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 カテゴリー 2012年03月

2012年03月31日

道教大旭川校アカハラ訴訟、なんと大学側上告

■北海道新聞(2012年3月31日)

旭教大が上告、アカハラ訴訟

 教員の立場を利用した学生への嫌がらせけ(アカデミック・ハラスメント)を理由に不当に解雇されたとして,道教育大学旭川校の元准教授の男性3人が解雇無効の確認などを求めた訴訟で,大学側は上告期限の30日までに,一審に続き解雇を無効とした札幌高裁判決を不服として,最高裁に上告した。

以下は,3月16日札幌高裁の判決に関する新聞報道。

高裁も解雇無効判決 道教大アカハラ訴訟

朝日新聞(2012年03月17日)

 北海道教育大旭川校(旭川市)の38~42歳の男性准教授3人が学生に対し、教員の立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)をしたとして解雇された問題で、3人が同大を相手に解雇の無効などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。小林正裁判長は、解雇の無効と賃金の支払いを認めた一審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 判決は「原告の指導は、一部の学生に被害を与えたが、多数の学生には一定の成果をもたらした面もある」と指摘。減給や停職を検討することなく、解雇を選択した点について「いささか酷だ。懲戒権や解雇権の乱用だ」と判断した。

 判決によると、3人はアイヌ語の研究プロジェクトに複数の学生を手伝わせて過大な課題を強制し、長時間拘束するなどして勉学を阻害。同大は3人に諭旨解雇を通告したが、退職願を出さなかったため、2009年3月に懲戒解雇にした。

 同大は「主張が認められず大変遺憾だ。対応を検討する」とコメントした。

 原告代理人の三森敏明弁護士は「大学側は上告をしないで、3人の職場復帰の態勢を直ちに整えてほしい」と話した。

北海道教育大のアカハラ訴訟、大学側控訴を棄却

読売新聞(2012年3月16日)

 学生に対する立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)を理由に、勤務先の北海道教育大旭川校(北海道旭川市)を懲戒解雇されたのは不当だとして、元准教授の男性3人が同大に対し、地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。

 小林正裁判長は、3人の准教授としての地位を認め、同大に対して解雇後から現在までの賃金を支払うよう命じた1審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 3人は、アイヌ語関連の研究を学生に手伝わせて過重なノルマを課し、不当な学生指導を行ったなどとして、2009年3月に大学に懲戒解雇されていた。

 1審では「原告らの行為はハラスメントに該当するが、懲戒解雇に相当するような重大な行為とは言えない」と認定。大学側は「処分は学内規則に基づき、調査結果を踏まえた厳格な手続きで行った」と主張し、控訴していた。


2012年03月30日

立命館学園一時金訴訟をすすめる会原告団世話人会、立命館一時金訴訟の声明

京都民報(2012年3月29日)

立命館一時金訴訟の声明

正義の勝訴判決に感謝と喜びを表わすとともに
被告学校法人立命館は学園の現況解決を引き延ばす
   控訴を断念することを強く要請する

立命館学園一時金訴訟をすすめる会/原告団世話人会

 本日、「法と正義」に基づいて裁判所が下された原告勝訴の判決は、私たち「一時金訴訟をすすめる会」及び原告団が一貫して主張してきた事実と道理が正当に認められたものであり、心から歓迎の意思を表明いたします。  この成果を勝ち取れたのは、200余名の原告、その人数を上回る「一時金訴訟をすすめる会」会員、そして7名の弁護団によって、4年以上の歳月をかけて訴訟に取り組んできたこと、およびその途上、学園内外の教職員をはじめ多くの方々によってご支援ご協力をいただいたことによるものであると確信いたします。あわせて、教職員組合を含む多様な75団体、そして個人1,359名(いずれも3/28段階)が、裁判官に対する公正判決を要請する署名に応じて下さり、勝利にむけて応援して下さいましたが、ここに厚い感謝の想いをお伝えします。

 また公判内容につきましては、私たちが弁護団とともに準備してまいりました、質量ともに大きくて重い証拠書類、人証によって導かれた結果であると考えます。例えば、20年に渡る労使交渉の膨大な記録のテープおこし、学園が財政的に一時金カットしなければならない状況ではなかった事実と綿密なデータの分析に基づく専門家の意見書、一時金の支給水準の決定は「理事長個人の裁量」ではなく、労使の交渉によってきた慣行をさし示した元理事や元組合役員の方々による証言、2005年以降の法人側は、誠実な交渉義務を果たしていなかったという生々しい証言などが想い起こされます。

 この原告勝訴判決にたいし被告学校法人立命館が、控訴により、いたずらに学園の分裂を解決する道を引き延ばすことなく、立命館学園の未来のため一刻も早く現況の不幸な状態を解消し、正常化の道を歩まれんことを強く要請いたします。私たちは学園内において、そのような全面解決をめざす話し合いについては決して拒むものではありません。

 最後になりましたが、学園内外の教職員組合をはじめとして、お世話になり応援していただいた多くの方々に、今回の勝訴判決を得たことに心から感謝の意を表し、共に喜びを分かちあいたいと思います。

2012年3月29日

学校法人立命館に2億2900万円支払い命令、一時金未払い訴訟で京都地裁

京都民報(2012年3月29日)

 学校法人立命館(京都市中京区、長田豊臣理事長)が教職員の一時金を一方的に減額したのは不当として、教職員205人が減額分の一時金の支払いを求めていた裁判で29日、京都地裁(大島眞一裁判長)は原告の訴えをほぼ認め、のべ約2億2900万円分の支払いを命じる判決を言い渡しました。原告側の勝訴です。

 同法人は2005年、それまで年6・1カ月+10万円分だった一時金について、労使交渉で労組側が合意しないままに1カ月分カット。2006年に京都府労働委員会から誠実な対応を行うようあっせんされ、労使とも受託していましたが、被告は労組の交渉に応じてきませんでした。原告らは「立命館学園一時金訴訟をすすめる会」を結成し、2007年に提訴していました。

 判決は、過去14年間の労使交渉において法人側が「(一時金)6カ月を目指す、6カ月に接近させる」などと発言し、慣行となっていたにもかかわらず、6カ月を下回る支給になったと指摘。「原告らと被告との間で、少なくとも年6カ月の一時金を支給することが労働契約の内容となっていた」と認定。6カ月分相当の未払い分の支払いを命じました。
 また、同法人が学生による納付金を主な収入とするもとで、「財政状態が良好であった」と指摘。「企業経営上、一時金水準を切り下げる差し迫った事情があったとはいえず、当該労使慣行を変更する高度の必要性があったとは認められない」としました。

 判決後、開かれた報告集会で原告団長の木田融男教授は、「それまで労使間の合意を尊重する立命館の民主主義が守られず、理事会が一方的に行ったことに、私たちは一番驚いた。一時金とともに立命館民主主義も取り戻したい。そのため、学園側は控訴せず話し合ってほしい」と訴えました。

「教員賞与ダウンは不合理」 立命館に2億円支払い命令

朝日新聞(2012年3月30日)

 学校法人立命館(京都市中京区)がボーナスの額を引き下げたのは不当だとして、立命館大学などの教職員ら205人が総額3億1200万円の支払いを立命館側に求めた訴訟で、京都地裁(大島真一裁判長)は29日、「引き下げは不合理だ」として、約2億2900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 立命館は1991年度から2004年度にかけて毎年、月給6.1カ月と10万円のボーナスを支払った。しかし、05年度から経営悪化が見込まれるとして1カ月分をカットしたため、裁判ではこの引き下げの当否が争われた。

 判決は、(1)学校法人側と教職員組合の話し合いの経緯から少なくとも月給6カ月分を支給する労働契約があった(2)学生増で学費収入が安定し引き下げの必要はない――などと認定し、6カ月分を下回る支給による教職員の不利益は極めて大きいと結論づけた。

 判決後の記者会見で原告団長の木田融男(あきお)・立命館大教授は「学園は控訴せずに、労使関係の正常化を進めるべきだ」と述べた。立命館は「主張が受け入れられず極めて遺憾だ」とのコメントを発表した。

[同ニュース]
教職員らのボーナス減額、学校法人に支払い命令 京都地裁
立命館にボーナス減額分2億2900万円支払い命令…京都地裁
立命館のボーナス減額「合理性なし」2億3千万円支払い命令 京都地裁

JAL不当解雇撤回裁判原告団・同弁護団、JAL不当解雇撤回裁判不当判決声明

JAL不当解雇撤回裁判原告団

2012年3月29日

JAL不当解雇撤回裁判 不当判決 声明

JAL不当解雇撤回裁判原告団
同弁護団

(連絡先)〒144-0043
東京都大田区羽田5-11-4フェニックスビル
Tel 03-3742-3251 Fax 03-5737-7819

 本日、東京地裁民事第36部は、運航乗務員76名(うち機長17名、副操縦±59名)が日本航空株式会社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と解雇から現在までの未払賃金の支払を求めた裁判で、請求を棄却する不当判決を言い渡しました。
 私たちは、この誤った司法判断を断じて受け入れるわけにはいきません。速やかに控訴手続きを行い、控訴審でその誤りを正す所存です。ここにご報告かたがた、ご支援いただきました皆様に、当判決を踏まえての原告団・弁護団の見解と決意をお伝えいたします。

 この裁判では、日本航空という巨大企業の、しかも更生計画下での大規模整理解雇であったことから、破綻名目で整理解雇4要件、すなわち人員削減の必要性、解雇回避努力義務の履行、人選基準の合理性、手続の妥当性が、なし崩しにされるかどうかが問われ、労働法の観点からも、倒産法の分野からも、注目を浴びてきました。
 また、本訴訟は、解雇から1年3か月、第1回口頭弁論から1年で判決を迎えるという早期審理を実現したこと、明日判決となる民事第11部の客室乗務員訴訟では経営トップの稲盛和夫会長を出廷させたことなど、大規模整理解雇裁判でも早期審理、充実した審理を進めてきたことでも注目されてきました。

 ところが判決は、驚くべきことに、
 ①人員削減の必要性について、大幅な営業利益を計上していることに目をつ むり、解雇については何も触れていない更生計画を盾にとって、全ての雇用 が失われる破綻的清算を回避し、利害関係人の損失の分担の上で成立した更生計画の要請として事業規模に応じた人員規模とするために、人員を削減する必要性があったと認めることができるとして、安易に整理解雇の必要性まで認め、
 ②解雇回避努力義務の履行について、原告らが有効な解雇回避措置を提示していたにもかかわらず、これを一時的な措置で問題を先送りする性質のものであるとし、希望退職募集等をもって、一定の解雇回避努力を行ったことが認められるとし、
 ③人選基準の合理性について、原告らが立証してきた人選基準の不合理性を全て認めず、病気欠勤・休職等による基準、年齢基準の合理性をほぼ無条件で肯定し、削減目標154名を達成していた機長についても、削減目標人数は運航乗務員全体に設定されていたなどと事実をねじ曲げて不当性を否定し、
 ④手続の妥当性について、形式的交渉に終始した労働組合との交渉をもって足りるとし、整理解雇が有効であるとしました。

 このように、稲盛会長が法廷でも「会社の収益状況からいけば、誰が考えても雇用を続けることは不可能ではなかった」と述べたとおり解雇の必要性はなく、真の狙いが、会社更生手続きに乗じて特定の運航乗務員を排除し、長年にわたる差別的労務政策を完成させることであったことが明らかにされたにもかかわらず、判決はそのことに目をふさぎ、整理解雇法理の適用を緩めて、使用者に解雇に関する大幅な裁量権を与えたのです。

 本日、不当判決を受けた運航乗務員原告76名は、自らの権利侵害の回復を目指すだけでなく、失業や雇用不安により日本経済の冷え込む中で、安易な解雇を許さず「整理解雇4要件」を守ること、また破綻の原因が放漫経営や歪んだ航空行政があったことを指摘し、更に、安全より利益を優先する経営姿勢を改めさせる要求を掲げるなど、真の再生に向け今日まで闘ってきました。
 本日の不当判決は、倒産、事業再編時に経営側を整理解雇4要件から開放しようとする財界や管財人弁護士らの目論みに手を貸すもので、絶対に容認することができません。同時に、原告らベテラン運航乗務員が駆逐されて稲盛会長の掲げる「JALフィロソフィー」の名の下に安全より利益を優先する職場の現状、すなわち職場では物も言えぬ暗い雰囲気が蔓延し、不安全事例が多発し、現役労働者が流出する現状に対する認識不足を浮き彫りにしたものです。私たちは、今後高裁でこの不当判決の誤りを広く世論に訴えていきます。首切り自由を許さない社会、安全最優先の真の再建に1日でも早く踏み出すために、原告全員が職場復帰を勝ち取るまで全力で闘う決意です。引き続き皆様のご支援をお願い致します。

乗員訴訟(本日判決)
 東京地裁民事36部平成23年(ワ)1428号、14700号
 原告山口宏弥他75名
   職種運航乗務員(機長17名副操縦±59名)
   人選理由年齢55名病気18名年齢・病気3名
   年齢  解雇時37歳から58歳
   所属組合JCA(日本航空機長組合)8名
           JFU(日本航空乗員組合)68名

客乗訴訟(明日判決)
 東京地裁民事11部平成23年(ワ)1429号
 原告内田妙子他71名
   職種客室乗務員
   人選理由年齢59名病気12名年齢・病気1名
   年齢  解雇時32歳から59歳
   組合CCU(日本航空キャビンクルーユニオン)所属
    提訴率86%(客室乗務員の被解雇者84名)


専修道短大不当解雇事件、理事会は28日に解雇強行を決め8教員に解雇を通告!

北海道私大教連
 ∟●道私大教連速報・専修短大解雇撤回闘争特集(3)(2012年3月30日付)

=速報=

 専修大学理事会は28日に解雇強行を決め、早速に北海道短大8教員へ解雇を通告しました。

(以下、道私大教連速報3号より)

【専修大学理事会、28日の理事会・評議員会で不当な解雇を決定】
 大手学校法人、専修大学(日高義博理事長・法学部教授・兼学長)は28日に理事会・評議員会を相次いで開き、これまで理事会側が押し付けてきた希望退職に応じていない道短大の組合員8教員の整理解雇を決議したことが判明しました。近く即時解雇の通知が送付されるものと予想されます。
 前報のとおり、経営難など緊急性をともなわない大手法人が傘下の学校の廃止へ向け正規教員を全員解雇する、という事態は前代未聞のことです。何より、同短大は次年度も在学生がおり、1年間の存続が決まっています。法学部・法科大学院を設置する大学法人が整理解雇の四要件等の法理をも無視し、極めて悪質な整理解雇事件を起こしています。このような乱脈が許されれば、中小規模大学はもとより、道内各地方で高等教育を担っている道外学校法人設置の短大教育が著しく脅かされるなど各方面へ与える悪影響も必至です。
 8教員は春以降の生活をどうするか、様々に困難を抱えながらも結束して不当解雇と対峙する決意を固めています。理事会は団交等でも雇用継続協議を拒否しており、裁判闘争が避けられないものとなっていますが、以後、署名や抗議活動等、支援の取り組みも重要になります。
 この事件を全国・全道の私大教育、高等教育と教職員の生活・権利擁護をかけた重大なたたかいとして捉え、引き続き多くの皆様のご理解とご協力を心から呼びかけます。


2012年03月28日

専修道短大不当解雇事件、3月13日・26日団体交渉の経過

北海道私大教連
 ∟●道私大教連速報・専修短大解雇撤回闘争特集(2)(2012年3月28日付)

専修法人の対応は留年生対応も教員「解雇」も年度末ギリギリ!!

【この間の経過】
 前報の地位保全「仮処分」申請は二月末に、①理事会が解雇を明言していない、②留年生が生じること等で解雇されない可能性がある、として現段階での保全の必要性認められず、として札幌地裁は却下決定しました。これまでの団交の積み重ねからしてこの決定内容が不当であることは明らかであり、弁護団は即日抗告の手続きに入っています。
 そのご、三月一三日、二十六日には団体交渉が行われました。

 【三月一三日団交】(単組組合員+道私大教連の小松書記長・白鳥権利対策委員)
 理事会は「たまたま」四名の留年生が確定したことで短大を一年間「存続せざるを得ない」と認めましたが、教員全員解職の方針を曲げないと強調。一方で、希望退職に応じた教員を任期付の年俸制(五百万)で採用し直す「特例措置」を明らかにしました。学生規模が縮小しながらも短大を廃止せず、現行通り専修大学道短大として存続するものであることも認めながら教員の全員解雇手続きを進める、という極めて悪質な経営姿勢が改めて浮き彫りとなりました。理事会はこの時点でも解雇については「いまのところ解職の予定はない」「合意解約に応じていただくよう最大限努める」など繰り返し言明しています。また、組合側は「裁判闘争以前の和解的協議についても、私たちにとってたとえ本意ではないものであっても新たな理事会側の提起があれば検討する余地があることを否定しない。この間、団交では全く前進回答が無く、より踏み込んで協議に応じるよう」理事会側へ求めました。

 【三月二六日団交】(単組組合員+道私大教連の山口委員長・小松書記長)
 理事会の全権を掌握する富山専務理事は冒頭から組合側の提起を一顧だにせず拒否。短大存続の一方で強行しようとしている全員解雇と引換えの「任期制」への応募を売り込み、応じなければ五日後に「予告なし」即日解雇する方針であることを初めて明言しました。組合側との和解へむけた協議の打診に対しても「既に合意解職に応じた教員への信義がある。…オレの信義に反する!」などと一切を拒否。(自ら設置する短大を自ら募集停止し、雇用する教員を容赦なく外へ放り出して平然としている人物のいう「信義」とは一体何なのでしょう?)組合側八教員は一致して合意退職に応じない、理をもってたたかう意向であることを堂々と主張しました。法人は二八日の理事会で、希望退職に応じない教員の解職を正式決定するものと思われます。一ヶ月以上前の正式予告を伴わない教員全員解雇は、経営難法人以外私学では前代未聞の異常事態です。

「専修道短大教員組合」のホームページを検索してご覧ください!》


2012年03月17日

北海道教育大学不当解雇事件、札幌高裁 解雇無効判決

■朝日新聞(2012年03月17日)

 北海道教育大旭川校(旭川市)の38~42歳の男性准教授3人が学生に対し、教員の立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)をしたとして解雇された問題で、3人が同大を相手に解雇の無効などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。小林正裁判長は、解雇の無効と賃金の支払いを認めた一審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 判決は「原告の指導は、一部の学生に被害を与えたが、多数の学生には一定の成果をもたらした面もある」と指摘。減給や停職を検討することなく、解雇を選択した点について「いささか酷だ。懲戒権や解雇権の乱用だ」と判断した。

 判決によると、3人はアイヌ語の研究プロジェクトに複数の学生を手伝わせて過大な課題を強制し、長時間拘束するなどして勉学を阻害。同大は3人に諭旨解雇を通告したが、退職願を出さなかったため、2009年3月に懲戒解雇にした。

 同大は「主張が認められず大変遺憾だ。対応を検討する」とコメントした。

 原告代理人の三森敏明弁護士は「大学側は上告をしないで、3人の職場復帰の態勢を直ちに整えてほしい」と話した。

北海道教育大のアカハラ訴訟、大学側控訴を棄却

■読売新聞(2012年3月16日)

 学生に対する立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)を理由に、勤務先の北海道教育大旭川校(北海道旭川市)を懲戒解雇されたのは不当だとして、元准教授の男性3人が同大に対し、地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。

 小林正裁判長は、3人の准教授としての地位を認め、同大に対して解雇後から現在までの賃金を支払うよう命じた1審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 3人は、アイヌ語関連の研究を学生に手伝わせて過重なノルマを課し、不当な学生指導を行ったなどとして、2009年3月に大学に懲戒解雇されていた。

 1審では「原告らの行為はハラスメントに該当するが、懲戒解雇に相当するような重大な行為とは言えない」と認定。大学側は「処分は学内規則に基づき、調査結果を踏まえた厳格な手続きで行った」と主張し、控訴していた。


2012年03月09日

北海道私大教連、4月1日専修道短大の仲間を激励し交流する集いのご案内

専修道短大の仲間を激励し交流する集いのご案内

専修道短大の仲間を激励し交流する集いのご案内

皆様へご案内 ◆

 教職員や地元自治体を無視した不意打ちの「募集停止」が仕掛けられ、2011年度末の「閉校」と「全員解職」を迫られてきた専修大学北海道短期大学(美唄市)組合員の皆さん。
 大規模私学の専修大学による前代未聞の整理解雇に立ち向かい、テコでも動かぬと法廷闘争を決意し奮闘している当該教職員の皆さんを激励し、また、これまでの経過を学びあうための「交流会」を北海道私大教連として開催します。
 直近の状況としては私たちが警告してきた通り、次年度在学生が生じることによる短大の存置を年度末ギリギリになって理事会が発表するも、未だ教員の身分に関する具体的方針提示がありません。理事会の対応は極めて無責任であり、もはや反社会的だといって過言ではありません。
 予断を許さぬ状況が続きます。この解雇撤回闘争は、全道・全国の大学教員の生活・雇用と地位をまもる防波堤の役割を担うものでもあるのです。
 時に、励ましはたたかいの糧になり、学ぶことが生き抜く力となります。
 専修大学が企図してきた2011年度末の整理解雇を許さなかった成果の結節点が、新年度初日である4月1日の「励ます会」となります。新たな意気でのたたかいが始動する日でもあります。多くの皆さんの積極的なご参集を心より呼びかけ、ご案内とご支援のお願いを申しあげます。

北海道私立大学教職員組合連合
執行委員長  山口 博教
電話011-261-3820 FAX011-272-8186

■内容 昼食・飲物付です。専修道短大組合員(解雇撤回闘争当事者の皆さん)から報告、参加者代表・弁護団(予定)から激励挨拶等。
■会費 おひとり3,000円(組織単位で当日に申し受けます。)

◆参加申し込み◆
準備の都合上、お手数ですが事前の参加申し込みをお願いします。
3月27日(水)までに各組織(個人でも歓迎)の参加者数を北海道私大教連へFAXか電子メールでお知らせください。
(加盟大学は5名を目標に参加の組織を進めてください。)
道私大教連 FAX011-272-8186
電子メール:doshikyoso@ybb.ne.jp


2012年03月08日

北海道私大教連、専修道短大闘争の激励・経過報告集会のご案内

北海道私大教連
専修大学北海道短期大学教員組合

専修道短大闘争の激励・経過報告集会(食事会)を4月1日(日)に開催します。
場所が決まりましたので取り急ぎお知らせします。

◆会場 ホテルポールスター札幌(中央区北4条西6丁目)
◇道私大教連総会 4月1日(日)10:50受付開始・11:00~12:50会議
 ⇒単組2名の代議員組織をお願いします。

◇専修道短大組合員を励ます集い(経過報告会)
 4月1日(日)13:00受付開始・13:10~開会(2時間以内)
 ⇒激励会の参加費は1人3,000円(昼食・飲物付=専修道短大組合員は招待)

専修道短大不当解雇事件、閉校を1年延期

■北海道新聞空知版(2012/03/06)

 下記に報道されている通り、1年間の短大存置が決定された。しかし、理事会はいまだに教員の解雇方針を曲げていないとのこと。3月23日(火)の団体交渉が正念場。

専修道短大、閉校延期 情報不足 地元に不満 美唄市「事情聴きたい」 校舎活用策なお不透明

 【美唄】今月末で閉校の予定だった専修大学北海道短期大学(寺本千名夫学長)を運営する学校法人専修大学(東京、日高義博理事長)が5日、閉校を1年延期する方針を明らかにした。地元の関係者は安堵(あんど)する一方、大学側から情報提供が少なく、直前になっての延期方針に不満の声も漏れた。(藤本陽介、石井努)
 短大の卒業式が5日に行われ、式典後、日高理事長が報道陣の取材に閉校延期の意向を示した。地元への情報提供が遅れたのでは、との指摘に日高理事長は「募集停止時にも決まったことはかなり丁寧に伝えている」と述べ、地元との意思疎通に問題がないとの認識を示した。別に取材に応じた寺本学長は「留年の判定会議が2月でこの時期になった」と弁明した。
 一方、美唄市はJR美唄駅から短大を結ぶバスを今月末で廃止するなど閉校を念頭に置いたまちづくりに取り組んできた。市幹部は「とりあえずほっとしたが、大学から詳しい事情を聴きたい」と話す。
 学校法人幹部が2月下旬、市側に留年生が4人いることを伝えたが、今後の対応については言及しなかったという。このため、同市には「情報がいつも小出し」と不満もくすぶる。校舎は4月以降も使うことになるが、懸案の校舎活用方法をめぐる話し合いが進展するかは不透明だ。
                  ◇
 卒業式は同校体育館で行われた。卒業生は、みどりの総合科学科46人と商経社会総合学科89人の計135人。寺本学長は式辞で閉校問題に触れ「責任者として深くおわびします。教育以前の問題で、実に苦しい2年間だった」と語った。
 卒業生を代表し、青木京介さんが「仲間との絆と専修短大の卒業生であることを誇りに目標に向けてまい進します」とお礼の言葉を述べた。

専修道短大の閉校1年延期

北海道新聞全道版(2012/03/06)

 【美唄】学校法人専修大学(東京、日高義博理事長)は5日、3月末に予定していた専修大学北海道短期大学(美唄市)の閉校を1年延期する意向を明らかにした。
 日高理事長が同日、美唄市内で開かれた専修道短大の卒業式に出席後、記者団に対し、単位不足のため留年する学生が4人いることを明らかにした上で「学生の卒業まで教育しなければならない」と語った。
 短大によると、4人の留年生の中には、4月以降の通学を希望している学生もいるという。最終的な意向確認を行った上で、7日に開かれる法人の理事会で閉校延期を決める。

最後の卒業式、135人に学位記 美唄の専修大北海道短大

朝日新聞北海道版(2012年3月6日)

 経営悪化で2011年度から学生の募集を停止している美唄市の専修大北海道短大で5日、留年する学生を除いた事実上最後の卒業式が行われ、みどりの総合科学科46人と商経社会総合学科89人に寺本千名夫学長から学位記が授与された。
 中国黒竜江農業職業技術学院からの留学生19人も含まれ、同短大の卒業生は計1万2064人になった。留年する学生が4人出る見通しのため、閉校は早くても来年春の全員の卒業後になる。
 同短大は、1968年に専修大美唄農工短大として中堅の農業技術者を養成する目的で創立され、73年に現校名になった。少子化の進行や4年制大学志向の高まりなどで、99年度から定員割れが続いていた。中国人留学生を毎年10~20人受け入れて来たが、定員割れを改善できず、08年度末には累積赤字が33億円に達した。


2012年03月07日

嶋田ミカさんの裁判支援のお礼と改めてのお願い

嶋田ミカさんの裁判支援のお礼と改めてのお願い

龍谷大学に働くみなさん
京滋地区の大学・短期大学に働くみなさん

 すでにご存知のことと思いますが、2011年12月22日、嶋田ミカさんが学校法人龍谷大学を相手に起こした地位確認等請求裁判の「和解」が成立しました。この裁判は、嶋田さんが、特別任用教員(助手)として採用される際「任用期間を3年とし、更新することができる。ただし、2期を超えることはできない」と示されていたにも拘らず、一方的に2010年3月末で雇用を打ち切られ、やむなく同年7月に京都地裁に提訴したものです。
 「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」は、龍谷大学教職員組合ならびに京滋地区私立大学教職員組合連合の協力をえながら1年9か月にわたって嶋田さんの支援に取り組んでまいりました。この度、学校法人の英断もあって、和解が成立しました。ご支援いただいたみなさんに、この場を借りて感謝の気持ちをお伝えいたします。この和解は、大学における有期雇用問題の解決に一石を投じたといえましょう。
 さて、嶋田さんの裁判は終わりました。嶋田さんは学内に戻って1年間ではありますが、新しい職場で勤務することとなります。嶋田さんは2010年4月以降、定職につくことはできませんでした。裁判を始めるにあたって、組合員である嶋田さんは龍谷大学教職員組合から「借入」という形で着手金の支援を受けましたが、これについては返済が必要です。また、弁護士に対して裁判費用を支払わなくてはなりません。嶋田さんはこの間、収入が途絶えていたのであり、簡単に資金をねん出することはできません。
 しかし、嶋田さんの裁判を支援した一般の方の多くは、非正規雇用や失業中の方々です。「求める会」はカンパを呼びかけず、もっぱら傍聴に力を入れてきました。その取り組みが功を奏し、傍聴席はいつも満席でした。
 裁判が和解という形で決着した今、原告である嶋田さんが一人で裁判費用を負担するのではなく、何とか組合員、教職員のみなさまのお力で嶋田さんを支援いただけないでしょうか。そのようなことから、龍谷大学教職員組合ならびに京滋地区私立大学教職員組合連合のご理解を得て、龍谷大学に働くみなさん、京滋地区の大学・短期大学に働くみなさんにカンパを呼びかけるものです。募金の振込先等については、別項に記載してございます。
 どうか趣旨をご理解いただきまして、ご協力いただきますようお願いいたします。

*発起人
田中宏(龍谷大学元特任教授、同大学元教職員組合員、
嶋田ミカさんの雇用継続を求める会代表)

*呼びかけ人
由井 浩(龍谷大学教職員組合委員長)
景井 充(京滋地区私立大学教職員組合連合委員長)
村岡 倫(龍谷大学文学部)
大林 稔(龍谷大学経済学部)
角岡賢一(龍谷大学経営学部)
石井幸三(龍谷大学法学部)
谷垣岳人(龍谷大学政策学部)
村澤真保呂(龍谷大学社会学部)
清水耕介(龍谷大学国際文化学部)
玉木興慈(龍谷大学短期大学部)
萩屋昌志(龍谷大学法務研究科)

【カンパの振込先等について】
 ・以下の郵便振替口座にご送金ください。
   口座名義  嶋田ミカさんの雇用継続を求める会
   口座番号  00970-5- 328243
 ・郵便振替用紙の受領書でもって領収書に代えさせていただきます。領収書がご入用な場合には、会の事務局までご連絡いただくか、郵便振替用紙にその旨をご記入ください。会の連絡先は、以下のとおりです。
   e-mail:s.koyokeizoku@gmail.com     
 ・カンパのご報告は、「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」のウェブサイトで行わせていただきます。URLは、以下のとおりです。
   http://skoyokeizoku.jimdo.com/
 ・恐縮ですが、2012年3月末までのカンパにご協力いただけるとありがたく存じます。


2012年03月05日

大学評価学会、「韓国-米国-日本」が連帯した大学学費問題に関する3月2日公表の声明について

大学評価学会
 ∟●「韓国-米国-日本」が連帯した大学学費問題に関する3月2日公表の声明について

「韓国-米国-日本」が連帯した大学学費問題に関する3月2日公表の声明について

 龍谷大学社会科学研究所の共同研究の一環として,大学評価学会のメンバー3名(望月・日永理事,渡部幹事)が韓国の大学事情の現地調査を行いました(2012年2月13-16日)。

 調査先の参与連帯(市民運動の全国センター)の話では,韓国では1980年の民主化運動を担った層が親世代になり,「大学授業料(韓国では登録金)半額化」が国民的課題になっているとのことでした。昨年の選挙で市民活動家の朴元淳弁護士が市長になったソウルでは,全国に先駆けて,ソウル市立大学の登録金を2012年度から半額化するそうです。加えて,韓国の大学教授労組では,「登録金の後払い制度」(卒業後に就職し一定の年収を得てから払う仕組み)の導入を提起していました。韓国では4月に予定されている総選挙においても,大学学費問題と高等教育への公的責任の明確化が重要な争点となっているということに,私ども調査団は大変驚かされるとともに勇気づけられました。

 訪韓の際に,参与連帯から訪問団に対して,大学学費問題で状況が似ている「韓国-米国-日本」で連帯した活動を展開していきたいとの申し入れがありました。2月末になって,3月2日に共同声明を公表したいとの呼びかけが参与連帯のアン・ジルゴン氏より急遽届きました。
 渡部が大学評価学会「国際人権A規約第13条問題特別委員会」の担当幹事であることから,学会の細川事務局長,特別委員会の重本委員長とも協議した上で,急ではありましたが渡部が声明文案を作成し,特別委員会として共同声明に参加することにしました。

詳細については3月10日開催予定の理事会にて報告いたします。
なお,3月2日に公表予定の声明文は以下の通りです。
【日本語】【英語】~添付データの通り
【韓国語】~翻訳を日本希望製作所経由で依頼しています。

【日本語Japanese】
 2004年に設立された私たち大学評価学会(日本)は,「国際人権A規約第13条問題特別委員会」を設けて「無償教育の漸進的導入」に係る活動を様々に展開してきた。

1)国際人権A規約第13条には,(a)義務教育は無償であるとともに,(b)中等教育及び(c)高等教育にあっても「無償教育の漸進的導入」に努めるべきことが明記されている。しかし,日本政府は,1979年の批准から今日に至るまで(b)(c)項を留保したままである。日本政府は国際人権A規約第13条(b)(c)項の留保をすみやかに撤回し,高等教育においても「無償教育の漸進的導入」を推進すべきである。

2)日本の高等教育予算はGDP比率0.6%に過ぎず,OECD参加国の中で韓国とともに最低レベルである(OECD資料2010年)。現在,大学授業料は国立校で約54万円,私立校で平均85万円であり,入学金や生活費等を合わせると一人年額100~200万円にもなっている。年収の低い家庭においては,大学進学を諦めたり,合格しても中途退学したり,アルバイトで授業に出られない学生が増えている。にもかかわらず,更なる大学学費の値上げと受益者負担の徹底が目論まれている。日本政府は,高等教育に果たす国の責任を明確にし,高等教育予算をまずはOECD国の平均であるGDP比率1.2%に上げるべきである。そして,授業料を思い切って半額に値下げし,給与型奨学金を復活するなどして,家庭の経済的地位にかかわりなく,学ぶ意思ある全ての者に大学の門戸を開き「学ぶ権利」を保障すべきである。

2012.3.2. 大学評価学会「国際人権A規約第13条問題特別委員会」


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