全国
 カテゴリー 2013年09月

2013年09月16日

サイト紹介、「愛媛大学の女性博士研究員に対する大学教官のアカハラと違法な労働行為,大学組織の責任を問う裁判」

愛媛大学アカハラ裁判 2009~
松山地裁宛「訴状」(2009年8月10日)

国立大学法人愛媛大学の女性博士研究員に対する大学教官のアカハラと違法な労働行為,大学組織の責任を問う裁判

【概略 】

愛媛大学で9年間、研究員として就労した女性は、同大医学部で教官から暴力、暴言、研究活動妨害および給与不払い等の被害を受け、学内での話し合いによる解決を望んで同大に訴えたところ、加害教官は訓告(口頭注意)にとどまり、女性は大学から雇止めを受けて職を失いました。女性は2009年に愛媛大学と加害教官を提訴しました

【 原告の訴え 】

 私は、K大学大学院で生物学の博士学位を取得した後、2000年から愛媛大学医学部M教授の「実験室の中心として長く活動してほしい」という言葉のもと、日本学術振興会特別研究員(ミレニアム)、長寿科学振興財団リサーチレジデント、愛媛大非常勤職員等、短期雇用身分の更新を重ねて研究員として勤務し、2007年初めにM教授の勧めにより同大で医学博士学位を取得しました

 2000年の勤務開始当時、M教授の講座にはSK大学の教員であったTが社会人大学院生として在籍しており、学位取得後に愛媛大学教官に採用されました。するとT教官は私に対し、研究に必要な物を取り上げる、壊す、殴りかかる、などの行動を繰り返し「A(私)はまだ辞めやがらねえ。」と発言しました。私は講座責任者のM教授に訴えたのですが、M教授は「T先生は怖いからなあ」と言って放置したうえ、「研究予算がない。」と私の給与を削り、2007年には私が博士学位を取得した後に5カ月間、無給で勤務させました。M教授は私に「結婚しているし、生活に困らないからいいだろう。」と言いま私は阪神大震災当時、学生として神戸市灘区に住んでおり、地震の被害を受けましたが、多くの人々に支えられて大学院を修了する事が出来ました。その被災経験から医師へ強い尊敬と信頼を持っていたので、医師であるM教授の指示に従順でしたが、 T教官のハラスメントとM教授の指示による無給勤務に耐えられず、 2007年秋に愛媛労働局に相談したところ、それを知ったM教授から「文句があるなら出ていけ」と、年度末の雇い止めを言い渡されました。私はM教授らと話し合いを試みましたが、無駄に終わりました。  

 2008年初めに私は愛媛大学のY副学長と同大学人権問題相談窓口に事態を相談しました。愛媛大学は人権問題調査委員会を設けてT教官のハラスメント調査を始めましたが、M教授による違法な労働行為(無給勤務命令)は取り上げませんでした。愛媛大学の調査期間中、私の雇止めは行われませんでしたが、同じ講座での勤務継続だったため、正常な実験研究業務が行えない状態は変わりませんでした。私は大学へ保護、救済移動を求めましたが、Y副学長は「医学部は難しい」と言い、対応しませんでした。

 そして2009年3月、愛媛大学はT教官のハラスメント行為を認定し、T教官とM教授に訓告処分を行いました。しかし同時に、大学は私を正式に雇い止めにしました。私は松山労働基準監督署にM教授の違法な労働行為を訴えたところ、労基署は愛媛大学に是正勧告を出しました。T教官のハラスメント行為は愛媛大学が認め、M教授の違法な労働行為は労基署が認めましたが、教官も大学も、自らの非は全く認めませんでした。特に大学は、T教官のハラスメントに対する使用者責任も曖昧にしました。  

2009年8月、私は愛媛大学および愛媛大学の両教官を松山地方裁判所に提訴しました。   

 両教官は現在も変わらず愛媛大学医学部に勤務し、T教官は後にノーベル賞研究者を輩出した関西の大学に所属を変えて昇進しました。しかし被害者である私は職を失いました。研究職は募集が少なく、女性の採用は難しい上、推薦書が重要であるため職を得ることができません。研究職以外の職も「女性の博士さんを雇うことなどできません」と断られました。教官らはこのような雇用状況を承知した上で、私に違法な労働行為を命じていたのです。

 提訴から3年を超えましたが、公判は未だ開かれていません。 

 不安定な雇用条件下での違法な労働行為とハラスメント行為を明らかにし、改善を促すため応援の輪をお願い致します。

2013年09月13日

学校法人 解散命令に至る前段階の措置創設へ、中教審大学分科会

全私学新聞(2013年9月13日)

実地調査や役員解職命令など可能に
学法分科会長が検討結果報告

 中央教育審議会大学分科会(分科会長=安西祐一郎・独立行政法人日本学術振興会理事長)は9月12日、三田共用会議所で第115回会合を開いた。その中で、学校法人に対する解散命令等の法制度の課題と今後の在り方について、検討結果の報告があった。
 報告を行ったのは、大学設置・学校法人審議会学校法人分科会で分科会長を務める日髙義博・学校法人専修大学理事長・大学長。同分科会は平成24年10月、著しく重大な問題を抱えていた群馬県の堀越学園について審議し、解散命令が適当と文部科学大臣に答申した。その審議の中で、問題がある学校法人に対する制度的手段が実質的に解散命令しかないことなど、現行制度の課題を認識。今後の対応の在り方について検討を重ねてきた。
 同分科会は新たな対応の在り方として以下の4点を挙げた。重大な問題があるとみられる学校法人について「①実態把握のための実地調査が可能な仕組みとすること」、実際に問題がある場合には「②改善等のために必要な措置の命令」、「③役員の解職命令」、「④入学者の受け入れ停止や円滑な転学のための措置の命令」、これらを可能とすること。①は、現行制度では調査を受ける学校法人の任意の協力が必要で、問題が重大なほど逆に調査を拒否される可能性があることを踏まえている。②は現状の行政指導には法的拘束力がなく、事態が改善されない場合は解散命令という最終手段に至ってしまうため、段階的措置が必要だという観点による。また、②③④に関しては行政による権限乱用を防止するため、命令を行う際には私学関係者等によるチェックの仕組みを確保する必要がある、としている。法改正を含む提言であるため、今後は通常国会のスケジュールを意識して案を詰めるという。


2013年09月05日

札幌大に未払い賃金請求 教授13人が提訴

産経新聞(2013.9.5)

 定年退職後も雇用を継続されていた札幌大(札幌市)の教授が5日までに、一方的に給料を減額されたのは不当として、学校法人に未払い賃金や慰謝料など計約1億1290万円の支払いを求める訴えを札幌地裁に起こした。提訴は7月18日付。定年は65歳で訴えたのは66~69歳の13人。

 5日の第1回口頭弁論で、大学側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 訴状によると、札幌大は平成19年、教員の定年を70歳から65歳に引き下げた上で、本人が希望すれば70歳まで雇用される勤務延長制度を創設。雇用延長中の教授の年収を最高で800万円とする労使協定も締結した。ところが学校法人側は24年10月、25年4月以降の年収を480万円に下げる方針を一方的に決めたとしている。

 学校法人側は「訴訟中であり、コメントは差し控える」としている。