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広島大学原爆放射線医科学研究所 

パワハラ訴訟 新聞記事1 新聞記事2 新聞記事3
これはひどい!
不当なパワハラを受けた原告教員に対して,提訴の報復として再任を拒否(3月末で解雇) 

[週刊金曜日に連載]
広島大学で“大人のいじめ”1──業績水増し告発の准教授が“クビ”へ
広島大学で“大人のいじめ”2──対応しない大学当局

同志社大学浅野教授定年延長拒否事件 

3月1日,京都地裁で判決予定

浅野教授を支援する会  人権と報道・連絡会

同志社大学が浅野教授を「追放」-「私怨」による定年延長妨害を容認した大学当局-(『進歩と改革』2014年4月号)

酪農学園大学長解任無効確認訴訟 

原告・前学長が札幌地裁に提訴(2016年1月8日) 訴状  学長解任に関する新聞報道

・酪農学園大学退職教授団HP 「酪農大はやっぱり素 晴らしい」

New! 酪農学園元評議員名誉毀損裁判、最高裁が上告棄却 教員側の全面勝訴!詳しくはこちら

四国大学

労災・損害賠償訴訟 新聞記事1 記事2 記事3  大学オンブズマン声明

千歳科学技術大学不当解雇事件 

札幌高裁・不当判決(2016年1月29日)
支援する会『会報』(3号)

「千歳科学技術大学解雇事件は紛れもなく解雇権濫用である」『会報』(2号)

大学再生を願う福岡教育大学教員の会

福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める公開署名 
日本全国、さらには全世界から、広く賛同の署名を集めます

岡山大学 解雇事件 

ホームページ
今、岡山大学で何が起きているのか? 
研究不正を告発した教授らを岡山大学が解雇処分に  
warblerの日記
岡山大学による報告「研究活動に係る不正行為に関する調査結果について」に関する意見

追手門学院大学不当配転事件 控訴審 
学園側が控訴取下 大阪地裁判決(2015年年11月18日)が確定!
祝! 落合正行前学長の勝訴確定

大阪地裁判決(抄)  原告声明 左2つの文書提供は「支援する会」より

常葉大短大部不当解雇事件

静岡地裁決文(2015年7月3日)  原告・完全勝訴 祝! 新聞報道
大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会、声明(2015年7月4日)
仮処分異議申立裁判、静岡地裁決定(2016年1月25日) 完全勝訴 祝! 
静岡県内3大学教職員組合声明(2016年2月16日)
本訴裁判・静岡地裁判決(2017年1月20日) 原告・完全勝訴 祝! 新聞報道

追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分

懲戒解雇に対する声明 (文書提供は「支援する会」より) 訴状(2015年12月28日)

追手門学院大学で何が起こっているのか(「私大教連かんさい」No.115,2015年11月26日)

弘前学院大学 不当解雇事件
原告教員、青森地裁弘前支部に提訴(2015年12月28日)

北海道教育大学の教職員を支援する弁護団声明

「裏口入学」の学長が、教授会の廃止までやるのか!   声明文

今、北海道教育大学で起きている、教育研究者の人権侵害と大学の自治破壊の
異常さを、北海道の未来は教育とともにあると考える全ての道民に訴えます

新聞記事(2015年2月17日道新)

北海道教育大学当局のこの驚くべき人権侵害

反省すべきは「解雇権の濫用」(2014年2月20日最高裁確定)を行い、
3教員の教育研究の自由の剥奪した大学当局ではないか!

にもかわらず,2014年6月26日教育研究評議会は
「自らの行為に対する反省がなければ、 大学教員としての復帰を認めない」と全会一致

教育研究評議会(6月26日)の議事録

最高裁宛 専修大学北海道短期大学8教員解雇事件の公正な審理を求める要請書
 PDF  DOC
署名のお願い    専修大学道短大教員組合HP

専修大学北海道短期大学副学長解雇事件

札幌地裁不当判決(2015年9月18日) 弁護団・教職員組合声明

(2017年1月20日現在)

常葉大短大部不当解雇事件・本訴裁判  2017年1月20日静岡地裁判決 祝 勝訴! 記事1 記事2 
宮崎大学不当処分事件  2016年10月28日最高裁判決 祝 勝訴! 記事 
京都産業大学昇任拒否雇止め事件  2016年9月27日京都地裁不当判決! 記事
名古屋女子大組合副委員長不当解雇事件  2016年6月17日最高裁、上告を棄却 祝!原告勝訴   
 記事 鶴舞総合法律事務所  「AERA」2013年7月8日号  TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」2013年7月23日
四国大学労災損害賠償請求事件  原告教員が徳島地裁に提訴中
弘前学院大学不当解雇事件  原告教員が青森地裁に提訴(2015年12月28日)  
追手門学院大学不当配転事件  2016年3月1日学園側控訴取下 落合正行前学長の勝訴確定! 祝! 記事 
常葉大短大部不当解雇事件   2016年1月25日静岡地裁仮処分意義申立決定 祝! 勝訴!  地裁決定全文 
追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分 懲戒解雇に対する声明 原告・訴状(2015年12月28日)
吉備国際大学不当労働行為事件 2015年7月23日岡山地労委命令! 祝!勝訴 地労委命令書  
聖トマス大学解雇事件 2015年7月21日 神戸地裁で和解  
常葉大短大部不当解雇事件   2015年7月3日静岡地裁仮処分決定 祝! 勝訴!  報道 
九州産業大学教授降格処分事件   2015年3月18日福岡地裁に提訴   
野中教授「名誉毀損」不当提訴事件   2014年11月12日東京高裁   祝! 勝訴!   報道 判決文
名古屋女子大組合委員長不当解雇事件 名古屋地裁   祝! 勝訴!  新聞報道 
愛媛大学アカハラ等人権侵害事件 教官の違法行為と大学の責任を問う! 支援する会 訴状
専修大学職員解雇事件 東京地裁判決 新聞記事 
鈴鹿医療大学不当配転事件 理事会・名古屋高裁に控訴 鶴舞総合法律事務所 
岡山商科大不当労働行為事件 岡山県労委命令 2013年4月11日中労委再審申立
日本社会事業大学未払賃金請求訴訟 東京地裁2012年6月28日提訴  
東京女学館大学不当労働行為事件 東京地裁2012年12月14日提訴 募集停止問題  
東京国際大学不当労働行為事件 2012年2月27日都労委に救済申立  
大阪産業大学不当労働行為事件 2012年7月9日大阪府労委に救済申立  

北海道関係の訴訟一覧(2016年9月11日現在)

酪農学園大学前常務理事の損害賠償等請求事件 最高裁上告棄却(2016年9月11日)祝 勝訴!  記事 
酪農学園大学前常務理事の損害賠償等請求事件 札幌高裁判決(2016年3月11日)祝 逆転勝訴!  記事 
千歳科学技術大学不当解雇事件 札幌高裁・不当判決(2016年1月29日) 記事 
酪農学園大学長解任無効確認訴訟 札幌地裁に提訴(2016年1月8日) 訴状
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 札幌地裁不当判決(2015年12月18日 新聞記事 
専修大学道短大副学長不当解雇事件 札幌地裁不当判決(2015年9月18日) 声明文 組合HP 
札幌医科大学退職強要・バワハラ訴訟 札幌高裁・不当判決(2015年6月2日) 
千歳科学技術大学不当解雇事件 札幌地裁・不当判決(2015年5月28日) 記事 
酪農学園大学前常務理事の現学長を含む6教員に対する訴訟 札幌地裁・不当判決(2015年5月11日)  財界さっぽろ2015年5月号記事
北海道文教大学雇止無効訴訟 札幌地裁判決(2015年5月8日)元2教授の請求棄却 新聞記事 
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌高裁・不当判決(2015年4月24日) 組合HP  声明 
天使大学懲戒処分無効確認訴訟 札幌地裁(2014年12月12日)   祝! 勝訴!  
札幌大学不当労働行為事件 2014年10月28日道労委命令!   祝! 勝訴!   道労委命令(全文)  
天使大学不当労働行為事件 2014年9月3日中労委命令!  祝! 勝訴!   中労委命令道労委命令 
室蘭工業大学不当労働行為事件 道労委へ提訴(2014年7月)
北海道教育大学旭川校不当解雇事件 最高裁(2014年2月20日)  祝! 勝訴! 新聞記事  
北海道教育大学学長選挙無効確認訴訟 札幌高裁・不当判決(2014年2月21日) 原告団・弁護団、抗議声明 
北海道大学非正規職員雇止無効訴訟 札幌高裁・不当判決(2014年2月20日) 上告!
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌地裁・不当判決(2013年12月2日) 組合HP  声明文
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 2013年5月24日札幌地裁へ提訴! 新聞記事 
札幌大学未払い賃金請求訴訟 教授13人が提訴! 新聞記事 
東京理科大長万部キャンパス・職員懲戒処分事件 

[決着済訴訟一覧]
富山大学懲戒解雇事件 富山地裁で和解(2016年11月29日)  原告・支援する会のコメント  「シュレッダーから甦った書類ー富山大学懲戒解雇事件を考える」
北陸大学不当解雇事件 全面勝訴で和解  記事 
長崎県立大学懲戒処分事件 最高裁 勝訴確定 New 事件を考える会HP 
関西外語大昇給差別訴訟控訴審 最高裁判所が不当判決 組合ニュース 
金沢大出勤停止処分無効確認等請求事件 勝訴確定!大学側控訴断念 原告ブログ 
■東和大解雇事件 解雇撤回で和解 福岡地裁 記事 過去経緯1過去経緯2
■名古屋女子大組合員不当解雇事件 2009年6月に決着 自由法曹団通信1306号
■大阪工大解雇事件 解雇撤回 逆転勝訴 記事 過去経緯
■大阪芸術大不当労働行為事件 大阪地裁 勝利判決 記事  学園側が大阪高裁に控訴
■鹿国大不当解雇事件 最高裁・上告を棄却 三教授勝訴 記事 
■湘南工科大不当解雇事件 最高裁が上告棄却 勝訴確定! 譴責処分も撤回 記事
■APU常勤講師解雇事件 最高裁「特別抗告棄却」 記事 
■APU専任講師解雇事件 京都地裁が解雇権濫用を断定
■京都大学任期制再任拒否事件 最高裁が上告棄却  記事
全国大学の非正規雇止無効訴訟一覧
(2013年11月29日現在)

名城大学・金城学院大学非常勤講師裁判 原告の訴え
京都精華大学ユニオン
■京都産業大学 昇任拒否による雇止め,2013年3月28日京都地裁へ提訴 新聞記事
■九州共立大学 教授雇止め 2012年7月10日 福岡地裁へ提訴
■九州女子短期大学 講師雇止め 2012年11月6日 福岡地裁へ本訴提訴 新聞記事

首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学に対する告発状

 

2017年03月23日

ワクチン論文巡る准教授の解雇無効 東京地裁

■東京新聞(2017年2月14日(夕))

 インターネット掲示板「2ちゃんねる」への書き込みを理由にした懲戒解雇は違法だとして、帝京平成大(東京)の准教授だった男性(45)が雇用上の地位確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(知野明裁判官)は13日、解雇を無効と判断、地位を確認した。

 判決によると、男性は同大学の別の教員が製薬企業に在籍していた際、肩書を記載せず子宮頸(けい)がんワクチンの意義や効果に関する論文を執筆していたとして、2015年に実名を挙げて「偽装論文」「論文のせいで被害者多数」などと書き込んだ。大学は16年2月、懲戒解雇にした。

 知野裁判官は、書き込みは名誉棄損(きそん)に当たり、懲戒処分の対象になると認めた一方、「減給などの軽い処分で反省の機会を与えずに解雇したのは、懲戒権の乱用だ」と指摘した。

 帝京平成大は「判決の詳細を把握できていないので答えられない」としている。


教育体制崩壊露わな梅光学園、卒業も資格取得も困難に

長周新聞(2017年3月22日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170322.pdf

2017年03月22日

田中圭太郎氏【ルポ・大学解雇】同志社大学の名物教授が「突然の退職」を通告されるまで

『現代ビジネス』(2017年3月21日)【ルポ・大学解雇】同志社大学の名物教授が「突然の退職」を通告されるまで
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51247

梅光学院大学問題、センター試験中に洗礼式 当局の責任を問う声

長周新聞(2017年3月17日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170317.pdf

2017年03月19日

上野学園創業家10億円“着服”を有名ピアニストが実名告発

文春オンライン (2017年3月18日)

 開学100年以上を誇る名門、上野学園大学で創業家の石橋一族による10億円“着服”疑惑が発覚した。

「上野学園は今や末期的な状況です。実態を知ってもらうために、実名でお話しさせて頂く事にしました」

 そう語るのは、同大の教授で日本を代表するピアニストでもある横山幸雄氏(46)。横山氏が問題視するのは、石橋家による乱脈経営だ。横山氏は昨年、この問題を東京地検特捜部と上野警察署に刑事告訴。その後、第三者委員会が調査に入り学園側に報告書が出されたが、原本は公開されなかった。横山氏は情報公開請求により、原本を入手。これにより石橋家の学園私物化の実態が明らかになった。

「石橋一族は、自分たちがそろって役員を務めるファミリー企業に対して、学園の清掃や食堂などの業務委託を相場よりも高額な値段で発注していたのです。理事長の慶晴氏は、この企業から高額な報酬を得ており、明確な利益相反です」(横山氏)

 第三者委の調査では、ファミリー企業への発注額は、過去9年で相場に比べて約八億4000万円も高額であることが指摘された。また勤務実態のない石橋家の人間に対して学校側から報酬が支払われていたことも明らかになり、「石橋一族が“着服”した金額は10億円を越える」(同大学職員)という。

 一方で、経営陣は横山氏に対して、〈当学園の機密情報を学内外に開示・漏洩〉したことは、〈当学園の学校経営・業務に対する重大な妨害行為である〉として、3月13日付で解雇通知書を送付した。


創立者一族の大学私物化を追及しクビに! あの辻井伸行さんも教えた有名ピアニスト

Jcast(2017/3/16)

「クラシックの名門大学で内紛です」(岩本乃蒼アナウンサー)

開学100年以上のクラシックの名門大学だという上野学園大学で、教授をつとめる有名ピアニストの横山幸雄さんが13日(2017年3月)に解雇された。同大学で十数年、教えてきたという横山さんは、これまで大学経営の問題点を調査し、告発してきた。

「長年、(大学が)経営不振だと聞いていた」「事務職員から『このままだと学校がいつ立ちゆかなくなるかわからない』という声も聞こえてきた」(横山さん)

貴重な楽譜や楽器も売っていた

横山さんによると、昨年、経営悪化の原因について同僚らと調査を開始。その結果、大学の理事を代々つとめる創立者一族が学校を私物化しており、その穴埋めのために貴重な楽譜や楽器を売却せざるをえなくなったことがわかったそうだ。昨年8月には、利益相反の疑いで刑事告発も行ったという。

大学側は解雇の理由について、横山さんが所定のレッスンなどを行わず、さらに特待生の合否基準といった入試に関する機密情報をSNSを通じて漏えいしたことを挙げている。

また大学経営については、第三者委員会の指摘を受けて、すでに改善を進めていると発表したという。


ピアニスト横山幸雄さんを上野学園大解雇 経営巡り対立

朝日新聞(2017/3/15)

 クラシックの名門「上野学園大学」(東京都台東区、石橋香苗理事長)が、教授の横山幸雄さん(46)を13日付で解雇したことがわかった。横山さんは昨年8月、同大を運営する学校法人「上野学園」の経営陣を、背任の疑いで東京地検に刑事告発している。横山さんは1990年のショパン国際ピアノコンクールで3位入賞し、脚光を浴びた人気ピアニスト。バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんも同校で横山さんに師事した。

 昨年4月、当時教員だった指揮者の下野竜也さんらと「新しい上野学園を作る会」をたちあげ、経営の健全化を訴えていた。昨年末には第三者委員会による調査報告書で、前理事長に支払われた報酬が「財務状況をさらに悪化させる結果となった」ことや、ファミリー企業への業務委託金額が不自然であることなどが指摘された。同学園では、創設当初から石橋家による同族経営が続いている。

 同学園は、代理人を通じ「機密情報をSNSで漏洩(ろうえい)し、業務を妨害するなどの行為があった。安心して勉学できる環境を確保するため、やむなく解雇処分とした。第三者委員会の指摘を受け、すでに経営改善を進めている」としている。横山さんは地位保全の仮処分を申請する意向。「一部の経営陣のためではなく、音楽の未来を担う教員や学生のための運営を取り戻すまで闘う」と話している。


「雇い止め違法」 特任准教授、札幌大を訴え

毎日新聞(2017年3月12日)地方版

 札幌大(札幌市)が3月末で労働契約の更新をしないとしたのは違法として、特別任用准教授の女性(43)が10日、大学側に地位の確認と4月以降の給与を毎月支払うよう求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 訴状によると、女性は2010年4月、ロシア語担当の教員として雇用され、毎年3月に契約を更新してきた。15年の契約では17年4月以降の雇用を保証しないとの一文が加えられ、17年2月に大学側から契約更新をしないとの通知を受けた。

 原告側は「女性は7年間も継続して雇用されており、大学側の雇い止めには合理的な理由がなく違法だ」と主張している。

 大学側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

2017年03月11日

広島大学で“大人のいじめ”2─対応しない大学当局

週刊金曜日
 ∟●広島大学で“大人のいじめ”2─対応しない大学当局

広島大学で“大人のいじめ”2─対応しない大学当局

(明石 昇二郎)

2017年3月10日

広島大学の深刻ないじめについて前回報告した。にわかには信じがたいが、事態はさらに悪化する。


部屋割りの見直しがアカハラのきっかけ

H教授とQ准教授らのトラブルは2011年8月、H氏が広大原医研の教授に着任したことに伴う「部屋割りの見直し」で、H教授の案にQ准教授らが疑問を呈したことから始まっていた。

新たな上司となったH教授からQ准教授らは、それまでQ氏ら2人の准教授が使用していた部屋を明け渡し、大学院生らと大部屋(1人あたり約2平方メートル)を使用するよう言い渡される。それでは教育・研究活動が不可能になるとして、Q准教授らがH教授の案を拒否し、その調整に手間取っていると、13年4月末からゴールデンウイークの休み明けにかけて、Q准教授の研究資料や重要書類、実験機材が勝手に部屋から持ち去られ、進めていた研究を無理やり中断させられたばかりか、新たな研究もできなくなった。

以来、Q准教授はH教授への“敵対勢力”と見なされ、広大原医研内で研究することを妨害されてきた。

Q准教授はゲノム科学の研究者であると同時に、薬毒物や放射線の生体影響の研究者でもあり、定年で退官するまでの最後の10年間を研究の総仕上げに費やすべく、研究に打ち込んできた。それが、H教授が広大原医研に来てからの5年間は全く進められなくなる。研究者生命にも関わる非常事態であり、H教授による研究妨害や、前掲のH教授らによる遺伝子組換え生物等使用実験室での飲食行為等について、Q准教授は大学当局に通報する。

H教授が着任して以降、広大原医研の雰囲気は一変した。Q准教授だけでなく、Q氏の同僚までが同様の嫌がらせを受け、退職者まで出るようになる。

子どもじみた嫌がらせを繰り返し、遺伝子組換え生物等使用実験室での飲食を注意しても意に介さないH教授に不信感を抱いたQ准教授は、なぜ彼はそんなことをするのかと考え、改めてH氏について調べてみることにした。

その結果、広大原医研に配属される以前のH氏は、同大の心臓血管生理医学教室に属し、同大付属病院で循環器系の疾患を担当していた臨床医であり、いわば“畑違い”の人だったことが判明する。その過程で、H氏の「業績の水増し」行為に気づいたのだった。驚いたQ氏は、直属の上司でもあるH教授の不正を、その手口とともに大学当局に告発した。

告発したQ准教授が“クビ”を通告される

すると、17年3月に任期の更新を控えていたQ准教授の再任を妨害する動きが表面化する。16年9月、広大原医研の松浦伸也所長が委員長を務める人事交流委員会からQ准教授に対し、同氏の業績評価を「C評価」(再任不可)にしたとする通告が出されたのである。

上司の不正を告発したことが「再任不可」の理由とされたわけではない。しかも、直接手を下したのはH教授でなく、表向きは「人事交流委員会」が判定したとの体裁になっている。ただし、H教授はQ准教授の「再任不可」判定に全く異存はないようだ。この判定に上司として反対した形跡は見られない。

Q准教授は、教育活動や外部資金獲得、社会貢献、学内活動等を点数化した総合評価では「A評価」(優秀教員)となる。そんなQ准教授が再任不可とされた唯一の理由は、Q氏が「研究をしていないから」というものだった。

Q准教授の研究再開に対して何ら手を打たず、研究所内の混乱を放置してきたのは他ならぬ上司のH教授と松浦所長であり、H教授および松浦所長はこの判定と無関係であるどころか、大いに関係がある。だが、H教授と松浦所長が揃って出席していた16年10月の広大原医研教授会では、H教授による研究妨害は何ら問題視されず、Q准教授の「再任不可」判定は覆らなかった。

研究をできなくしておきながら、「研究していない」との理由で再任を妨害し、広大原医研から追い出す――。教授という立場を利用して、H教授とQ准教授のトラブルなど何もなかったかのように繕い、部下であるQ氏だけに問題があったとするH氏のやり方は、フェアでないばかりか、教育者の名折れだ。

ちなみに、厚生労働省は「職場のパワーハラスメント」を次のように定義している。

「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」

H教授がQ准教授に対して行なった「部屋割りの見直し」や「研究妨害」「混乱放置」「再任不可工作」のいずれも完全にアウトであり、パワハラであるのは明白だった。それ以前に、小学・中学教育や高等教育の手本となるべき「学問の府」にあるまじき、幼稚で恥ずべき“大人のいじめ”である。

このような異常極まりない状況に対し、Q准教授はまず、広島大学の教職員組合に相談した。同教組が大学当局に団体交渉を三度、申し入れたところ、大学側は3回とも団交を拒否する。続いて、広島県労働委員会にも「広島県個別労働関係紛争のあっせんに関する条例」に基づく斡旋を申請したが、いまだ救済の目途はついていない。

その一方で、H教授のパワハラや不正に関する告発は棚晒しにされる。

すべて“なかった”ことにする広島大学

広島大学では「広島大学学則」に基づき「ハラスメントの防止等に関する規則」が定められ、相談窓口が設けられている。Q准教授らがその窓口に相談し、同大のハラスメント調査会が設置されたのは13年6月のことだった。その後、同年8月にハラスメント調査会による関係者へのヒアリングが行なわれ、翌9月と10月には現場確認などが行なわれる。だが、大学側の対応はそこまでだった。

大学側がパワハラへの対応をしないため、研究を再開できないQ准教授らは14年2月、H教授や広島大学を相手取り、原状回復などを求めて広島地裁に提訴した。しかし、大学側はこの提訴を理由に、ハラスメント調査会の調査結果の公表を中止。広大原医研内の混乱も放置され、H教授による「職場環境を悪化させる行為」が改善されることはなかった。当然、Q准教授の研究も再開できていない。

さらには、遺伝子組換え生物等使用実験室での飲食行為にしても、
「大腸菌を用いた実験が行われたことは認められるが、それが遺伝子組換え実験であったと認めるには至らなかった」
との理由で、広島大学当局はH教授らをお咎めなしとした。遺伝子組換え実験をやっていなければ、同実験室で飲食しようがお構いなしだというのである。

だが、H教授らの「大腸菌実験」と同時期に、別の研究者が同実験室で遺伝子組換え実験をやっていたとの情報が、当方まで寄せられている。事実とすれば、H教授らの飲食行為等は法令違反となるので、この場を借りて大学当局に対し、改めて事実関係を精査するよう強く要請する。そもそも、遺伝子組換え生物等使用実験室内で飲食をすること自体が甚だ非常識なのであり、広島大学が疑念を持たれぬためにもこの際、飲食全面禁止にすることをお勧めしておく。

Q准教授は語る。
「大学当局は、H教授らが大腸菌を使用していたのは『部屋の清浄度の調査のため』で、遺伝子組換え実験ではなかったと説明しています。しかし当時の実験室内には、大腸菌を使った組換えDNA実験に用いる資材や、組換えDNA実験を実施すると発生する特徴的な形跡がいくつも残っていました。彼らは『部屋の清浄度調査』とは無関係な、大腸菌のコロニー(細胞塊)をとって増やすことや、大量液体震盪培養もやっていました。大学はきちんと調査したのでしょうか。
H教授は、ウイルスを用いた細胞への遺伝子導入実験(P2実験)に必要な『安全キャビネット』を、私たちから強制的に取り上げました。しかし、H教授らが大学に届け出ていた組換え生物等使用実験はP1レベルの動物実験だけだったことが、その後の情報開示で判明しています。必ずしも使う必要のない安全キャビネットをH教授らが独占していたことには、私たちの研究を妨害する以上の意味はありません」

H教授の「業績水増し」行為も不問に付されている。Q准教授が広島大学の公益通報窓口に異議を申し立てたところ、
「広大には公益通報に対する異議申立制度がないため、受け付けられない」
とされた。教師にいくら相談したところで解決できない「小学生のいじめ」とそっくりである。

そして16年12月27日、広島大学はQ准教授の再任を不可とし、17年3月末をもって任期満了退職とする、越智光夫学長名の通知をQ氏に出した。

だが、Q氏を大学から追い出すことに成功したとしても、H教授の「業績水増し」行為がなかったことになるわけではない。

わざわざ公益通報の窓口を設けておきながら、その実態は告発者の炙り出しと大学からの排除にしか使われないとするならば、大学当局が不正の片棒を担いでいるのと同じだ。大学が不正に目をつぶったことで、国費からH教授の研究費が引き出されていれば、大学も詐欺の共犯ということになる。その被害者は言うまでもなく、血税を不正に使われた国民だ。

筆者は広島大学を取材した。
〈つづきは3月13日ごろに配信予定です〉

(あかし しょうじろう・ルポライター、1月27日号)

※大学や大学の付属研究機関で隠蔽されている不正や、アカデミックハラスメントに関する情報をお寄せ下さい。「大人のいじめ」に関する情報もお待ちしております。

【「内部告発・情報提供」フォームからの場合】(週刊金曜日編集部宛て)
https://ssl.kinyobi.co.jp/consult/input.php?id=hk

【ファクスの場合】(週刊金曜日編集部宛て)
03-3221-8532

広島大学で「大人のいじめ」1-業績水増し告発の准教授が“クビ”へ

週刊金曜日
 ∟●広島大学で「大人のいじめ」1-業績水増し告発の准教授が“クビ”へ

広島大学で「大人のいじめ」1-業績水増し告発の准教授が“クビ”へ

(明石 昇二郎)

最高学府であるはずの国立大学で今、パワーハラスメント(パワハラ)が罷り通っている。部下の教員をいじめて何ら恥じることのない教授が「教育者」を気取る――。これでは、小学校や中学校、高校で学ぶ子どもたちにも示しがつかない。だが、幹部教員が部下の教員をいじめるパワハラが堂々と行なわれ、何のお咎めもない国立大学が実在する。

少子化の進行や運営交付金の削減により、今や国立大学であっても、生き残りをかけた戦略が求められる時代となった。

文部科学省は「スーパーグローバル大学創成支援」と銘打ち、世界のトップ100大学へのランク入りを目指す国内の大学13校に補助金を出す制度を開始。そのうちの一つに、国立大学法人の広島大学(広大)が選出された。

これを受け同大では「成果主義」が取り入れられ、研究活動の活性化が図られることになった。だが、その裏では業績の改竄や水増しといった不正が罷り通っている。

「成果主義」が招いた業績の水増し不正

今回、業績の改竄や水増し等の不正行為が発覚したのは、広大の原爆放射線医科学研究所(広大原医研)。およそ半世紀前の1961年、原爆の被爆地である広島に、世界的な被爆者医療の研究拠点となるべく設立された由緒ある研究機関だ。

国立大学附置研究所・センターの一つとして「共同利用・共同研究拠点」にも指定され、研究予算も特別に重点配分されている。2011年の東京電力福島第一原発事故の際には多額の国費が投入され、「緊急被ばく医療推進センター」としての役割を担っていた。

広大原医研の活動と業績は、研究所の公式記録である「年報」として毎年、300ページを超す本にまとめられている。関係省庁や関係機関に配布され、国会図書館にも寄贈されてきた。この年報は、さまざまな外部評価や公的研究資金申請時の資料としても活用される、非常に重要なものだ。

2014年発行の『広島大学原爆放射線医科学研究所年報55号』(赤字は筆者注)

写真は14年発行の『広島大学原爆放射線医科学研究所年報55号』の抜粋。この年報は、13年4月から14年3月までの1年間における広大原医研の業績をまとめたもので、広大原医研に所属するH教授の論文リストである。

H教授の手口は、
(1)他年度に発表した論文を、新たに書いたように装って使い回す。
(2)著者の順番を入れ替えて、全く別の論文であるかのように改竄する。
というものだ。

こうした使い回しや改竄によって、さも多数の論文を執筆しているかのように水増ししたうえで、H教授の論文リストはつくられ、そのままチェックされることもなく年報に掲載されていた。

確認したところ、リストにある「英文原著」24本のうち8本が、ルールに従えば次号の年報(56号)に掲載すべき別年度のもので、11本は年報54号の論文リストに掲載済みのものだった。水増しされた分を差し引けば、この年度のH氏の英文原著数は5本程度にまで激減してしまう。つまり、広大原医研の年報は、実際の研究活動や業績を全く反映していないものになっていたのだ。

H教授の不正行為は、広大原医研に所属する研究者がH教授の論文リストに疑問を抱き、その手口を大学当局に通報したことで明らかになっていた。実際、広大原医研年報は改竄が確認された14年発行の55号を最後に作成されておらず、通報を受けた同大年報編集委員会の動揺のほどがうかがえる。

だが、同大当局も広大原医研も、H教授の不正に対して対応せず、H氏の処分はおろか、年報の訂正さえ行なわれていない。

遺伝子組換え実験室で堂々と“違反飲食”

H教授の業績水増しは年報だけではなく、同大の研究者総覧でも発覚している。

研究者総覧は、大学に所属する研究者たちの業績を広く世間に知ってもらうために、大学のデータベースにある研究者の情報を、大学のホームページを通じて公開しているものだ。その内容はもちろん、本人がチェックしたうえで掲載される。

研究者総覧に掲載されていたH教授の「学術論文」リスト(赤字は筆者注)

写真は、研究者総覧に掲載されていたH教授の「学術論文」リスト。390本のタイトルが記載されていたが、同一論文が何度も使い回しされ、5回も繰り返し登場する論文まであった。

それが、大学当局への通報があった後の16年12月に確認すると、いきなり145本にまで“激減”していた。これほど大規模な変更が行なわれる場合、通常であれば更新履歴などでその理由を説明するのがインターネット上のマナーであり常識だが、広大の研究者総覧は何ごともなかったかのように“頬かむり”している。(http://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.0fbbc96bc2f4924b520e17560c007669.html

広大では「成果主義」の号令のもと、研究予算が業績に基づき、傾斜配分されるようになっただけでなく、給与額も業績に基づき、弾き出されるようになった。しかし、その根拠となる「業績」そのものに不正があったとすれば、それは詐欺であり、刑事事件にまで発展する恐れがある。

こうした業績の水増しは、内部告発によって明らかになっていた。告発したのは、広大原医研に勤める研究者・Q准教授である。

Q准教授がH教授の不正に気づくきっかけは、広大原医研内に設置された「遺伝子組換え生物等使用実験室」(P1・P2実験室)における、H教授らの傍若無人な振る舞いだった。

H教授らが同実験室の使用を開始したのは13年5月頃のこと。それ以前の同実験室は、取り立てて問題なく運用されてきた。しかし、H教授らが使うようになってからは、同実験室内での飲食や、同実験室のドアを開け放したままの実験等、プロにあるまじき行為が繰り返し行なわれるようになる。

ところで、「遺伝子組換え生物等使用実験室への飲食物持ち込み」は文科省令と環境省令で禁止されており、広大で作成した「遺伝子組換え生物等使用実験安全講習会」テキストにも、

「実験室で飲食・喫煙・化粧などを行ってはいけません」

と明記されている。「遺伝子組換え生物等使用実験室のドアを開け放したままの実験」に至っては、カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)第12条違反である。見かねたQ准教授が、H教授やその部下に再三注意したにもかかわらず、改められることはなかった。
〈つづく〉

(あかし しょうじろう・ルポライター、1月27日号)

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2017年03月10日

宮崎大学不当処分事件続報、裁判において多数のハラスメント捏造が発覚し、文科省からの指導で検証委員会設立

 2017年1月25日付の本HP記事において 2012年,宮崎大学が事実無根の「セクハラ」を理由に退職した教員の退職金を支給しなかった事件で、最高裁が2016年10月18日宮崎大学の上告を棄却し、40代教員の完全勝訴が確定したことを紹介した。

 その続報が原告教員から届いたので,ここで紹介したい。それによれば,同事件に係わりハラスメント裁判で多数の捏造が発覚した結果、宮崎大学にたいして文科省から指導が入り,同大内に第三者の調査委員会が設立される運びとなった旨,文科省の担当官から直接原告宛に連絡があったとのこと。

[過去の記事]
宮崎大学不当処分事件ならびに都留文科大学不当解雇事件について
宮崎大学不当処分事件・最高裁決定、宮崎大の敗訴確定 元准教授へ退職金(2017年3月10日付)

宮崎大学不当処分事件・最高裁決定、宮崎大の敗訴確定 元准教授へ退職金

ハラスメント訴訟 宮大の敗訴確定、最高裁決定 元准教授へ退職金(宮崎日日新聞2019年3月7日)

 在職中のハラスメントは事実無根で,退職金が支給されなかったのは不当として,宮崎大の元准教授の男性が退職金や慰謝料など約1045万円の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3法廷(大橋正春裁判長)は6日までに,大学側の上告を棄却する決定を出した。大学側に約313万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

 同大学は,元准教授が在籍中に女子学生の半裸の写真を撮影し,卒論に掲載させたなどとして、懲戒解雇処分に相当すると判断。2012年6月,すでに退職していた元准教授に退職金を支給しない決定をした。元准教授は同年12月,「事実無根」と提訴した。

 一審の宮崎地裁判決は准教授側の請求を棄却。二審・福岡高裁宮崎支部の判決では「元准教授が撮影し,画像を卒論に掲載させたと認めるべき証拠はない。(そもそも)卒論の指導教員は別の教員。退職手当不支給の決定は法的に無効で,原告に精神的苦痛を与えた」などと指摘。一審判決を変更し,大学側に退職金203万円と慰謝料など110万円の支払いを命じた。

 元准教授は「大学は自分たちの意向に沿う発言を学生たちにさせ,学生を利用してハラスメントを捏造(ねつぞう)した。私自身と学生の両方を陥れた」と話している。

 同大学は「残念ながら主張は認められなかった。これからも教育研究にまい進する」とコメントした。上告棄却は昨年10月18日付。


2017年03月07日

公益通報者の教員解雇 県警OB使った常葉学園の「危機管理」

大学オンブズマン
∟●公益通報者の教員解雇 県警OB使った常葉学園の「危機管理」

 大学から幼稚園まで14校を運営。約1万1000人が学び年15億円の利益をあげる静岡最大の学校法人常葉学園(とこはがくえん・木宮健二理事長)が、補助金不正の内部通報者解雇で揺れている。
 解雇されたのは、常葉大学短期大学部で社会学を教えていた准教授のMさん(43)だ。
 Mさんは、学園が、実際には講義をしていないK教授が講義したことにして、私学助成金の補助金を不正受給していることに気づいた。「私が問題を指摘し、不正受給のための書類は作れないと言ったら、パワハラを受けたのです」とMさん。
 「パワハラ」した、一人は、不正受給の張本人のK教授だ。「多数の教職員の面前で、『お前はクズ』などとの叱責を受け、うつ病になってしまいました。そこでハラスメント対策委員会に助けを求めたのです」(Mさん)。
 Mさんは、研究室の前に、県警の連絡先を記したハラスメント防止啓発ポスターを貼り出し、学園側にも掲示を依頼する。すると、危機管理担当者のO総務課長補佐が研究室にやってきた。
 暴力団対策などを担当し、学園に天下った県警OBのO氏は「暴力団と政治家、公務員を専門にやってきただもんで、顔は利く」「親分たちがみんな電話してくる」と暴力団との付き合いを明言。 Mさんが静岡労働局に行った際も同行し、自分が勤める学園を告発すれば「組織を全体に敵に回しますよ」などと述べた。

【県警OBが「圧力」】
 告発をつぶすための脅しではないか。そう感じたMさんは、O課長補佐とともに、O氏を差し向けた責任者として木宮理事長らを「強要罪」の疑いで告訴する。静岡地検は告訴を受理するが、不起訴処分となった。常葉学園は「(補助金不正問題を)もみ消すという意図は全くない」(木宮岳志常務理事、静岡朝日テレビ2月2日放送)と説明する。
 Mさんの通報を受け、学園は補助金不正を認めたが、告訴が「学園の秩序を乱した」とされ、Mさんは12年8月、懲戒解雇。暴力団との関係を公言したO氏は、逆に「昇格」した。
 ある学園関係者は、「不祥事対応に当たるOさんは、暴力団との関係もよく口にしてましたね」。O氏自身、裁判所に出した陳述書で、「ヤクザの話をすることにはあまり抵抗がなく……」と認めている。
 Mさんが起こした裁判で、静岡地裁は1月20日、Mさんの准教授としての地位を認める判決を言い渡した。関口剛弘裁判長は判決で、懲戒解雇は補助金不正の公益通報に対する報復とまではいえないが、その「問題が大きくなるのを防ぐために性急に行った」とした。
dogli学園側は控訴するとともに、Mさんに新たに普通解雇を言い渡し、争いは長期化の様相を見せている。

【Mさんへの支援の輪】
 「圧力をかけられるほど、屈するわけにはいかないという気持ちが強くなる」と話すMさんへの支援は、静岡県内外に広がりつつある。
 県警OBを使って「危機管理」する学園。特異な体質の源をたどると、2代目理事長・木宮和彦(故人)に行きつく。
 「木宮氏は自民党参議院議員も務め、学園職員も「選挙に動員」されたものです。許認可や自治体からの土地所得で、政治力は学園経営にも大いに役立った」と事情に詳しい学園関係者は振り返る。
 木宮氏の葬儀には、中曽根康弘元首相や安倍首相の供花もあり、政界人脈の広さをうかがわせた。
 常葉学園の名は「万葉集」に収められた歌に因み、霜雪に耐えて青い葉を茂らせる橘(たちばな)のように、困難に克ち高みを目指す人間の育成が建学の精神だ。
 政治家や暴力団との関係を振りかざして「真実の声」をつぶそうとする学園に、創立者は草葉の影で泣いている。(ジャーナリスト・北健一)
 メモ:公益通報者・・労働者が勤務先などの違法や不正を、勤務先や監督官庁、マスコミなどに知らせること。現在でも通報者への解雇や不利益取り扱いは禁止されているが、公益通報者への報復は跡を絶たない。通報者の権利がより守られる方向での改革が急務だ。


教授の処遇巡り、都留文科大対応は不当

教授の処遇巡り、都留文科大対応は不当(毎日新聞2017年3月3日)

 自治労連の県組織は2日、教授の処遇を明らかにしない都留文科大の対応は不当労働行為に当たるとして、県労働委員会に救済を申し立てた。この教授は同日の記者会見で、処遇の説明を受けていない教員はほかに2人おり、いずれも同大教職員組合の書記長経験者だと説明。「差別でありパワハラだ」と訴えた。

 救済を申し立てたのは「自治労連山梨自治体一般労組」(河村厚夫執行委員長)。申し立て書は、都留文科大が来春、文学部の「社会学科」を「地域社会学科」に改める予定だと説明。この学科再編に伴う同大による教授への対応に問題があると指摘している。

 そのうえで同大に対し、▽他の教員と同じ条件で新しい学科に移行させる▽労働条件の変更にあたっては労組に事前に提示し、本人の同意を得る▽労組員に対する不利益な扱いをしない▽不当労働行為に謝罪する--の4点を求めている。

 県庁で会見した教授によると、同大は昨年10月、担当教員13人(定年退職予定の1人を除く)のうち10人について、新学科への移行を踏まえた配置案を示したという。ところが、この教授を含む教員3人に対しては「今に至るまで意向の確認がない」と述べた。同大事務局は、申し立てについて「内容を確認し、適切に対応する」としている。

[同ニュース]
■朝日新聞(2017年3月3日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170303asahi.pdf
■山日新聞(2017年3月2日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170302yamanichi

2017年02月21日

同志社大学・浅野教授定年延長拒否事件について-概要とサイト紹介-

 同志社大学大学院から不当な処分を受けた権利侵害事件について,原告教授から事実経過と裁判に関して寄稿の依頼を受けた。本HPでは,はじめに同事件の概要と支援団体のホームページを紹介したい。(2017年2月21日,ホームページ管理人)

 この事件は,浅野健一同志社大学大学院社会学研究科メディア専攻教授が,2014年3月末,学校法人同志社大学から定年延長拒否という形で不当解雇された事件である。原告の浅野教授は,2013年12月,学校法人同志社大学を相手取り京都地裁に地位保全の仮処分を申し立てた。しかし,残念ながら仮処分の決定がでなかったため,現在,京都地裁に本訴を提訴している。

 定年延長拒否の経緯は,以下のようである(引用は山口正紀「同志社大学が浅野教授を『追放』-「私怨」による定年延長妨害を容認した大学当局-」『進歩と改革』(2014年7月号)より)。

 同志社大学では,大学院教授について65歳の定年を超えても満70歳まで毎年定年を延長できる制度がある(その手続きとして,専攻会議が研究科委員会に候補者を提案し,同委員会が承認する。承認されれば大学の理事会に提案され,決定される)。「この制度によって,定年を希望した大学院教授は従来,ほぼ自動的に定年が延長されてきた。浅野さんの属する社会学研究科でも,定年延長を希望している教授が延長を拒まれた例はなく,浅野さんも自動的に定年延長されるものと思っていた。」

 ところが,定年延長を審議する研究科委員会では,一部教員により浅野教授を「排除するため」「一方的人格攻撃の怪文書」が提出され,定年延長が否決された。浅野教授への人権侵害は今に始まったことではない。同大学院メディア専攻内では,一部教員により「2005年11月の『週刊文春』を使った『セクハラ疑惑』でっち上げをはじめ、浅野さんに対して様々な攻撃が繰り返されてきた」(その内容は,正確を期すため上記『進歩と改革』を参照されたい-引用者)。これらの攻撃に対して,浅野教授は名譽毀損訴訟を起こし,全面的に勝訴してきた(例えば,2010年3月対文春名譽毀損訴訟・全面勝訴,2013年2月「セクハラ疑惑」をつくった同僚の教授に対する名譽毀損訴訟・全面勝訴)。2013年の「定年延長妨害」は,そうした攻撃の延長線上にある。

 学校法人同志社は,こうした「私怨」による「定年延長妨害」を認めた。これに対して,浅野教授は,2014年2月,「従業員地位確認等請求訴訟」を京都地裁に提訴した。京都地裁では,これまで15回の口頭弁論が開かれ,今年3月1日(水)午後1時10分,203号法廷で判決の言い渡しがある。

なお,浅野教授の裁判については,支援する会等のHPが作成されている。
浅野教授を支援する会
http://www.support-asano.net/index.html
人権と報道・連絡会
http://www.jca.apc.org/~jimporen/

また,浅野教授の雇用闘争では、以下の4団体が支援している。
■「浅野先生の教壇復帰を求める会」(大内健史・代表幹事、同志社大学文学部2016年卒、mr.ootake(at)gmail.com)
■「浅野先生を守る会」(吉川幸祐会長=同大政策学部2015年卒astrophysik928(at)gmail.com、木平良史事務局長=同大法学部卒)
「浅野健一ゼミ・OBG会」(馬場尚子会長、bbnaoko(at)gmail.com)
「浅野教授の労働裁判を支援する会」(山際永三代表・〒168-0064 東京都杉並区永福4-3-2、電話 03-3328-7609、eizoyama(at)asahi.email.ne.jp)

2017年02月18日

梅光は正常化に向かったのか、更なる教員の雇い止め続 1年経て混乱に拍車

長周新聞
 ∟●梅光は正常化に向かったのか、更なる教員の雇い止め続く

梅光は正常化に向かったのか
更なる教員の雇い止め続く
1年経て混乱に拍車

2017年2月10日付

 
 下関市にある梅光学院(幼、中高、大学)では、昨年度末で中・高、大学ともに大量に教師らの首切りをおこなったことをきっかけに、現経営陣の「財政赤字の解消」を掲げた「改革」に対して、生徒・学生、教師、保護者、同窓生らが学院の正常化を求める運動を展開してきた。このもとで学内の問題を隠蔽するかのように恣意的な解雇や体制変更があいつぎ、教育機関として体をなさない状況がさらに深まっている。生徒や学生たちがあたりまえに学ぶことができない環境になっていることを誰もが心配し、下関市で140年にわたって伝統ある教育機関としての地位を築いてきた梅光学院の正常化を求める世論はますます強いものになっている。1年をへてどうなっているのか、取材にかかわってきた記者たちで論議した。

 学生かき集め学習環境は貧弱 子ども学部の学生が署名提出

 A 梅光の問題が表面化したきっかけは、昨年度末で中高のベテラン教師が14人、大学で11人が辞職に追い込まれたり、解雇されたことだった。その辞めさせ方があまりにもひどいと、かつての梅光を知る下関市民に衝撃を与えた。中高の生徒が真っ先に動き始め、慕っていた先生の解雇を止めようと署名運動をし、大学では文学部の矢本准教授の雇い止めに対して学生たちが署名を集めるなど行動に踏み出した。梅光学院始まって以来の大リストラに、同窓生や保護者らも危機感を抱き、「梅光の未来を考える会」を設立して経営陣の退陣と学院の正常化を求める署名運動を展開した。しかし、経営陣はその声に耳を傾けることもなく、多くの教師が学院を去った。
 しかし「改革」した結果ベテラン教員が多数いなくなり、県内外でブレインアカデミーが非正規教員をかき集めるなどして何とか今年度をスタートしたが、中高にせよ大学にせよ、薄氷を踏むような体制で年度当初からミスや混乱が続き、今ですら落ち着いて勉学に励む環境ではないといわれている。それなのに今年度末でさらに教職員を雇い止めするという。
 B 大学では子ども学部の30代の若手教員に対して1月半ばに雇い止めが通告された。学生の授業評価も高く、信頼の厚い教員だったようで、学生も教員らも継続雇用を当然視していた存在だった。それが「積極的ではない」という理由で雇い止めになり、かわりに公募で50代の教員が雇われることになった。それを知った子ども学部の学生有志が契約更新を求める署名をとりくみ、7日に樋口学長に宛てて提出した。事前に4年生が学部長に嘆願書を出す動きもあったようだ。
 学生有志から届いた文書によると、1月25日から2月1日までのわずか8日間で225人の署名が集まったそうだ。「学生の悩みや思いに耳を傾け、親身になって相談に乗ってくださり、教諭や保育士を目指す学生たちへの教育や指導も丁寧にしてくださるため、学生からの信頼度や人気も高く、今後もこの大学で教鞭をとり続けてくださると信じていた」と記している。続けて指導を受けることは、学生が本来持っている安心できる環境で質の高い教育を受ける権利であること、後輩たちのためにも将来にわたって梅光学院に残ってほしい、という強い願いを記している。この要望に対する回答を、2月10日午後5時までに全学集会を開催するか、学内全掲示板とポータルサイトに掲示するかのいずれかの形で示すことを求めている。学生たちの切実な思いに大学側がどのような対応をするか注目されている。
 C この教員は3年生のゼミも持っていた。卒論のテーマを定め、これから準備していくという時点で担当教員がいなくなり、かわりに来るのは専門分野の違う教員だ。ゼミがどうなるかも知らされず、放り出された状態で年度末を迎えている学生たちの不安ははかりしれないものがある。
 子ども学部では、公立小学校の教師をめざす学生の就職活動にもっともかかわっていた教員も今年度末での雇い止めが決まっており、公立保育園・幼稚園の窓口になってきた教員2人を含む3人に来年度いっぱいでの雇い止めが通告されている。昨年、教員らの反対を押し切って子ども学部の定員を拡大したばかりだが、今度はつぶすつもりなのかと思うほど、中核を担っている教員を首にしようとしている。
 A 学院全体で今わかっているだけでも、大学では子ども学部の教員2人、文学部の教員3人の計5人、職員ではアドミッションセンターの20代と50代の職員2人と秘書が1人、今年度いっぱいで雇い止めになるようだ。中高では10月から休職していた校長が2月末で退職届けを出しており、今でも校長不在という異常事態だが、教頭も他校に就職するために3月末で退職するし、社会科の教員も雇い止めなどで2人退職するという。具体的に考えたとき、来年度の学校運営が成り立つのか心配になる。
 D 今回は学院に協力的だった教職員も雇い止めになったという。理由なく切られるため大学内は戦戦恐恐という空気もあるようだが、客観的に見ると、むしろ経営陣の方が学内の様子を知られることを極度に恐れていることをあらわしている。
 この間、「赤字経営」といいながら、本間理事長や只木統轄本部長らは月額100万円の法人カードを使い放題だとか、理事長が下関に来たときはグランドホテルの最上階を定宿にしているとか、役員報酬を1000万円以上に引き上げることを要求したことなど、さまざまな問題が明らかになった。とくに学院の資産30億円(現在は28億円)の半分をつぎ込んでいる運用について実態解明を求める世論が強まってきた。理事会も評議委員会も意に添わないメンバーを入れ替えて外部に経営実態が漏れない体制をつくったが、どこからか学内の様子が広まるので、本部の2階にあった総務を1階に降ろして狭い部屋に押し込めたり、中高の運動会を部外者立ち入り禁止にしたり、閉鎖的な対応が続いている。開かれた学校でみんなが安心できる教育環境が望ましいだろうに、一体何を隠したがっているのだろうかと不思議がられている。学内で疑わしい教職員を血眼になって探している様子もたびたび話題にされている。やましいことが何もない以上、堂堂としていればよいのだ。何をそんなに警戒しているのかと逆に関心を呼ぶものだ。

 紙おむつすら買わない 保育士めざす実習

 B 本間理事長や只木統轄本部長、中野学院長、樋口学長ら経営陣が自慢しているのは、大学入学者の「V字回復」だ。少子化のもとで、私学にとって学生数の確保が死活問題であるのは間違いない。しかし梅光の場合、問題なのは学生をかき集めておいて学ぶ環境は驚くほど粗末なことだ。人事にもその姿勢が出ているが、故・佐藤泰正氏が常常いってきた「一人一人を大切にする」梅光の教育を否定して、学生=金ないしはモノとしか見ない傾向が顕在化している。
 A 保育士をめざす学生は、おむつ替えや沐浴の実習などをするが、練習に使う紙おむつは使い回しでベロンベロンだと嘆いていた。昨年頃、非常勤講師が「紙おむつを買ってくれ」と頼んだら断られたようだ。その話を漏れ聞いた学生が購入の要望をあげると、逆に非常勤講師が叱られたという。沐浴の練習も給湯器の湯が出ないから、冷たい水を使っている。赤ちゃんの沐浴を冷たい水でするのか? 離乳食をつくる練習をしようと調理室に行けば、ホコリをかぶっている鍋等を洗おうにも洗剤はなく、タオルはカピカピになって不衛生きわまりない状態。「保育士になりたい」と志して梅光を選んで入学したのに、基本的なことを学ぶことができない。
 B 最近ではピアノが3台なくなって、気づいた学生たちのあいだで「売られたようだ」と話題になっている。それも試験の直前で、家や下宿先にピアノを持っていない学生が練習に使う時期だ。「電子ピアノを入れる」という説明があったものの、コンセントがなく、今になって工事が始まっているという。ピアノは調律さえすればいくらでも使えるし、幼稚園・保育園ではピアノを使うところが多いのに、なぜ電子ピアノをわざわざ買うのか? との疑問を学生たちは持っている。
 A 「学生生活充実度2年連続NO1」の横断幕を掲げているけれど「どこで調査したのか?」というのが学生の実感だ。まともに学べないうえに、頼りにしていた教員が次次にいなくなる。卒論も就職も不安ばかりだ。子ども学部の場合、幼稚園教諭、保育士、小学校教師の3つの免許が取得できることを売りにしているが、カリキュラム上、現1年生は3免許を取得することは不可能だといわれている。入学当初は「介護士の資格がとれる」という話だったのに、いざとろうとすると「開講していない」といわれた学生もいたりと、学費を払っている親たちが知ったら詐欺だと思うのではないか。
 B ANAエアラインスクールとの提携や東京アカデミーの公務員講座、教員養成講座など、民間業者との提携を売り出しているが、この契約のために学生たちに講座に参加するようハッパを掛けるという本末転倒な状況も生まれている。
 「成績がよければ受講料を安くする」などするから、よけいでも金がかかるようだ。派手にこうした提携を売り出しているが、それが逆に「この学校は自分の大学で教育ができないのだろうか」という印象を深めるものにもなっている。

 混乱は大学改革の産物 文科省天下り

 C なぜこれほど学生、生徒や大学・中高の教員ら、保護者や同窓生らが意見しても聞く耳なく暴走できるのか。背景には教授会の権限を弱め、理事会・学長への権限集中を図る文科省の動きがあり、実は梅光だけでなく全国の私立大学でも似たような事件が頻発している。「ガバナンス強化」などといいながら、逆にチェック機関の無力化や、気に入った人物中心の統治などがはびこるようになり、理事会のいいなりになって意見しない、理事会にとり入るなど、大学の自由な雰囲気を破壊する事態が進行している状況を危惧する大学人も少なくない。これは国立大学で先行してきたものでもある。
 文科省天下りの本間理事長らが、こうした動きを知ったうえで梅光学院に乗り込んで来て、もともと家父長的校風で理事会権限の強かった梅光で「改革」を進め、経営陣の権限を利用して現在のような混乱状況をもたらしたともいえる。最近、文科省が組織ぐるみで天下り先を斡旋していたことがとり沙汰されている。OBが月2日の勤務で大手保険会社から年収1000万円を得ていたとか、早稲田大学に天下った人物が1400万円の契約だったなどなど、今更ながら驚いたように報じられるが、月4日ほど梅光学院に来て報酬を得ていく本間理事長とそっくりだ。理事会を内部の教職員ばかりにしてしまったので、いくら報酬を得ているのか、1000万円以上に引き上げる案が通ったのか、教職員も含めて知りようのない状態になっているが…。
 D 「中高が毎年1億円の赤字を出している」という理由で「改革」を始めたが、むしろ資産は減り、赤字も拡大している。10年の長期運用に回している13億円とも17億円ともいわれる金も現時点でどれだけの損失を出しているのか明らかにするべきだろう。28億円のうち動かせる金は半分の15億円程度だという。仮に毎年1億円以上の赤字が出続けたとき、梅光学院の存続は時間の問題になってくる。今年の新年会の場では、実質機能していなかった教職員会を解散して、300万円ほどの積立金のうち一定額を返却し、残りを学院に寄付する提案もあったという。金に困っているのか? と思わせている。仮に梅光が本当に行き詰まったとき、本間理事長なり只木統轄本部長なりが最後まで責任を持って梅光に残るだろうか。
 C この間、同窓生や父母、学生だけでなく市民を巻き込む形で、140年にわたって培ってきた梅光の教育を子どもたちのために守ろうという運動が広がってきた。昨年度は「文学部の問題だ」と思っていた学生たちも、「大学全体で考えなければ」と連携をとりつつ動き始めている。今の大学なり中高の現状をおおいに父母や市民に知らせ、世論を強めていくことが求められている。
 A 梅光の混乱状況は文科省天下り問題や大学改革の産物であって、決して梅光に限った特別なものでもない。全国の私学や国公立でも似たような問題が起こっている。しかし、余りにも酷すぎる。佐藤元学院長や歴代の教員たちが聞いたら嘆くのはあたりまえだ。仏作って魂入れずといったら宗教的に違うのかもしれないが、その逆で魂が抜かれていくような事態にも見える。女子教育とかかわって歴史的な伝統も蓄積してきた教育機関が、これほど横暴によそ者に踏みにじられて良いのだろうか。30億円の現金資産の心配もさることながら、教育機関として変質してしまうことの損失の方が甚大だ。少なくとも、中高、大学にしても子どもたちや学生たちが置かれている状況はかわいそうの一言に尽きる。教員がモノ扱いされてコロコロ首を切られるような状況は改めさせないと、安心して勉学に励むことができない。
 B 理事長が月4~5日で報酬を得ている実態についても「ここにもいるよ! 天下り!」といって全市的に周知するとか、そのもとで学生や生徒たちがどのような難儀を強いられているかを世間に訴えることも必要ではないか。メディアも踏み込んでとりあげないが、大学改革の最たる例として下関で起きている実態を全国に発信することが重要だ。宗教的には「オンヌリの乗っとり」とかさまざまな背景もあるのかもしれないが、間違いなく梅光が別物にされようとしている。そして、気付いた時には現金資産もスッカラカンになっていた――というオチすら想定される。大学や教育機関は学問探究や子どもの教育が中心的な仕事であって、もうけるためにあるのではない。いくら少子化とはいえ、そこをはき違えたなら経営も成り立たない。その存在意義や教育理念をはっきりさせて正常化の力を発動することが求められている。


2017年02月17日

共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明

共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明

2017年2月1日

 政府は、これまでに何度も廃案となっている共謀罪を、「テロ等準備罪」の呼び名のもとに新設する法案を国会に提出する予定であると報道されています。しかし、この立法は以下に述べるように、犯罪対策にとって不要であるばかりでなく、市民生活の重大な制約をもたらします。

1. テロ対策立法はすでに完結しています。

 テロ対策の国際的枠組みとして、「爆弾テロ防止条約」や「テロ資金供与防止条約」を始めとする5つの国連条約、および、その他8つの国際条約が採択されています。日本は2001年9月11日の同時多発テロ後に採択された条約への対応も含め、早期に国内立法を行って、これらをすべて締結しています。

2. 国連国際組織犯罪防止条約の締結に、このような立法は不要です。

 2000年に採択された国連国際組織犯罪防止条約は、国際的な組織犯罪への対策を目的とし、組織的な犯罪集団に参加する「参加罪」か、4年以上の自由刑を法定刑に含む犯罪の「共謀罪」のいずれかの処罰を締約国に義務づけているとされます。しかし、条約は、形式的にこの法定刑に該当するすべての罪の共謀罪の処罰を求めるものではありません。本条約についての国連の「立法ガイド」第51項は、もともと共謀罪や参加罪の概念を持っていなかった国が、それらを導入せずに、組織犯罪集団に対して有効な措置を講ずることも条約上認められるとしています。
 政府は、同条約の締約国の中で、形式的な基準をそのまま適用する共謀罪立法を行った国として、ノルウェーとブルガリアを挙げています。しかし、これらの国は従来、予備行為の処罰を大幅に制限していたり、捜査・訴追権限の濫用を防止する各種の制度を充実させたりするなど、その立法の背景は日本とは相当に異なっています。ほとんどすべての締約国はこのような立法を行わず、条約の目的に沿った形で、自国の法制度に適合する法改正をしています。国内法で共謀罪を処罰してきた米国でさえ、共謀罪の処罰範囲を制限する留保を付した上で条約に参加しているのです。このような留保は、国会で留保なしに条約を承認した後でも可能です。
 日本の法制度は、もともと「予備罪」や「準備罪」を極めて広く処罰してきた点に、他国とは異なる特徴があります。上記のテロ対策で一連の立法が実現したほか、従来から、刑法上の殺人予備罪・放火予備罪・内乱予備陰謀罪・凶器準備集合罪などのほか、爆発物取締罰則や破壊活動防止法などの特別法による予備罪・陰謀罪・教唆罪・せん動罪の処罰が広く法定されており、それらの数は70以上にも及びます。
 一方、今般検討されている法案で「共謀罪」が新設される予定の犯罪の中には、大麻栽培罪など、テロとは関係のない内容のものが多数あります。そもそも、本条約はテロ対策のために採択されたものではなく、「共謀罪」の基準もテロとは全く関連づけられていません。本条約は、国境を越える経済犯罪への対処を主眼とし、「組織的な犯罪集団」の定義においても「直接又は間接に金銭的利益その他の物質的利益を得る」目的を要件としています。

3. 極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれがあります。

 政府は、現在検討している法案で、(1)適用対象の「組織的犯罪集団」を4年以上の自由刑にあたる罪の実行を目的とする団体とするとともに、共謀罪の処罰に(2)具体的・現実的な「合意」と(3)「準備行為」の実行を要件とすることで、範囲を限定すると主張しています。しかし、(1)「目的」を客観的に認定しようとすれば、結局、集団で対象犯罪を行おうとしているか、また、これまで行ってきたかというところから導かざるをえなくなり、さしたる限定の意味がなく、(2)概括的・黙示的・順次的な「合意」が排除されておらず、(3)「準備行為」の範囲も無限定です。
 また、「共謀罪」の新設は、共謀の疑いを理由とする早期からの捜査を可能にします。およそ犯罪とは考えられない行為までが捜査の対象とされ、人が集まって話しているだけで容疑者とされてしまうかもしれません。大分県警別府署違法盗撮事件のような、警察による捜査権限の行使の現状を見ると、共謀罪の新設による捜査権限の前倒しは、捜査の公正性に対するさらに強い懸念を生みます。これまで基本的に許されないと解されてきた、犯罪の実行に着手する前の逮捕・勾留、捜索・差押えなどの強制捜査が可能になるためです。とりわけ、通信傍受(盗聴)の対象犯罪が大幅に拡大された現在、共謀罪が新設されれば、両者が相まって、電子メールも含めた市民の日常的な通信がたやすく傍受されかねません。将来的に、共謀罪の摘発の必要性を名目とする会話盗聴や身分秘匿捜査官の投入といった、歯止めのない捜査権限の拡大につながるおそれもあります。実行前の準備行為を犯罪化することには、捜査法の観点からも極めて慎重でなければなりません。

4. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする必要はありません。

 公式統計によれば、組織犯罪を含む日本の過去15年間の犯罪情勢は大きく改善されています。日本は依然として世界で最も治安の良い国の1つであり、膨大な数の共謀罪を創設しなければならないような状況にはありません。今後犯罪情勢が変化するかもしれませんが、具体的な事実をふまえなければ、どのような対応が有効かつ適切なのかも吟味できないはずです。具体的な必要性もないのに、条約締結を口実として非常に多くの犯罪類型を一気に増やすべきではありません。
 そればかりでなく、広範囲にわたる「共謀罪」の新設は、内心や思想ではなく行為を処罰するとする行為主義、現実的結果を発生させた既遂の処罰が原則であって既遂に至らない未遂・予備の処罰は例外であること、処罰が真に必要な場合に市民の自由を過度に脅かさない範囲でのみ処罰が許されることなどの、日本の刑事司法と刑法理論の伝統を破壊してしまうものです。

5. 武力行使をせずに、交渉によって平和的に物事を解決していく姿勢を示すことが、有効なテロ対策です。

 イスラム国などの過激派組織は、米国と共に武力を行使する国を敵とみなします。すでに、バングラデシュでは日本人農業家暗殺事件と、日本人をも被害者とする飲食店のテロ事件がありました。シリアではジャーナリストの拘束がありました。安保法制を廃止し、武力行使をしない国であると内外に示すことこそが、安全につながる方策です。
 こうした多くの問題にかんがみ、私たちは、「テロ等準備罪」処罰を名目とする今般の法案の提出に反対します。

呼びかけ人(五十音順)

葛野尋之(一橋大学教授)
高山佳奈子(京都大学教授)
田淵浩二(九州大学教授)
本庄武(一橋大学教授)
松宮孝明(立命館大学教授)
三島聡(大阪市立大学教授)
水谷規男(大阪大学教授)


賛同者

赤池一将(龍谷大学教授)
浅田和茂(立命館大学教授)
足立昌勝(関東学院大学名誉教授)
安達光治(立命館大学教授)
雨宮敬博(宮崎産業経営大学准教授)
荒川雅行(関西学院大学教授)
荒木伸怡(立教大学名誉教授)
生田勝義(立命館大学名誉教授)
石川友佳子(福岡大学准教授)
石田倫識(愛知学院大学准教授)
石塚伸一(龍谷大学教授)
石松竹雄(大阪弁護士会)
一原亜貴子(岡山大学准教授)
伊藤睦(三重大学教授)
稲田朗子(高知大学准教授)
稲田隆司(新潟大学教授)
指宿信(成城大学教授)
上田寛(立命館大学名誉教授)
上田信太郎(北海道大学教授)
上野達彦(三重大学名誉教授)
内田博文(九州大学名誉教授、神戸学院大学教授)
内山真由美(佐賀大学准教授)
内山安夫(東海大学教授)
梅崎進哉(西南学院大学教授)
梅田豊(愛知学院大学教授)
大貝葵(金沢大学准教授)
大久保哲(宮崎産業経営大学教授)
大出良知(東京経済大学教授)
大場史朗(大阪経済法科大学准教授)
大薮志保子(久留米大学准教授)
岡田行雄(熊本大学教授)
岡本洋一(熊本大学准教授)
小田中聰樹(東北大学名誉教授)
海渡雄一(第二東京弁護士会)
香川達夫(学習院大学名誉教授)
春日勉(神戸学院大学教授)
門田(秋野)成人(広島大学教授)
金澤文雄(広島大学名誉教授・岡山商科大学名誉教授)
金澤真理(大阪市立大学教授)
神山敏雄(岡山大学名誉教授)
嘉門優(立命館大学教授)
川崎英明(関西学院大学教授)
川口浩一(関西大学教授)
神例康博(岡山大学教授)
木谷明(元裁判官、元法政大学法科大学院教授、第二東京弁護士会)
北野通世(福岡大学教授・山形大学名誉教授)
金尚均(龍谷大学教授)
楠本孝(三重短期大学教授)
公文孝佳(神奈川大学准教授)
黒川亨子(宇都宮大学専任講師)
小浦美保(岡山大学准教授)
古川原明子(龍谷大学准教授)
後藤昭(青山学院大学教授)
小山雅亀(西南学院大学教授)
斎藤司(龍谷大学教授)
斉藤豊治(甲南大学名誉教授、大阪弁護士会)
三枝有(信州大学教授)
坂本学史(神戸学院大学准教授)
佐川友佳子(香川大学准教授)
櫻庭総(山口大学准教授)
佐々木光明(神戸学院大学教授)
笹倉香奈(甲南大学教授)
佐藤博史(元東京大学客員教授・元早稲田大学教授、第二東京弁護士会)
佐藤元治(岡山理科大学准教授)
塩谷毅(岡山大学教授)
島岡まな(大阪大学教授)
白井諭(岡山商科大学准教授)
白取祐司(神奈川大学教授・北海道大学名誉教授)
新屋達之(福岡大学教授)
鈴木博康(九州国際大学教授)
末道康之(南山大学教授)
陶山二郎(茨城大学准教授)
関哲夫(國學院大学教授)
関口和徳(愛媛大学准教授)
園田寿(甲南大学教授、大阪弁護士会)
高倉新喜(山形大学教授)
高田昭正(立命館大学教授)
高橋有紀(福島大学准教授)
高平奇恵(九州大学助教)
武内謙治(九州大学教授)
多田庶弘(神奈川工科大学非常勤講師)
辰井聡子(立教大学教授)
田中輝和(東北学院大学名誉教授)
恒光徹(大阪市立大学教授)
寺中誠(東京経済大学非常勤講師)
土井政和(九州大学教授)
戸浦雄史(大阪学院大学准教授)
徳永光(獨協大学教授)
冨田真(東北学院大学)
友田博之(立正大学准教授)
豊崎七絵(九州大学教授)
豊田兼彦(関西学院大学教授)
内藤大海(熊本大学法学部准教授)
長井長信(明治学院大学教授)
長井圓(中央大学教授)
永井善之(金沢大学教授)
中川孝博(國學院大學教授)
中島洋樹(関西大学教授)
中島宏(鹿児島大学教授)
中村悠人(東京経済大学准教授)
名和鐵郎(静岡大学名誉教授)
新倉修(青山学院大学教授)
新村繁文(福島大学特任教授)
庭山英雄(元専修大学教授、東京弁護士会)
朴元奎(北九州市立大学教授)
東澤靖(明治学院大学教授、第二東京弁護士会)
玄守道(龍谷大学教授)
平井佐和子(西南学院大学准教授)
平川宗信(名古屋大学名誉教授・中京大学名誉教授)
平田元(熊本大学教授)
福井厚(京都女子大学教授)
福島至(龍谷大学教授)
福永俊輔(西南学院大学准教授)
渕野貴生(立命館大学教授)
保条成宏(福岡教育大学教授)
本田稔(立命館大学教授)
前田朗(東京造形大学教授)
前野育三(関西学院大学名誉教授、兵庫県弁護士会)
前原宏一(札幌大学教授)
正木祐史(静岡大学教授)
松岡正章(甲南大学名誉教授、大阪弁護士会)
松倉治代(大阪市立大学准教授)
松本英俊(駒澤大学教授)
丸山泰弘(立正大学准教授)
水野陽一(北九州市立大学専任講師)
緑大輔(一橋大学准教授)
光藤景皎(大阪市立大学名誉教授)
三宅孝之(島根大学名誉教授)
宮澤節生(神戸大学名誉教授・カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクール教授)
宮本弘典(関東学院大学教授)
村井敏邦(一橋大学名誉教授)
村岡啓一(白鴎大学教授)
村田和宏(立正大学准教授)
森尾亮(久留米大学教授)
森川恭剛(琉球大学教授)
森下忠(広島大学名誉教授)
森久智江(立命館大学准教授)
守屋克彦(元東北学院法科大学院教授)
安田恵美(國學院大學専任講師)
山口直也(立命館大学教授)
山﨑俊恵(広島修道大学准教授)
山名京子(関西大学教授)
山中友理(関西大学准教授)
吉弘光男(久留米大学教授)
吉村真性(九州国際大学教授)
その他氏名非公開賛同者 3名


呼びかけ人・賛同者合計155名(2017年2月12日現在)
呼びかけ人・賛同者合計154名(2017年2月10日現在)
呼びかけ人・賛同者合計152名(2017年2月9日現在)
呼びかけ人・賛同者合計150名(2017年2月8日現在)
呼びかけ人・賛同者合計149名(2017年2月7日現在)
呼びかけ人・賛同者合計148名(2017年2月6日現在)
呼びかけ人・賛同者合計147名(2017年2月5日現在)
呼びかけ人・賛同者合計146名(2017年2月3日現在)
呼びかけ人・賛同者合計143名(2017年2月2日現在)
呼びかけ人・賛同者合計137名(2017年2月1日現在)


※ 賛同者としてのご参加を募集いたします。
ご賛同いただける刑事法研究者の方は、お名前と肩書を
高山佳奈子 takayama@law.kyoto-u.ac.jp
までお知らせください。五十音順のリストを公表いたします。

2017年02月08日

常葉大学短大部公益通報者解雇事件、静岡朝日テレビ報道

大学オンブズマン 
 ∟●常葉大学短大部公益通報者解雇事件、静岡朝日テレビ報道

2017年2月7日火曜日

常葉大学短大部公益通報者解雇事件、静岡朝日テレビ報道抜粋
リンク:ANN系列静岡朝日テレビ報道抜粋(17年1月31日放映)

先月、朝日テレビで報道された内容です。


2017年02月05日

崖っぷちの筑紫女学園、崩壊の危機に居直る笠・長谷川派

NetIB News(2017年02月02日)

崖っぷちの筑紫女学園、崩壊の危機に居直る笠・長谷川派
約10億円の補助金交付に影響

 理事会運営をめぐる混乱が続いている学校法人 筑紫女学園が、存続さえ危ぶまれる危機的状況に陥っていることがわかった。福岡地裁の決定により、昨年(2016年)8月31日付で、理事長としての職務執行が停止されている長谷川裕一氏が、教職員宛てで1月23日に出した所感によると、理事会の正常化がなされない場合、国(文部科学省)および福岡県からの約10億円の経常費補助金の交付が受けられないほか、来年度の予算編成、人事、各種契約の締結に支障をきたすという。また、昨年11月、文部科学大臣が認める評価機関が実施した大学認証評価の調査報告案で、大学運営や理事会機能について、厳しい指摘がなされており、「大学として『不適合』と見なされる可能性がある」(学校関係者)という。

 発端は、ほとんどの教職員の反発を招いた笠信暁理事長の学園経営にあった。理事会内は、長谷川氏を含む笠氏の支持派(以下、笠・長谷川派)と反対派に分かれ、昨年3月25日には、笠氏の理事長解任案が反対派から提出される事態に至る。その際、笠・長谷川派は示し合わせて欠席し、笠氏の理事長解任を逃れた。そして昨年6月10日の理事会で、新理事の選任によって反対派を一掃。笠・長谷川派の仏壇業界最大手(株)はせがわの相談役・長谷川裕一氏を新理事長に擁立した。しかし、昨年7月8日、反対派の理事2名が、6月10日の理事選任決議を無効として仮処分を申し立てる。福岡地裁は決議を無効と判断し、8月31日付で「理事長長谷川裕一の職務執行停止」が決定された。(詳細は関連記事参照

新理事選任決議の無効を認める

 最悪の事態を回避するためのタイムリミットを「本年度の補助金の交付決定が判断される2月中旬~下旬」とする長谷川氏。1月23日の所感のなかで、昨年6月10日の新理事選任決議を無効とする部分について認諾する方針を示し、新理事選任決議のやり直しを行う意思を示した。だが、同時に、仮処分の申し立てを行った反対派理事2名が学園の危機的状況を招いていると主張。この主張に対し、教職員側から反発の声があがっている。

 筑紫女学園三学部長は1月25日、長谷川氏の所感に対し、複数の誤認があるとして同氏宛ての意見表明文を発表した。主な指摘は以下の通り。(1)反対派理事2名からは和解の提案がなされたが長谷川氏側は受け入れず、また、職務執行停止の決定が下された翌日(昨年9月1日)に、不服申し立てを行った。(2)11月25日に不服申し立てが却下されたが、抗告を高等裁判所に行った。(3)1月20日、福岡地裁の進行協議で、絶対に和解しないと公言した。三学部長は、混乱を長引かせる要因を作り出したのは、むしろ長谷川氏の側にあるのではないかという疑問を呈している。

 6月10日の理事会のやり直しに関する笠・長谷川派の主張は、自分たちにとって優位に進めたいとの意図がうかがえる。長谷川氏は、6月10日の理事会に理事として参加していた上山大峻前学長を、すでに退職し学長の身分を喪失していることから、当然に理事の地位を失っていると主張。笠氏を含む12名の理事で理事会を開催するよう求めている。これは、上山前学長が参加すれば、反対派が数的優位に立つ可能性があるからだ。

 一方、反対派は1月17日、筑紫女学園の代表代行者選任の申し立てを福岡地裁に行っている。笠・長谷川派が代表代行者とする現事務局長を宛名にすると反対派の訴状が届かないからだという。これは、現事務局長が、無効とされた6月10日の新理事選任決議で選任されており、その正当性に裁判所が疑義を持っているからだと考えられる。これまでの経緯に詳しい卒業生の父兄は、長谷川氏の所感について、「あまりにも馬鹿げた責任論。学園の危機を招いたのは笠氏らの私物化違法経営であり、正常化を求める反対派理事が起こした訴訟が原因ではない」と、怒りを露わにした。


2017年02月01日

パワハラ訴訟で常葉学園側控訴

■静岡新聞2017年1月31日

 パワハラ被害の告訴で懲戒解雇されたのは不当だとして、常葉大学短大部の准教授の40台男性が常葉学園(静岡市葵区)などを相手取り、処分の無効確認を求めた訴訟で、
 学園側は30日、懲戒解雇の無効を認めた静岡地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。学園幹部の一人は「詳しい主張は今後、控訴理由所で明らかにしたい」と述べ、同日地裁に控訴場を提出したことを明らかにした。
 一方、男性の代理人弁護士は31日に正式に控訴を行うか決めたいと話していた。

苫駒大経営移管、新体制で再生を 教職員に不安と動揺

■苫小牧民報社(2017年1月28日)

 苫小牧駒沢大学が2018年4月に京都育英館に経営移管されることを受け、市民の間に期待と不安の声が上がっている。27日の記者会見で示された看護学部の創設を含めた新たな大学体制に対し、在校生や大学関係者らが率直な思いを語った。

 同大1年の向山阿良大(あらた)さん(19)は、「教授との距離が近い教育・研究ができる少人数ならではの魅力は感じていたが、学生数が増えれば大学や地域の活性化につながる。これを機によい風向きになれば」と前向きに捉えていた。

 1期生でアイスホッケー部の初代主将だった新谷昌洋さん(37)=日新町=は「新聞で知り、ショックだった。これからOB会のメンバーとも存続に向けて協力していこうと話していた。苫小牧駒沢大学がなくなるのは寂しい。広大な土地を生かし、スポーツ面にも力を入れてほしい」と話していた。

 短大時代から約20年にわたり、社会福祉の非常勤講師を務めた、緑星の里の森岡永吾名誉理事長(83)=柳町=は、「就職に直結しない学部だったため、学生集めが難しかったのでは」と分析。看護学部創設の構想には「医療や福祉は現場のニーズがある。実現すれば大学が大きく発展できる」と期待を寄せた。

 一方で、現役の教職員には不安と動揺が広がっている。教職員は、移管する18年3月末付で駒沢大学を解雇された後、京都育英館が雇用するとしているが、ある教職員は「駒沢大学は運営から手を引くので、『雇用を維持する』と言われても不安は残る」と表情を曇らせた。

 学生数の減少と経営難を受け、存続に向けてさまざまな団体が支援を続けてきた。苫小牧商工会議所(宮本知治会頭)では、市内の経済人から業界動向や経営について講義する「地域経済論」の講義への協力を控えていた矢先といい、宮本会頭は「大変驚いている。『親に負担をかけずに進学できる』という、大学誘致当初の原点に立ち返り、地域の人が学べる大学として再出発してほしい」と地域密着型の大学としての再生を願う。

 市議会5会派で構成する苫小牧駒沢大学を支援する議員の会の岩田典一会長(64)=豊川町=は、「市民の税金も使った大学が残り、安心した。駒大苫小牧高校を卒業しているので、駒沢の名に愛着があり、名前が変わるなら残念。今後も協力の仕方を模索していきたい」と継続的に支援する方向で考えている。

 16年3月には、東胆振・日高地域に唯一の4年制大学を残そうと、苫小牧駒沢大学と共に歩む市民の会が発足。津川義信会長(81)=明徳町=は「移管後も会の活動は続くと思う。今も会員が増えており、約240人に上る。大学周辺にとどまらず関心の高さを感じているので、よい方向に変わってほしい」と期待する。

 同大学は、27日付で保護者者宛てに文書で移管を通知しており、1月中に学生向けの説明会を開くとしている。

2017年01月26日

札幌大学の「未払賃金支払等請求事件」訴訟の結審における意見陳述

酪農大はやっぱり素晴らしい!
 ∟●札幌大学の「未払賃金支払等請求事件」訴訟の結審における意見陳述

札幌大学の「未払賃金支払等請求事件」訴訟の結審における意見陳述

 札幌大学の教授13人が「賃金引き下げは無効」を訴えて、2013年9月に札幌大学を提訴した裁判が、2017年1月12日に札幌地方裁判所で結審(すべての審理を終了すること)となりました。この日、原告側を代表して、八鍬幸信先生が意見陳述を行いました。その内容は、格調が高く心を打つものでした。そこで、本ブログにも掲載し、真摯に教育を行なおうとして闘っている仲間の想い・姿勢を共有したいと思います。

 意見陳述書の掲載を許可して下さった札幌大学の八鍬先生はじめ原告団の皆様に感謝申し上げます。裁判の概要は以下の通りです。なお、この裁判は、3月30日(木)11:00から札幌地裁で判決が下されます。傍聴しましょう!

【裁判の概要】

 定年の引き下げ(70歳から65歳に)に伴う賃金引き下げが、労使協定で合意していた額(800万円)からさらに大幅に低い額(480万円)に、一方的に引き下げられた事に対する裁判です。(提訴は2013年7月18日付)

 訴えたのは、札幌大学の教授(66~69歳の男女13人、後に1名追加)で、詳しい提訴理由は以下の通りです。

 「われわれ原告は、本学の勤務延長制度に係り2013年4月から突然一方的に実施された任用対象年齢及び校務分担の区分廃止、休職規程廃止、定年年齢経過措置に伴う暫定措置廃止、大幅な賃金切り下げ(年俸額800万円から480万円への減額)などが、すべて違法無効であることの公正な判断を求めて、同年7月、札幌地方裁判所に訴えを起こしました。本訴訟は、労働協約違反ならびに労働条件の一方的不利益変更を糾すものであることはもちろん、本学が創設以来これまで蓄積してきた知的資産を将来に向けて継承し、有為な人材の育成を図るための健全な職場環境の構築を目指し、勤務延長教員有志の義憤の発露としてまったく自然発生的に惹起されたものでありました。」(「原告の会」代表から発信された証人尋問への傍聴要請文(2016年9月25日付)より)

*********************************************

2017年(平成29年)1月12日

原告「意見陳述書」

八鍬幸信

 私たち原告は、2013年4月から突然一方的に改定施行された、本学の勤務延長制度に係る「勤務延長任用規程」、「任用基準内規」、「給与支給内規」がすべて違法無効であることの公正な判断を求めて、同年7月札幌地方裁判所に訴えを起こしました。とりわけ、800万円から480万円への減額という大幅な年俸額切り下げは、勤務延長制度の導入に伴う1千数百万円から800万円への不利益変更に続く更なる不利益変更として、到底容認できるものではありませんでした。

 この裁判は、直接的には逸失した労働条件を回復するための闘いでありますが、合わせて,本裁判の究極の目標は、有為な人材の育成・輩出に資する健全な職場環境の構築を目指して日夜奮闘している本学教職員の尊厳を断固守りつつ、社会にかけがえのない高等教育機関としての札幌大学の維持発展を目指すところにありました。

 この裁判が始まって以来、この1月でほぼ3年半を迎えようとしております.この間、我々原告は、30数回に及ぶ会合を重ね、真剣に意見交換を行って参りました。原告14名が一体となって闘いを継続できた背景には、本学の知的財産を後世に残したいという共通の意志・思いはもとより、被告に対する原告の根強い不信感が通奏低音として流れていたのではないかと推量されます。この点について、「和解協議の過程」と「札幌大学の統治組織」という2つの観点から言及しておきます。

 第1に、われわれ原告は、和解協議の過程に関し被告に対して大いなる不信感を抱かざるを得ませんでした。

 2016年2月に、札幌地方裁判所から,原告と被告双方に対して和解協議に係る打診がありました.私たち原告は、本学の将来を憂いまた係争の早期決着を願い譲り合えるところがあれば譲り合おうとの考えの下、勤務延長教員の権利が私たち原告だけでなく、すべての勤務延長教員さらには今後勤務延長に入る教員にも同様に保障されるべきことを第一義と考え、原告全員一致の下に被告との和解協議に臨みました.そして「このことが明確に保障されるのであれば、賃金の減額については一定の譲歩も止むなし」と判断しました.私たち原告は、担当裁判官が示した枠組みに沿いつつ、12項目からなる和解協議案を作成し、合意形成に向けて真摯に努力を重ねました.しかしながら被告の対応は到底納得できるものではありませんでした.すなわち、第1に2013年4月の「勤務延長任用規定」,「任用基準内規」及び「給与支給内規」の規程改定手続きの瑕疵について謝罪はしない、第2に和解により成立するであろう新しい「給与支給内規」については、原告以外の勤務延長教員に対しては原告らと同じ取り扱いをしないと主張して、この和解協議の核心部分の受け入れを全面的に拒絶したのでした.そして不払い賃金については、原告のみを対象に、しかも減額して支給するという驚愕すべき内容でした.

 被告のこのような頑なな態度はまったく受け入れ難く、私たち原告は、和解による解決は望めないと確信し、やむなく和解協議を諦め、判決を仰ぐことを決意しました。

 その約半年後、裁判所から2度目の和解協議の提案がありました。本提案に対しましても最初のときと同様の趣旨に則って協議に応じました。

 まず、この2度目の和解協議の最初の局面で、われわれ原告は和解条項9項を削除した和解案の受け入れを迫られました。この9項は、次のことを求めるものでした。

 一、和解により改正されることになるであろう教員勤務延長任用に関する給与内規について、和解成立後5年間、教員に不利益に賃金額を変更しないこと。

 一、就業規則、賃金規程、教員勤務延長任用規程等いかなる名目でも、賃金額において前記給与支給内規と抵触する別規定を制定しないことを相互に確認すること。

 われわれ原告としては、この条項を削除した和解案は到底受け入れられるものではなく、和解を諦め、判決を求めることとしました。

 次いで、われわれ原告が和解条項9項の削除を拒否すると、被告は、その場で、もともとの和解協議案の条項すべての受け入れを申し出て参りました。

 ここで丸呑みするなら、どうして最初の和解協議において受容できなかったのか。われわれ原告には、被告の態度は原告を愚弄するものであり、ひたすら原告の分裂を待つべく時間稼ぎをしているかのごとくに見えたものでした。

 第2に、われわれ原告は、教育・研究機関としての札幌大学における統治の在り様に対して大いなる不信の念を抱かざるを得ませんでした。

 教育・研究環境の改善のためには、われわれ教職員の労働条件や職場環境の改善が重要な課題の一つと考えます。しかし、われわれ原告は、教授会に直接参加することによって意思表明を行う機会が封じられているという、今日の本学における教学組織のガバナンスの在り様に深い失望の念を禁じ得ないところでした。具体的には次のようなことです。

 一つ、この裁判の重要なポイントでもありましたが、勤務延長制度の周知に関し、教学組織の最高責任者としての学長から納得のいく説明を受けたことはありませんでした。

 一つ、私たち勤務延長者は勤務延長期における担当科目について、教授会を含む然るべき教学組織を通じて意見表明する術を持つことが今日に至るもできないでおります。

 一つ、勤務延長期における校務分担について異議を然るべき教学組織を通じて表明する術を持つことができませんでした。

 一つ、本学の教員は、改正寄付行為の下で、「教育職員」と括られ、教育・研究に携わる専門教授職としての社会的立場をないがしろにされております。

 こうした教学組織の統治体制の下でわれわれ勤務延長者が教育研究職としての社会的立場を守り抜くためには、裁判に訴えるしか途はなかったのです。

 私は、この3月で札幌大学を退職いたします。昭和58年4月に本学に職を得てこの30数年間、経営学ならびに情報学分野の教育・研究に携わって参りました。この退職の年度に原告として、判決を待つ境遇に立ち至るとは、入職当時には想像だにしませんでした。こうした思いを残した勤務延長者が、来年度以降も生まれてくる状況というのは慙愧に堪えません。

 札幌大学創設以来,約半世紀が経とうとしています.私たち原告は,本裁判が一刻も早く終結し、本学がこれまで営々と蓄積してきた知的財産を将来に向けて継承していくために、本学関係者が一丸となって闘いのスタートラインに立てる日が訪れることを切に望んでいるところであります。この点を最後に申し述べ、意見陳述に代えさせていただきます。

以上

2017年01月25日

宮崎大学不当処分事件ならびに都留文科大学不当解雇事件について

 2012年,宮崎大学が事実無根の「セクハラ」を理由に,退職した教員の退職金を支給しなかった事件について,最高裁は2016年10月18日宮崎大学の上告を棄却した。これにより40代教員の完全勝訴が確定した。

 なお,宮崎大学は,一審判決を変更した福岡高裁宮崎支部の控訴審判決(2015年10月21日)を不服とし,上告していた。

 また,この事件では,同じ事案を理由に,都留文科大学が2012年に同教員を不当解雇している。この不当解雇事件についても,すでに,東京地裁立川支部は,2014年4月21日解雇無効の判決を下している。

 宮崎大学及び都留文科大学の両大学から不当な処分を受けた事件について,当事者の教員から簡単ではあるが,正確な経過と事実についてのコメントが寄せられた。以下,それを紹介する。(2017年1月24日,ホームページ管理人)

 宮崎大学がセクハラ等を行ったとして40代元教員を懲戒解雇相当とした事件について、平成28年10月18日最高裁の判決が出た。大橋正春裁判長は宮崎大学の上告(宮崎大学は福岡高裁で敗訴したため上告)を棄却し、40代男性の完全勝訴が確定した。福岡高裁では、宮崎大学の主張がすべて否定され、40代男性に対し、退職金に加え慰謝料も認められる判決を出している。

 なお、この裁判に関しては、宮崎大学に証拠保全(立ち入り調査)が裁判所職員立ち会いのもと行われ、会議録や職員のパソコンなどが調べられた。学生ではなく事務員のパソコンで懲戒解雇相当を決定する会議の直前に作成された(学生の署名もない)ハラスメント申立書や、争点となった卒論の本人調査が懲戒解雇相当を決定する前には行われていない(卒論作成者本人から聞く前にその卒論を名目に懲戒解雇相当を決定している)資料等が見つかっている。また、問題になった卒論を書いた学生は、40代男性のゼミとは全く関係ない他学科の学生で指導教員(T教員)が別にいた。さらにハラスメント申立者として記載されていた学生(実際申し立てたかも不明)は、問題になった卒論とは全く無関係な人物ばかりで、40代男性と全く面識のない学生も含まれている。ハラスメント調査を中心的に行った女性教員が数回にわたり行った上への虚偽報告がすべてのもとになっていることが伺えた。

 都留文科大学は、無実の人をハラスメントがあったと報道されただけで解雇したのである。


2017年01月23日

常葉大学教員の解雇は無効 「報道後に懲戒規定を制定。地裁判決」

朝日新聞(2017年1月21日)

常葉大学教員の解雇は無効 「報道後に懲戒規定を制定」 地裁判決

 補助金の不正受給を内部告発し、学校法人常葉学園に解雇されたとして、同学園の男性教員(43歳)が職員としての地位保全を求めた訴訟で、静岡地裁(関口剛弘裁判長)は20日、「補助金の需給が課題であったことが報道された後に学園は懲戒規定を制定し、懲戒解雇をした」などと認定し、男性教員の懲戒解雇は無効とする判決を言い渡した。
 判決などによると、男性は2012年、同学園の補助金過大受給の内容を捜査機関などに通報しないように強要されたなどとして、当時の短大学長らを強要罪で静岡地検に刑事告訴。同年12月学長らは不起訴処分となった。一方で、常葉学園は01~04年度に常葉大学短期大学部(旧常葉学園短大)の授業を教授の身代わりに助手が担当し、補助金を過大に受給していたことを認めた。学園は、男性の刑事告訴が「学園の名誉または信用を害した」という就業規則の懲戒解雇条件に当たるとして15年2月に男性の懲戒解雇を決定。男性は懲戒解雇の無効と未払い賃金の支払いなどを求めて学園を提訴していた。
 関口裁判長は男性は告訴を外部に公表したわけではなく、「学園の名誉や信用が害されたと認めるには至らない」と指摘。「(*補助金不正受給公益通報の)問題が大きくなるのを防ぐために(懲戒解雇を)性急に行った」と認定した。一方で虚偽の事実に基づいて懲戒解雇の判断がされたなどとする原告側の主張は退けた。
 常葉学園は判決を受けて「原告の地位確認が認められたことは極めて残念」とするコメントを発表した。(宮廻潤子)


2017年01月21日

常葉学園告訴で懲戒解雇、准教授の地位認める 地裁判決

毎日新聞(2017年1月21日地方版)

 補助金の不正受給を内部告発した常葉大短期大学部の男性准教授(43)が、別の理由で懲戒解雇されたのは不当だとして、運営する学校法人常葉学園(静岡市葵区)を相手取り、地位確認と慰謝料300万円などを求めた訴訟で、静岡地裁(関口剛弘裁判長)は20日、准教授の地位を認め、同学園に未払い賃金約900万円の支払いを命じた。ただ慰謝料の請求は退けた。

 准教授は2012年12月、短大部が補助金を過大受給していると内部通報した。一方で准教授は、実態を調べていた同学園側から脅迫を受けたとして、学園理事らを静岡地検に刑事告訴したが、13年に不起訴処分になった。同学園は15年2月、告訴により名誉を傷つけられたとして、准教授を懲戒解雇した。不正受給については、同学園は14年2月、480万円を過大受給していたと発表している。

 関口裁判長は判決理由で「解雇処分は内部通報の報復とまではいえないが、刑事告訴はマスコミなど外部に公表しておらず、就業規則に定める懲戒解雇理由には該当せず無効」と指摘。一方「違法な解雇」として慰謝料を求めた点は「不法行為は成立しない」として認めなかった。

 判決後に記者会見した准教授は「主張の7割が認められた」と話した。常葉学園の木宮岳志常務理事は「原告の地位が認められたことは残念。弁護士と相談し今後の対応を決める」とコメントした。


福岡教育大学の「天下り問題」にもメスを入れよ!

福岡教育大学の学長選を考える会

【福岡教育大学の「天下り問題」にもメスを入れよ!】
 
 「やはりそうか」。このような気持ちの皆さんも多いと思いますが、いやー…それにしても、文科省幹部の組織的天下りには驚きました。報道によれば、早稲田大学に天下りをしたのは、元高等教育局長の吉田大輔氏のようですが、この方、先に「学校教育法」の改悪を行って教授会の力を殺いで、学長に権力を集中させるシステムを作った責任者の一人のようです。
 
 寺尾氏は、このようにして文科省が作り上げた学長への権力集中のシステムを利用して、福岡教育大学の学長として強大な権力を手にし、学内の教職員の皆さんの言論を封殺し、ほしいままに大学を動かしてきました。このことから文科省に「恩」を感じた寺尾氏は、多くの文科省幹部の天下り(理事1名、副学長1名、局長1名、教授1名)を受け入れ、一方、寺尾氏の「忠義」を意気に感じた文科省は、寺尾氏が学長任期満了後もそのまま「副学長」として大学に居坐り続けるという「異常な人事」を認めました。
 
 文科省の「天下り問題」をめぐっては、私立大学だけではなく、国立大学法人や文科省所管の独立行政法人などへも調査のメスを入れるべきではないでしょうか。「国立大学運営費交付金」「補助金」「助成金」の配分に係る権限をちらつかせて、資金獲得で優位に立ちたい大学側に便宜供与をさせるというやり方は、極めて悪質です。これでは日本の高等教育が官僚の利権争奪戦により歪められてしまいます。 
 
 今回の事件により、「福岡教育大学問題」の背後にある、文科行政の「深すぎる闇」を見た気がします。健全な感覚をお持ちの市民の皆さん、まずは、我々にできることとして、福岡教育大学の問題解決のために頑張りましょう。

常葉大の懲戒解雇は無効の判決

静岡放送(2017年1月20日)

静岡市にある常葉大学短期大学部の補助金不正受給問題を内部告発し、大学側から懲戒解雇処分を受けた男性准教授が、処分は不当だとして大学側を訴えていた裁判で、静岡地方裁判所は「懲戒解雇の事由に該当しない」として大学側に対し、解雇処分の無効と未払い賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
常葉大学短期大学部の43歳の男性准教授は学内の補助金不正受給問題を調査していた平成24年、「大学関係者から脅迫された」などとして3人を刑事告訴しましたがいずれも不起訴となりました。
その後、男性は不正受給問題を内部告発しましたが、おとしし、「大学の秩序を乱し、名誉を害した」などとして大学側から懲戒解雇処分を受けたため、解雇は不当だとして処分の取り消しなどを求める訴えを起こしていました。
20日の裁判で静岡地方裁判所の関口剛弘裁判長は、「准教授の行為が大学の名誉を害したとは認められず、懲戒解雇の事由に該当しない」などとして大学側に対し、解雇処分の無効と未払い賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
判決のあと、男性准教授は会見を開き、「解雇の無効が認められるたことは評価している。内部告発した人間をいきなり解雇して、生活の基盤が奪われたことに憤りを感じている」などと話していました。
一方、大学を運営する常葉学園は「原告の地位確認が認められたことは極めて残念に思います。判決文を熟読して弁護士と相談した上で今後の対応を検討します」とするコメントを出しました。

2017年01月18日

明治学院大学事件、盗聴される授業 検閲される教科書

■寄川条路「盗聴される大学の授業」

相手に知られることなく無断で会話や電話を録音する「秘密録音」が社会に急速に広がっている。「クローズアップ現代」で特集された「広がる〈秘密録音〉社会」が、いまでは、会社や家庭を超えて学校にまで入ってきた。

大学の授業も例外ではない。熱心な学生が復習のために授業を録音するのではない。休んだ学生のために録音するのでもない。そうではなく、教授が何を話しているのかをチェックするために、大学が授業を録音するのだ。

大学では、教室にこっそり忍び込んで、学生に気づかれないように授業を録音して、教員を処分するための証拠に仕立て上げる。録音資料は本人のいないところで使用し、だれが録音したのかはわからないように隠しとおす。

先生たちは、自分の授業が録音され、ほかの先生たちに聞かれているのではないかと、おびえながら授業を進めていく。教員同士の信頼関係はくずれ、そこに学生たちも巻き込まれていく。

特定秘密保護法に反対して声を上げた学生たちがいた。安全保障法案に反対して国会を包囲した学生たちがいた。「シールズ」が誕生した、まさに同じ大学で、授業が盗聴され、録音資料が使い回されている。

大学の講義を盗聴しても、秘密録音しても、録音テープをかってに使用しても、何とも思わない大学教授の集団が、体制に順応し、組織を守り、規則に従い、国家に奉仕する、そうした模範的な青年を作り上げていく。

標的とされるのはまずは思想系の教員で、哲学や倫理学を担当する教員が大学から排除される。空いたポストに実務経験者が学長推薦で採用され、就職のための教育を施す。

実務教育に馴らされた学生たちは、飼育されて去勢され、りっぱな大人となって社会へ送り出されていく。異様な光景を見た若い先生は別の大学に移っていき、ベテランの先生はうつ病で辞めていく。こころの病で休んでいる先生は大学にも多い。

かつて、授業の盗聴をめぐって裁判があった。録音資料をもとに教員を解雇した学校は違法ではないと主張し、解雇された教員は違法だと主張した。裁判所の判決は、教員の同意なく授業を録音することは適切な手段ではなく、そのようなことをすれば、「教育の自由の空気」が失われ、「教員の授業における自由および自主性」も損なわれるから、不当な支配に当たるというものだった。

まっとうな判決だが、ことは法律の問題だけではないだろう。

授業を盗聴しても秘密録音しても、録音資料を無断で使用しても、まったくかまわないと開き直る大学人もいる。だが、信頼関係を確立すべき教育の場では、授業を隠れて録音するようなことはやめるべきだ。

いつだれがどこで自分の声を録音しているのかわからない。大学のキャンパスからは、雑談や世間話をする声が消えてしまった。教室とは盗聴とか秘密録音とかをするところではなく、安心して教員と学生が自由に議論のできる場でなければならない。

寄川条路

NY州が公立大無償化へ 全米初、最大100万世帯に恩恵

AFP(2017年01月04日)

【1月4日 AFP】米ニューヨーク(New York)州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は3日、全米で初めて中低所得世帯の学生を対象に公立大学の授業料を無償化する計画を発表した。大学無償化は昨年の大統領選に向けた民主党の候補指名争いでバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員が公約として掲げていた。

 民主党のクオモ知事は記者会見で「今日、成功するためには大学教育が欠かせなくなっている」と述べ、米国の大学生が平均で3万ドル(約350万円)の負債を抱えている現状に言及した。

 その上で「エクセルシオール(Excelsior)」という大学奨学金制度を始めると発表し、2017年度から世帯年収10万ドル(約1200万円)以下の学生を対象に授業料無償化を目指すと明らかにした。2018年度からは対象を同12万5000ドル(約1500万円)以下に広げたい意向も示した。

 クオモ知事は「このような制度は米国初であり、この国の目を覚ますものになるはずだ」と強調した。

 対象は最大で100万世帯に上る見通し。年間の経費は1億6300万ドル(約190億円)と見積もられているが、クオモ知事は財源の詳細は明らかにしなかった。計画はまだ州議会で承認されていない。

 ニューヨーク州立大学(State University of New York)やニューヨーク市立大学(City University of New York)といった高い評価を得ている州内の大学の場合、年間授業料は6500ドル(約77万円)を超えることもある。

 コーネル大学(Cornell University)やコロンビア大学(Columbia University)、ニューヨーク大学(New York University)といったニューヨークで最も名高い大学は私立であるため、今回の無償化計画の対象外になるとみられる。

 将来の大統領選出馬を視野に入れているとされるクオモ知事の会見にはサンダース議員も同席し、計画に祝意を示した。

2017年01月07日

サイト紹介、「東薬大をよりよくする会」東京薬科大学今西理事会がもくろむ「大学オーナー化」を阻止し、民主的伝統を守ります。

「東薬大をよりよくする会」

東京薬科大学今西理事会がもくろむ「大学オーナー化」を阻止し、民主的伝統を守ります。

卒業生評議員選挙の投票後に突然理事選任法を変更することは、投票した有権者に対する裏切り行為です。大学理念に基づき、「公正さ」と「信頼」を基調とする大学運営に戻します。

私たちが目指すもの

私たちが目指すもの

平成27年12月18日

学内の教職員の皆様へ

大学法人22期評議員有志
大学法人22期理事有志

1. 民主的伝統を守ります

 本学は長い間、卒業生と教職員の代表者で大学を運営するという、オーナー大学にはない、誇れる伝統を守ってきました。卒業生と教職員の声を反映するため、両者から半分ずつ評議員を投票で選び、評議員の投票によって理事、そして理事長を選んで学校運営を進めてきました。私たちは、一部の人たちによる独善的な大学運営は好ましくないと思っています。

2. 大学の理念を念頭に大学運営を行います

 大学の理念は「ヒューマニズムの精神に基づいて、視野の広い、心豊かな人材を育成し、薬学並びに生命科学の領域にて、人類の福祉と世界の平和に貢献します」です。人と人の関係において最も大切なことは信頼関係です。人を育てる教育機関である本学においては、その重要性は強調され過ぎることはありません。今西理事会は卒業生評議員選挙が終了して、自らが不利になることが判明した9月15日に突如「絶対に負けない」と自ら豪語する理事選出法を決定しました。その後の臨時理事会においても、学部長任用規程や学部独立採算といった大学運営の根幹にかかわる重要案件を評議員会への諮問もなしに次々と強行決定しています。私たちはこのような姿勢に反対し、「公正さ」と「信頼」を重んじた大学運営が必要と考えています。

3. 安心して教育と研究に専念できる大学を目指します

 今西理事会では過去に例がないほどの懲戒委員会が開催されてきました。また始末書の提出も多数求められたと聞いています。教職員の採用、異動ならびに昇任・昇格等の人事の正当性に多くの疑問があります。多くの教職員が不安をかかえ、そして萎縮していることを私たちは教職員等の訴えから知りました。私たちは安心して教育と研究に専念できる大学、仕事に充実感をもてる職場環境作りを目指します。

4. 台東区(旧坂本小学校跡地)への大学の一部移転に反対します

 台東区(旧坂本小学校跡地)への移転問題は、自治体の借地公募に応募しているものの、その内容については一部の人しか知らず、理事会の中ですら公開されていないことです。予算的裏付け、教育内容、教員の配備計画などがまったく議論されていません。大学の将来に関わる計画は、広くその情報を公開し議論しなくてはなりません。今西理事会は、大学の一部都心移転や附属薬局設立を目論み、教育研究支出を大幅に削ってきました。「平成28年度予算編成の基本方針について」では、「平成27年度は、教育研究支出を大幅に削減した」と今西氏自ら認めています。私達は、まず現在の学生・教職員にできるだけ充実した教育・研究環境作りを推進すべきと考えています。八王子移転後の本学施設は様々な修繕が必要となっており、その対処は最優先課題です。適切な教育研究経費の運用を図り、充実した教育・研究環境作りに努力します。

以上

第22期学校法人東京薬科大学評議員選任選挙の経緯ならびに理事選任結果、
理事の地位確認等の裁判結審までの経緯について

平成28年9月吉日

東京薬科大学卒業生ならびに教職員各位

東京薬科大学卒業生有志一同

仲秋の候、卒業生ならびに教職員の皆様におかれましては、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。また、卒業生の皆様におかれましては、第22期卒業生評議員選挙(平成27年9月1日開票)の際には多大なご協力とご支援を賜り、心より厚くお礼申し上げます。

ここでは、東京薬科大学の卒業生ならびに教職員の皆様に、第22期学校法人東京薬科大学評議員選任選挙の経緯ならびに理事選任結果、理事の地位確認等の裁判結審までの経緯について、公平で正しい情報をご提供申し上げる所存です。

なお、第22期評議員33名は、平成27年10月1日より東京薬科大学ホームページに掲載されています(https://www.toyaku.ac.jp/about/foundation/officer) 。

経緯の概要

昨年、第22期卒業生評議員10名の選挙が行われ、第21期理事長である今西信幸氏及び同氏と意を同一にする理事ら(以下、併せて「今西氏ら」といいます。)の経営方針に疑問を呈する候補者10名全員が当選する結果となりました。これに対し今西氏らは、引き続き経営権を掌握するため、選挙結果が出た後に自らに有利な評議員理事の選任方法に変更するという強硬手段に出ました。しかし、評議員会では今西氏らの選任方法は否決され、評議員会の議決に基づいて7名の評議員理事が選任され、同7名を中心とする理事会の発足をみました。もっとも、今西氏らは評議員会の決議は無効と主張し、理事長の職から退くことを拒否し続けたため、監督省庁である文部科学省とも相談し、話し合いによる解決を試みましたが、今西氏らが全く応じないことから、やむなく、楠文代氏ほか7名が事態を解決するべく、平成27年12月、東京地方裁判所立川支部に対して訴訟を提起いたしました。裁判では、裁判官が行う審議(期日)が5回開催され、判決は平成28年11月21日に下されます。

以下、詳細な経緯をお知らせ申し上げます。

第22期評議員選挙と評議員会決議について

平成27年9月1日の第22期卒業生評議員選挙開票後の平成27年9月15日の第21期理事会において、今西氏らは、本学の第22期評議員理事(定数7名)の選任方法を急遽提案し、新たなルールを定めました(寄付行為施行細則の変更)。

新たなルールの内容は、概ね次のとおりです。

 ① 評議員の中から評議員理事立候補者を募る。

 ② 立候補には他の評議員3名以上の推薦人を必要とする。

 ③ 立候補者は他の立候補者の推薦人となることはできない。

 ④ 推薦人となった者は立候補することはできない。

 ⑤ 推薦人は複数の立候補者の推薦人となることはできない。

この新たなルールは要するに、評議員4人を1組にして1名の評議員理事を選任するもの(4人1組制)ですが、従来の評議員理事選任方法とはまったく異なるものです。

従来行われてきた評議員理事選任方法は、概ね次のとおりです。

 ① 評議員会にて、評議員理事候補者を推薦する(複数名を推薦できる)。

 ② 評議員1人が7票の投票権を持ち(7名連記方式)、評議員理事候補者に投票する。得票数の多い者から順に評議員理事とする。

この従来行われてきた評議員理事選任方法は、評議員会全体の中で多数の支持を得た者が評議員理事に選任される方法であり、本学が、歴史的に評議員(特に卒業生評議員)を中心にして民主的な経営が行われてきたことと整合するものです。

これに対して、今西氏らが平成27年9月15日の理事会で突如定めた新ルールでは、1人の評議員理事候補者は3名の評議員の推薦が得られれば評議員理事になることができます。この新たなルールは、「東京薬科大学卒業生有志一同」としては次のような多くの問題を含んでいると考えています。

① 9月1日に卒業生評議員選挙の結果(総数10議席:今西氏ら派0議席に対し、反今西氏ら派10議席)が出た後に突如新たに定められたものであり、5月11日に学校法人東京薬科大学評議員選任選挙管理委員会より公告された規定にはなく、卒業生等に何ら周知手続がとられていなかったこと。

② 今西氏らは、卒業生評議員選挙において、第21期の現職常務理事も含めて、自派の候補者が全員落選する結果となった。評議員会において少数派となることが確実視された今西氏らが、理事会においては多数派となり本学の経営権を掌握するため、自派から評議員理事数名を確保することを目的として、新たなルール(4人1組制)を採用したものと考えられること。今西氏は平成27年9月15日の理事会においてそのことに言及している(録音データあり)。

③ 本学の寄附行為注)第6条(理事の選任)の第1項第3号において、評議員理事は「評議員のうちから評議員会において選任」すると定められているところ、新たなルールは評議員会が関与することなく、一部の評議員のみによって評議員理事を選任するものであり、寄附行為に抵触すると考えられること。

④  今西氏らは、新ルールは評議員理事を「評議員会において選任」することと変わりないと主張しているが、立候補や選挙の方法を理事会で恣意的に定め、評議員会に強制することができるのであれば、それは寄附行為第6条(理事の選任)の第1項第3号を死文化することと同義であり、寄附行為上許されるものではないと考えられること。

  注)寄附行為:法人の根本規則のこと。企業でいう定款に相当する。

この内容は後述する裁判(東京地方裁判所立川支部平成27年(ワ)第2775号理事長及び理事の地位確認等請求事件)の争点であり、同裁判において反今西氏ら側が提出した訴状、第1~3準備書面の各書面をご覧頂ければ、争点と反今西氏ら側の主張の正当性をご理解頂けるものと思います。

他にも種々の問題はありますが、主として上記の点から、東京薬科大学卒業生有志一同とそれに賛同する第22期評議員21名は、新たな評議員理事選任ルールは寄附行為等に反する違法無効なものであると考えています。

実際、平成27年10月20日に開催された第22期第1回の評議員会(議長 多賀谷光男氏、副議長 小畑美和子氏)においては、新たなルールは否決され、評議員会の総意として、従来の方法で評議員理事を選任することが決議されました。

この決議は、全評議員33名のうち21名の賛成の下に行われたものであり、寄附行為上要求される評議員会の定足数(17名以上)を満たしており、その有効性に疑義はありません。

同評議員会決議の結果、次の7名が評議員理事として選任されました。

敬称略

楠    文 代
西 川    隆
安 田  一 郎
小野田  順 子
平 塚    明
肥 田  義 光
山 田  純 一

しかし、今西氏らは、同評議員会の決議を認めず、評議員理事は未選出であるとし、第21期の任期付きの理事の任期が満了した平成27年10月29日以降も、依然として自身らが理事である旨の主張をしました。

第22期理事会の開催と決議事項について

他方、平成27年11月17日、上記第22期評議員理事7名に深見希代子生命科学部長を加えた8名の招集及び出席により、第22期理事会が開催され、概ね、次の内容の決議が行われました。

1. 今西信幸氏の理事長職からの解任。
2. 楠文代氏の理事長選任。
3. 今西信幸氏が理事の地位を失うこと。
4. 内野克喜氏が理事の地位を失うこと。
5. 伊東晃氏が理事の地位を失うこと。
6. 太田伸氏が理事の地位を失うこと。
7. 評議員理事選任方法を定める新たなルールが無効であること。
8. 今西氏らが定めた学識理事選出の取り決めを撤廃すること。
9. 松本有右氏を学識理事に選任すること。
10.原博氏を学識理事に選任すること。
11.石射正英氏を監事に選出すること。
12.鈴木芳美氏を監事に選出すること。
13.矢島毅彦氏を監事に選出すること。

その後、楠文代氏が第22期評議員会を招集し、平成27年11月28日、同評議員会が開催され、第22期監事3名の選出の同意を得た後、楠文代氏により、同3名が監事に選任されました。

第22期役員として真に認められるべき方々は、次のとおりです。なお、平成27年12月14日に開催された第22期第2回理事会において、常務理事2名の選任も行われています。

理事(敬称略): 
笹 津  備 規 (学長理事)
大 野  尚 仁 (薬学部長理事)
深 見  希代子 注)(生命科学部長理事)
楠    文 代 (評議員理事・理事長)
西 川    隆 (評議員理事)
安 田  一 郎 (評議員理事・常務理事)
小野田  順 子 (評議員理事)
平 塚    明 (評議員理事)
肥 田  義 光 (評議員理事)
山 田  純 一 (評議員理事)
松 本  有 右 (学識理事・常務理事)
原      博 (学識理事)
監事(敬称略): 
石 射  正 英
鈴 木  芳 美
矢 島  毅 彦

注)生命科学部長は職権理事であるため、現在は都筑幹夫生命科学部長が理事の地位にあります。

訴訟の提起等について

もっとも、今西氏らは、未だ理事長・理事の地位にある旨主張し続けています。

楠文代氏から今西氏らに対しては、理事長室の明渡し、大学印や理事長印の引渡し、本学職員への引継指示等、第22期への引継を求め、さらに文部科学省からの指導も受け、話合いにより解決を図ることも申し入れましたが、今西氏らにはこれらも拒否されました。

東京薬科大学卒業生有志一同とそれに賛同する第22期評議員21名としても、それまで大学内外に生じる混乱を最小限にすべく努力してきましたが、今西氏らが話合いによる解決を拒否し、最早当事者間のみでは解決することが困難な状況となったことから、やむなく、楠文代氏ほか7名が事態を解決するべく原告となり、平成27年12月11日、東京地方裁判所立川支部に対して正式に訴訟を提起いたしました(平成27年(ワ)第2775号理事長及び理事の地位確認等請求事件)。

 その提訴の内容は以下のとおりです。

1. 楠 文代氏が、理事長の地位にあることを確認する。
2. 楠 文代氏、安田一郎氏、小野田順子氏、西川隆氏、肥田義光氏、山田純一氏、平塚明氏及び松本有右氏が、理事の地位にあることを確認する。
3. 今西信幸氏が、理事長の地位にないことを確認する。
4. 今西信幸氏、内野克喜氏、伊東晃氏、太田伸氏、木村正人氏、須藤尚義氏及び山村喜一氏が理事の地位にないことを確認する。

その後、裁判官が行う審議(期日)が4回開催され、平成28年9月7日の第5回期日にて結審となりました。

この結審に至るまでには、第22期評議員理事7名らの地位を巡り、数件の保全事件が裁判所に係属してきました(東京地方裁判所立川支部平成27年(ヨ)第210号役員の地位を仮に定める仮処分命令申立事件、東京高等裁判所平成27年(ラ)第2105号役員の地位を仮に定める仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件、東京地方裁判所平成27年(ヨ)第20172号役員の地位を仮に定める仮処分命令申立事件、東京地方裁判所平成28年(モ)第40015号保全異議申立事件)が、既にその全てが終了し、現在は東京地方裁判所立川支部の判断を待つのみとなっています。判決は、平成28年11月21日13時10分に、東京地方裁判所立川支部404号法廷にて下されることとなっています。

なお、東京薬科大学卒業生有志一同において、平成27年10月20日評議員会議事録、平成27年11月17日理事会議事録等の資料、裁判に関わる一連の資料(訴状、第1~3準備書面等裁判において提出された書類)を保管していますので、ご希望の方は、いつでも閲覧して頂くことができます。

関係者各位におかれましては資料の閲覧等も含め、本件に関するお問合せは、下記のメールアドレスまでお願いいたします。

〒193-0944
東京都八王子市館町1097番地
担当事務局   : 松本有右
メールアドレス : y-matsu@pharma802.com

結  語

以上が第22期学校法人東京薬科大学評議員選任選挙の経緯ならびに理事選任結果、理事の地位確認等の裁判結審までの経緯となりますが、第22期理事会が適切に発足したことは疑う余地がないものと考えています。

ただ、東京薬科大学卒業生有志一同としては、今回の一連の紛争は、法的な主張に対する判断を得るのみで議論を終えて良い問題ではないとも考えています。

そもそも、東京薬科大学卒業生有志一同は、今西氏らの経営方針、特に全学的な議論もなく、不透明な検討過程のままに都心回帰を掲げてキャンパスの移転を断行しようとする姿勢や更なる附属薬局の開設に疑問を持ち、第22期評議員選挙に向けて立ち上がりました。様々な困難はありましたが、皆様の多くのご賛同を得て、評議員選挙には大勝したと断言することができます。

問題は、卒業生ならびに教職員の皆様からの支持を多く集めているとは断じて言えない今西氏らが、選挙に大敗し、政策的にも敗北しているにもかかわらず、恣意的に寄附行為施行細則を変更し、支持基盤のないまま長期政権を築こうとしているように思われる点です。

潔く退陣し、次回選挙に向けて再起を図るというのであれば理解はできますが、今西氏らの手法を認めれば、今後も、選挙の結果にかかわらず一部の者が本学の経営権を掌握し続ける結果となるであろうことは想像に難くありません。

本学は、伝統的に卒業生・教職員により、民主的な運営が行われてきた大学です。しかし、今、それが崩されようとしており、本学に対する強い危惧を感じざるを得ませんし、そのような事態を傍観することなど到底できません。

東京薬科大学卒業生有志一同としては、本学のあるべき姿を今一度見直し、卒業生ならびに教職員の皆様のご心配を解消するとともに、本学を一日も早く正常化し、東薬大のさらなる発展を図るためにも、第22期評議員会有志と一体となり、本件の解決に全力を注いで参る所存です。

また、第22期理事会も、本学が正常化された暁には、卒業生が誇れる伝統校としての地位を維持し、在校生とその指導と支援にあたる教職員のために、滅私奉公の精神でその経営にあたることを固く約束するものであります。

今後とも、卒業生ならびに教職員の皆様の変わらぬご理解とご協力、そしてご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
以 上

2016年12月29日

これはひどい! 広島大学原爆放射線医科学研究所、提訴の報復として原告教員の再任を拒否

パワハラ被害訴え
広島大学を提訴の准教授再任せず

■中国新聞(2016年12月29日)

 パワハラを受けたとして広島大学と教授を提訴している同大原爆放射線医科学研究所(広島市南区)の准教授(59)が、大学側から任期(7年)を更新せず来年3月で退職とする通知を受けたことが28日、分かった。
 准教授によると、通知は27日付。「研究活動を中心に総合的に評価し、再任不可」としている。
 准教授は、実験室から機器を撤去させるなどの嫌がらせを受けたとして、もう1人の准教授(当時)とともに2014年、同大と教授に損害賠償を求めて広島地裁に提訴。大学側は「研究スペースの配分を巡る上司の裁定に従わなかった」などと主張している。
 准教授は「実験ができず研究は滞ったが、授業や学会発表はしている。再任不可は恣意的で、提訴への報復ではないか」と話す。同大広報グループは「人事の個人情報にはコメントできない」としている。


2016年12月28日

オリバー・ストーン監督、米日韓加中英豪沖台の専門家など53名、真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状

Peace Philosophy Centre

真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状

2016年12月25日

親愛なる安倍首相、

安倍首相は先日、1941年12月8日(日本時間)に日本海軍が米国の海軍基地を攻撃した際の「犠牲者を慰霊する」目的で、12月末にハワイの真珠湾を訪問する計画を発表しました。

実際のところ、その日に日本が攻撃した場所は真珠湾だけではありませんでした。その約1時間前には日本陸軍はマレー半島の北東沿岸を攻撃、同日にはアジア太平洋地域の他の幾つかの英米の植民地や基地を攻撃しています。日本は、中国に対する侵略戦争を続行するために不可欠な石油や他の資源を東南アジアに求めてこれらの攻撃を開始したのです。

米日の開戦の場所をあなたが公式に訪問するのが初めてであることからも、私たちは以下の質問をしたく思います。

1) あなたは、1994年末に、日本の侵略戦争を反省する国会決議に対抗する目的で結成された「終戦五十周年議員連盟」の事務局長代理を務めていました。その結成趣意書には、日本の200万余の戦没者が「日本の自存自衛とアジアの平和」のために命を捧げたとあります。この連盟の1995年4月13日の運動方針では、終戦50周年を記念する国会決議に謝罪や不戦の誓いを入れることを拒否しています。1995年6月8日の声明では、与党の決議案が「侵略的行為」や「植民地支配」を認めていることから賛成できないと表明しています。安倍首相、あなたは今でもこの戦争についてこのような認識をお持ちですか。

2) 2013年4月23日の国会答弁では、首相として「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と答弁しています。ということは、あなたは、連合国およびアジア太平洋諸国に対する戦争と、すでに続行していた対中戦争を侵略戦争とは認めないということでしょうか。

3) あなたは、真珠湾攻撃で亡くなった約2400人の米国人の「慰霊」のために訪問するということです。それなら、中国や、朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の「慰霊」にも行く予定はありますか。

首相としてあなたは、憲法9条を再解釈あるいは改定して自衛隊に海外のどこでも戦争ができるようにすることを推進してきました。これがアジア太平洋戦争において日本に被害を受けた国々にどのような合図として映るのか、考えてみてください。

1. Ikuro Anzai, Professor Emeritus, Ritsumeikan University 安斎育郎、立命館大学名誉教授

2. Herbert P. Bix, emeritus professor of history and sociology, Binghamton University, SUNY ハーバート・P・ビックス、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校歴史学・社会学名誉教授

3. Peter van den Dungen, Formerly, Lecturer in Peace Studies, University of Bradford, UK, and general coordinator of the International Network of Museums for Peace ピーター・バン・デン・デュンゲン、元ブラッドフォード大学(英国)平和学教員、世界平和博物館ネットワーク総括コーディネーター

4. Alexis Dudden, Professor of History, University of Connecticut アレクシス・ダディン、コネチカット大学歴史学教授

5. Richard Falk, Albert G. Professor of International Law and Practice, Emeritus, Princeton University リチャード・フォーク、プリンストン大学国際法名誉教授

6. John Feffer, Director, Foreign Policy In Focus, ジョン・フェッファー、「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」ディレクター

7. Norma Field, Professor emerita, University of Chicago ノーマ・フィールド、シカゴ大学名誉教授

8. Kay Fischer, Instructor, Ethnic Studies, Chabot Collegeケイ・フィッシャー、シャボット・カレッジ(カリフォルニア州)講師

9. Atsushi Fujioka, Emeritus Professor, Ritsumeikan University 藤岡惇、立命館大学名誉教授

10. Joseph Gerson (PhD), Vice-President, International Peace Bureau ジョセフ・ガーソン、国際平和ビューロー副会長

11. Geoffrey C. Gunn, Emeritus, Nagasaki University ジェフリー・C・ガン、長崎大学名誉教授

12. Kyung Hee Ha, Assistant Professor, Meiji University 河庚希、明治大学特任講師

13. Laura Hein, Professor, Northwestern University ローラ・ハイン、ノースウェスタン大学教授(米国シカゴ)

14. Hirofumi Hayashi, Professor, Kanto Gakuin University 林博史、関東学院大学教授

15. Katsuya Hirano, Associate Professor of History, UCLA平野克弥、カリフォルニア大学ロスアンゼルス校准教授

16. IKEDA Eriko, Chair of the Board, Women's Active Museum on War and Peace(wam) 池田恵理子 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)館長

17. Masaie Ishihara, Professor Emeritus Okinawa International University 石原昌家、沖縄国際大学名誉教授

18. Paul Jobin, Associate Research Fellow, Academia Sinica, Institute of Sociology
ポール・ジョバン 台湾国立中央研究院社会学研究所 アソシエート・リサーチ・フェロー

19. John Junkerman, Documentary Filmmaker ジャン・ユンカーマン、ドキュメンタリー映画監督

20. Nan Kim, Associate Professor, University of Wisconsin-Milwaukee ナン・キム(金永蘭)、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校准教授

21. KIM Puja, Professor of Gender History, Tokyo University of Foreign Studies金 富子、ジェンダー史、東京外国語大学教授

22. Akira Kimura, Professor, Kagoshima University 木村朗、鹿児島大学教授

23. Tomomi Kinukawa, Instructor, San Francisco State University絹川知美、サンフランシスコ州立大学講師

24. Peter Kuznick, Professor of History, American University ピーター・カズニック、アメリカン大学歴史学教授

25. Kwon, Heok-Tae, Professor, Sungkonghoe University, Korea 権赫泰(クォン・ヒョクテ)、韓国・聖公会大学教授

26. Lee Kyeong-Ju, Professor, Inha University (Korea) 李京柱、仁荷大学教授

27. Miho Kim Lee, Co-founder of Eclipse Rising ミホ・キム・リー、「エクリプス・ライジング」共同創立者

28. Lim Jie-Hyun, Professor of transnational history, director of Critical Global Studies Institute, Sogang University 林志弦(イム・ジヒョン)、西江大学教授(韓国)

29. Akira Maeda, Professor, Tokyo Zokei University 前田 朗、東京造形大学教授

30. Janice Matsumura, Associate Professor of History, Simon Fraser University, Canada ジャニス・マツムラ、サイモンフレイザー大学(カナダ)歴史学准教授

31. Tanya Maus, PhD, Director, Wilmington College Peace Resource Center, Wilmington, Ohio タニア・マウス、ウィルミントン大学(オハイオ州)平和資料センターディレクター

32. David McNeill, Adjunct Professor, Sophia University デイビッド・マクニール、上智大学非常勤講師

33. Gavan McCormack, Emeritus Professor, Australian National University ガバン・マコーマック、オーストラリア国立大学名誉教授

34. Katherine Muzik, Ph.D., marine biologist, Kauai Island キャサリン・ミュージック、海洋生物学者(ハワイ・カウアイ島)

35. Koichi Nakano, Professor, Sophia University 中野晃一、上智大学教授

36. NAKANO Toshio, Professor Emeritus, Tokyo University of Foreign Studies中野敏男、社会理論・社会思想、東京外国語大学名誉教授

37. Narusawa Muneo, Editor, Weekly Kinyobi, 成澤宗男、『週刊金曜日』編集部

38. Satoko Oka Norimatsu, Editor, Asia-Pacific Journal: Japan Focus 乗松聡子、『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』エディター

39. John Price, Professor of History, University of Victoria, Canada ジョン・プライス、ビクトリア大学(カナダ)歴史学教授

40. Steve Rabson, Professor Emeritus, Brown University (U.S.A.) Veteran, United States Armyスティーブ・ラブソン、ブラウン大学(米国)名誉教授 米国陸軍退役軍人

41. Sonia Ryang, Director, Chao Center for Asian Studies, Rice University ソニア・リャン、ライス大学(テキサス州)チャオ・アジア研究センターディレクター

42. Daiyo Sawada, Emeritus Professor, University of Alberta ダイヨウ・サワダ、アルバータ大学名誉教授

43. Mark Selden, Senior Research Associate, East Asia Program, Cornell University マーク・セルダン、コーネル大学東アジア研究プログラム上級研究員

44. Oliver Stone, Academy Award-Winning Filmmaker オリバー・ストーン、アカデミー賞受賞映画監督

45. Tetsuya Takahashi, Professor, University of Tokyo 高橋哲哉、東京大学教授

46. Nobuyoshi Takashima, Professor Emeritus, the University of Ryukyus 高嶋伸欣、琉球大学名誉教授

47. Akiko Takenaka, Associate Professor of Japanese History, University of Kentucky竹中晶子、ケンタッキー大学准教授

48. Wesley Ueunten, Associate Professor, Asian American Studies Department, San Francisco State University ウェスリー・ウエウンテン、サンフランシスコ州立大学アジア・アメリカ研究学部准教授

49. Aiko Utsumi, Professor Emeritus, Keisen University内海愛子、恵泉女学園大学名誉教授

50. Shue Tuck Wong, Professor Emeritus, Simon Fraser University シュエ・タク・ウォング、サイモンフレーザー大学(カナダ)名誉教授

51. Yi Wu, Assistant Professor, Department of Sociology and Anthropology, Clemson University イー・ウー、クレムゾン大学社会学・人類学部助教授

52. Tomomi Yamaguchi, Associate Professor of Anthropology, Montana State University 山口智美、モンタナ州立大学人類学准教授

53. Lisa Yoneyama, Professor, University of Toronto リサ・ヨネヤマ、トロント大学教授

**********************************************************
Those whose signatures arrived after we released the letter. 発表後に署名が届いた方たちをここに記します(到着順)

Jenny Chan 陳慧玲, Assistant Professor of Sociology and China Studies, Department of Applied Social Sciences, The Hong Kong Polytechnic University 

Matthew Penny, Associate Professor, Concordia University (Canada)

Aisa Kiyosue, Associate Professor, Muroran Institute of Technology (Hokkaido, Japan)
清末愛砂、室蘭工業大学大学院工学研究科准教授

Tetsumi Takara, Professor, the University of Ryukyus
高良鉄美、琉球大学教授

Dave Webb, Emeritus Professor of Peace and Conflict Studies, Leeds Met University, UK, Chair, CND


2016年12月05日

富山大学懲戒解雇事件、懲戒解雇撤回の和解についての原告および「支援する会」世話人一 同のコメント

竹内潔氏のコメント
「竹内潔氏の復職を支援する会」・世話人一同のコメント
「シュレッダーから甦った書類ー富山大学懲戒解雇事件を考える」

竹内潔氏のコメント

2016年11月29日

■裁判では無根拠で不適正な手続きによる処分であることを主張

 懲戒解雇処分では、教授昇任人事応募、研究費申請、大学院設置申請の際の書類に、私が「架空」、「虚偽」の著書や論文を記載したとされました。
 裁判では、教授昇任人事の際に提出した書類は、応募者の教育研究従事年数と論文・著書の「点数」が教授資格を満たしているかを確認する予備選考の段階で提出したものであり、富山大学が「架空」の記載とした論文は、ページ数や雑誌名を誤記しただけで実物があり、1点としてカウントされたことに間違いはないこと、富山大学がやはり「架空」とした著書の記載については、出版社等と刊行契約があり原稿もあったので「刊行予定」等と記載しましたが、これは文系の業績の記載慣行に照らしてなんら「虚偽」ではないことを立証しました。また、富山大学が、私が「刊行予定」等と記載した著書を「点数」としてカウントしたかどうか明らかにしていないことなども立証しました。さらに、誤記した論文と「刊行予定」等と記載した著書を除いても、私には教授資格の基準点数の2倍の点数の業績があったので、わざわざ「虚偽」を記載する動機がないことも明らかにしました。
 なお、私は教授に昇任していませんが、これは、業績記載とは関係のない所属学部内の事情によるものです。
 また、研究費申請書類については、たとえば、「架空」、「虚偽」の記載によって、富山大学の「学長裁量経費」1490万円(研究費)を私一人が不正に取得したという富山大学の主張に対して、刊行契約があった著書の記載が「虚偽」ではないことを主張するとともに、実際は私を含めて18名の教員が共同で申請した応募書類には応募者全員の多数の業績が記載されており、審査をおこなった富山大学自身が、私の1,2点の記載が経費の獲得に影響があったかどうか分からないとしていることも立証しました。なお、獲得した経費は、申請者全員でほぼ均等配分しており、私一人が1490万円全額を受領したという事実はありません。
 大学院設置申請の際の書類については、事務で書式の点検を受けるために出した準備段階の書類に、記載の指示にしたがって刊行予定の著書を記載しましたが、文部科学省に提出した正本(署名・捺印した書類)には刊行が遅れた著書の記載を削除していて瑕疵がないこと、富山大学が懲戒処分の対象とした準備段階の書類は扱った事務職員が不要書類として廃棄したことなどを明らかにしました。裁判において、富山大学は、この準備段階書類をどこから入手したのか、最後まで明らかにしませんでした。
 以上のように、裁判では、私が「架空」、「虚偽」の業績記載をおこなったという富山大学の主張は、文系の記載慣行や多種多様な書類の性格や審査状況を度外視して、廃棄された書類までかき集めて恣意的に「不正」の例数だけを積み上げた根拠が無いものであることを立証しました。

 懲戒処分に至る経緯では、私が病院で検診を受けるために届けを出して欠席した教授会で、あたかも私が虚偽の記載をしたことを認めたかのような報告がなされて、私は懲戒の審査にかけられることになりました。また、富山大学の内部規則になんの規程もない「疑義調査会」という組織が設置されて、組織の懲戒の審査との関連やメンバーシップを私に知らせず、秘密裡に図書館員に業務を装わせて出版社や他大学に問い合わせをさせるといった不公正な手続きがとられました。さらに、懲戒処分を審査する「懲戒委員会」の構成が理系の教員に偏っており、私の発言が理解されず何度も嘲笑を浴びたことを私が抗議したところ、同会の委員長からかえって処分を重くするという回答がありました。私は、富山大学内では公平な審査は期待できないと判断し、2013年1月に富山地裁に処分差し止めの仮処分命令を申し立てました。
 富山大学は、この申立のために事務負担が倍加したという理由で、懲戒解雇処分の量定に加えましたが、裁判では、これは、憲法が基本的人権として保障している「裁判を受ける権利」を富山大学が否定したものと主張しました。また、富山大学は、私の「虚偽」、「架空」の記載のために、富山大学の教員が、日本学術振興会の科学研究費を獲得する割合が低下するとして、やはり量定に加えましたが、私は、日本学術振興会は私の記載を「虚偽」とはしていないことや税金が原資の科学研究費の審査において連帯責任制のような不当審査がおこなわれるはずがないことを主張しました。さらに、上記の不公正な手続きや審査がおこなわれた背景には、私がおこなった内部通報が関連していると指摘しました。

■和解を受け入れた事情

 私は、以上の立証と主張によって、そもそも私の事案は懲戒処分の対象になるものではなかったことを明らかにしようとしました。したがって、出勤停止処分への変更という今回の和解は、懲戒権の濫用を富山大学が認めたという点では成果があったと考えますが、懲戒解雇によって、長く研究と家計の経済的基盤を奪われ、家族までが社会的な差別を受けることになった私にとって、十分に満足のいくものではありません。また、私は16年の富山大学在職中に、およそ170名の学生を指導して社会に送り出しましたが、富山大学には真摯に学問を学ぼうとする学生が多く、もう一度彼らの教育を継続したいという思いも強くあります。
 しかし、申立の裁判に勝訴しても、富山大学が異議申立や本裁判を求めると、さらに最低でも3年、裁判が続くことになります。申立の裁判に約2年かかったため、家計の逼迫の度合いが増して家族の将来が危ういこと、また、最終的に勝訴が確定したとしても、その頃には、定年間際になってしまうことを考えて、和解の道を選ぶことにしました。また、富山大学は、この2年の間の裁判書面に、私の人格を否定する罵倒句をこれでもかというほど書き続けました。もはや、富山大学には、私の戻る場所はありません。新しい場所を探して、処分で喪った3年の間にできたことを少しでもとりもどしたいと思います。
 このような次第で、私は和解を受け入れましたが、今後、富山大学で、不公正かつ恣意的な手続きや審査による処分がおこなわれて、教員の研究や教育の途が閉ざされる事態が二度と生じないよう、強く希望します。

「竹内潔氏の復職を支援する会」・世話人一同のコメント

2016年11月29日

■全国の大学に例をみない異常で杜撰な処分で竹内潔氏の社会的生命が奪われたこと
 
 竹内潔氏に対する懲戒解雇処分は、文系研究者の常識から見て、きわめて異例で、異常なものでした。たとえば人事の場合、文系では、公刊され内容が確定している著書は研究業績として認められ審査対象となりますが、研究業績リスト等に「刊行予定」等と記載された未公刊の著書は実際に公刊されるまで内容が確定しませんから、研究業績として認めるかどうかは、個々の人事選考を担当する委員会の責任と裁量に任されます。委員会では、一切認めない場合もありますし、研究業績として認める基準(原稿、出版証明書、ゲラの提出など)を設定する場合もあります。研究業績リストに記した著書が設定された基準から外れた場合、記載したことが咎められるということは生じません。たんに、その著書が審査対象から外されるだけです。
 つまり、応募者は、研究業績リストに記載した未公刊の著書の取り扱いを審査側に委ねるのが文系の慣行です。まして、竹内氏の人事や学長裁量経費の場合では、審査側から、研究業績として認める基準が示されることさえなかったのですから、同氏の記載が問題になるはずはありません。実際、私たちが知るかぎり、全国の文系学部で、研究業績リスト等の業績記載で、懲戒解雇はおろか、軽度の懲戒処分を受けたという事例もありません。富山大学は、学術雑誌に受理された時点で論文の記述内容が確定するために厳密な基準が設定できる理系の基準を援用して、強引に竹内氏の記載を「虚偽」・「架空」と断じ、さらに研究者にとっては目次にすぎない研究業績リストの記載を「経歴の詐称」とみなすという著しい拡大解釈をおこなったのです。
 このように、竹内潔氏に対する懲戒解雇処分は、異例かつ異常なものと言わざるをえないのですが、富山大学自身が不要として破棄した書類の記載までが問題となったことや竹内氏のために富山大学教員の科学研究費の採択率が低下するという主張、竹内氏が処分差し止めの申立をおこなったことについての憲法を無視した罪状の付加などにいたっては、常軌を逸しているとしか表現できません。この種の理由がまかりとおるのであれば、どの大学のどの教員もいつ懲戒処分を受けても不思議ではないと言っても過言ではありません。
 懲戒解雇は、再就職が困難なため、「労働者に対する死刑宣告」と呼ばれますが、社会的信用が重視される大学教員の場合は、社会的生命を完全に断たれるのに等しい処分です。さらに、竹内潔氏の場合は、ご家族にまで、誹謗や友人関係の断交という苦痛がもたらされました。とりわけ慎重であるべき大学における懲戒解雇が、大学人の常識からかけはなれた杜撰な理由でおこなわれたのが、富山大学が竹内潔氏におこなった処分なのです。

■国立大学法人2例目の懲戒解雇取り消しの和解は実質的に勝訴であること■

 和解については、国際的に評価を得ている研究の総括の時期に入っていた竹内氏が懲戒解雇処分や長期化した裁判のために研究が継続できなくなっていることやご家族の逼迫した事情を考慮すると、竹内氏の復職を願っていた私たちとしては残念ではありますが、受諾が現実的な選択肢だと考えています。
 ただし、私たちは、今回の和解で懲戒解雇処分が取り消されたことについては、富山大学による懲戒権の濫用が認められた実質的な勝訴であると、一定の評価を下しています。巨大な大学組織を相手とする裁判は個人にとってはきわめて困難なものです。国立大学の法人化以降の12年間で、今回の竹内氏の件以外で、国立大学がおこなった懲戒解雇処分が取り消された例は、2011年3月の那覇地裁における琉球大学教員の事例(停職10ヶ月への変更)だけです。今回の和解での懲戒解雇取り消しは、この例に次ぐ2例目となりますが、この点でも評価しうると言えます。
 私たちは、2004年の国立大学の独立行政法人化以降、学内行政が管理側による恣意的な「支配」に変わりつつあるという危惧を持っていますが、竹内氏の懲戒解雇は、このような変容がもたらした突出した事例だと考えています。竹内氏の懲戒解雇問題は、裁判では和解で終結しましたが、この処分は大学の民主的で創造的なあり方を考える際の多数の問題を含んでおり、今後、多くの大学人によるより詳細な検討が必要だと考えています。

懲戒解雇取り消し、富大と元准教授が和解

毎日新聞(2016年11月30日)地方版

 富山大から懲戒解雇された元准教授の竹内潔さん(60)が処分取り消しを求めた仮処分は29日、富山地裁で和解が成立した。竹内さん側によると、地裁の和解案を受け入れ、大学側が懲戒解雇処分を取り消し、60日間の出勤停止に変更することなどで合意した。

 竹内さんは富山大人文学部准教授だった2013年6月、文部科学省の科学研究費補助金や民間団体の助成金などを申請する際、架空の業績や刊行予定のない論文の出版時期などを記載し、研究業績の虚偽申告をしたとされ、懲戒解雇処分を受けた。しかし、「契約もしており、論文は刊行予定だった。虚偽ではない」と反論し、翌14年12月、懲戒解雇の取り消しを求めて仮処分を申し立てた。

 竹内さん側によると和解内容は他に、▽竹内さんは13年9月に自己都合で退職したとする▽富山大は退職手当の残額約500万円と解決金255万円を支払う--などとしている。

 竹内さんは「大学教員は社会的信用で成り立っており、解雇は死刑のようなもの。大学は二度と同じ過ちを起こさないでほしい」と話した。

 富山大は「大学側の主張通り、業績の虚偽記載は認定され、復職も認められなかった」との見解を発表した。

富山大元准教授、懲戒解雇処分変更で大学と和解

読売新聞(2016年12月02日)

 虚偽の業績を書類に記載したとして富山大に懲戒解雇された元准教授の竹内潔氏(60)が、富山地裁に地位保全の仮処分命令を申し立てていた問題で、竹内氏側は29日、富山大と和解が成立したと発表した。

 和解では、富山大が退職手当と解決金計757万4690円を竹内氏に支払い、処分を懲戒解雇から60日間の出勤停止に変更して自己都合退職とする。

 富山大人文学部の准教授だった竹内氏は2013年6月、2000~12年度に教授昇任選考書類などに虚偽の業績を延べ37回記載したとして懲戒解雇された。竹内氏は処分を不服として14年12月、富山地裁に地位保全の仮処分命令を申し立てた。富山地裁は今月9日、和解条項案を提示し、両者が受け入れた。

 竹内氏は「懲戒権の濫用を富山大が認めたという成果があったと考えるが、十分に満足いくものではない。今後、不公正かつ恣意的な手続きや審査による処分で教員の研究や教育の途が閉ざされる事態が二度と生じないよう強く希望する」との談話を出した。

 富山大は、和解に応じたことを認め、「60日間の出勤停止は懲戒処分。業績の虚偽記載を行ったことは裁判所で認定され、復職も認められなかったと考えている」とコメントしている。


2016年12月02日

下関市立大、「健全運営を」 教員ら市議会に請願書

朝日新聞・山口版(2016年11月29日)

市立大「健全運営を」 教員ら市議会に請願書

 昨年に実施された学長選をめぐり、下関市立大学(川波洋一学長)の教員ら38人が、大学の運営健全化を求める請願書を25日付で市議会に提出した。教員らはこれまで、「新学長の選考手続きには大きな問題がある」として、昨年12月の学長選考会議の検証などを大学側に求めていた。
 学長選をめぐっては、選考会議に先立って行われた教員らの「意向投票」で、川波氏の29票に対し、落選した対立候補は38票を獲得。だが選考会議では議長裁定で川波氏が選出された。このため、「9票もの大差を覆す明確な理由が無い」として、選考委員の半数が選考結果に反発していた。
 提出された請願書では、「学長選考の過程を検証する会議が紛糾して流会になった。学内では、教職員の携帯電話記録の提出を求めるプライバシー権侵害や、教職員に対する複数のハラスメント行為など異常な事態が起きている」と指摘。
 ①学長選考においては教職員の意向を尊重する②理事長らの任命は、公正で民主的な大学運営を進める能力のある人材を選ぶ③ハラスメント調査などについては学外有識者の観点を取り入れることなどを要求している。
 請願書に署名した教員の1人は取材に対し、「いまの市立大に自浄作用は期待できない。市議会に大学の運営を正してほしい」と話した。請願書は12月1日開会の市議会で審査される。


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