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2010年03月02日

横浜市立大、大学を破壊する人件費削減数値目標

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(3月1日)
  ∟●横浜市立大学教員組合
  ∟●組合ニュース

……

数値目標 ~ 大学を破壊する人件費削減数値目標

 前回の中期計画が大学を破壊している。「東大ですら達成していない」と声を荒上げた教員管理職もいたのにも関わらず、6年前(とうの昔に関内帰還済み)の横浜市派遣職員により、人件費比率50%という数値目標が現在の中期計画に入れられたそうだ。この間、入れ替わり立ち替わり現れた横浜市派遣職員は、設定されたこの数値目標を闇雲に守るべく、採用を押さえ続けた。大学業界をまったく知らない無知蒙昧は恐ろしい。入学定員の2/3 が理科系であり、数多くの付置研究所を持ち、日本一の設備を誇る東京大学ですら人件費比率が50%を超えていた時期に、なんの根拠もなく設定された模様である。現在東京大学の人件費比率は49.9%になっているそうだが、入学定員の2/3 が文科系の横浜市大ではあり得ない比率である。当局も、さすがにこの目標の非常識さに気づき、達成を諦めているようではあるが、毎度のことながらこの目標を設定した横浜市派遣職員は学内から消えている。

 今、新たなる中期計画が横浜市派遣職員中心に策定されようとしているが、6年前の失敗の繰り返しを恐れる。横浜市派遣職員が大学経営のプロであるはずもなく、また中期計画実施に責任を持つわけではない。無責任な計画は大学を抹殺しかねない。

 本学に余剰人員がいるとしたら、学生と直接ふれあっている教員や固有職においてではなく、それら現業部門を疲弊させることしかできない横浜市派遣職員が巣くう間接部門においてである。中期目標に入れるべき数値目標は、横浜市派遣比率0%以外にはない。……


2010年02月04日

横浜市立大学、天下りより出向が問題

横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ニュース、2010.2.1

●大学職員

 昨年末の組合ニュースでも紹介させて頂いた、『全大教新聞』の2009年12月10日号の記事(http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/kumiai-news/zendaikyo091210.jpg)が、ご好評をいただいているようで、こそばゆい限りである。各方面からご注目頂いた図表の横にもきちんと示してあるのだが、このグラフは、2001年6月9日の『日本経済新聞』に山本真一筑波大学教授(現広島大学教授)が寄せられた文章の中にあったデータをグラフ化したものに過ぎない。組合が市場原理主義の本拠地とも揶揄される日経を肯定的に引用するのも珍しいかもしれないが、さらに付け加えるならば、この山本真一という方は、大学教育に関する多くの著書をお持ちではあるものの、出自は文部官僚である。

 この文章の中で山本氏は「国公立の事務局長はその年数が極端に短い。その上、公立では中堅職員についても短い」「公立では、昨日まで知事部局に勤務していた「素人」の職員が、人事異動の一貫でたまたま大学に来ているという状況があるからである」(「」も原典のまま)と指摘した上で、「公立では、大学職員そのものの専門性育成が課題ではあるまいか」とまで言い切っている。さらにこの文章を踏まえて日経は「国公立大学が独立行政法人化されれば、経営手腕のない大学は生き残れなくなる。人事システムの見直しが必要だ」としている。

 今回の大学破壊を肯定的にとらえる一般教員が一人もいないことは明らかだが、唯一よかったことがあったとすれば、入試、教務などの大学の生命線における、市派遣職員から専門職へのポストの置き換えだったかもしれない。学生課で学生を知り、教務課でカリキュラムを組み、入試課で社会の評価を実感する職員が、人事課、経営企画課などの間接業務にまで進むようになったらどれだけすばらしいだろうと、私学では当然のことに小さな夢を抱いた一般教員もいる。そして独立行政法人化にはそのような方向性があったはずである。

 人を育てることがその主要任務である大学において、自前の固有職すら育てられないのでは、鼎の軽重が問われることになる。関内の地方公務員が固執する、Professor(教授)、Associate Professor(准教授)に任期制を強いるシステムは、日本を含む世界の非常識であるが、職員に将来展望を持ちづらくさせる任期制を強いるシステムも、特段の能力があるわけでもない出向役人が権力を振るうための具にしかなっていない。

●天下りより出向が問題

 1月28日の各紙の報道によると、横浜市は、OB職員の外郭団体への「天下り」について、年齢、在職期間、役員報酬に上限を設けるなどの見直し案を公表した。本学の理事長、事務局長なども引っかかってくるであろう。但し、対応は十二分に可能である。国立大学のように「きちんと構成員の選挙で選ばれた学長」が理事長を兼務するならばポストすら一つ減らせるわけだし、事務局長も私学から得ることができる。

 しかし、実際のところ、公立大学において天下りより大きな問題は設置者からの出向である。池田輝政、伊藤公一らの大学破壊の率先者はもちろん、独法化以前においても、関内での出世のみを狙って、短期的な功を焦り、長期的な視点もなく、大学を単なる踏み台としておかしくした輩は多い。

 大学は、一人の学生が過ごす期間だけでも4年間かかるわけで、短期的に異動を繰り返す地方公務員にふさわしい職場ではない。また、公立大学職員になることを望んで公務員試験を受けるものがいるとも思えない。こういった大学職員としての素養がない地方公務員がいじくるから、公立学校は、学校と一蓮托生の教職員が運営する私学に劣ることになってきてしまっているのである。

 独法化前後から脱出する教員が多く、毎年のようにゼミを変えられる学生が相次いだ。私立一流校が多くのOBに愛校心を持たれ、支えてもらえるのは、直接教わった教員が卒業後何年経っても学舎に残っていてくれるからである。強制的な配置転換によって公立高校の水準を私学より貶めた地方公務員は、まったく無反省に、全員任期制を強要して大学にまでその失敗を拡散しているのである。

●文部科学省様助けて下さい

 『朝日新聞』2010年1月10日29面の、文部官僚から東京都品川区立大崎中学校校長に出向している浅田和伸氏へのインタビュー記事である。「教職員の忙しさも実感した。多いと週20コマ近くの授業を抱え、それに加えて事前の準備や提出物の点検、採点をする」「土日も休み無く働く教員がいた」

 「多いと20コマ近く」との表現は、たぶん中学、高校の校時で18コマあたりを指すのであろう。横浜市立高校、神奈川県立高校のコマ負担が、標準16コマで14コマの教員もいるという状況なので、推察がつくところである。

 中学高校の校時18コマは、大学の校時に換算すると9コマである。文部官僚出身の浅田氏は、中学校においてこのコマ数を多すぎるとしているわけだが、指導書もなくリピートの授業もほぼ無いために事前の準備がよりかかり、入試も自前で作らざるを得ず、自分自身の市場価値を維持するために研究を捨て去ることもできない大学教員に、9コマのコマ負担を強いるこの大学のカリキュラムは、浅田氏が指摘する区立中学以上に大問題である。実際、大学における9コマ36単位とは、履修する学生にすら週36時間の学習が必要とされる時間である。教師に9コマを負担させれば、要求される書類書きや最低限の会議参加だけで、確実に労基法が定める40時間を超える。

 全国の労働者の休職率が0.5%程度なのに対して、東京都の公立学校教員の休職率が1%にもなり問題視されている(2009年11月の各紙報道)わけだが、本学八景キャンパスの教員の休職率はその数倍である。独法化前はほとんど休職者がいなかったわけで、強要する任期制に過剰なコマ負担、人事無策の責任は支配者たる横浜市派遣職員が取らねばならない。……


2009年12月21日

横浜市立大学教員組合、「教員組合が一貫して過半数代表」

横浜市立大学教員組合
 ∟●全大教新聞

2009年11月10日

横浜市立大、教授昇進の応募者すらいない!?

横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ニュース

●応募者すらいない!?

 教員組合では、昇任人事の審査に当たって任期制への同意を求める文書(10/1付け学長発)を問題視し、拡大執行委員会の議を経て、下記文書を学長に手交した。人事課経由で来た回答書を併せて添付する。出身母体からのendorsementも受けられないような、教学の代表者としての正当性を全く持たない人だけに、なんとしても不利益変更を強要しようとする横浜市派遣職員と一体化した回答である。

 そんな中、少なくとも布施学長の所属であったはずの文系では、教授昇進に手を挙げた先生すらいらっしゃらなかったようだという情報が、組合に漏れ伝わってきた。業績、年齢ともに教授昇進にふさわしい先生方は何人もいらっしゃるので、任期制強要を嫌ってのものであることは想像に難くない。そもそも学長・副学長を筆頭に、現体制における評価者には、その身を委ねるべき評価者としての相応性すらない。

 布施学長の所属であったはずのコースでは、若手教員の脱出も枚挙に暇がないが、准教授に留め置かれたまま、某国立大学に教授として脱出した先生や、改革を批判して本学を脱出し、その後某公立大学の学長になった先生の記憶もまだ新しい。

 前者は、本学破壊に手を貸した橋爪大三郎氏のいる大学への脱出であり、本学傀儡政権が准教授に留めた教員を、教授で採用したことを橋爪大三郎氏個人はどう正当化するのであろうか。火付け強盗が目的の大学破壊だったのであろうか。

 後者は、研究業績面からも本学を代表する先生であったわけだが、良識ある小さな基礎自治体が持つ大学においてなら大学の運営に携わってもよいという選択をなさったわけで、日本最大の基礎自治体から派遣されている本学経営陣は、全否定されていることを認識すべきである。
 
 合理性無き全員任期制をいつまで強行するつもりなのか。任期制を拒否して、准教授に止まっている先生方にこそ次代の横浜市大を担って頂きたいわけで、それをじゃまする人々は制度とともにキャンパスから去っていってもらいたいものである。

2009年10月15日

公立大学法人横浜市立大学
学長 布施 勉 殿

横浜市立大学教員組合
執行委員長 山田俊治

要求書

 教員組合は、教員の教育・研究条件の向上を図るとともに、教育現場から本学の真の改革を目指して取り組んできたが、昇任人事の審査に当たって任期制への同意を求める文書(「教授・准教授及び助教昇任候補者の推薦について」平成21年10月1日学長発)について、労働条件の重大な変更に関わる問題として見逃しがたく、再度その文書の取り下げを要求する。
 平成20年2月4日の団交において、任期制への同意は手続き上の問題であると回答していたが、任期制が人生を左右する雇用関係になっている教員にとっては、単なる手続き上の問題ではありえない重大な雇用関係の変更になっている。また、学長が「任期制への同意状況等も判断に加味した上で」人事委員会へ諮問をすることは、教学の長である学長が雇用関係にも踏み込むことであり、労働契約の相互性を犯すものとして許されるものではない。第7回合同調整会議議事録でも、認証評価委員から昇任規程と任期制の関係について疑義が提出されているように、本来合理的な根拠をもたない規程によって、これまでにも、優秀な教員を失ってきたことに鑑み、昇任人事の審査に当たって任期制への同意を求める手続きは、廃止することを求める。

平成21年10月30日

横浜市立大学教員組合
執行委員長 山田 俊治 様

公立大学法人横浜市立大学
学長 布施 勉

2009年10月15日付要求書について(回答)

 標記の件につきまして、以下のとおり回答いたします。
 一昨年11月に同趣旨の意見書をいただき、その内容を踏まえて平成20年2月4日に団体交渉を行った際にお答えしたとおりですが、昇任に際し、教員と法人は新職位での新たな雇用契約を締結することとなります。法人が教員と締結する雇用契約は、任期付きの雇用契約であり、任期制への同意又は昇進時に同意する意向があるかどうかということは契約を結ぶ上での重要な確認事項であるため、学長が昇任審査前に同意状況や同意の意思の確認をすることとしているものです。
 なお、認証評価委員から昇任規定と任期制の関係について疑義が提出されたとのご指摘について、委員から質問があったことは事実ですが、関係を問われたのみで疑義が提出されたものではありません。


2009年10月27日

横浜市立大、教職員と学生の悲鳴が届く余地がない

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(10月26日)

10月26日 22日付の教員組合週報を受け取った。この間、定年退職教員の不補充と「割愛教員」の不補充により、全体としても負担が大きくなっているが、人により、分野により、極めて負担が大きくなっているところがある。その点はこの間、教員組合が特に強く主張しているとおりであろう。

 かつては、学部4.5コマ、大学院1.5コマといった大体の基準(ノルマ)があった。しかし、先日もある人と話していたら、その人は11コマだという(この人は、学会でも活躍しているので、研究時間も相当に必要である)。普通の私学なら、オーバータイム手当などと称する手当があり、負担過重はしかるべき一定範囲で報われる。そうした制度もなく、負担だけが大きくなっているとすれば、まさに、過労死などの危険性も高くなっている人がいると推定してもおかしくはない。

 とりわけ、入試関係の仕事は一番神経を使うものであり、十分な時間的精神的余裕がほしいものである。それだけに、現場の教員の勤務実態(人員減少の中での負担増)を無視したことが行われるとすれば、そこから発生する諸問題の責任は、なによりもまず大学経営陣にあることになろう。

 上記のある教員は、毎日の勤務実態・仕事時間の実情を、奥さんと一緒にきちんと記録にとどめているという。何かあった場合、身を守るためである。

 とりわけ、教員評価制度と任期制(任期更新回数は2回とか3回に限られている…この点からすれば「大学教員任期法」の適用という面がある…そしてこの任期切れ=解雇を正当化・合法化する側面こそ、テニュア制度が合理的基準・説得的基準で整備されていない現状こそ、多くの文科系教員の「任期制」非同意の根本的理由である)の二つに縛られて発言の自由が抑圧され、また、学部教授会が実質においてボトムアップの機能を果たしえていない現状において、現場教員の悲鳴が届く余地が極めて少ないからである。
 評価権を握る管理職は、「上から」の任命である。

 その点は、PEで苦しむ学生諸君と共通するところがある。
 カリキュラム等に関する学生アンケートが昨年と同様今年も行われるようである(ただし、アンケート項目が大きく変更されているようであり、何が削除され、どのように変更が加えられたのかの検討が必要となろう)。しかし、そのアンケートは4年生(ハードルの不当さ・非合理性に怒りや不満を持ちつつもなんとかクリアできた諸君)に対するものである。
 進級制度に一番問題を感じている人々、画一基準で進級を阻まれた2年次留年の学生は、アンケートの対象外である。彼らにはその苦しい実態を伝える手段がない。一番問題を抱えている諸君の声が吸い上げられるルートがない。

 当局は、こうした場合には、「大学の自治」を振りかざし、問題があれば大学内で解決すればいいというが、そのための制度的保障はない。
 全員任期制や評価制、PEなどは、「大学の方針」とされる。しかし、その制度が抱えている諸矛盾、その制度発足時から一貫して指摘されている諸問題、それに苦しむ人々、またそうしたことを指摘する人々の声も、「大学」の実態を構成するものだが、そうしたものは顧みられることがない。「大学」が、実に実態からかけ離れたものとなっている。

 中期計画などでは、本当はこうしたことこそ見直すべきであろう。……


中田宏前横浜市長は“オヨビ”でない

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●中田宏前横浜市長は“オヨビ”でない(2009.10.25)

中田宏前横浜市長は“オヨビ”でない(2009.10.25)

 最近の報道(「産経新聞」(2009.10.6)、「毎日新聞」(2009.10.23);下記 注1、2参照)によれば、鳩山新政権における行政刷新会議および総務省顧問への登用が噂されていた中田宏前横浜市長は、どうやら“オヨビ”でなかったらしい。

 仙石由人行政刷新担当大臣および原口一博総務大臣の良識的判断により、中田氏のようなスキャンダルまみれの不適格者が鳩山政権の中枢に潜り込むことは、何とか、阻止されたようである。両大臣へは、中田氏の“ダーティーな素顔”に関する情報が、恐らく、他からも多く寄せられたと思うが、本ホームページ掲載の下記の2通の公開書簡が、中田氏登用阻止のため、少しでも役立ったとしたらこのような地道な活動も無駄ではなかったことになる。

■原口一博総務大臣宛公開書簡:「中田宏前横浜市長は総務省顧問として全く不適切」(2009年10月19日)
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/09-10/091019nakada-haraguchi.htm
■仙石由人行政刷新担当大臣宛公開書簡、「前横浜市長 中田宏氏の件」(2009.9.25)
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/09-09/090925nakada-sengoku.htm 

 今後も、中田氏の(政治家としての)息の根を止めるべく、ウォッチし続ける必要がある。以下に、中田宏氏の“ダーティーな素顔”に関する情報を整理しておく。

●“市民派”中田市長のダーティーな素顔 
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/nakada.html 
●中田宏横浜市長、“無責任”辞任騒動
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/nakada-jinin.html 
●中田宏横浜市長、“ワイセツ・ハレンチ”連続追及第1弾~第6弾『週刊現代』
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/nakada-harenchi.html 
●「中田 宏横浜市長との不倫」顔出し告発 第1弾~第3弾 『週刊現代』
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/nakada-hurin.html 
●横浜市議会議員 太田正孝氏ホームページ
http://www.ota-masataka.com/index.htm 

……


2009年10月22日

横浜市立大教員組合、「昇任人事の審査に当たって任期制への同意を求める手続きの廃止を求める」

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(10月21日)
 ∟●横浜市立大学教員組合「学長に対する要求書」

10月21日 教員組合が、昇任審査にあたって、教学の長である学長を使って任期制への同意を強制するシステムについて批判し、撤回を求める文書(学長に対する要求書)を学長等関係者に提出した。この間、当局は、「任期制が大学の方針」などと、「改革」過程で非常に反対の強かった「全員任期制」をあくまでも全教員に強制するやり方を貫いてきた。その決定的な手法が、昇任審査において、任期制に同意していない教員に圧力をかけ、同意しているかどうかを判断基準にして、昇任審査を進めるかどうか、決めていることである。

 一方で、昇任には、普通の大学と同じように業績基準がある。これは当然のことである。

 しかし、他方で、本法人では、さらにその上に「任期制への同意」を条件としているわけである[1]。

 事実、任期制に同意しない教員については、昇任差別を行った。三人の教員については8カ月ほど昇任を遅らせた(うち一人は、その差別的措置の間に他大学への転出を試み、それに成功したが、その転出直前に昇任を発令した)。その三つの事例を「例外」として、その後は、「任期制に同意していること」を条件に、昇任審査を行っている。

 この間、組合の会議で確認できた限り、昇任した教員はすべて任期制に同意させられている。逆に、任期制への同意を拒絶している人々は、本学を去っているか(准教授から教授への昇任が「経営上の理由」を根拠として先延ばしされている間に、いわゆる一流大学に教授として転出した)、そもそも、そのような実質的な任期制への同意強制を避けるため、昇任審査に臨もうとしていない。

 昇任と任期制同意を結びつけるやり方は、不利益措置であり(大学教員任期法によるならば、京都大学井上事件が示すように、業績の有無・多寡にかかわらず任期満了で雇い止め・解雇することは合法であり当然となるし、本学のように労働基準法第14条の特例措置を適用するとすれば、3年なり5年なり、身分移動の自由を束縛することになる、本学の場合、「任期制」の二つの側面が複雑に絡まりあっている・・・いずれにしても当該教員にとって身分上、重大な不利益・不安定措置以外の何物でもない)、違法であるとの立場を、特に文科系教員を中心に、教員組合は繰り返し表明してきたところである。

 当局は、その法的問題を真剣に再検討することなく、任期制同意を事実上、昇任を契機に、教員に押し付け、強制している。今回の組合の要求書は、そのことを示している。
 なぜそのようなことが可能なのか?

 市長任命の理事長以下、「市当局」の観点だけから、物事を進めることができるようになっているからである。事務局長は元市職員、幹部職員は2-3年で「出世して」帰還する市派遣職員、というシステムが、「任期制」を業績競争・業績評価の鞭として多かれ少なかれ必要と共感する人々(主観的な「勝ち組」)と一緒になって、こうしたことを可能にしている。
 そこでは、「任期制に同意」すれば、業績の点でははるかに上の「非同意教員」よりも先に昇任する、といったことが可能になる。業績基準と「任期制同意の基準」とは、ここでも矛盾を生じる。

 「改革」、法人化後の学長が、当局任命(大学構成員による秘密自由の選挙なしの「上から」「外から」の任命)であって、そうした「当局」によって選任された以上、教員組合に寄せられた非公式情報では、学長が該当者に任期制に同意するよう電話をかけたりしたという。ある若手教員は、それでも最初の年は拒否したが、次の年には任期制に同意して昇進したという。実際にどうなっているかは、客観的な事実において、文書書類で検証されるべきであろう。

 認証評価に関する評価委員(学位授与機構から派遣された委員)の訪問調査に際して、評価委員は、「Q.昇任の規程について9条3項に新たな労働契約についてとあるが、これは任期制を了解することとセットになっているのか?任期制を認めなければ昇任は認めないということか?」と問いただしている。

 当局の回答は、明確に「Yes」といえば違法となること(少なくとも教員組合が一貫して批判している問題点を孕むこと)を知っているものとなっており、当局に責任がおよぶかたちでの返答を避けている。
 すなわち、質問への焦点をずらして、「A:昇任の推薦があった場合、推薦した方から本人がその契約に了解するとの報告をもらっている」と返答している。責任を、「推薦者」に押し付けているのである。学長は自ら副理事長として、「任期制同意の状態を審査の前提とする」旨の文書を出して、明文でもってその責任を負っており、さらに、学長名の文書を学部長や研究科長に出すことで、学部長や研究科長に責任を転嫁する、分担させるという構造になっている。
 これは、「昇任を手段とした任期制の強制」を明言することが危険(問題化する)と知った上での法人当局の返答の仕方であろう。そうでなれば、明確に{YES}と答えればいいのである。
 問題がないのであれば、なぜはっきりと「YES」といわないのか?「YES」といえないところに、問題の焦点がある。

 教員組合のこれまでの文書の数々、そして今回の要求書が示すように、個々の教員に対する実質上の強制(不利益措置)が現実には行われ続けている。これは、コンプライアンス(倫理法令順守)を掲げる法人(学長も副理事長である)にふさわしくないことを示しているであろう。

 しかし、学位授与機構の評価委員が、果たして、こうした問題をその評価において明確に適切に指摘するかどうか、予断を許さない。

 本学の統治システムは、市長が任命する理事長以下で構成する経営審議会優位である。大学の「自主・自立」が各種文書にちりばめられてはいるが、実態は、まったくそうなっていない。そのことを端的に示すのが、学長以下の管理職の任命における大学構成員の民主主義的な意思確認の徹底的な排除である。どこにも選挙規定がない。この間、民主的な選挙制度が検討された形跡さえない。したがって、本学の教学や中期計画に関する全文書は、憲法についてわが国を代表する規範的テキスト・芦部憲法の見地によれば、憲法第23条が求める大学の自治・学問の自由の制度的保障に求められる「大学の自主的判断」という基準をクリアするものではない。

 そうした当局の態度を批判しているのが教員組合である。前回のウィークリーで問題視された「提案BOX」は、教員の下からの各種意見を適当に当局(憲法23条が求めるような「大学の自主的判断」を形成するシステム、大学統治における民主主義的正統性などを欠如した当局)の好みに従って、その意味で「つまみ食い」できるシステムである。「提案BOX」の危険性の指摘、注意喚起の意味は、そこにあろう。

 「任期制への同意は手続き上の問題である」と当局はいうが、いったいそれはなにを意味するのか?
 「同意」が「手続き」とは?
 普通の常識的理性的な日本語なら、「同意」は同意であり、「手続き」とは全く別のことである。あえて、そのような意味不明のことを回答するところにも、「倫理法令順守」という見地から見れば、問題があろう。
 教員組合は、法人化後の採用にあたって、「任期制」の公募に応じてきた教員の身分の安定化のために最大限の努力をしてきた(テニュア制度の早急な導入を求め、その実現以前にも非更新の可能性を厳格に制約するため)が、法人化への移行にあたって任期制への同意を拒否した教員(認証評価委員への当局答弁では、非同意が「3割」いるとされる)への不利益措置をも許さないとの見地に立っているわけである。
 現在の教員評価制度が、結局のところ、「上から」、「外から」任命した管理職によって運営される以上、公平な評価に対する懸念は大きいものとならざるを得ない。この間、実際に教員評価に基づく差別的昇給が行われ始めたが、だれに、どの程度プラスされたのか、その全体像は秘密のヴェールに包まれている。「秘密のヴェール」は、疑惑・疑念の発生基盤である。

----------学長に対する要求書-------------

2009年10月15日

公立大学法人横浜市立大学
学長 布施 勉 殿

横浜市立大学教員組合
執行委員長 山田俊治

要求書

 教員組合は、教員の教育・研究条件の向上を図るとともに、教育現場から本学の真の改革を目指して取り組んできたが、昇任人事の審査に当たって任期制への同意を求める文書(「教授・准教授及び助教昇任候補者の推薦について」平成21年10月1日学長発)について、労働条件の重大な変更に関わる問題として見逃しがたく、再度その文書の取り下げを要求する。

 平成20年2月4日の団交において、任期制への同意は手続き上の問題であると回答していたが、任期制が人生を左右する雇用関係になっている教員にとっては、単なる手続き上の問題ではありえない重大な雇用関係の変更になっている。また、学長が「任期制への同意状況等も判断に加味した上で」人事委員会へ諮問をすることは、教学の長である学長が雇用関係にも踏み込むことであり、労働契約の相互性を犯すものとして許されるものではない。第7回合同調整会議議事録でも、認証評価委員から昇任規程と任期制の関係について疑義が提出されているように、本来合理的な根拠をもたない規程によって、これまでにも、優秀な教員を失ってきたことに鑑み、昇任人事の審査に当たって任期制への同意を求める手続きは、廃止することを求める。


2009年10月21日

原口一博総務大臣宛公開書簡「中田宏前横浜市長は総務省顧問として全く不適切」

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●原口一博総務大臣宛公開書簡:「中田宏前横浜市長は総務省顧問として全く不適切」(2009年10月19日)

Fax to 03-3508-3238 (東京事務所 〒100‐8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第1議員会館238号室)
原口一博総務大臣宛公開書簡:「中田宏前横浜市長は総務省顧問として全く不適切」(2009年10月19日)

原口一博総務大臣殿

私は、4年半ほど前まで横浜市立大学に勤務しておりました佐藤真彦と申すものです。

昨日(10月18日)の asahi.com ニュースにおいて、「総務省が、橋下徹大阪府知事や中田宏前横浜市長ら地方自治体の現旧首長クラス約10人に、省顧問への就任を打診したことが17日、わかった。原口一博総務相は「国と地方の対等な関係の実現」を掲げている。地方分権の推進を主張する首長らの助言を、改革にいかすのが狙いという。」との報道があり、大変驚愕しております。

原口大臣が総務省顧問への就任を打診されたと伝えられる中田宏前横浜市長は、そのような重責を担う人物として全く不適切であると考えております。

その理由は、私が管理しているホームページ「学問の自由と大学の自治の危機問題」
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/kikimondai-index.html に掲載した

●“市民派”中田市長のダーティーな素顔 
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/nakada.html 

■中田宏横浜市長、“無責任”辞任騒動 『全国国公私立大学の事件情報』(2009.8.6)
http://university.main.jp/blog7/archives/2009/08/post_516.html および

■仙石由人行政刷新担当大臣宛公開書簡、「前横浜市長 中田宏氏の件」(2009.9.25)
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/09-09/090925nakada-sengoku.htm

を御覧ください。

なお、最後の「仙石由人行政刷新担当大臣宛公開書簡」は、下記にも添付してあります。

中田氏の如き全くの不適格者を総務省顧問のような重要なポジションに登用すれば、将来に重大な禍根を残すことは明らかです。
古来より、『過ちて改むるに憚ること勿れ』とあります。
原口大臣の賢明なる御判断を願ってやみません。

佐藤真彦

追伸 なお、本書簡は、私のホームページにて公開することと致します。

2009年10月14日

横浜市大、次期中期計画「提案BOXの設置」 サイレントマジョリティーの詐称よりも始末に負えない危険性がある

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(10月13日)
 ∟●組合ニュース(10月8日)

10月13日 教員組合のニュースをいただいた。休職者が多くなっているという。これには、「任期制」の影響も大きいと思われる。評価する人間が、「上から」「外から」任命された管理職によるものであり、大学教員の精神的自由は極めて抑圧されざるを得ない。本学のように、教員による民主主義的な管理職選挙の制度が完膚なきまでに撤廃されてしまった大学(大学統治における民主主義の否定の現状)では、こうした精神的に不安定化し追い詰められていく教員が、他の大学よりも多く出てくる可能性は高いとみなければならない。組合ニュースが指摘する問題の本質は、そこにあろう。

 下記では、「教員の個人的発言」が、「サイレント・マジョリティ」の詐称とともに、問題視されている。抽象的でつかみどころがないとも見えるが、ここでも、問題となるのは、諸個人の自由(な発言)とその民主主義的代表性・民主主義的総括性・民主主義的意思としての性格の相互関連であろう。

 諸個人の発言はその特定の個人の限定的なものとしてならば自由であろうが、それが「マジョリティ」を僭称するだけではなく、「マジョリティ」として力を持ってしまうならば(制度がそれを可能とするのならば、単なるマイノリティの発言を組織全体を代表するかのように取捨選択できる制度であれば、ある特定の数人の教員個人の発言が権威あるものとして「管理職」によって取捨選択が可能であれば)、あるいは単なる孤立的な個人の意見さえもが、公式の大学を代表する意見としてオーソライズされるシステムならば(大学や学部を代表するはずの管理職が、民主主義的正統性を持たず、「上から」、「外から」の任命であれば)、問題は深刻となる。「任期制」を強制された状況下での諸個人の発言は、それはそれでまた自由な発言ではない。

 大学における身分保障の重要性は、学問・科学の歴史が示すように、大学・学問の生命線であるが、それが、大学自治の根本を揺るがす統治システムの中で、「全員任期制」を掲げる大学においては、根底から揺るがされている。

------------横浜市立大学教員組合報--------------

組合ニュース
2009.10.08

もくじ
●退職1,休職3
●提案B0Xといえば聞こえはいいが

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●退職1,休職3

 後期開始に向けての国際総合科学部代議員会情報である。

 商学部の精神的支柱でもあった先生の、定年直前の退職の報告があった。独法化数年経ったところで体調を崩され、休職されていたわけだが、今学期の 復帰も無理ということで、最終講義もなさらないままのご退職となった模様である。多くの大人数講義を積極的に担当し、手間のかかるタイプの学生も「おう」 と引き受け、ポイントポイントでは後進にも手を貸して下さるような方だっただけに、力尽きたようで痛々しい。この教授の休職からの退職以外にも、3人の先 生方(教授1、准教授2)の休職が報告された。100人ほどの教員の国際総合科学部において、この休職の数はさすがに異常であろう。

 休職の教授は、後期、学部講義だけで3つの科目を持つ予定だったようである。やり繰りの仕切れていない処理案が報告された。これに、2年から始 まる演習3コマと大学院講義・演習が重なると、横浜市立高校、神奈川県立高校より多いコマ負担を強いられることになる。研究が当然の職務であり、指導書も なく、リピートもほぼ無い大学の講義のコマ負担として、異常である。

 休職の一方の准教授に関しては、いよいよゼミの異動および解体が計画されていることが報告された。18名の三年ゼミの学生が、まだ二年ゼミしか 持たない新任教員が新たに開講する三年ゼミへ異動し、14名の二年ゼミの学生が、2,3名ずつに解体されて様々なゼミに合流する計画のようである。担当教 員に後顧の憂い無くお休み頂くには必要な措置であろう。ただし、学生にとっての不運は気にかけてもらえるところのはずだが、忘れてはいけないのが引き受け る側の教員の負担である。このコースは、学年ごとに、教員一人あたりの学生数の切り上げ数である、14名とか、16名とかいった数をゼミの下限数としていたので、この教員のゼミの学生数は平均レベルに過ぎない。しかし、講義の準備が完全に自転車操業であるはずの新任教員に丸々一学年を渡し、もう一学年は、 既にそういった数の学生を持っている教員がさらに引き受けているのである。

 教員数の激減のため、すでに一部コースでは私学を超える大人数ゼミになってしまっているのに、国公立大学としてのプライドだけは捨てられないの か、ゼミを必修、しかも2年からのスタートとしてしまっている。残念ながら、欧米大学のHonors Course的な私立のゼミと違い、必修である以上、手間のかかる学生も紛れ込んでくる。2年以上の担任学生数だけで高校教員の担任生徒数を超える上に、 しばしば、興味の対象もまったくバラバラの30名以上の新入生がいる教養ゼミにも目配りしなければいけなかったりもする。このような中でも、全員任期制の 強要の下、大学教員としての真っ当な市場価値を維持するためには研究を捨て去ることはできない。本学の教員の状況は、もはやまともな健康を維持することも できない状況であるといってよい。

 教員組合では、任期制を強いられている事務方の固有職員にも複数の休職者が出ているとの情報をつかんでいる。任期制の頸木もない横浜市からの派遣 職員には一人の休職も出ていないようだが、やはり、二年交替で入れ替わり立ち替わり管理業務に降ってくる横浜市からの派遣職員には、この現場の異常さが届 かないのであろうか。

●提案B0Xといえば聞こえはいいが

 研究院経由で、「【次期中期計画】提案BOXの設置及び資料の公開について」なるメールが転送されてきた。いかにも一般教員の声にも耳を傾けるよ うなふりをしているが、実際のところ、布施勉学長が一般教員の意見を聞く気などさらさら無いことは、9月の意見交換会で配られた「「学長と教員の意見交換 会」における中期計画策定に関する主な意見・質疑(医系を除く)」において、7月の意見交換会で手交した教員組合からの要求(2009年7月9日総会決 定)が、無視されていたことからも明らかであろう。八景キャンパスにおいては、職員をも含めた事業所過半数代表である教員組合の、代議員会、総会を経て議 決された意見が、主な意見に登場しないことはありえない。一般教員の意見などまったく聞く気がないという布施勉氏の意思表示と理解してよい。

 しかも、この提案BOXは、Rの頃に、定年まで5年を切っていた三教授が、サイレントマジョリティーを詐称して任期制歓迎の記者会見をしたことよ りも、始末に負えない状況を生じさせる危険性がある。この三教授は、独法化直後のみに瞬間的に生じていた、公務員時代よりも多い退職金を手に安穏と退職 し、あるものは、新聞等で高額給与が問題になっている監査委員の職まで手にしたわけである。それでも我々は、本学図書館では貸し出し中であることが多い吉 岡直人先生の『さらば、公立大学法人横浜市立大学』(定価2100円)を購入し、その66ページを見ないまでも、本学図書館はもちろん、何も力を発揮する こともなく独法化とともに去った学長が館長を務める横浜市立中央図書館等で、2003年5月9日付『神奈川新聞』を見れば、この時の三人の名を知ることが できるし、サイレントマジョリティーが詐称であることも、独法化時の任期制捺印者数データが公開されないことから明らかなわけである。さらに、その中の一 人はぬけぬけとキャンパスに戻ってきているわけで、厳しく責任を問うこともできる。(現在の権威無き立場は、まともな神経を持っている人間ならばいたたまれない状況のはずで、本来ならば、十二分に責任を問うことになっているはずなのだが。)つまり、発言者が確認できる“意見交換会”方式ならば、少なくとも 恣意的な引用等を指摘することができるが、提案BOXの匿名方式だと、横浜市派遣職員や布施勉氏本人が無責任な態度で文章を紛れ込ませたところでまったく チェックができない。この制度は非常に危険な制度であり、今後出てくるかもしれない“提案BOXにあった意見”というのが公表された場合には、それは“横 浜市派遣職員による作為的な文章”、あるいは“布施勉氏による突拍子もない思い付き”であると判断することが適当であろう。

 しかし、我々組合員も、言動に注意していく必要がある。代議員会、総会などで多くの組合員の目によってチェックが済んでいる意見書は、穴が少な く、それだけに横浜市派遣職員や布施勉氏に採用されることもないようだが、危険なのは、個別教員による「○○はいいから□□を何とかして欲しい」といった 発言である。○○にこだわって、「□□はいいから○○を何とかして欲しい」と思っている教員もいるわけである。このような発言が出たとき、横浜市派遣職員 側は、○○もいいし、□□もいいわけだな。それでは、××をやってやろうという手に出てきかねないわけである。教員の個人的発言には気をつけていきたい。

 divide and ruleは、大英帝国のインド植民地支配にも採用された、ローマ以来の支配者の原則だが、教授会も解体されてしまっている今、関内よりの支配者により蹂躙 されている教員は、わがままな個人的研究環境整備などに走ることなく、一致団結していく必要があるように思われる。そして、特にほとんどの学生が学ぶ八景 キャンパスにおいては、教員組合が、職員までをも含む事業所過半数代表であることを自覚し、真の独立法人たる横浜市立大学を構築していきたい。

[復習問題]
サイレント・マジョリティー問題は,以下のサイトが詳しい。
学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●小川恵一学長とサイレント・マジョリティー3教授
サイレント・マジョリティー三教授とは,「布施勤教授」,「小島謙一教授」,「馬来国弼教授」であった。

2009年10月07日

横浜市大教員有志、横浜市立大学「改革」の見直しに関する要望書

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(10月5日)
 ∟●横浜市立大学「改革」の見直しに関する要望書(平成21年10月5日)

10月5日 この間、中田前市長時代の問題が次々と表面化してきている。その重要な問題点の一つが、大学の「改革」である[1]。

 われわれは、新市長が誕生したのを機会に、中田前市長のもとで強行された大学「改革」の重大な問題を、新市長に訴える機会を得たいと考えた。そこで一楽教授と私が発起人となり、「市長への要望書」を作成し、これに賛同してくださる教員の方を募集した。当初、固有職員の方々に呼びかけることも考えたが、「任期制」で身分が不安定な現状では厳しいであろうということで、見合わせた。

 時間をかけて出来るだけたくさんの賛同者を集めてはどうかとの建設的意見も頂戴し、また、要望書の柱立てなどに関してもいろいろのご意見が寄せられたが、とりあえず、「機を逸しては」ということで、夏休み明けから9月30日までで賛同者募集を打ち切り、要望書提出の行動に移ることとした。この間に、発起人二人を合わせ、三十余名の賛同者を得た。

 要望書提出の基本趣旨にご賛同で原案通りにご賛同いただいた方々、文章表現などで改善や追加を求める意見を表明されながら基本的に賛同された方、柱の立て方や柱の一部に関して同意できないのでと辞退される方、その他、この間にはご返事を頂けなかった方々などさまざまであったが、当初予定した30名を越えた段階で、要望書提出を決断した。

 本日、下記の「市長への要望書」を、一楽教授が関内の市長のところに届けてくださった。
 市長、関係部局がどのような態度を示すか、今後、この場で可能な限り、紹介していきたい。

横浜市立大学「改革」の見直しに関する要望書

平成21 年10 月5日

横浜市長 林文子様

横浜市大教員有志
代表:一楽重雄 永岑三千輝
賛同者:松本健吾,中谷 崇
他 計30名

 私たちは,現在の市立大学には多くの問題があり,独立行政法人化に伴う「改革」を見直す必要があると考えています.現在の問題点の主な点を指摘し,早急に「改革」について見直すことを要望します.
 それによって,市民に誇れる健全な大学として発展すること,私たち教職員が気持ちよく働ける場所となることを望んでいます.

1. 「改革」で採用された「全員任期制」は,「大学の教員等の任期に関する法律」に抵触の恐れがあります.また,横浜市が主張するように,この制度が「労働基準法第14 条」に基づくものとしても,労働基準法改正にあたっての国会の付帯決議に反します.コンプライアンスを重視する横浜市として,再検討が必要な点です.
 また,現実にも全員任期制は教員が任期のない大学へ転出する動機となっていて,大学にとって重大なマイナス要因になっています.
(国会の付帯決議:『労働契約期間の上限の延長に当たっては、常用雇用代替化を加速させないように配慮するとともに、有期雇用の無限定な拡大につながらないよう十分な配慮を行うこと。』)

2. 「大学改革」に伴い,実質的に教授会が廃止され,教員が大学運営に関与しない形になりました.私たちは,これは学校教育法 第93 条「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」に違反する状態であると考えています.また,現場の教員にまったく権限がないため,実際の大学運営上も困難が生じています.一定の権限を持つ教授会の設置が必要と考えます.

3. 現在,理事長と副理事長(兼事務局長)は,共に横浜市職員OB が就任しています.理事長として大学に通暁している民間人・大学人を任命するよう要望します.また,学長選考のあり方の見直しも必要です.

 以上について,私たち現場の声を聞いて頂きたく,市長との面談を要望いたします.


2009年09月29日

仙石由人行政刷新担当大臣宛公開書簡、「前横浜市長中田宏を行政刷新会議に登用すべきではない」

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●仙石由人行政刷新担当大臣宛公開書簡、「前横浜市長 中田宏氏の件」(2009.9.25)

 行政刷新担当大臣 仙石由人様 (「前横浜市長 中田宏氏の件」 2009年9月25日)

 この度は、行政刷新担当大臣ご就任おめでとうございます。半世紀に及んだ自民党政権を見事退陣に追い込んだ、貴党のご奮闘に心より快哉を叫ぶものの一人です。

 私は、4年半ほど前まで横浜市立大学に勤務しておりました佐藤真彦と申すものです。私が横浜市大在職中に、中田宏横浜市長(当時)が強行した“改革”という名の大学破壊(「学問の自由と大学の自治」破壊)に遭遇し、以来、心ならずも“中田ウォッチャー”を続けており、政治家としての中田氏の不適格ぶりを知悉しているつもりです。

 なお、私のプロフィールなどに関しては、お手数ながら、私が管理しているホームページ「学問の自由と大学の自治の危機問題」http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/kikimondai-index.htmlをご覧ください。

 仙石大臣は、9月23日のテレビ朝日の番組で、行政刷新会議の中心メンバーとして「地方の首長経験者がいいという意見もある。基礎自治体の市長のほうが、押しつけ補助金とか嫌な事業をやらされてきた。そういうことがよくわかっている」と述べ、市町村長経験者の起用を軸に検討していることを示唆した(アサヒコム)と聞いております。また、去る7月28日には、岡田現外務大臣(当時、幹事長)は、《中田宏横浜市長が辞職願を出したことに関して「国政を変えるために中田氏のような素晴らしい人材が参加してくれればありがたい。(民主党とは)方向性もかなり共通しているので、一緒に頑張っていけるのではないか」と述べ、今後の連携に期待を示した。横浜市内で記者団に語った。(時事通信)》と報道されています。

 このような報道に接するにつけ、行政刷新会議、ひいては、貴党の将来を大変危惧しております。

 中田宏前横浜市長は、“市民派”のクリーンなイメージで颯爽と登場したが、すぐに化けの皮が剥がれて、“えせ市民派”・“不正直”・“ウソツキ”政治家のダーティーな本性が露呈したあげく、“ワイセツ・ハレンチ”スキャンダルで“無責任”に辞任した人物として、つとに有名です。

中田氏の全貌に関しては、
“市民派”中田市長のダーティーな素顔 
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/nakada.html にありますが、資料が膨大な数に上るためかえって分かりにくいかと思います。

 そこで、最近、「全国国公私立大学の事件情報」http://university.main.jp/blog/ が手短に整理した文書を以下にあげておきます。

 「腐ったリンゴ」のたとえにもあるように、中田氏のような欠格者を行政刷新会議に登用した場合、行政刷新会議が致命的な汚点を抱えることになるのは火を見るより明らかです。仙石大臣ならびに行政刷新担当諸氏の賢明なるご判断を願ってやみません。

佐藤真彦

追伸 なお、本書簡は、私のホームページにて公開することと致します。
・・・・・・・・・・
■中田宏横浜市長、“無責任”辞任騒動 『全国国公私立大学の事件情報』(2009.8.6)
http://university.main.jp/blog7/archives/2009/08/post_516.html 


2009年08月28日

横浜市立大学に関する公開質問状:岡田政彦氏から回答、中西健治氏回答拒否、林文子氏回答せず

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●横浜市立大学に関する公開質問状:岡田政彦氏から回答、中西健治氏回答拒否、林文子氏回答せず(2009.8.27)

横浜市立大学に関する公開質問状:岡田政彦氏から回答、中西健治氏回答拒否、林文子氏回答せず(2009.8.27)

横浜市長選(8月30日)候補者あて『横浜市立大学に関する公開質問状』、「大学関係者・市民」有志が提出(2009.8.26)
「学問の自由と大学の自治」は、なぜ大切なのか?
一言でいえば、「横浜市大“改革”」とはなにか? 
不純な動機:横浜市大“改革”の「ルサンチマン説」
吉岡直人著 『さらば、公立大学法人 横浜市立大学――「改革」という名の大学破壊―― 下田出版 2009年3月発行 定価2100円 ISBN978-4-902811-82-7(2009.2.28)

 来る8月30日投開票の横浜市長選候補者のうち、岡田政彦氏(共産・新、党県委員会常任委員・元「しんぶん赤旗」記者)から回答があった。
 岡田政彦氏は、横浜市大《「改革」がいかにまやかしであり、改革の名にまったく値しない愚挙であったということです》と総括し、《学問の自由を尊重し、大学自治の再建にむけ、リーダーシップを発揮します》と回答した。
 中西健治氏(無所属・新、自民市連・公明県本部支援、元JPモルガン証券副社長)は、《現在、来る決戦に向けて活動を展開しており、事務所の物理的な対応上、個々のご回答は致しかねる状況でございます》と回答を拒否した。
 なお、中田宏前市長の“傀儡”と噂されている林文子氏(無所属・新、民主推薦、前東京日産自動車販売社長)からは、「必ず回答する」との約束にもかかわらず、一切、回答がなかったという。

 どうやら、中西・林の両氏には、横浜市大「改革(改悪)」に対し怒りの声をあげた人々の真摯な問いかけに、誠実に回答する意思が全くないらしい。「横浜市大問題」の重要性を認識し、忙しい選挙戦の最中に貴重な時間を割いて、真摯な回答を寄せてくれた岡田氏との落差の大きさに唖然とする。

 「横浜市大問題」の本質、すなわち、何故「学問の自由と大学の自治」が大切なのか、憲法・教育基本法等の法体系によって、何故「学問の自由と大学の自治」が幾重にも保障されるようになったのかに関して、中西・林の両氏は、おそらく何の、興味も理解力も持ち合わせていないのだと思われる。中田前市長の置き土産とも言うべき横浜市の重要問題、しかも、民主主義の本質に関わる重要問題に、興味と理解力を欠いたこのような人物が、次期市長として有力視されているというが、このままでは依然として、横浜市大に明るい未来は期待できないことになる。岡田氏のご健闘を祈っている。
(文責 ホームページ管理人)

(1)岡田政彦氏回答

2009年8月25日

横浜市大に関心を寄せる「大学関係者・市民」有志様

岡田政彦選挙事務所
TEL 641-8578

公開質問に対する回答

1.
 市大の卒業生の一人として,「市大改革」には個人的にも関心を寄せ,「しんぶん赤旗」記者として取材も行い,「改革」過程を観察してきました.また,日本共産党神奈川党県委員会の学術・文化部長として,学生の進級問題に党横浜市議会議員団と共同で,取り組んできました.こうした体験を通じてわかったことは,この「改革」がいかにまやかしであり,改革の名にまったく値しない愚挙であったということです.
 市大の独法化にかかわって,中田前市長の本会議での「経営に対して漫然と問題意識を持たず,隠れ蓑にしながら今までの教育を荒廃させてきて,学生にとって魅力のない大学をつくってしまうようなそういう動きはストップさせなければならない」という答弁には,耳を疑いました.市大を「荒廃し,魅力のない大学と描き,改革の必要を訴えました.
 市大の歴史と役割を全面否定し,大学人を総攻撃しているのです.市大が中田流改革の好餌とされたことが歴然としています.
 こうした間違った動機から出発した改革の行き着き先は,混乱と低迷だといわざるを得ません.教員の人事権と教学権の教授会からの切り離しは,教授会の役割を弱め,大学自治を侵害し,全大学人の手による健全で民主的な発展を阻害しています.また,任期制の導入は,教員の流出の契機ともなり,研究・教育体制の脆弱化を招来させていると聞いています.
 トイフル問題は,進級条件から卒業条件とするなど,改善が必要です.
 間違った改革の主導者・中田前市長は退陣しました.「中期目標」は見直し,市大に大学自治を復活させて,根本からあるべき市大の姿,理念,将来像を市民参加で論議・探求し,確立して,市大再生を図るチャンスが到来したともいえます.そのために私ができることに全力をあげるつもりです.

2.(ア)
 全員任期制は,明白な違法性も指摘されており,再検討します.

2.(イ)
 「大学の自治」の最高意思決定機関は,評議会・教授会であるべきです.その立場から学問の自由を尊重し,大学自治の再建にむけ,リーダーシップを発揮します.

2.(ウ)
 理事長は大学に精通した大学人から選ぶほうがよいと考えます.

(2)中西けんじ氏回答

平成21年8月26日

横浜市大に関心を寄せる「大学関係者・市民」有志 御中

横浜市中区弁天町2-21アトムビル2階
TEL:045-227-9611
FAX:045-227-9612
中西けんじ事務所

 前略
 この度は中西けんじに対し,貴重なご意見,並びにアンケートをご送付いただき誠にありがとうございました.

 本来ですと,今回のアンケートに関する大切な問題等につきまして,中西けんじ本人が精査し,ご回答申し上げるべきでございますが,ご承知のように,現在,来る決戦に向けて活動を展開しており,事務所の物理的な対応上,個々のご回答は致しかねる状況でございます.

 何卒,諸事情ご賢察賜わり,ご理解・ご了承の程よろしくお願い申し上げます.

 尚,頂戴いたしましたご質問ご意見につきましては,ご関係者の皆様のご意見を十分に伺いながら,今後の中西けんじの政治活動,そして政策に反映させていただく所存です.

 まずは,略儀ながら,書中にてご挨拶,失礼申し上げます.

草々


「大学関係者・市民」有志、横浜市長候補宛て「横浜市立大学に関する公開質問」

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●横浜市立大学に関する公開質問

横浜市立大学に関する公開質問

平成21年8月25日

横浜市長候補
候補者様

横浜市大に関心を寄せる「大学関係者・市民」有志
代表:小野塚知二 矢吹 晋
遠藤紀明 永岑三千輝
(他14名)

 私たちは,横浜市立大学に関心を寄せるものとして,現在の市立大学には多くの問題があると考えています.そのうちの主な点について候補者の皆様の考えを伺い,投票行動への参考としたいと考えています.以下の質問に対して,文書で回答を26日までにお寄せくださるようお願いいたします.

1.まず最初に,中田市政下における「大学改革」をどう評価されますか.
(800字以内で,ご自由にお書きください.)

2.現在の大学の主な問題点について伺います.

 「改革」で採用された「全員任期制」は,「大学の教員等の任期に関する法律」に反するものと考えています.また,横浜市が主張するように,この制度が「労働基準法第14条」に基づくものとしても,これは明らかに労働基準法改正にあたっての国会の付帯決議に反するものです.また,現実的にも全員任期制は優秀な教員が任期のない大学へ転出する大きな動機となっていて,大学にとって重大なマイナス要因になっています.
 (国会の付帯決議:『労働契約期間の上限の延長に当たっては、常用雇用の代替化を加速させないように配慮するとともに、有期雇用の無限定な拡大につながらないよう十分な配慮を行うこと。』)

(ア)あなたが市長になった場合,あなたは「全員任期制」を再検討しますか.それとも,このまま維持しますか.
 「大学改革」に伴い,実質的に教授会が廃止されました.(なお,教授会と名のつくものは年に一度開催されてはいますが,そこでの審議事項は学生の身分に関することと単位認定に関することだけで,カリキュラムに関すること,大学運営に関することについては審議権がありません.)学長の任命する教員管理職以外の教員は,大学運営にまったく関与しない制度になっています.私たちは,これは憲法の定める「学問の自由」を侵害するものと考えています.具体的には,学校教育法第93条「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」に違反する違法状態であると考えています.この点について質問します.

(イ)あなたが市長になった場合,あなたは学問の自由を尊重し,それを担保するための「大学の自治」を再建しますか.
 現在,市立大学の理事長,学長でない副理事長は,共に横浜市職員OBが就任しています.市大は,横浜市幹部職員のいわゆる「天下り先」となっています.私たちは,理事長には大学経営の専門家,大学人というにふさわしい人になってもらいたいと考えています.この点について伺います.

(ウ)あなたが市長になった場合,あなたは市大を元市職員の天下り先とせず,大学人(大学経営の経験者も含む)を理事長にしますか.

以上

なお,回答は26日中までに
FAXで下記番号まで送付してくださるようお願いいたします.
Tel/Fax:***-***-***

 可能であれば,emailで ****** までお送り頂ければ,ありがたいです.

代表:小野塚知二(元教員,東京大学大学院教授),
矢吹 晋 (元教員,横浜市大名誉教授,財・東洋文庫研究員,21世紀中国総研ディレクター,国際善隣協会理事,朝河貫一顕彰協会代表理事),
遠藤紀明 (現教員,卒業生)
永岑三千輝(現教員)

2009年08月21日

横浜市立大学、全員任期制および統治システムにおける憲法違反性

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(8月20日)

8月20日(2) 本法人の全員任期制は、中田市長のもとで強行した大学「改革」により、導入されたものである。市当局と大学との関係は、国家と大学の関係と同じである。それは、教員の身分を決定的に不安定にした。教員組合の働きでさまざまのチェック体制を作り、その直接的な打撃を何とか押しとどめているにすぎず、その状態は基本的には不安定である。これひとつとっても、憲法違反の体制となっていることがわかる。全員任期制と評価制度(任期更新における上から任命の管理職の評価権限)は、「教育機関において学問に従事する研究者に職務上の独立を認め、その身分を保障する」ことに反するからである。教育行政=大学統治は、市長の理事長任命権と理事長による副理事長任命権、学部長・研究科長の選挙規定のはく奪(法人化前には明文化された選挙規定があった)によって、市長の干渉がストレートに大学に貫徹しうるシステムとなっている。大学教員の士気・自主的精神は抑圧される。評価において差別やマイナス評価されるのを恐れる状態で委縮効果が出る反面、この間いくつかの事例で出てきているのは「公平性・透明性」のない人事評価の問題である。この間、問題となったのは、「上から」任命の管理職経験者の昇任における優遇(何階級かの特進)である。

芦部憲法・・・「2 学問の自由の保障の意味
(1)憲法23条は、まず第一に、国家権力が、学問研究、研究発表、学説内容などの学問的活動とその成果について、それを弾圧し、あるいは禁止することは許されないことを意味する。とくに学問研究は、ことの性質上外部からの権力・権威によって干渉されるべき問題ではなく、自由な立場での研究が要請される。時の政府の政策に適合しないからといって、戦前の天皇機関説事件の場合のように、学問研究への政府の干渉は絶対に許されてはならない。『学問研究を使命とする人や施設による研究は、真理探究のためのものであるとの推定が働く』と解すべきであろう。
(2)第2に、憲法23条は、学問の自由の実質的裏付けとして、教育機関において学問に従事する研究者に職務上の独立を認め、その身分を保障することを意味する。すなわち、教育内容のみならず、教育行政もまた政治的干渉から保護されなければならない。」(136頁)

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横浜市立大、ミニシンポジウム「市大改革とはなんだったのか?」

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(8月17日)

8月17日 15日のミニ・シンポは、夏休みの真っ最中、しかも敗戦=終戦記念日ということもあり、ご案内をさし上げたかなり多くの方から別の会・用事があるのでとお断りの返事をいただいていたので、せいぜい10人も集まればいいかとおもっていたところ、30名近く(参加者リスト記帳者+主催者側=24名、その他若干の学生など不記載者)の参加者があり、熱心な報告と討論が行われた。

 法人化への移行過程から法人化後の大学自治破壊(憲法違反状態)を丹念にフォローした労作を出された吉岡直人元教授は、冒頭の報告でこの本の執筆経過のほか、全国さまざまの方面から寄せられた感想文を披露されながら、今日の大学が抱えている問題を指摘された。

 第二、第三の報告は、法人化への移行段階の教員組合の委員長・書記長として、教員の身分を不安定化し、研究教育の自由を脅かし大学自治を破壊する全員任期制の導入などと戦ったお二人の報告であり、非正規雇用の問題、不安定雇用の問題が全社会的な問題となっている現在のスタンスから、いかに本学の全員任期制が問題であるかが浮かび上がってくる報告であった。


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2009年08月06日

中田宏横浜市長、“無責任”辞任騒動

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●中田宏横浜市長、“無責任”辞任騒動

中田 宏横浜市長、“ワイセツ・ハレンチ”連続追及第1弾~第6弾 『週刊現代』
「中田 宏横浜市長との不倫」顔出し告発 第1弾~第3弾 『週刊現代』
中田 横浜市長が辞任表明 8月衆院選は出馬せず 東京新聞(2009.7.28)
何でもやると横浜市長 将来の国政転出に意欲 東京新聞(2009.7.28)
横浜市長を辞職した中田宏氏とは、こんな人だって知ってた? ふじふじのフィルター(2009.7.28)
責任を取らず逃げることが目に見えているわ! 晴天とら日和(2009.7.28)
横浜市を商売の道具にしてきた事案について太田はしっかりと是正させてまいります 横浜市議会議員太田正孝氏(2009.7.29)
『新団体で国民運動』 中田・横浜市長 衆院選出馬は否定 東京新聞(2009.7.29)
真意めぐり憶測交錯 『意中の後継者有利に』 東京新聞(2009.7.29)
元愛人?が横浜市役所に出現!…中田市長辞任表明 スポーツ報知(2009.7.29)
中田宏横浜市長:こやつは政治屋のバッタモン、パチモンか !? 晴天とら日和2008年12月26日付より(2009.7.29)
横浜をボロボロにしましたが、日本は良くしたいと思いますby中田宏 晴天とら日和(2009.7.29)
横浜 中田市長辞職 市政投げ出した 残念 意見さまざま 横浜市議会議員大田正孝氏ホームページより(2009.7.29)
中田宏横浜市長の辞任劇の裏に隠された疑惑の数々 カナダde日本語(2009.7.29)
横浜・中田市長辞職、憤りの声と広がる波紋 読売新聞(2009.7.30)
横浜市長を辞職した中田宏氏とは、こんな人だって知ってた? 阿修羅(2009.7.30)
責任放り出し中田宏市長に重責を委ねられない 植草一秀の『知られざる真実』(2009.7.30)
中田市長、橋下知事の要請で府顧問就任へ 産経ニュース(2009.8.1)
無責任 中田宏市長が明かせない辞任理由 日刊ゲンダイ(2009.8.1)

2009年07月29日

中田・横浜市長が辞職 後任、衆院と同日選へ

http://www.asahi.com/politics/update/0728/TKY200907280086.html

 次期市長選への立候補を見送る考えを表明していた横浜市の中田宏市長(44)は、市長を辞職するため、28日午後に市議会議長に退職願を提出した。来年4月までの任期を残しての辞職となり、同日午後の記者会見で辞職理由などを正式に説明する。これを受けた横浜市長選は、8月30日投開票の総選挙と同日に実施される見通しだ。……

[同ニュース]
中田・横浜市長、3選不出馬の意思固める

2009年07月17日

横浜市大教員組合、団交要求「大学教員任期法の趣旨に反する全員任期制を廃止せよ」など

横浜市大教員組合
 ∟●組合ニュース(2009.7.14)

教員組合よりの団交要求 (2009年7月9日総会決定)

 中期計画の策定が経営企画課主導で勝手に行われているようだが、大学を長期に縛る計画が、公務員的発想の「管理運営事項」として進むことがあってはならない。いかなる経営事項であっても、労働条件と関連するすべての案件は組合との交渉マターであることをここに確認し、下記案件に基づき、7月中旬の団交を要求する。

(1)大学運営・大学財政について

・学校教育法第93条に基づき教授会で中期計画を作成せよ。同時に、人事権、カリキュラム編成、学則等の制定権を直ちに教授会に返還せよ。

・学内に民主主義を復活させ、一般大手私立大学同様の正常な大学として横浜市立大学が運営されるように、学長以下管理職の選挙を実施せよ。

・健全な大学教育が行えるように、大学教員任期法の趣旨に反する全員任期制を廃止せよ。

・中期計画の最期を学内で見届る教職員が、中期計画の作成を行うべきである。……


2009年07月09日

横浜市大、「現在の学長選出の実態は憲法違反である」

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(7月6日)

 教員組合ニュースをいただいた。ニュースは中期目標にかかわる重大な意見表明であり、執行部が団体交渉を要求していることを明確にしている。

 大学自治における民主主義は、国家における民主主義と同様極めて重要である。本学の場合、大学の長が、民主主義的手続き・制度によって選ばれていない以上、代表性を欠如していることは明確である。それは、憲法の保障する「大学の自治」を破壊していることを示すものである。日本国憲法の代表的教科書(『芦部憲法』)をここで今一度熟読すれば、教員組合のスタンスの憲法的正当性を再確認できよう。

--------------
「大学の自治の内容としてとくに重要なものは、学長・教授その他の研究者の人事の自治と、施設・学生の管理の自治の二つである。ほかに、近時、予算管理の自治(財政自治権)をも自治の内容として重視する説が有力である。

 (1)人事の自治  学長・教授その他の研究者の人事は、大学の自主的判断に基づいてなされなければならない。
以下略・・・・・・・・・・・・・・・」(芦部『憲法』)
--------------

 現在の本学は、理事長、それに副理事長(学長もその一人)の選任が、市当局によるもの(学長の場合選考委員が市当局任命)となっており、なんら「大学の自主的判断」、大学の自治によるものではなく、それらを保障するものとはなっていない。

 法人化前のかつての学長選任制度は、大学教員による間接選挙であったが、少なくとも大学教員の一人一人が間接的にか、直接的(選挙人に選ばれれば)に、投票で意思を表明することが可能であった。それは、戦後憲法の精神を体現するものとして、全国の圧倒的多数の大学で実施された制度であり、「大学自治」の基本的制度的保障であった。

 それは、今回の法人化をめぐる「改革」のなかで、撤廃された。「教員は商品だ、運営に口出すな」と、大学教員の学長選出権をはく奪した。その徹底ぶりは、「オンリーワン」と形容すべきものであろう。

 現在の学長選出の実態は、芦部憲法が示すように、憲法違反状態である。

 かつての大学教員だけによる学長選出が、大学構成員全体による学長選出に比べて民主的正統性において弱かったとすれば、むしろ、できるだけ「大学構成員全体=大学」の代表者としての学長の選挙制度を創造すべきなのであり、かつての「民主制」の基盤の弱さをできるだけ改善して、民主的正統性の実を大きくすべきものなのである。

 「大学の自主的判断」、「大学の自治」をどのようにして保障するのか、それが問われている。

組合ニュース

副学長からの手紙

 次期中期計画の策定については、現在骨子案の策定作業に入っています。7月末から8月上旬にかけて、骨子案の提示と学長・学部長・研究科長等と教員との意見交換の場の設定が予定されていますが、それに先だって、次期中期計画策定のスケジュールを説明し、学長から基本的考え方を提示して先生方と意見交換をする場を持ちたいと考えています。間近のご案内になってしまいはなはだ恐縮ですが、以下の日程で一回目の意見交換会を持ちたいと思います。ご都合のつくかぎりご参加下さいますようお願い致します。

 実は、執行委員会では、もう、早速ある先生からメールをいただきました。「中期計画の策定にあたって、教員の意見聞き取りをするということですが、上層で決めたことを通すことを予定したうえで、「広く教員の意見にもとづいて決めた」と主張するための儀式にすぎないでしょう。欺瞞です。よく官僚が、決めた計画を実行する直前に、住民への説明会を開くのと同じ発想ですね。」 同じ発想というか、横浜市派遣職員がやっているのですからidentityとも思われます。中期計画は大学にとって疑いもない重要事項なのですから、学校教育法第93条に基づき、事務方陪席の下、教授会できちんとした審議を行うべきです。

 学長を権威者として利用しようとしているのでしょうが、難しいでしょう。選挙で選ばれていない人間が、代表面をするのには無理があります。学長という職に本当の権威が与えられる選挙が実現できるよう、教員組合としても努力していかなければならないと考えます。……


2009年06月18日

横浜市大病院のプール金、市 職員25人を処分 残金返還求める

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090617ddlk14040264000c.html

 横浜市大付属市民総合医療センター(横浜市南区)の杉山貢前院長によるプール金問題で、市安全管理局は16日、長年にわたり委託業務を見直さなかったなどとして、上原美都男局長ら職員25人を文書訓戒などの処分にしたと発表した。杉山前院長が委託業務費をプールしていた2基金の銀行口座は、同局が委託費支払い用として開設を働きかけたことも明らかになった。市は両基金への委託業務をすべて中止する。……

[関連ニュース]
横浜市、職員25人処分 前市大病院長会計処理問題 不適切状況を黙認
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2009年06月17日

横浜市大教員組合、緊急申し入れ「教授のみを対象にしたテニュア制度は受け入れがたい」

横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ニュース(2009.6.15)

組合よりの緊急申し入れ

前回の折衝に関連して、教員組合拡大執行委員会より下記の事項を緊急に申し入れます。

テニュア制度について
 6/4折衝において、今月中にテニュア“教授”制度なるものの提案があるということでした。教授のみを対象にしたテニュア制度は受け入れがたいものです。本学最大の問題は、教員が研究教育に長期的にコミットできる制度的保証がないことです。欧米の大学では、当然のごとくassociate professor(准教授)でさえテニュアが与えられています。そのようなassociate professor(准教授)に対し、テニュアを与えないどころか、再任制限までおいている制度は世界の非常識です。導入すべき制度は、教授、准教授を通じたテニュア制度とされるべきです。

在外研究中の大学院手当について
 2000年前後の時期に、ある教員の在外研究に伴い支給を停止し問題になり、交渉の結果、大学院担当がなすべき職務は、すなわち、大学院教育、大学院教育を支えるべき研究であり、そのうち少なくとも一つはやっているということで支給が昨年度まで継続していたものです。 組合と協議し合意に達することなく今年度支給を停止するのは不利益変更であり、許されるものではありません。
 教員は、院生が科目に履修登録していなくとも、研究や論文審査、入試、研究科委員会等の会議等の職務を執行しています。教育と研究という一体不可分の大学院の職務を行っているのですから、科目担当か否かで大学院手当の支給を決める考え方には賛成できません。

その他
 給与制度に関わる規定が組合への連絡無しにサイボーズに掲載された問題は、明らかに手続きに瑕疵があるわけで、規定自体の無効を労基署に届けるべきであるとのアドバイスも受けております。誠意ある回答をお待ちしています。
 
 退職金の計算問題について、「向こうが継続するというなら、こちらも継続するという形で協定を結ぶ」とのご回答をいただきましたが、関内との入れ替わりの激しい人事課において申し送りがきちんとできているのか心配ですので、前回お願いしましたように、文書でお送り頂きたく、よろしくお願いいたします。

 医学部教授人事が学長により止められているとの情報を前回の折衝でいただきましたが、ネット等で様々な噂が流れているそうです。八景キャンパスの教授会で、多くの教員の目の前できちんと人事が行われていた頃からすると、信じがたい状況です。どんなかたちにせよ、人事が定められた規定通り進んでいるのか、あるいは、その規定のどの段階で学長が止めているのか、教え下さい。……


2009年06月04日

横浜市立大教員組合、「経営企画へ緊急意見書」

大学改革日誌
■横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ニュース、2009.6.2

経営企画へ緊急意見書

 教員組合執行委員会では、独法化委員の意見も仰ぎ、昨日、下記緊急意見書を経営企画に送付しました。来週木曜日の執行委員会は拡大執行委員会とされます。組合員のみなさんには、今後様々な形で漏れ出るであろう情報を、教員組合まで御通報頂ければと存じます。

緊急意見書(2009年創立記念日)

横浜市立大学教員組合執行委員会

横浜市立大学経営企画室・経営企画課 様

 八景キャンパスの事業所過半数代表でもある教員組合は、過日、独自ルートにより、合同調整会議なる会議で平成21年5月13日(?)に配られたと思われる、次期中期計画の策定についてと題される文章の一部(?)を入手しました。H21.5.14の日付がある別添資料1なる次期中期計画策定プロセスによりますと、5月6月を使って、教員・職員の協議・検討なるものがされるようですが、すでに6月になるのにもかかわらず、圧倒的多数の学生を抱える八景キャンパスの一般教員のほぼ全員を網羅し、同キャンパス教職員の過半数代表をも務める教員組合周辺でも、そのようなことが行われている臭いすらかぎつけることができません。

 H21.5.14の日付がある別添資料3なる資料において、現中期計画の課題として、「大学全体で議論された上で策定された計画になっていないため、中期計画が大学全体に浸透していない」という記述がありますが、池田輝政氏、伊藤公一氏を始めとする、すでに関内に帰られた市派遣職員は、教員の代表性を確保していた評議会からの強行退出に始まる暴力的な言動により、学校教育法第93条で、重要な事項を審議する機関として定められている三教授会決議のすべてを無視し、徹底した一般教員の排除を行っていたわけですから、当然の帰結です。現在は、池田輝政氏、伊藤公一氏らが行ったヤクザまがいの暴力的な言動も必要ないぐらいに、学生や一般教職員がいる“1階”と、関内からの派遣職員が住まう“2階”は完全に分断されており、「また関内からの派遣職員が好き勝手な文章を作り、実行の時には無責任に消えているのだろうなぁ」というのが、“1階”住民の実感でしょう。

 そもそも大学の重要な決定事項である中期計画策定に、“改革”の時の池田輝政氏、伊藤公一氏などのような、学生課などで直接学生とふれあったこともなく、教務でまともにカリキュラムを組んだこともなく、入試で大学が置かれた状況を体感したこともない、関内からの派遣職員が関わるべきなのでしょうか。また、任期制の恐怖におびえることもなく、独法化直後のみに生じたらしい、公務員時代をも超える退職金を手に、相次いでさっさと定年を迎えてしまった模様の、silent majorityを僭称して記者会見などをなさった三人組のような、教員の代表としての正当性の無い人間も中期計画の作成に加わるべきではないと思われます。

 中期計画の策定を機会に、横浜市立大学にも、国内外の一般大学同様の自治と民主主義が復活し、間違いなく重要な事項である中期計画の策定が、きちんと学校教育法第93条に基づき、教授会自身でなされることを求めます。


2009年05月27日

横浜市立大、関内よりの派遣職員らが勝手に次期中期計画を策定し始めている?

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(5月25日)
横浜市立大学教員組合ニュース(2009.5.25)

5月25日 連続して、教員組合ニュース(本日号)をいただいた。
同時に、組合が非公式に(教員組合に対して、組織としての意見を求められたわけではない)入手した新中期計画策定にかかわる日程表・内容が添付資料として配布された。われわれ一般教員には、新中期計画(その日程表等)も、非公式資料として、教員組合を通じて最初に手に入る、というのが現状である。

 組合執行部が指摘するように、一般教員が知らないうちに、「大学の意思」が決められる危険性が、すでに各方面で指摘されている。

 文書によれば、現在の中期目標は、「大学全体で議論された上で策定された計画になっていない」ことを認め、その「ために中期計画が大学全体に浸透していない」としている。
 したがって、今回は、「大学全体で議論すればいい」ということになるのであろう。しかし、その民主的検討のシステムは構築されているであろうか?

 「大学全体で議論した」という形式を作り出し、うかうかしていると「大学の意思だ」と縛りをきつくする手段ともなりうるであろう。「全員任期制」などを「大学の方針」として打ち出した「大学像」制定当時の評議会の悪夢のような「決定」過程が脳裏をよぎる。その前段としての評議会審議の最中の事務局長・総務部長の会場からの退出・幹部職員全員の一斉退場という暴挙も、記憶に鮮明である。

 議論の集約の仕方によっては、単に、意見を聞いただけ、適当につまみ食いして、「ガス抜き」し、結局はかつてとおなじ「関内よりの派遣職員らが、勝手に中期計画を策定」するということになりはしないか。その危険性が指摘されている。

 現在の管理職(特に学部長以上、研究科長、副理事長、理事長に至るまで)は、すべて形式上ないし実質上市当局に任命されたものであり、全国の大学で行われている大学構成員の秘密・自由の選挙等の意向調査の洗礼などがない人々である。文書において、「とりまとめ」に当たるとされている事務部局の管理職もすべて法人任命である。これほど徹底しているのは首都大学と本学だけであろうかと思われる。

 どのように集約されるのであろう?
 PEの問題性などを直視できる人々であろうか?
 PEをこの4年間の実績・実際をもとに抜本的に変えるチャンスであるはずだが、それを真の意味で行える民主主義的正統性は、だれがもっているか?
 場合によっては「血を見る」ような改革に、だれが本腰を入れるであろうか?事なかれ主義が横行しないか?現在のシステムは、事なかれ主義を強制するものではないか?

 民主主義的に意思決定が行われる体制であれば、時間はかかるが審議を繰り返し、各教授会レベルの一定の審議の到達点をもとに、少数意見を尊重しつつも最後には多数決原理で決着をつけることができる。しかし、そのようなシステムは本学には存在しない。吉岡氏の著書(今回の教員組合ニュースに紹介されている著書)が明確にしているように、大学自治のシステム(民主主義的システム)は破壊されているからである。

 「全員任期制」の強制とそれに基づく昇進差別、それに評価制度は、自由な民主主義的意見を封殺するものとして十分に機能しうる。任期制導入時の諸文書が露骨に利益誘導している(これまた上記の吉岡氏の書物が明確に記録している)ことから明白なように、「差別」の脅迫効果・自由な精神の抑圧効果・委縮効果は、あるだろうからである。


2009年05月26日

横浜市大の危機と「同時代を見る眼」

太田正孝の掲示板
 ∟●同時代を見る眼

同時代を見る眼 投稿者:市大の友 投稿日:2009年 5月25日(月)20時41分11秒

横浜市立大学医学部の歴史は古く、明治7年の十全医院にまでさかのぼることができます。商学部の歴史も古く、明治15年の横浜商法学校を起源とします。文理学部はやや遅れて昭和27年に設置されましたが、鎌倉アカデミアから移ってこられた先生方が多く、自由で民主的な学風があったといわれています。

 市大は市民とともに育ってきた市民の財産、市民の宝です。財政難や合理化に追い込まれながらも、市民の努力で多大な成果をあげてきました。それは市民の誇りとするところでしょう。

 多くの横浜市民は、市大のことは自分たちには関係がないことと思っているでしょう。しかし、長い目で見れば、横浜市の衰退を象徴する出来事であることは確かです。市議会議員、市大教員は、市大の危機をわかりやすいように横浜市民に伝える努力を怠ってはならないと思います。


2009年05月22日

書評、吉岡直人著「さらば、公立大学法人 横浜市立大学」 大学破壊の行政官僚たち

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●書評 『さらば、公立大学法人 横浜市立大学』 全大教[he-forum 14260](神沼公三郎氏、北海道大学)より(2009.5.14)

 昨日,横浜市立大学元教授・吉岡直人氏から同著を献本として送っていただきました。現在読んでいる途中ですが,すでに一つ書評として全大教[he-forum 14260](神沼公三郎氏、北海道大学)によるものがHP上で掲載されていますので,以下に無断ではありますが,転載したします。(ホームページ管理人)

書評 『さらば、公立大学法人 横浜市立大学』 全大教[he-forum 14260](神沼公三郎氏、北海道大学)より(2009.5.14)

 2009年4月16日づけでこの「he-forum」に配信された「『意見広告の会』ニュース472」に、吉岡直人氏の著書「さらば、公立大学法人 横浜市立大学―『改革』という名の大学破壊―」(下田出版株式会社、2009年3月25日、2,100円[税込み])が紹介された。また、同「ニュース472」には、一楽重雄氏による同書の書評も掲載されている(一楽氏が不定期刊メールマガジンの『カメリア通信』第57号[2009年3月10日]に掲載した書評)。

 吉岡氏は横浜市大の「改革」のなかで、少なからぬ人たちとともに大学の民主主義を求めて勇気に満ちた発言を繰り返し、その後ついに2008年3月、自己判断で同大を退職した。私は吉岡氏を存じ上げないので、大変に失礼ながらWebで検索してみたところ、吉岡氏のご専門は実験地震学、岩石力学である。一楽氏は横浜市大の「改革」に対してやはり勇気ある主張を重ね、今も同大で研究・教育に携わっている。

 吉岡氏の労作のタイトルに惹かれ、また一楽氏の書評に共感を覚えて早速、同書を購入し、過日の連休のある日、時間にまかせて同書を読み始めた。ところが、読み進むうちに、途中で休憩するのももどかしいほど労作にひきこまれ、一気に読破した。おかげで連休中のいっとき、とても充実した時間を過ごすことができた。

 それからすでに10日あまりたつのに、労作から受けたショックがいまだに脳裏に焼き付いて離れない。労作はそれほどに衝撃的な内容だった。全編を貫いて、「行政権力のあからさまな介入によって、大学内の民主主義」が「完膚無きまでに破壊し尽され」、「大学の自治」が「徹底的に蹂躙された」(まえがき)ありさまが赤裸々に語られている。労作の特徴をひと言で言えば、民主主義抑圧、新自由主義の中田横浜市政とその代理人の行政官僚(大学の事務職員)、それらに追随する研究者群などに吉岡氏は限りない怒りを覚えながらも、それでいて非常に多くの事実を冷静に、客観的に整理して、読む者に横浜市大の大学破壊の実態を余すところなく伝えているのである。

 横浜市大の就業規則には、「懲戒の事由」に「法人の名誉又は信用を著しく傷つけた場合」と、さらに「法人に対する誹謗中傷等によって、法人の名誉を傷つけ」た場合が規定されている。専門家の見るところ、前者の事由もさることながら、後者はそれを拡大解釈すれば大学当局が教職員に対して何でもできるとのこと。そのため、これほどに詳しい事実を告発した労作を振り返って吉岡氏は、「私も在職中にこの本を出版していたら、懲戒解雇となったかもしれない」と述べている。

 行政官僚と追随研究者が示したあっと驚く言動のうち、いま次の事例を紹介しておこう。2002年の大学戦略会議幹事会に出された「部外秘資料」には、次の項目を含めて多数の衝撃的な内容が書かれている。幹事会で大学総務部長がこれらを強調したという。

○教員は商品だ。商品が運営に口だして、商品の一部を運営のために時間を割くことは果たして教員のため、大学のためになるのか。
○意欲のない学生はキックアウトすればいい。
○横浜市から金をもらってこの大学が成り立っているという意識がない。
○(大学病院について)医療の安全が優先しすぎて、経営にたいする感覚が薄らいでいないか。
○定員を増やせば偏差値が下がる。定員を増やすのではなく、教員を半分にすればいい。
○事務局が設置者権限を持っている・・・。
○教員は横浜市に雇われているという意識がない。

 さらにもう一つ。ある日、吉岡氏は何かの会合で少し酒が入ったあと、帰路の電車で、上記総務部長の側近といわれていた企画課長と一緒になった。企画課長も同じく少し酒が入っていた。吉岡氏が数日前の大学でのことを話題にするや、企画課長は「いつまでガタガタ言ってんだ、この野郎!」と罵声を浴びせてきた。「いくら酒が入っていたとは言えあまりのことに、私の酔いはすっかり覚めてしまった。しかしこれが横浜市で出世する役人の実態なのである。この件といい、(上記)総務部長の件といい、当時の大学を闊歩していた役人連中の雰囲気を最も如実に表していると言えよう。」(吉岡)

 この総務部長が大学に着任したのは2001年4月である。横浜市大の民主主義否定はそのころ、あるいはその少し前から傾向が出始めていたが、2002年4月に中田市長が誕生するや、はっきりした形であらわれるようになり、2005年に公立大学法人に移行してますます強まった。そして、いまも続いているという。大学に対する自分の対応にかかわって白を黒と言いくるめる市長、行政官僚言いなりの学長、理不尽な任期制・年俸制・教員評価、不明朗な教員人事、秘密主義、医学部問題、・・・・・。実に多くのことが紹介されているが、個々の事例については全国の多くの人たちが実際に労作を購読し、吉岡氏の文章にじかに触れて理解されたらよいと思う。そのほうが、今日の大学問題を考える運動の広がりに結びつくし、また吉岡氏を励ますことにもなる。

 これらの事例を述べたあとで吉岡氏は、「これでは大学という場で最も尊重されなければならない自由闊達な精神、個性豊かな精神、批判的な精神は死に絶えてしまう」と結んでいる。吉岡氏の描くこの基本的大学像が横浜市大では無惨に蹂躙され、大学の精神が破壊されたと判断したため、吉岡氏は自主的に退職の道を選択したのであろう。氏の専門分野の場合、大学退職は研究の最前線から距離を置くことを意味するのではないだろうか。いずれにしても、好きな研究からの離脱を選択した吉岡氏の無念さは察するに余りある。

 横浜市大の経過は同大学に固有のものではない。全国の多くの大学で、横浜市大ほどではなくても、類似の事態が発生していると思われる。私の所属する大学でも、すぐにいくつかの事例を指折り数えることができる。そうした全国的情勢を踏まえると、横浜市大の経緯を詳細に、客観的にまとめて、独自の大学論を展開した労作の意義は非常に大きい。

 繰り返しになるが、各位には労作をぜひ購読されるようおすすめしたい。冒頭に示した「『意見広告の会』ニュース472」によると、労作を求めるには次の方法がある。

*吉岡直人氏に直接、連絡する(吉岡直人

*あるいは紀伊国屋本店、同横浜支店(そごう)の店頭、さらには紀伊国屋書店Book Webでも入手可能。

 因みに,同著にも詳しく述べられている上記,元総務部長は,「池田輝政」氏である。

 佐藤真彦氏のHP「学問の自由と大学の自治の危機問題」は,横浜市大破壊に関する文書・資料を膨大に掲載するホームページの宝庫(記録庫)であるが,“独裁”官僚池田輝政総務部長,及び横浜市官僚に関連するページも作成されている。以下ではそれを一部抜粋する。詳しくは同ページをクリックのこと。

「池田輝政総務部長ほかの横浜市官僚」より

池田輝政総務部長ほかの横浜市官僚

横浜市立大学“独裁”官僚の暴言集(ほんのさわり)
・教員は商品だ。商品が運営に口だして、商品の一部を運営のために時間を割くことは果たして教員のため、大学のためになるのか。
・教授会がごちゃごちゃいわなければ、すんなり決まる。その辺をはっきりするということだ。
・医療の安全が優先しすぎて、経営にたいする感覚が薄らいでいないか。
・教員は横浜市に雇われているという意識がない。設置者がつくった制度を知らないで議論している。権限の構造がどうなっているかを教員は知らなければいけない。
・定員を増やせば偏差値が下がる。そうすると推薦が来ない。定員を増やすのではなく、教員を半分にすればいい。<より詳しくは>

不純な動機:横浜市大“改革”の「ルサンチマン説」 参照

(1)“独裁”官僚池田輝政総務部長(現 泉区長)

[声明]横浜市立大学の異常事態を訴える―市大事務局トップの職務放棄を糾弾する(2002.10.18)
教員組合声明:「機構改革」の進め方に対する「遺憾と抗議」の表明(2002.11.19)
第3回「市大あり方懇」傍聴記-池田理事・橋爪座長の議事引回しを許さず、民主的・公正な運営と討論を求める-(2002.12.9)
学問の自由と大学の自治の敵,橋爪大三郎「あり方懇」座長の危険性(2002.12.11)
部外秘資料1:大学改革戦略会議資料 「横浜市立大学改革の方向性について」(2003.1.8)
部外秘資料2:大学改革戦略会議資料 「今年度の大学改革戦略会議について」(2003.1.8)
徹底論証:学問の自由と大学の自治の敵,橋爪大三郎「あり方懇」座長の危険性と国公立大学独立行政法人化の行き着く先(2003.1.10)
『部外秘資料』が語る,横浜市立大学の"独裁官僚"と似非民主制(2003.1.28)
ようやく公開された『部外秘資料』と市長メッセージ『改学宣言』の欺瞞性(2003.5.14)
欺瞞の象徴「横浜市大公式ホームページ」と事務局によるネットワークシステムの無法乗っ取りを糾弾する―「学術情報センター情報処理教育部会」からの告発と総合理学研究科決議を受けて―(2003.7.3)
『自作自演の茶番劇』:03/12/01横浜市が“大学側”改革案の全面的受け入れを表明(2003.12.4)
不純な動機:横浜市大“改革”の「ルサンチマン説」
学問の自由と大学の自治の危機問題サイト、「学問の自由と大学の自治」は、なぜ大切なのか? 不純な動機:横浜市大“改革”の「ルサンチマン説」(2005.9.28)
横浜市立大改革、「医療の安全が優先しすぎて、経営にたいする感覚が薄らいでいないか」(2006.5.19)

つい最近では,池田輝政氏は,以下のような暴言を吐き,市バス・地下鉄の労使対立泥沼化させている。

「学問の自由と大学の自治の危機問題」より
 ∟●《「労使関係は協力ではない。命令と服従の関係だ。」組合に協力を求めるくらいなら「(バスを)欠車しろ」》 市バス・地下鉄 労使対立泥沼化、横浜市大破壊の“独裁官僚”池田輝政(現横浜市交通局長)の暴言で アサヒコム 神奈川(2009.4.1)

市バス・地下鉄 労使対立泥沼化

2009年04月01日

(写真説明) 2月には、市交通局が入るビル前で、横浜交通労組による座り込みがあった=横浜市中区

 市営地下鉄・バスを運行する横浜市交通局と、職員組合の横浜交通労働組合(交通労組)の対立が泥沼化している。交通労組は、市交通局の池田輝政局長が、労組に協力を求めるくらいなら「欠車(間引き運転)しろ」と、バス営業所長に発言したことに反発。一方、交通局はバスの運営に協力しなかったとして、交通労組委員長らを停職処分にした。双方の主張は平行線をたどったままだ。……

さらに,吉岡氏に罵声を浴びせかけた企画課長・伊藤公一氏に関するページは,以下。


横浜市大を救ってください!

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(5月21日)(1)

5月21日(1) 本日知った情報(太田先生! 議会の先生方! 横浜市大を救ってください! 投稿者:市大改革の眼・文書投稿 投稿日:2009年 5月15日(金)09時33分18秒)では、医学部に関連して、大学の自治や教授会の自治(憲法的保障)を揺るがす深刻な問題が発生しつつあるかに思われる。

 「単なるうわさ」と事なかれ主義をつらぬくのか?事実究明が必要だろう。

 人事委員会関連の文書を日付を追って整理すれば、どこで介入が入り、どこでストップしたかは、極めて明確となる。各審議段階の人事関連情報が秘匿されない限りは。

 秘匿すれば、どこで、だれが情報を抑えているのか、ということを明らかにしなければならない。秘匿者に責任がある。

 現在のシステムでは、理事長、副理事長(学長も)、教育審議会の管理職も、大学の構成員の秘密の投票によって選ばれるのではなく、「上から」、「外部から」の任命制である。かつての教授会のように人事案件がきちんとでてくるわけではない。したがって、一般の教員には、何が起きているのか、とくに医学部以外のものには全くわからない構造となっている。秘密による統治。情報遮断による統治。

 行政の大学の人事への介入、という問題は、いかに定款・学則その他に合致しているように見えても、究極的には憲法の保障に抵触する問題(学問の自由の保障の問題)として、問題となろう。

 PEなども、表面的な形式的合法性の背後に、実質的な深刻な問題(憲法的問題)をはらんでいる。PEに関するアンケーのやり方なども、問題を露呈させないようなやり方(一番問題を感じているはずの2年次留年生にはアンケートしない)をとるところに、それが表れている。

 大学自治の内容の空洞化したシステムとその運用の問題が、これらの根底にある。これにさまざまの利害がからみついている。
 人事業績評価におけるピアレヴュー原則(客観的で説明責任のある原則)の再建が求められる。


2009年05月15日

横浜市大、前病院長 使途不明金2千万円を全額返還へ

http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivmay0905344/

 横浜市大付属市民総合医療センター・杉山貢前病院長の架空請求による使途不明金問題で、市大は十四日、最終調査結果を発表し、前病院長に使途不明金二千五十四万円を全額返還させるとした。前病院長以外の教授らの「プール金」の問題については、十三日付で二人を戒告、二人を文書訓戒、五人を文書厳重注意にした。関与した事務機器業者は六カ月間の入札参加等停止処分。また、前病院長の施設不適切使用でセンター管理責任者を文書訓戒にした。……

[同ニュース]
不正処理の2千万円返還へ 横浜市大の前病院長