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 カテゴリー 学長選挙

2009年03月30日

高等教育研究会、フォーラム「国公私立大学の学長・総長公選制をめぐる現状と問題点」

高等教育研究会

「国公私立大学の学長・総長公選制をめぐる現状と問題点」
-大学の管理運営を考えるフォーラム-

 この間、新自由主義的教育改革ともいわれる教育の再編成は、日本社会全体の構造的変化とも連動しながら、格差、貧困、統制、管理強化、財政困難、労働強化などを伴いながら、初等教育から高等教育にいたる全教育課程において、また設置形態の別を問わず、教育・研究の現場を疲弊・荒廃させ、財政的基盤を弱体化させてきました。……


2009年03月23日

高知大公正な学長選考を求める裁判を支える会、第一回口頭弁論が4月10日高知地裁で開催

■「意見広告の会」ニュース471より

公正な学長選考を求める裁判を支える会
ニュースレターNO.11 2009、3,15

公正な学長選考を求める裁判を支える会
事務局:高知県高知市曙町2-5-1高知大学教職員組合内
(TEL/FAX088-844-1489)

○いよいよ第一回口頭弁論が4月10日高知地裁で開かれます

 前回のニュースレターNo10 において、行政訴訟の裁判地に関して高松高裁が、国側の「裁判を東京地裁か高松地裁に移せ」という主張を全面的に退け、当初高知地裁が決定した通り高知地裁で裁判を行うよう命じたということをご報告しました。その際、国側の特別抗告の可能性がまだ残されているということも併せてご報告いたしましたが、国は特別抗告を行わず、高松高裁の決定が確定し、高知地裁で裁判が行われることになりました。

 以下、国側主張、原告側主張、裁判所による判断を一覧表にして示します。争点は国立大学法人が行政事件訴訟法にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」と見なしうるかどうかという問題でした。

──────────────────────────
【国側主張】
 1)高知大学は「事案の処理に当たった下級行政機関」には当たらない。
 2)国による学長任命手続きは「法人の申し出」から「発令」までである。

 3)原告らには「原告適格」がないので現場検証などの必要性はなく、高知で行う理由はない。

【原告側(私たち)主張】
 1)高知大学は「事案の処理そのものに実質的に関与した下級行政機関」に当たる。
 2)高知大学は、学長任命の事案の処理そのものに実質的に関与している。

【裁判所の判断】
 1)国立大学法人は「国の一定の指揮監督の下に国の『行政』の一翼を担う法主体」であり、「下級行政機関」と見なしうる。
 2)高知大学における学長選考は、国による任命手続きの一環である。
 3)「原告適格」の有無と裁判地は無関係である
──────────────────────────

 以上のように、原告側(私たち)の主張が認められ、裁判は高知地裁で行われることになりました。ここでの対立は一見すると些末な法律解釈の問題のようですが、上の表の二つ目の論点を見ていただくと、そうではないことがわかります。すなわち、国側の主張では、裁判の対象となる学長任命手続きとは「申し出から発令」までのプロセスだけということになりますから、もしこれが認められれば、高知大学での不透明な学長選考過程は裁判で取り上げるのが極めて難しくなっただろうということが予想できます。しかし、今回裁判所が高知大学における学長選考は任命手続きの一環と認めた(判例となった)ことで、まさに私たちがこれまで問題にしてきた「不透明な学長選考」を裁判のなかで正面から取り上げる展望が開けたのです。
 
 そして、それを受けて、いよいよ第一回口頭弁論が4月10日午後3時から高知地裁で開催されることが決定しました。
 満を持してこの日を迎えたいと思います。

○相良体制のこの一年はどのようなものだったのでしょうか?

 時間の経つのは早いもので、民事訴訟の提訴(2007年12月26日)からすでに1年以上が経過しています。行政訴訟の提訴(2008年6月24日)から数えても8ケ月経ってやっと裁判の入り口が見えてきた状態です。通常このような展開になると、人々の意識も風化し、「まだ裁判やっているんですか」というような意見が出てくるものです。ところが本学の場合、事情はかなり異なっているようです。
 
 むしろ、以前よりももっと多くの学内関係者が裁判の帰趨に注目しているのを感じます。それらの人々の共通認識は「早く今の執行部にお引取りいただかないと高知大学に未来はない」というものです。昨年4月の発足以来の現執行部の無策については枚挙に暇ありませんが、重大な3点だけをここに挙げます。
 
 1 現執行部は、大学院を一元化し、それと同時に教員組織と教育組織の分離を強行しました。しかし、当初から危惧された通り、運営にあたっては無理を重ねざるをえず、構想の破綻は誰の目にも明らかになっています。それにもかかわらず、執行部の目にはそれは全く映っていないばかりか,さらに無用の組織いじりを進めるようです。
 
 2 執行部は大学評価・学位授与機構による評価について、一般的な危機意識をしきりに煽っています(「道州制で統合されるぞ云々」)。しかし、『ニュースレターNo9』でも明らかにしたとおり、今回の評価には執行部が作成した報告書や訪問調査時の対応のまずさなどが極めて重大な影響を及ぼしている可能性があり、まずその点について検証・総括し,説明責任をきちんと果たすことが先決であるはずです。しかし、執行部の人々にはこれも理解できないようです。
 
 3 執行部の最も重要な仕事は、上記2の総括をもとに次期中期目標・計画を策定することであるはずです。ところが、この問題についても、各学部にまる投げしたままです。最も重要なポイントである「大学の機能別分化論」における「本学の立ち位置」についてすら、まだ一行の文章も公にしてはいません。

 私たちは、執行部を構成する個々の人々の個人攻撃をするつもりはありません(個人としては面白い人たちもふくまれていますから)。しかし、正統性のない学長に任命された執行部はこうならざるを得ないと考えています。その意味で、相良体制のこの一年の漂流ぶりをみれば,私たちの運動の正しさに対する確信はさらに深まるのではないでしょうか。このような事態に終止符を打つためにも、裁判を中心とした私たちの運動を大きく前進させる必要があると思います。


2009年03月18日

平井氏、執行部入り 富山大学長選考

http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000903170004

 富山大学の学長選考で教員らの意向投票で最下位だった現職の西頭徳三氏が再選された問題で、教員有志が16日、西頭氏ら次期執行部を構成する理事就任予定者が進めている、学長選考会議の次期学外委員の選任作業に対し「透明で公正な人選をするべきだ」とする見解を表明した。

 国立大学法人法では、学長選考会議メンバーの半数は学外委員で構成し、「学内委員の意見を聴いて学長が任命する」と定められている。現執行部と選考会議の委員の任期は、3月31日で切れる。……


[関連ニュース]
執行部に倉知・平井氏迎え学内融和を
富山大:学外委員人選巡り「考える会」が「公正に」--学長選考会議 /富山

2009年03月10日

富大学長選考、学内外に波紋広がる

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20090309-OYT8T00006.htm

意向調査巡り対立

選考結果に反発する教員らは、1月に集会を開いた(富山大五福キャンパスで) 富山大学の学長選考で、教職員らによる意向調査の結果、最下位だった西頭徳三(さいとうとくそう)学長(70)が、選考会議で再任された問題が、学内外に波紋を広げている。一部の教員が文科省に選考に関する法改正の検討を求めるなど、選考のあり方そのものを問いかけている。(井上亜希子)

◆学内の反発

 東京・霞が関の文部科学省に3日、「学長選考問題を考える会」世話人の小倉利丸教授や岡村信孝教授ら4人が訪れ、西頭学長の再任について異議を訴えた。

 4人は、〈1〉文部科学相が西村学長を任命しない〈2〉学長選考会議に再選考を指示する〈3〉国立大学法人法の学長選考に関する規定を改正する――の3点を要請。規定の改正を求めたのは初めてという。

 ただ同省は、「大学の自主性を尊重するのが原則。人物に問題がなければ任命する」と説明するにとどまる。学長は、大学側が文科省に上申し、文科相が任命する手続きだが、同省によると、これまで上申された候補が拒否されたことはない。新学長の任期は4月からで、西頭氏は「改革をやり遂げたい」と続投に意欲を見せている。……


2009年03月05日

富山大、西頭学長の再任「反対」 選考考える会世話人ら4人、文科相に要請書

http://mainichi.jp/area/toyama/news/20090304ddlk16040667000c.html

 富山大の学長選問題で、西頭徳三学長の再任に反対する「学長選考問題を考える会」の世話人、小倉利丸教授ら4人は3日、塩谷立・文部科学大臣に対し、学長再任を認めないことなどを求める要請書を提出した。

 国立大学法人法は、国立大の学長は文科相が任命すると定めている。要請書では、1期目の任期満了前に上申される予定の西頭学長再任を認めないよう求めている。……


[同ニュース]
富山大:学長再任巡り、教授ら「任命しないで」

2009年03月04日

富山大、学長再任巡り 教授ら「任命しないで」と要請書

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090304k0000m040057000c.html

 富山大の西頭徳三(さいとう・とくそう)学長が再任された手続きに問題があったとして、同大教授と准教授の4人が3日、文部科学省を訪れ、西頭氏を学長に任命しないよう求める要請書を提出した。

 学長には3人が推薦され、昨年11月に教職員を対象に2回実施された意向調査では西頭氏が得票率約2割で最下位だった。しかし、学外委員が半数を占める学長選考会議(12月)では過半数を得票し、逆転で再任が決定。先月の全学集会で150人を超える教職員が再任辞退を求める事態となっている。……


[関連ニュース]
学長任命見送りを=富山大教授ら、文科省に要請
学長、誰が選ぶ? 富山大、教職員の意向反映されず
学長任命しないよう文科相に要請

高知大学長選考問題、学長任命は「違法」と行政訴訟を提起

http://203.139.202.230/?&nwSrl=228180&nwIW=1&nwVt=knd

 昨年の高知大学の学長選考で、相良祐輔現学長の対立候補だった高橋正征氏=同大名誉教授=と、相良氏の再任を決めた学長選考会議委員の一人だった根小田渡氏=同=が二十四日、国に相良氏の学長任命を「違法」として、任命取り消しを求める行政訴訟を高知地裁に起こした。……

2009年02月27日

富山大学学長選考問題、大学自治の保障くずす 例のない3位得票者の就任 大学内外から「再考を」の声

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-02-25/2009022509_01_0.html

 国立大学が法人に移行して五年になろうとしています。いくつかの大学では、学長選考会議で、教職員による意向投票で第一位になった人が選ばれず、場合によっては訴訟になるケースさえ生まれ、大学の自治に大きな問題を投げかけています。

 昨年十二月、富山大学の学長に、教職員の投票で第三位の最下位だった現職の西頭徳三氏が再選されたことに対し、大学内外から「学長選考の再考を」と声が上がり、反響を広げています。

 富山大学では、次期学長を決める選考会議の前に、教職員による意向投票が二度実施されました。第二次投票(投票率88・5%)では、三人の候補者のうち投票総数の58%を獲得した第一位者に対し、西頭氏は約二割しか(第一次も)獲得できず最下位でした。

 同大学学長選考規則では意向投票を「選考の参考とする」と定めていますが、学外委員十二人(学長が任命)と、各学部長などの学内委員十二人で構成する学長選考会議は出席者による投票を行い、西頭氏が十一票を得て当選しました。意向投票で第三位者が学長に選ばれるのは全国に例がありません。

 学長選考の結果に対し、全八学部のうち、経済、人文、人間発達科学、理学、医学、薬学の六学部の教授会が、教職員の意向投票を「無視した」として、相次いで抗議や遺憾の声明や要望書などを発表しました。

 各声明では、教職員の意向投票での西頭氏の得票は、「事実上学内不信任を突きつけられた形」「学長を含めた現執行部にはっきりと不信任を示した」と指摘し、学長選考会議の結果は「異常な事態であり、大学自治への重大な侵害である」「教職員の衆知を結集した円滑な大学運営を実現するための重大な障害になる」「健全な組織運営は期待できず、教職員の活力も失われかねない」「社会的にも本学の信用に疑念を投げかける」とのべています。

 また全国大学高専教職員組合(全大教)が声明を発表。学長選挙の問題は「大学自治の枠組みの中で解決すべき事項」とことわりながらも、今回のことは「大学は、多様な価値観を共有する研究教育組織であり、構成員の意思の尊重と合意形成が何よりも重要」「学長選考の再考を促したい」とのべるとともに、国立大学法人法で現職学長にとって有利な規定があるなど学長選考制度のもつ問題性にふれて「学長選考のあり方を見直す必要性も示している」と指摘しています。

 二〇〇三年制定の法人化法の際、衆参両委員会で、「法人化にあたっては、憲法で保障された学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、…自主的・自律的な運営の確保に努める」という付帯決議が採択されています。大学によっては、教職員の意向投票結果に「基づいて」(東京大学)、あるいは「基礎に」(京都大学)総長予定者を決定する、と定めているところもあります。

 学長を教職員による投票にもとづいて選ぶことは、戦前から続けられてきた大学の民主的な伝統であり、学問の自由と大学の自治にとっての重要な保障となっているからです。


2009年02月20日

富山大の学長選考 投票上位2氏あす集会

http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000902190003

 富山大学の学長選考を巡って、教職員らによる意向投票で最下位だった現職の西頭徳三氏が再選された問題で、投票で1位の平井美朗・大学院理工学研究部教授と、2位の倉知正佳・大学院医学薬学研究部特任教授が20日、教員らの意見を聞く集会を開く。

 関係者によると、集会では平井氏が「これからの大学運営について」、倉知氏が「大学執行部のあり方について」と題して、考えを話し、参加者と意見交換をする。

 平井、倉知の両氏に対して、西頭氏は1月15日付で学内関係者に出した文書の中で「私への批判票が約80%である点を考慮し、他の2人の候補にお願いし、いわゆるトロイカ体制で大学運営と改革を進めていきたい」と次期執行部への参加を求めていた。

 集会の主催者側は「西頭氏の提案に対して、まだ回答しておらず、仮に提案を受けるような場合でも、両氏が集会参加者の意見を聞き、了解を得る必要がある」と開催の趣旨を説明している。


2009年02月09日

富大学長選考で考える会が質問状を送付

http://www2.knb.ne.jp/news/20090206_18858.htm

 大学内の意向調査で最下位だった西頭徳三学長の再任を決めた富山大学の学長選考に異議を唱えている一部の教職員たちは6日、選考会議の全ての委員に質問状を送ることを明らかにしました。

 これは6日、富山大学で開かれた記者会見で、一部の教職員たちからなる「学長選考問題を考える会」の世話人をつとめる小倉利丸経済学部教授などが発表しました。

 去年12月に行われた富山大学の次期学長選挙では、2度にわたる大学内の意向調査で、いずれも最下位だった西頭学長が再任されています。

 考える会では選考の手続きは適正に行われたかどうかや、意向投票で最下位だった西頭学長を選んだ理由などを問う質問状を6日から学長選考会議の全ての委員に送ることにしています。

 西頭学長の再任をめぐっては、8学部のうち6学部の教授会が反対声明などを出しています。

 
[同ニュース]
富山大学長選めぐり質問状
富山大:学長選考問題を考える会「選考会議の過程に問題」 議長に公開質問状 /富山

2009年01月29日

富山大、学長選考問題点、次回までに検討

http://mainichi.jp/area/toyama/news/20090128ddlk16040536000c.html

 富山大の学長再任を巡る問題で、学長選考会議(24人)が27日、富山市五福の同大で開かれた。昨年12月4日の再任後初の会議で、金岡祐一議長ら学内外の委員19人が参加。出席した委員によると、次期学長選考までに、選考の手続きの問題点などを検討する方針などが示されたという。……

2009年01月28日

富大学長選考、やり直しはしない

http://www2.knb.ne.jp/news/20090127_18724.htm

 西頭徳三学長の再任を決めた選考をめぐり、富山大学の一部の教職員が異議を唱えている問題で、27日定例の学長選考会議が開かれ、今回の選考について問題は無くやり直しはしないことを確認しました。……

1.21学長選考問題を考える富山大学全学集会 決議

富山大学発 日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会
 ∟●学長選考問題を考える1.21全学集会とその後の経過

1.21学長選考問題を考える富山大学全学集会 決議

大学の自治、そして大学の自主的・自律的運営をまもるため、次のことを要求します。
一、富山大学学長選考会議は、昨年12月4日の決定を取り消すこと。
一、西頭学長は、次期学長への就任を辞退すること。
一、学長選考会議の構成と学長選考規則を抜本的に改めること。

 富山大学学長選考会議は、昨年12月4日、11月に二度にわたって実施された学内教職員による意向調査の結果とは大きく異なる決定を下し、いずれの調査でも最下位で、2割の支持しか得られなかった西頭現学長の再任を決定しました。この決定に対して、西頭学長は、すぐさま次期学長として留任する意向を表明していますが、これまでの大学運営についての具体的な反省も、今後どのようにして富山大学を運営していくのかについての具体的な方針もまったく示していません。
 これに対して、人文学部、経済学部、人間発達科学部、理学部、医学部の各教授会は、学長選考会議の決定が二度にわたる教職員の意向調査結果を無視するものであるとの見解を表明し、薬学部教授会も、「意向調査の結果は、本学教職員の大多数(投票者の約8割)がこれまで3年間の大学運営に対して、学長を含めた現執行部にはっきりと不信任を示したものである」との認識を示しています。
 こうした動きに対して西頭学長は、選考会議の決定を受諾して以降、学長選挙に立候補した他の候補や各学部の学部長に対して、繰り返し非公式の接触を図り、次期執行部への協力要請を行うなど、学長として留まるための体制作りを急いでいます。密室のなかで執行部人事を画策するこのような学長側の動きは、意向調査で示された8割近い教職員の批判に真摯に耳を傾ける姿勢がないことを示しています。これに加えて、12月末、山森監事が、抗議声明を決議した学部教授会に対して、声明の内容にまで立ち入った監査請求を行っていることが新たに発覚しました。こうした教授会への監査は、監事の監査権限を濫用し、大学の自治を侵害し、大学の構成員による正当な異議申し立ての権利を不当に抑えつけるものと言わなければなりません。 1
 こうした事態に対して、私たちは、本日、学部の枠を超えて全学集会をもちました。そして、意向調査がなぜ現学長の再任に対して圧倒的多数をもって「否」の意思表示をしたのか、学長選考会議ではどういう審議がなされたのか、12月の選考会議以降、水面下で一体どのようなことが起きているのかなど、学長選考とその後の動向について情報を共有するとともに、学長選考のありかたや現執行部の大学「改革」路線の是非、さらには大学の自治や学問・研究・教育の自由に関わる諸問題についても幅広い議論を行いました。
 その結果、意向調査の結果を無視した学長選考会議の決定は憲法及び国会の付帯決議の趣旨に反するものであるだけでなく、その議事手続きには富山大学学長選考規則違反が認められ、したがって学長選考会議はその決定を取り消すべきこと、西頭学長は次期学長への就任を辞退すべきこと、そして今回のような事態を再び招かないため、学長選考会議の構成と学長選考規則を、大学の自主的・自律的運営を保障するものに抜本的に改める必要があること、これらの点で一致するに至りました。

2009年1月21日 1.21 学長選考問題を考える富山大学全学集会


2009年01月26日

全大教、国立大学の学長選考問題に関する声明

■「意見広告の会」ニュース463より

国立大学の学長選考問題に関する声明

全国大学高専教職員組合中央執行委員会 1/20

 この間いくつかの大学で、教職員による意向投票結果に反する学長選考が学長選考会議によって行われている。
 学長選考に関わる問題は、基本的に大学自治の枠組みの中で解決すべき事項である。しかし、今回の富山大学の学長選考問題はこれまでに例をみない事例であり、その全国的影響を考慮すれば、全国組織として黙過しえない問題であり、ここに声明を発表するものである。
 富山大学第2次意向投票で58%を獲得した第1位者に対し、現職学長として立候補した第3位者は20.5%であったが、学長選考会議は第3位者を学長として選出した。現職学長のこの間の大学運営について実に8割近い意向投票者が信任の意思を表明しなかったという事実は重い。また、意向投票第1位者が約6割の支持を得ながら選考されないという事例も過去に例をみない。
 これらの経緯は、大学の自治のあり方に重大な問題を提起している。大学は、多様な価値観を共有する研究教育組織であり、構成員の意思の尊重と合意形成が何よりも重要となる。それ故、学長選考は、法人化以降も意向投票という形で継続されているのである。これを無視したと言うほかない今回の学長選考は、今後の大学運営に重大な支障と禍根をもたらすことは必至であろう。それは何よりも富山大学にとって重大な損失をもたらすこととなる。学長選考の再考を促したい。
 このことと合わせて、現在の学長選考制度のもつ問題性を指摘したい。学長は、教育研究評議会と経営協議会の双方から同数の委員で構成される学長選考会議の選考により選出されるが、その他に学長は、学長又は理事を学長選考会議委員総数の3分の1を越えない範囲で選考会議に加えることができる。(国立大学法人法第12条に規定) 従って、特に現職学長が立候補する場合、学長が指名した委員が過半数を占めることで極めて有利となり、大学構成員の意志を無視した選考が生じるのであり、大学によっては、選考結果をめぐって訴訟に持ち込まれる場合もあった。法人法はこうしたチェックアンドバランスの仕組みが働かない欠陥をもっている。
 この間の一連の学長選考をめぐるトラブルは、学長選考のあり方を見直す必要性を示している。私たちは、各大学における学長選考内規の再検討や、さらには、国立大学法人法の改正も含めた法人制度の見直しが必要であると考える。


富山大、「西頭学長は就任辞退を」 選考に異議、教職員ら150人決議

http://mainichi.jp/area/toyama/news/20090123ddlk16040500000c.html

 ◇全学集会
 昨年12月に行われた富山大学長選考会議の経過や結果の問題点を考える全学集会が21日夜、富山市五福の同大五福キャンパスで開かれた。教職員ら約150人が参加し、再任された西頭徳三学長に次期学長への就任辞退などを求める決議案を採択した。

 学長選考では、西頭学長のほか2人が推薦された。同11月に、教職員を対象に二度、意向調査が行われ、いずれも西頭学長が大差で最下位だった。だが、学外委員が半数を占める選考会議は結論を出さずに無記名投票を実施。その結果、西頭学長が過半数の票を獲得した。……


2009年01月23日

富大で学長選考を考える集会

http://www2.knb.ne.jp/news/20090122_18668.htm

 西頭徳三学長の再任を決めた富山大学の学長選考に対して、大学内の意向調査が無視されたなどとして、21日夜、富山大学の教職員などが集会を開き、西頭学長の就任辞退などを求めることを決議しました。

 21日夜、富山大学五福キャンパスで開かれた集会には、富山大学の教職員などおよそ150人が参加しました。

 富山大学の次期学長を決める選考会議は、先月4日に開かれ、学内外の委員20人の投票で過半数の11票を得た現職の西頭学長の再選が決まりました。

 選考の参考とされた大学内の教職員を対象にした2度の意向調査では、3人の候補者のうち西頭学長の得票数はいずれも最下位でした。

 21日夜の集会で参加者からは、「学内の意向が無視されている」といった意見が出され、西頭学長の就任辞退や学長選考会議の抜本的改正などを求めることを決議しました。

 集会の発起人の一人経済学部教授、小倉利丸さんは「西頭学長を学長として選んだところで学内の教職員のかなりの方たちは納得できていないし、大きな異論がある」

 教職員などは今後、西頭学長と学長選考会議のメンバーに決議を伝えることにしています。


2009年01月16日

富山大、お家騒動 学長再選に6学部反旗

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200901140350.html

 富山大学(富山市)で昨年12月に再選された西頭徳三(さいとう・とくそう)学長に対し、8学部のうち6学部の教授会が異議や懸念を表明。その有志らが21日、学長選考を考える集会を開くことになった。次期学長を決める学長選考会議の前段階に、教職員を対象に実施した2度の意向投票では、3人の学長候補で西頭氏がいずれも最下位だったためだ。……

2009年01月14日

サイト紹介、富山大学発日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会

富山大学発日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会

富山大学発 
日本の大学の危機(学長選考の異常さ)を全国に訴える会

教職員の意向調査を無視した今回の富山大学の学長選考は
学問共同体としての大学に求められる
大学自治を蹂躙する暴挙である
全国の大学関係者のみなさんへのアピール

 昨年12月4日の富山大学学長選考において、富山大学学長選考会議(国立大学法人法の定める組織)は、その半数を占める学外委員を中心とする多数の力で、2回の教職員の学内意向調査(教職員による投票)でいずれも2割の支持しか得られなかった、第3位の現学長を再任しました。8割近くの教職員が不信任を突きつけた候補を、学長選考会議が、意向調査の結果を無視して学長に選出するようなことは、これまで国立大学では一度もなかったことです。私たちは、これは、単に一地方国立大学の問題に止まらない、国立大学法人法の下での今後の国立大学全体のあり方に関わる重大問題であると考えています。……


2008年12月29日

富山大、医学部教授会、学長選考方法の見直し求める要望書

http://mainichi.jp/area/toyama/news/20081228ddlk16040336000c.html

 今月4日の富山大学長選考会議で次期学長に再任された西頭徳三学長(70)に対し、医学部教授会は26日、学長選考方法の見直しなどを求める要望書を西頭学長に提出した。……

2008年12月22日

富山大学、学長選考会議決定に対する理学部・経済学部・人文学部教授会声明

学長選考会議決定に対する経済学部教授会声明
富山大学理学部教授会声明
富山大学人文学部教授会「教授会声明」

学長選考会議決定に対する経済学部教授会声明

 富山大学経済学部教授会は、先の12 月4 日の学長選考会議の決定を、大学の自治への挑戦であり、かつ本大学の正常な運営をおびやかすものとして、強い憂慮の念を表明するものである。

 今回の選考会議に先立ち、2回にわたって教職員による意向投票が実施された。いずれの投票においても、得票数の首位は平井美朗氏であり、第2 位が倉知正佳氏、西頭徳三氏は最下位であった。また、第1次意向投票の得票率は、平井候補が43.3 パーセント、倉知候補が34.8 パーセント、西頭候補が21.9 パーセント、第2次意向投票の得票率は、平井候補が58.0 パーセント、倉知候補が21.4 パーセント、西頭候補が20.5 パーセントであった。首位と最下位の候補の票数の差は歴然である。他の国立大学でも、選考会議が意向投票の首位の候補を選出しなかった例はあるが、3位以下の候補が選出された例はなく、今回のように首位との大きな得票の差がある候補が選出された例もない。学長選考会議は、意向調査の結果を真摯に受け止め、尊重して学長を選考する重い責任を負っているはずである。選考会議が最下位の候補を学長として指名したことは、意向投票の結果を明らかに無視するものとみなさざるをえない。

 国立大学法人法では,選考会議は,学内委員と学外委員が同数と定められており、選考会議が学長を選考する権限を持つこととされているが、同法は、憲法23 条が保障する「大学の自治」(「人事の自治」を含む)を尊重する観点から解釈・運用される必要がある。この趣旨は、衆・参両院の付帯決議においても確認されている。

 この点からすれば、学内委員の意見と学外委員の意見とが対立した場合には、学内委員の意見を尊重するのが当然である。また,教職員の意向投票が実施され、そこに教職員の明白な意思が表明されている場合には,その結果を尊重するのが当然である。もし、学外委員が、学内委員の多数意見と,意向投票の明らかな結果の両方を真っ向から否定するような形で学長を選ぶとすれば、憲法23 条および衆・参両院の付帯決議の趣旨に反することは明白である。

 以上の点から、われわれは、選考会議が、教職員の多数意思および学内選考委員の(多数)意思に反して、結果を出したことに強く抗議するとともに、選考会議の決定は無効であると考える。われわれは、選考会議の各委員に対し、今回の選考結果について、教職員に対して十分な説明責任を果されることを強く望むものである。

2008 年12 月10 日
富山大学経済学部教授会


[新聞報道]
富山大、学長選考に異議、教授会が声明 「就任辞退」理学部も

2008年12月15日

富山大学長選の選考結果に異議、3学部教授会が声明

http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20081212202.htm

 富大人文、人間発達科学、経済の三学部の教授会は十一日までに、学長選考会議(議長・金岡祐一富山国際学園理事長)が次期学長候補に西頭徳三現学長を再選したことに、異議を唱える声明を出した。声明では、教職員対象の二度の意向投票で最も得票数が少なかった西頭氏を選んだことは、学内の意向を無視するものなどとしている。
 三学部は十日にそれぞれ教授会を開き、出席者の総意として声明を発表した。いずれの声明も「意向投票の結果が反映されず無視された」「学長選考会議の結論は大学の自治に反する」などの内容となっている。人間発達科学部の佐藤幸男学部長は「異議を唱える学部が足並みをそろえ、学長選考会議に説明責任を問う文書を送付する方向で調整したい」としている。…

2008年09月16日

高知大学長選不正、行政訴訟 国の裁判所移送申し立てを却下-地裁

http://mainichi.jp/area/kochi/news/20080913ddlk39040675000c.html

 高知大学長選考に不正があったとして、高橋正征・同大名誉教授らが国に学長任命行為の取り消しを求めている行政訴訟で、高知地裁は12日までに国側が求めていた東京地裁または高松地裁への移送申し立てを却下した。
 行政事件訴訟法では、行政庁を被告とする取消訴訟はその行政庁の所在地の裁判所で行うとする一方、事案処理にあたった「下級行政機関」の所在地の裁判所でも行うことができると定めている。
 国側は、高知大は行政組織法上、文部科学省の「下級行政機関」に該当しないと主張。これに対し高知地裁は、高知大は学長選考会議や学内意向投票などを行って学長候補者を選び、文部科学相に推薦したことなどを指摘。高知大が「学長任命処分について事案の処理そのものに実質的に関与したと評価できる」と判断した。
 決定に対しては即時抗告ができるが、国側の高松法務局担当官は「今後の対応は関係各省と検討中。1週間内に判断する」としている。

2008年09月08日

高知大学長選不正、名誉教授ら告発、嫌疑不十分で不起訴処分-高知地検

http://mainichi.jp/area/kochi/news/20080906ddlk39040658000c.html

 07年10月にあった高知大学長選考の意向投票で不正があったとして、高橋正征(まさゆき)・同大名誉教授ら14人が被疑者不詳のまま告発していた件について、公用文書毀棄(きき)と偽計業務妨害容疑で受理した高知地検は5日、嫌疑不十分で不起訴処分にすると発表した。

 地検は処分の理由として、投票用紙は特注で大学の朱印が押してあり偽造は難しい▽開票作業にややずさんな点があり、票を割り振る際に間違えた可能性がある--などとし、「票のすり替えをうかがわせる事情はなかった」と判断した。…


[同ニュース]
高知大学長選考 「票すり替え」不起訴

2008年08月04日

神戸大学教職員組合、学長選考規則改定に対する組合声明

神戸大学教職員組合
 ∟●組合ニュース2008年度第2号(2008.07.29)

2008年07月31日

東京医科大、学長不在…文科省が行政指導

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080731k0000m040037000c.html

 東京医科大(東京都新宿区)が2年間、学長を置かず、学校教育法に違反しているとして、文部科学省が口頭で行政指導していたことが分かった。指導は29日付。文科省は「長期にわたって最高責任者がいない状態は不適切」と判断。大学側は「早急に正式な学長を選任したい」と話している。…

[同ニュース]
「早期に学長選出を」 文科省が東京医大に指導
学長が2年間不在=東医大に注意-文科省

2008年07月16日

高知大学長選考問題、行政訴訟提訴さる!

公正な学長選考を求める裁判を支える会、ニュースレター No6

○ 行政訴訟提訴さる!

 すでに新聞等でも報道されているように、私たちは、これまで国立大学法人高知大学を相手取って行ってきた「学長選考会議の決定の無効確認の訴え」の民事訴訟を6月23日(月)に取り下げました。この経緯については裏面をご覧ください。
 そして、翌24日、新たに国を相手とする「文部科学大臣による学長任命の取り消し」を求める行政訴訟の提訴を高知地裁に行いました。原告は民事訴訟の原告であった高橋正征名誉教授(前黒潮圏研究科長、学長候補)と、根小田渡名誉教授(前人文学部長、学長選考会議委員)の二人です。原告団の構成をどうするのかについては、弁護団・支援する会で慎重に検討した結果、「原告適格」の問題を考慮して、この二人に絞ることになりました。
 しかしながら、今回の学長選考の結果によって「不利益」を被っているのは、学生も含む高知大学の構成員全員ですから、実質上、構成員全員が原告になったつもりで裁判に臨みたいと思います。……


2008年06月26日

高知大学長選考問題、学長任命は「違法」と行政訴訟を提起

http://203.139.202.230/?&nwSrl=228180&nwIW=1&nwVt=knd

 昨年の高知大学の学長選考で、相良祐輔現学長の対立候補だった高橋正征氏=同大名誉教授=と、相良氏の再任を決めた学長選考会議委員の一人だった根小田渡氏=同=が二十四日、国に相良氏の学長任命を「違法」として、任命取り消しを求める行政訴訟を高知地裁に起こした。

2008年06月25日

高知大学長選不正、行政訴訟提起へ 正式任命で民事取り下げ

http://mainichi.jp/area/kochi/news/20080624ddlk39040664000c.html

 昨年10月の高知大学長選考で不正があったとして同大学に対し相良祐輔学長を選んだ選考の無効確認を求める民事訴訟を高知地裁に起こしていた対立候補の高橋正征・同大学大学院教授(当時)らは23日、訴えを取り下げた。文部科学省が4月1日付で相良氏を正式に学長に任命したためで、教授らは改めて国に対して任命行為の取り消しを求める行政訴訟を同地裁に起こす方針。…

[関連ニュース]
高知大学長選考訴訟 原告が訴え取り下げ
高知大学長選考問題 教授ら文科省提訴へ

2008年06月16日

青森県立保健大学長選の中傷問題、懲戒の教授が慰謝料請求 大学側は争う構え

http://mainichi.jp/area/aomori/news/20080614ddlk02040034000c.html

 県立保健大(青森市)の学長選をめぐり中傷メールが送られた問題で、懲戒処分を受けた男性教授(54)が、講義や教授会などへの出席をさせなかったのは違法だとして、県と大学を相手取り、講義への出席や慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、青森地裁(貝原信之裁判長)であった。県と大学側は請求棄却を求めた答弁書を提出し、全面的に争う姿勢を示した。…

2008年06月06日

高知大学長選考訴訟、新しい段階―行政訴訟―へ

■「意見広告の会」ニュース451より

学長選考問題 高知大との訴訟取り下げへ 原告側 任命の国提訴準備

「高知新聞」 5/31

 昨年の高知大学長選考で相良祐輔氏を学長に選んだ選考会議の決定無効を求め、高知大を訴えている教授らは30日、文部科学省が高知大学長に相良氏を任命したことから、訴えを取り下げる方向で検討に入った。今後は行政事件訴訟法に基づき、任命から6カ月以内に国を相手取り、相良祐輔氏の任命を取り消す訴訟を起こす方針。
 
 同大の学長選考をめぐっては、昨年10月に行われた学内意向投票で、2通りの得票数が確認されたにもかかわらず、選考会議が相良氏再任を決めたことで学内が紛糾。選考無効を訴える教授らが昨年12月、「何者かによって票が差し替えられた」として被告人不詳のまま、高知地検に刑事告発するとともに、対立候補だった高橋正征氏=同大名誉教授=が民事訴訟を高知地裁に起こした。

 これまで2回の口頭弁論が行われ、“原告の適格性”をめぐって双方の主張が対立。30日開かれた第3回の口頭弁論では主張を戦わせる場面はなく、相良氏が4月1日付で再任されたことから今後の方向性を原告・被告双方と裁判長が別室でそれぞれ協議した。

 取材に対し、高橋氏は「裁判の大きな目的は、国立大学法人法下での大学の民主主義を問うこと。その中身の議論に入るためにも、次のステップに進みたい」と述べ、高知大に対する民事訴訟を取り下げる意向を示した。

裁判闘争は新しい段階―行政訴訟―へ! 6/1
「公正な学長選考を求める裁判を支える会」 ニュースレター NO.5

○ 裁判闘争は新しい段階―行政訴訟―へ! 

  構成員の皆さんの更なるご支援を訴えます!
 すでにニュースNo4でお知らせしたように、私たちが提訴した学長選考への異議申し立て裁判は新たな段階を迎えました。ここで現状を整理してみましょう。

 1 これまでの裁判

① 性格:民事訴訟
② 内容:学長選考会議の決定の無効確認の訴え
③ 訴えの相手:国立大学法人高知大学

 2 現段階での問題点

 実質的な審理に入る前提として、「原告適格」及び「確認の利益」(「選考会議の決定の無効」を確認したとして、「紛争の解決」にどのような利益があるのか)の二つを満たしている必要があります。特に「確認の利益」に関しては4月1日付けで相良氏が高知大学学長に任命されたことにより、決定無効の確認そのものが無意味と見なされ「確認の利益無し」とされる危険が極めて高いと考えられます。そうなった場合は、不透明な学長選考を質すために私たちが求めている実質的な審理に入る前に,裁判そのものがうち切られる可能性が高いと予想されます。

 したがって、裁判という場で学長選考の問題点の中身を継続して明らかにしていくためには、従来の民事訴訟とは別個に、「文部科学大臣による学長任命(4月1日付け)」に対し、それに異議申し立てをする新しい訴えを起こす必要があります。

 3 新たに提起される裁判

 ① 性格:行政事件訴訟法に基づく行政訴訟
 ② 内容:学長任命の取り消し請求
 ③ 訴えの相手:国

 以上のような状況を踏まえ、私たちは、行政訴訟という新しい段階に踏み込むことを決意しました。たしかに、「国」を相手の訴訟というのは誰にとってもいささかたじろがざるを得ないものです。また、原告適格の問題や民事訴訟との関係など解決しなければならない問題も山積しています。しかし、このまま事態の既成事実化、居直り、風化を許してはならないと私たちは考えます。裁判が新しい段階を迎えるにあたって、すべての高知大学構成員の皆さんに、これまで以上の支援を心から訴えたいと思います。

○ 第三回口頭弁論報告

 5月30日(金)11:00から高知地裁において第三回口頭弁論が開かれました。

 4月1日付け人事異動で新しい裁判長が本裁判を引き継いで担当することになりました。冒頭、裁判長は被告側に、学長の任命について事実確認を行い、相良祐輔氏が高知大学長に4月1日付けで任命されたことを口頭で確認しました。これを受けて、裁判長から今後の裁判の進め方について、原告、被告それぞれと別室で協議したい旨の提案があり、まず原告の高橋先生と原告側弁護団が裁判長と一緒に別室に移りました。これは刑事訴訟法では「進行協議手続き」と言うのだそうですが、被告側弁護団もやがて「タバコを吸いに」(被告側主任弁護士のお言葉?!)法廷から退室したので、法廷には傍聴人のみが残ることになりました。裁判所書記官らしき人の説明では「このまま30分くらい協議をして、そのまま解散となるか、または口頭弁論の再開と言うことになるかも知れません」とのこと。私たちは仕方なく、傍聴に来ていた人文学部のA先生(法学)の即席のレクチャーを受けながら待つことに。

 30分ほどして高橋先生と弁護団が戻って来ました。高橋先生が原告席に戻りかけたので口頭弁論再開かと思ったのですが、これは荷物を取りに来ただけで、口頭弁論の再開は無し。その場で弁護団から簡単な経過説明がありました。つまり、学長の任命という事態を受けて、裁判長から今後の裁判の進行について提案があり、6月23日(月)の4:00から原告側被告側で協議(非公開)するとの事でした。
 
 この日はそれで解散でした。第1回も第2回も民事訴訟の裁判とは何をやっているのかよく分からないものでしたが、第3回についても,ある人曰く:「今日の口頭弁論はあったと言うべきなのか、あるいは無かったと言うべきなのか?」という内容でした。

 一面で述べたように、学長選考会議の決定という段階から文部科学省による相良祐輔氏の学長任命という段階への事態の推移に対応し、訴えの矛先を高知大学から国へ向け,裁判の争点を新たな「任命取り消し請求」に転換するのが妥当なことははっきりしています。その際,これまでの民事訴訟をどうするのかが当面の問題です。もちろん「和解」はあり得ませんから、門前払い覚悟でこのまま行くのか、それとも、別の道を考えるのか。そのいずれにしても、今後闘いの中心となる「任命取り消し請求」をより有効に進めて行くには,どのような方法が最善であるのかを慎重かつ前向きに検討する必要があるでしょう。


2008年05月26日

京都大総長に松本副学長が内定

http://sankei.jp.msn.com/personnel/080523/psn0805231117032-n1.htm

 京都大学は22日、尾池和夫総長(67)の後任を決める総長選で、松本紘副学長(65)を選んだ。…

2008年05月23日

高知大学長選問題、公正な学長選考を求める裁判を支える会 ニュースレターNo.4

新首都圏ネットワーク

公正な学長選考を求める裁判を支える会
ニュースレター NO.4   
2008、5,19

○ 任命取り消し請求へ!

すでにご存知のように、4月1日付けで相良氏が高知大学学長に任命されました。文部科学省の良識に私たちがいだいていた一抹の「期待」はあっけなく裏切られました。どうやら、日本の教育を統括する官庁は「ウソをついてはいけない」という最低限の社会的ルールすらきちんと理解していないようです。

大学執行部は、これで一件落着としたいようです。しかし、ことはそれほど単純ではありません。昨年来、無理矢理に無理を重ねてきた大学運営の終着点があの学長選考結果でした。そして、その重ねてきた無理の代償として,事務組織・教員組織があらゆる部分で破綻し始めている現状となっているということは,誰の目にも明らかでしょう。…


2008年05月19日

同志社大、揺れる自治 学長選の投票権 学生分を「廃止」

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008051600040&genre=G1&area=K00

 在学1年以上の学生全員が学長選に投票できる全国でも例のない制度を設ける同志社大で、学生投票権を廃止する動きが進んでいる。学内の検討委員会は近年の低投票率などを理由として「廃止」を八田英二学長に答申した。ただ、創立者新島襄の「自治自立」の精神を象徴する制度だけに、教職員には「理念は理念としての意義が十分にある」と存続を望む声もある。…