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2010年01月15日

国際人権活動日本委員会、総会アピール「国際水準から遅れた日本の人権状況の向上を」

国際人権活動日本委員会
 ∟●国際人権活動ニュース102号

国際水準から遅れた日本の人権状況の向上を

 日本は経済大国であり、自ら立候補して人権理事国になっているにもかかわらず、国連人権委員会などからたくさんの懸念・勧告が出されている。21世紀になってからだけでも。社会権規約委員(2001年9月)懸念21、勧告31、拷問禁止委員会(07年6月)23、人権理事会による第1回普遍的定期的審査(UPR)(08年5月)26、自由権規約委員会(08年10月)29、女性差別撤廃条約(09年8月)48、合計157項目もの懸念と勧告が出されているのである(社会権は懸念と勧告がだぶっているので勧告のみを数えた)。おそらく先進国の中でこれほど多くの勧告を出されている国は珍しいのではないだろうか。

 勧告の項目は重複している項目も多い。繰り返し勧告されても、日本政府は改善の努力をしないことに、国連人権期間は呆れ返っているのにちがいないと思われる。

 国際人権活動日本委員会は、1993年の結成以来、毎年のようにジュネーブの国連欧州本部にレポートを持参し、職場における差別・雇用破壊と貧困、女性差別等に反対、最低年金制度の制定、治安維持法やレッド・パージ被害者の名誉回復と補償などなどを訴えてきた。人権規約委員会への日本政府報告に対するカウンターレポートを提出し、審査を膨張し、ロビー活動を行ってきた。

 今、内外情勢は大きく変動している。人種差別が根強く残っていると言われてきたアメリカで初の黒人大統領オバマ氏が当選した。スペインやドイツでは最近、戦前・戦後のファシズムによる被害者を救済する法律が成立している。

 日本でも「人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する。取調べの可視化で冤罪を防止する」とマニフェストに掲げた民主党鳩山政権が誕生した。千葉景子法務大臣はこれらの公約の実現を就任記者会見で表明した。国際人権活動日本委員会はこの発言を歓迎する声明を発表した。10月28日には法務大臣と会見し、直接要請することができた。新政権の下で、私たちが長年要求してきた、中・高等教育の無償化、奨学金制度の改善、消防職員の団結権の保障などが実現しつつある。

 国際人権活動日本委員会は10数年間にわたり自由権規約の個人通報制度の批准を要請する団体署名に取り組み、20000筆以上を集めてきた。今年も12月10日の人権デーに外務省、法務省に署名提出と要請行動を行う予定である。

 来年1月15日には日本弁護士連合会主催による「個人通報制度批准を日本政府に要求する大集会」が開催される。
 日本の人権状況の向上のために、「来るべきときが来た」との意気込みで、幅広い団体・個人とともに全力をあげてたたかいましょう。

2009年11月29日
国際人権活動日本委員会第13回総会