に、当然のように大学病院医員を解雇され、復帰の時は時短勤務の選択肢もなく、どうせ短時間しか働けないのだからという当然な感じで無休医になりました(週5回8時半から15時くらいまでの勤務)。その代わり、週に2回、半日のバイトをあてがわれ、月収は20万程度。そこから健康保険と国民年金、保育園代、確定申告で税金払いを入れると、収入ゼロの状態。本来なら、研修として、大学病院に月5000円支払って働かせてもらう必要があるが、それは医局費から出すので免除してやると言われました。当時は、そんなものだろう、働かせてもらえるだけましかな、と思っていましたが、今考えると滅私奉公もいいところです。

 夫はもっとひどく、大学院生時代に、8時半から22時くらいまでフルタイムで病棟外来勤務をさせられ、無給。代わりに割のいい週1回のバイトと月1回2泊三日の週末のバイトをもらいましたが、それでも収入は40万程度。大学病院で患者さんの急変などがあると、泊まり込みになったりするのでバイトに行けず、その分収入が下がる始末。大学院の学費に、健康保険、国民年金、所得税の全部自己負担で、私自身の無給医の時代と丸かぶりだったので、貯金など全くできませんでした。

 大学病院のポストがないこと、ポストがない割りに仕事量が膨大で、正職員だけではとうてい仕事が回らないこと、大学での給与が少なくてもバイトでなんとかなるからまあいいや、という昔からの考え方が当たり前にあることなどなど、問題は山積で、解決する方法も思い浮かばないくらいです。【勤務医】
・私の大学は無給医を昨年指摘された後に、時給1000円を払うようになりました。しかし、労働時間は実情より極めて短いため(タイムカードはなく、大学が労働時間を事前に決めています)、支給される額は一切労働に見合っていません。時給が払われるようになったものの、年金や健康保険は大学の負担はなく、経済的負担は極めて大きいです。【勤務医】

・医学部生のうちから先輩に「大学院生は奉公人みたいなもの」と言われ、諦めていた。実際に配偶者が今その状態だが、仕事が忙しすぎて給与のことに無頓着になっており、また「給与は学費として回収されている」というような趣旨を大学病院側から言われ続けており、もはやマインドコントロールだと思っている。【勤務医】


明治学院大学事件、本で取り上げられる

「明治学院大学事件」が取り上げられました。

■小川仁志『公共性主義とは何か――〈である〉哲学から〈する〉哲学へ』(教育評論社、2019年6月)
http://www.kyohyo.co.jp/publication/publication_105.htm

「大学教授は偉そうにしているように思われがちだが、ただの被用者にすぎない。だから解雇をちらつかせられれば、もう何もできなくなってしまうのだ。それこそ終身身分を保障するなどよほどの保障がない限り、ただのサラリーマンにすぎない。上司の恫喝の前では何もいえなくなってしまうか弱い立場なのである。

さすがに国立大学ではそこまで露骨なことはないが、私立大学では建学の精神を批判したことが遠因で、最終的に大学教授が解雇されるに至ったケースもある。最近の例でいうと明治学院大学事件がそうである(注1)。

所属するキリスト教系大学の見学の精神を批判したことで、授業を無断録音されたY教授は、そのことを大学に抗議した。すると、こともあろうに大学側は、Y教授に解雇をいい渡したのである。地裁ではY教授が勝訴したが、そもそもこんなことがまかり通ること自体に問題がある。

国立私立の別を問わず、大学という存在はすべからく公共空間であるべきである。皆が自由に発言し、批判し合える場であるべきだということである。そうでないと、学問の発展は見込めない。忖度や遠慮があってはいけないのである。真理の探究は政治とは異なる。現実に合わせるための妥協は議会や取締役会でやればいいのであって、学問の場でやることではない。まさに大学の危機である(注2)。

(注1)事件の概要については、寄川条路編『大学における〈学問・教育・表現の自由〉を問う』(法律文化社、2018年)に詳しい。
(注2)この問題については、近く刊行予定の寄川条路編『大学の危機』に掲載される拙稿「大学教授とは何か?」を参照。」


2019年07月10日

追手門学院、理事を厳重注意 「腐ったミカン」問題

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2019年07月09日

北海道大学長がパワハラ報道否定 叱責したが「相手の人格を否定した事実ない」

毎日新聞社(2019年7月8日)

記事まとめ
●北海道大・名和豊春学長は自身のパワハラ報道を受けて、「パワハラ行為に及んだ事実はない」と否定するコメントを発表した。
●現在は休職中だが、2月に申し出た復職が拒絶されたといい「手続きが強引」とも訴えている。
●名和氏はコメントで「業務上必要な注意や叱責をしたことはある」が、パワハラには当たらないと説明している。

北大学長、叱責したが「パワハラの事実ない」

 北海道大(札幌市)の名和豊春学長(65)は8日、学長選考会議が名和氏の職員へのパワハラを認定し、近く文部科学相に学長解任を申し出る方針を決めたとの報道を受けて「相手の人格を否定するパワハラ行為に及んだ事実はない」と否定するコメントを発表した。現在は休職中だが、2月に申し出た復職が拒絶されたといい「手続きが強引」とも訴えている。

 学長選考会議は名和氏の大声での叱責や机を何度もたたく行為をパワハラと認定したという。名和氏はコメントで「大学のプレゼンス向上にまい進し、職員に負担をかけ、意思疎通を欠いた。業務上必要な注意や叱責をしたことはある」としてパワハラには当たらないと説明している。


北大学長の解任を申し出へ 選考会議、パワハラ認定

道新(2019/07/05)

 北大の名和豊春学長(65)が北大職員にパワーハラスメント(パワハラ)をした疑いがあるとして調査していた学長選考会議(議長=石山喬・日本軽金属ホールディングス元会長)がパワハラを認定し、文部科学相に学長の解任を申し出る方針を決めたことが4日、分かった。文科相は申し出を受け次第、精査し、解任するかどうかを決める。

 文科省によると、2004年度の国立大学の法人化後、全国で学長が解任された例はない。

 名和学長は「大学から何も聞いておらず、コメントできない」としている。

 国立大学の学長の任命、解任は国立大学法人法に基づき、学内外のメンバーで構成する選考会議の申し出を受け、文科相が決定する。

 北大の選考会議は10人の委員で構成。「名和学長がパワハラを行った」との訴えを受け、昨年11月に調査委員会を設置した。関係者によると、選考会議は名和学長らのヒアリングを経て、パワハラがあったと認定し、学長を続けるのは適当ではないと判断した。

 北大は「現時点でコメントは差し控える」(広報課)としている。

 名和学長は三笠市出身で、北大大学院工学研究科修士課程修了。同大大学院工学研究院長などを経て、16年12月の学長選で現職を破り、17年4月に学長に就任した。

 体調不良を理由に昨年12月から休職しており、笠原正典副学長が職務代理を務めている。任期は23年3月末まで。


2019年07月06日

北大学長「パワハラの事実ない」 選考会議の認定に反論

道新(2019/07/08)

 北大の名和豊春学長(65)は8日、名和学長が同大職員にパワーハラスメント(パワハラ)をしたと同大の学長選考会議(議長=石山喬・日本軽金属ホールディングス元会長)が認定し、文部科学相に学長の解任を申し出る方針を決めたとの報道を受け、「パワハラと評価される行為に及んだ事実はない」とするコメントを代理人の弁護士を通じ発表した。

 名和学長は「業務上必要な注意や叱責(しっせき)をしたことはあるが、大声で叱責する、机を何度も叩(たた)くなど(選考会議が設置した)調査委員会が認定したような事実は覚えがない」と反論した。

 調査の手法についても、「調査委員会は私からの弁解の聴取を書面でも口頭でも一切行うことなく調査を終えた」と指摘。選考会議がパワハラの根拠とする証拠についても「事実上全ての閲覧を拒否し、強引に手続きを進めた」と批判した。

 体調不良を理由にした昨年12月からの休職に関しては「今年2月12日からの復職を申し出たが、大学役員会は拒絶した」と訴えた。

 北大は「談話の内容を確認できていないのでコメントできない」としている。

 選考会議は昨年11月、「名和学長がパワハラを行った」との職員の訴えを受け、調査委員会を設置。関係者への聞き取りを経てパワハラを認定し、学長を続けるのは適当ではないと判断した。文科相は同会議の申し出を受け次第、内容を精査し解任するかどうかを決める。(水野富仁)


2019年07月02日

梅光学院大、賃金を慰謝料を払わず口座異例の差押え、矢本特任准教授の裁判を巡り


2019年07月01日

梅光学院大雇止め訴訟、1050万円差し押さえ 下関地裁

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梅光学院大、賃金仮払い命令に応じず 雇止め特任准教授が報告会


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2019年06月23日

追手門学院、外部講師が発言 「腐ったミカン」「よどんでいる」「負のオーラ」「要らない」

朝日新聞(2019年6月23日)

 大阪府内で大学などを運営する学校法人追手門学院が2016年に開いた職員研修で、外部の講師が「腐ったミカンは置いておけない」などの厳しい言葉を各受講者にかけていたことがわかった。学院側は、研修中やその後、受講者に退職を勧めており、翌年度にかけて少なくとも数人が退職したり休職したりした。

 複数の受講者の証言などによると、学院は16年8月22~26日、追手門学院大学(大阪府茨木市)などの事務職員18人を大阪市内のビルに集め、「自律的キャリア形成研修」を開催。講師は東京都内のコンサルタント会社が担い、学院幹部らが入れ替わり立ち会った。

 研修の中で学院側は、内容を講師と事前に精査し、「全権委任している」と説明。講師は「自己改革」などをテーマに1人ずつ、受講者全員の前で発表させ、その場で講評した。

 その際、受講者の一人に「腐ったミカンを置いておくわけにはいかない。まだ少しは可能性があって頑張ろうとしているミカンも腐ってしまう」と発言。ほかの受講者にもそれぞれ「あなたが一番、参加する意欲、姿勢が曇っている。よどんでいる」「負のオーラばっかりだ」「あなたは要らない」などと言った。

 研修で講師は、受講者を選んだ理由について「28歳以上59歳未満」「前年度評価で降格」など5条件のどれかか複数に該当すると説明。(1)退職(2)年俸制など(3)関連会社への出向転籍(4)関連会社への転籍後に退職(5)再生・現状維持、の選択肢から選ぶよう求めた。

 受講者の一人は取材に「全員の前で人格否定されるのを聞かされ、心を閉ざさないと精神をやられると思った。辞めさせるための研修だと感じた」。別の受講者は「要らないと繰り返し言われ、ショックで寝られなくなって通院した」と話した。

 研修後も講師や学院幹部に数回呼ばれ、「現状維持」を訴えても「退職勧告書」を渡された人もいた。

 学院は取材に、「腐ったミカン」などの発言を認めた上で、「消極的な受講姿勢を指導した発言。改善後、講師は称賛のフォローをしている」と回答。研修後のリポートで「多くの学びが得られ、参加してよかった」との感想が述べられたとしている。今回の研修について「違法性はない」との見解を示し、「教職員本位から学生・生徒等学習者本位へといち早く転換し、教職員挙げて教育の質の向上、質保証にまい進している。本研修はその一環で実施した」と回答した。コンサルタント会社は取材に「クライアントの情報は一切開示しない」としている。

 同僚の前での叱責(しっせき)や侮辱は厚生労働省の有識者会議がまとめたパワーハラスメント類型の一つに含まれるとされる。過去の裁判ではパワハラを伴った執拗(しつよう)な退職勧奨の違法性が問われ、不法行為と認められたケースもある。(小若理恵、石川智也)

 ■外部の人使った、学院のパワハラ

 労働問題に詳しい萬井隆令(よろいたかよし)・龍谷大名誉教授の話 「腐ったミカン」などの発言は人格否定で侮辱、パワハラにあたる。それを伴った退職勧奨ならば民法上の不法行為だ。学院が内容を講師と精査したと断っている点から、外部の人を使った学院のパワハラだと言えるのではないか。


2019年06月19日

サイト紹介、明治学院大学事件

明治学院大学事件
https://sites.google.com/view/meiji-gakuin-university-jiken/

「明治学院大学事件」の特設サイトができました。

大学における「学問・教育・表現の自由」を守るため、大学関係者に広くご支援をお願いしています。

■ホームページ(https://sites.google.com/view/meiji-gakuin-university-jiken/
■支援者ページ(https://sites.google.com/view/meiji-gakuin-university-jiken/%E5%8E%9F%E5%91%8A

支援者ページに名前を載せてもよいという方は、寄川条路(yorikawa@gmail.com)までご一報ください。

2019年06月15日

労働組合東京ユニオン早稲田大学支部、公募制度への問題提起にご理解をお願いします

公募制度への問題提起にご理解をお願いします

公募制度への問題提起にご理解をお願いします

このたび私たちは、大学の専任教員の公募という問題をめぐって訴訟を起こすことになりました。公募による選考は、公正に、しかも透明性に配慮してなされねばなりなせんが、現状では、公正への疑問を感じても泣き寝入りするしかないため、とりわけ非常勤の人たちは絶望しています。今回は、すでに他大学に専任の職があり、公募をおこなった大学で非常勤講師をしている候補者が、選考のプロセスで内規違反があったとの通報をもとに、訴訟に踏み切りました。当該研究科に訴え、大学当局に訴え、さらに組合を介して団交しようとしても断られたため、訴訟を起こすことになったものです。

本件は、東京地方裁判所民事部に対して行なう訴訟であり、本来は司法記者クラブにおいて会見を行うのが、あるいは本筋なのかもしれません。しかし、私たちの考えでは、本件はこれまで文科省が1990年代後半から現在に至るまで、日本の高等教育分野で進めてきたいわゆる「任期制」の導入という、全国の国公立・私立大学労働・人事政策の改変という流れのなかで発生した事案であると思われ、そのことの背景と問題点を提起したく、文科省記者クラブでの記者会見に臨むこととなりました。

これまで中央教育審議会では、「大学教育の改善について」、「大学院・大学の自己点検・評価システムの導入」、「高等教育の質的向上」など、さまざまなかたちで議論がなされています。とりわけ、こうした一連の流れで審議された「教員採用の改善について」(答申:平成6年6月28日)では、「各大学が、それぞれの理念・目的に基づき、多様で個性ある教育研究を推進していくためには、大学の教育研究の中心を担う教員に優れた人材を確保し、その能力を最大限に発揮できるよう、教員の人事の在り方について改善を図っていくことが必要」であり、そのために、①他大学出身者・社会人・女性等多様な経験・経歴を持つ者を積極的に採用するよう配慮する、②公募制を積極的に活用し、採用に関する情報を収集・提供する機関を整備し,公募制を実施しやすくする仕組みをつくる、③選考基準については、教育能力を積極的に評価するとともに、研究能力についても論文の質を重視する、などと建議されています。

そうした答申を受け、国と文科省の政策のもと、「任期制」が全国の国公立・私立大学に広く行き渡ることになりましたが、「公募制」については、公正と透明性を確保するための全国的な取り組みがなされているわけではありません。こうした政策上のアンバランスが一端となって、今回の事案も生じているということを広く社会に問うべく、私たちは文科省で記者会見を行うことにいたしました。各社の報道につき、どうかご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2019年6月11日
労働組合東京ユニオン早稲田大学支部 支部長 岡山 茂
書記長 石井知章


労働組合東京ユニオン早稲田大学支部、大学教員採用における「公募制度の問題」と「採用問題の団体交渉拒否」を問う

大学教員採用における「公募制度の問題」と「採用問題の団体交渉拒否」を問う

大学教員採用における「公募制度の問題」と「採用問題の団体交渉拒否」を問う
前例のない提訴です

原告 石井知章
        労働組合東京ユニオン 
  原告代理人 中野麻美(りべるて・えがりて法律事務所)
        宮里邦雄(東京共同法律事務所)
  被告 早稲田大学及び大学院アジア太平洋研究科・アジア太平洋研究センター

(経過)
石井組合員は、2016年4月に早稲田大学アジア太平洋研究科専任教員の公募に応募した。公募の要件を十分に満たしているにも関わらず、一次選考で落とされ、二次面接に進むことができなかった。二次面接に進んだ3名の経歴と比較して、石井組合員が落ちる理由は見つからず、落選理由の説明を求めたことが発端である。
石井組合員は選考のやり直しを求めているのではなく、公正であるべき公募が適切に運用されず、不採用となった者に理由の開示をしないことを問題視している。また、理由のわからない不名誉な落選は研究者としての名誉を傷つけるものである。
また、大学は、義務的団交事項ではないとして話し合いすら拒否しているが、組合は労働者となろうとする者の権利も団体交渉の議題となりうると考える。

(文科省が勧める公募制度の問題点)
公募とは文字のとおり、公に募るもので、公正性が問われるものである。しかし、実際行われている大学教員採用における公募は、今でも出来レースが少なからず横行し、はじめから採用する人物を決めていて、形式的に公募制度をとっているにすぎないというケースが多々見られる。採用したい人物が決まっているのであれば、俗に言う「一本釣り」をすればよい話である。大学が公募制度を使いたがるのは、文部科学省の方向性に合わせようとする大学の忖度が働いているのである。応募する者は、膨大な資料を作成する時間と労力を要するが、応募するだけ無駄で落選する。多くの研究者の時間、労力、意欲を無駄にし、疲弊させていくのが、現在の公募制度である。昨年問題となった「東京医大の女子学生の入学人数抑制」と同様に、応募する前から結果が決まっているのである。

(団体交渉権は無形の財産権)
 早稲田大学は、現在非常勤である者に常勤採用の説明は必要なく、採用の自由があるから公募における採用過程は説明しないとし、団体交渉の議題としないとした。しかし、今回の採用は公募であり、非常に高い要件を課し、それを満たしたにも関わらず一次選考すら通過しなかったことに関しては、疑義をもたないほうが不思議な状況であった。非常勤が常勤となり、研究活動を行うことは研究者としての将来をかけてのことで、今までの実績を評価されるのであるから、理由の説明を求めることは当然である。現在非常勤である者が、常勤となろうとする際の過程、評価内容を議題とする団体交渉は開催されるべきであり、それを可能としない事は無形の財産権を侵害しているものとなる。

上記、経過と問題点を記載しました。
大学教員となるべく公募に応募する研究者、ポスドクの大多数が同様のことを問題視してきました。大学の教員採用の現場で表に出なかった公募制度にスポットを当てることと、労働者となる者についての団体交渉応諾の問題を社会的にお知らせし、問題提起を行いたいと考えております。

お忙しいことと存じますが、会見への出席と取材をよろしくお願い致します。

日 時:2019年6月17日(月)14時30分~
会 場:文部科学省記者会(千代田区霞が関3-2-2 12階)
連絡先:〒151-0053渋谷区代々木4-29-4 西新宿ミノシマビル2F
    労働組合東京ユニオン(執行委員長 渡辺秀雄 担当:書記長 志賀千秋)
    電話/03-5354-6251 fax/03-5354-6252 メール/shiga@t-union.or.jp

当日出席者
 中野麻美 弁護士(りべるて・えがりて法律事務所)
 岡山 茂 早稲田大学教授 東京ユニオン早稲田大学支部支部長
 石井知章 早稲田大学非常勤講師 東京ユニオン早稲田大学支部書記長
 渡辺秀雄 東京ユニオン執行委員長
 志賀千秋 東京ユニオン書記長

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