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 カテゴリー 2013年10月

2013年10月30日

大分大学不当労働行為事件、第3回審問の報告

大分大学教職員組合
 ∟●組合ニュース6号(2013年10月30日)

不当労働行為救済申し立て
第3回審問の報告

 組合室復帰の不履行およびそれに関連する団体交渉等での大学の対応を不当労イ動行于為として、組合は大分県労働委員会に救済を申し立てていますが、その第3回審問が10月18日に県労働委員会で行われました。今回初めて法人側の証人として、津田総務部長が証言しました。……以下,略…


全大教、「ミッションの再定義」による文科省の大学自治への介入に抗議

全大教
 ∟●「ミッションの再定義」による文科省の大学自治への介入に抗議

「ミッションの再定義」による文科省の大学自治への介入に抗議

2013年10月30日 全国大学高専教職員組合 中央執行委員会

「ミッションの再定義」、大学自治への国家権力の介入の意思が顕著に
 昨年2012年6月に文部科学省が発表した「大学改革実行プラン」の中に位置づけられ「作業」が続けられてきた「ミッションの再定義」は、今年9月末までに、先行する教員養成、医学、工学の3分野の「作業」が終了しつつあり、その結果は10月中に文部科学省から公表されるとされています。
 「ミッションの再定義」自体、その作成の主体は大学なのか文部科学省なのか、その「作業」を通じて何を行うのか、その結果はいかに取り扱われどのように活用されるのか、など不明な点ばかりの中で進められてきました。文部科学省の説明も、「それぞれの専門分野の強みや特色、社会的な役割」(たとえば、文部科学省高等教育局「『ミッションの再定義』について」2012年10月11日)を明らかにするという程度の曖昧なものでした。
 先行する3分野の「作業」が大詰めを迎え、結果の取りまとめが行われつつある現在、「ミッションの再定義」を利用する形で大学の運営に直接的に介入する文部科学省の姿勢が明らかになってきています。
 大学は、大学自治という、国家権力から距離をおいた自主性が担保される下で、運営の方法を判断しながら、社会的な要請に応える努力を行っています。そして、国立大学法人法という法律で定められている国立大学法人制度の下でも、その目標の設定と評価の基準は「中期目標」という形で国民にしめすこととされています。今回、「ミッションの再定義」では、法定された手続きでもない行政の判断のみにもとづいて、国立大学に対する異常な介入が行われています。

先行3分野=教員養成・医学・工学の中でも、介入が顕著な教員養成系分野
 「ミッションの再定義」にあたって、文部科学省は、当初、「国立大学が自主的・自律的に自らの機能の再構築により機能強化を図る」(文部科学省高等教育局「『ミッションの再定義』について」2012年10月11日)としていたことを自ら否定するごとく、「作業」を完全に主導するかたちで結果を取りまとめようとしており、その結果の活用を通じて、国立大学を統制しようとする意思を顕にしています。
 第一次の対象とされた3分野の中で、とりわけ厳しい「作業」を強いられたのが、教員養成系分野(教員養成系の教育学部および単科教員養成系大学。以下「教育学部」と呼びます)でした。文部科学省は当初、大学の運営方針はあくまで各大学の自主的な計画と目標設定が尊重されるのが大前提だと説明していました。ただ国税を投入していることに鑑み、「社会的要請」との整合が取れているかどうかを、文部科学省と各大学で「御相談」するとしていました。ところが実際には、2013年9月までに実施されてきた、文部科学省の高等教育局専門教育課教員養成企画室が担当してきた「作業」の中で、各大学の自主性を尊重せず、文部科学省の求める例示通りの項目立てとし、文部科学省の求める値を強制的に書き入れさせるという、介入を行いました。そこには、以下にあげる多くの問題があります。

(1)教職大学院の設置を全国の教育学部に一律に強制することはあってはならない

 第一に、すべての教育学部に対して、教職大学院の設置を「ミッションの再定義」の中に目標として盛り込ませたことです。中教審は、答申「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」(2012年8月28日)の中で、初等中等教育の教員の資質向上に関する方策について、「教職大学院制度を発展・拡充し、全ての都道府県に設置を推進」するとしていました。文部科学省は、この政策目標を実現するために、今回の「ミッションの再定義」を利用し、全教育学部にこれを盛り込ませたのでした。
 初等中等教育の教員の養成と資質の向上に関わっては、免許取得にかかる修業年限や教員免許の種別化などの問題など、国民的な議論が十分になされたとは言えない状況です。免許取得年限を延長することは、教員になろうとする者に就学の負担を重くすることにつながり、ひいては教員の資質の向上に逆行することにもなりかねないことも大きな問題であり、解決されなければなりません。こうした中で、現段階で教職大学院を設置させる方針が全教育学部に一律に押し付けられることは受け容れられません。また、国立大学教育学部に教職大学院を設置するとすれば、現行の教育学研究科(教職大学院ではない従来型の修士課程)との関連の整理、教職大学院が専門職大学院として位置づけられており実務家教員比率に縛りがある中で教員の学部教育との兼任を含む組織の柔軟な運用に関する整理等、解決しなければならない問題は山積しており、一律に設置を強制できる段階ではありません。かつて、教職大学院と同じく専門職大学院として文部科学省がリーダーシップをとって2004年にスタートさせた、法科大学院の多くが、修了生の合格率や定員充足率の面で多大な困難に直面し、その被害を被っているのは学生です。教職大学院も同じ道を歩む可能性が大きいと考えざるを得ません。これらの問題があるからこそ、教職大学院を設置するかどうか、設置するとしてその時期や運営の方法をどのようにするかは、大学自治の問題として、それぞれの大学、国立大学法人が責任を持って自主的に決定しなければならないのです。

(2)大学におけるカリキュラム編成とその具体化の自主性を無視した数値目標の強制

 第二に、文部科学省は、「学校現場で指導経験のある大学教員」(以下、「実務経験教員」という。)の比率に関する数値目標の設定を一律に強制しました。教育学部の中で、カリキュラムあるいは教育プログラムのうちで担当する部分によっては、実務経験をもつ大学教員であることが望ましい場合もあります。しかし個々の教員に実務経験を求めるかどうか、そして組織の中で比率について数値目標を設定するか、設定するのであればいくらにするか、といったことは、あくまでそれぞれの大学の自主的判断に任されるべきことです。そこに、国立大学法人やそれぞれの学部の責任も生じるのです。文部科学省は、「財務省や一般国民に対する分かりやすさ」を重視し、数値目標に拘泥して、教育学部運営の実情とはかけ離れた目標を押しつけています。

(3)これまでの教育学部の努力にもとづく「強み」「特色」「社会的役割」を踏まえない改革の強制

 さらには、今回の「ミッションの再定義」では、文部科学省は、各都道府県の教員採用者数に占めるシェアの数値目標を一律に求め、一定以上であることを強要しました。これまで、文部科学省は教育学部の成果を測る指標として、学生定員に占める教員採用者数の比率を使ってきており、それを上昇させることを求めてきました。このこと自体大きな問題でしたが、今回の指標に関する大きな方針転換は、現場に大きな混乱をもたらすものです。
 また「ミッションの再定義」の中で文部科学省は、いわゆる「新課程」(ゼロ免課程)を廃止することを強制しています。「新課程」が、設置から四半世紀の間に、専属教員の雇用やカリキュラム改善の努力を経て、それぞれユニークな課程として成熟してきていることは、入試倍率の高さなどからも明らかです。文部科学省の役割は、「新課程」の廃止を強制することではなく、すでに地域社会で市民権を得て、志望者や卒業生を受け入れる地域の期待の高い課程を学科へと再編することを支援し、より一層の充実を図ることです。
 上述のとおり、文部科学省は今回の「ミッションの再定義」を利用して、いくつもの点で、国民にとっての不利益を招きかねない国の政策を一律に押し付けているというほかありません。こうした手法はあってはならないことです。

 いまこそ文部科学省に、大学自治および大学の責任、自主性を尊重する姿勢を求めます
 国立大学の法人化は、国民の財産である国立大学を維持し発展させるための、国の予算的な責任を免除し、国立大学への予算措置を「裁量的経費」として、毎年減額の対象とできるようにしてしまいました。国立大学法人法が制定される際の国会の附帯決議では「法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること」とされたにもかかわらず、その後政府は、国立大学法人制度の下で、運営費交付金や種々の補助金を削減し、また競争資金化し続けてきました。その中で、文教政策に責任を負うべき文部科学省は、財務省や政府・与党の顔色をうかがい、彼らの受けのよい短期的・定量的な指標だけで測れるような「大学改革の成果主義」に走っていると言わざるを得ません。
 今回、「ミッションの再定義」によって発生している事態は、2004年に導入された国立大学法人制度のひずみを顕著に現わしています。そのことは、安倍政権の下で、今、打ち出されている、性急な「大学のガバナンス改革」要求や「国立大学の人事・給与システムの抜本改革」要求と共通したものであり、これらのいずれもが、大学自治を損なうことで、大学が、大学の責任において社会において果たす役割を損なうものに他なりません。とくに、全国の国立大学一律に押し付けられる組織改編や数値目標は、組織規模の点で余裕のない地方大学により重くのしかかり、その存立さえも危うくするものです。
 全大教は、文部科学省が大学自治に対する介入を中止し、それぞれの大学が責任をもって、社会の要請と向き合いつつ自主的に改革を進めていくことへの支援の制度・予算を求めます。


山形大学給与返還訴訟、第2回口頭弁論

東北大学職員組合
 ∟●職組新聞コア244号

 山形大学職員組合が、7名の原告団を組織して提訴した「一方的不利益変更無効確認(未払い賃金請求)訴訟」の第二回口頭弁論を傍聴しました。東北地区の組合からも応援に駆けつけ、傍聴者は33名で満席でした。原告団の一人が意見陳述書を読み上げ、生活や研究教育活動に支障が出ている実情を訴えました。その後、被告側の大学当局代理人が被告準備書面を提出して終了しました。……以下,略…

教員任期制の将来は?  熊大使用者は何ら見識を示さず

熊本大学教職員組合
 ∟●教員任期制の将来は?

教員任期制の将来は?
―熊大使用者は何ら見識を示さず……,しかも「大学教員任期制法」の趣旨に反した提案!?――


9 月末までに部局の意見集約

 皆さんご存知のように,「臨時特例」に対応した給与減額の代償措置の一つとして組合が要求した「定年まで無際限に再任を認めている教員任期制の廃止」は,2013 年度中に検討することが約束されています。熊大使用者は,今年4 月1日に施行された改正労働契約法をふまえた教員任期制の今後の方針案を組合に説明し(7月22日),7 月25 日の教育研究評議会で「教員任期制の今後の方針について(案)」(以下,「今後の方針(案)」と略す)を提示し,9月末までに各部局の意見集約を行なうことになっています。
 組合が「定年まで無際限に再任を認めている教員任期制の廃止」を要求した主な理由は,①無際限に再任を繰り返すことは「できません」と文部科学省も解説していること,②専門家集団の判断結果が無視・圧殺されて導入されるという重大な瑕疵を犯していたこと,③本人同意が得られるかどうかによって任期制の職の適否が変更されるという本末顛倒の事態が生じていることなど,「大学の教員等の任期に関する法律」(以下,「大学教員任期制法」と略す)の趣旨に明らかに反したものであり,また経費を一切要することなく実施できる教員の定着策であるからです。組合は,再任に上限(2回もしくは1回まで)を設けている「若手研究者育成型」の任期制(自然科学研究科の一部と発生医学研究所の助教)についても,同じく若手研究者の育成を目指す「特任助教」と教育研究条件の大きな格差があるため,廃止すべきと考えています。

 組合が教員任期制の廃止を求める理由の詳細は,2012 年度の『赤煉瓦』№15(2012.11.6)で述べたとおりですので,繰り返しません。ここでは,9 月末までに各部局の意見が求められている「今後の方針(案)」の概要と問題点をお伝えします。

以下,省略

2013年10月23日

関西学院大学 障害学生支援コーディーネーター雇止め解雇事件 報告会

レイバーネット
 ∟●関西学院大学 障害学生支援コーディーネーター雇止め解雇事件 報告会

【関西学院大学 障害学生支援コーディーネーター雇止め解雇事件 報告会】

 障害のある学生の就学支援事業のコーディネーターとして、関西学院大学(兵庫県西宮市)で働いていた大椿裕子さんは、2010年3月、上限4年の有期雇用を理由に雇止め解雇になりました。関学教職員組合が、非正規職員の加入を認めなかったため、2009年2月、大阪教育合同労働組合に加入し、解雇撤回・継続雇用を求めて闘ってきました。解雇後、舞台は労働委員会に移ったものの、府労委・中労委ともに「全面棄却」の命令書が交付されました。

 周囲から「勝てるわけがない」「自己責任だ」という言葉を浴びながら、闘うことを選んだ大椿さんと、彼女を支え共に闘い続けた大阪教育合同労働組合が、関学事件の全貌と、教育現場で拡大する有期雇用について語ります。

 スペシャルゲストとして、徳島大学教職員労働組合の山口裕之書記長に、2013年4月「改正」労働契約法施行を前に、非常勤職員1000人無期雇用を勝ち取った運動の経緯をお話しいただき、今後の労働運動の可能性を探ります。

★日時:2013年11月9日(土) 13時開場  13時半~16時半
★場所:山西福祉記念会館 ホール (大阪府大阪市北区神山町11-12)
  http://www.yamanishi-fk.jp/
  最寄り駅:阪急梅田から10分 阪神梅田・JR大阪から15分
  地下鉄堺筋線「扇町駅」・谷町線「中崎町駅」から 徒歩5分

★資料代:500円
★特別講演/ 「非正規職員1000人無期雇用は、どうやって実現できたのか!?」
スペシャルゲスト/徳島大学教職員労働組合 山口裕之書記長

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13:00 開場
13:30 開会
    関学事件の概要と「改正」労働契約法について
    山下恒生さん(関学事件代理人 大阪教育合同労働組合執行委員 大阪全労協議長)

14:15 トークセッション「女にとって働くこと、たたかうこと」
   大椿裕子さん(関学事件被解雇者 大阪教育合同労働組合副執行委員長)
       ×
   栗田隆子さん(働く女性の全国センター副代表 ライター)

15:10 特別講演/非正規職員1000人無期雇用は、どうやって実現できたのか!?
   徳島大学教職員労働組合 山口裕之書記長
16:30 終了

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No Labor Union No Rights Project

「労働組合がなければ、私たちの権利もない」「敬遠されがちな労働運動を身近なものに」そんな思いから、友人たちと始めた小さなプロジェクト。当日ロビーにて、オリジナルTシャツ、缶バッジなどを販売します。お楽しみに。

主催:大阪教育合同労働組合 
連絡先:大阪教育合同労働組合 http://www.ewaosaka.org/jp/
tel / 06 4793 0633   mail / info@ewaosaka.org

2013年10月19日

橋下市長の大学自治への介入と府大・市大の拙速な統合を憂慮する

■大阪府立大学と大阪市立大学の統合問題を考える懇談会
 ∟●橋下市長の大学自治への介入と府大・市大の拙速な統合を憂慮する

橋下市長の大学自治への介入と府大・市大の拙速な統合を憂慮する


橋下市長の大学自治への介入を憂慮する

 大阪府と大阪市は、10月9日、大阪府立大学と大阪市立大学を統合した新大学を設置・運営する新法人について「新法人基本方針」を発表し、同時に府・市・両大学が策定した「新大学案~新世代の大学~大阪モデル」を発表しました。両大学の統合計画を立案してきた大阪府市新大学構想会議(両大学関係者は委員に入っていません)から同日、新大学の「ガバナンス改革について」の提言も出されました。市大・府大統合計画を実行に移す態勢が整ったといえます。しかし、大学自治にかかわる二つの大きな問題があります。

 一つは学長選考のあり方です。新大学では理事長と学長を分離し、理事長は設立団体の長が任命し、学長選考については学外者が多数を占める学長選考会議(学外者が委員長)が行い、「全学意向投票」は廃止するとしています。 橋下徹大阪市長は、8月9日の記者会見で大阪市大の学長選考における教職員の意向投票について「学長を選ぶのに何の権限もない教職員が一票を投じるなんてふざけたことを言ってきた、まかりならんと突き返した」と、意向投票があたかも不法、不当なものであるかのように攻撃し、制度の見直しを指示していましたが、市長の意向を反映した方針が出されたことになります。

 学長選考における意向投票は、大阪市大の定款及び理事長選考規程に基づいて大学内の意向を調査するためのものであって、何ら不法なものではなく、国立大学でこれを実施している大学も多く、市長の発言は一般市民に誤解を与えかねないきわめて悪意のある発言です。大学が国民から付託された使命を果たすためには、教職員の高度の自発性と深い責任の自覚が不可欠であり、適切な意向投票がそれに寄与することは疑いありません。 もう一つは、新大学における教授会のあり方です。教授会は、学校教育法で「大学には、重要事項を審議するため、教授会を置かなければならない」と定められています。大学運営の要をなす組織です。ところが橋下市長は10月9日の会見で「人事に教授会がしゃしゃり出るというばかげたやり方は認めない」と強調しました。現在、大阪市大では研究科長は研究科教授会で選ばれていますが、新大学ではこの選出方法をやめ、部局長(研究院長等)の推薦する複数の候補者から学長が選考し、理事長が任命するとしています。また、現在教授会がおこなっている教員人事は、学長のもとに人事委員会を設置し、人事を一元化するとしています。新大学では教授会の人事が奪われ、大学自治を担う基本組織が弱体化することが懸念されます。

 大阪市は、2016(平成28)年の新大学設立に向け、まず今秋、大阪市大の現「定款」を変更して理事長と学長を分離し、意向投票を廃止した新選考規程によって次期学長選考を実施しようとしています。大阪市大はいま重大な岐路に立たされているといわなければなりません。

 大阪市大は、近代大阪の骨格をつくった大阪市長・関一の絶大な努力によって創設された大阪商科大学の自由の学風をうけついで、戦後、他の市立高等教育機関と合わせて日本最大の公立総合大学として創設されました。学長選考問題に留まらず、市大で長年にわたって築きあげられてきた学問の自由と大学自治の伝統がいま根底から脅かされているのではないでしょうか。市大で起こっている事態は大阪府大にも深くかかわる問題です。

 大学の自治は、憲法23条の「学問の自由は、これを保障する」という規定に基づく大学存立の大原則です。これは、日本の大学が戦前、京大滝川事件など国家権力の弾圧でその使命を十分果たせなかったことに対する痛切な反省に基づいて生まれた規定です。大学自身がたえず厳しく自己を省みることは当然ですが、大学をめぐる環境が変化するなかでも、大学の自治はその真価を発揮させていくべき普遍的原理です。橋下市長は、世界と日本の歴史が生みだした学問の自由と大学自治という普遍的価値をまったく理解していないと言わなければなりません。

府大・市大の拙速な統合を憂慮する

 大学には独自の建学の精神と伝統があり、専門分野も独自に発展を遂げてきました。大阪市長・関一は、商科大学設立にあたって、「国立大学のコッピーであってはならない」、「大阪市立大学は、大阪市を背景とした学問の創造が無ければならない。この学問の創造が、学生、出身者、市民を通じて、大阪の文化、経済、社会生活の真髄となっていくときに、設立の意義を全くする」と述べました。この理念は日本の公立大学の歴史における輝かしい歴史的達成であり、戦後の新制大阪市大にも発展的にうけつがれ、いまも2010年の「大阪市立大学憲章」などにその発展した内容を見ることができます。府立大学にもまた、独自の建学理念と大阪に根ざした個性的な歴史があります。しかし、今回の「新大学案」では、かつてない「改革」に立ち向かうために想起すべき両大学の歴史と自由の伝統、それに基づく個性的かつ普遍的な大学の理念が生き生きと伝わってこない憾(うら)みがあります。

 大学の統合はそれぞれの大学の内発的要求が合致し、財政的保障が十分なされなければ難しいと言わなければなりません。現在は予算削減が先行し、「新大学案」においても「新法人」への府・市の財政的支援方針の策定は次年度以降にまわされています。優れた人材が大学を去る事態さえ起こりかねないと懸念します。高度の有機的な研究教育機関である二大学の統合計画をこのまま進めるというのはあまりに拙速と言わざるをえません。

 府大・市大の統合問題は、大阪府民・市民にとってもきわめて重大な問題です。府民・市民にとって、比較的安い授業料で自宅から通える二つの公立総合大学があることは大きな意味があります。

 橋下市長は、府内に府大・市大が存在するのは「二重行政」であり、あわせて2百億円の運営交付金は府民・市民の過重負担だと批判してきました。しかし、公立大学設置自治体には総務省助成交付金があるため、2008年度でみると、府と市の運営交付金240億円の約8割(190億円)は国から助成され、府と市の純経費(持ち出し)はあわせて約42億円にとどまります。橋下市長の発言は、国の助成を無視した妥当性を欠く発言です。ちなみに、府立大学の学生一あたり純府経費は11万7千円で、2010年度に始まった高校授業料無償化額11万8800円と同水準です。二大学統合の結果、子や孫の学ぶ場が今までどおり保障されるかどうかに府民・市民は大きな関心をもたざるをえません。橋下市長は統合の目的を「大阪の成長戦略への貢献」においていますが、大阪の知的・文化的拠点である公立二大学の統合は、より総合的な府民・市民の立場から慎重に検討されなければなりません。今年3月の大阪市議会財政総務委員会では、「市立大学と府立大学の拙速な統合撤回を求める陳情書」が賛成多数で採択されましたが、当然の市民の声といわなければなりません。

 私たちは、「新法人基本方針」や「新大学案」が発表されたこの機会に、両大学の内部で徹底的な討論が起こることを期待します。私たち、両大学の元教員や卒業生なども、この機会に学内の皆さんとともに、大阪府民や市民の意見も尊重しながら、両大学の将来のあり方を真剣に考えたいと思います。その立場から、橋下市長の大学自治への介入と統合計画の拙速な推進を深く憂慮することを表明いたします。

2013年10月15日
大阪府立大学と大阪市立大学の統合問題を考える懇談会
世話人 (○印は代表世話人)
東 恒雄(大阪市立大学名誉教授)
飯田 武(大阪市立大学名誉教授)
石神正浩(大阪府立大学名誉教授)
今井義郎(元大阪府立大学教授)
上田悦範(元大阪府立大学教授)
甲斐道太郎(大阪市立大学名誉教授)
川崎東彦(大阪府立大学名誉教授)
鬼追明夫(元日本弁護士連合会会長・大阪市立大学卒業)
○ 小林宏至(大阪府立大学名誉教授)
梶浦恒男(大阪市立大学名誉教授)
木津川計(「上方芸能」発行人・大阪市立大学卒業)
澤田進一(大阪府立大学名誉教授)
高森康彦(大阪府立大学名誉教授)
直木孝次郎(大阪市立大学名誉教授)
西谷 敏(大阪市立大学名誉教授)
穂波信雄(大阪府立大学名誉教授)
増田繁夫(大阪市立大学名誉教授)
溝川悠介(大阪府立大学名誉教授)
三本弘乗(元大阪府立大学教授) ○ 宮本憲一(大阪市立大学名誉教授・滋賀大学名誉教授)
和田野晃(大阪府立大学名誉教授)



[同ニュース]
橋下大阪市長の府・市大学統合問題、大学関係者が憂慮声明
府立大・大阪市立大:統合計画 OBら声明「拙速な統合、憂慮」 /大阪

2013年10月18日

学長人事選考をめぐる諸問題についての公大連見解

学長人事選考をめぐる諸問題についての公大連見解

2013年10月7日
全国公立大学教職員組合連合会中央執行委員会

 去る8月9日、橋下徹大阪市長が、任期満了に伴う大阪市立大学の学長選考を前にして、大学自治を侵しかねない重大な意見表明を行ったことが、新聞等により報道されました。同大学がこれまで教職員による学長選挙を実施し、その結果にもとづいて学長選考会議が候補者を市長に伝えるという手続きを踏んでいたのに対し、橋下市長は「(教職員による選挙につき)ふざけたこと。そんなのは許さん。」「選考会議に僕の意見を反映させる。それが民主主義だ。」と述べ、同大の学長選考に直接介入する意志を示しました(8/9朝日新聞夕刊)。この問題は一大学の内部事情にとどまらず、全国的に学問の自由と大学自治に多大なダメージを与えかねない危険性を孕んでいます。

 そもそも、大学構成員による学長選挙は大学自治の一環として、戦後日本の大学で通常に行われてきたものです。確かに大学の法人化を契機として、多くの公立大学では構成員による選挙の規程を失い、一部に意向投票の制度を残すのみとなってしまいました。しかし、国立大学においては、今でもこの全学投票が大きな力を有していますし、私立大学においても同様の手続きで学長を選出することは決して特異な例外ではありません。このような制度に対し、橋下市長は「何の責任もないメンバーが1票を投じるなんてまかりならない。選挙で選ばれた市長が任命するのが民主主義だ。」と話したとも報道されています(同日付毎日新聞夕刊)。報道された発言の細部に誤りがないとすれば、まことに奇異な主張です。

 大学運営に「責任」は重要だと思います。けれども「何の責任もないメンバー」とは誰のことなのでしょう。もしそれが大学構成員を指すことばであるとするならば、大学という組織や制度に対する大いなる無理解だと言わざるをえません。また、「選挙で選ばれた」ことが絶対的な力の根源であるならば、大学の中での選挙を敵視することと根本的な矛盾とならざるを得ないと思うのですがいかがでしょう。大学構成員にだけは民主主義は要らないということでしょうか。

 しばしば、大学を企業に擬えて「トップを選挙で選ぶ会社がどこにあるか」などと、構成員の意向投票を敵視する発言が法人化以降いくつかの大学で見られますが、大学の運営は企業経営とは全く違うものです。大学は、運営そのものが「学問の自由」や「大学自治」と不可分の関係にあるからです。また、それ故にこそ、憲法23条において「学問の自由」が明文化され、ユネスコの「高等教育職員の地位に関する勧告」第18項にも、大学の自治を、「学問の自由が機関という形態をとったものであり、高等教育職員と教育機関に委ねられた機能を適切に遂行するための必須条件」と規定しているのです。加えて地方独立行政法人法の採決に当たっての附帯決議にも、「憲法が保障する学問の自由と大学自治を侵すことのないよう、大学の自主性、自律性が最大限発揮しうる仕組みとすること」とあったのではないでしょうか。

 運営費交付金というお金を受けている以上、大学運営の説明責任は重いと思います。しかし独立行政法人化した公立大学は、大学基準協会等の審査を受け、且つ設置団体の評価委員会の審査を受け、というように、既に過大なまでの説明責任を果たしています。「責任」を根拠として学長選挙に否定的な意見が一部の大学で見られますが、学長を公選にしている大学は現在でも数多くあります。これらの大学で、何か重大な責任を負うべき不祥事でもあったというのでしょうか。仮にそうした事例があったとして、それは学長の公選に原因を有していたというのでしょうか。

 大学は、原則的に何十年と継続していくことを想定して運営されています。組織的に社会に容認されないような運営を行えば、たちどころにその責任は大学構成員に跳ね返ってきます。この間、大学改革と称して数多くの政策提言がなされ、矢継ぎ早にその実施を求められた案件が数限りなくあります。また、この後にも幾つもの案件が控えています。しかし、教育・研究・診療の現場をまったく顧慮しない多くの改革案に対し、その効果を検証して「責任」を負うのはどこの誰なのでしょう。大学運営の「責任」を問題とするということは、そういうことなのではないでしょうか。

 教育も研究も、その成果の検証には時間のかかるものです。短期的視野で思いつき的に導入された諸制度が破綻したときには、責任をとるべき当事者がいない。それが、討議と選挙の機会を奪われた大学の現状であり、そのことこそが問題なのだと我々は考えています。

 最後に設置者権限という観点から一言述べておきます。
 確かに現在の地方独立行政法人法によれば、理事長の任命を設置団体の長である首長に委ねています。しかし、法人定款に定められた学長選考の機関である選考会議にまで、首長が直接介入することは想定されていない事態です。もし、大学自治の原則を犯してまで設置団体の長がここに介入するのであれば、そこには重大な不祥事など、首長の介入が必要とされるそれなりの根拠が必要となるはずです。

 もちろん公立大学はその設置形態からしても、設置団体との有機的な連携の中でその存在意義が発揮されるべきものです。しかし、それと同時に大学は教育・研究・診療という面で、更に大きな社会的責務の中で自らの使命を果たすことが求められています。そのような大きな観点から、大学の責任と体制は議論されなければなりません。大阪市のように首長が直接学長人事に介入せずとも、大学と設置団体、大学と市民との連携はこれまでにも十分に果たされてきましたし、これからも機能していくことでしょう。

 大学の自治について、附帯決議というような形でしか保証されなかったことに顕著なように、公立大学の地位は非常に不安定です。その不安定さを利用して設置団体の長が大学に干渉することは、特別な事情のない限り退けられるべきことです。大学の自治や学問の自由を持ち出すことは、決して大げさなことではなく、このような恣意的な政治介入を見過ごすところから大学の瓦解は始まるのだと、我々は警鐘を鳴らし、広く訴えたいと思います。


2013年10月15日

国家戦略特区WG「規制改革提案に関する現時点での検討状況」、「解雇しやすい特区」法案

首相官邸
 ∟●経済財政諮問会議 産業競争力会議 課題別会合(平成25年9月20日)

 開業率と対内直接投資が低水準にとどまっていることは、我が国の経済再生に向けて克服すべき重大課題。新たな起業や海外からの進出が拡大してこそ、よりイノベイティブな産業の創出、切磋琢磨を通じた競争力強化が見込める。
このため、新規開業事業者や海外からの進出企業などが、より優れた人材を確保できるよう、雇用制度上の特例措置を講ずるエリアを設ける。

<特例措置>
特区内において
・開業後5年以内の企業の事業所に対して、(2)(3)の特例措置
・外国人比率が一定比率以上(30%以上)の事業所に対して、(1)~(3)
の特例措置

(1)有期雇用
・契約締結時に、労働者側から、5年を超えた際の無期転換の権利を放棄することを認める。これにより、使用者側が、無期転換の可能性を気にせず、有期雇用を行えるようにする。
 → 「労働契約法第18条にかかわらず無期転換放棄条項を有効とする」旨を規定する。

(2)解雇ルール
・契約締結時に、解雇の要件・手続きを契約条項で明確化できるようにする。
仮に裁判になった際に契約条項が裁判規範となることを法定する。
 → 労働契約法第16条を明確化する特例規定として、「特区内で定めるガイドラインに適合する契約条項に基づく解雇は有効となる」ことを規定する。

(3)労働時間
・一定の要件(年収など)を満たす労働者が希望する場合、労働時間・休日・深夜労働の規制を外して、労働条件を定めることを認める。
→ 労働基準法第41条による適用除外を追加する。

<これに伴う措置>
上記の特例措置に伴い、不当労働行為、契約の押しつけや不履行などがなされることのないよう、特区内の労働基準監督署を体制強化し、労働者保護を欠くことのないよう万全を期す。

2013年10月14日

国士舘大・文学部の専任教員が“不正経理”指摘で授業凍結3年、懲戒、体育学部に放逐 書道予算めぐり

MyNewsJapan
 ∟●国士舘大・文学部の専任教員が“不正経理”指摘で授業凍結3年、懲戒、体育学部に放逐 書道予算めぐり

国士舘大・文学部の専任教員が“不正経理”指摘で授業凍結3年、懲戒、体育学部に放逐 書道予算めぐり

佐々木奎一
(9/30 2013)
 
 国士舘の文学部日本文学・文化専攻の専任講師の村崎氏は、3年以上の授業凍結の挙句、武闘派で名を馳せる体育学部体育学科に異動となった

 国士舘大学文学部の専任講師に01年に就任した村崎京子氏(現40代女性、仮名)は、会計担当に任命され、先輩教授から書道の予算に不正があるのでただすよう言われ、暴いた。その結果、村崎氏はその予算を使っていた教授一派から反感を買ってしまい、その一派から文学部長に昇進した藤田忠氏より、「学生から授業の苦情がきている」と因縁をつけられ、授業を3年間以上も凍結させられてしまう。10年10月には、柔道の金メダリストなどの猛者を輩出する全国屈指の武闘派集団・体育学部へと放逐。たまりかねた村崎氏は11年1月、大学を相手取り、文学部専任講師の地位確認と慰謝料500万円を求め東京地裁に提訴したが、一、二審とも敗訴だった。なぜこの裁判は勝てなかったのか?裁判で明らかにされた真相は?裁判資料や原告・被告への取材から見えてきたのは、有名私大のネチネチした陰湿な派閥抗争と、裁判の限界だった。(訴状、判決文は記事末尾からPDFダウンロード可)
……以下,略……

2013年10月13日

私学ずさん経営、監視強化…立ち入り検査可能に

読売新聞(2013年10月13日)

 経営破綻に陥るなどした学校法人に対する立ち入り検査などを可能にするため、政府が私立学校法を改正する方針を固めたことが12日、分かった。

 大学や専門学校、幼稚園の廃止で学生にも混乱が広がった学校法人「堀越学園」の解散(群馬県高崎市)の例を教訓に、問題を抱える法人を早い段階から把握する狙いがある。

 改正案では、学校法人の運営が混乱するなどの「重大な問題」が生じた場合、文部科学省や都道府県は実態を把握するため、立ち入り検査ができると規定。法令違反などが発覚すれば改善命令を出すほか、法人の財産を流用するなどした役員に対する解職命令も明記する。法人の解散がほぼ決まった時点で、新規入学者の受け入れを停止させたり、在校生の転学を命じる措置なども検討している。年明けの通常国会への法案提出を目指す。


2013年10月12日

名古屋女子大学不当解雇事件、越原学園側高田事務局長への証人尋問 10月31日

■谷口教授を支援する会」事務局メール・ニュース

 本会が支援している名古屋女子大学教職員組合副委員長の谷口氏は現在、解雇撤回などを求めて裁判を闘っていますが、すでにお伝えしたとおり、同組合委員長である山井氏も解雇撤回裁判を闘っています。
 さる9月2日(月)に、山井氏本人の尋問と越原学園副理事長の尋問が名古屋地裁でおこなわれ、その尋問も谷口教授支援に関連があるということで皆様にご案内させていただきました。
 おかげさまで当日は傍聴席をほぼ埋めることができ、大いに勇気づけられました。
 ご支援に改めて感謝いたします。

 ただ、この日の証人尋問では、出廷予定だった越原学園側証人の高田事務局長が体調不良を理由として出廷しなかったため、同人への証人尋問が下記日時に延期されることとなりました。
 高田事務局長も、谷口教授解雇問題等における重要人物ですので、ご都合が許されるようでしたら、傍聴支援をよろしくお願い申し上げる次第です。

 日時 2013年10月31日(木)15:00~17:00までの予定
 場所 名古屋地方裁判所1階のエレベーター前に14:40待ち合わせ
    名古屋市中区三の丸1丁目4-1 電話052-203-1611
 交通 地下鉄 市役所駅の5番出口から西へ徒歩10分ほど
        丸の内駅の1番出口から北へ徒歩10分ほど

 内容 高田事務局長が、山井氏の勤務ぶりや教職員研修室の意義、教職員研修室で命じる予定だった業務内容、解雇に至る経過などについて証言する予定


2013年10月11日

大阪府市新大学構想会議、「ガバナンス改革について」 学意向投票を実施しない

大阪府市新大学構想会議
 ∟●ガバナンス改革について(2013年10月9日)

ガバナンス改革について

大阪府市新大学構想会議
2013年10月9日

目 次
1. 現行のガバナンス体制の課題
2. 改革の方向性
(1) 法人経営と教学体制の分離
 (2) 学長、教育研究組織の長の選考
(3) 教員人事のあり方
(4) 目標管理と評価
(5) キャンパス戦略

1. 現行のガバナンス体制の課題

・府立大学、市立大学ともに独法化や合理化の過程で、この数年間、運営の仕組みを変えてきた。

・しかし、時代の流れを先取りしたダイナミックな資源(ヒト、モノ、カネ)の重点配分ができるリーダーシップ構築に向けて一層の改革が求められる。

・また、評価(教員活動評価、授業評価など)結果の公開に基づく自律的改善の仕組みや透明性の確保が不十分である。

・ 新大学の設計にあたっては、これらのガバナンス課題を解決できる体制を構築する。

・府立大学及び市立大学の既存の部局の細則や申し合せ等については、学長選考、教員人事に関する大学規則に沿って、廃棄もしくは修正すべきである。

……(略)……

(2) 学長、教育研究組織の長の選考

④ 学長選考の方法

・法人化した大学において、法人の経営審議機関と教育研究審議機関の構成員のうちから選出された者で構成する理事長・学長選考会議の申し出に基づき、設立団体の長が理事長・学長を任命する(地独法71条)。

・理事長=学長の選考に際し、意向投票を行うかどうかは法律や定款事項ではない。選考会議の判断により、国立大学などで行っている例が多いが、公立大学では、大阪市立大学、下関市立大学など数例しかない。

・加えて、現行の市立大学方式は、選考委員の2/3が学内者であり、学内関係者の意向を強く反映する仕組みとなっている。

・府立大学は、法人化を契機に学内の意向投票を廃止したが、市立大学は従来から、学内の意向投票を実施しており、法人化後も引き続きこの手法により実施してきた。

・理事長と学長を分離した場合の学長選考方法も、法人の経営審議機関と教育研究審議機関の構成員のうちから選出された者で構成する学長選考会議の選考に基づき行う、となっている(地独法71条、P7概念図参照)。

学長・理事長分離体制のもとでの学長選考の考え方

1.設立団体との協調
設立団体が策定する中期目標を誠実に実行するとともに公立大学としての大学運営に関し、市民に責任を負える人材を選任すること

2.理事長との協働
理事長と協働して中期計画を効率的に実行し、大学改革をリードする人材を選任すること

3.学内の意向を反映
教育・研究や改革の実際の担い手である教職員のモチベ―ションの向上につながる選考方法であること

4.全学意向投票の廃止
学内部局間、キャンパス間、教員間でしこりを残さないため全学意向投票を実施しない

⑤ 研究院長・研究科長、学部長・学域長等の選考の方法

・市立大学では、学部長は教員による学部運営に責任を負うことから互選で選ばれている。しかし、学部長は、教育研究評議会委員でもあり、学長とともに大学運営を牽引する責任も負っており、任命権は理事長にある。
・府立大学もかつては教授会による選考だったが法人化を契機に改革し、学域長等の推薦に基づき、理事長が選考・任命することとした。学域長等は、当該学域等の専任教授のうちから学域長等候補者として2人以上の者を理事長に推薦している。(推薦方法は問わない。)
・新大学では、研究院長等部局長が2-3人を推薦し、学長がその中から選考し、理事長が任命することとする。(但し、開設時別途検討する。)
・研究院長は、原則として対応する研究科長、学部長・学域長を兼任する。 ただし、対応する学部・学域が複数の場合、または学部・学域、研究科に対応する研究院が多数の場合は、学長が独自に選考し、理事長が任命する。
……以下,略……

大阪府立・市立大統合「学長選廃止を」 有識者会議提言

日経(2013/10/10)

 大阪府立大と大阪市立大の統合のため府市が設置した「新大学構想会議」は9日、統合後の大学では学長選考で教職員による投票を廃止することや、理事長と学長を分離することなどを求める提言を府市に提出した。

 提言は両大学のガバナンス体制を検証。市大は教職員の意向投票結果を尊重して学長を選んでいるが、こうした方法は公立大では数例しかないとして廃止を提言。大学法人の経営審議機関と教育研究審議機関の構成員から選出した選考会議が選び、最終的には首長が任命するよう求めた。

 理事長と学長の兼務もやめ、理事長は経営や改革を担当し、学長は教育研究を担当する体制が望ましいと指摘した。

 市大の学長選考を巡っては、橋下徹市長が8月「全教職員の投票なんか許さない」と述べ、選考方法の見直しを指示していた。


狂った日本の奨学金制度、大学卒業のために「720万円の借金(利子付き)」を背負うのは自己責任?

BLOGOS(2013年10月10日)

奨学金問題、最近話題になっていますね。当事者である大学2年生のTさんを取材させていただくことができました。

卒業時に720万円の借金

Tさんは現在大学2年生。都内の大学に通っています。奨学金を利用して、毎月12万円の支援を受けています。諸事情で大学に5年間通うことになったので、12万円×12ヶ月×5年で、計720万円の「支援」を受けることのなっています。彼が利用しているのは無利子の奨学金ではないため、この額に利子が加算されることになります。

卒業時に720万円の借金を背負わせるって、クレイジーすぎやしないでしょうか。しかも利子付き。ぼくは幸い親に学費を出してもらいましたが、自分がそういう状況にあると考えると、リアルにゾッとします。

今は社会人5年目ですが、まだ返済終わってないでしょうね…。毎月5万円返しても144ヶ月、つまり12年ですから(実際には利子があるので、これ以上の期間になります)。

毎月12万円というと結構な額に聞こえますが、このくらいの額は、学費と生活費ですぐに消えてしまいます。特に苦しいのは、勉強のために本を買ったり、イベントに参加するお金まで制限されてしまうことだ、と漏らします。

「本当は都内のイベントとかに参加したいんですけど、郊外に住んでいるのもあって、交通費とか厳しいんですよ。食費も削りながらギリギリで生活しています」

就職に関しても不安があると語ります。話にある通り、奨学金に苦しむ人は、ブラック企業に搾取されやすいのかもしれませんね…。

「ぼくが通っている大学は偏差値がそれほど高くないので、大企業に入ることも難しそうです。会社を選ばなければ就職はできると思いますが、借金があるので、それこそブラック企業でも我慢して働くことになってしまうかもしれません…。将来は途上国関連の仕事をしたいのですが、借金を返すために、選択肢が狭まることが怖いですね」

増えつづける借金を考えると、大学を辞めるという選択肢も浮かび上がってきます。

「今、大学を辞めれば借金は200万円以上少なくて済むんです。就職も不安ですし、自分で稼ぐ力を付けて、いっそ大学を辞めてしまうのが合理的なのかもしれない、と思い始めてきました。もちろんせっかく入った大学なので、卒業したいという思いは強いのですが…。」

話の中で、彼が「こんなんじゃ少子化は解決できないですよね」と漏らしていたのが、まさに、という感じで印象的です。確かに、借金が720万円ある状態では、結婚をする、子育てをするという発想にはなりにくいでしょう。

「奨学金が返せない」のは自己責任なのか?

早速ツイッターでは、「いくらの借金ができるかなどを加味して奨学金は受けるものではないのでしょうか?それをせずに借りたのなら借りた側の責任だと思います」といった主旨のリプライも届いています。

これ、どうなんでしょうね。少なくともTさんの場合は、そもそも「借金をしなければ大学に進学できない」という経済状況のようでした。となると、「いくらの借金ができるかなどを加味して奨学金は受けるものではないのでしょうか?」という論理が正しいとしたら、Tさんは大学進学をそもそも諦めざるをえない、という結論になりかねません。

生まれ落ちた家庭の経済環境は選べませんから、人によっては、自己責任ではないのに、教育の道が断たれることになってしまいます。ぼくはたまたま家庭がそれなりに裕福だったから大学に行けましたが、場合によっては行けなかった、ということです。そういう社会は嫌ですけどねぇ。機会の平等というやつです。

また、「返せると思って借りたけれど、雇用情勢が悪くて返すのが難しくなった」というケースもあるでしょう。「就職できないお前が悪い!」と自己責任を押しつける向きもあるのでしょうけれど、それは流石に酷だと思います。景気が悪いことまで自己責任にするのは無茶な論理です。

NHKの報道によれば現在奨学金の返済を滞納しているのは33万人に上るそうです。長期的には、MOOCのような教育コストを下げるテクノロジーが解決策になるのでしょうけれど、今まさに困っている人に関しては、どのような解決策がありえるのか…話を聞いていて暗鬱な気分になりました。studygiftとかlumniのような、コミュニティ型の支援サービスがうまく補完できればいいですが、これもお金が集まる人とそうでない人の差が出るでしょうしねぇ…。

奨学金問題、引きつづき取材をしていきたいと思います。関連サイト、記事も挙げておきます。

「パワハラは事実無根」、解雇の女性教授が申し立て

産経新聞(2013.10.8)

 同僚や部下へのパワーハラスメントなどを理由に諭旨解雇処分となった産業医科大(北九州市)産業保健学部長で教授だった40代の女性が8日、事実無根として、地位保全や賃金の仮払いを求める仮処分を福岡地裁小倉支部に申し立てた。

 女性の代理人弁護士によると、大学は8月ごろ、女性が教員5人に「口汚い内容のメール送信」などパワハラ行為をし、うち3人を2011年3月に退職に追い込んだとして懲戒委員会を開き、今月7日に諭旨解雇とした。

 女性は「大学はパワハラ行為を特定しておらず、調査は不十分。大学運営をめぐって理事長と対立していたため、大学側が虚偽のパワハラをでっち上げた可能性が高い」と主張している。

 産業医科大は諭旨解雇を認めた一方、「関係者のプライバシーの問題があり、処分の理由など詳細は公表できない」としている。


自由法曹団、派遣労働を恒常的・永続的な制度にする労働者派遣法の大改悪に反対する声明

自由法曹団
 ∟●派遣労働を恒常的・永続的な制度にする労働者派遣法の大改悪に反対する声明(2013年9月25日)

派遣労働を恒常的・永続的な制度にする労働者派遣法の大改悪に反対する声明

規制改革会議答申は、2013年6月5日、「『常用代替防止』等を見直す」とし、派遣期間の在り方等を検討することを提起した。この答申を受けて、安倍内閣は、6月14日、派遣期間の在り方の見直し等を含む労働者派遣制度の見直しを閣議決定した。厚生労働省に設置された今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会は、8月20日、報告書を発表した。これらの答申、閣議決定、報告を受けて、現在、労働政策審議会は、労働者派遣法の改定案を年内に取りまとめ、政府は、来年の通常国会に労働者派遣法の改定案を提出する予定と伝えられている。

労働者派遣制度の在り方に関する研究会(在り方研)報告は、冒頭、「我が国の労働市場・経済活動において、労働者派遣制度は労働力の迅速・的確な需給調整という重要な役割を果たしている。こうした役割を評価し」と述べている。しかし、これは、低賃金・不安定雇用の労働者派遣の実態をみない、労働者の雇用と労働条件の保護に逆行する評価である。 在り方研報告は、「常用雇用代替防止は、派遣先の常用労働者を保護する考え方であり、派遣労働者の保護や雇用の安定と必ずしも両立しない面がある。」として、「無期雇用派遣については、今後の常用代替防止の対象から外す」、「有期雇用派遣については、これまでと同様、常用代替防止の対象として一定の制約を設けることが適当」としている。しかし、常用代替防止とは、「派遣労働者を常用労働者の代わりに使用してはならない」という原則であり、1~3年の期間制限を超えて派遣労働者を使用する場合には、派遣先は派遣労働者を正社員にする義務があるという原則であり、今後とも守られるべき原則である。

在り方研報告は、無期雇用派遣については派遣期間制限を一切なくし、有期雇用派遣については3年の派遣期間制限を設けるとしている。しかし、有期雇用派遣の場合でも、派遣先は、派遣労働者を代えれば永続的に労働者派遣を使用することができる。この場合、在り方研報告は、3年の派遣期間制限を超える場合、派遣を継続するか否かについて派遣先の労使がチェックする制度を設けるとしている。しかし、今でも、派遣期間制限違反、偽装請負等の違法派遣が労使のチェックを受けずに横行している実態からして、上記の派遣先のチェックが実効性を持つことは期待できない。

さらに、在り方研報告は、「派遣元は、同一の有期雇用派遣労働者が派遣受入期間の上限に達する場合は、①派遣先への直接雇用の申入れ、②新たな派遣就業先の提供、③派遣元での無期雇用化等のいずれかの措置を講じなければならないこととする。」としている。しかし、従来、派遣先の直接雇用がまったく実行されず、新たな派遣就業先の提供も実行されないことが多い実態からして、これらの雇用安定措置の実効性もまた期待できない。

安倍政権が押し進める労働者派遣法の改悪のもとでは、一方で、低賃金・不安定雇用の最たるものである労働者派遣が蔓延し、他方で、派遣労働者は派遣先の正社員になる道を閉ざされてしまうことになる。これでは、直接雇用の原則はますますないがしろにされてしまう。 私たちは、安倍政権が押し進める労働者派遣法の大改悪に反対し、製造業派遣・登録型派遣の全面禁止、違法派遣の場合の正社員と同一の労働条件での直接雇用みなし制度、派遣労働者と派遣先の正社員との均等待遇等の労働者派遣法の抜本改正を強く要求するものである。

2013年9月25日
自 由 法 曹 団
団 長 篠 原 義

2013年10月04日

組合員102人で早稲田ユニオン分会が発足!

首都圏大学非常勤講師組合
 ∟●早稲田ユニオン分会発足にあたって

早稲田ユニオン分会発足にあたって

 9 月 21 日土曜、早稲田大学戸山キャンパス 36 号館 581 教室にて首都圏大学非常勤講師組合の臨時総会・早稲田ユニオン分会設立集会が開かれました。臨時総会での議決の結果、早稲田大学に勤める 102 人の組合員を擁する早稲田大学ユニオン分会がついに結成され、早稲田大学文学学術院非常勤講師、大野英士(おおのひでし)が同分会の代表に選ばれました。また母胎である首都圏大学非常勤講師組合も組合員 409 人を数える大きな組合に成長いたしました。

 当日は 14 時より多数のマスコミ関係者の参加を得て記者会見が行われました。記者会見では、首都圏大学非常勤講師組合委員長、松村比奈子が、非常勤講師に契約年限 5 年上限、持ちコマ4コマ制限を課した早稲田大学の就業規則制定後から最近までの情勢と首都圏大学非常勤講師組合の精力的な取り組みを強力にアピールしました。この模様は IWJ 様のご協力により、Youtube で全国に配信・中継されました。

 早稲田大学の今回の一連の動きは労働契約法 18 条「有期雇用労働者の無期労働者への転換」、19条「不合理な解雇理由による解雇の制限」、20 条「有期と無期の間の不合理な労働条件の禁止」をすべて脱法することが目的となっていました。しかし、組合の精力的な取り組みにより早稲田大学は窮地に陥っており、5 年上限の切り札と考えていたクーリングオフを撤回せざるをえなくなるなど大幅な譲歩を迫られています。また労働基準局も組合の告発・告訴を受けて、労働基準法の規定を無視して行われた就業規則制定を問題視し、積極的な捜査を行っており、早稲田はこの面からも追い詰められています。

 15 時より行われた臨時総会は、54 名の出席によって成立し、分会の設立、5年雇い止め・早稲田問題への対応、早稲田ユニオン分会の設立などが、満場一致(採決時 49 名+委任状 166=215)で決定されました。そして臨時総会・結成集会の参加者全員の拍手によって「結成宣言」が採択されました。

 お忙しいなかで参加された組合員の皆様に感謝いたします。早稲田一文出身で会場に駆けつけていただいた日本共産党参議院議員吉良よし子さんをはじめ支援者の方からも力強い支持・支援のご挨拶をいただきました。10 月より専任教職員組合委員長就任が決まっている岡山茂政経学部教授からは、専任教員組合も非常勤組合と全面的に協力し、共に5年上限等の撤廃に向け闘っていくことを確約していただきました。あわせて感謝申し上げます。

 多方面から追い詰められた状況にある早稲田大学理事会ですが、雇い止め確認を求めた雇用条件確認書に組合のすすめに従って留保をつけた日本語インストラクターに、あくまで来年 3 月末の 5 年雇い止めを通告するなど、頑迷な迷走を依然として続けています。クーリングオフを封じられた早稲田は秋以降、非常勤講師に対しても、雇用条件確認書の提出・署名を求めるなど、より露骨な恫喝をかけてくることも考えられます。

 この早稲田理事会の方針を撤回させ早稲田大学をその名にふさわしい教育・学術の府に戻すためには、不安定な労働条件のもと早稲田大学を支えてきた非常勤講師をはじめとする、皆様、全ての非正規雇用労働者の協力が必要です。組合は、非常勤講師はもとより、日本語インストラクター、早稲田インターナショナル、キャンパスなど、早稲田で働く全ての非常勤雇用教職員に開かれています。

 是非この機会に非常勤組合・早稲田ユニオン分会にご加入いただき、早稲田大学による不当な雇用条件の不利益変更に反対の声を挙げていただければと思います。 非常勤講師組合・早稲田ユニオン分会は皆様の立場を危険にさらすことなく、早稲田からの攻撃の矢面に立ってあらゆる手段を動員して戦う決意を固めております。何卒、皆様のご支持・ご協力をお願いします。

2013 年 9 月 23 日
首都圏大学非常勤講師組合執行委員・早稲田ユニオン分会代表
大野英士

早稲田大学、脱法行為はしないと約束

しんぶん赤旗(2013年9月26)

 早稲田大学では、首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉で、大学側が改定労働契約法に対する脱法行為は行わないと約束しています。

 改定労働契約法は、有期雇用を5年継続すると無期雇用へ転換できる、とする規定を導入。早大はこれを回避するため、非常勤講師を5年で雇い止めとする就業規則改定を強行しました。

 しかし、約4000人いる非常勤講師を失えば大学運営が成り立ちません。法学部では、非常勤講師を5年の間に順次、半年間休職させて契約期間をリセットして再雇用する「クーリング偽装」を計画するアンケートが配布されていました。

 組合側によると、7月22日の団交で、理事会側は「教務主任会を開催して、法学部の事例は不適切な取り扱いであると説明しています」と回答しました。

 8月22日の団交では、組合側が「クーリングは使わないということですね」と念押ししたことに対し、人事部長が「それは法的に違反なわけですよね。大学としてはやるつもりはありません」と答えています。

 組合側は、早大が「クーリング偽装」を違法だと認めて行わないとしたことは、他大学にも影響を与え、重要な意義がある、としています。

 日本共産党の田村智子参院議員は6月の質問で、谷川弥一文科副大臣から、「学校法人においても労働関係法に従う」という答弁を引き出しています。

 早大では、5年雇い止めの撤回を求めて、100人以上の非常勤講師が加入する早稲田ユニオン分会が21日に結成されています。


段階評価の新共通テスト創設、センター試験に代え-再生会議原案

時事通信(2013/10/03)

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は3日までに、1点刻みの大学入試センター試験に代え結果を段階別に示す新しい共通テストと、在学中に学習到達度を測るテストの2種類を創設することを柱とした大学入試改革の原案をまとめた。
 11日の会議で議論し、11月中にも安倍晋三首相へ提言する方針。どちらのテストも複数回受けられるようにする方向だが、具体的な制度設計などは中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)でさらに議論する。
 現役の高校生への影響を避けるため、導入時期は早くても5~6年後になる見通し。
 センター試験に代わる新テストは、受験生を段階別の点数グループに分けて評価。各大学は結果を基に、論文や面接などを加味して入学者を選抜する。
 到達度を測る新テストは、基礎的な学力の到達度を確かめる。希望者のみが受験し、大学入試や高校卒業認定には使わない方針という。

2013年10月01日

京大職組、55歳超教職員の昇給抑制を実施しないことを求める要求書

京大職組
 ∟●55歳超教職員の昇給抑制を実施しないことを求める要求書

55歳超教職員の昇給抑制を実施しないことを求める要求書

2013年9月26日

京都大学総長 松本  紘 殿

京都大学職員組合
中央執行委員長 西牟田祐二

55歳超教職員の昇給抑制を実施しないことを求める要求書

 京都大学職員組合は、人事院勧告での「55歳を超える国家公務員の昇給抑制」を本学教職員にもあてはめ、労使の合意形成の努力をすることもなく、一方的に2014年1月1日付けで実施することを9月25日の本学役員会で決定したことに対して異議を表明し、「強行実施」をしないことを強く求めます。
 
 特に教員の雇用開始年齢は高く、大学院修了後、各種研究員等を経てようやく常勤教員に雇用されることが一般的な状況となっており、生涯賃金等への影響も大きいものがあります。

 国家公務員との給与水準比では教職員の賃金が低いことを大学法人自ら公表しており、私立大学と比べても低い賃金水準にあるにもかかわらず、何の問題意識もなく、このような昇給抑制をそのまま実施することには反対します。教育・研究を支える人材確保をさらに困難にする措置であり、この観点からも撤回を強く求めます。

以上

大阪府大学教職員組合、大会決議

大阪府大学教職員組合
 ∟●大会決議

大 会 決 議

 教職員の労働環境が給与の特例減額、退職手当の引き下げと人員削減などによってますます厳しくなってきている中、大阪府大学教職員組合 2013 年度定期大会は、「大阪都構想」に翻弄され、大阪府市統合本部による大学統合の押しつけの下で、度重なる「大学改革」に疲弊しながらも、業務量の増大に向き合うすべての組合員の現状変革への熱い願いとともに開催されました。

 大阪市立大学との統合へ向けたトップダウンの策動は、教職員・学生への情報の公開を制限し民主的な議論を妨げるだけでなく、大阪府民の期待とともに発展してきた大阪府立大学の使命を踏みにじるものです。府大教は、高等教育と学術文化の発展を担う大阪府立大学が、府民をはじめ多くの国民が求める「公立大学」の使命を果たすため、拙速な大学統合に反対します。大学の自主性・自律性を発揮するためにも、十分な情報公開による民主的な議論を深め、叡智を結集して真の大学改革を目指しましょう。

 府大教は、労働運動の長い歴史の中で労働者自らが勝ち得た団結する権利を尊び、すべての教職員の団 結の下、教育研究環境と勤務労働条件の改善に向けて力強く前進していくことを決議します。

 「自ら大阪府立大学を守り、働く条件を改善するために組合加入を!」をスローガンに、共に頑張りましょう。

2013 年 8 月 26 日

大阪府大学教職員組合 2013 年度定期大会

熊本大学教職員組合、声明:「未払い賃金請求訴訟」を全面的に支援し、給与削減・退職金引き下げ問題を闘い抜こう

熊本大学教職員組合
 ∟●声明:「未払い賃金請求訴訟」を全面的に支援し、給与削減・退職金引き下げ問題を闘い抜こう

声明:「未払い賃金請求訴訟」を全面的に支援し、給与削減・退職金引き下げ問題を闘い抜こう

 2012 年 8 月 1 日、熊本大学使用者は、2011 年度の人事院勧告分として基本給:平均 0.23%の削減にくわえて、「国家公務員の給与改定及び給与の臨時特例に関する法律」(以下、「臨時特例」と略記する)に対応して、基本給:平均 7.8%(最大 9.77%)、賞与:一律 9.77%、管理職手当:一律 10%という前代未聞の大幅な給与削減を行なった。さらに使用者は、組合との団体交渉を一方的に打ち切り、2013 年 1 月 1 日、熊本大学教職員に対して改正「国家公務員退職手当法」と同一の退職金引き下げを強行するという不当労働行為を犯した。

 我われ組合は、昨年度の団体交渉において、労働法制の下にある本学教職員へのこうした行為が、労働契約法の求める「高度の必要性に基づいた合理的な内容のもの」でもなければ、「社会一般の情勢」(=民間の賃金水準)に適合させるものでもないことを明確にし、2012 年に締結した労働協約(「国家公務員の給与の『臨時特例』に対応した組合員の給与の取扱いに関する労働協約」)に明記された「経営判断上可能な範囲において、給与水準を最大にするよう努力する」という事項に基づき、給与削減率の圧縮、熊大使用者が想定した運営費交付金削減額と実際の削減額の差額分の返還、代償措置の実現を使用者に強く要求した。さらに組合は、退職金引き下げが労働者側の合意を得ていない労働条件の不利益変更・不利益遡及という違法性を孕んだものであることを指摘し、激変緩和措置の実施を要求した。しかし、谷口学長は「できる限りのことはしてきたと自負している」(2013 年 3 月 11 日の団体交渉)とまで強弁する有様である。これらの問題が、本学教職員の生活基盤を破壊し、人生設計の見直しを迫るきわめて深刻なものであるにもかかわらずにである。大学の自主的・自律的運営を行なう当事者能力・意欲の欠如は、ここに極まったと言わざるを得ない。

 我われ組合の粘り強い運動によって、医学部附属病院の医療職員等への給与削減の波及回避や「臨時特例手当」(2013 年 6 月期の期末・勤勉手当 9.77%削減分を補填する手当)を獲得することはできたものの、我われの要求の実現はごくわずかにとどまっている。組合が要求し続けてきた定年まで無際限に再任を認めている教員任期制の廃止は、経費負担増なく教職員の定着化を可能にする有効策でもある。度重なる給与削減によって優秀な人材流出に歯止めがかからない状況を招いている熊大使用者には、一刻の猶予も許されない。給与削減と退職金切り下げ問題に関する団体交渉は昨年度から継続中であり、熊大使用者は一日も早く交渉を再開すべきである。

 こうした熊本大学教職員の置かれた窮状と本学の危機的状況(私立大学や大都市圏の国立大学法人との給与格差による人材流出・優秀な人材確保の困難)を、組合は経営協議会学外委員に書簡で伝え(2013 年 6 月 7 日)、経営協議会において、①人事院勧告や政府の要請に左右されることのない、国立大学法人の教職員の適正な給与水準を実現できる制度作りを他の国立大学法人の学長たちと共同して始めること、②熊本大学教職員組合の要求事項をふまえて、2012 年度・2013 年度の給与減額の縮減に最大限努力することを提言するよう求めた。これを受けてか、本年度の第 2 回経営協議会(2013 年 6 月 14 日開催)において、学外委員から「国からの交付金が減額されることに伴い、教職員の給与を次々と減額しては、教職員のモチベーションが上がるはずもない」・「国の給与体系に準じるのではなく、時間はかかると思うが、教職員組合と協力し、熊本大学独自の給与体系を作ってみてはどうか」といった踏み込んだ提言がなされている。熊大使用者がこうした声に真摯に耳を傾け、大学の運営を担う当事者としての義務と責任を果たすための行動に出なければ、本学の将来など望むべくもない。

 むろん、給与削減・退職金引き下げ問題は、本学にとどまる問題ではない。全国の国立大学法人等では、未払い賃金の請求訴訟が相次いでおり(現時点で、全大教高専協議会、高エネルギー加速器研究機構職員組合、福岡教育大学教職員組合、山形大学職員組合、富山大学教職員組合、京都大学職員組合、新潟大学職員組合、高知大学教職員組合、原告 500 名以上)、いくつかの裁判では早ければ今年度内に判決が出る可能性がある。組合は、今年度の定期大会(8 月 1 日開催)にて、本学の課題と同様の争点で提訴したこれらの単組による裁判闘争を全面的に支援していくことを決定した。昨年度の団体交渉(2013 年 3 月 14 日)において、谷口学長が“熊本大学が訴訟当事者でないとしても、同じ内容の裁判の結果”については、退職した後でも“役員メンバーで責任を持ちます”と明言している以上、これらの裁判は我われの闘争でもある。熊本大学教職員組合は、「未払い賃金訴訟の公正な判決を求める署名」活動・募金活動を今年度の最重要課題の一つと位置づけ全力で取り組んでいくとともに、裁判も選択肢としながら、給与削減・退職金引き下げ問題に関する再開後の団体交渉において、削減された給与の奪還と代償措置の実現を求め総力をあげて闘い抜く。
 以上、2013 年度定期大会の議論をふまえ、ここに宣言する。

2013 年 9 月 11 日
熊本大学教職員組合執行委員会