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2007年9月27日

解雇無効訴訟、東和大の教員解雇、賃金支払い命じる 地裁が決定

■毎日新聞(2007/09/21)

 09年度末にも廃校の見通しとなっている東和大(南区)を解雇された斎藤輝二教授(61)が、解雇無効と賃金支払いを求めた仮処分で、福岡地裁は母体の学校法人・純真学園(旧福田学園)に、賃金支払いを命じる決定を18日付で出した。
 決定によると、斎藤教授は今年2月、非常勤講師の選任手続きを妨害し、学園に損害を与えたとして懲戒解雇された。教授側は「組合委員長を務めていた教授に対する狙い撃ち解雇」と主張。地裁も「解雇を正当化する理由がない」と認めた。
 純真学園は学生減などを理由に昨年8月、07年度の学生募集停止を決定。教員20人に解雇を通知した。これに反対する12人が給与支払いを求めた仮処分では、地裁が今年4月、学園側に支払いを命じる決定を出した。

2007年9月26日

「教授解雇無効」、東和大側に命令 福岡地裁

■朝日新聞(2007/09/21)

 福岡市南区の東和大学が07年度の学生募集を停止して教員を大量解雇した問題に絡み、懲戒解雇された斎藤輝二教授(61)が解雇は不当だとして地位保全と給与の仮払いを求めた仮処分申請で、福岡地裁(木村元昭裁判官)は解雇は無効と判断、大学を運営する学校法人・純真学園に今年3月からの給与の仮払いを命じる決定をした。ただ職場への復帰は認めなかった。決定は18日付。

2007年6月 4日

解雇無効訴訟、東和大の元教員ら、提訴

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukuoka/archive/news/2007/05/31/20070531ddlk40040265000c.html

 09年度末にも廃校となる見通しの東和大学(南区)を解雇された同大教授ら12人が30日、運営する学校法人・純真学園(旧福田学園)を相手に解雇無効などを求める訴訟を地裁に起こした。

 純真学園は学生減などを理由に昨年8月、07年度の学生募集停止を決定。教員らに解雇を通知した。これに反対する12人が給与支払いを求めた仮処分では地裁が今年4月、学園側に支払いを命じる決定を出している。

 教員側は訴状で「学園側の財務状況は切迫しておらず、大学部門の財務状況は実質黒字。募集停止による大学部門の事業縮小には理由がなく、解雇の必要性はない」と訴えている。学園側は「訴訟は望んでいないが、提訴された以上は争う」とコメントしている。


2007年5月 7日

東和大、解雇の教員給与 支払い命じる仮処分-福岡地裁

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/05/20070502ddlk40040135000c.html

 09年度末にも廃校の見通しとなっている東和大(福岡市)を解雇された教員ら12人が、給与の支払いや解雇無効を求めた仮処分で、福岡地裁は12人分の給与(月額計約525万円)支払いを母体の学校法人「福田学園」に命じる決定を出した。
 福田学園は昨年、学生減などを理由に07年度の募集停止を表明。「将来的な廃学が明らか」などとして教員20人を解雇した。先月27日付で出された決定は、東和大が仮に廃学に向かうとしても、多くの学生が在学している現状では、多数の教員を解雇する必要性はないと指摘。教員側の主張をほぼ認めた。
 教員側によると、学園側は決定に不服を申し立てているといい、教員側は近く本裁判を提訴する構え。教員の一人は「学園はわれわれを早く職場に戻すべきだ」と訴えた。


東和大教員解雇は無効 福岡地裁が仮処分決定 給与仮払いを命令

西日本新聞(2007/05/02)

 東和大(福岡市)を二〇〇六年に解雇された教員十二人が、同大を経営する学校法人福田学園(現純真学園)を相手に地位保全と給与の仮払いを求めた仮処分申請について、福岡地裁(鈴木博裁判官)が「解雇の有効性を肯定することはできない」として、学園側に同年十一月分から毎月計五百二十五万円の給与仮払いを命じる決定をしたことが一日、分かった。地位保全は認めなかった。
 決定は四月二十七日付で、学園側は決定を不服として同日、教員側に本裁判の提訴を命じるよう、同地裁に求める起訴命令を申し立てた。教員側は近く提訴する。
 学園側は、同大の学生募集停止を決定した上で同年九-十月、教員二十人に解雇を通知。これに対し教員十三人(うち一人は申請取り下げ)が解雇無効を訴えていた。
 決定で同地裁は、多くの在学生がいる中で教員を大量解雇する合理性がない、などとした。
 地位保全については、職場復帰の実現を期待できないとして認めなかった。
 一日、会見した教員(53)は「主張はほぼ認められた。学園の不当な行為を今後も一つ一つはっきりさせたい」と話した。同学園は「決定に不服な部分があり、本裁判で争いたい」としている。


2007年4月20日

東和大、理事会決定に現場混乱 文科省 静観

■毎日新聞(2007/04/19)

大学経営新時代:第3部・生き残りをかけて/3 監視役不在

 ◇理事会決定に現場混乱
 07年度から学生募集を停止し、09年度末で廃校にする――。
 昨年8月、学校法人福田学園(現・純真学園)の臨時理事会で、運営する工学部単独の東和大学(福岡市)を事実上の廃校とする福田庸之助理事長の提案が4対1で承認された。反対したのは、東和大学長を兼ねる理事一人だけだった。
 提案に賛成した山崎正行常務理事は「工学系大学は急速に悪くなる。行き詰まる前にやめた方がよい」と決定の妥当性を強調するが、大学存続を求める学生や保護者、教員との間で対立が今も続いている。
 東和大は67年に開学。少子化や学生の工学部離れで05年度に、借入を除く収入から支出を引いた「帰属収支差額」が「赤字」に転落し、06年度には学生数が定員割れした。しかし、福田理事長と現場の教授会は、長年にわたって経営の主導権を巡って綱引きを続けており、経営改善策も双方の対立でまとまらなかった。元理事の一人は「学園全体で特別チームをつくるなどして考えるべきだった」と悔やむ。
 福田理事長の経営権掌握のきっかけになったのは、05年4月の私立学校法改正。学校法人の経営責任を明確化し、意思決定を迅速化するため理事会を「学校法人の業務を決し、理事の職務の執行を監督する」と定義。企業の取締役会同様、経営の重要事項を決める最高意思決定機関とした。
 福田理事長はこれを受け、理事7人のうち傘下の大学・短大学長ら最低でも3人の枠が確保されていた教員出身の理事の定数を「1~2人」に削減。また、自らが外部から2人をスカウトし、理事に据えた。その後、教員出身理事が相次いで退任したが補充せず、8月には5人に減った理事会の過半数を押さえ、経営権を完全に掌握した。
 「廃校」決定後、20人以上の教員が解雇され、学生の卒業に必要な授業が一時休止するなど混乱が続く。元理事は「株式会社の株主総会のように、経営陣を監視する仕組みがない」と法改正のデメリットを指摘する。
 法改正に向けた04年の国会審議では、理事長の独断専行を懸念する議員から「監督官庁の文部科学省の関与を強めるべきではないか」との指摘が出た。しかし、文科省側は「私立学校の自主性を尊重し、関与はできるだけ抑制する」と答弁。経営の「監視役」不在のまま、改正法が成立した。
 今回も、文科省は「学校が募集停止を表明したのに、国が存続しろというのはおかしい」と静観している。