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 カテゴリー 教育費問題

2008年4月24日

京都私立大学教職員組合公費助成推進会議、私立大学父母家計負担実態調査(2007年度調査)を公表

京滋私大教連
 ∟●機関紙No132(2008.4.25号)

最低額を更新する生活費―求められる教育費負担の軽減策―

 京都私立大学教職員組合公費助成推進会議は、「2007年度私立大学父母家計負担実態調査」の結果をねっとわーく京都「大学特集号」(08年5月号)で一部紹介するとともに、冊子にまとめて公表しました。本調査結果では、高学費によって一層深刻さを増している家庭の厳しい経済状況が浮き彫りになるとともに、日本の高等教育予算と私大助成の増額の重要性を社会にアピールするものとなっています。今回は、調査結果の特徴を一部紹介します。
◆受験から入学までにかかった費用について
  受験から入学までにかかった費用は自宅生で154万903円(昨年比7507円減)、自宅外生で209万8469円(昨年比297円増)となっています。また、昨年同様「受験から私立大学入学までの費用(自宅外生)」の62%を初年度納付金(約129万8700円)が占めており、いぜんとして高学費負担が家計に重くのしかかる状況が浮き彫りになりました。
◆「入学の年にかかる費用」の総額は、自宅外通学者で297万4332円と依然として多額。自宅外通学者(新入生)の家庭では年収の3割を超える状況となっています。
  「自宅外通学者(新入生)」の「入学の年にかかる費用」は、総額で297万4332円となっています。これは、自宅外通学者(新入生)の家庭の年収(平均929万9672円)の約32%を占める状況となっています。

◆「奨学金」を申請する予定、あるいは既に受給しているとの回答は全体の46.0%を占める一方で、奨学金の「申請基準に合わない」(24%)、「返済義務があるため申請できない」(20%)との回答も。先進国の中で、給費制奨学金がないのは日本だけです。また、私立大学にかかる「教育費」の準備について、一部借入れ・全額借入れを合わせると約4人に1人が「借入れ」で調達しています。大学への納付金に対する負担感は、全体平均で約93%が『重い』(「大変重い」+「重い」)と感じており、大学生を持つ家庭における学費負担の大きさを如実に示す結果となっています。


苦しい大学生の台所 平均生活費年72万 6年前から22万減

http://sankei.jp.msn.com/life/education/080423/edc0804230909004-n1.htm

 大学生(夜間部を除く)の平成18年度の年間平均生活費は72万円で、ピークだった12年度から22万円減ったことが日本学生支援機構の調査で分かった。・・・・

2008年4月 4日

私立大学父母家計負担実態調査」から見えてくる学生・父母の実態と切実な声

京滋私大教連
 ∟●私立大学父母家計負担実態調査」から見えてくる学生・父母の実態と切実な声
 

私立大学父母家計負担実態調査」から見えてくる学生・父母の実態と切実な声

 京都私立大学教職員組合公費助成推進会議は、2007年5月から7月にかけて、京滋地区の私立大学・短期大学の学生の父母を対象に、教育費の負担状況等を明らかにするアンケート調査をおこないました。
 このアンケート調査は1988年から実施し、2007年度で20回目となります。今回は6532名の方々のご協力で、貴重なデータを集めることができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げるとともに、調査結果の概要を報告いたします。・・・・

教育費、大学学費+生活費=204万円 年収32%占め、9割「負担ずしり

http://mainichi.jp/area/ehime/news/20080403ddlk38100466000c.html

 ひめぎん情報センターはこのほど、今年の「大学生の教育費に関するアンケート調査」結果の概要を発表した。教育費の金額はやや減ったが、家計に占める割合は増え、親の年収の低下傾向を反映した結果となった。・・・・

慶応大、33年ぶりに学費体系を改正 09年度入学制から 実質的に値上げ

http://www.jukushin.com/article.cgi?h-20080401

 学校法人慶應義塾は、1976年度に適用を始めた現行学費体系を見直し、33年ぶりに新しい体系を創設して2009年度の大学部入学生から適用することを発表した。これによる授業料の引き上げ、入学金の引き下げ、在籍基本料の新設等の結果、文系4学部における4年間の納入学費は値上げとなる。・・・・

2008年4月 3日

優秀学生に400万円 ICU、国内最高レベルの奨学金

http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY200804010409.html

 国際基督教大(ICU、東京都三鷹市)が今年度から、同窓会への寄付を元手に、優秀な学生に4年間で400万円を支給する奨学金制度を始める。・・・・

2008年3月19日

東京私大教連、2007年度「私立大学新入生の家計負担調査」の発表

東京私大教連
 ∟●2007年度「私立大学新入生の家計負担調査」を発表しました(2008年3月17日)

2008年3月18日

学生への仕送り過去最低 7年連続減の9万5900円

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008031790192018.html

 首都圏の私立大に昨春入学した自宅外通学の学生への仕送り額(6月の平均)は7年連続減の9万5900円で、1986年の調査開始以来、過去最低額を更新したことが17日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の家計負担調査で分かった。・・・・

[同ニュース]
仕送り10万円割れ、2年連続=奨学金申請は希望者の6割に-首都圏私大新入生調査
首都圏の私大生へ仕送り、過去最低の9万5900円
学生仕送り:月9万5900円と過去最低水準 首都圏私大
私大生の仕送り年々低下 首都圏新入生調査

2008年3月17日

大学生の教育費、9割以上が「負担大」

http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/ehime/080314/ehm0803140235001-n1.htm

 大学生や専門学校生をもつ愛媛県内の家庭のうち、教育費の負担を「大きい」と感じる保護者が9割以上にのぼることが、ひめぎん情報センター(愛媛県松山市)の調査でわかった。家計に占める教育費の割合も3割を超えた。・・・・

2008年1月31日

奨学金、大学生の上限2万円増…文科省、来年度から

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080130k0000e040067000c.html

 文部科学省は来年度から奨学金の上限を2万円引き上げることを決めた。大学生は現行の10万円を12万円、大学院生は13万円を15万円にそれぞれアップする。変更は99年度以来9年ぶり。・・・・

大学入学費用、平均162万円、保護者99%重さ実感-国金公庫調べ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000201-mailo-l45

 ◇全国平均を63万円上回る、県外への交通費多く--負担ズシリ
 国民生活金融公庫宮崎支店は、昨年の県内の受験から入学までの大学入学費用が1人当たり平均162万6000円だったとする調査結果をまとめた。・・・・

2008年1月25日

優秀な院生に240万円支給 東京農工大 頭脳確保競う

http://www.asahi.com/national/update/0124/TKY200801240225.html

 東京農工大(国立、東京都府中市)が新年度から優秀な大学院生に年額最高240万円を支給する。優秀な学生を獲得しようと、新年度から大学院生に新たな経済的支援を始める国立大が相次ぐなかで最高レベルの支援になる。・・・・

2008年1月23日

高校から大学まで1045万円、金融公庫研究所教育費実態調査 世帯収入の34%

http://www.saitama-np.co.jp/news01/22/17e.html

 高校入学から大学卒業までにかかる費用は子ども一人当たり約千四十五万円に上ることが、国民生活金融公庫の研究所がまとめた「教育費負担の実態調査(勤務者世帯)」で分かった。世帯収入に対する在学費用の割合は約34%を占めており、重い教育費負担を抱える家庭の現状が浮き彫りになった。・・・・

2008年1月 7日

国公立35万減161万円、07年県人学生の大学進学費

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20080106000046

 2007年春に4年制大学へ進学した香川県人学生の受験から入学までの総費用は、国公立大の場合で平均161万1000円となり、前年を34万5000円下回ったことが国民生活金融公庫高松支店の調査で分かった。同支店は「国公立の入学者の多くが、滑り止めの私立の受験校数を減らしたのが原因」としている。・・・・

学費下げ 偏差値上げる

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20080105us41.htm

 奨学金の導入や学費の値下げをする私立大学が目立ってきた。

 「4年間の授業料、施設費が免除。さらに自宅外通学者には1年あたり30万円支給」とポスターの文字が躍る。計322万円の奨学金には卒業後も返還の義務はない。・・・・


島根県内で奨学金不足、支援団体が悲鳴

http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=492787004

・・・・ 独立行政法人の日本学生支援機構が行ってきた高校奨学金事業は、2005年度入学者分から都道府県へ移管された。県の育英会は、移管から10年をめどに国と県から補助金を支給されるが、事務局の黒田祥子主任書記は「10年の確約があるわけではない」と不安を募らせる。

 大学・短大などを対象とした奨学金事業はさらに深刻。段階的に削減されてきた県の補助金が02年に完全に打ち切られた。これに伴い、135人だった年間の貸与人数を段階的に50人まで削減。「苦肉の策」として就学金を有利子で貸与する事業も開始した。・・・・


2007年12月28日

奨学金貸与者、住民票提出を義務化 滞納者対策で

http://www.asahi.com/life/update/1227/TKY200712270246.html

 大学生らに奨学金を貸している「日本学生支援機構」(本部・横浜市)は、来年3月以降に受け取り期間が終わる貸与者に住民票の提出を義務付けることを決めた。・・・・

2007年12月25日

日本私大教連、声明「奨学金制度の大幅な改悪に断固反対する」

日本私大教連
 ∟●声明 奨学金制度の大幅な改悪に断固反対する

声明 奨学金制度の大幅な改悪に断固反対する

2007年12月16日
日本私大教連中央執行委員会

1.奨学金制度はいま、政府が進めている「独立行政法人整理合理化計画」(以下、「合理化計画」)の策定をめぐり、存廃の危機に直面させられています。

 政府は、「骨太方針2007」に基づき、101の独立行政法人について「官から民へ」を前提とした「徹底的な縮減」、国庫支出の大幅削減を柱とする「合理化計画の策定に係る基本方針」を閣議決定し(07年8月10日)、年内の計画策定に向けた動きを強めています。奨学金事業を担っている日本学生支援機構(以下、機構)もこの「整理合理化」の対象に組み込まれています。・・・・


授業料「ゼロ」、東工大も 東大に対抗

http://www.asahi.com/life/update/1222/TKY200712210405.html

 東京工業大学(東京都目黒区)は21日、来年度から大学院博士課程に進学するすべての学生について、授業料(年額53万5800円)を実質的にゼロにすると発表した。・・・・

文科省、平成18年度「子どもの学習費調査」

文科省
 ∟●平成18年度「子どもの学習費調査」

2007年12月21日

幼稚園→大学 全部私立なら2260万円 公立の2・6倍

http://sankei.jp.msn.com/life/education/071220/edc0712201735002-n1.htm

 幼稚園から大学まですべて国公立の学校で学んだ場合の学習費の総額は約860万円なのに対し、全部私立だと約2260万円と2・6倍になることが20日、文部科学省の平成18年度「子どもの学習費調査」で分かった。・・・・

[同ニュース]
年収格差、教育費に影響=文科省学習費調査

2007年12月 6日

学費値上げへ抗議のハンスト、京都精華大生「不況で家計は限界」

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007120500208&genre=G1&area=K1D

 学費の値上げに反対して、京都精華大(京都市左京区)の男子学生が5日、水と塩以外を口にしないハンガーストライキを始めた。・・・・

2007年12月 3日

大学進学いくらかかる? 首都圏私立大で231万円、平均は160万円

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071129-00000211-mailo-l38

 ◇入学後の仕送りは?平均8万円--国民生活金融公庫3支店調べ
 国民生活金融公庫の松山、新居浜、宇和島の3支店は28日、大学への進学費用に関するアンケート調査結果をまとめた。・・・・

2007年11月26日

東大博士課程が実質タダに、来年度から奨学金支給

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071124i104.htm

 東京大学は、来年度から大学院博士課程の学生ほぼ全員の授業料を実質無料にすることを決めた。

 東大でも博士課程の進学者は2004年度をピークに減少するなど、博士離れが進んでおり、経済的負担を減らして優秀な学生を確保するのが狙い。・・・・


国立大で奨学金制度が充実

http://sankei.jp.msn.com/life/education/071124/edc0711242000003-n1.htm

 成績優秀者に奨学金を出したり、授業料を免除したりする国立大学が増えている。・・・・

2007年11月20日

大学奨学金、上限アップへ・文科省方針

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071119AT1G3105A18112007.html

 大学生の奨学金事業について、文部科学省は2008年度から有利子奨学金の上限を学部で現行の月10万円から12万円に引き上げる方針を固めた。・・・・

2007年11月16日

48大学、「学力」重視で奨学金 支援機構の基準守らず

http://www.asahi.com/life/update/1115/TKY200711150345.html

 日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金について、全国の48大学が高校時代の成績などの基準を設けて受給者を選んでいたことが15日、わかった。機構は99年に「学ぶ意欲を重視する」として、高校時代の学力を問う旧来の基準を廃止していた。このため、資格があるのに受給できなかった学生が多数いると見られる。・・・・

2007年11月 6日

高校・大学の教育費 1人1045万円-国民公庫調査


国民生活金融公庫
 ∟●教育費負担の実態調査(勤務者世帯)

 国民生活金融公庫総合研究所は10月11日、「教育費負担の実態調査」を発表した。高校入学から大学卒業までにかかる教育費用は、子供1人当たり1045万円に上る。教育費は世帯年収の34%に達し、旅行・レジャー費などの支出を削ったり、奨学金や子供のアルバイトで対応している家庭が多いことが分かった。

2007年11月 2日

高校・大学7年間の教育費は、平均1,000万円以上?!

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/fp/fp071101.htm

●私大理系で「7年間で1,176万円也!」
 10月に発表された国民生活金融公庫の「教育費負担の実態調査(勤務者世帯)」を読んでいたとき、「そんなに?!」と思いつつも、「やっぱりなあ」と感じる金額が目に飛び込んできました。それは、高校入学から大学卒業までの7年間にかかる教育費の平均額が、1,000万円を超えたというもの。・・・・

2007年10月29日

財務省 文教予算編成で奨学金事業を削減方針

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/071028/fnc0710282059000-n1.htm

 財務省は28日、来年度予算で文部科学省の奨学金事業予算を削減する方針を固めた。奨学金を遊興費に転用する学生が目立ち、苦学生支援という奨学金本来の意味が薄れつつあると判断している。奨学金を返さず、回収不能に陥った延滞債権総額も急増、平成18年度には2000億円を突破しており、財務省では新たな保証制度の義務化も迫る構えだ。・・・・

東大の博士院生の大半、授業料ゼロに 「頭脳」獲得狙い

http://www.asahi.com/life/update/1027/TKY200710270266.html

 東京大学が来年度から、大学院博士課程の学生の大半について、授業料を実質的にゼロにすることを決めた。・・・・

2007年9月26日

奨学金、返済滞納19万人超 主な理由は困窮

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-09-22/2007092204_02_0.html

 日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金制度の利用者のうち、返済を三カ月以上滞納している人が二〇〇六年度末時点で十九万四千人に達し、滞納額(延滞債権額)は二千七十四億円に達することがわかりました。学費の高額化に加え、非正規雇用の拡大で、奨学金の返済が重くのしかかっている状況が示されています。・・・・

2007年9月25日

9万円程度の教育費控除新設を要望=文科省

http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20070920-5

 文部科学省は、2008年度税制改正で、高校、大学に通う子どもを対象とした「教育費控除制度」の創設を要望した。教育費減税の仕組みとしては、16歳以上23歳未満の子どもを対象とした特別扶養控除があるが、現行の控除額が実際の平均授業料負担より9万円低いとし、同程度の金額を特定扶養控除に上乗せする形で控除することを求めている。・・・・

2007年9月19日

無利子奨学金申請急増、10万人夢しぼむ 成績上位者優先で生活保護世帯も涙

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20070918ddf041100003000c.html

 ◇「格差広げる」教諭ら怒り

 大学、短大生らに無利子貸与する日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金制度を巡り、成績や所得などの基準を満たしているにもかかわらず、貸与対象から漏れた高校生が今年の選考で約10万人にも上った。中には生活保護世帯の生徒も含まれていた。申請者が急増する中、結果的に所得よりも成績上位の生徒が有利になったためとみられる。だが、高校の関係者らからは「教育格差を広げる」と不満の声が上がっている。・・・・


2007年8月31日

東京大学、親の年収400万円未満なら授業料タダ

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070830AT1G2903629082007.html

 東京大学は家庭に経済的余裕がない学部生に対する授業料の免除枠を来年度から広げる。家庭の年収、構成人数などを総合的に判断して免除の可否を決めている現行制度を簡素化、年収が400万円未満なら一律に授業料全額を免除する方式に改める。......

2007年8月27日

奨学金月額を2万円引き上げ、文科省方針

http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20070824-6

 文部科学省は2008年度、日本学生支援機構の奨学金について、貸与月額の引き上げや新規貸与人員の増員などで拡充する方針を固めた。現行は、上限が10万円(大学院13万円)となっている有利子貸与の月額を2万円引き上げ、12万円(同15万円)とすることなどが柱。新規貸与も計3万3000人増を目指す。同年度概算要求に奨学金事業費として前年度より約1000億円多い約9500億円を盛り込む。
 同奨学金には、「無利子」「有利子」の2種類があり、学力、家計など一定基準を満たした学生本人に貸与される。07年度の貸与人員は無利子約46万7000人、有利子約67万6000人となっている。
 無利子奨学金には、「大学の成績が学部内で3分の1以内」などの基準が設定されており、希望者にすべて貸与されるわけではない。ただ、その基準を満たしていても、財源不足のために貸与を受けられない学生がいる。これを解消するため同省は新規貸与人員を、08年度は1万2000人増やす方針。
 有利子奨学金は、家計の基準を満たしていれば、おおむね希望者全員が貸与を受けられる状況で、同年度も新規貸与人員を2万1000人増やす計画だ。さらに、現行は大学生の場合、3万、5万、8万、10万円の中から本人が選択していた貸与月額に「12万円」を新設。近年、進学者が増えている大学院でも、5万、8万、10万、13万円に加え「15万円」を設け、学生が自活しやすくする。
 同奨学金の拡充は、子育て支援の一環として、先の参院選でも与野党が公約に掲げていた。子どもを抱える家庭にとって、大学などへの進学に伴う学費、生活費の負担感は最も強いとされており、少子化対策や格差是正の観点からも重要性が指摘されている。

[同ニュース]
学金月額を2万円引き上げ=新規貸与学生数も3万人増-文部科学省
奨学金上限2万円増 大学生で月12万円 貸与も3万3000人増

2007年8月 9日

社会権規約第3回政府報告作成に関する市民・NGOとの意見交換会に参加して(投稿)

社会権規約意見交換会に参加して

細川孝(龍谷大学)
大学評価学会2006年問題特別委員会委員
国際人権A規約第13条の会運営委員会代表

 2007年8月7日に開催された「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第3回政府報告作成に関する市民・NGOとの意見交換会」に参加する機会を得た。以下、参加しての感想を簡単に記したい。

 意見交換会は、16時半から18時半までの予定で開催された。都合で19時半までの参加となったが、その時点では、まだまだ続きそうな雰囲気であった。市民・NGOの側の席の最前列に座ったため、全体の参加者数はつかめていないが、およそ70~80名の参加があったものと思われる。政府側は、外務省の他、財務省、総務省、法務省、厚生労働省、文部科学省、国土交通省から担当者が出席していた。

 意見交換会は、希望する参加者が発言し、発言内容に関連する省庁が回答するという形で行われた。たしかに参加者の発言を保障するという点では、配慮したものと考えられるが、元々設定された2時間では終了しないことは明らかであった。外務省も冒頭で、会議時間については、柔軟に対応したい、と発言していた。

 日本政府の第2回定期報告書を受けて、採択された「社会権規約委員会の総括所見 日本」では、次のように記されている。「委員会はまた、締約国に対し、第3回定期報告書の作成の早い段階で非政府組織その他の市民社会の構成員と協議するようにも奨励するものである」。今回の意見懇談会はこのような趣旨から開催されたものであり、懇談会の議長(進行役)を勤めた外務省人権人道課長もこの点を強調していた。しかし、その実態は、何人もの参加者が指摘したように、多くの問題を抱えるものであった。「政府と市民社会の構成員との対話」ということに不慣れな日本政府の実態を垣間見た気がした。

 その一方で、市民・NGOの側の発言内容は、職場における人権侵害、年金問題、在日外国人の人権、婚外子に対する差別、野宿者の問題など、日本における深刻な人権状況を知ることが出来て、わたしにとって学習の場となった(ついでに言えば、このような場は、学生の教育にとっても有益であると思われる)。市民・NGOの側のネットワークが整っていればいいのに、という思いを感じつつも、市民・NGOと政府とのギャップの深さに改めて驚きを感じたところである。

 さて、今回の参加は、社会権規約第13条2項(b)(c)の中等教育および高等教育における「無償教育の漸進的導入」に関しての発言を行うためであった。このテーマでは、(わたしが退席するまでの間に)国庫助成に関する全国私立大学教授会連合、全国大学高専教職員組合、東京地区私立大学教職員組合連合、全国大学院生協議会の大学関係の団体と市民からも発言があった。いずれも留保の撤回と高等教育予算の充実を求めるものであった。文部科学省からは、進学者と非進学者の間の負担の公平、多数の私学の存在を根拠に留保しているという、これまでの主張が繰り返された。また、経済的格差によって生じる問題については、対応しているという発言があった。

 発言の中で、外務省人権人道課長は、第2回の意見交換会を含め、市民・NGOとの意見交換の持ち方について検討したい、と発言していた。重要な発言と受け止めたい。平日の夕刻の(実際には時間を延長したとはいえ)2時間で、意見交換が出来るわけがないだろう。外務省にあらかじめ提出された約100通の意見を踏まえ、テーマや論点を設定し、効率的に議事を進行することも出来たはずである。また、遠方からの参加者のことを考慮すれば、もっと早い時間帯に設定することも必要だろう。東京だけでなく、全国各地でも開催すべきだろう。人権に対する日本政府の姿勢の不十分さは明らかであろう。

 中等教育関係者を含め、社会権規約第13条2(b)(c)の問題で、社会に対して、わたしたちの見解を明らかにする機会をぜひ持ちたいと思う。今回の意見交換会は、外務省のホームページ上で公開されただけであり、無償教育の漸進的導入に先駆的に取り組んできた日本高等学校教職員組合はこの情報をつかんでおらず、意見交換会には参加できていない。わたしたちが独自にネットワークを構築し、そこに外務省や文部科学省の担当者を招き、意見交換する機会をぜひ持ちたいと思う。
(2007年8月8日、文責:細川)

2007年8月 3日

日本の高等教育費問題、2007年を迎えた「2006年問題」-研究の動向と問題解決に向けた連帯の広がり-

■大学評価学会通信、第14号(2007年7月25日)より転載

2007年を迎えた「2006年問題」
-研究の動向と問題解決に向けた連帯の広がり-

細川孝(龍谷大学、経営学)

1.「2006年問題」と大学評価
 2006年6月30日は、日本の高等教育にとって特別な位置づけをもつ日であった。日本の高等教育のありようが国際社会から転換を迫られているという意味においてである。それは、次のような事情をさしている。
 国際人権規約(社会権規約)に規定される中等教育および高等教育における無償教育の漸進的導入について、日本政府は、1979年の批准の際に、「拘束されない権利を留保する」とした。国会では1979年5月(衆議院)、6月(参議院)の外務委員会で「留保については諸般の動向をみて検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。さらに、1984年7月には、日本育英会法の審議に際し、衆議院と参議院の文教委員会で「諸般の動向をみて留保の解除を検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。
 国連の社会権委員会は、2001年8月31日付けの「経済的、社会的および文化的権利に関する委員会の最終見解―日本―」において、「拘束されない権利の留保の撤回を検討することを要求する」とし、日本政府に対して2006年6月30日までの報告に「この勧告を実施するためにとった手段についての詳細な情報を含めることを要請する」とした。
 さて、この「2006年問題」に対する社会的な関心を高める上で、主導的な役割を果たされたのが田中昌人氏である。氏の研究は『日本の高学費をどうするか』(新日本出版社、2005年)にまとめられている。通常、「2006年問題」は、新学習指導要領の下で学んだ新入生の「学力低下」問題として、あるいは大学全入時代の到来との関わりで、語られることがしばしばであるが、田中氏が指摘されたのは「もう一つの」2006年問題であった。
 この小論では、まず、田中氏の『日本の高学費をどうするか』以降に公刊された3人の論者の研究を紹介する。それは、田中氏が指摘されるように、日本の大学評価を考える上で、世界的に見て異常な高学費の問題は、避けて通ることのできない問題であるからだ。田中氏は次のように述べる。
 大学の経営基盤を支えつつ、大学における無償教育の漸進的導入を行うためには、国内総生産費や一般政府総支出に対する大学教育への予算支出額が先進諸国30カ国の中で最低位にある現状を、他国並みの水準にするために2~3倍に引き上げて、公私の格差をなくす必要があります。大学で学ぶ学生や、そこで研究教育とその業務にあたる教職員に起きている人権侵害や経済的条件などによる格差の是正を図って、条件を整えることが出来るかどうかが大学評価の基本です。
 いま弱い立場に置かれている学生の学校納付金を軽減すると共に、入学検定料が払えない学生を受験させなかったり、授業料を納付出来ない学生を退学させるといった制度を、どう改善するのかという視点が中期目標・中期計画には必要です。それに対する第三者評価も行われていないとしたら、それは大学評価として欠陥があるといえます。」(『ねっとわーく京都』2004年5月号に掲載されたインタビュー「いよいよ始まる大学の第三者評価制度 大学評価学会の設立を語る」から)
 続いて、「2006年問題」の解決に向けた連帯の広がりについて紹介したい。それは、国際社会の要請と同時に、問題解決に向けた国内での地道なとりくみが不可欠であるからだ。

 * 田中氏は、「無償教育の漸進的導入」の課題とあわせ、国際連合の児童の権利委員会が、日本における「過度に競争的な教育制度の改革」を行い、「高校を卒業したすべての者が高等教育に平等にアクセスすることを確保する」ように求めて、2004年1月30日に行った勧告に対して、日本政府に2006年5月31日までに回答を求めている問題についても指摘している。しかし、ここでは、「無償教育の漸進的導入」の課題に限って、言及する。

2.日本の高学費に関わる研究動向
『日本の高学費をどうするか』以降の研究としてまず、取り上げたいのは、渡部昭男『格差問題と「教育の機会均等」-教育基本法「改正」をめぐり"隠された"争点』日本標準、2006年、である。本書は、教育基本法「改正」をめぐり隠された争点として、「教育の機会均等」を論点に、と主張する。愛国心、宗教的情操、不当な支配、という「三大論点」に加えて、「教育の機会均等」が重要な論点であるとする
 教育の機会均等は、教育基本法の第3条で規定されてきた(「改正」された教育基本法では、第4条)。著者は、教育基本法の制定当初には綱領的な性格にとどまったものが、戦後における国民要求の高まりと教育運動の展開によって、その性格を変えたと指摘する。すなわち、社会権的な性格を強め、「教育機会の均等保障」へと変わっていったのである。
 「教育機会の均等保障」はさらには、就学権の保障のレベルにとどまるとはいえ、「教育機会の平等化保障」へと到達していることを明らかにする。中央教育審議会の審議では、「教育の機会均等」に関するまともな意見が出されたが、意図的に矮小化され、争点からはずされたことが指摘されている。
 著者は、「経済的格差」の広がりとの関わりで「教育の機会均等」に注目し、「奨学の方法」の充実が要請されていることを指摘している。また、「無償制の漸進的な導入」に関する議論について紹介し、高等教育の無償化について、まずは「授業料不徴収+法定範囲をどこまでとするか」に絞って、議論することを主張している。
 続いて、雑誌『月刊学習』2006年9月号~12月号に連載された土井誠「どうする? 世界一の高学費」である。著者は、まず、最新のデータにもとづき、日本の異常な高学費(世界一の高学費)の実態を明らかにしている。その上で、世界的な学費無償化の動向とその背景としての社会権規約の存在を指摘している。
 日本では、日本国憲法や教育基本法によって、「経済的地位」によって差別が禁止され、国や自治体による手だてが求められている。しかし、急騰する学費と経済格差によって、学ぶ権利が奪われている実態が明らかにされ、さらには、教育費負担の重さが少子化、人口減少の大きな要因になっていることが指摘される。
 著者は、世界一の高学費の背景として、1971年に中央教育審議会答申が打ち出した「受益者負担論」の存在を指摘する。この受益者負担論にもとづき、1970年以降、国立大学の学費は連続して値上げされ、私学助成も抑制されてきたのである。受益者負担論が「経済的地位による差別」の禁止と矛盾することが指摘されている。
 著者は、学費をめぐる情勢と運動、政策について、次のように指摘する。国立大学については、標準額の値上げ阻止が課題であり、私立大学については、私学助成の増額を指摘する。そして、国際人権規約の留保撤回を求める運動の前進と高等教育を社会全体で支え連帯する社会の創造を呼びかけている。
 最後に、戸塚悦朗「高等教育と学問題-日本による国際人権(社会権)規約第13条違反について」(『国際人権法政策研究』第2巻第2号、所収)である。著者は元弁護士であり、長年にわたって国際人権擁護の活動に取り組んできた。近年、「2006年問題」への関心を深め、講演や執筆を行っている。
 本論文の主張は、日本政府の対応は、明確な条約違反ということである。13条2項(b)(c)の批准を求める運動は注目を集めるようになってきているが、高等教育を受ける権利の存否、国際人権法「有無」の検討はなされてこなかった、と指摘する。
 著者は日本政府が留保している部分(「特に、無償教育の漸進的な導入により」)を除く「高等教育は、すべての適当な方法により、……能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」については、留保抜きで批准していることに注目する。日本政府が、留保によって法的義務を免れているのは、高等教育を「漸進的」に「無償化」することのみなのである(日本国憲法第98条②「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」)

3.高学費問題の解決に向けた社会的な連帯と大学創造の課題
 「格差社会」が深刻化する今日、経済的格差によって教育の機会均等が奪われている。「教育における差別」によって職業選択の機会が奪われ、そのことが格差の再生産につながっていくという事態が進行している。このような時に、日本が「無償教育の漸進的導入」に向けての一歩を踏み出していくことは、いっそう切実な課題となっている。
 異常な高学費、そして多くの場合には保護者が学費を負担することによって、学生たちの学びが主体的な営みとなることを困難にしているという問題を改善するという点からも、「無償教育の漸進的導入」は切実な課題と言えよう。商品化されることによって教育は、本来の姿とは違ったいびつなものになってしまっている。教育は本来、人権として存在するのであり、学びの成果は社会に還元されるべきものである。しかし、今日では道具化、手段化され、本来の姿から大きく逸脱してしまっているように思われる。
 今、人権としての高等教育という視点を鮮明にして、国民的な共同を広げることが求められている。
 高等教育関係者の中では、昨年3月12日に、国庫助成に関する全国私立大学教授会連合が主催し、日本私立大学教職員組合連合、全国大学高専教職員組合、大学評価学会2006年問題特別委員会、国際人権A規約第13条の会が協賛したシンポジウムが開催されている。学生の中では、全日本学生自治会総連合が、昨年夏に国連人権小委員会で訴えている。また今年6月23日には、全日本医学生自治会連合が共催し、諸団体(国際人権A規約第13条の会、日本高等学校教職員組合、国際人権活動日本委員会、全国私立学校教職員組合連合、全日本教職員組合、日本科学者会議、日本学生支援機構労働組合、新日本婦人の会)の後援を得て、シンポジウムを開催している。少しずつではるが、共同は広がっている。
 共同をすすめるに際して、特に、教育関係者の連携を重視する必要があるだろう。日本の教育が直面している課題について、高等学校や小・中学校の関係者と問題意識を共有することは、高等教育に関わる者としての責務であるように思う。
 さて、「無償教育の漸進的導入」を求めるだけではすまされない。教育の内容を抜本的に転換するという課題がある。今日直面するさまざまな課題を考えたときに、これまでのような高等教育のありようでいいというわけにはいかないだろう。ユネスコの「高等教育宣言」が指摘するように、「高等教育自体が非常に大きな課題に直面し、かつてない大胆な変革と刷新をめざすことが要求されてい」る。そして、「それによって、現在深刻な価値の危機の真中にある我々の社会が、単に経済性のみを考慮するのではなく、より深い道徳性と精神の広がりをとりいれることが可能になってくる」のである。
 わたしがとりわけ注目したいのは、教育(学生たちの学び)と労働をいかに有機的に関連づけるかということですある(「教育から労働への移行」)。昨今の大学では、いわゆる「キャリア教育」が重視されているが、今日行われているその内容については、十分な吟味が必要であると思う。労働の社会的価値を学ぶ、労働に関する権利を知るなどといった点がもっと積極的な位置づけを与えられる必要があるように感じる。また、学生たちが将来、自覚的な市民として生きることができるような、シティズンシップ教育も不可欠な課題となろう。
 わたしたちの課題を端的に表現すれば、「無償教育の漸進的導入」にふさわしい高等教育機関のあり方を探究するということになるだろう。私立大学に引きつけて考えるならば、私立大学の公共性についての認識を深め、大学のありようを転換するということになるだろう。その際に、大学評価をわたしたちがどのように受け止めていくかが問われている。学会設立時の「大学評価京都宣言=もう一つの『大学評価』宣言」に立ち返って、考えてみたく思っている。


2007年8月 2日

国際人権A規約第13条の会、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・政府報告に関する意見

国際人権A規約第13条の会は,社会権規約13条2項(c)(=高等教育的無償化条項)に関し留保撤回を求める意見書を外務省に提出した。

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・政府報告に関する意見

2007年7月25日

団体(個人)名( 国際人権A規約第13条の会 )
住所(京都市伏見区深草塚本町67番地 龍谷大学 角岡研室気付)
電話(     075(645)8634(細川)     )
FAX(       同 上         )
Eメール(   hosokawa@biz.ryukoku.ac.jp  )
団体の場合は執筆者名(   細川 孝    )

1.条約関連条項:13条2項(b)および(c)
政府報告書関連パラ番号:   
2.見出し
  中等教育および高等教育における無償教育の漸進的導入に関する「留保」について
3.内容
 国際人権規約(社会権規約)に規定される中等教育および高等教育における無償教育の漸進的導入について、日本政府は、1979年の批准の際に、「拘束されない権利を留保する」とした。国会では1979年5月(衆議院)、6月(参議院)の外務委員会で「留保については諸般の動向をみて検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。さらに、1984年7月には、日本育英会法の審議に際し、衆議院と参議院の文教委員会で「諸般の動向をみて留保の解除を検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。このような経緯からして、条約批准から4半世紀以上経った今日においても「留保」し続けることは、国民の教育権を保障する上で、許されない。

 日本政府が「留保」したのは、「特に、無償教育の漸進的な導入により」の部分だけであり、「高等教育は、すべての適当な方法により、……能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」については、留保抜きで批准している。しかし、現実には、「格差問題」が深刻化し、それが教育における差別に結びついている。教育における差別は、将来の進路選択にも影響する。雇用における差別を招来していることにも留意しなければならない。

 世界でも異常な日本の高学費問題の解決は、緊急に解決すべき人権保障上の課題となっている。国連人権理事会の理事国である日本は、国際人権規約を初めとする条約を尊重していく義務を負う。「人権理事会選挙における日本の自発的制約」(2006年4月14日)でもこのような見地を明らかにしているところであり、13条2項(b)および(c)の留保は、早急に解除されるべきである。


2007年8月 1日

大学評価学会、外務省に「社会的及び文化的権利に関する国際規約・政府報告に関する意見」を提出

 大学評価学会は,社会権規約13条2項(c)(=高等教育的無償化条項)に関し留保撤回を求める意見書を外務省に提出した。

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・政府報告に関する意見

2007年7月24日

団体(個人)名(大学評価学会・2006年問題特別委員会)
住所(京都市伏見区深草塚本町67・龍谷大学・重本研究室)
電話(075-461-8707<自宅>)
FAX( 同上 )
Eメール(sigemoto@biz.ryukoku.ac.jp)
団体の場合は執筆者名(重本直利)


1.条約関連条項:13条2項(c)
 政府報告書関連パラ番号:34   

2.見出し
 日本政府による同規約第13条2項(c)(「漸進的無償化」の箇所)の1979年留保およびその継続と1980年以降の日本の大学の学費高騰化の関係性について

3.内容
1)日本政府は1979年に同規約を批准した上で、同第13条2項(c)(「漸進的無償化」の箇所)については留保した。その後(1980年以降)、学費は高騰化した。この関係性をご説明願いたい。すなわち、この留保の意味は、「漸進的無償化」を留保したということだけであって、その後の学費の高騰化を容認するものではないと考える。この留保の趣旨からすれば、その後の学費は批准および留保した1979年当時の水準を少なくとも維持すべきであったのではないか。

2)同規約前文の「・・・・経済的、社会的及び文化的権利を享有することの出来る条件が作り出される場合に初めて達成されることになる・・・・」、同第2条[人権実現の義務]1項の「・・・・権利の完全な実現を漸進的に達成するため、自国における利用可能な手段を最大限に用いること・・・・」、同2項「・・・・財産・・・・によるいかなる差別もなしに行使されることを保障する・・・・」、同第13条1項の「・・・・教育が、すべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、・・・・」などの項について日本政府は批准している。1980年以降の学費の高騰化は、この批准した各項および同規約趣旨に反するのではないか。また、1980年以降の学費の高騰化に対し、日本政府が適切な対応を取らなかったこと、また自らが所管する国立大学の学費を高騰化させた日本の事態(現実)は、上記の批准した項および同規約趣旨に反し、明らかな規約違反(条約違反<注>)状態と考える。

3)この状態は日本の大学評価における根源的な問題である。同規約批准国(151ヵ国)中、同第13条2項(c)(「漸進的無償化」)の留保はルワンダとマダカスカルと日本の三ヵ国のみであり、日本の経済的、社会的状況からみれば、留保は国際的にも容認されるものではないと考える。 

<注>「条約違反」については、すでに戸塚悦朗氏が「高等教育と学費問題―日本による国際人権(社会権)規約13条違反について―」(『国際人権法政策研究』第2巻第2号、国際人権法政策研究所、2006年)において述べているところである。 

以上

2007年7月25日

50歳以上は「学費半額」 神戸山手大学

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000482983.shtml

 神戸山手大学(神戸市中央区)は二〇〇八年度入試から、五十歳以上限定で、学費のほぼ半額に相当する奨学金を給付、“熟年学生”を募る新たな入試制度を新設する。……

2007年7月 6日

文科省、平成19年度学生納付金調査結果

平成19年度学生納付金調査結果

2007年7月 2日

佐賀大授業料値上げ 財政難で全国標準額に

http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&mode=0&classId=0&blockId=513212&newsMode=article

 佐賀大(長谷川照学長)は25日、来年度から学部生、大学院生の授業料を年額1万5000円値上げすると発表した。国の運営費交付金の減額などで財政運営が厳しくなったことが主な要因。……

2007年6月28日

佐賀大授業料1万5千円アップ 財政難など要因

http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&mode=0&classId=0&blockId=506635&newsMode=article

 佐賀大(長谷川照学長)は25日、来年度から学部生、大学院生の授業料を年額1万5000円値上げすると発表した。……

2007年6月22日

初年度納付金 差の大きい私立、沖縄では低め

http://www.asahi.com/edu/university/ranking/TKY200706210142.html

 大学選びでは、学力に加えて学費もポイント。特に気になるのは、授業料に入学金などが加わる初年度納付金だ。標準額が81万7800円と定められた国立に比べ、私立は差が大きい。 ……

2007年6月11日

財政審、教育予算拡充けん制 来年度予算 財務相に建議提出

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/30665.html

…… 国立大学に関しては、運営費交付金を大学の実績に応じて配分する仕組みに見直すほか、授業料の一律横並びを改め、学部や大学ごとで差をつけるよう提言した。 ……

子供公費負担、誕生から高校卒業1600万円 総務省試算

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070610k0000m010118000c.html

 子供1人当たりの子育て費用の内訳 子供の誕生から高校卒業までに自治体が負担する額は平均1599万9000円にのぼることが9日、総務省の試算で明らかになった。内閣府が02年度に実施した「社会全体の子育て費用に関する調査研究」に基づいて試算。……