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 カテゴリー (公)首都大学東京

2010年03月24日

首都大学東京労組、助教の8年雇い止めを改めること

首都大学東京労働組合
 ∟●手から手へ、第2548 号

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Ⅱ.教員の要求と課題

1.任期制の抜本的改善に向け、まず助教の8年雇い止めを改めること
 2006 年度開始の任期付き教員の最初の再任判定時期がやってきます。一昨年来の組合交渉を経て、原則再任が達成される見込みですが、もっとも重大な、助教の8年雇い止めの撤廃、あるいは抜本的な改善がなされなければ、大学は深刻な事態に陥ります。この問題を改善しなければ、法人と大学執行部が進めようとしている『助教の育成・研究支援』は絵に描いた餅なのです。多くの助教が育成・支援の対象であるなら、8 年という短期を区切り、しかも再任がない制度は原理矛盾です。
 私たち組合は、今回の再任判定期を契機として、助教の任期制を少なくとも准教授以上と同様の趣旨の「ステップアップ型」にするべきであると主張してきました。この検討に時間がかかるなら、さしあたり再任後の3 年雇い止めを停止し、更新回数を増やすことを求め、法人に働きかけてきました。……


2009年12月18日

首都大学東京労組、行政刷新会議の「事業仕分け」における本学教授の発言について

首都大学東京労組
 ∟●手から手へ第2542号

発言は事実に基づいて行うことが大切です!
行政刷新会議の「事業仕分け」における本学教授の発言について

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 まず、次のサイトにアクセスし、11月25日午前に行われた行政刷新会議の事業仕分け、第3ワーキンググループの議論をお聴きください。この日は国立大学法人運営費交付金1兆円余りについて、議論が行われました。
http://www.ustream.tv/recorded/2635582
 録画放映開始から12分程のところで、「仕分け人」の1人である本学教員の事実と異なる認識に基づいた発言を見ることができます。
 その発言は次の様なものです。「国立大学法人は毎年1%運営費交付金が削減されていて大変ですが、公立大学の中には毎年2.5%削減されているところもある。その結果、人件費削減で削減された部分を吸収していかなければならず、大変『筋肉質』になっている。この公立大学は学長は大学教授経験者であるが、理事長は大変優秀な民間経営者をあてているということで解決している。国立大学は学長と理事長が一体化されており、民間企業の厳しい経営を経験してきたわけではない。この公立大学では毎年2.5%削減されているけれども毎年10 億円くらいの積立金を残している。経営努力にほかならない。その積立金で大学のエアコンをすべて省エネ型に換える。これに20億投資している。また建物自身を長寿命化する工事に投資している。ところが国立大学の学長は教育研究に投資している。民間経営者が入ると全く違うんです。そこで一つ伺いますが、第2期中期計画から理事長と学長を分離して民間の力を入れて、もっと経営努力をするという考えはありませんか?」
 ここでいう「ある公立大学」とは首都大学東京にほかなりません。この発言には大きく言って2つの事実誤認があります。
 一つは、「経営努力によって毎年10 億円の積立金残している。」と言う点です。法人化後100 人を超える教員が流出し、その上150 人ほどの年収200 万円の非常勤契約職員を抱えており、スタートの時点から毎年10 億円程度の剰余金が生じることは容易に予測されていたことです。
 もう一つは、「積立金を投資してエアコンの交換や建物自身を長寿命化する工事」を行っているのではないことです。これらの工事は施設費補助金という別枠の予算で措置されています。(20 年度30億円・21 年度50億円)法人化にあたって、多くの施設整備を行った国立大学と違って特別な施設整備を行わなかった首都大学東京は、建物や大型設備についての経年劣化などについては施設整備補助金で賄うことになっているのです。
 8月に行われた総選挙で、民主党の鳩山代表(当時)はテレビでの党首による討論で、「数年前に国立大学を独立行政法人化したんですよ。あれは完全な誤りでね、あのことによって基礎的な科学の力がぐんぐん落ちてきてしまっている。こういうものを、もっと基礎的なものを持ち上げていくことが今の日本にとってものすごく大事なことだと申し上げておく」旨の発言をしています。(フジテレビ新報道2001・8月23 日放映・詳報は産経ニュース電子版で読むことができます)
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090823/elc0908231829008-n4.htm
 座長を務めた事業仕分けの統括責任者の枝野幸男衆議院議員も「国立大学の法人化の是非についても、議論すべき」と発言しています。しかし、「理事長と学長を分離して民間の力を入れて、もっと経営努力をする」という本学教授の再度の発言もあって、この日の議論の15人の仕分け人の評価結果の意見は「国立大学はもっと経営努力をすべき」と全員が見直しとなっています。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov25kekka/3-51.pdf

 行政刷新会議の事業仕分けは11 月27 日で終了しましたが仕分け対象の447事業のうち、約50の事業が廃止、そのほとんどが見直しという結果に終わり、その「効果」は、概算要求規模で約7400億円、公益法人や独立行政法人の基金等の国庫への返納で約8400億円と朝日新聞は報道しています。国家予算について、公開の場で議論することは画期的で評価できますが、仕分けという目的の性格上、事業の廃止や予算削減が前提となっており、短時間の議論でこれまで行われてきた様々な事業が継続できなくなり、大学においてもその影響は計り知れません。
 同日に東京大学で行われたノーベル賞受賞者らの緊急声明の発表の場は前述の本学教員の発言は問題だとの指摘がありました。
 仕分け人の事実と異なる認識による発言によって導かれた、廃止や見直しという結論そのものに疑問符がつくのは当然のことです。大学の教員であれば、事実に基づいた発言をすべきです。


2009年04月30日

首大非就任者の会、「首大と教員流出:総集編」

首大非就任者の会
 ∟●首大と教員流出:総集編

首大と教員流出:総集編

首大非就任者の会
2009.4.29

 首大非就任者の会では,このたび2006年度の教員退職数のデータを整理して,旧来の記事 首大開校直後 (2005年度) の教員流出 を拡張し,首大開校直後 (2005-6年度) の教員流出 として公開した。2003年8月の首都大学東京 (以後,首大と略す) 構想出現から2005年4月の首大開校までの期間が1年8ヵ月であったことを鑑みれば,首大開校から丸2年が経過した2006年度末はひとつの時間的な区切りともみなせる。そこで,本稿において,これまで当会が行ってきた調査結果をもとに,首大開校前後4年間に亙る元都立大教員の大量流出状況を歴史的資料としてまとめておくことにしたい。ここで,元都立大教員とは,首大構想出現の年である2003年度初めの時点で都立大学に在職した教員 (助手を除く) を指す。以下,本稿全体を通して同様である。……