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名古屋芸術大学解雇事件 

2017年10月25日に教職員組合の委員長・副委員長の教授を不当懲戒解雇
中河・小西両教授を支援する会HP

新聞記事

広島大学原爆放射線医科学研究所 

パワハラ訴訟 新聞記事1 新聞記事2 新聞記事3
これはひどい!
不当なパワハラを受けた原告教員に対して,提訴の報復として再任を拒否(3月末で解雇) 

[週刊金曜日に連載]
広島大学で“大人のいじめ”1──業績水増し告発の准教授が“クビ”へ
広島大学で“大人のいじめ”2──対応しない大学当局

岡山短期大学不当配転事件 

岡山地裁・判決(3月28日)・勝訴
訴状  判決文

山口雪子さんを支える会
障害者差別を訴える山口雪子(IPNET-J顧問)准教授を応援するWeb

常葉大短大部不当解雇事件

静岡地裁決文(2015年7月3日)  原告・完全勝訴 祝! 新聞報道
大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会、声明(2015年7月4日)
仮処分異議申立裁判、静岡地裁決定(2016年1月25日) 完全勝訴 祝! 
静岡県内3大学教職員組合声明(2016年2月16日)
本訴裁判・静岡地裁判決(2017年1月20日) 原告・完全勝訴 祝! 新聞報道
東京高裁判決(2017年7月13日)学園の控訴棄却,原告・完全勝訴 祝! 声明1

追手門学院大学不当配転事件 控訴審 
学園側が控訴取下 大阪地裁判決(2015年年11月18日)が確定!
祝! 落合正行前学長の勝訴確定

大阪地裁判決(抄)  原告声明 左2つの文書提供は「支援する会」より

弘前学院大学 不当解雇事件

原告教員、青森地裁弘前支部に提訴(2015年12月28日)

 

追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分

懲戒解雇に対する声明 (文書提供は「支援する会」より) 訴状(2015年12月28日)

追手門学院大学で何が起こっているのか(「私大教連かんさい」No.115,2015年11月26日)

酪農学園大学長解任無効確認訴訟 

原告・前学長が札幌地裁に提訴(2016年1月8日) 訴状  学長解任に関する新聞報道

・酪農学園大学退職教授団HP 「酪農大はやっぱり素 晴らしい」

New! 酪農学園元評議員名誉毀損裁判、最高裁が上告棄却 教員側の全面勝訴!詳しくはこちら

(2017年12月18日現在)

名古屋芸術大学不当解雇事件  2017年10月25日に教職員組合の委員長・副委員長の教授を不当懲戒解雇 中河・小西両教授を支援する会HP 
常葉大短大部不当解雇事件・控訴裁判  2017年7月13日東京高裁判決 祝 勝訴! 声明 
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宮崎大学不当処分事件  2016年10月28日最高裁判決 祝 勝訴! 記事 
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常葉大短大部不当解雇事件   2016年1月25日静岡地裁仮処分意義申立決定 祝! 勝訴!  地裁決定全文 
追手門学院大学不当解雇事件  2015年10月25日懲戒解雇処分 懲戒解雇に対する声明 原告・訴状(2015年12月28日)
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酪農学園大学前常務理事の損害賠償等請求事件 札幌高裁判決(2016年3月11日)祝 逆転勝訴!  記事 
酪農学園大学長解任無効確認訴訟 札幌地裁に提訴(2016年1月8日) 訴状
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 札幌地裁不当判決(2015年12月18日 新聞記事 
専修大学道短大副学長不当解雇事件 札幌地裁不当判決(2015年9月18日) 声明文 組合HP 
札幌医科大学退職強要・バワハラ訴訟 札幌高裁・不当判決(2015年6月2日) 
千歳科学技術大学不当解雇事件 札幌地裁・不当判決(2015年5月28日) 記事 
酪農学園大学前常務理事の現学長を含む6教員に対する訴訟 札幌地裁・不当判決(2015年5月11日)  財界さっぽろ2015年5月号記事
北海道文教大学雇止無効訴訟 札幌地裁判決(2015年5月8日)元2教授の請求棄却 新聞記事 
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌高裁・不当判決(2015年4月24日) 組合HP  声明 
天使大学懲戒処分無効確認訴訟 札幌地裁(2014年12月12日)   祝! 勝訴!  
札幌大学不当労働行為事件 2014年10月28日道労委命令!   祝! 勝訴!   道労委命令(全文)  
天使大学不当労働行為事件 2014年9月3日中労委命令!  祝! 勝訴!   中労委命令道労委命令 
室蘭工業大学不当労働行為事件 道労委へ提訴(2014年7月)
北海道教育大学旭川校不当解雇事件 最高裁(2014年2月20日)  祝! 勝訴! 新聞記事  
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北海道大学非正規職員雇止無効訴訟 札幌高裁・不当判決(2014年2月20日) 上告!
専修大道短大不当整理解雇事件 札幌地裁・不当判決(2013年12月2日) 組合HP  声明文
専修大学道短大前学長諭旨免職事件 2013年5月24日札幌地裁へ提訴! 新聞記事 
東京理科大長万部キャンパス・職員懲戒処分事件 

[決着済訴訟一覧]
名古屋女子大組合副委員長不当解雇事件  2016年6月17日最高裁、上告を棄却 祝!原告勝訴   
 記事 鶴舞総合法律事務所  「AERA」2013年7月8日号  TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」2013年7月23日
富山大学懲戒解雇事件 富山地裁で和解(2016年11月29日)  原告・支援する会のコメント  「シュレッダーから甦った書類ー富山大学懲戒解雇事件を考える」
北陸大学不当解雇事件 全面勝訴で和解  記事 
長崎県立大学懲戒処分事件 最高裁 勝訴確定 New 事件を考える会HP 
関西外語大昇給差別訴訟控訴審 最高裁判所が不当判決 組合ニュース 
金沢大出勤停止処分無効確認等請求事件 勝訴確定!大学側控訴断念 原告ブログ 
■東和大解雇事件 解雇撤回で和解 福岡地裁 記事 過去経緯1過去経緯2
■名古屋女子大組合員不当解雇事件 2009年6月に決着 自由法曹団通信1306号
■大阪工大解雇事件 解雇撤回 逆転勝訴 記事 過去経緯
■大阪芸術大不当労働行為事件 大阪地裁 勝利判決 記事  学園側が大阪高裁に控訴
■鹿国大不当解雇事件 最高裁・上告を棄却 三教授勝訴 記事 
■湘南工科大不当解雇事件 最高裁が上告棄却 勝訴確定! 譴責処分も撤回 記事
■APU常勤講師解雇事件 最高裁「特別抗告棄却」 記事 
■APU専任講師解雇事件 京都地裁が解雇権濫用を断定
■京都大学任期制再任拒否事件 最高裁が上告棄却  記事
全国大学の非正規雇止無効訴訟一覧
(2013年11月29日現在)

名城大学・金城学院大学非常勤講師裁判 原告の訴え
京都精華大学ユニオン
■京都産業大学 昇任拒否による雇止め,2013年3月28日京都地裁へ提訴 新聞記事
■九州共立大学 教授雇止め 2012年7月10日 福岡地裁へ提訴
■九州女子短期大学 講師雇止め 2012年11月6日 福岡地裁へ本訴提訴 新聞記事

首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学に対する告発状

 

2018年02月13日

富大・学経済学部長選考問題 教授会が学長に質問状

■富山新聞(2018年2月11日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20180211_toyamashinbun.pdf

2018年02月10日

富山大学経済学部教授会、学長宛「質問状」

学長宛「質問状」
別紙
関連資料1
関連資料2
関連資料3
当該問題の新聞記事1
当該問題の新聞記事2

平成30年2月8日

富山大学長
遠 藤 俊 郎 殿
経 済 学 部 教 授 会

質問状(平成30年2月8日)

 平成30年1月25日付で経済学部長宛に依頼がありました「経済学部長候補者の推薦について(依頼)」に関して,1月31日に開催された経済学部臨時教授会にて数多くの疑問点が出されました.つきましては下記の疑問点についてご回答いただきたく,お願い申し上げます.
 なお,疑問点の内容については詳細を別紙(2枚目以降)に記載しましたので,別紙の記載内容に対応する形で個々具体的にご回答ください.


1 依頼文書の趣旨 
 富山大学学部長候補者選考規則第2条第5項に基づき,再度学部長候補者2人の推薦を依頼する旨,記載がありましたが,その趣旨について.
2 根拠規定
 今回,依頼があった再推薦は,「富山大学学部長選考規則」や「学部長等の選考プロセスについて」に沿ったものであるかどうかについて.
3 判断の具体的理由(1) 
 経済学部教授会より推薦した2名の候補者のうち,1名が「適任でない」とされた具体的な理由と根拠について.
4 判断の具体的理由(2) 
 経済学部教授会が推薦した候補者2名のうち,「適任であるとまでは判断できない」とされた1名につき,「適任であるとまでは判断できない」という表現の意味およびそこに至った具体的な理由と根拠について.

 経済学部教授会は,学部長候補者推薦にあたって,選出方法や選挙の実施手順等について検討を重ね,構成員の意思を適切に反映するとともに,公正かつ厳正な過程を経た候補者の選出に取り組んできました.それだけに,「富山大学学部長選考規則」や「学部長等の選考プロセスについて」とは相容れないように思われる今回の再推薦依頼は極めて遺憾であります.丁寧かつ誠実な説明と回答を求めます.
以上

別紙

1 1月25日付け経済学部長宛て文書(以下、「通知書」という。)の文意について

(1)通知書には、福井候補につき、「学部長として適任であるとまでは判断できませんでした」と記されている。この記述を文面どおりに読むなら、福井候補について、少なくとも「適任でない」(学部長選考規則2条5項)とは判断していないことになり、判断保留(最終決定に至っていない)の意と解することもできる。いずれにせよ、通知書のこの部分の記述からは、経済学部教授会が推薦した候補者2人のうち、1人は依然として学部長候補者たる地位を失っていないと解するほかないが、他方で通知書は、「2人」の再推薦を求めるとしている。通知書のかような記述の趣旨を説明されたい。

(2)上記(1)の点に関して、学長は、1月19日及び同25日に経済学部長を訪ね、同学部長に対して、「堂谷候補が不適任(不適格?)であるため、複数の候補者の中から選考することができない状態になった。ついては、3人目の推薦を求める。」旨、述べている。また、25日には、「福井候補については候補者として残してよい」旨の発言も行なっている。学長からかかる発言ないしは要求があったことについては、31日に開催された臨時教授会において学部長から報告・説明がなされたところである。この発言の趣旨と、上記(1)の通知書の文意との関係、整合性(同じかどうか)を説明されたい。

 付言すると、教授会が推薦した複数の候補者の中から選ぶという現行制度の前提が満たされなくなった云々との上記発言は、2人のうちの1人を「学部長候補者」として不適格(失格、選考対象外)と判断したため、という趣旨のようにも聞こえる。しかし、学部長選考規則(以下、「選考規則」という。)上、教授会が推薦した学部長候補者について、学長が「学部長候補者として」「適格か、不適格か」という判断をする権限や手続きは存在しない。選考規則上学長に認められているのは、教授会が推薦した候補者について、「学部長として」「適任か、適任でないか」を判断する権限のみである。学長の上記発言が、通知書の文言どおり、堂谷候補は「学部長として」「適任でない」という趣旨であるならば、候補者が1人になったのは、正に福井・堂谷という複数の候補者について選考し、適任かどうかを判断した結果にほかならず、堂谷候補が外れたことを以て「複数の候補者から選考することができなくなった」とする学長の上記発言は矛盾しているというほかない。

2 選考規則の解釈・適用について

 通知書は、「2人」の再推薦を求める学内規則上の根拠として、選考規則2条5項を挙げている。しかし、文面上明らかなように、同項は、学部教授会が推薦した候補者(2人又は3人)が「学部長として適任でないと判断した場合」に関する規定である。選考の結果、「候補者が1人だけになった」とか、「候補者が適任かどうか判断しがたい」といった理由で学長が教授会に候補者の追加ないしは再推薦を求めることは認められていない。すなわち同項は、選考の結果、学部教授会が推薦した候補者が全員不適任(適任者が誰もいない)と判断した場合に再推薦を求めることを定めたものであり、ある候補者について適任でないと判断したとしても、不適任ではない候補者がほかにいるのであれば、学長には、その候補者を学部長に選ぶ以外の選択肢は認められていない。この趣旨は、現行の学部長選考手続きへの選考規則の改正を審議し了承した平成27年3月19日の教育研究評議会においても確認されている。

 選考規則2条5項に関する如上の文理解釈および立法趣旨からすると、通知書記載の事由が、同項を適用することができる場合に該当しないことは明白である。上述のとおり、通知書には、福井候補を「学部長として適任でないと判断した」とは記されていない。そうとすれば、2条5項が定める再推薦要求を行なうための要件は満たされておらず、福井候補を学部長に指名する以外の選択肢はないということになる。

 また、選考規則以外の学内規則にも、学長にそのような権限を認める規定は見当たらず、学長の要求には学内規則上の根拠が存在しない。

 以上のとおりであるから、学長の再推薦要求には根拠規定が無く、再推薦要求は無効であると判断せざるを得ない。
 この点について、見解を明らかにされたい。

3「判断」の理由、根拠等について

(1) 選考規則2条5項が定める学長の「判断」は、<学部長候補者たる地位(換言すれば、学部長に任命されうる地位)>という個人の法的利益に関わる判断(決定)であり、裁判上の地位確認訴訟の対象となりうるものである。この学長の「判断」は、学部長として「適任でない」という不利益決定であるから、明文規定の有無にかかわらず、法理上、理由や根拠を具体的に明らかにすることが必要である。そしてもし理由や根拠が合理性を欠いていたり、判断に至る手続きに重大な瑕疵があったりすると、その判断は誤りだということになる。

 しかるに「判断」の理由に関する通知書の記述は、以下のとおり極めて簡略、曖昧であり、判断の理由や根拠が明確に示されているとは到底言えない。また判断の理由や根拠には、明らかに不合理と考えざるを得ない点がある。

 以上のことを踏まえた上で、以下に指摘したひとつひとつの点に対して回答を求める。

①堂谷候補については、「不適任」と判断した理由として、「所信を確認する限り、経済学部長の選考の基準を満たしておらず適任ではないと判断」したと記されているのみであり、所信がいかなる点・いかなる意味において「選考の基準を満たしていない」(ママ)のか、3つの選考基準(以下、「基準」という。)それぞれの観点から所信をどのように評価したのかについての具体的な説明がない。「基準を満たしていない」とは、所信の形式・体裁のことなのか、実質・内容のことなのかも不分明である。

 仮に、形式・体裁、すなわち所信の文章の記述の仕方が選考基準に沿っていないことを指しているのだとすると、そうした形式的な理由だけで直ちに「不適任」と判断するのは、上述の候補者の法的利益に関する権限行使の在り方として不適切であり、当該判断は、重大な手続き的瑕疵につき違法・無効と言わざるを得ない。適正手続きの観点からは、まずは所信の書き直し・再提出を求めるのが適切な対応である。また、所信のみを判断材料とせず、面接を実施したうえで判断することも検討すべきであり、面接不要とするならば、相応の理由を示すべきである。以上の手順で選考を行った上で、学長は、判断の理由・根拠を具体的に明らかにする義務を負う。

 他方、「基準を満たしていない」のが所信の内容面のことであるのならば、所信記述内容のどのような点を以て基準を満たしていないというのか(逆に言えば、どのような記述内容であれば満たしていることになるのか)を、3つの基準に即して具体的に示さなければならない。

② 福井候補については、「適任であるとまでは判断でき」なかった理由として、「在職期間内に学部改革及び大学院改革を進めるという点に関して、経済学部長の選考の基準第3項を満たしていることが確認でき」なかったとだけ書かれている。他の2つの基準に関して福井候補がどのような評価であったのかについては全く説明が無い。そして、「基準第3項を満たしていると確認でき」なかったとする理由は、専ら「在職期間」、すなわち、学部長として在職可能な期間が定年までの2年間であることに求められており、この点が、結果として「適任であるとまでは判断できなかった」唯一かつ決定的な理由とされている(学長も、同趣旨の発言を学部長および福井候補に対して行っている)。
 しかし、以下の理由から、かかる説明は到底是認できるものではない。
 第1に、適任とまでは判断できないという「判断」は、選考規則上認められておらず、同規則2条5項の定める、学長が再推薦を要求するための要件にも該当しない。(上述)。
 第2に、在職可能な期間が2年間であることを以て、改革を「進める」(完成する、ではなく)ことができないかのような捉え方になぜなるのか、その点の説明が無い。在職期間が2年間であるからといって、改革を「進める」ことができないとは常識的に考えられない。学部長に関してそのような理屈が通るのであれば、在職期間が残り1年だけとなった学長に関してはなおのこと同じことが言えるということになるはずである。
 第3に、定年までの期間という動かしようのない形式的条件を持ち出して、基準第3項を満たしているかいないかの決定的な判断材料とするということは、最低2期4年以上の在職が可能であることが、初めから教授会が学部長候補者を選出・推薦する際の要件(正しく、選考する以前の、候補者としての適格性、資格要件)、あるいは少なくとも考慮すべき重要事項だと言っているに等しい。これはすなわち、選考規則や、学部長の推薦に関する各学部の規則に存在しないルールを、学長の一存によって事後的に、新たに付け加えたのと同じである。このような越権行為、権限の濫用が許されないことは当然の理である。
 第4に、実際的な観点からも、定年までの期間という形式的な事柄を、「基準」の充足如何や、学部長として適任かどうかを判断する決定的な材料とすることに合理性があるとは言い難い。各学部におけるこれまでの候補者推薦の結果をみても、学識、見識、経験、人望といった要素の方が、学部長の職責(改革を「進める」ことも含まれる)を担う上で重要だというのが多くの教員の認識であることは明らかである。

(2)選考の「基準」およびそれに基づく「判断」という制度にも問題がある。
 学長が示した選考基準自体が抽象的かつ曖昧であり、それゆえ基準に対する所信の記述も、基準の充足如何の評価も、多分に主観的なものにならざるをえない。そうした抽象的で曖昧な選考基準とそれに対する「所信」によって判断しようとすれば、恣意的な判断、権限行使を許すことになりかねない。
 このような恣意的判断、恣意的な権限行使がなされることのないようにするには、選考基準に対する「所信」の評価は参考程度の扱いとして、それに依拠した「判断」は極力避けることとし、教授会の客観的な意志、すなわち教授会が推薦した候補者の順位や得票数を尊重する(再優先の判断基準とする)ことを大原則とする以外にない。かかる恣意的判断や権限濫用防止の観点からの選考規則の解釈・運用の在り方について、前出平成27年3月評議会において学長が行なった発言をも踏まえつつ、見解を示されたい。

4 再推薦要求による学部業務への影響

 実際上の問題として、如上の曖昧かつ根拠不明の再推薦要求が、学部の業務に対して深刻な影響を発生させていることも看過できない。学長が候補者の再推薦を要求したことによって、既に経済学部では、次年度からの各種役職者の決定に大きな遅れが生じている。仮に再推薦をするとした場合、経済学部は厳格な候補者推薦手続きを定めており、手続きに時間を要するから、なおのこと他の人事の決定に大きな遅れが出ることになる。また、年度末のこの時期は、入試業務、卒論指導、卒業判定等のために、教員も事務職員も1年のうちで最も重要かつ多忙な時期であることは周知のとおりであり、再推薦の手続きを実施することは、ただでさえ多忙な教員及び事務職員に対して過大な負担を強いることになることは明らかである。

 そのような時期に曖昧かつ根拠不明の再推薦要求を安易に出したことの適否、そこから生じる影響に対する責任をどのようにお考えか、説明を求める。

以上

2018年02月09日

静岡大学教職員組合、非常勤無期雇用化啓発指導を申し入れ

■静岡新聞(2018年2月3日)

非常勤無期雇用化啓発指導を申し入れ 

 静岡大学教職員組合と、静岡県労働組合評議会は2日、同大が非常勤職員の無期雇用化について定めた条件が、有期契約労働者の雇用安定化を図った改正労働契約法の趣旨にそぐわないとして、静岡労働局に啓発指導を申し入れた。

 同大教職員組合によると、2013年4月に同法が施行され、有期契約労働者が同じ職場で通算5年を超えて働いた場合、本人が希望すれば無期雇用に転換できることが定められた。一方同大は17年3月に非常勤職員の労働条件に関する基準を改正し、無期雇用化の条件に「専門的資格等が必要」との規定を加えた。資格の例として調理師免許や秘書検定などをあげている。同組合は、「非常勤職員は事務職員や教員が中心。大学側から合理的な基準だという納得できる説明がない」としている。


2018年02月05日

富山大・経済学部長選考 異例の事態

富山新聞(2018年2月2日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20180202toyama.pdf

富山新聞(2018年2月3日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20180203toyama.pdf

2018年02月04日

常葉大学短大部元准教授「解雇無効」確定

■読売新聞(2018年1月30日)

祝 勝訴!

常葉大学短大部元准教授「解雇無効」確定
上告棄却 常葉 未払い給与等支払いも

常葉大学短大部の准教授だった男性(44)が、運営する常葉学園の理事長や職員らを刑事告訴したのち、懲戒処分を受けたのは不当だとして学園側に地位の確認と損害賠償を求めた訴訟で、最高裁判所は双方の上告を棄却した。解雇の無効を認め、未払い賃金約1400万円の支払いを命じた東京高裁の判決が確定した。決定は19日付。

判決などによると、男性は2012年8月、常葉学園が補助金を不正受給していると告発するのをやめるよう強要されたとして、理事長ら3名を静岡地検に告訴した。地検は13年1月に3人を不起訴処分とし、男性はその後15年2月常葉学園から懲戒解雇処分された。

 男性は29日「判決は確定したが、学園側から連絡はなく、未払い給与もまだ支払われていない。早く短大に復職し研究を続けたい」と話した。

 常葉大学側は、読売新聞の取材に対し「解雇処分が認められなかったのは「極めて残念」。判決に従って適切に対処していく」とコメントした。

常葉学園の教員 解雇無効が確定 
最高裁上告不受理

■朝日新聞(2018年1月30日)

 補助金の不正受給を内部告発し学校法人常葉学園に解雇されたとして、同学園の男性教員が職員としての地位保全を求めた訴訟で、最高裁判所は双方の上告を不受理とする決定を出した。19日付。29日に会見した男性の弁護士らが明らかにした。

 懲戒解雇は無効とする高裁判決が確定した。男性は2012年、学園の補助金不正受給について内部調査していた際、学園から通報しないように強要被害を受けたとして理事長らを静岡地検に刑事告訴、理事長らは不起訴処分になった。その後男性は、不正受給を内部告発。問題が報道されるなどした直後の15年、懲戒解雇が通知され、男性は無効を求めて提訴した。昨年7月、東京高裁は解雇は無効とする静岡地裁の1審判決を維持。原告と被告の双方が上告したが最高裁は不受理を決定した。

 学校法人常葉大学は「判決を前提に今後適切に対応していく」と述べた。


2018年01月23日

授業を無断録音し教授を解雇した明治学院大学の犯罪

■紙の爆弾(2017年2月7日)

授業を無断録音し教授を解雇した明治学院大学の犯罪

浅野健一

 東京都港区白金台にある明治学院大学(明学大、松原康雄学長)といえば、日本最古のミッションスクールで、いまでは「SEALDs」が誕生したリベラルな学風で知られるが、この大学で教職員がある教授の講義を無断録音して、教授が教室で大学批判をしたとして懲戒解雇し、教授側が東京地裁に地位確認の裁判を起こすという紛争が起きている。
 筆者も3年前、理解不能の理由で定年延長を拒否されて同志社大学から完全追放され、京都地裁で地位確認訴訟を起こしており、今年3月1日に判決が言い渡される。一方、文部科学省の元高等教育局長が早稲田大学教授に天下りした問題も発覚した。明学大事案をきっかけとして、「大学教授」のあり方を考えたい。

 大学ぐるみで隠し録り、盗聴
 1月7日付の東京新聞に〈無断録音「学問の自由侵害」解雇の元教授、明治学院を提訴〉という記事が載った。このニュースは他紙には出ていない。同記事によると、授業を秘密録音(盗聴)されたことを告発して解雇されたのは倫理学を担当する寄川条路・明学大教養教育センター教授(55歳)だ。
 寄川氏は昨年12月28日、明学大を運営する学校法人明治学院に教授としての地位確認と、慰謝料など約1,370万円を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 訴状などによると、寄川氏は2015年4月の講義で、大学の運営方針を批判したことなどを理由に、同12月に大学側から厳重注意を受けた。大学側は、授業の録音を聞いて寄川氏の批判を知ったと認めたため、寄川氏は学生が何らかの情報を知っているかもしれないと推測。テスト用紙の余白に大学側の教授の名前を挙げ「録音テープを渡した人を探している」と印刷し、呼び掛けた。これに対し大学側は、その教授が録音に関わった印象を与え、名誉毀損に当たるなどとして昨年10月17日付で懲戒解雇した。
 寄川氏は文学博士で、『ヘーゲル哲学入門』や『初期ヘーゲル哲学の軌跡』などの著書があり、「紀川しのろ」の筆名で随筆家としても知られ、和辻賞(日本倫理学会)、日本随筆家協会賞などを受賞している。14年10月には、東京都内の古書店でドイツの哲学者ヘーゲルの自筆書き込み本を発見し話題になった。
 寄川氏は同年10月28日、東京地裁に労働審判の申立を行なった。12月8日に地裁は「解雇は無効だから復職を勧める」とし、復職させるよう大学側を説得したが、大学側は「復職ではなく金銭解決を望む」と表明、寄川氏は「金銭解決ではなく復職」と要望したため、地位確認訴訟に移行することになった。
 大学側は労働審判で秘密録音の事実を認めた。寄川氏の授業を盗聴したのは教養教育センター長の黒川貞生教授で、実際に授業を録音したのは、大学によれば「教職員」とのことで特定されていない。
 授業を録音していたのは大学の方針を批判している教員を処分するためで、録音テープを使用していたのは、調査委員長の嶋田彩司教授(元センター長)。解雇理由は「懲戒解雇と普通解雇」の二つがある。懲戒解雇の理由は「授業の秘密録音が行われていたことを、関与した教員の名前を挙げて告発した行為。授業で学生に公表し、学内の人権委員会、教授会、教員組合に、学外の裁判所、マスコミ、文部科学省などに、通知したこと」など。普通解雇の理由は、「授業の内容と教科書の内容が大学の権威とキリスト教主義を批判しているから」だとされた。
 東京新聞の記事によると、大学側は労働審判で職員による録音を認めたうえで「録音したのは実質的には授業でなく、(年度初めの)ガイダンス。授業内容を根拠としての解雇ではない」と説明した。

 授業の盗聴は教育の自由の侵害
 これに対し、寄川氏は「授業の盗聴や秘密録音、録音テープの無断使用は不法行為である」「授業や教科書の検閲は、表現の自由、学問の自由、教育の自由の侵害である」と主張している。
 寄川教授はこう訴えている。
〈副学長によれば、明治学院大学では、授業の盗聴が「慣例」として行なわれており、今回の秘密録音も大学組織を守るために行ったとのことだ。同大学では、大学の権威やキリスト教主義を批判しないように、授業で使われる教科書や配付される資料を事前に検閲したり、提出された学生の答案用紙を無断で抜き取って検閲したりしていた。今回の事件については、授業を秘密録音して教員を解雇した「目黒高校事件」と同様、表現の自由、学問の自由、教育の自由をめぐって、これから本裁判で争われることになる。
 なお、明治学院大学は今年(15年)、教養教育センターの教員と科目の20パーセント削減を決めていた。〉
 寄川氏はメディア関係者へ送ったメールに、次のような〈小論「盗聴される大学の授業」〉を付けた(要約・抜粋)。
〈相手に知られることなく無断で会話や電話を録音する「秘密録音」が社会に急速に広がっている。(中略)大学の授業も例外ではない。熱心な学生が復習のために授業を録音するのではない。休んだ学生のために録音するのでもない。そうではなく、教授が何を話しているのかをチェックするために、大学が授業を録音するのだ。
 大学では、教室にこっそり忍び込んで、学生に気づかれないように授業を録音して、教員を処分するための証拠に仕立て上げる。録音資料は本人のいないところで使用し、だれが録音したのかはわからないように隠しとおす。
 先生たちは、自分の授業が録音され、ほかの先生たちに聞かれているのではないかと、おびえながら授業を進めていく。教員同士の信頼関係はくずれ、そこに学生たちも巻き込まれていく。(中略)
 大学の講義を盗聴しても、秘密録音しても、録音テープをかってに使用しても、何とも思わない大学教授の集団が、体制に順応し、組織を守り、規則に従い、国家に奉仕する、そうした模範的な青年を作り上げていく。標的とされるのはまずは思想系の教員で、哲学や倫理学を担当する教員が大学から排除される。空いたポストに実務経験者が学長推薦で採用され、就職のための教育を施す。実務教育に馴らされた学生たちは、飼育されて去勢され、りっぱな大人となって社会へ送り出されていく。異様な光景を見た若い先生は別の大学に移っていき、ベテランの先生はうつ病で辞めていく。こころの病で休んでいる先生は大学にも多い。
 かつて、授業の盗聴をめぐって裁判があった。録音資料をもとに教員を解雇した学校は違法ではないと主張し、解雇された教員は違法だと主張した。裁判所の判決は、教員の同意なく授業を録音することは適切な手段ではなく、そのようなことをすれば、「教育の自由の空気」が失われ、「教員の授業における自由および自主性」も損なわれるから、不当な支配に当たるというものだった。
 まっとうな判決だが、ことは法律の問題だけではないだろう。(中略)
 いつだれがどこで自分の声を録音しているのかわからない。大学のキャンパスからは、雑談や世間話をする声が消えてしまった。教室とは盗聴とか秘密録音とかをするところではなく、安心して教員と学生が自由に議論のできる場でなければならない。〉
 寄川氏の解雇理由には、彼が教科書にしていた紀川のしろ著『教養部しのろ教授の大学入門』(ナカニシヤ出版、2014年)も挙げられ、大学側は、「大学一般、明治学院大学、キリスト教主義への愚弄」などを問題にしている。
 この本では、平成学院大学(仮名)での教養科目を教える教授の1年がユーモラスに描かれている。無意味な教授会、大学の教員採用人事のいい加減さ、大学紀要の実態がリアルに描かれている。本の帯には「大学で教えるためには国家資格も教員免許もいらない。大学の先生になるための採用試験もなければ、教育実習もない」などとある。あとがきには、「世間の常識は大学では通用せず、大学の常識は世間では非常識となる」とあった。受験生や保護者が、日本の大学がどういうところかを知るには最適の本だ。

 名前も名乗らない明学大広報課長
 東京新聞の記事では、明学大広報課は「懲戒処分は手続きに沿って適正に判断した。個別案件についてはコメントできない」としている。私は1月16日、同広報課に電話したところ、「ソメカワ」という職員が対応した。彼女は、「(寄川氏の件は)係争中の案件なのでお答えできない。個別の案件の取材には応じられないということだ」と取材を拒否した。
 彼女は電話の最初に名前を名乗ったが、「大学の見解を広報課が伝えているので、私の名前、役職は言えない」と言い張った。「いまどき、広報課スタッフが氏名を言わないのは官庁にもない。課長などの管理職に代わってほしい」と私が言うと、「私が広報課長だ」と言った。そこで、広報課長の姓名を確認するため総務課に電話した。アオヤマと名のった課長は「取材なら、広報課にすべて任せる。広報課が判断したことについて何も言えない。私の氏名も言えない」と述べた。大学の総務課によると、私に対応したのは染川真由美・広報課長と青山尚史総務課長(元教務課長)だ。
 寄川氏は1月24日、私の取材に次のように述べた。
「大学側がいう『その教授が録音に関わった印象を与え、名誉毀損に当たる』とする教授は、調査委員会委員長の嶋田彩司教授です。録音者は教務課職員か黒川センター長と思われるが、特定されていません。録音が確認できているのは、全15回のうちの第1回目の授業。大学側は、1回目の授業を『通常の授業』ではなく『授業ガイダンス』と呼んでいます。1回目の授業で行なわれたのは、大学の授業の運営方針(=履修者制限)への批判です。556人収容の大教室なので教職員がいても気付かず、実際、教室の中に職員らしき人がいたことがあります。教室のドアの向こう側で教務課職員がスマホを操作していたことや、教授会を教務課職員が盗聴していたこともあります」
 寄川氏がこの事案を知らせた団体、組織の反応については、こう話した。
「学内の人権委員会、教授会、教員組合は取り上げない。朝日新聞と読売新聞は電話取材。東京新聞は面談取材。文科省は反応なしでした。メディアで報道したのは、私が知るかぎり、東京新聞・中日新聞だけです」
 寄川氏は「言いたいことは多々あるが、代理人の弁護士と相談したところ、裁判が終わるまでは、情報は大学側にも伝わるため、できるだけ公開しないほうがよいということなので、しばらくがまんしている。裁判が終わってから、存分に表現したい」と言っている。確かに、裁判になると、どんな組織も自己防衛のために何でもやってくる。裁判に勝つことが何より大事なので、賢明な判断だと思う。
 東京新聞以外の報道機関がこの事案を報道しないのはおかしい。新聞社にとって大学は重要な広告収入源などで、記事にしないのではないかと疑ってしまう。

 「日本最古のミッションスクール」で盗聴
 明治学院はヘボン式ローマ字で知られるジェームス・カーティス・ヘボンが1863年横浜に開いた「ヘボン塾」を起源として「キリスト教主義教育」を掲げ、教育の理念を「Do for Others」(他者への貢献)としている。
 明学大の寄川氏に対する解雇攻撃と被告・明治学院の言動は常軌を逸している。弾圧された側が授業で学生に無断録音の事実を公表し、大学内外に事案を伝えるのは当然だ。解雇理由が「大学の権威とキリスト教主義を批判しているから」というのは、大学とキリスト教主義の自殺行為だろう。教員の授業を盗聴した者が処分を受けるのならわかるが、「授業を盗聴され秘密録音されたことを大学に告発した」教授が懲戒解雇されるというのは理不尽だ。
 中山弘正・明学大名誉教授(元明治学院学院院長、経済学)は「大学が教員の教室で話したことを録音するなどということは、あってはならない。退職して13年もたつので、この件については何も知らないが、私がいた時には、そういうことは一度もなかった」と話している。
 中山氏は1995年6月に、明治学院の戦争責任を告白した。学校法人明治学院はこの告白文を入れた『心に刻む 敗戦50年・明治学院の自己検証』を発行、その冒頭にこう書いている。
〈日本国の敗戦50周年に当たり、明治学院が先の戦争に加担したことの罪を、主よ、何よりもあなたの前に告白し、同時に、朝鮮・中国をはじめ諸外国の人々のまえに謝罪します。また、そのことを、戦後公にしてこなかったことの責任をもあわせて告白し、謝罪します。〉
 また、この告白文には、戦時中に国策に協力した「日本基督教団」の〈「統理」冨田満牧師は自らも伊勢神宮を参拝したり、朝鮮のキリスト者を平壌神社に参拝させたりしました(1938年)〉という指摘や、〈1939年、明治学院学院長に就任した矢野貫城氏は、宮城遥拝、靖国神社参拝、御真影の奉戴等々に大変積極的に取り組みました〉という記述があった。最後に告白は、海外に軍隊を派遣し始め、「殉国」の思想が現代的装いをもって、じわじわと日本社会のなかに浸透していると指摘し、この邪悪なる時代に対処する力を備えるよう訴えている。
 明学大がいまやるべきは、教員の「監視」ではなく、戦前を取り戻そうとする邪悪な安倍政治への批判ではないか。

 「御用組合」は不適切用語と非難した同志社大学
 寄川氏の事案と、同志社大学(水谷誠理事長)が私を不当解雇した手口には共通点が多い。同大も「キリスト教主義教育」を掲げている。
 私は22年間、共同通信に勤めたあと、1994年から同大の大学院と学部でジャーナリズム論を教えた。14年3月末の「定年不延長」(同大では65歳が定年だが、大学院教授は70歳まで定年が1年ごと自動的に延長される)をめぐり、京都地裁において裁判中だ。
 私の場合は大学執行部との紛争ではなく、大学院社会学研究科メディア学専攻・社会学部メディア学科の同僚教員6人(渡辺武達名誉教授、小黒純・竹内長武・佐伯順子・池田謙一各大学院教授、河崎吉紀・学部准教授)と冨田安信社会学研究科長・社会学部長(当時。産業関係学教授)が共謀した闇討ちだった。この7人を背後で支えたのが、対米隷従で安倍首相に近い村田晃嗣学長(15年11月の学長選挙で敗北、現在法学部教授)らだ。
 小黒氏らは13年8月から地位裁判の代理人弁護士らと相談しながら私の追放作戦を進めた。小黒・竹内・佐伯・池田各氏は13年10月30日の社会学研究科委員会で私が退席したあと、私を"不良教授"と非難した「浅野教授 定年延長 審議資料」と題した怪文書を配布した。怪文書は、私が学生向けの講義要項に、〈大学院教授としての品位にかける表現 例「ペンとカメラを持った米国工作員」「労務屋」「企業メディア"用心棒"学者」「デマ」など〉の〈不適切用語〉を使ったと非難した。
 私は地位確認裁判とは別に、この4人と黒幕の渡辺氏を相手取って、京都地裁に名誉毀損・損害賠償訴訟を提起した。この「怪文書」5人裁判の証人尋問が1月12日に京都地裁で開かれ、原告の私と渡辺・小黒両氏が証言した。渡辺氏は「(浅野の定年延長について)全く関心がなく、何も関与していない」と証言した。
 小黒教授は主尋問では、私に対するヘイトスピーチをなめらかに述べたが、原告側弁護士による反対尋問では、人が変わったように言葉を見つけるのに必死だった。「博士後期課程の教授でないあなたに、浅野教授の業績を云々する資格があるのか」という質問には、「謙虚に答えなければなりませんが、……あると思う、ということにしておきましょう」と答えた。学生に労務を強制したという陳述書(16年12月20日=地位裁判結審の日に提出)の記載について、「何人の学生から聞いたのか」という問いには、「覚えていない」などと答えた。
 小黒氏は「(原告の支援者で)タドコロと名乗る人物が、私に対し『あなたは人の首を切って平気なんですね』と脅迫した。何らかの危害が加わられるのではないかと、恐怖にさらされ怖かった」「原告は、多数の学生を引き連れて佐伯教授を取り囲んだ」などと証言をしたが、ウソである。また「原告が職場にいることで教員は常時強いストレスにさらされ、長く続く恐怖感によって突発性難聴などを発症した。私は帯状疱疹に罹った」とも証言した。私が「菌」だというのだ。裁判は4月13日の次回期日で結審する。
 大学教授の地位は国会議員、法曹人、ジャーナリストなどと同様、簡単に剥奪されてはならない。私の恩師である白井厚・慶應義塾大学経済学部名誉教授(社会思想史)は14年1月の同大での「ドイツ古典哲学の教えるところによると、大学の教授というのは全面的な自由を持ってなければならないということだ。それは自由な発言をすることによって、優れた教授の優れた研究が生まれるからである」と話している。


明治学院大学解雇事件、新聞報道集

無断録音「学問の自由侵害」 解雇の元教授、明治学院を提訴

■「東京新聞」(2017年1月7日)

 授業を無断録音された上、懲戒解雇されたのは不当などとして、明治学院大(東京都港区)の元教授寄川条路さん(55)が、同大を運営する学校法人「明治学院」に教授としての地位確認と、慰謝料など約1,370万円を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが、関係者への取材で分かった。
 訴えなどによると、寄川さんは一般教養で倫理学を担当。2015年4月の授業で、大学の運営方針を批判したことなどを理由に、同12月に大学側から厳重注意を受けた。大学側は、授業の録音を聞いて寄川さんの批判を知ったと認めたため、寄川さんは学生が何らかの情報を知っているかもしれないと推測。テスト用紙の余白に、大学側の教授の名前を挙げ「録音テープを渡した人を探している」と印刷し、呼び掛けた。これに対し大学側は、その教授が録音に関わった印象を与え、名誉毀損に当たるなどとして昨年10月に懲戒解雇した。
 寄川さんは「大学側が授業を録音したのは、表現の自由や学問の自由の侵害だ」と主張。労働審判を申し立てたが解決に至らず、訴訟に移行した。大学側は審判で職員による録音を認めた上で「録音したのは実質的には授業でなく、(年度初めに授業方針を説明する)ガイダンス。授業内容を根拠としての解雇ではない」と説明していた。
 同大広報課は、本紙の取材に「懲戒処分は手続きに沿って適正に判断した。個別案件についてはコメントできない」としている。

揺らぐ学問の自由、「盗聴」告発の明治学院教授

■「上智新聞」(2017年2月1日)

 2016年の学長選任規則改正による学長選挙の廃止を受け、本紙1月号は「問われる『大学の自治』」と題した記事を掲載した。
 機を同じくして、東京新聞1月7日朝刊に「『無断録音 学問の自由侵害』」という記事が掲載された。明治学院大学の寄川条路教授が、講義の無断録音及び懲戒解雇は不当だとして学校法人「明治学院」に対し、地位確認や慰謝料などを求める訴訟を起こしたという内容だ。「学問の自由の侵害だ」とコメントを出している寄川教授に対し、本紙が独自に取材した。
 寄川教授は以前から、講義の受講上限人数などをめぐり大学側と対立していた。大学側は学期初め講義を無断で録音し、教員の処分を検討する会議で使用していたという。寄川教授が秘密録音を「組織的な盗聴」だと関係者の名前とともに告発し、学生に情報提供を呼びかけると、大学側は名誉毀損だとして同教授を懲戒解雇。また教科書や講義内容が大学の理念にそぐわず教員不適格だとして、普通解雇を重ねて行ってきたという。寄川教授は「懲戒解雇だけでは、判例などから不当と判断されやすいため、より確実に解雇したいのだろう」と推測する。
 大学側は労働審判で録音の事実を認めながらも、録音したのは学期初回のガイダンスであり、解雇理由に講義内容は関係ないと主張。復職を求める寄川教授と金銭解決を目指す大学側とで決着がつかず、訴訟へと至った。現在も係争中で、寄川教授は今後訴訟の経過に応じて順次情報を公開する予定だという。
 寄川教授は「言論と表現の自由が保障されるべきなのは大学に限った話ではない」としながらも「講義の盗聴は教員のみならず学生たちの間にも不信感を招く。信頼関係を確立すべき教育の場では最も不適切な行為だ」と語る。また、学生に向けて「大学は何を言いたいか、何を聞きたいかを自分で考えることができる場。それを大事にしてほしいが、今行われているのはそうした場の破壊にほかならない」と大学の価値とその危機に目を向ける重要さを訴えた。(矢部新・成田一貴)
※寄川条路氏は学校法人明治学院と地位確認係争中であるため「明治学院大学教授」と表記しました。

 記者の目
 事態の詳細は司法の場で問われるべき問題であり、本紙が口を出せることではない。ツイッターを見れば、明治学院大学の学生から「教授の言い分や新聞の論調は一面的だ」等の批判もあるようだ。
 だが学問の自由という観点から言えば、大学側が無断で講義を録音していたという一点のみでも、紙幅を割いて追うべき理由としては十分だ。


学問の自由と信教の自由を弁(わきま)えない大学

■VERDAD, Oct. 2017

学問の自由と信教の自由を弁(わきま)えない大学

慶應義塾大学名誉教授
弁護士
小林 節

 明治学院大学の寄川条路教授(倫理学担当)が懲戒解雇された。理由は、同教授が、大学の教育方針と大学の設立母体であるキリスト教派の教義に批判的だからだそうである。その決定のために、大学は、同教授の教科書の内容を確認し、さらに、同教授の年度初回のオリエンテイション講義を無断で録音してその内容を確認したのことである。

 私は、かつて日本とアメリカの大学で学んで憲法学者になり、その後、日本とアメリカ等の大学で教授として働いた大学人として、この話に接した時、その信じ難い内容を、俄(にわか)には理解できなかった。

 人間は、文明を持つ特異な存在として、この地球上に君臨して来た。この世には、天変地異から人間関係や病気に至るまで、あらゆる出来事に因果関係がある。そして、人々を幸福にする因果関係を発見・増進し、逆に人々を不幸にする因果関係を発見・減殺しようと努力して来たのが、人類文明の歴史である。

 この、あらゆる事象の因果関係を追究する自由を「学問の自由」と言い、これは全ての人間に保障された人権である。しかし、高度の文明を生きる近代以降の人類は、職業としての学問に人生を懸けた人々が権力による弾圧と誘惑を逃れて学問の自由を享受する場としての「学問の自治」を確立した。

 だから、大学において、教授は、担当科目として大学と契約した科目に関する限り、その研究・教育の対象・方法・発展に関する自由を憲法23条により保障されており、教授の自由は、法に触れない限り、歴史の中で学問的評価以外により裁かれることはない。

 だから、大学当局が、教授の教科書を「検閲」したのも論外であるが、されに、教室に不法侵入して講義を録音するという違法行為まで犯して、それが「大学の方針に反する」など評価して、その地位を奪うことは論外である。

 教授という地位で採用された学者には、大学の方針に合わせて学説を曲げて講義をする義務などない。寄川博士の学説に反対な者には、それを批判する学問表現の自由が許されているだけで、そういう討論を経て発展して行くのが学問である。

 さらに。宗教団体が設立したいわゆるミッション系大学における学問の自由について、この際、言及しておきたい。

 まず、ある教団がその博愛主義と経済力の故に大学を設立した例は多い。そこでは、教団の人々が国家に対して大学設立の認可を申請し、その認可が下りた瞬間に、教団とは別人格の大学(学校法人)が生まれたのである。つまり、それは大学であり宗教団体ではないということである。

 大学において「宗教」が語られる場合、それは哲学、歴史学、民族学、社会学等の科学の対象として語られるもので、信仰・布教の一環として語られてはいけないのである。そこでは、学者として教授が、様々な宗教・宗派を科学の対象として批判的に論評する学問の自由が保障されている。

 だから、宗派内の日曜学校の説教師ではあるまいし、大学の一教授が学説として特定の宗派の教義に批判的であるからといってその地位を奪うなどという発想自体が大学人として論外である。これも、学説には学説批判で対応するのが大学人としてのマナーである。

 まるで、単なる人間的な好き嫌いに起因するパワハラを見ているようで、情け無い。

2018年01月21日

福岡教育大、学長選巡り不当労働行為 組合活動を妨害 東京地裁判決

毎日新聞(2018年1月16日)

 福岡教育大(福岡県宗像市)が投票結果を覆す学長選びをしたため労働組合が批判するビラを配ったところ、当時の学長が組合活動を妨害する発言をしたとして、東京地裁(佐々木宗啓裁判長)が学長発言を労働組合法が禁じる不当労働行為と認定した。ビラを配るなどした教授2人への人事上不利益な取り扱いも不当労働行為と認めた。中央労働委員会による救済命令を取り消すよう求めた大学側の請求は棄却した。

 判決は昨年12月13日付。佐々木裁判長は、学長発言について「労働関係上の制裁を示唆して組合活動を弱体化させる恐れを生じさせた。言論の自由を踏まえても配慮を欠き、労使の秩序を乱した」と批判。人事上の取り扱いについても「大学自治を侵害しかねない不相当な手続きを強行した」などと指摘した。

 判決によると、学長選は2013年11月に実施され、当時の現職学長が88票、組合が推す候補が123票を獲得。しかし選考会議で当時の学長が選ばれたため組合は同年12月、「大学自治や民主主義に照らして問題だ」とするビラを配った。これに対し学長は「本学への信用失墜行為だ」と非難する文章を大学ホームページに掲載したうえで、配布した教授の研究科長への任命を拒否するなどした。

 労働組合の救済申し立てを受けた福岡県労働委員会は16年、学長発言などを不当労働行為と認め、再発防止を誓う文章の学内向けホームページ掲載などを求める救済命令を出した。中央労働委員会も17年に同大の再審査申し立てを棄却したため、同大が命令取り消しを求め東京地裁に提訴していた。福岡教育大は「判決は不服で控訴した。それ以上はコメントできない」としている。【平川昌範】


2018年01月18日

注目される地裁下関支部の判断 雇い止め問題めぐり梅光学院学長、前学院長ら証人尋問

長周新聞(2018年1月18日)

注目される地裁下関支部の判断 雇い止め問題めぐり梅光学院学長、前学院長ら証人尋問
学生や同窓生らが傍聴につめかける

 梅光学院大学(下関市)の矢本浩司特任准教授が、平成27年度末での雇い止めの無効と地位の確認を求めた裁判をめぐって16日、証人尋問がおこなわれた。矢本浩司氏と、学院側から樋口紀子学院長・学長、中野新治前学院長の3人が証人として出廷した。山口地方裁判所下関支部には梅光学院の同窓生や教職員、学生などが傍聴に詰めかけた。38の傍聴席に対し、傍聴希望者は50人をこえ、多くの関係者がこの裁判の成り行きを見守っていることを示した。梅光学院側からも只木統轄本部長など3人が傍聴していた。

 裁判では、矢本氏を採用したさいの無期雇用への転換を期待させる発言の有無や、「1年更新の最長3年」とした契約書をめぐる理解なり認識、就任後の業績についてなど、さまざまな面から雇い止めの是非が争われている。ここ最近、学院側は「財政難」を強調するようにもなっている。

 証人尋問では改めて、矢本氏の雇い止めに至るまでの経緯が双方の証言から浮き彫りになった。同窓生や教職員が現経営陣の方針に疑問を抱き、運動を開始するきっかけとなった教員の大量解雇(自主退職、希望退職)による「経営改革」と大きくかかわっていたこと、初志を覆し矢本氏を雇い止めするに至った中野前学院長の態度も傍聴席の人人のなかで関心を呼んでいた。

 矢本氏は大阪の八洲学園高校の前職を辞して2015年4月に梅光学院に赴任した。在職中、学生からの授業評価が高かったことなどは周知の事実だ。

 しかし同年7月頃、本間政雄理事長、樋口学長、只木統轄本部長など執行部に弁護士や社労士をまじえ、人件費削減による収支の黒字化を進める話しあいが持たれた。この会議への参加を要請された矢本氏は、その場で中野学院長(当時)が最後まで首を縦に振らず、首切りをしない財政黒字化を主張していたことに共感し、「気骨のある人だと思い、協力したいと思った」とのべた。

 その後、中野氏の求めに応じて「首切りをしない財政黒字化」の方向を検討し、前職の学校での経験から、梅光に通信制課程を導入することなどを提案、その場合の試算をおこなうなどしていた。その過程では中野氏から理事1人の紹介も受け、副学長をまじえた4人で何度か話しあいを持っていたという。矢本氏は、執行部方針に逆行する行動のため、何度も中野学院長(当時)に「雇い止めになることはないか」と質問したが、当時人事権を持っていた中野学院長は「雇い止めすることはない」との趣旨の発言をおこなっていたとのべた。話しあいを重ねた結果、9月の理事会で中野氏が執行部の改変をおこなう「学院長声明」を読み上げることが決まったが、当日中野氏は声明を読み上げず、後日矢本氏のもとに謝罪に訪れた。矢本氏は、その後中野学院長から「しばらく待ってくれ」との連絡があり、待機していたところ、2月24日に突然、雇い止めの通告がおこなわれたと証言した。

 この点について中野氏は、希望退職を募る以外の方法について矢本氏に相談していたことを認めたうえで、「もし本当にやったら相当な混乱が起こる」と考えて学院長声明を読み上げなかったこと、その後、学院長声明を破棄するよう矢本氏に伝えたにもかかわらず、矢本氏が活動を続けたと主張した。

 中野氏の証言については、否定した内容について録音テープが提出されるなど、事実と証言の食い違いも見られた。

 樋口氏の証言は、梅光学院の経営がいかに厳しいかを強調する内容で、学院が人件費を抑えるために任期制を導入しており、雇い止めになった教員が多数いることをあげて矢本氏が特別でないことを強調した。ただ、具体的な経営状況を質問されると答えられないことが多く、最近、梅光が起こした借入についても言葉を濁す状況だった。

 教員が多数雇い止めになる一方で、「只木先生の働きが著しい」という理由から、只木氏については任期なしの雇用に転換したことも明らかになり、傍聴していた同窓生らは驚いていた。

 最終的な判断は裁判所が下すことになる。矢本氏の裁判は終盤を迎えているが、今後教員ら10人が起こした集団訴訟も始まっていく予定で、集まった人人は「まだこれからだ」と思いを新たにしていた。


2018年01月09日

札幌医大の5年雇い止め規則、組合が救済申し立て

朝日新聞(2018年1月6日)

 「北海道自治体ユニオン」(札幌市)は5日、札幌医科大が非常勤職員の雇い止めに関する団体交渉に応じないのは不当労働行為にあたるとして、道労働委員会に救済を申し立てたと発表した。組合は同大が雇用上限を5年とする就業規則を撤廃し、雇い止めをしないよう求めている。

 2013年4月に施行された改正労働契約法では、パート従業員や派遣社員といった有期雇用の労働者が同じ職場で5年を超えて働いた場合、本人が申し込めば無期雇用に転換できると定めている。施行から5年後の今年4月から無期転換の権利が生じる。

 組合によると、昨年8月、同大の非常勤職員3人が雇い止めのおそれがあるとして相談に訪れ、同9月から団体交渉を開始。組合側は雇用期間の上限を撤廃し無期雇用への転換を求めたが、同大は同12月の役員会で上限を5年とすることを決め、今後交渉に応じない姿勢を示したという。

 今年3月には非常勤職員7人が在職5年を迎え、今後さらに258人が雇い止めにあう可能性があるといい、東原勉執行委員長は「無期転換から逃れるための雇い止めはあってはならない」と指摘している。


2018年01月08日

雇い止めは無効、梅光学院大 地裁支部

■朝日新聞(2018年1月6日)

 学校法人梅光学院(下関市向洋町1丁目)による雇い止めは無効だとして,梅光学院大学の矢本浩司特任准教授(45)が地域保全などを求めた2度目の仮処分申し立てについて,山口地裁下関支部(池内継史裁判官)は雇い止めの無効を認める仮処分決定を出した。決定は昨年12月27日付。

 決定などによると,矢本さんは2015年4月に同大文学部の特任准教授として採用され,16年3月末までで雇い止めとされた。矢本さんは地位保全と賃金の仮払いを求めて仮処分を申し立て,地裁下関支部は9月,矢本さんの地位と同年6月以降の賃金の仮払いを認める決定を出した。だが仮払いされないため,17年1月に地位確認などを求める訴訟を起こし,再び仮処分も申し立てた。

 今回の決定は改めて矢本さんの地位を認めた,賃金の仮払いについては今年1月以降の分のみ認めた。

 矢本さんは取材に対し,「地位保全の主張が通り喜んでいる。訴訟では本人尋問が控えており,さらに自分の主張をしていきたい」と述べた。梅光学院は「係争中につきコメントは控えるが,今回の決定についてはこちらの主張もある程度認められたと考えている」とコメントした。(山田菜の花)

2017年12月21日

大学オンブズマン声明、学校法人四国大学は徳島地裁の判決に従うとともに、女性准教授に謝罪せよ

■大学オンブズマン
 ∟●学校法人四国大学は徳島地裁の判決に従うとともに、女性准教授に謝罪せよ(2017年12月20日)

学校法人四国大学は徳島地裁の判決に従うとともに、女性准教授に謝罪せよ

2017年12月20日 大学オンブズマン

 報道によれば、学校法人四国大学(徳島市、佐藤一郎理事長)に対して、うつ病を発症したのは長時間労働(使用者の安全配慮義務違反)が原因であるとして損害賠償を求めた女性准教授の訴えが認められ、休職中の賃金や慰謝料など1395万円の支払いが命じられた。
 判決文では、以下のような趣旨のことが述べられている。

1.安全配慮義務違反の有無について
 被告(学校法人四国大学)が、原告(女性准教授)の業務の遂行により、過度の疲労や心理的負荷を蓄積し、心身の健康を損なう状況にあることを具体的に予見することができるものと認められる。しかるに、被告は、原告の業務量等を適切に調整するための措置を何ら講じず、また被告において適切な措置を講じなかったのであるから、被告には原告に対する安全配慮義務違反があると認められる。

2.本件疾病の悪化について
 被告代表者は、2012年年3月15日、面談において、原告に対し、現状では原告が准教授としての職務を遂行できないことから、一定期間休職し治療に専念するため、休職願を提出するか、准教授としての職務が全うできるという診断書が提出されなければ、退職してもらうという判断をせざるをえない旨告げた。
 当時、原告は、本件疾病に罹患して治療中であったのであり、かかる原告に対し、休職か退職かの選択を求める上記発言は原告に対し、強い精神的負荷を与えるものであったといえる。
 被告代表者において、本件疾病が原告の長時間労働等の被告における業務に起因するものである蓋然性は予測可能であったと言わざるをえないことも考慮すれば、被告代表者の上記行為は、原告に対する安全配慮義務に反する行為があったと認められる。

3.安全配慮義務違反と本件疾病との因果関係
 2009年度における過重な業務量に起因する原告の早朝から深夜までに及ぶ常態化した長時間労働は、原告に相当程度の疲労の蓄積を生じさせるものであったといえる。また、原告がほぼ1人で担当していた本件実習のカリキュラムは、四国大学で初めての看護学実習であり、当該カリキュラムが成功しなければ、下級生の実習に影響が出るものであり、その重要性から、その準備には相当程度の精神的負荷を伴うものであり、また、原告は様々な委員会に所属し、委員として活動を行っていた他、一定の責任を伴う看護学科の副主任としての業務にも従事していたのであり、原告の業務は質的にも過重であったというべきである。
 以上のように、原告の業務は、量的にも質的に、過重なものであり、原告の心身の健康を損なうおそれが十分になったものといえるところ、原告の心身の健康を損なわないようにするための措置がとられない中で、原告は本件疾病を発症したものであるから、本件疾病は、原告の業務に対する被告の安全配慮義務違反により生じたものと認めるのが相当である。

 当オンブズマンは学校法人の対応は極めて悪質であると考え、学校法人四国大学のありようを早急に是正することを求めて、①当該准教授の職場復帰に向けて、法令にのっとり適切に使用者責任を果たすことと、②当該准教授が起こした裁判をいたずらに長引かせず、訴えの内容を受け入れた和解を含め誠実に対応することを要望した(別項、2016年6月20日付の「声明」を参照)。
 このようなことからわれわれは、徳島地裁の判決を歓迎するとともに、学校法人が判決に従うことと、当該の女性准教授に謝罪することを強く求める。
 残念ながら学校法人四国大学は、判決を不服として控訴した。女性准教授ならびにご家族は当局の不誠実な対応によって、心身を大きく傷つけられている。われわれは、改めて学校法人の倫理的な対応、社会的な責任が改めて問われていることを厳しく指摘する。今後も当オンブズマンは学校法人四国大学に対する社会的な監視を強めていく所存である。

以上

【資料】
学校法人四国大学における重大な法令違反・人権侵害の是正を求める声明
2016年6月20日 大学オンブズマン

 報道によれば、学校法人四国大学(徳島市、佐藤一郎理事長)が設置する四国大学は、徳島労働基準監督署によって労働安全衛生法の疑いで徳島地方検察庁に書類送検された。内容は、労災認定された、同大学に勤務する准教授に関する労働者死傷病報告書の提出を怠っていたというものである。
 当該准教授は2013年6月に徳島労働基準監督署から、うつ病を発症したのは長時間労働(直前の1か月の時間外労働は160時間を超える)による強いストレスが原因として労災認定されている。自らの責任によって被雇用者にうつ病を発症させながら、適切な対応を取っていなかったことは重大な法令違反であり、きわめて深刻な人権侵害である。
 『徳島新聞』2016年5月27日によれば、大学は「指摘を受けるまで義務づけられていることを知らなかった。労災保険の申請手続きには対応しており、労災を隠す意図はなかった」述べているとのことであるが、大学を含め組織の社会的責任が強調されるもとで、信じがたい対応である。
 労災認定後の四国大学の対応を見ていれば、この言をそのまま受け取ることはできない。学校法人四国大学は、健康状態が回復した当該准教授の復職の求めに対して、あれやこれやの理由をつけて拒否するという人権侵害を行っている。また、労働基準監督署の指導にしたがって、ハラスメントを生じさせない職場環境づくりに取り組むことも進んでいない。さらには、当該准教授が労災認定され給付を受けていることを知りながら社会保険(私学共済)の資格喪失手続きを行うという非人道的なことを行った。
 大学は「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」(学校教育法、第83条)場である。同じく大学は「その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする」(同、第83条の2)とされている。ブラック企業が社会的な問題となっているもとで、大学はよりいっそう社会の範となることが要請される。
 学校法人四国大学のありようは早急に是正される必要がある。当オンブズマンは、学校法人四国大学に以下の2点の対応を早急に行うことを強く求める。
① 当該准教授の職場復帰に向けて、法令にのっとり適切に使用者責任を果たすこと。
② 当該准教授が起こした裁判をいたずらに長引かせず、訴えの内容を受け入れた和解を含め誠実に対応すること。
以上

2017年12月18日

サイト紹介、名古屋芸術大学解雇事件

中河・小西両教授を支援する会HP
https://kaikoshien.wixsite.com/website

2017年11月09日

梅光学院大の給与・退職給与訴訟 大学側は争う姿勢 地裁下関

毎日新聞(2017年11月8日)

 下関市の梅光学院大の教授や准教授ら10人が同大を相手取り、給与と退職給与規定の変更の無効などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が7日、山口地裁下関支部(泉薫裁判長)で開かれた。大学側は「棄却を求める」として、全面的に争う姿勢を示した。

 訴状などによると、同大は昨年4月1日、教員給与と教職員退職給与規定を変更し、これにより教授らの給与や扶養手当などが大幅に減少し、大きな不利益が生じたとしている。原告によると、手当を含めた給与は月4万~7万円程度減額となり、原告の1人は大学側から規定変更後の退職金は約700万円減額となる説明を受けたという。原告側は、(規定変更による)不利益の程度が著しい▽労働条件変更の必要性が乏しい▽変更後の内容に相当性がない--などと主張している。

 裁判後、記者会見した原告の渡辺玄英准教授は「今の梅光学院大は、大学の中で自由に物が言えず、多様性が排除されている。優秀な教員が次々と辞めていき、学生たちが不利益をこうむっている。(同学院の)中学高校でも同様のことが起こり、教師が大量に辞めている。こうした現状を訴えるために提訴を決意した」と経営陣を批判した。

 同大は訴訟について「急速に進む少子化により、私立大学の経営を取り巻く環境は、年々厳しさを増している。賃金体系の見直しは経営改革の一環として、安定した経営基盤を確保することを目的に行ったもので、法令に則(のっと)って、慎重に進めてきた。訴訟が提起されたことは遺憾」などとするコメントを発表した。【上村里花】

[新聞記事]
山口新聞
朝日新聞
長周新聞
読売新聞

2017年11月03日

梅光学院大学有志、労働条件の不当な不利益変更等に関する訴え

労働条件の不当な不利益変更等に関する訴え

2017年11月2日

報道機関及び関係各位

梅光学院大学 教員有志
幹事 渡辺玄英

労働条件の不当な不利益変更等に関する訴え

 
梅光学院大学は、2016年4月から教員の労働条件の不利益変更を実施しました。
それに対して、その変更は一方的かつ不当なものであると、教員10名が下関地裁に提訴しました。この件についてご説明をさせていただきたく、ここに記者会見のご案内を申し上げます。

一、概要  
一方的かつ不当なかたちで次の労働条件が変更された。
・本俸の大幅な切下げ
・手当(通勤、住宅、扶養など)の切下げや廃止
・退職金の大幅な切下げ

二 問題点
・労働条件の不利益変更は、労働者と経営者との十分な合意形成が前提とされているが、本件における合意形成ははなはだ不十分かつ妥当性を欠くもの、と原告側は認識している。
・経営側は経営の悪化を理由としたが、その主張を根拠とする程度の緊急性はなかった、と原告側は認識している。
・不利益変更の必要性や時期や切下げ幅などの内容に関して、経営側は十分に誠意をもって協議を行わなかった、と原告側は認識している。
・不利益変更は2016年4月から一方的に実施されたが、その内容範囲がバランスを欠いている
・賃金手当等の切下げを実施するにあたっての優先順位に多くの疑問がある。
・経営側執行部は同時期に、執行部の常任理事の報酬アップを画策していた。
・労働条件の関わる就業規則変更の手続きに疑義がある。

三、日時場所
 下関市役所の記者クラブ(を希望します)
 2017年11月7日 11時30分~

四、出席予定
 原告団から二名。弁護士二名。支援団体一名。

連絡先・・・渡辺玄英 {電話 090-9585-9979}

以 上

2017年10月28日

名古屋芸大、組合活動の2教授を懲戒解雇 「運営妨害」

朝日新聞(2017年10月28日)

 名古屋芸術大学(愛知県北名古屋市)を運営する学校法人名古屋自由学院が、教職員組合の委員長と副委員長の教授2人に今月25日付で懲戒解雇を通知したことがわかった。法人は9月、2人に自宅待機命令を出し、組合が撤回を求めていた。

 組合関係者によると、懲戒解雇通知書は25日、内容証明郵便で2人の家に届いた。通知書は「正当な事由なく大学の運営を妨害する行動を繰り返した」「教職員用メールボックスを目的外使用して『組合ニュース』を投入、就業時間内に組合活動をした」ことなどを挙げ、「就業規則の懲戒事由に該当する」と結論づけていた。

 組合は9月7日、「(法人の)理事会が評議会を廃止し、教授会規程を改正した」などとして、大学へ指導するよう文部科学省に陳情。同22日、法人は「職員の行為が懲戒に該当する」などとして組合正副委員長の教授2人に対し、40日の自宅待機を命じた。組合が理由を問い合わせたものの回答はなく、組合は「明確な理由がなく不当だ」と法人に撤回を求め、愛知県労働委員会に不当労働行為救済を申し立てていた。

 弁護団の小島高志弁護士は「組合活動を理由とした不利益取り扱いにあたり、労働組合法に抵触する」として、提訴も含め法的手続きを取る方針だ。

 法人の堀江龍昭理事は「懲戒解雇は事実。内部規則で機関決定したことなので詳細は答えられない」と話している。

名古屋芸大、組合幹部の2教授解雇 「不当」申し立て直後

毎日新聞(2017年10月28日)

 名古屋芸術大学(愛知県北名古屋市)を運営する学校法人「名古屋自由学院」が教職員組合委員長、副委員長の教授2人に対し、「大学の運営を妨害した」などとして懲戒解雇を通知したことが分かった。組合側は「決定は不当」と反発し、訴訟も視野に法的手続きを進める方針という。

 通知は25日付。法人側は「大学の運営を妨害する行動を繰り返した」「担当科目の選定で合理的理由がなく拒否行動を行った」「教職員用メールボックスを目的外使用して『組合ニュース』を投入、就業時間内に組合活動をした」と指摘し、「就業規則の懲戒事由に該当する」とした。

 組合代理人の小島高志弁護士によると、法人の理事会が2014年10月、全職員に給与削減を提示。組合は団体交渉を求めたが、理事会が応じず、給与削減に踏み切ったという。17年度の授業カリキュラムを作成する際には、教授2人が専門外の授業を割り当てられたとして抗議した。

 また、法人は今年4月、教職員用メールボックスを利用した「組合ニュース」の配布禁止を通達。7月に「組合ニュース」が配布されると、法人は9月22日、教授2人に40日間の自宅待機を命じたという。

 組合は説明を求めたが、「個別の事案には回答できない」と拒否され、県労働委員会に不当労働行為救済を申し立てた直後に解雇が通知されたという。小島弁護士は「決定は不当で、容認できない。教職員を敵視した運営は学生にも不利益を与える」としている。

 一方、法人の関係者は「教授2人は数年前から周囲へのパワハラ発言が報告されている。自宅待機で釈明書の作成を命じたが、『覚えていない』と拒否された」と説明している。【横田伸治】


2017年10月27日

酪農学園大学長訴訟 「解任撤回」で和解 札幌地裁

■道新(2017/10/27)
「地位確認等請求事件」和解に関する声明

 理事会の違法な手続きによって学長を解任されたとして、酪農学園大前学長の干場信司氏(68)が、同大を運営する学校法人酪農学園(江別市)を相手取り、解任無効などを求めた訴訟は26日、札幌地裁(湯川浩昭裁判長)で和解が成立した。学園側は2015年7月14日付で行った解任の決定を撤回するとともに干場氏に解決金1600万円を支払い、干場氏は同日付で学長職を退任したとすることで合意した。

 原告側が和解成立後に会見して明らかにした。原告側代理人によると、学長解任の撤回は全国でも珍しいという。

 訴状などによると、干場前学長は13年4月に教職員による選挙で、任期4年の学長に選出された。学園理事会は15年3月、教職員による学長選挙を廃止するとともに、理事会が学長を解任できる規定を新設。同7月に理事会は「学長としての業務執行能力に疑問がある」などを理由に干場氏を解任した。干場氏側は「違法な手続きだ」として無効を訴えていた。

 干場氏解任後、学長には竹花一成氏が就任し、入学や卒業の認定などは竹花学長名で行われている。干場氏解任を撤回しても大学運営に混乱が生じないよう、同じ日付での退任にしたという。干場氏は会見で「解任が不当だったことが明確になった。学園には解任の決定に関わった理事会メンバーの責任を示してほしい」と述べた。酪農学園は「理事長が不在で、和解内容を把握していないのでコメントできない」としている。

「地位確認等請求事件」和解に関する声明

2017年10月26日

原告 干場信司
「酪農学園の建学の精神と教育を守る会」代表 井上昌保

 本日(2017 年 10 月 26 日)、札幌地方裁判所(民事3部、湯川浩昭裁判長)に おいて、原告干場信司(酪農学園大学前学長)が、被告学校法人酪農学園(以下、学 園)が 2015 年 7 月 14 日に行った学長解任を不服として提訴した「地位確認等請求事件」(事件番号:平成 28 年(ワ)第 44 号)について、被告が学長解任を撤回 し、解決金を支払うことを骨子とする内容で、和解が成立しました。

 この和解は、原告が本裁判で第一に明らかにしたいと願っていた「学長解任の不当 性」を被告学園自身が認めたことを意味しており、これまでに例のない画期的なもの であります。

 被告学園が自らの重大な過ちを認めたからには、原告の人権ならびに名誉を甚だし く傷つけたこと、および、大学を混乱させたこと(下記「事件の概要」および別紙「「地 位確認等請求事件」に関する経緯」参照)に対して、原告の解任を決定した当時の理事 会メンバーは、責任を明確にしなくてはなりません。

 そのことを通して、学園および酪農学園大学が、専制的な運営を止め、真に建学の 精神に基づいた教育に邁進することを望むものであります。

 私ども「酪農学園の建学の精神と教育を守る会」は、今回の勝訴にも等しい和解の 成立に当たって、原告が強く願っていた学校法人酪農学園と酪農学園大学、とわの森 三愛高等学校の教育と学園運営の正常化のため、これからも全力をあげて努力する決 意です。

「事件の概要」
 前理事長らは、2014 年度後半に、寄附行為等の改訂により、建学の精神を軽視し、 自分達の権限強化と専制的な運営を可能とする体制作りを強引に進めようとしてい ました。それに対し、干場前学長(原告)や教授会メンバーは、二回にわたり構成員 の8割以上の署名によって反対の意を表わしていました。前理事長らは、この反対署 名を完全に無視しただけではなく、意に従わない前学長をこじつけの理由で解任した のでした。
以上

2017年10月18日

有名私立大学が「学内で起きた職員の凄惨な自殺」を隠蔽…背景に雇用をめぐるトラブルか

Business Journal(2017.10.13)

 発見まで、自殺の決行から4日がたっていた。首吊りによる遺体は、相当に腐敗が進んでいた。研究室のドア近くで、その変わり果てた姿と対面した課長職の女性が、切り裂くような悲鳴を上げたのも当然だ。

 現場には、家族宛と学部長宛の遺書があった。

「人を人とも思わぬ非道を許せない。一死をもって抗議する」

 学部長に対しては、そのような激烈な怒りの言葉が綴られていた。

 これが複数の関係者から語られた、現場の状況である。さらに関係者たちの話を総合すると、N先生の死の背景には、雇用をめぐる大学側とのトラブルが浮かび上がってきた。

 N先生は、東京工科大学の特任講師だった。2015年6月12日、N先生が自殺を遂げたのは、同大学八王子キャンパス研究棟Cの自室研究室である。

 どんな企業や団体でも、構成員が死亡すれば訃報が公表されるのが当然である。だが東京工科大学では、N先生の訃報は公表されなかった。むしろ箝口令が敷かれ、N先生の死は隠蔽され続けている。そして今、彼が使っていた研究室では、何が起こったかまるで知らない新たな教員が仕事をしている。

 1947年に創立された創美学園が、東京工科大学の起源だ。東京都八王子市片倉町の八王子キャンパス、東京都大田区西蒲田の蒲田キャンパスがあり、工学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部、応用生物学部、デザイン学部、医療保健学部を擁している。

 ゲーム制作などを行うメディア学部は、日本で初めての設立だった。同学部の客員教授には、手塚治虫の息子でヴィジュアリストの手塚眞氏がいる。シンガーソングライターのダイスケは同学部出身だ。自由な校風で知られる同校で、なにゆえ凄惨な自殺が起こり、今に至るまで隠蔽されているのか。

突然「今年で辞めていただく」と告げられる

 N先生が東京工科大学に着任したのは、2012年10月。「特任教授募集」に応募したのだが、採用されてみると「特任講師」であった。N氏は講義を持たず、学生の就職指導を専門に行う講師を務めた。多かれ少なかれ、どこの大学でも就職率を気にするが、東京工科大学でもその傾向はあり、教員のボーナスにも影響するという。就職できそうもない学生にきつく当たったり、受かるところに無理矢理にでも就職させて、自分の研究室の就職率を上げている教員も少なくないという。

 N先生のもとに相談に来るのは、そうした研究室から弾き飛ばされかねない、就職力の弱い学生だ。そもそも就職する意思がなく「働きたくない」と口にする学生に対し、N先生は働くことの意義を一から説いた。昼食時間でも、学生が訪れれば相談に応じた。

 2014年11月12日、大学の最高議決機関である大学評議会で、N先生の雇用契約の延長が発議され、同年11月には雇用契約を2018年9月までとすることが承認された。

 だが、年が明けた1月、N先生は学部長から「今年で辞めていただく」と告げられた。N先生は、不当に雇い止めがあった場合に備えて、労働基準監督署への相談・申告、労働審判の件、弁護士への相談などの準備のため、その証拠保全に努めた。

 それが3月になると、学部長より「これからも、ずっとよろしくお願いします」と言われ、仕事が続けられ、家族を養っていくこともできるとN先生は安堵した。

 しかし6月12日、学部長より突然「9月で辞めていただく」と告げられた。普段は温厚なN先生が、あまりの理不尽さに怒鳴ったという。N先生が自分の研究室で自殺を遂げたのは、その夜だ。

 その日の夕方、夫人は「今日は大学の近くに泊まる」とN先生からの電話を受けていた。翌週になっても帰って来ず連絡もないために、夫人が大学に連絡したのが6月16日。午前9時過ぎ、N先生は変わり果てた姿で発見された。

 N先生の研究室のドアには、面談予約していた学生向けに「キャリアサポートセンターで相談に乗ります」とのみ記された紙が貼られた。

 学内広報に訃報は載らず、箝口令が敷かれ、N先生の死は隠蔽された。それから2年がたった今、N先生の存在そのものが無き者のようにされている。

口をつぐむ、不自然な大学の対応

 N先生と直接話をしていた当時の学部長から事情を聞くべく、筆者が東京工科大学に連絡をしたのは、今年7月14日の午後1時半頃だった。こちらが名乗ると受付スタッフは電話をつないでくれようとしたが、再び受付スタッフが電話口に出た。用件を尋ねられ、N先生の自殺の件であることを伝える。しばらくして受付スタッフが出て、「ただいま、席を外しております」と言った。1時間後に再び電話をすると、「本日は出張に出ていて、帰りません」とのことであった。

 週明けの7月18日に電話をすると、席を外しているとのこと。それなら学長と話したいと申し出ると、会議中と説明された。その日のうちに再び電話をすると、総務部のスタッフが出て、「(当時の学部長は)話をしたくないといっている」と言った。社会的説明責任のある問題であり、話したくないで済む話ではないと告げると、学長宛に文書を提出してほしいとのことであった。

・N先生の死に関して大学としてどのように総括しているのか?
・N先生の死を隠蔽しているのはなぜなのか? 

 取材によって把握した事実を記した上で、大学の見解を問う文書を7月21日に送付した。これに対し、8月9日付で東京工科大学の事務局長の名で送られてきた回答には、以下のように書かれていた。

 「本学でも●●特任講師の事故は把握しています。貴殿からの平成29年7月21日付書面の内容は、本学が把握している事実と大きく異なっていますが、●●特任講師のご遺族のプライバシーにもかかわることですのでお答えできません」(氏名への伏せ字は、筆者による)

 この前後の文章は、夏期休暇などに関する事務的な内容だ。全文を通じて、N先生への哀悼の意を表す言葉はひとつもない。起こった事態の印象を和らげるためか「事故」という言葉が使われている。遺書が残されていたこと、警察による検証から、N先生の身に起きたことは、事故ではなく自殺であることは明らかだ。国語的にも「自殺」は「事故」ではない。まして、社会的に使われる場合には、明確に区別される。結果として、大学の回答は、事実の根幹をなす部分において虚偽が書かれているといえる。

 ビルからの転落死や、溺死、薬物死、縊死などの場合、自殺なのか事故なのか、あるいは事件なのかが問われ、徹底した調査が行われる。もし、N先生に起きたことが、本当に自殺ではなく事故だと大学が考えているのなら、調査の結果を公表すべきだ。

 また、筆者がN先生に関して質したのは、職務上のことであってプライバシーに属することではない。筆者が把握した事実は、複数の関係者から確かめたものだ。プライバシーは、回答できない理由にはならない。事実に対して反論ができないというのが真相だろう。

 経緯を振り返ってみるならば、雇用に関する説明が二転三転することからくる不安が、N先生を自殺に追い込んだ可能性は大きい。取材によって、パワハラが行われていた疑いも浮上している。東京工科大学が真理を追究する学問の府であるならば、N先生の自殺を隠蔽することをやめ、事実関係を明らかにすべきだ。

(文=深笛義也/ライター)

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