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 カテゴリー 2015年08月

2015年08月31日

安保法案 国会周辺で最大規模の反対集会

NHK(8月30日 18時43分)

安全保障関連法案に反対する、これまでで最も規模の大きな集会が国会周辺で開かれ、参加した人たちは「戦争法案を今すぐ廃案に」などと訴えました。
集会は30日午後2時ごろから国会周辺で開かれ、主催者の発表でおよそ12万人、警視庁の調べで3万人余りが集まり、これまでで最も規模の大きなものとなりました。
このうち、国会の正門前では参加者が歩道だけでなく車道にも広がり、プラカードを掲げて、「憲法9条を壊すな」とか、「戦争法案を今すぐ廃案に」などと訴えました。
集会には音楽家の坂本龍一さんも参加し、「憲法の精神、9条の精神がここまで根づいていることを皆さんが示してくれ、勇気づけられている。憲法や民主主義を取り戻すためのとても大事な時期で、僕も一緒に行動していきます」と述べました。
続いて若者の代表として大学生の寺田ともかさんが発言し、「私の払った税金が弾薬の提供のために使われ、遠い国の子どもたちが傷つくのだけは絶対に止めたい。『やられたらやるぞ』と威嚇するのではなく、そもそも敵を作らない努力を諦めない国でいたい。戦争法案は絶対に止めることができると信じています」と訴えました。

看護師を目指す学生は
集会に参加した東京の佐竹美紀さん(23)はボランティア活動で、戦争で傷ついたアフガニスタンの子どもたちの医療支援をした経験から、「正しい戦争などない」と考えるようになったといいます。自衛隊員が誰かを傷つけたり、傷つけられたりする事態を招くべきではないと、法案に強く反対していて、看護師を目指す勉強の合間を縫って集会に駆けつけました。
佐竹さんは、「これまでの海外派遣で、自衛隊が武力を行使しないことで築いてきた信頼を、法案が崩してしまうのではないかと危機感を抱いています。一度、武力を行使する方向にむかうと歯止めがきかないと思うし、日本は人道支援や技術の提供で各国からの信頼を地道に得ていくべきだ」と話しています。

若者グループのメンバーは
安全保障関連法案に反対する若者たちのグループ「SEALDs」の中心メンバーの1人で大学4年生の元山仁士郎さんは、「きょうは多くの人たちと声を上げられることができ、勇気をもらった。今後も全国の若者と連携し、法案に反対の声を上げ続けていきたい」と話していました。
また、沖縄県出身の元山さんは「ずっと平和を求めてきた沖縄の思いが本土でも広がってきていると思う。これからもっと連携していけたらと思う」と話していました。

著名人も法案撤回求める
集会には安全保障関連法案に反対する著名人も参加し、ステージから法案の撤回を求めました。
作家の森村誠一さんは「戦争で最初に犠牲になるのは若者たちです。私はかつて戦時中に女性が竹やりを持たされ、訓練させられる光景を見てきました。だからこそ、絶対に戦争可能な国家にしてはいけない」などと訴えました。
このほか、宇宙物理学者で総合研究大学院大学の池内了名誉教授は「科学の軍事利用が具体的に始まり、海外に出かける兵士たちに武器を与える研究を科学者にさせるという状況が生まれつつある。今の段階でこうした芽を取り去るべきだ」などと主張しました。

警視庁 約2倍の警察官動員
安全保障関連法案を巡っては、国会の周辺で、これまでにも定期的に反対集会が開かれていますが、警視庁は今回、集会の規模が最も大きくなると予想されたため、これまでの2倍近い警察官を動員して警備と参加者たちの誘導に当たりました。
警察官は参加者たちに一か所にとどまらず進むよう呼びかけたり、不審な物がないか国会周辺をパトロールしたりしていました。警視庁によりますと、参加者たちは、当初の想定を超えて国会前の車道にまで広がりましたが、けが人などは出ず、大きなトラブルはなかったということです。

全国各地で反対集会
30日は国会周辺だけでなく、全国各地で安全保障関連法案に反対する集会やデモが行われ、名古屋市では、母親らのグループの呼びかけで名古屋駅前でデモ行進が行われ、参加者は「子どもを守れ」などと声を上げていました。
また、北九州市では参加者たちがサッカーの「レッドカード」をイメージしたという赤い服などを身に着けて中心市街地を歩きました。
広島市でも市民グループの呼びかけで集会が開かれ、参加者は街頭でチラシを配ったり、「戦争反対」などと声を上げたりして法案への反対を訴えました。
国会周辺での集会を主催した団体によりますと、30日は把握しているだけで全国のおよそ300か所で法案に反対する集会やデモが行われたということです。


揺れる創価学会員 安保法案で自民と協調「おかしい」

東京新聞(2015年8月30日 朝刊)

 公明党の支持母体・創価学会の会員が安全保障関連法案をめぐり揺れている。自民党と共に法案を推し進める姿勢に疑問を抱き、学会の旗を持ってデモに参加したり、法案の撤回を求めて署名を集めたりする会員も。学会に詳しい専門家は「学会が求めてきた庶民感覚に基づく平和主義と、右傾化する自公連立政権の政策が離れてきたため」とみる。 (安藤恭子)

 今月二十三日、東京・表参道であった安保法案反対のデモに、青、黄、赤の三色の学会旗がはためいた。入信三十年という埼玉県の介護職員の男性(49)は「公明は平和の党と思っていたが、変わってきた。解釈改憲を認めるなんておかしい」と小旗を振った。

 大阪市ではその前日、憲法学者の木村草太・首都大学東京准教授を講師に、会員有志が「法案への賛成・反対にかかわらず、会員で迷いを共有する場に」と「日本国憲法を勉強する創価学会員の集い」を開催。子供二人を連れた主婦(35)は「公明が法案に歯止めをかけたと信じているが、不安も出てきた。もっと自民に物を言って」と求めた。

 父母の代から会員の農業天野達志さん(51)=愛知県安城市=は七月末、ツイッターで「ひとりの学会員」と名乗り、公明に法案撤回を求める署名集めを始めた。「武力で抑止力を高める発想は学会の平和哲学に反する」と訴える。創価大と創価女子短大の教員ら有志の会も法案に反対する声明を発表、千六百人超が賛同の署名をした。

 法案への不安が広がる一方、「学会では声を上げづらい」と明かす人たちも。関西地方の七十代女性は「法案に反対したら、他の会員に『反逆者』と言われた。対話も拒まれ、孤独で悔しい」と嘆く。

 近代日本宗教史が専門の島薗(しまぞの)進・上智大教授は「九条の平和主義を重んじる学会の教えを考えれば、法案に対して多様な意見が出て当然」と理解を示す。「自民との協調で従来の学会の教えと党の政策との距離は広がるとしても、個々の会員の思いは抑圧されることなく、尊重されるべきだ」と語る。

◆政治的な利用遺憾
 創価学会広報室の話 九条の平和主義と専守防衛を踏まえ、それに基づく法案の審議が国会で進められていると認識しています。法案をめぐる会員の集会や動きは関知せず、公認したものでもありません。当会の名前と三色旗が政治的に利用されることは大変遺憾です。

 <創価学会> 日蓮の仏法を信奉する宗教団体で、会員数は公称827万世帯。1930年に創価教育学会として創立。太平洋戦争中、国家神道の強制に抵抗して多くの幹部が検挙された。戦後再建され、現名誉会長の池田大作氏が第3代会長に就いた60年代以降、組織を拡大させた。学会の三色旗は赤が勝利、黄が栄光、青が平和を表す。公明党は61年に創価学会を支持母体に発足した公明政治連盟が前身。

◆公明「歯止め」説明に腐心
 公明党の支持母体・創価学会の関係者に法案への反発が強まっていることに対し、党幹部は説明に苦心している。

 山口那津男代表は二十六日のBS番組で「私たちの説明が届いていない。反省しないといけない」と現状を率直に認めた。

 公明党は法案提出前の自民党との与党協議で、集団的自衛権の行使を日本を守る場合に限定したことなどを挙げ「公明党が歯止めをかける部分を吟味した」(山口氏)と自負していた。だが国会審議では、どんな状況なら集団的自衛権を行使できるのか政府の説明は曖昧なままで、野党に連日追及されている。

 政府が集団的自衛権の行使を合憲とする根拠に挙げる砂川事件の最高裁判決をめぐっても、公明党はもともとは「論理に飛躍がある」と否定的だったのに、政府・自民党に押し切られて容認した。

 こうした対応が、海外での武力行使が際限なく広がるとの不安や違憲立法批判を招く一因になり、創価学会を中心とした支持者の反発につながっている。だが法案に疑問を抱く支持者には「現場に行って説明するしか手はない」(漆原良夫中央幹事会会長)のが実情だ。 (新開浩)

2015年08月30日

100大学有志の合同記者会見(2015年8月26日)


日弁連と学者の会との合同記者会見(2015年8月26日)


国立18大学、文系は大幅改組…来年度入学定員

読売新聞(2015年08月29日)

 文部科学省は28日、来年度の86国立大の入学定員予定を発表した。

 それによると、18校が文系の学部や学科、課程を改組し、うち15校は教員養成系学部の中で教員免許の取得を義務付けない「ゼロ免課程」定員計1112人分の募集を停止する。全体では、2004年度の国立大法人化以降、最も大幅な改組だという。

 宇都宮大、千葉大、福井大など「ゼロ免課程」の募集を停止する15校中7校は、理系と融合させるなどして新しい学部を開設し、定員を振り分ける改革を行う。

 また「ゼロ免課程」の募集停止校6校と東京大、山口大、高知大の計9校は、教員養成系以外の人文社会科学系の学部や学科を改組する。文科省は、国際的な大学間競争の激化などを背景に、今年6月、各大学に人文社会系学部の廃止や他分野への転換を求める通知を出しており、組織再編はさらに進むとみられる。


2015年08月29日

安保法案反対の海外在住者、「オーバーシーズ」結成

東京新聞(2015年8月28日 夕刊)

 安全保障関連法案に反対する海外在住の日本人らが「OVERSEAs(オーバーシーズ)」を結成し、二十八日に東京都内で記者会見を開いて発表した。発起人の武井由起子弁護士は、法案が成立すると、海外在住者はテロなどの影響を受ける可能性が高まるが、日本国内の議論に参加しにくいと強調。「国外からの反対の声を届けるプラットホームにしたい」と意気込みを話した。
 一週間ほど前からインターネット上で呼び掛け、現在も国外で暮らす人やその経験者らが応じて、約四百人のグループになった。
 武井弁護士は「共通するのは危機感。一番影響を受けるのに、蚊帳の外にいる」と指摘。ネットを通じ、国外からの視点を伝えたいという。
 法案に反対する活動で注目を集める大学生らのグループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」に触発され、オーバーシーズと名付けた。

山梨県内学者らも安保法案に反対

NHK(2015年(平成27年)8月28日)

集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法案を巡って県内の大学教授らが法案に反対する会を発足させ、廃案を求めていくと訴えました。

発足したのは県内の大学教授などで作る「安全保障関連法案に反対する山梨学者・大学人の会」です。
県庁で行われた記者会見で事務局長の山梨大学の寺崎弘昭教授が「多くの国民が反対の声を上げる中、山梨の大学人としても廃案を主張する声がたくさんあることを示したかった」と述べました。
このあと、憲法学が専門の都留文科大学の横田力教授が「若者たちが紛争解決に武力を行使し、また武力の犠牲になることは絶対にあってはならない」などとした声明を読み上げ、法案の廃案を求めていくと訴えました。
声明にはこれまでに県内の大学教授や職員など130人が賛同していて、今後、インターネットなどでさらに増やしていきたいとしています。


国立大3類型で支援 文科省が概算要求 北大は「世界トップ」型

北海道新聞(08/28 16:00)

 文部科学省は28日、2016年度予算の 概算要求 を発表した。要求総額は15年度当初比9・8%増の5兆8552億円。国立大学改革の一環で、各大学を3類型に分け、取り組みに応じて運営費交付金を配分する「重点支援枠」に404億円を計上。20年 東京五輪 ・ パラリンピック に向けて、スポーツ関連予算は26・6%増で過去最高の367億円を要求した。

 国立大の3類型の中で「世界トップクラスの研究を行う」ことを目指すのは北大など16大学。「地域に貢献する取り組みを行う」を選択したのは道教大、室工大、樽商大、帯畜大、旭医大、北見工大の道内6大学を含む55大学。「特定分野で全国的な強みを出す」のは15大学だった。金額配分は今後、各大学の計画を評価して決める。

 スポーツ関連予算のうち169億円が五輪・パラリンピックの準備で、この6割を占める103億円を競技力向上事業に充てる。新国立競技場の建設費は現段階では計上していない。

 このほか、経済的理由で学生が大学進学を諦めないよう無利子奨学金を3万8千人分増やすため220億円を増額。国立大と私立大の授業料減免を充実させるため計13億円増やした。

 また、公立小中学校で子供が主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」や少人数指導などの充実のため、3040人の教職員定数増も要求した。


室蘭工業大学、教授を停職…学生に暴行、1週間のけが負わす

読売新聞(2015年08月28日

 室蘭工業大は26日、学生に暴行して1週間のけがを負わせたとして、大学院工学研究科の教授を25日付で停職1か月の懲戒処分にしたと発表した。

 大学によると、教授は今年5月、学生ともめ、暴力を振るったという。大学は「被害を受けた学生から『(人物が)特定されることは控えてほしい』との要請があり、公表範囲をとどめた」などと説明している。


2015年08月28日

酪農学園大、学生有志が署名活動 前学長解任の説明要求

北海道新聞(08/27)

 【江別】酪農学園大(江別市)を運営する学校法人酪農学園が理事会で同大の干場信司前学長を解任したことを受け、同大の学生有志が麻田信二理事長に対して全学生への経過説明を求める団体を設立し、署名活動を始めた。

 団体は「 酪農学園大学 の存続を願う学生有志の会」。干場前学長の解任から6日後の7月20日、代表で同大1年の栗本翔太さん(19)らが設立し、今月25日に団体ホームページ上で、署名の賛同者を募り始めた。

 同会は「理事会は情報を公開せず独断で運営を進めており、大学自治の崩壊につながる。酪農学園大学で学ぶ者として解任理由を知る権利がある」とし、理事長本人による学内での公開説明を、10月中旬までに複数回行うよう求めている。

 署名は今月26日現在で約130人分が集まっており、9月中旬をめどに取りまとめて、要請文とともに麻田理事長に提出する予定。

学長解任の酪農学園大、後任に竹花氏就任

北海道新聞(08/27)

 【江別】酪農学園大(江別市)を運営する学校法人酪農学園(麻田信二理事長)で26日、解任された干場信司前学長の後任に、獣医学群長の竹花一成(かずしげ)氏(59)が就任した。任期は2017年3月31日まで。

 同法人によると、学内外の委員で構成する学長選考委員会に竹花氏が唯一、立候補を届け出。同委員会が適任と認め、25日に理事会が選任した。

 竹花氏は愛知県出身。同大酪農学部獣医学科卒業後、同大大学院獣医学研究科修士課程を修了。00年から獣医学部教授になり、15年4月から獣医学群長。専門は、獣医解剖学と組織学。

 同大では6月、理事会が干場前学長に対し「学長として不適格」として退任を要求。干場前学長が拒否したため、7月14日付で解任していた。


反安保法案に学者250人 北大や道教大も 東京で廃案訴え

北海道新聞(08/27)

  安全保障関連法案 に反対する全国の87大学の学者が26日、東京・永田町の国会近くで記者会見し、「若者の未来のために絶対に引き下がらない」などと同法案の成立阻止を訴えた。

 1万3千人以上の学者が賛同する「安全保障関連法案に反対する学者の会」の主催。同会によると大学単位で法案に反対する会をつくる動きが広がっており、100以上の大学で発足している。この日は87大学を代表して約250人が集まり、反対する会の名前を記したのぼりを掲げた。道内からも北大、道教大、北海学園大、札幌学院大の学者が駆けつけた。

 会見では、各地で活発に活動している12大学の代表がマイクを握った。北大の姉崎洋一名誉教授は「民主主義、立憲主義の根幹からの破壊、政権の反知性主義への深い憤りがある」と指摘。「大学が踏みにじられた歴史」として、太平洋戦争開戦当日に北大生の宮沢弘幸さんらが軍機保護法違反容疑で逮捕された「 レーン・宮沢事件 」を挙げ、繰り返さないよう訴えた。

 参加した北海学園大の本田宏教授は「与党が法案をごり押しするのは民主主義ではない」と安倍晋三首相の政権運営を批判し「安倍政権は集会やデモ、地方議会などの意見を幅広く組み入れた政治を行う必要がある」と強調。道教大函館校の畠山大准教授は「教員を育てることは子供たちの将来に責任を持つ意味がある。安保関連法案という戦争の芽を摘まなければならない」と話した。

 また、札幌学院大の西尾敬義教授は「安倍首相は国会での質問に、戦争は『絶対にない』と繰り返すだけだ。野党は首相答弁の矛盾を突きながら、法案の危険性を浮き彫りにする高い弁論技術が求められる」と野党にも注文。北大の小田博志准教授は「武力で平和は達成できない。平和は銃でなく対話や信頼関係でつくるものだが、安倍首相は友好関係を築く努力を積極的にしていない」と話し、安倍氏の掲げる積極的平和主義に疑問を示した。

 この後、参加者は参院議員会館に移動。グループに分かれ、それぞれ参院議員の部屋を訪ねて廃案を求めた。北大の学者たちは道内選出の自民、公明、民主各党の参院議員や秘書と面会し「反対の動きを強めてほしい」などと呼び掛けた。

 同日夜には日比谷野外音楽堂で集会を開き、約4千人が法案反対をアピールした。


長文記述解答は24年度から=大学入試改革で中間案-文科省会議

時事通信(2015/08/27)

 大学入試改革を議論する文部科学省の有識者会議は27日、大学入試センター試験に替わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の方式などについての中間報告案をまとめた。2020年度開始予定の新テストは思考力を測るため記述式解答を導入するが、採点負担を考慮し、当初は短文記述で始め、長文記述は新学習指導要領で学んだ生徒が受験する24年度以降とした。年内にも最終報告をまとめる。
 中間案は、難関大学の入試にも新テストを活用できるよう難易度に幅を持たせ、複数正解がある問題や、判断の途中過程を確かめる選択肢などを導入。複数の文章の内容を分析しないと答えが選べない問題などで深い思考力を測るとした。
 新指導要領に応じて科目を見直し、思考力の判定機能も強化するとし、これに伴いより文字数の多い記述解答を導入する。パソコンなどで答える方式の本格実施も24年度以降とした。
 基礎学力の定着を見る「高校基礎学力テスト(同)」は19年度に始めるが、22年度までの4年は試行実施期と設定。この間は、結果は授業改善などに用い、就職や大学入試には利用しないとした。国数英の3科目で始め、23年度から新指導要領に合わせた必修科目を追加する。
 受験者の成績は10段階以上の評価で通知し、順位は示さない。年2回受験できる方式で始め、回数増や学校単位での受験などを可能にする方向で検討する。

東北薬科大医学部を認可=新設は37年ぶり-設置審

時事通信(2015/08/27)

 大学設置・学校法人審議会は27日、東北薬科大(仙台市)の医学部新設を認めるよう、下村博文文部科学相に答申した。医学部の新設は1979年の琉球大以来で37年ぶりとなる。入学定員は100人で、2016年4月の開設と同時に、名称を東北医科薬科大に改める。
 医師の質確保などの観点から、医学部の新設は原則として認められていないが、文科省は13年、東日本大震災の復興支援と医師不足解消のため、東北地方で1校限りの特例を認める方針を決定。3校が応募し、東北薬科大が選ばれていた。
 同大の高柳元明理事長は記者会見し、「ようやく出発点に立った。東北の医療を担う医学部を円滑に立ち上げ、どのように発展・充実させていくか、これからの努力が問われる」と語った。
 医学部を持つ大学は80校となる。設置審は認可に当たり、地域への医師定着など目的の順守や付属病院の人員確保などの留意事項を挙げ、同省は指摘事項が守られているか定期的に点検する。 
 設置審はこのほか、横浜創英大(横浜市)と岐阜医療科学大(岐阜県関市)の私学2校の大学院新設を認可。大学の新設は、滋慶大(大阪市)が申請を取り下げ、約30年ぶりにゼロだった。同省は「審査時間の確保のため申請期間を半年繰り上げたことが影響したのでは」としている。

東北薬科大で「医学部新設」認可へ 琉球大以来37年ぶり 文科省審議会が答申

産経(2015.8.27)

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会は27日、東北薬科大学(仙台市)が来春の開設を目指し認可申請していた医学部について、大学設置基準などに適合するとして、下村博文文科相に新設を認めるよう答申した。医学部設置は昭和54年の琉球大(沖縄県)以来37年ぶり。同大学は「東北医科薬科大学」と改称し、東北地方に7大学目の医師養成の拠点が誕生する。

 政府は昭和57年以降、医師の供給過剰への懸念などから医学部新設を制限しているが、今回は東日本大震災に襲われた東北地方の復興促進の観点から特例として認めた。そのため、審査結果に多くの留意事項が設けられたのが特徴的だ。

 答申によると、地域への医師定着や復興支援といった本来の目的の順守▽教育や診療に従事する医師数の確保▽地域の要望を踏まえた病院の特色づくり-など留意事項は13項目に上り、文科省は開設後に各項目の履行状況を調査するとしている。

 同審議会で医学部設置の可否が審査されるのは37年ぶりだったため、特別審査会が設けられ、書類だけでなく実地調査などより慎重な審査が行われた。

 同大学は現在、医学部付属病院に必要とされる病床数を確保するため、NTT東日本東北病院(仙台市)と譲渡交渉などを進めている。

 同審議会は27日付で、同大学を含む公私立の大学・大学院・短大で計46件の学部や学科、研究科などの設置を「可」と答申した。


2015年08月27日

酪農学園大学農食環境学群教授会、「学長解任処分にたいする農食環境学群教授会声明」

酪農学園大学の存続を願う学生有志の会
 ∟●経緯 2015/08/25

2015年8月5日

酪農学園大学在学生 各位
酪農学園大学在学生ご家族 各位
酪農学園大学卒業生 各位
酪農学園大学短期大学部卒業生 各位
北海道文理科短期大学卒業生 各位
酪農学園大学教職員OB・OG 各位
酪農学園大学短期大学部教職員OB・OG 各位
北海道文理科短期大学教職員OB・OG 各位
酪農学園大学教職員 各位

酪農学園大学農食環境学群教授会


酪農学園理事会による学長解任処分にたいする
農食環境学群教授会声明について


 2015年7月14日開催の酪農学園理事会において干場信司氏が学長職を解任された件について,わたしたちは2015年8月5日付農食環境学群教授会において別紙のように声明文を採択いたしました。
 関係各位にあっては,今回の声明の趣旨についてご理解いただくとともに,酪農学園大学の教育に変わらぬご支援とご協力を賜りますよう,心よりお願いを申し上げます。

酪農学園理事会による学長解任処分にたいする
農食環境学群教授会声明


 わたしたちは大学人としての良識にしたがい,以下のように声明します。

 2015年7月14日開催の酪農学園理事会において,干場信司氏が学期途中にもかかわらず学長職を解任されました。今回の解任処分の結果,大学の教育現場において,経営サイドと教学サイドとの間に相互の不信が生ずるとともに,学生,ご家族ならびに卒業生各位の間にも種々の混乱と困惑が生じていることについて,わたしたちは重大な懸念を表明します。

 また,上記解任の処分理由には,説明に不十分つか曖昧な点がみられるとともに,処分の重さとの均衡を逸している点もみられます。大学教授会は,真理を追究し,学生を教授する立場にあります。今回の処分は,大学における研究・教育の根幹にある学問の自由と教育を受ける権利を脅かすものです。建学の理念に基づき研究教育を担ってきたわたしたちは,これを深く憂慮します。  

以上

2015年8月5日

酪農学園大学農食環境学群教授会

酪農学園大学、「新学長の就任」

酪農学園大学の存続を願う学生有志の会
 ∟●新学長の就任(2015/08/27 01:18)

2015年8月26日から竹花 一成学長が就任しました。
このことは大学ホームページに載っています↓
http://www.rakuno.ac.jp/article-37825.html

同日竹花学長から学生宛にメールが届きました。
その内容【https://drive.google.com/file/d/0BwP0UzXDf5tQbmx4WThtSnY1Uzg/view?usp=sharing

干場学長を解任させた説明が全くないまま次の学長が決まってしまいました。
大変憤りを覚えています。

私たちは干場学長の解任を決定した理事会の責任者である麻田理事長に説明を求めると言う方針は変える方針は変えるつもりはありませんので引き続き署名にご協力のほどよろしくお願いします。


酪農学園大学の存続を願う学生有志の会、「思っていること」

酪農学園大学の存続を願う学生有志の会
 ∟●思っていること(2015/08/25)

7月14日、酪農学園大学干場信司学長が任期途中にも拘らず、理事会の独断によって解任されました。メディア等の媒体によって伝えられた数行程度の解任理由は客観性・合理性に欠け、上記のような極めて重い処置をとるに値すると考えられるものではありませんでした。またこの一連のことは、教授会や学生を無視して進められ、理事会単独の決議で行われました。

私たちは酪農学園大学麻田信二理事長に、今回の件に対する学内公の場での対話による説明と、今後の大学運営が理事会・教授会・学生・その他大学関係者によって民主的に行われることを求めています。

現代の日本において、すべての人々に開かれた学びの場であるはずの大学が、多くの場合、就職のため社会に適用する人間をつくる閉鎖的な場になってしまっているのではないでしょうか。教育は、サービス業ではありません。

今回の件が起きたのは、酪農学園大学においてですが、今後同じようなことが他の大学のおいても起こりうる可能性があると考えています。一見、経営の問題であって、学生には関係のないことのように思われます。しかし、教育現場から離れた場所にいる一部の権力者の独裁を許しては、結果的に自由な学問を受ける権利を失うのは学生ではないでしょうか。

大学内の主役は誰でしょうか、学生です。学生こそ大学運営にかかわる権利があります。この件は、始まりであり、一大学だけの問題ではないと考えます。多くの方々のご理解と、賛同をいただけると嬉しいです。署名による協力をお願い申し上げます。特に同じ学生に共感していただけると嬉しいです。


酪農学園大学の存続を願う学生有志の会、麻田信二理事長に干場信司学長任期途中解任についての説明と今後の民主的大学運営を求める署名を開始

酪農学園大学の存続を願う学生有志の会
 ∟●署名サイト(change.org)

学校法人酪農学園大学、麻田信二理事長に干場信司学長任期途中解任についての説明と今後の民主的大学運営を求める

酪農学園大学の存続を願う学生有志の会

7月14日、酪農学園大学干場信司学長が任期途中にも拘らず、理事会の独断によって解任されました。メディア等の媒体によって伝えられた数行程度の解任理由は客観性・合理性に欠け、上記のような極めて重い処置をとるに値すると考えられるものではありませんでした。この一連のことは、教授会や学生を無視して進められ、理事会単独の決議で行われました。

私たちは麻田信二理事長に、今回の件に対する学内公の場での対話による説明と、今後の大学運営が理事会・教授会・学生・その他大学関係者によって民主的に行われることを求めています。

現代の日本において、すべての人々に開かれた学びの場であるはずの大学が、多くの場合、就職のためなどと、社会に適用する人間をつくる閉鎖的な場になっているのではないでしょうか。教育は、サービス業ではありません。

今回の件が起きたのは、酪農学園大学においてですが、今後同じようなことが他の大学のおいても起こりうる可能性があると考えています。一見、経営の問題であって、学生には関係のないことのように思われますが、これは学問の本質に関わる問題です。教育現場から離れた場所にいる一部の権力者の独裁を許しては、結果的に自由な学問を受ける権利を失うのは学生ではないでしょうか。

大学内の主役は誰でしょうか?学生です。学生こそ大学運営にかかわる権利があります。多くの方々のご理解と、賛同をいただけると嬉しいです。署名による協力をお願い申し上げます。特に今現在大学で学んでいる、又は学ぼうとしている学生の皆さんに共感していただけると嬉しいです。

詳しい経緯などはこちら[http://negaurgustudents.blog.fc2.com/]をご覧ください。


TBSテレビNews、学者の会 共同記者会見

TBS(2015年8月26日)

法曹関係者と学者ら集結「法案は憲法違反」と廃案求める

 参議院での国会審議が続いている安保法案。26日東京・霞が関では、元最高裁判事、そして歴代の内閣法制局長官、全国の弁護士や大学教員らが300人集まるなど、法曹関係者と学者らがそろって記者会見し、「法案は憲法違反」だと廃案を求めました。ビデオでご覧ください。(26日23:12)


日テレ・ニュース,学者の会 共同記者会見

2015年8月26日 22:39

安保関連法案 創価大関係者も反対意見

全国約90の大学関係者が26日、安保関連法案に反対する集会を開き、与党・公明党の支持団体「創価学会」の池田名誉会長が創立した創価大学の関係者も反対意見を述べた。公明党の石井政調会長は会見で「大学全体の声とは受け止めていない」などと述べた。


100超の大学教職員ら「安保法案の廃案を」

8月26日 18時28分

100超の大学教職員ら「安保法案の廃案を」

安全保障関連法案に反対する大学有志のグループは全国の100を超える大学に広がっていて、各グループの代表らが26日、東京都内で会見し、法案の成立は戦後最大の危機だとして廃案にするよう訴えました。
安全保障関連法案を巡っては、全国の大学で法案に反対する教職員や学生らによる有志のグループが発足していて、現在は108の大学に広がっているということです。
このうち26日は、およそ80の大学から200人以上が出席し、東京・千代田区で会見しました。
この中で学習院大学の佐藤学教授は、「広範な人たちが集まったのは、立憲主義、民主主義、平和主義が戦後最大の危機を迎えているたからだ」と訴えました。
また、東日本大震災で被災した東北3県の大学で作るグループのメンバーで、東北学院大学の郭基煥教授は、「被災地は人の命のもろさやはかなさを徹底的に知った地域です。この地域で生きる私たちは、戦争への道を開く法案を絶対に容認することはできない」と訴えました。
また、九州大学の小川玲子准教授は「大学がある福岡はアジアに近く2000人近い留学生を受け入れており、法案はこうした交流や対話の継続を危うくしかねない」と指摘しました。
各大学の有志のグループは、今後も互いに連携しながら廃案を求めていくことにしています。


安保法案、廃案求め100大学連帯「政権にくさびを」

毎日新聞 2015年08月26日 21時11分

 参院審議中の安全保障関連法案を巡り、廃案を求める声明を発表するなどした全国の大学の有志が26日、東京都内で合同記者会見を開き、「安倍政権にくさびを打ち込むために連帯を止めてはならない」などと訴えた。

 「安全保障関連法案に反対する学者の会」によると、教職員や学生ら有志が法案反対の意思を表明した大学は同日現在で100以上の大学に上り、うち約80大学の約250人が会見に出席した。

 広島大の河西英通教授(比較日本文化学)は「これだけの大学人の連帯があれば、最終的な勝利を勝ち取ることができると確信している」と話し、早稲田大の後藤雄介教授(西洋史)は「この運動をさらに広げていく。『戦争法案』廃案まで頑張っていきたい」と力を込めた。

 呼びかけ人の一人、学習院大の佐藤学教授(教育学)は「衆院の強行採決で運動が沈静化すると思われたが逆だった。危機感を抱いている人が多いことの表れ」と語った。会見後、教職員らは声明文や賛同者リストを持って参院議員会館を回り廃案を要請した。

 「学者の会」によると、同会に賛同する研究者は26日現在、計1万3507人に上る。【川畑さおり、樋岡徹也】

安保法案:弁護士ら反対集会 元最高裁判事も批判 東京

毎日新聞 2015年08月26日 20時40分

 参院審議中の安全保障関連法案に反対する弁護士や大学教授、市民計約4000人(主催者発表)が26日、東京・日比谷で集会を開き、周辺をパレードして廃案を訴えた。集会に先立つ記者会見には主催者の日本弁護士連合会の歴代会長や憲法学者らとともに、元最高裁判事や元内閣法制局長官も出席して法案の問題点を指摘した。

 元最高裁判事の浜田邦夫氏(79)は「法案は違憲というだけでなく、国民の声を無視しているという意味でも非常に問題がある」と批判した。9歳の時に終戦を迎えた自身の戦争体験にも触れ「ぜひ、時の政権に考え直してもらいたい」と述べた。

 元内閣法制局長官の大森政輔氏(78)と宮崎礼壹(れいいち)氏(70)も同席した。大森氏は「廃案」と書かれたプラカードを胸に掲げ、「心の中からこのように考えている」と力を込めた。宮崎氏も「ちょっぴりであろうとたっぷりであろうと、憲法9条の下では集団的自衛権の行使ができないというのは一貫した政府の確定解釈だった」と強調した。【和田武士】


法曹と学者そろって安保法案ノー 違憲、廃案訴え

共同通信(2015/08/26)

 東京・日比谷野外音楽堂で開かれた安全保障関連法案に反対する集会で「違憲」と「廃案」のプラカードを掲げる参加者=26日午後

 法曹関係者と学者がそろって安全保障関連法案にノー。元最高裁判事や元内閣法制局長官、日弁連会長と憲法学者が26日、東京・霞が関で記者会見し「法案は憲法違反」と成立阻止を訴えた。

 日弁連主催で全国の弁護士や大学教員ら計約300人も参加。一斉に「違憲」「廃案」とのプラカードを掲げた。村越進日弁連会長は「これだけの人が結集するのはかつてないこと。立憲主義の破壊だけは認めることができない」と強調した。

 会見後、日比谷野外音楽堂で集会も開き、日弁連によると約4千人が参加。大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」などのメンバーも駆け付け、法案反対をアピールした。


2015年08月26日

酪農学園大学、新学長選出の動き

酪農大はやっぱり素晴らしい!
 ∟●20150823新学長選出の動き

20150823新学長選出の動き

理事会は後任学長を早急に決め、事態の打開と既成事実を作るために8月25日(火)に急遽、理事会・評議会を招集しました。現在1名の立候補者が名乗りを上げていますので、この審議をするようです。
干場学長を理由にならない理由で解任しておいて、その説明も不十分なまま(学生への説明会無し、教員への説明不十分)、大学内外の多くの反対意向も無視して新学長を選任しようとする進め方に怒りを禁じえません。しかも、学長選出に教員の意向はほとんど反映されないのです。”やっぱり酪農大は素晴らしい”ことを実証するめに、我々は本ブログを中心にこれからも引き続き活動を継続します。皆様の変わらぬご支援をお願いします。


酪農大教員有志、安保法案の廃案求めて声明

北海道新聞(2015/08/25)

 【江別】酪農学園大の教員有志は24日、 安全保障関連法案 に反対する会を設立し、同会のホームページ上で「違憲性が明らかな法案の速やかな廃案を求める」とする声明を発表した。

 声明では、今国会での法案成立を急ぐ安倍晋三政権の姿勢を「民主主義と立憲主義に対する挑戦」と非難。戦時中の「 学徒出陣 」の反省を踏まえ、「教育機関として、若者たちを戦地に送ることにつながる法案を容認することは決してできない」と訴えている。

 同大の佐藤和夫教授(農業経済学)らが22日、教職員を対象に賛同を募り、3日間で63人が応じた。

 佐藤教授は「反対の声を聞こうとしない政府の姿勢に危機を感じる。何とか成立を阻止したい」と話している。


北星学園教職員有志、安全保障法制に反対するアピール

安全保障法制に反対する北星学園教職員有志のアピール

安全保障法制に反対する北星学園教職員有志のアピール

 日本の安全保障の枠組みを根底から覆す安全保障法制法案が、衆議院を強行採決により通過し、今国会において成立しようとしています。わたしたち北星学園の教職員有志は、知的誠実を旨とする立場から、日本国憲法をないがしろにして提起されている安全保障法制が戦後70年の節目の年に成立しようとしている事態を看過することができません。

 日本国憲法のもとでの戦後日本の歩みにおいて、日本の国家権力は司法も含め集団的自衛権の行使が可能であるという立場を一貫してとってきませんでした。それが認められると解するならば、憲法9条は何も禁じていない空文になってしまうからです。しかし、現政権は戦後のどの政権もとってこなかった憲法解釈を閣議決定し、安全保障法制を提起しています。

 先の大戦からの反省と教訓を踏まえ、日本国憲法の平和主義は、戦後、堅持されてきました。日本国憲法の平和主義とそのもとでの戦後の歩みを見つめ直すことなしに、日本の安全保障の枠組みを覆す法案が提起されること、ましてやそれが国会の場で可決されるということなどは、立憲主義に立つかぎり、ありえないことです。

 北星学園は、戦後50年の節目に「北星学園平和宣言」を発表し、「あらためて平和をつくり出すことの大切さと人権を尊ぶ教育の重要さを思います」とした上で、「これまでの不十分な戦後の歩みを反省し、新しい時代の平和をつくる学園として歩むことを宣言」しました。また、自衛隊がイラクのサマワに派遣された2004年2月には「2004年2月声明」をやはり学園として発表し、「未来に生きる生徒・学生を戦場に送らないため、戦争行為を正当化するいかなる政策にも反対し、平和を実現する教育を貫き通すことを表明します」としています。こうした認識のもと、大学・短大、女子中高、大学附属高校、余市高校の北星学園各校は、これまでそれぞれに平和教育に力を注いでまいりました。

 <自由>は天から降ってくるものではないということ、でも、あたかも当然のものであるかのようにその<自由>を確保していく必要があることを、大学の自治と学問の自由への脅威に際して、わたしたちは、その困難とともに実感したところです。<平和>もまた、それを守るために絶えざる努力が必要です。わたしたちは、現政権の憲法解釈の変更から安全保障法制の提起、そして、衆議院通過に至る、一連の経緯を省みて、その思いを新たにせざるをえません。

 北星学園に奉職する教職員有志は、知的誠実のもと、また、学園の掲げるキリスト教の精神に鑑み、安全保障法制は廃案にされるべきであると強く訴えます。


「平和を実現する人々は、幸いである」(マタイによる福音書 5章9節)

「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。」(マタイによる福音書 26章52節)

2015年8月

立憲主義と日本国憲法を尊重する北星学園教職員有志の会

☆ ☆ ☆ ☆

呼びかけ人

大学・短大: 勝村務 萱野智篤 木下武徳 佐橋克彦 篠田優 濵文章 原島正衛 韓文熙

       山我哲雄 山口博教 (五十音順)

余市高  : 平野純生

<代表>  山我哲雄

<世話人> 勝村務 木下武徳 山口博教 (五十音順)


【国旗国歌要請】政府は大学の判断尊重を

高知新聞(2015年08月25日)

 国立大学の苦しい立場がにじみ出ているといえよう。
 下村文部科学相が6月、国立大に入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱を求めたことに対し、半数以上の大学が「対応を検討するが未定」としていることが、共同通信のアンケートで分かった。2校は従来方式を変更し、両方を実施すると答えた。
 要請は安倍首相の意向を受けるかたちで行われた。下村文科相は「あくまでお願い」であり、「圧力」を否定したが、国立大の判断に影響を与えているのは明らかだ。
 アンケートは全86校のうち、77校が回答した。今年の入学式で国旗掲揚、国歌斉唱を完全実施したのは7校で、双方とも未実施は11校、国旗掲揚のみが54校、国旗は掲揚し、国歌は伴奏のみが5校だった。
 注目すべきは、双方未実施の11校を含む47校が「対応を検討するが未定」と回答し、変更の可能性に含みを持たせたことだろう。
 大学の自治を侵しかねない状況といえる。大学の自治は、憲法が保障する学問の自由に不可欠な制度である。法的根拠もないまま、政府が大学の式典の中身にまで注文を付けることがあっていいのか。
 ただ、国立大のこうした反応は6月段階から一定予想された。
 各国立大は、独立した法人経営のかたちを取っているものの、自主財源が少なく、運営費は国に大きく依存しているからだ。
 しかも、国からの運営費交付金は年々減少しており、6、7月は来年度予算の概算要求に向けた重要な時期でもある。大学にとっては、「お願い」も強く意識せざるを得ない。
 アンケートからは多くの大学の疑問や戸惑いが見て取れる。「大学の自治を尊重すべきだ」「政権中枢が、とりたてて要請することに違和感を禁じ得ない」などの回答があった。
 一方で、既に完全実施している大学などからは「国費で運営するので当然」などと理解を示す声もあった。
 重要なのは各大学が自主的に判断し、それに基づいて式典を執り行うことだ。政府には各大学の判断の尊重が求められる。
 大学は純粋な学問探求の場である。時の政権の意向を押し付けたり、政治の介入を想像させたりする対応は許されない。

2015年08月25日

国立大に文系再編の波、26校が学部の改廃計画

読売新聞(2015年08月24日)

 文系学部のある全国の国立大60校のうち、半数近い26校が2016年度以降、文系学部の改廃を計画していることが、各国立大学長を対象にした読売新聞のアンケート調査でわかった。

 教員養成系学部を中心に計1300人以上の募集が停止され、定員の一部を新設学部に振り分けるなどの改革が行われる。国立大の文系に再編の波が押し寄せている実態が浮かび上がった。

 文部科学省は今年6月、大学改革を狙いに、法学部や経済学部などの人文社会科学系と教員養成系の学部・大学院の廃止や他分野への転換を求める通知を出した。アンケートはこれを受け、全国立大86校の学長に7月末現在の学部の改廃計画や通知への受け止めなどを尋ね、81校から回答を得た。


2015年08月24日

香川大学有志、安全保障関連法案の廃案を求めるアピール

安全保障関連法案の廃案を求める香川大学教員有志アピール

安全保障関連法案の廃案を求める香川大学教員有志アピール

現在国会で「安全保障関連法案」が審議されています。

同法案の成立により、最悪の場合、自衛隊が海外の戦場で「殺し殺される」事態を招来しかねません。更には、戦後70年かけて国民の努力で培ってきた「戦争をしない国」としての日本の国際的な信頼を裏切る結果となることを危惧します。

集団的自衛権行使を認め、海外での戦闘参加を可能とするこの法案は、ほとんどの憲法学者の指摘にあるとおり、日本国憲法と矛盾します。ときの政権による勝手な解釈に基づき、憲法に反する法案成立を強行することは断じて許されません。立憲主義は堅持されるべきです。

かつて神原甚造初代学長が卒業式式辞で学生たちを激励したように※)、民主主義と平和の精神は本学の原点です。これを受け継ぎ「地域に貢献する学生中心の大学」を掲げる香川大学で教育研究に携わってきたものとして、地域から預かった大切な過去・現在・未来の学生たちを不義の戦場に送りかねない事態を看過することはできません。

私たちは、これらの観点から、安全保障関連法案の廃案を強く求めます。

※)神原学長第二回卒業式式辞(要旨)

顧りみれば諸君が本学に入学した昭和二十五年四月、開学日なお浅く諸設備いまだ整わない学園にありながら、洋々たる希望に輝いた諸君の紅顔に、私は祖国の姿をみる感がした。われわれの祖国では再軍備問題、さらには憲法改正問題について議論が沸騰し、国民の高価な犠牲によって購われた永遠に不変の真理であると信じている民主主義平和憲法の精神は今や大いに動揺している。われわれの前途は遼遠であり苦難にみちているけれども、現在の最大の急務は憲法に高く掲げた自由と平和との擁護であり達成である。諸君、勇気をもち給え、われわれのなし始めている仕事は、よしや、いかに困難にみちていようとも正しいのである。われわれは自由と平和への希望と努力をば絶対に放棄しないし、また、絶対にしてはならないのである。本学において過去数年間、物質的、精神的な幾多の困難を身をもって体験し、それを克服しつつ、ひたすらに叡智をみがき人格の陶冶に努めてきた諸君は社会の期待にこたえ、祖国再建の修業と人類永遠の理想達成の重責を果たされるものと信じている。諸君の前途に祝福あれ。
『香川大学三十年史』(同編集委員会, 1982)p. 23より

2015年8月21日
賛同者一同

静岡大学教職員組合、「安全保障関連法案」の採決の強行に抗議し、その廃案を求めます

日刊ベリタ(2015年07月23日)

静岡大学教職員組合が「安全保障関連法案」の強行採決に抗議し、廃案を求める声明を出す

<「安全保障関連法案」の採決の強行に抗議し、その廃案を求めます。>静岡大学教職員組合は平成27(2015)年7月21日このような声明を出しました。

 「7月16日(木)に衆院本会議で集団的自衛権行使を可能とする、いわゆる「安保法制」が野党欠席のもとで採決が強行されました。同法案は、長年歴代政権の下で違憲とされてきた集団的自衛権を合憲と見なす昨年7月の閣議決定を前提に立法化されたものです。しかし圧倒的多数の憲法学者や弁護士諸団体の意見表明に見るように審議するほど違憲であることが明らかになっていました。また圧倒的国民がいまだ審議が不十分であり、採決には反対と表明しているものでした。

 日本国憲法は第98条で「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律・・は、その効力を有しない」と定めています。また第99条では「国務大臣、国会議員・・は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と明記しています。今回の「安保法制」の採決の強行は、日本国憲法を頂点とした法に基づく統治と民主主義の仕組みを、政府自らが破壊する暴挙であると考えます。

 私たち静岡大学教職員組合の「規約前文」は、「われわれは、日本国憲法下における民主化の促進を願い、労働者の利益と地位向上を目指して、ここに団結し、理想的組合を作ろうとする」と謳っています。それは、私たち大学で研究し、働くものが、平和的な研究の発展を誓い、再び戦争という過ちへの貢献を繰り返さないという誓いを込めたものでした。いま、私たちが目の当たりにしているのは「日本国憲法下における民主化」を根底から破壊する行為ではないでしょうか。

 安全保障問題や、それとの関わりでの集団的自衛権の評価については多様な意見があって当然であり、それは組合員の考えにも反映されていると思います。しかし、真の平和のために集団的自衛権が必要というならば、日本国憲法に定められた手続きに従って改憲を行うのが基本ルールです。一政権の恣意的な解釈変更に委ねられるべき問題ではありません。

 私たち静岡大学教職員組合は、現在審議されている「安保法制」の内容は違憲と判断せざるを得ないと考えています。その採決の強行自体が違憲の暴挙であると考えています。それは憲法による統治という立憲主義の破壊に他なりません。私たちはこのような採決の強行に抗議するとともに、「安保法制」の即時廃案を求めるものです。」

 静岡大学教職員組合執行委員会

若者が一斉に「安保法案反対」 全国64カ所、シールズ主導

共同通信(2015/08/23)

 安全保障関連法案に反対し、東京・表参道をデモ行進する「SEALDs」のメンバーら=23日夕

 安全保障関連法案に反対する大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」が呼び掛けた「全国若者一斉行動」が23日、各地で行われた。シールズによると、北海道から沖縄までの64カ所でデモや集会が実施され、若い世代の反対運動が広がりを見せた。参加者らは「法案は戦争への道を開く」「私たちの行動は政権にも影響を与えるはずだ」と訴えた。

 東京都港区の青山公園で開かれたシールズの集会には、若者や家族連れが続々と集結。約6500人が渋谷方面に向け、ラップ調の「憲法守れ」「戦争反対」とのコールを上げながらデモ行進をした。


2015年08月23日

安保法案、90大学で反対 教職員、学生ら有志が表明

毎日新聞(2015年08月22日)

 参院で審議中の安全保障関連法案を巡り、各地の大学で教職員や学生たちが反対したり廃案を求めたりする動きが加速している。多分野の研究者でつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」のまとめによると、有志が反対の意思を表明している大学は22日現在、約90大学に上っている。

 各大学で発足した有志の会は、ホームページを開設して声明などへの賛同者を募っている。

 名古屋大では、教職員や学生ら有志の会が今月5日に発足。ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・特別教授や元学長の加藤延夫、平野真一両名誉教授ら約150人が呼びかけ人に名を連ね、賛同者は420人に。設立趣意書は「(法案は)人々や社会の幸福を破壊し、大学の自治や学問の自由が危険にさらされる」としている。

 京都大では7月、教職員らが有志の会を結成。「生きる場所と考える自由を守り、創るために、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない」との声明を出し、約2200人が賛同した。

 創価大・創価女子短期大(東京)の有志も反対声明を発表。中心メンバーの一人、佐野潤一郎・非常勤講師(50)によると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で知り合った教員や卒業生ら計10人が呼びかけ、今月11日に声明への賛同署名を求めるホームページを公開したところ、賛同者は1400人を超えた。

 約90大学のほかに、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県では複数の大学が共同で会を設立したり、愛媛、高知両県などでは県単位で会を作ったりしている。

 「学者の会」に加わる岡野八代・同志社大教授は「法案は国家の基本原理である憲法を壊そうという動きだ。日本の民主主義が問われていると感じたから、これだけの学生や学者が声を上げている」と話す。26日には、声明発表などを行った全国の大学の有志が東京都内で合同記者会見を開く。【樋岡徹也、石戸諭】

 安全保障関連法案に反対を表明する大学は次の通り(「安全保障関連法案に反対する学者の会」まとめ)。

 ▽札幌学院大▽北海道教育大▽北海道大▽北海学園大▽室蘭工業大▽弘前大▽茨城大▽筑波大▽高崎経済大▽群馬大▽東京大▽東京学芸大▽東京農工大▽早稲田大▽明治学院大▽法政大▽立教大▽中央大▽和光大▽一橋大▽武蔵大▽恵泉女学園大▽大東文化大▽明治大▽上智大▽日本大▽東京経済大▽青山学院大▽清泉女子大▽学習院大・学習院女子大▽東洋大▽首都大学東京▽創価大・創価女子短期大▽国際基督教大▽東京芸術大▽明星大▽慶応義塾大▽フェリス女学院大▽神奈川大▽横浜市立大▽獨協大▽千葉大▽東京基督教大▽信州大▽長野大▽新潟大▽静岡大▽日本福祉大▽愛知教育大▽名古屋大▽名古屋学院大▽中京大▽愛知大▽愛知学院大▽愛知東邦大▽岐阜経済大▽岐阜大▽情報科学芸術大学院大▽三重大▽金沢大▽滋賀大▽滋賀県立大▽京都大▽立命館大▽龍谷大▽同志社大▽佛教大▽京都府立大▽京都橘大▽京都工芸繊維大▽京都教育大▽花園大▽天理大▽大阪大▽大阪市立大▽関西大▽大阪府立大▽和歌山大▽神戸大▽関西学院大▽神戸女学院大▽岡山大▽広島大▽山口大▽下関市立大▽島根大▽島根県立大▽大分大▽九州大▽西南学院大▽熊本県立大


滋賀県立大学有志、「平和安全法制」(戦争法案)の撤回と廃案を求める声明

「平和安全法制」(戦争法案)の撤回と廃案を求める声明

「平和安全法制」(戦争法案)の撤回と廃案を求める声明

「平和安全法制」(戦争法案)に反対する滋賀県立大学有志の会

 私たち滋賀県立大学有志は、学問と良識の名において、「平和安全法制」(戦争法案)の閣議決定および衆議院強行採決に強く抗議し、閣議決定の撤回と廃案を求めるため、この声明を発表すると同時に、滋賀県立大学に関係するすべての方々に、賛同を呼びかけます。

 昨年7月1日、安倍政権は憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。そして今年5月14日には「平和安全法制」(戦争法案)を閣議決定し、7月16日に強行採決によって衆議院本会議を通過させ、現在、参議院で同法案が審議されています。

 既に指摘されているとおり、憲法違反の法案が閣議決定され衆議院で強行採決されること自体、立憲主義の破壊であり、法治国家、民主主義国家たることを放棄する暴挙です。また、この法案に関する国会等での政府側の答弁や説明は著しく論理性を欠いており、知性と学問的真理を追究する大学人として、見逃すことができません。

 明治以後、日本が関わった全ての戦争は、「存立危機」を理由に始まり、「日本をおびやかす悪い国」を喧伝しながら国民を動員していったことを、私たちは想起しなければなりません。特に参議院に審議が移ってから、中国等の「脅威」がことさらに強調され、昨今のヘイト・スピーチなどに象徴される東アジア近隣諸国への反感情緒を利用しつつ焚きつけるかの状況は、まさに戦前の日本がたどった道を彷彿とさせます。

 戦前、滋賀県からは9万5千人以上が出征し、3万2千人以上が戦死しました。これら戦没者遺族の団体である滋賀県遺族会の会長は、昨年に引き続き、今年も集団的自衛権行使容認に絶対反対の意を表明する決意であることが伝えられています。

 出征と戦死だけでなく、滋賀県にも様々な形で戦争が刻まれています。敗戦間近に滋賀海軍航空隊により建設された比叡山発射台からは特攻機が発射される計画でした。食糧増産のために内湖干拓事業が開始され、県内はもちろん全国から学徒や朝鮮人労働者が動員されたほか、連合軍捕虜700名近くが県内三箇所の収容所に収容され、干拓地で使役されました。信楽では、焼き物で地雷や手榴弾などの兵器をつくることに小学生まで動員されました。空襲が激化する大阪から多数の学童集団疎開を受け入れましたが、最末期には滋賀県にもたびたび空襲がありました。しかし箝口令が敷かれて被害の実情は隠され、今日まで正確な犠牲者数すらわかりません。「満蒙開拓」には、1800余名の県民を送出し、実に400余名が亡くなりました。戦後の日本は、この戦争への深い反省から出発し、戦争放棄を宣言した日本国憲法の下で、教育者は「教え子を戦場に送るな」を不滅のスローガンとしてきました。

 滋賀県立大学は、開学以来、「キャンパスは琵琶湖、テキストは人間」をモットーにしてきました。私たちは、このような滋賀県の歴史からも、県民を被害者にも加害者にもした戦争を、二度と起こさせてはいけないと、学びとらねばなりません。私たち有志は、滋賀県立大学の教育・研究理念にも相反する「平和安全法制」(戦争法案)に反対の意を表明し、同案の閣議決定を撤回し、廃案にすることを強く求めます。

2015年8月15日
「平和安全法制」(戦争法案)に反対する滋賀県立大学有志の会

事務局e-mail :uspdemocracy@gmail.com

呼びかけ人(五十音順)

井手慎司、岡野寛治、面矢慎介、亀井若菜、河かおる、京樂真帆子、黒田末壽、島村一平、
杉浦由香里、竹下秀子、武田俊輔、田中俊明、棚瀬慈郎、中井 均、中村好孝、那須光章、
福井雅英、増田佳昭、水原 渉、柳沢淳一


室蘭工業大学教職員有志、安全保障関連法案の即時廃案を強く求める声明

安全保障関連法案の即時廃案を強く求める室蘭工業大学教職員有志による声明

安全保障関連法案の即時廃案を強く求める室蘭工業大学教職員有志による声明

 2014年7月1日。私たちはこの日をけっして忘れることはないでしょう。
 なぜなら、日本の立憲主義と日本国憲法における平和主義が大きな音を立てて崩壊し始め、その後の暗黒の未来を予告する日であったからです。この日以来、日本国憲法は事実上、停止し、現在にいたっています。
 この日になされた閣議決定(「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備」)は、従来の政府見解を大幅に変え、現行の憲法下で集団的自衛権の行使を認めるとするものでした。戦争や武力行使の放棄を謳う日本国憲法9条1項に鑑みると、同自衛権の行使は、最大限の拡大解釈を以てしても、合憲であるとは言えない、と私たちは考えます。なぜなら、日本の自衛隊が米軍のみならず、他の外国軍とともに、世界各地で武力を行使する道をあからさまに開くものであるからです。同閣議決定は、憲法上の平和的生存権(前文等)や国民の生命・自由・幸福追求への権利(13条)を守るため、と主張することで、その行使を正当化しています。しかし、武力行使への道を開く行為はこれらの権利を守るどころか、むしろ、私たちや他国に住む民衆の生命を脅かすものになる、と私たちは考えます。このような政府見解は、日本国憲法の最高法規性(98条1項)の観点からも、違憲無効であると言わざるを得ません。
 2015年5月15日。私たちはこの日をけっして忘れることはないでしょう。
 なぜなら、違憲無効である上記の閣議決定に沿って、2つの安全保障関連法案が国会に上程された日であるからです。既存の10法の改定と新法の制定を目指すこれらの法案は、集団的自衛権の行使のみならず、米軍その他の外国軍への後方支援という名の軍事協力を拡大し、また外国軍への防御活動等を可能にするものであると理解しています。その内容は、上記の閣議決定同様、憲法の平和主義の理念を否定するものであり、違憲無効です。 
 
 2015年7月15日・16日。私たちはこれらの日をけっして忘れることはないでしょう。
 なぜなら、この両日は、安全保障関連法案が衆議院特別委員会で強行採決され、同本会議で可決された日であるからです。安倍政権が、盛り上がる世論の反対の声に耳を傾けることなく、違憲法案を数の論理で押し通したという点に、私たちは強い怒りを感じています。十分な審議時間が費やされたかどうかは問題ではありません。根本的に違憲無効である法案は、どれほどの審議時間を経ても、違憲であることに変わりはありません。
 1945年7月15日、軍事産業を有する港町であった室蘭は、米艦による艦砲射撃を受け、1時間あまりで500人以上の死傷者を出しました。それから70年後のまさにこの日、人の生命の犠牲を前提とする法案の強行採決により、軍国化に向けての法的整備の道がさらに進んだということを、私たちは強い衝撃をもって受け止めています。
 21世紀以降の国際社会では、戦争や武力行使における民営化が格段に進んできました。そのような状況下で、安全保障関連法案が成立し、施行されると、技術者は大いに徴用対象とされていくことになるでしょう。工業系の高等教育機関の教職員である私たちは、工学を学ぶ学生が将来、技術者として徴用され、生命の危険にさらされる戦場に送られることになるのではないかと懸念しています。室蘭工業大学は、教育理念として「学生一人ひとりの多様な才能を伸ばし、幅広い教養と国際性、深い専門知識と創造性を養う教育」を行うこと、また「総合的な理工学に基づく教育を展開し、未来をひらく創造的な科学技術者を育成」することを謳っています。創造力をもって、平和な社会を築こうとするモラルある技術者を作ること。これが、教え子を二度と戦場に送らないという戦後教育の原点に立った私たちの使命です。私たちは、国家政策の一環としてなされる戦争や武力行使の現場へ人材を送り出すために、教育をしているわけではありません。
 以上の理由から、私たちは今、強く求めます。日本や他国の民衆の生命を脅かす安全保障関連法案の即時廃案を。

2015年8月21日

室蘭工業大学教職員有志一同
賛同者リスト(2015年8月21日正午第一次締切):42名(順不同)
若菜 博(教授、教育学)、清末愛砂(准教授、憲法学・家族法)、沓澤幸成(技術職員)、高木 稔(技術職員)、佐々木 眞(教授、機能材料学)、鈴木幸司(教授、知能情報学)、庭山聡美(教授、化学)、戎 修二(教授、物理学)、松本ますみ(教授、社会思想・マイノリティ論)、クラウゼ小野 マルギット(教授、ドイツ語 文化間コミュニケーション)、髙野英明(教授、磁性物理学)、松名  隆(准教授、基層文化論)、沖野典夫(講師、環境放射線)、三村竜之(准教授、言語学)、宮尾正大(名誉教授、電子工学)、二宮公太郎(名誉教授、哲学)、坂口  威(名誉教授、電気工学)、亀田正人(准教授、環境経済学)、今野博信(非常勤講師、教育心理学)、橋本忠雄(名誉教授)、永野宏治、塩崎 修 、菊地 しずか(事務補佐員)、中道正栄(事務補佐員)、山田 淳(非常勤職員)、湯口 実(技術職員)、早坂成人(教員、情報教育)、鈴木好夫(元教授)、宮本政明(技術職員)、佐野香織(非常勤職員)、刀川 眞(教員、社会情報システム)、松本浩明(技術職員)、浅野克彦(技術職員)、ほか匿名9名


群馬大教職員有志 安保法案 反対声明を公表

東京新聞(2015年8月22日)

 群馬大の教職員有志二十六人は、国会で審議中の安全保障関連法案に反対する声明を公表した。
 声明を出したのは憲法、社会、歴史、行政、倫理、教育、経済、物理、生物などを担当する教授や准教授たち。
 声明では、「解釈改憲による集団的自衛権行使を明白な憲法違反と断じ、絶対に容認しない」と主張。「各地の空襲、沖縄での地上戦、広島と長崎への原爆投下、こうして迎えた敗戦。このような日本であればこそ、武力によらない平和外交によって世界平和の実現に尽くすべきである」との見解を示している。
 声明の発起人の一人、藤井正希准教授(憲法学)は「学内でさらに有志を募り、県内外の大学と連携し、今後は声明文を安倍晋三首相らに送付することも考えたい」と話している。
 法案をめぐっては、県内では今月上旬、高崎経済大の教員有志が反対する声明を発表している。 (菅原洋)

下関市立大教授らが安保法案反対の声明

朝日新聞(2015年8月22日)

 下関市立大学の教授・准教授6人が、参議院で審議中の安全保障関連法案の廃案や、安全保障政策を争点とする総選挙を実施することなどを求める声明を発表し、21日、同市役所で記者会見した。

 声明では、安倍政権による集団的自衛権の行使容認は従来の憲法解釈の大幅な変更になる、と指摘。さらに、昨年末の総選挙はアベノミクスなど経済政策を主な争点としていたとし、自民党が多数の議席を得たことをもって、安全保障政策が支持されたと考えるのは無理がある、としている。

 呼びかけ人の一人、経済学部の桐原隆弘教授は「学内や市民から賛同者を募って議論する場を作っていければ」と話している。(上山崎雅泰)


明治大、事務職員の海外研修実施 - 国際化を担う人材育成のため

NNマイナビ[2015/08/22]

明治大学は8月25日~9月3日、職員を海外に派遣し、現地で先端的な取り組みを学ぶ研修を実施する。

入職1~3年目の職員にはTOEICの受験を義務づけ

グローバル化が進む現在、留学生の受け入れや海外校との協定、外国人教員支援など、大学職員が外国語で対応する業務は日増しに多くなっている。このような背景を受け、同学では国際化を担う人材を育成するために海外で研修を行う。

研修に参加するのは、学部事務や財務などの業務に携わる20代~30代の若手職員11人。派遣前研修として、リサーチ計画の策定や英語のトレーニング、リサーチテーマに関する同学の現状分析と課題認識、米国全体の高等教育に関する基礎知識の習得を行い、現地での実践に挑む。

海外派遣後は、米国カリフォルニア大学デービス校(UCD)で、UCDが構築してきた大学運営に関する先進的な取り組みや職員の実務プロセスを学ぶ。「留学プログラムの収益化」「組織的な初年次教育法」などのテーマに基づき、グループごとに現地の取り組みや実務プロセスをリサーチする。

現地では、全プログラムを英語を用いて行う。参加者は学生寮で宿泊するほか、大学カフェテリア・図書館の利用を通じ海外校の雰囲気を肌で感じながら学びを深めていく。

リサーチ結果は、現地スタッフを前に英語でプレゼンテーション発表を行う。帰国後は、大学の経営陣(理事長、理事)らに対し、研修成果の報告と明治大学の運営に関する提言を行う予定だという。

同学は、職員の国際化を推進するために、「英語での窓口対応」「E-mail writing」「Presentation」など職員対象の語学研修を学期ごとに実施し、これまで延べ550人が受講している。また、入職1~3年目の職員にはTOEICの受験を義務付けている。


2015年08月22日

群馬大学有志、安全保障関連法案に反対する声明

安全保障関連法案に反対する群馬大学有志の声明

安全保障関連法案に反対する群馬大学有志の声明

われわれは、安倍政権が成立させようとしている安保関連法案を、とりわけ解釈改憲による集団的自衛権行使を明白な憲法違反と断じ、絶対に容認しない。
平和であるためには戦争があってはならず、戦争する国を平和な国とは言わない。
もし武力で平和が実現できるなら、最大の軍事大国であるアメリカが、世界で一番平和な国になっているはずだ。
しかし、そのアメリカの第二次世界大戦後の歴史は、戦争と武力行使の連続だった。
武力ではけっして平和が実現しえないことを、この事実が如実に物語っている。
日本がアメリカとともに海外で武力行使をする国になって、日本や世界が今より安全で平和になるはずがない。
われわれは、武力では平和は実現しえないと確信する。

憲法は国家の最高法規であり、憲法によって国家権力を縛り、国民の権利と自由を護るのが立憲主義である。
権力者が自らに課された縛りを緩める安易な解釈改憲は、立憲主義の否定であり、けっして許されない。
解釈改憲による集団的自衛権容認を行動に移すための法案を、大多数の憲法学者による憲法違反だとの指摘や広範な国民の反対の声を無視して、安倍政権は数の力で押し切ろうとしている。
われわれは、この事態に強い憤りを感じる。

東京大空襲をはじめとする各地の空襲、沖縄での地上戦、広島と長崎への原爆投下、こうして迎えた敗戦。
しかし、戦後、日本国憲法のもとで、焼け野原から平和国家として立ち上がった日本。
このような日本であればこそ、武力によらない平和外交によって世界平和の実現に尽くすべきである。
平和憲法をもつ日本は、武力を行使せず、信頼と敬意で平和を実現する国家になるべきである。
われわれは、平和主義の理想を深く信ずる。

70回目の終戦記念日を迎えた今日、ここに安保関連法案の廃案を安倍政権に対して強く求めるものである。


2015年8月15日 70回目の終戦記念日を迎えて

群馬大学有志         

呼びかけ人(群馬大学教職員 計26名 50音順)
荒木詳二(ドイツ文学)、伊藤賢一(社会学)、石川真一(生物学)、今井就稔(歴史学)、落合延孝(歴史学)、河島基弘(社会学)、北村純(行政学)、黒須俊夫(心理学)、小谷英生(倫理学)、小林陽子(家庭科学)、斎藤周(労働法)、櫻井浩(電子工学)、砂川裕一(哲学)、瀬山士郎(数学)、滝沢俊治(物理学)、豊泉周治(社会学)、西薗大実(環境学)、西村淑子(行政法)、野村哲(地質学)、藤井正希(憲法)、三上紘一(生物学)、三田村道子(元職員)、南谷覺正(情報文化論)、山崎雄介(教育学)、山田博文(経済学)、渡部孝子(英語教育学)


正職員と格差 時給制職員、医大提訴へ

朝日新聞(2015年8月21日)

 正職員と変わらない仕事をしても待遇に差があるのは、雇用期間の定めの有無で差別することを禁じた労働契約法20条に違反するとして、大阪医科大(高槻市)のアルバイト職員の40代女性が大学に給与の差額など約450万円の支払いを求め、来週にも大阪地裁に提訴する。

 訴えによると、女性は2013年1月から最長1年の雇用契約を更新しながら時給制で勤務。研究室の秘書として事務や経理を担当したが、体調を崩して今年3月に適応障害と診断されて欠勤している。だが、欠勤中の給与や賞与・退職金は正職員のようには支給されず、給与水準も低いと主張。これらの待遇格差は労契法が禁じる「不合理な差別」にあたると訴える。

 女性は「つぶれるまで働いて使い捨てでは納得できない。大学に残る他のアルバイト職員の待遇改善にもつなげたい」と話す。大学の代理人弁護士は「訴状の内容を見て主張の具体的根拠を把握した上で、訴訟の中で適切な主張立証を尽くしていく」としている。


国旗国歌、国立大5割超「検討」 文科相の要請に

共同通信(2015/08/21)

 安倍晋三首相の意向を受ける形で、下村博文文部科学相が6月、国立大に入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を実施するよう求めたことに対し、共同通信が国立大全86校にアンケートを行った結果、匿名条件を含め77校から回答があり、47校が「今後の対応を検討するが未定」としていることが21日、分かった。東京農工大と匿名1校の計2校が、従来の方式を変更し、今後は国歌を斉唱すると答えた。

 「あくまでお願い」とする下村氏の要請だが、国立大の動向に一定の影響を与えている実態が浮かんだ。「要請は大学の自治や学問の自由を脅かす」との批判もあり、論議を呼びそうだ。


2015年08月21日

酪農学園大学の専制的な運営の停止を求める署名活動

酪農大はやっぱり素晴らしい!

学校法人酪農学園
理事長 麻田 信二 様

酪農学園大学の専制的な運営の停止を求めます!

 2015 年 7 月 14 日、2 年半前に選挙で選ばれた任期半ばの干場学長が解任されるという異常事態が起きました。

 経緯が示す通り、2007 年に麻田理事長が就任して以来、校名変更問題などが相次いで発生し、理事会と教育現場の信頼関係が難しくなったように思われます。昨年11月には理事会が、教授会構成員の 87%の反対を無視して、建学理念の基本である「キリスト教の精神」に基づいた教育運営を後退させる案や、理事会・常務理事の再任制限の撤廃案を決定しました。さらに、今年の2月には、長年に亘って実施してきた大学役職員の選挙による候補者選びを全て廃止する案を提出し、これも教授会構成員の8割以上の反対署名を無視して決定しました。今や教員現場の意向は大学運営にほとんど反映しない状況になってきました。学問の府でこのような暴挙が許されて良いのでしょうか。

 干場学長は大学教育現場の代表として、理事会においても一貫してこれらの案に反対してきましたが、そのことが今回の解任の大きな理由になっているように思われます。 そもそも解任理由は二転三転したと聞きますし、最終的に理事会が上げた事柄は誰が考えても解任理由に足るとは思えません。今回の出来事は、酪農学園の理事会が、管理者側の権限強化を狙った学校教育法の改正に悪乗りし、民主的運営を望む教育現場の声を無視して、専制的な大学運営をしょうとしていることの表れであり、このままでは酪農学園大学の素晴らしさが失われることが危惧され、決して看過することは出来ません。

 以上のことから、私たちは干場学長の解任を認めることはできず、酪農学園大学の専 制的な運営の停止を強く要望します。


神戸女学院有志、安全保障関連法案に反対する声明

安全保障関連法案に反対する神戸女学院有志の会

声明

 2015年7月16日、安倍晋三内閣は、集団的自衛権行使の容認を柱とした11本の「安全保障関連法案」を衆議院で強行採決しました。

 同法案には200人を超える圧倒的多数の憲法学者が憲法違反を指摘し、各種世論調査によっても大多数の国民が反対の意思を表明しています。これらを無視した強行採決は、戦後日本の民主主義と法治国家の土台をなす立憲主義を危機に瀕させる暴挙と言わねばなりません。

 私たちはこの国の最高法規としての憲法を根拠に、また学問と良識の名において、国会がこれらの法案を廃案とすることを強く求めるものです。

 神戸女学院(1875年創立)は、戦時の苦難の一時期もふくめ、「キリスト教主義」「リベラルアーツ&サイエンス」「国際理解」を教育の柱に据え、聖書の言葉に基づく「愛神愛隣」を学院標語に掲げてきました。

 「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。隣人を自分のように愛しなさい」(マタイによる福音書22章37-39節)。

 この聖句は、この国がふたたび隣人に武力を差し向けうる国になってよいものかを、私たちに問うています。

 戦争は、かけがえのない命を持った若者を戦場に送り込み、殺し殺されることを強要するものです。戦争は、子どもたちを含む多くの犠牲者を生み出し、命の尊厳を踏みにじります。憲法に明記された平和主義に反し、戦争への道を開く安全保障関連法案の廃案を、強く要求するものです。

2015年8月

安全保障関連法案に反対する神戸女学院有志の会

30日に大規模な反対集会 安保法案「目標10万人」

共同通信(2015/08/20)

 安全保障関連法案に反対する市民団体が20日、東京都内で記者会見し、今月30日に国会周辺で大規模な集会を開いて、廃案を訴えると発表した。10万人を目標に、ホームページなどで参加者を募るという。

 市民団体は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」や、分野を横断した研究者でつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」なども加わり、30日午後2時から国会近くで抗議行動をする。

 同日は東京以外の各地でも反対集会が予定されており、実行委は「全国で100万人規模の反対運動にしたい」と話している。


滋賀大教職員と学生、安保廃案求め声明

京都新聞(2015年8月20日)

 滋賀大の教職員や学生でつくる「安全保障関連法案に反対する滋賀大学人有志の会」は20日までに、法案の撤回と廃案を求める声明を発表した。

 教職員や学生、卒業生、保護者らに幅広く声明への賛同を4日から呼び掛けており、現在、賛同者として139人が名前を連ねている。

 声明では、同法案について「戦争放棄を定めた憲法9条に違反し、立憲主義を否定する」「稚拙な法解釈」と批判し、「民主主義を否定する数の力による強行採決を認めず、速やかな撤回と廃案を要求する」としている。


2015年08月20日

「安保法案」に反対する中東研究者(106名)のアピール

中東研究者の有志が「安保法案」に反対するアピールを発表

中東研究者の有志が「安保法案」に反対するアピールを発表

辻上奈美江 | 東京大学大学院総合文化研究科特任准教授
2015年8月10日 23時31分

中東研究者有志らによる「安保法案」に反対するアピール記者会見の様子

中東研究者の有志による「安保法案」反対記者会見

8月10日、中東研究者の有志らが参議院議員会館で記者会見を開き、安全保障関連法案に反対する声明を発表した。声明を呼びかけた千葉大学の栗田禎子教授は、「日本の中東研究・外交のメインストリームを担ってきた学者・外交関係者が同法案に反対していることを示すことによって廃案への流れを作り出したい」として、7月31日から呼びかけを開始した。

同日時点で、呼びかけ人と賛同者は大学や研究機関、企業などに所属する計105名。栗田教授と東京大学の長沢栄治教授、私が世話人となった。

呼びかけ人のうち、11人が会見に出席。歴史学や地域研究、イスラーム学などそれぞれの専門分野や経験を踏まえながら、安保法案に反対する理由を語った。

東京外国語大学の黒木英充教授は、アメリカの対中東政策の失敗を尻拭いするような安保法案が成立することに強い懸念を示した。また宮田律・現代イスラム研究センター理事長は、イランの核合意後にまで、ホルムズ海峡での機雷掃海を議論した安倍政権の「国際感覚のズレ」を批判した。

会見には、イラク政治の研究者でもある大野元裕参院議員(民主)から「今回の安保法制は、やりたいことありきで便宜的・恣意的な憲法解釈を行うことで、政権を担ってきた自民党自身が連綿と作り上げてきた法的安定性をないがしろにし、政府の主張する新三要件の適用やそれがもたらすリスクについて、明確かつ具体的な説明なしに歯止めのないものとなっている」とのメッセージが寄せられた。

今回発表したアピールは次の通り。

「安保法案」に反対する中東研究者のアピール

わたしたちは、中東の政治・社会・歴史・文化等の研究に携わり、日本と中東の相互理解と友好のために努力してきた立場から、現在国会で審議中の「安全保障関連法案」には重大な問題があると考えます。

一 この法案は、自国が攻撃されていないにもかかわらず戦争に参加する「集団的自衛権」の行使を容認するなど、日本国憲法の掲げる平和主義の原則に明らかに違反しています。憲法9条に示されている戦後日本の平和主義は、日本が近代以降の対外拡張や侵略の歴史を反省し、戦争をしない国に生まれ変わる決意を表明したもので、これにより日本はアジアや世界の信頼をかちえてきました。とりわけ中東は、長く欧米による植民地支配や侵略に苦しんできた地域であるため、日本が経済大国ではあっても海外で一切の武力行使を行わない国になったことはきわめて好意的に受けとめられ、これが日本に対する中東の人々の友情・信頼感の基礎となってきました。平和憲法に反する今回の法案は、日本と中東、世界の諸国との関係を根本から損なってしまいます。

二 この法案は、日本とアメリカがアジア・太平洋だけでなく地球大で「切れ目のない」安保協力態勢を築くことをめざすもので、アメリカの戦争に世界中で協力するための法律と言えますが、この間アメリカ主導で展開されてきた大規模な戦争は実はもっぱら中東地域を対象とするもの(湾岸戦争・アフガニスタン戦争・イラク戦争)です。今回の法案も基本的にイラク戦争等をモデルケースとしつつ、自衛隊によるさらに踏み込んだ米軍支援ができる態勢づくりをめざしています。これは中東がアメリカの世界戦略上、経済的・軍事的に重要な地域であることによりますが、アメリカの戦争が中東地域および国際社会に何をもたらしたかは、現在のイラクやアフガニスタンの状況を見れば明らかです。大国による軍事介入が中東地域にもたらした悲劇・混乱に一切学ぶことなく、アメリカの戦争への協力態勢を一気に拡大しようとする政策は誤っています。

三 この法案では「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」に際しては「集団的自衛権」の行使が認められるとされていますが、その具体例として繰り返し挙げられてきたのは、「ホルムズ海峡が封鎖された場合」です。日本は石油の大半を中東からの輸入に依存しているので、その供給が脅かされた場合に中東に自衛隊を送るのは当然だ、という説明なのですが、資源確保のためなら海外派兵するというのは、植民地主義・帝国主義の論理にほかなりません。日本国民の「くらし」や「幸福」を守るための「自衛」なのだと主張しても、中東の人々には反発されるだけでしょう。資源確保は重要ですが、それはあくまで中東の人々の主権を尊重し、日本と中東の間に対等・友好的な関係を築き上げることによってこそ可能となります。

今回の法案は日本国民の「命とくらし」を守るためのものと説明されています。しかしながら、戦後日本外交の基本であった平和主義の原則を投げ捨て、大国主導の戦争に追随し、資源への自己中心的野心をむき出しにするような姿勢は、日本に対する中東やアジア、世界の民衆の信頼を打ち砕き、「国益」を損ない、むしろ日本の市民の生命と安全をこれまでにない危険にさらすことにつながっていくでしょう。

以上の理由から、わたしたちは「安全保障関連法案」に反対し、同法案を廃案とすることを求めます。2015年8月


社会福祉系学会会長共同声明、「戦後70年目の8月15日によせて」 

社会事業史学会

「戦後70年目の8月15日によせて」
  
                   
1 戦後70年の節目にあたる本年、自衛隊法、PKO協力法、周辺事態法、船舶検査活動法、特定公共施設利用法、国家安全保障会議設置法、武力攻撃事態法、米軍行動関連措置法、海上輸送規制法、捕虜取扱い法の10の法律改正をその内容とする「平和安全法制整備法案」および新たな「国際平和支援法案」の審議が進められている。これらはすでに昨年の集団的自衛権についての閣議決定に沿ったものであるが、従来の自国防衛から、「存立危機事態」へも対応でき、外国軍の後方支援も可能な「積極的防衛」への経路が、国民の安全や他国からの脅威を理由に広げられつつあるといえる。湾岸戦争時に「カネは出すが血は流さない」と国際社会から非難されたともいわれたが、今回の法案は「血を流す貢献」を可能にする環境を整えるものと考えられよう。だがこうした「積極的貢献」が、ある国をめぐる脅威の抑止力になりえるかどうかは、世界の各地で、今日も続けられてきている
戦争の実態から、冷静な判断が必要である。
 これらの法案が現行憲法に反し、法治主義をゆがめることについては、憲法学者を中心とした批判がある。ここでは社会福祉学の立場から次のような危惧を表明したい。1.どのような正義の名の下においても、いったん始められた軍事活動は、それが「後方」支援であろうと、同盟国への支援であろうと、そこに巻き込まれた国々の人びとの命と日常生活を一瞬にして奪い、孤児や傷病・障害者を増やすだけでなく、それらの深い傷跡が、人びとの生活に長い影響を与え、しばしば世代を超えて受け継がれていく実態がある。2.子ども、障害者・病者など「血を流す貢献」ができない人びとが、こうした事態の中で最も弱い立場に追いやられる。また民族や性別、階層の分断や排除が強められ、テロ等の温床にもなる悪循環が作られていく。3.これらから生ずる「犠牲者」への援護施策とそのための財政その他の社会的コストは一時的なものではなく長期に要請されることに特に留意したい。戦後70年経ってなお、戦争犠牲者への援護行政が続けられ、またそれを巡ってアジアの諸国との対立が
続いていることがその一端を示している。4.財政再建を理由に社会保障・社会福祉費の削減が続いている今日、もし「積極的貢献」の負担増がこれに優先するようになれば、少子高齢化が深まる日本の社会福祉の未来は、更に暗いものとなろう。

2 他方で、日本社会福祉学会『社会福祉学研究の50年―日本社会福祉学会のあゆみ』(2004)所収の論文「戦後社会福祉の総括」において、著者阿部志郎氏は、戦後社会福祉が「戦時の「万民翼賛体制」のもとでの厚生事業との断絶があり、国家主義の否定の上に、戦後の民主的な社会福祉が到来したと認識しがちである」とし、自らも含めて日本の社会福祉が戦争責任を自覚してこなかったし、「アジアの国々はもちろん、沖縄さえ視野におさめていなかった」ことを深く恥じていると率直に告白されている(p7~8)。その点が、ボランティア運動でさえ「罪責感」を基礎に再出発した戦後ドイツの社会福祉との「決定的相違」だとも強調されている(p8)。私たちは、この阿部氏の告白をあらためて真摯に受け止める必要がある。社会福祉は、一方で一人ひとりの生活に寄り添いながら、同時に「多数の正義」の名の下での支配体制に容易に組み込まれる危険を孕んでいる。このことに社会福祉研究者は常に自覚的でありたい。

3 日本社会福祉関連の各学会は、90年代より国際交流を活発化させ、特に東アジア3カ国ネットワークの実現に向けて努力してきた。また留学生への支援も強化しようとしている。こうした交流の中で、社会福祉の今日的課題の共通性とともに、文化・歴史的背景の違いについての理解も深められている。「戸締まり」に気を配るだけでなく、国を超えた共同研究や実践交流の積み重ねの中で、相互理解を深めていくプロセスをむしろ大事にしたい。残念ながら、最近の政治的「緊張」が、こうした地道な相互理解の努力に水をさすことがある。しかし、回り道のようでも、緊張を回避していく別の回路を模索することが、学会や研究者の役割であり、国際的な社会福祉研究の水準を高める上でも意味があると考える。

 戦後70年目の8月15日を迎えるにあたって、社会福祉研究者・実践者として私たちは、「血」ではなく「智」による、「抑止力」ではなく「協力」による未来社会を展望する努力を続けることを誓い合いたい。

 2015年8月15日
             日本社会福祉学会会長           岩田正美 
             日本医療社会福祉学会会長         岡本民夫
             社会事業史学会会長            大友昌子
             日本ソーシャルワーク学会会長       川廷宗之
             日本看護福祉学会会長           岡崎美智子
             日本仏教社会福祉学会代表理事       長谷川匡俊
             日本福祉教育・ボランティア学習学会会長  松岡広路
             貧困研究会代表              布川日佐史


大阪歴史学会、「安全保障関連法案」の採決の強行に抗議し、その廃案を求める委員会声明」

大阪歴史学会

「安全保障関連法案」の採決の強行に抗議し、その廃案を求める委員会声明(2015.7.27)

 去る7月16日、衆議院本会議はいわゆる「安全保障関連法案」を強行採決した。しかし「安全保障関連法案」は、日本国憲法下では認められない集団的自衛権の行使に道を開くものであり、私たちはこのような法案が成立することを許すことができない。

 日本国憲法第九条は、戦争を含む武力による威嚇や行使を行わないことを定めており、日本が集団的自衛権を行使できないことは自明であって、戦後の歴代内閣もそのことを繰り返し表明してきた。ところが2012年12月に成立した安倍晋三内閣は、2014年7月1日、集団的自衛権の行使が容認されるとする閣議決定を行った。現在、審議が進められている「安全保障関連法案」は、すでに多くの憲法学者・法曹関係者が指摘しているように、明らかに憲法解釈の許容範囲を逸脱している。

 あらためて述べるまでもなく、憲法とは「国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」(日本国憲法第98条)。集団的自衛権の行使を可能とする「安全保障法案」は、日本国憲法に反するものであり、そのような法案をあくまでも「合憲」と主張する現政権もまた、国務大臣や国会議員に課せられた「憲法を尊重し擁護する義務」(同第99条)を放棄しているといわざるをえない。

 戦後日本の歴史学は、日本のみならずアジア・太平洋地域の多くの民衆に未曽有の惨禍をもたらしたアジア・太平洋戦争と、このような破局を招いた大日本帝国の歴史に対する痛切な反省に立脚し、平和と民主主義の理念を共通の基盤としてきた。しかし「安全保障関連法案」は、戦後70年にわたり守られてきた「不戦」という世界に誇るべき歴史にピリオドを打ち、日本の若者を戦地に送りだすことを可能にしようとするものである。また、憲法に反する「安全保障法案」が成立することは、日本国憲法が憲法である意義を失うことを意味し、民主主義国家の根幹である立憲主義そのものが危機に瀕する。

 以上の理由により、私たちは、歴史学研究の学術団体として、衆議院における「安全保障関連法案」の強行採決に抗議するとともに、その廃案を強く求めるものである。


 2015年7月27日

大阪歴史学会委員会

創価教育同窓生有志による安全保障関連法案への反対声明

創価教育同窓生有志による安全保障関連法案への反対声明

創価教育同窓生有志による安全保障関連法案への反対声明

戦後70年を数える本年、安倍政権は安全保障関連法案を国会に提出しました。私たち、創価教育同窓生有志は、この法案の内容が創価教育の理念と相容れないものであると考え、ここに強く反対の意思を表明し、法案の廃案を求めます。

創価教育の淵源は、牧口常三郎先生が価値創造の生き方を説いた教育論『創価教育学体系』(1930年)を著し、戸田城聖先生とともに、創価教育学会を創立したことにさかのぼります。牧口・戸田両先生は、第二次世界大戦中、軍国主義の国家権力に抵抗したために逮捕され、過酷な弾圧を受け、牧口先生は獄死しました。戸田先生は出獄後、牧口先生の後継者として、創価教育学会を創価学会として再興するとともに、『原水爆禁止宣言』(1957年)を発表し、世界の民衆の生存の権利を脅かす魔性との戦いを宣言しました。

池田大作先生は、牧口・戸田両先生の遺志を継承し、生命尊厳の哲理を掲げ、戦争と核兵器を絶対悪とし、一貫して戦争の悲惨さと平和の尊さを叫び続けてきました。そして、生命の尊厳と平和を守る人間教育の学舎として、創価学園・創価大学を創立したのです。私たちは、創価の反戦平和の思想を受け継ぐ者として、今こそ声を上げるべき時であると考えます。

政府与党の一部は、中国・北朝鮮の脅威を説いて、この法案の成立が日本の安全・防衛のために必要だと強調しています。しかし、仮想敵国を作り、その脅威を煽ることは、国家間の緊張関係を「外交努力」よりも「軍事力」によって抑止するという思想に基づいており、それは果てしない軍拡競争を誘発し、ひいては平和を破壊する危険性をはらんでいます。

こうした抑止論に警鐘を鳴らし、軍拡ではなく軍縮を唱え、さらに貧困・抑圧・搾取・差別といった「悲惨」をなくすことによる平和の実現を訴え、行動してきたのが池田先生です。各国の指導者と直接会って対話をすることで、偏見や先入観を取り払い、信頼関係を結び、日中友好をはじめとする平和の道を切り開いてきました。

池田先生は、日本国憲法の平和主義を画期的な理念として堅持し、それを全世界に広め具現化することが日本の使命であると呼びかけています。政府与党が今、この法案の成立を図るに際し、憲法改正の手続きによらず、その解釈の変更によって、憲法9条を空文化していることは、平和主義と立憲主義を破壊する行為として容認できません。また、全国に広がる多くの反対運動・世論に耳を傾けず、十分な説明もなく衆議院の審議を打ち切ったことは、民主主義に反する行為です。

私たちは、この「対話外交の徹底」と「平和憲法の堅持」こそが、戦争に対する最強の抑止力であり、世界の人々が平和の中に共存共栄をなす鍵であると確信します。私たちは、政府与党がこの路線を採用することを期待し、その第一歩として、安全保障関連法案を即時に廃案にすることを要求します。

2015年8月15日
創価教育同窓生有志

呼びかけ人(*は発起人、敬称略、参加順)
*阿部謙一(創大20期)、小森忠昭(創大22期)、*田中勝己(創大24期)、*溝端栄一(創大24期)、国松和宏(創大24期)、岡林一弘(創大26期)、島田悦作(創大24期)

創価教育同窓生有志が安保法案反対の声明を発表

exciteニュース(2015年8月16日

 公明党の支持母体である創価学会の教育機関、創価大学、創価女子短大、創価高校、創価中学、創価小学校、創価幼稚園の卒業生ら「創価教育同窓生」有志が15日、政府の安保法案に反対する声明を発表した。法案廃案を強く求めている。

 また、政府が集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を行ったことに「解釈変更によって、憲法9条を空文化していることは平和主義と立憲主義を破壊する行為で容認できません」と明言。

 解釈変更によって立案された安保法案について「全国に広がる多くの反対運動・世論に耳を傾けず、十分な説明もなく衆議院の審議を打ち切ったことは、民主主義に反する行為」と政府・与党の姿勢を強く問題視した。

 声明は「創価教育の淵源は、牧口常三郎先生が価値創造の生き方を説いた教育論『創価教育学体系』(1930年)を著し、戸田城聖先生とともに、創価教育学会を創立したことにさかのぼります」と創価教育の立ち位置から説明。

 両氏が「第二次世界大戦中、軍国主義の国家権力に抵抗したために逮捕され、過酷な弾圧を受け、牧口先生は獄死しました。戸田先生は出獄後、牧口先生の後継者として、創価教育学会を創価学会として再興するとともに、『原水爆禁止宣言』(1957年)を発表し、世界の民衆の生存の権利を脅かす魔性との戦いを宣言した」と紹介。

 そのうえで「創価の反戦平和の思想を受け継ぐ者として、今こそ声を上げるべき時と考えます」と安保法案廃案を表明した。

 声明では「対話外交の徹底と平和憲法の堅持こそが、戦争に対する最強の抑止力であり、世界の人々が平和の中に共存共栄をなす鍵であると確信します。私たちは、政府与党がこの路線を採用することを期待し、その第一歩として、安全保障関連法案を即時に廃案にすることを要求します」と結んでいる。

 また、創価大学・創価女子短大関係者有志の会も大学、短大関係者に法案反対を呼びかけて、反対署名は1000人を超えている。平和の党・公明党がそうではなくなったとの声もあり、公明党への影響は避けられそうにない。(編集担当:森高龍二)


熊本県立大学関係者有志、安全保障関連法案に反対する声明

安全保障関連法案に反対する熊本県立大学関係者有志の声明

安全保障関連法案に反対する熊本県立大学関係者有志の声明

1.安倍内閣が提案し今国会で審議中の安全保障関連法案(「国際平和支援法案」と「平和安全法制整備法案」)は、憲法九条に違反してわが国を「戦争する国」へと誤り導くものです。私たちは、この法案を認めることができません。国会が審議を経て同法案を廃案とされることを求めます。

2.今年 6 月 4 日に行われた衆議院憲法審査会で、憲法学者 3 名すべてが法案を「違憲」とみなしたのにもかかわらず、安倍内閣はこれをないがしろにしようとしています。このことは、長い時間をかけて議論され、洗練されて今に引き継がれてきた学問的成果への軽視にほかなりません。学問の府である大学の関係者として、このような知性に反する態度を認めることはできません。

3.1945年の敗戦まで、熊本には第六師団が置かれ、陸軍幼年学校がありました。また、熊本県立大学は、義烈空挺隊が同年5月24日に沖縄特攻に飛んで行った旧陸軍飛行場跡地に立地しています。熊本地域からは多くの若者が徴兵され、第五高等学校や東洋語学専門学校の生徒、熊本工業専門学校や師範学校の学生生徒も、学徒として戦地へ赴き、若い命が多く失われました。私たちは教育に携わる者として、若者が他国の若者と銃火を交え、命を落とすという状況に再び至ることがないよう切に願うものです。

4.私たちは、「国権の発動たる戦争」と「武力の行使」を放棄した憲法九条を堅持し、憲法前文の「恒久平和」の理念に則って、中国、韓国をはじめとするアジアの諸国・国民、またアメリカ合衆国を含む世界の諸国・国民との平和友好の関係が築かれるよう強く要望し、そのために私たちとしても努力いたします。

5.私たちは、熊本地域の若者・学生の皆さんの安全保障関連法案反対の運動に賛同します。日本を戦争へと誤り導こうとする力に抗して、自らの人生を大切にし、故郷や地域の人々の日々の平和な生活を重んじ、アジアやアメリカを始め世界の若者の命を自らの命と等しく大切なものとおもう皆さんの運動に、心からの声援を送ります。

2015年8月16日

五島 慶一 文学部教員(日本近代文学) 石村 秀登 文学部教員(教育学)
元吉 瑞枝 文学部元教員(ドイツ語・ドイツ文学) 難波 美和子 文学部教員(比較文学)
斎藤 泰 文学部元教員(西洋史) 砂野 幸稔 文学部教員(フランス語・フランス文学)
鈴木 元 文学部教員 梅林 誠爾 文学部元教員(哲学)
深津 和彦 環境共生学部元教員 中島 熙八郎 環境共生学部元教員
大岡 敏昭 環境共生学部元教員(住宅計画学) 匿名希望 環境共生学部教員
藤尾 好則 総合管理学部元教員(情報) 久間 清俊 総合管理学部元教員(経済学)
永尾 孝雄 総合管理学部元教員(法学)
以上

東京理科大、16年度から博士課程の授業料「タダ」に 大学は5年で40億の支出増

Jcastニュース(2015/8/19)

東京理科大は16年度から大学院博士課程に入学した学生の授業料などを、実質無料にする方針を決めた。2015年8月19日、朝日新聞電子版が報じた。

報道によると、博士課程在籍で必要な費用は、初年度の入学金30万円のほか、毎年かかる施設設備費18万円と授業料約80万円。16年度からは、入学金と施設設備費が免除され、授業料分も返済不要の奨学金として給付する予定だ。

同時に学生の雇用も進める。博士課程の学生のうち3割程度を「リサーチアシスタント」として雇い、年105万円を払う。

大学側はこれらの施策を通じ、5年で約40億円の支出増を見込んでいるという。


2015年08月19日

琉球大学教授職員会、決議「安全保障関連法案に反対する」

琉球大学教授職員会
 ∟●決議「安全保障関連法案に反対する」

決議「安全保障関連法案に反対する」


 安全保障関連法案について、7 月 15 日に衆議院安保法制特別委員会において強行採決が行われ、翌 16 日には衆議院本会議においても同様に採決がなされた。
 そもそもこの法案は、昨年 7 月 1 日に、安倍内閣が、集団的自衛権行使の容認を閣議決定したことに端を発する。これに対して、当会は、昨年 8 月 6 日の定期総会において、「集団的自衛権の行使容認に反対する」声明を決議した。同様の声明が各方面でこれまで多数あげられてきたにもかかわらず、安倍内閣は、それらを一顧だにせず、あろうことか、国会審議が始まってさえいない 4 月の訪米時に、米連邦議会での演説で安保法制の改革を夏までに行うことを約束し、国民主権を蔑ろにした。
 さらに、衆議院憲法審査会で憲法学者 3 人全員が違憲と述べるなど、安保関連法案に対する違憲の疑いが大きく懸念される中でも、国会審議ではその疑念に対する合理的な説明が全くなされなかった。それにもかかわらず採決が強行されたことは、暴挙というほかない。
 安保関連法案は、戦後、日本が 70 年にわたって積み上げてきた憲法の平和主義に基づく安全保障政策を大きく転換するものである。したがって、その転換には、内容が憲法に違反することなく、かつその手続において、十分な議論がなされることが必要不可欠である。
 しかるに、今般の状況は、「違憲」の安保関連法案を、与党の数の力だけでおしきったもので、立憲主義を根底から覆すものであり、到底受け入れることはできない。
 国会においては、安保関連法案をすべからく廃案とし、危機に瀕する立憲主義・民主主義を、一日でも早く「取り戻す」ことを強く求めるものである。

以上
2015年7月28日

琉球大学教授職員会第 55 回定期総会

安保法廃案求める、琉大教授職員会

琉球新報(2015年8月18日)

 琉球大学教授職員会は17日までに、安全保障関連法案に反対する決議と大学の式典での国旗掲揚・国歌斉唱の要請に抗議する決議、軍学共同に反対する決議などを採択した。
 安保法案の反対決議は、同法案が戦後70年間の「憲法の平和主義に基づく安全保障政策を大きく転換するものである」などとして、廃案を強く求めた。
 国旗掲揚・国歌斉唱の要請に抗議する決議は、6月16日に下村博文文部科学相が大学の式典で国旗と国歌の使用を要請したことを、大学の教育・運営活動に対する行政介入だと指摘し「要請を撤回すべきだ」と主張した。
 文部科学省が6月8日に通知した教員養成系および人文社会科学系学部・大学院の廃止や転換を促す通知を出したことなどに抗議する決議も採択した。
 各決議は7月28日の第55回定期総会で採択した。


下関市立大学有志、安全保障関連法案に疑問を呈する声明

安全保障関連法案に疑問を呈する下関市立大学有志の声明

安全保障関連法案に疑問を呈する下関市立大学有志の声明

2015年8月


 昨年(2014年)7月1日、安倍政権は限定的ながらも「集団的自衛権」の行使容認を閣議決定しました。識者の指摘するように、これは1972年の「集団的自衛権と憲法との関係に関する政府資料」と同様の前提に立ちながら、「安全保障環境の変化」を根拠に結論部分を変更したものです。同資料では、「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」と明言されていました。したがって昨年の閣議決定により政府与党は、自衛権といえば専守防衛の「個別的自衛権」にほかならないとする従来の憲法解釈の大幅な変更へと踏み出したことになります。
 昨年12月14日の総選挙を経て、本年に入り、政府与党は11法案にのぼるいわゆる「安全保障関連法案」を上程し、国会会期を9月27日まで戦後最長となる95日間延長したうえで、同法案を7月16日、衆議院を通過させ、現在は参議院に送付され審議中です。
 この間、多くの国民が安保法制反対の声を上げています。その背景には、今回の法案が、わが国の歩んできた平和国家としての性格を大きく変えるのではないかという不安があります。専守防衛に徹し、かつ震災時を初めとする災害派遣の実績等により、国民の幅広い理解と支持を得てきた自衛隊も、今回の安保法制によってその性格を大きく変えることになります。
 そもそも昨年末の総選挙は、「アベノミクス」の中間評価および消費税率引き上げ延期の是非という経済政策を中心争点としていました。「景気回復、この道しかない。」これが自民党のキャッチコピーでした。同総選挙で多数の議席を得たことが、そのまま安全保障政策の支持を意味すると考えるのは無理があるのではないでしょうか。
 国民は、安全保障関連法案をめぐる審議過程を目の当たりにして動揺しています。そして、安保法制が今までの安全保障政策の何を維持し、何を変更するのかについても、政府与党の説明にもかかわらず、十分な知識と理解が得られたわけではありません。これはつまり、安全保障政策を争点の一つとする「総選挙」を通じて、一定期間の学習期間を経たうえで、国民自身の意向を問うべきだということを意味しないでしょうか。
 国民不在と受け取られても仕方のない政権運営が続いているように思われてなりません。平和主義や立憲主義といった憲法の理念だけでなく、私たち大学人の立場からは、学問の自由さえも脅かされているように思われるからです。周知のように文部科学大臣は本年6月8日、国立大学の人文・社会科学系学部の「廃止または転換」を通達しました。多くの大学はすでに「社会的要請」への対応において十分すぎるほど苦慮してきたわけですから、これはもはや大学自治への露骨な行政介入にほかならず、ひいては、人文・社会科学系諸学部で培われる批判的思考の芽を摘み取ったうえで、政府与党の方針に適う、または実益をもたらす分野にのみ予算を重点配分することを目指すものだと言わざるをえません。
 安全保障政策、文教政策、さらには普天間飛行場移設問題、TPP問題、原発問題…ここ数か月間の政権運営でますます目立ってきたのは、政府与党の「拙速」かつ「恣意的」な判断です。「国のかたち」を大きく変えるこれらの案件は、国民不在のまま結論を急いではならないはずです。
 下関市立大学は、「東アジアを中心に広く世界に目を向けた教育と研究」を行うことを通じて「地域社会及び国際社会の発展に寄与すること」を建学の理念とし、地方公立大学のなかでも最も古い大学の一つとして、およそ60年間にわたり多くの卒業生を世に送り出してきました。私たちは、今回の安全保障関連法案が、東アジア地域の緊張を不必要に高めることによって「地域社会と国際社会の発展」を大きく損ねることを危惧します。
 拙速かつ恣意的な判断に基づく政権運営の失敗は、太平洋戦争、そして戦後の原発政策の顛末を見れば明らかです。戦後70年というこの大事な節目に、政府与党は今一度、民主主義の原点に立ち返るべきです。私たちは、①政府与党が改めて国民の声に謙虚に耳を傾けること、②十分な理解を得られたとは到底言えない安全保障関連法案を廃案とすること、③仕切り直して総選挙において安全保障政策を中心争点とすること、そして、④各党が賛否の立場およびその根拠を十分に示したうえで、国民自身の審判を仰ぐこと、これらのことが最低限必要であると強く主張します。


呼びかけ人(50音順)

相原 信彦(経済学部教員)  木村 健二(経済学部教員)

桐原 隆弘(経済学部教員)  関野 秀明(経済学部教員)

水谷 利亮(経済学部教員)  山川 俊和(経済学部教員)

安保法案、北海道の大学教員有志、廃案求める声明

毎日新聞(2015年08月18日)

 参院特別委員会で審議されている安全保障関連法案を巡り、北海道内の大学教員有志が、相次いで廃案を求める声明を発表している。北海道大の教員有志が発表した声明では「この法案は日本が他国の戦争に参加できるようにするためのものだ」と訴え、賛同者を募っている。

 呼び掛け人の一人である北大大学院文学研究科の宮内泰介教授は「(戦争放棄を掲げる)憲法9条を踏まえると、安保法案は論理的に破綻している。事実を探求する研究者、教育者として声を上げる必要があると考えた」と説明する。

 また、道内では北海学園大や札幌学院大、北海道教育大釧路校でも教員有志が廃案を求める声明を発表。北星学園大有志も声明を出す予定。

 15日に公表された北海学園大の声明には、同大全教員の約3分の1に当たる84人が賛同。法案が衆院を通過した際、安倍政権が強行採決したことに触れ、「民主的な手続きにもとる」と批判した上で、「安保法案は武力行使に対する歯止めが不十分」と指摘している。【山下智恵】


2015年08月18日

和歌山大学有志、安全保障関連法案の廃案を求める声明

安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会

安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会の声明

 私たちは、現在国会で審議されている安全保障関連法案(安保関連法案)の廃案を求めます。その理由は以下の通りです。
・安保関連法案は、全世界の国民の平和的生存権を確認した日本国憲法前文、および武力行使と戦力の保持を禁じた同第9条に違反しています。日本国憲法の平和主義により、戦後の日本および日本国民は国際的にも多くの国および人々の信頼を得てきました。安保関連法案の成立は、こうした国際的信頼を大きく損ないます。
・多くの専門家が憲法違反を指摘するなか、この法案を成立させることは、憲法が国家権力の暴走に歯止めをかける立憲主義の原則を破壊します。憲法違反の法案をひとたび許せば、民間人の動員や徴用、さらには徴兵制に至る、より危険な法律の制定に道を開きかねません。
・多くの国民が反対し、安倍首相自身が「国民の理解が進んでいない」と認めている安保関連法案の可決成立を強行することは、国民主権と民主主義に反します。
・安保関連法案は、歴代政権が、「専守防衛」を逸脱し憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使容認へと大転換させ、世界中の紛争・戦争への介入・参戦を可能にする「戦争法案」だと考えます。他国の民衆を殺傷するだけでなく、日本の若者も殺され、心身ともに深く重く傷つけられます。この法案は安全保障どころか日本を戦争に引きずり込む法案です。

 国立大学として1949年に発足した和歌山大学は、日本国憲法と教育基本法を遵守することを誓い、平和と民主主義・学問研究の自由を原則に、有為な人物を社会に送り出してきました。こうした大学の研究・教育の成果が人々の幸福や公共の福祉に結実するための絶対条件は、その社会が平和であり、一切の暴力を否定し、個人の尊厳が大切にされる社会であることです。もし、安保関連法案が成立し、日本が戦争のできる国に作り変えられるならば、それは次のような意味で学問研究および大学の危機をも招きます。
 第一に、真理の探究を使命とする自由な研究・教育が否定され、国策遂行・戦争遂行のための研究・教育が強制されかねません。第二に、卒業生を含む若者たちを戦場に送るという、耐えがたいことが起きる恐れが高まります。第三に、特に教育学部は、国策推進者として教え子を戦場に送りだす教師を育てる学部とされかねません。

 私たちは、こうした事態を避けるために発言し行動することを大学人としての使命と考えます。安保関連法案に反対するすべての人びとと連帯し、法案の廃案に向けて力を尽くします。
 この声明にご賛同いただけるすべての皆様に、連帯の署名をお願い致します。

2015年8月
安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会
よびかけ人一同

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呼びかけ人(8月17日夜 時点、五十音順)

阿部秀二郎(経済学部准教授:経済学史)
市川純夫(名誉教授:教育学)
内田みどり(教育学部教授:政治学)
江利川春雄(教育学部教授:英語教育学)
大泉英次(名誉教授:政策科学)
大浦由美(観光学部教授:地域資源管理学)
大西敏夫(経済学部教授:経営・経済農学)
尾久土正己(観光学部教授:天文学)
柏原卓(名誉教授:国語学)
川本治雄(名誉教授:社会科教育)
久保富三夫(名誉教授:教育行政学)
越野章史(教育学部准教授:教育思想史)
佐藤 周(経済学部教授:経営学)
高須英樹(名誉教授:植物生態学)
中島正博(経済学部准教授:財政学)
藤本清二郎(名誉教授:日本史学)
堀内秀雄(名誉教授:社会教育学)
溝口和子(教育学部教務職員:動物生理学)
村田和子(地域連携・生涯学習センター教授:社会教育学)
山﨑由可里(教育学部教授:障害児教育学)
山田純(事務職員)
山名?之(教育学部教授:器楽)
 以上22名。

和歌山大有志が安保反対声明 署名活動へ

わかやま新報(15年08月17日)

参議院で審議が続く安全保障関連法案について、和歌山大学教育学部の教授らを中心とする「安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会」(事務局長=越野章史教育学部准教授)が発足し、14日、声明を発表した。

呼び掛け人は越野准教授や江利川春雄教授、内田みどり教授ら9人。声明では「憲法違反の法案をひとたび許せば、民間人の動員や徴用、さらには徴兵制に至る、より危険な法律の制定に道を開きかねない」などと訴え、国策遂行のための研究や教育が強制されかねず、大学の危機を招くとの強い懸念を示している。

今後は教職員や学生、退職者や卒業生などに呼び掛け、500人を目標に賛同者の署名を集める。また、主に学内で学習会や講演会を開き、法案反対への取り組みを強めていくという。

14日に呼び掛け人の7人が県庁で記者会見を開いた。越野事務局長は「地方からも声を上げることで、東京の運動の後押しにもなるはず。廃案に向け学内から一般まで、広く賛同者を募りたい」、江利川教授は「関心はあっても、どう行動していいか分からない学生も多くいる。まずは学習会で正確な知識を積み上げながら共有化していくのが第一歩」と話した。


東北大学職員組合,宮城大学教職員組合,東北工業大学教職員組合,日本科学者会議宮城支部の4団体、声明

東北大学職員組合
 ∟●私たちは「安保法案」の廃案を求めます

私たちは「安保法案」の廃案を求めます

 第 2 次安倍内閣は、多くの人々の反対の声を押しきって「集団的自衛権行使」を容認する閣議決定を行い、今 189 国会に「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」(以下、2つ合わせて「安保法案」)を提出し、7 月 16 日強行採決で衆議院を通過させました。
 「集団的自衛権の行使は憲法違反」という 60 年以上にわたって積み重ねてきた政府解釈を一内閣の閣議決定で覆してしまうことは暴挙としか言いようがなく、これら「安保法案」は、集団的自衛権を行使し、日本国憲法第 9 条を根底から覆すものです。

 憲法第 9 条は、第 1 項「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、第2項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と定めています。
 自衛隊の創設も、軍事予算の拡大も、インド洋やイラクへの派兵も、憲法第 9 条の制約があるにも拘わらず、様々な言い訳を弄して強行してきたという点で問題でしたが、これら「安保法案」は、自衛隊が、他国の領土でたたかう他国の軍隊のために武器の輸送まで行い、戦闘地域であっても活動するという、まさに「武力」によって国際紛争を解決しようとする憲法違反の法案です。

 私たちのうち、大学で働く者は、大学の教育・研究の発展、学問の府の民主的環境の維持と、それを支える私たちの生活・勤務条件の向上をめざすと同時に、大学に相応しい労働組合運動として「いかなる権威からも自由で創造的な大学、人間と地球の未来を創る大学」をめざして活動しています。また、科学者会議に集う者は、科学を人類の真の幸福に役立たせるために、市民と連帯し、関係団体と協力・共同して、学問と社会のあるべき姿を探究し、科学の成果を社会へ還元することを課題として活動しています。
 安保法案」は私たちに他国・他地域との間に殺し殺される関係を強制するものであり、そのようなものは社会に不要であると私たちは確信しています。ここに共同して、「安保法案」を速やかに廃案にすることを求めます。

2015年8月11日
東北大学職員組合
宮城大学教職員組合
東北工業大学教職員組合
日本科学者会議宮城支部

2015年08月17日

慶應義塾有志の会、安全保障関連法案の廃案要請

慶應義塾有志の会 

慶應義塾有志の会による
安全保障関連法案の廃案要請


私たちは、今般の政府与党による安全保障関連法案の内容およびその審議の過程に対して強い懸念を表明し、法案の廃案を求めます。              

 現在の自公連立政権は2014年7月に憲法の解釈変更によって集団的自衛権行使を容認し、それに基づいて第二次世界大戦終結後70年にあたる本年5月、安全保障関連法案を国会に提出しました。この間、同法案に対しては、圧倒的多数の憲法学者と歴代の内閣法制局長官が憲法違反だと考え、一般の声も多くの調査で半数が法案に反対し、賛成は3割以下に留まっています。

 その声を無視して、与党が7月16日に衆議院で安全保障関連法案を強引に可決したことは「多数決の専制」です。これまでの国会での審議における政府側答弁は説明の体をなしておらず、現政権が法の支配を軽んじていることがますます明らかになってきています。この政権下で国会に提出されているかたちでの安全保障関連法案が成立すれば、国家権力を牽制する立憲主義そのものが破壊され、憲法の条文の意味がなくなってしまうことを私たちは強く憂慮します。

 もとより、集団的自衛権、それと区別される「集団安全保障」、さらに安全保障政策一般について現実的な議論を進めることは重要なことでありましょう。しかし、法の支配を捨て、憲法の空文化をもたらすかたちで議論と法整備を進めるのであれば、それは事実上の独裁と呼ばざるをえない事態となります。この国の安全保障政策は、立憲主義を尊重する政府のもとで進められねばなりません。

 立憲主義を尊重しない政府のもとでは、言論の自由、表現の自由、報道の自由、そして「学問の自由」がいっそう抑圧されていく可能性を憂慮せざるをえません。それはすでに、報道や言論に対する政府の介入をはじめ、人文社会科学系研究教育機関への改廃要請という形で表われ始めています。このままではやがて、日本国憲法第23条が保障する「学問の自由」そのものの抑圧をも導き、多くの学者研究者が批判能力を殺がれ自主規制を余儀なくされ、学生たちは自由な研究の成果を受け継ぐことができなくなるでしょう。

 慶應義塾の創立者、福澤諭吉が『学問のすゝめ』で説いたのはべつだん象牙の塔に限られた学問の可能性ではなく、あらゆる人々に向かって開かれた知的可能性と自由独立精神そのものです。福澤は、庶民ひとりひとりが学問することによって、その精神をおおらかに発展させるような社会教育を目指していました。そこでは、学問はいかなる権力からも権威からも自由です。一方で、福澤の思想が近代日本に与えた影響のネガティブな側面や、また慶應義塾も日本の帝国主義・軍国主義の時局下で迎合を余儀なくされた事実の真摯な検証や厳しい評価の必要性を忘れてはなりませんが、そのためにも学問の自由は決定的に重要です。学問的発展を閉ざした国家と社会には、未来は永遠に訪れません。

 真の安全保障は、国内外を問わず学問の自由を推進することによってこそ成立します。学問と言論の自由を圧殺することから生まれるものは、不信感と憎しみしかありません。ところが 現在、歴史を忘却し真実を歪曲してやまない現政府は、この暴挙と呼ぶべき法案によって学問の自由を、幸福の追求の権利を、ひいては国民の生命をも危険にさらそうとしています。

だからこそ、慶應義塾における教育と研究に誇りをもつ有志一同は、ここに今般の安全保障関連法案が間違いなくもたらす立憲主義と学問の自由の危機を憂慮し、その一刻も早い廃案を強く希望します。

 2015年8月15日

慶應義塾有志の会

北海学園大学有志、声明 安全保障関連法案の撤回を求めます

安保法案に反対する北海学園大学教員有志の会

声明 安全保障関連法案の撤回を求めます

北海学園大学教員有志

自衛隊法改正案など既存の10の法律の改正案を一本化した「平和安全法制整備法案」と、新設の「国際平和支援法案」からなる包括的な安全保障関連法案(以下、安保法案)が、現在参議院で審議中です。北海学園大学教員有志は、この法案の撤回を強く政府・与党に求めます。
反対の理由は以下です。

 第一に、この法案は、民主的な手続きにもとるからです。この法案は、「国際平和支援法案」の新設(外国軍の後方支援などの合法化)のほか、自衛隊法改正(外国軍の武器防護のための自衛隊による武器使用の合法化など)、周辺事態法の重要影響事態法への改称・改正(外国軍への後方支援の地理的限定の撤廃、外国軍の弾薬輸送の合法化)、船舶検査法(世界中での船舶臨検の合法化)、国際平和維持活動協力法(PKOに参加した自衛隊の任務の「駆け付け警護」や「治安維持活動」への拡大)、武力攻撃事態対処法(「存立危機事態」の新設、その際の海外での武力行使の合法化)、米軍行動関連措置法の米軍等行動関連措置法への改称・改正(「武力攻撃事態」や「存立危機事態」における自衛隊の支援対象を米軍以外にも拡大)、特定公共施設利用法(「武力攻撃事態」の際の港湾や飛行場などの利用を米軍以外にも拡大)、海上輸送規制法改正、捕虜取扱法改正、国家安全保障会議設置法の改正に至る広範な内容となっています。にもかかわらず審議時間は十分とはいえません。
 また政府は昨年7月1日、集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈変更と武力行使の「新3要件」を閣議決定しました。さらに今年4月27日の「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)の発表に続く4月30日の米国議会での演説において、安倍首相は安保法案の成立を目指す旨を「対米公約」として先に宣言しています。その後、法案は5月14日に閣議決定され、翌15日国会に提出されています。このような手順は、国民の代表機関である国会を軽視するばかりか、独立国であることへの疑いさえ禁じえません。7月の衆議院の委員会および本会議における与党のみでの法案採決の強行も、幅広い合意の形成という民主主義のルールに反します。
 第二に、この法案は近代国家の根本原理の一つである立憲主義の原則を逸脱しています。集団的自衛権の行使が日本国憲法9条に違反することは、多様な憲法学者の間のコンセンサスとなっています。法治国家である以上、下位法の制定で上位法である憲法の規定が無効になるはずもなく、また行政府による解釈変更だけで集団的自衛権の行使が合憲になるはずもありません。
 第三に、この法案では武力行使に対する歯止めが不十分です。日本は、日中戦争から太平洋戦争に至る軍の暴走による惨禍を経験しました。その原因の一端が、陸海軍の行動を統制する仕組みを明治憲法体制が欠いていたことにあることは、歴史学や政治学の定説となっています。数多の曖昧な規定を含んでいる今回の安保法案は、その轍を踏む恐れがあります。例えば集団的自衛権に基づく武力行使が認められるという「存立危機事態」の定義は抽象的ですが、安倍首相は、具体的には「政府が総合的に判断して認定する」としており、行政の裁量が法的に限定されていません。このことは、昨年12月に国会で可決成立した特定秘密保護法に基づく報道の自由や国民の「知る権利」の制限と併せて、自衛隊の文民統制を弱めることにもつながります。
 さらに「周辺事態法」を変更した「重要影響事態法案」においては、自衛隊の活動の地理的制約が撤廃され、世界中どこでも活動可能になるほか、外国軍への「後方支援」活動も可能にし、これには「武器の提供は含まない」としながら、弾薬の提供や武器・外国軍兵士の輸送は認めています。8月上旬の参議院における審議で中谷元防衛大臣は、ミサイルや核兵器、クラスター爆弾さえも「弾薬」に当たり、その輸送が法案上排除されないことを認めています。また後方支援は脆弱性が高いがゆえに、自衛隊が攻撃されるリスクを格段に高めています。
 第四に、政府は法案提出の理由として、「日本を取り巻く安全保障環境の変化」を再三強調していますが、情勢分析がまったく不十分です。中国との経済的相互依存が強まる中、中国の脅威をことさらに強調しても説得力を欠くばかりか、かえって軍事的緊張を高めかねません。その結果、軍備拡張競争が始まり、国家財政や国民生活を圧迫する事態にもなりかねません。加えて、集団的自衛権を根拠とした欧米諸国のアフガニスタンへの軍事介入が泥沼化しているのは周知の通りです。漠然とした「国際社会への貢献」を掛け声にして、対テロ多国籍軍による終わりなき軍事介入への参加を求められる余地を、日本自らが作るのは賢明とはいえません。さらに、米国のイラクへの軍事介入に端を発した中東の戦乱拡大という情勢の下、仮に中東での日本の軍事的役割の拡大が進むとすれば、現行の平和憲法の後ろ盾を得て、様々な生活の現場で日本のNGOやボランティアグループがその地道で実直な草の根支援によって築いてきた高い評判や評価が一瞬にして水泡と帰すことにもなりかねないのみならず、これら人道支援活動家やジャーナリストを始めとする日本の民間人がテロの標的にされるリスクも格段に高まります。
 最後に、北海道には自衛隊の基地を持つ自治体が多く、北海学園大学にはそうした町の出身の学生や、そうした町に就職する学生もおり、さらに卒業生・在学生には自衛隊員もいます。そうした卒業生・在学生の生命の危険を高めかねない法案の問題点を指摘することは、大学の当然の責務でもあると考えます。

2015年8月15日
賛同教員 計84名(五十音順、8月15日14時現在)
浅妻裕、淺野高宏、飯野海彦、五十嵐素子、石井晴子、石月真樹、市川大祐、一條由紀、井野葉子、上野誠治、魚住純、歌代崇史、内田和浩、内山敏和、追塩千尋、大石和久、大貝健二、大森一輝、大屋定晴、岡崎敦男、岡本直貴、荻原克男、奥田仁、上浦正樹、神山義治、亀井伸照、川村雅則、北原博、熊坂亮、郡司淳、小坂直人、小田清、後藤聡、酒井博行、佐藤克廣、佐藤貴史、佐藤信、須田一弘、菅原寧格、鈴木美佐子、高木裕之、田澤義公、館田晶子、田中綾、田中洋也、谷本陽一、田村卓哉、樽見弘紀、常見信代、手塚薫、寺島壽一、徳永良次、中川かず子、中囿桐代、中根研一、仲松優子、中元啓司、中村寿司、中村敏子、新山一範、西村宣彦、野嵜久和、秦博美、速水孝夫、韓永學、平澤卓人、平野研、福士明、藤田正、古林英一、本田宏、増地あゆみ、松尾秀哉、松本広幸、水野邦彦、水野谷武志、宮入隆、元木邦俊、森下宏美、安酸敏眞、山田誠治、山ノ井髙洋、吉田敏雄、若月秀和

安保法案反対 北海学園大の教員有志、きょう声明発表

北海道新聞(2015/08/15)

 北海学園大の教員有志が15日、参院で審議中の安全保障関連法案について「違憲であり、立憲主義の原則を逸脱する」などとして、撤回を求める声明をインターネット上で発表する。

 声明では、衆院での安保法案の強行採決を「幅広い合意の形成という民主主義のルールに反する」と批判。武力行使に対する歯止めが不十分とした上で「自衛隊が攻撃されるリスクや、人道支援活動家ら民間人がテロの標的にされるリスクが高まる」としている。

 同大法学部の本田宏教授らが、今月上旬から同大の教員を対象に呼び掛けたところ、14日までに教員全体の3分の1に当たる76人が声明に賛同した。本田教授は「日本の民主主義国家としてのあり方が問われる問題であり、共感が広がった」と強調する。15日午後に交流サイトのフェイスブックで声明のページを新設する。

 道内では、北大や札幌学院大などの有志も安保法案の廃案や撤回を求める声明を出している。


2015年08月13日

九州大学有志、安全保障関連法案に反対する声明

安全保障関連法案に反対する九州大学関係者有志

安全保障関連法案に反対する九州大学有志の声明

戦後70年の節目の年、私たち大学人は、改めて民主主義の重要性を確認するとともに、侵略戦争と植民地支配の歴史を顧みて、世界、とりわけアジアにおいて、人権や平和外交が尊重される社会を築く責任を強く自覚しています。その根底に、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を掲げる日本国憲法と日本国民の歩みがあることは論を待ちません。

しかし、2015年夏の日本の政治は、わが国の骨格をなす民主主義、人権尊重、平和主義に対して、戦後最大の「変更」を迫ろうとしています。その最たるものが、安倍内閣が閣議決定し、今国会に提出した「国際平和支援法」「平和安全法制整備法」からなる、安全保障関連法案です。

安保関連法案は、従来の政府解釈において、日本国憲法第9条に照らして違憲とされてきた、集団的自衛権の行使を認め、自衛隊による海外での武力行使に道を開きます。「後方支援」の名で核兵器の運搬さえ法的には排除されない兵站活動を行い、戦闘現場で殺し殺される可能性も生じます。

戦争を火事にたとえるなど、安倍首相による説明は説得力を欠いており、法案に対する不信や反対の声は、世代を超えて広がりつつあります。憲法学者の9割、歴代の内閣法制局長官や弁護士団体の多くが違憲との見解を表明しており、それらに耳を傾けず、数の力で採択することは立憲主義と民主主義に対する暴挙です。

顧みれば、多大な犠牲を強いた太平洋戦争下に九州大学は、多くの学生を戦地に送り出しただけでなく、研究活動の一環として人道に反する違法行為がなされるなど幾多の痛苦の歴史を有しています。九州大学のみならず、戦時下に戦争遂行に加担した大学や研究機関は、戦後、それに対する反省を踏まえて再出発しました。

ここ福岡の地はアジアに近く、九州大学には、現在、中国・韓国をふくむアジア諸国からの留学生が多数学んでいます。これらの国々と文化や歴史を相互に尊重しあうことが、将来の社会において求められています。

私たち九州大学関係者の有志一同は、安全保障関連法案に強く反対する意思を表明します。

2015年8月11日
安全保障関連法案に反対する九州大学関係者有志

呼びかけ人(あいうえお順)

石川 捷治(九州大学名誉教授・政治史)
出水 薫(法学研究院・政治学)
磯田 宏(農学研究院・農業経済学)
太田 一昭(言語文化研究院・英文学)
小川 玲子(比較社会文化研究院・社会学)
粕谷 英一(理学研究院・生態学)
小早川 義尚(基幹教育院・動物学)
酒匂 一郎(法学研究院・法哲学)
藤 宣子(農学研究院・森林政策学)
鈴木 右文(言語文化研究院・英語学)
瀬口 典子(比較社会文化研究院・生物人類学)
高木 彰彦(人文科学研究院・人文地理学) 
高木 正見(農学研究院・昆虫学)
高原 淳(先導物質化学研究所・高分子科学)
中島 祥好(芸術工学研究院・心理学)
鴇田 昌之(理学研究院・物理学)
久野 国夫(経済学研究院・産業技術)
平田 美由紀(医学研究院・環境医学)
本庄 春雄(総合理工学研究院・統計力学)
松野 健(応用力学研究所・海洋物理学)
矢原 徹一(理学研究院・生態学)
薮野 祐三(九州大学名誉教授・政治学)
吉岡 斉(比較社会文化研究院・科学史)
吉武 朗(工学研究院・船舶流体力学)

弘大教員80人が安保法制反対を表明

東奥(2015年8月12日)

 弘前大学の教員有志は12日、安保関連法案の法制化に反対するアピール文を発表した。全5学部の教員12人が呼び掛け人となり、教員・元教員の計68人が賛同した。

弘大教授ら安保法案に反対表明

NHK(08月12日 19時02分)

参議院で審議が行われている安全保障関連法案について、弘前大学の教授などが「憲法9条に違反している」などとして、法案に反対する考えを表明しました。
弘前大学の教育学部や農学生命科学部の教授など5人は、12日、弘前市役所で記者会見し、参議院で審議が行われている安全保障関連法案に反対の立場を表明しました。この中で、人文学部の河合正雄講師は、「集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法案は、憲法9条に違反しており、撤回すべきだ」と訴えました。
その上で、「自衛隊の活動範囲や活動内容が変われば、日本に対する感情が悪化するおそれが否定できず、国内外で日本人がテロの標的になるといったリスクが増えることが懸念される」と述べました。
12日に会見した5人によりますと、安全保障関連法案への反対を弘前大学の教授などに呼びかけたところ、70人あまりから賛同が得られたということです。
安全保障関連法案をめぐっては、自民・公明両党と次世代の党などが賛成して、衆議院を通過したあと、現在、参議院で審議が行われています。


安保法案、公明党の大憂鬱 創価学会員が公然と党を非難

Jcast(2015/8/12)

与党の一角を占める公明党と関係が深いはずの創価大学(東京都八王子市)の関係者からも、公然と安全保障関連法案に反対する声が上がり始めた。安保法案は創立者の池田大作・創価学会名誉会長の思想とは相容れないというのがその理由で、現役学生や教員、卒業生を対象にした署名サイトが開設された。

世論調査の政党別支持率では、自民党よりも公明党の方が下げ幅の方が大きいケースも出てきている。支持母体の創価学会は、集団的自衛権を行使するためには本来ならば憲法改正が必要だという立場だ。この立場と法案との整合性を取ることは難しいとみられ、学会員が公明党に距離を置きつつある実態が明らかになっている。

■創価学会広報室、集団的自衛権行使は「本来、憲法改正手続きを経るべき」

署名サイトは「安全保障関連法案に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会」を名乗る団体が2015年8月11日に立ち上げた。教員や卒業生10人が呼びかけ人になり、

「現在9割の憲法学者が『違憲』と判断している安全保障関連法案が、安倍政権により採決されようしています。私たちはガンジー、キングの人権闘争の流れに連なる創立者・池田大作先生の人間主義思想を社会に実現すべく学び続けてきました。そこで培った人権意識を持つ者なら、声を上げるべき時は、今です」
「私たち関係者有志は、創立者・池田大作先生の理念を我が人生の根幹に据え、安全保障関連法案への『反対』を表明します」
などと法案反対の署名を呼びかけている。サイトによると、8月12日時点で現役学生や卒業生410人が署名を寄せたという。

そもそも、創価学会の立場と法案の内容は相容れないものだ。創価学会は14年5月に朝日新聞から集団的自衛権について見解を求められ、広報室名で、

「私どもの集団的自衛権に関する基本的な考え方は、これまで積み上げられてきた憲法第9条についての政府見解を支持しております。したがって、集団的自衛権を限定的にせよ行使するという場合には、本来、憲法改正手続きを経るべきであると思っております」
という内容のコメントを発表している。「本来」という言葉を入れることで、憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認に含みを残したともとれるが、基本的には解釈改憲には否定的な立場だ。そういったこともあって、学会内からは公明党の立ち位置に違和感を唱える声が広がっている。

■法案反対デモで「三色旗」プラカード掲げる人も

例えば7月28日に日比谷野外音楽堂、7月31日に国会議事堂前で行われた法案反対デモでも、創価学会の「三色旗」のプラカードを掲げた人が確認されており、学会員を名乗る人が公然と公明党を非難する事態に発展している。こういった声は世論調査にも現れているようだ。NHKが8月7日から9日にかけて行った電話世論調査によると、自民党の支持率は前回7月調査比0.4ポイント減の34.3%だったのに対して、公明党は1.2ポイント減の3.0%。自民党に比べても大きく支持を減らしている。


横浜市立大学有志、安保法制関連法案に反対する共同アピール

2015年安保法制関連法案に反対する横浜市立大学有志共同アピール

2015年安保法制関連法案に反対する横浜市立大学有志共同アピール

安全保障関連法案に反対し、廃案を求めます

 現在国会において審議されている政府提出の安全保障関連法案に対して、私たち横浜市立大学学生、教員、職員有志は反対し、その廃案を求めます。それは、安全保障関連法案が日本の国のあり方を大きく変えうるものであるにもかかわらず、内容についても、審議のやり方についても、あまりにも問題が多いと考えるからです。
 まず、安全保障関連法案は、「集団的自衛権行使」の名のもとに、自衛隊をいつでも、どこでも、どこまでも派兵することを可能とするもので、明白に憲法9条に違反しています。このことは、大多数の憲法学者や歴代の内閣法制局長官が法案は違憲と主張していることからも明らかです。
 次に、この法案は立憲主義を否定するものです。いかなる法律も政府の行動も憲法を遵守しなくてはなりません。それにもかかわらず、安倍内閣は憲法の解釈を一方的に変えて「集団的自衛権は合憲」としたのみならず、この違憲の法を成立させようしています。これは、明らかに立憲主義を否定することであり、ひいては無法な独裁的政治に道を開くものです。
 第三に、政府の審議の仕方も指摘せねばなりません。政府は衆議院審議において野党からの問いに対して誠実に応答せず、まともな説明をしませんでした。このような政府の態度は、異なる意見を尊重しつつ、理性的な討議を通じて適切な立法を行う議会制民主主義に反するものです。
 第四に、衆議院での強行採決は国民主権を否定するものです。安全保障関連法案に対する反対の声が強く、また法案成立を急ぐことへの懸念を持つ人々が圧倒的に多数であるにもかかわらず、政府与党は衆議院において強行採決を行いました。このことは、主権は国民にあるとする主権在民と民主主義の原理をふみにじるものであり、決して許されてはならないと考えます。
 第五に、あらためて憲法9条を最大限に活かした平和外交を行う重要性です。安全保障関連法案は、軍事力や武力行使で日本の「安全保障」や「平和」をめざすものです。しかし、それで平和をつくれないことは、第二次世界大戦の悲惨な敗戦や、現在の泥沼状態にあるイラク、シリア、アフガニスタンなどの状況を見れば明らかです。
 憲法9条は300万人以上の日本国民、およそ5000万人の第2次世界大戦の犠牲者の上に、「紛争を解決する手段として二度と武力を用いない」確固たる決意とヴィジョンとして世界に示されました。それにより、とりわけアジア諸国の信頼を取り戻し、日本の平和を維持する役割を果たしてきました。今後も軍事力や武力行使ではなく、憲法9条を存分に活かすことで日本の安全を保障し、国際平和を追求するべきであると考えます。
 すでに、全国の数多くの大学で法案への反対を表明する動きが広がっており、学生、学者の法案に対する、理性と知にもとづく抗議行動もさらに高揚しつつあります。
 私たち横浜市立大学の学生・教員・職員有志も、大学で学び、研究し、働く者として、この問題を重く受け止め、検討し、行動する責任を負っていると考え、ここに安全保障関連法案に反対する意見を表明します。平和な未来と、知を創造する自由を守るため、法案への反対、抗議に賛同されるよう、横浜市立大学内外の学生、大学教職員と社会のあらゆる人々に訴えます。

2015年8月7日

安全保障関連法案に反対し、廃案を求める横浜市立大学有志


大阪府立大学教員有志、安保法制関連法案に反対する声明

安保法制関連法案に反対する大阪府立大学教員有志の声明

安保法制関連法案に反対する大阪府立大学教員有志の声明

夢に見た 美しいくに
夢に見た 勇ましいくに
夢にまで見た 誇らかなくに
目覚めれば 廃墟。

2014 年7月に第2次安倍内閣は、憲法上違憲の疑念が強く、なおかつ歴代内閣が否定しつづけてきた集団的自衛権の行使を、憲法改正という手続きをへずに閣議決定のみで容認しました。たとえ個別的自衛権であっても、国権の発動を厳しく制限してきたのが日本国憲法であり、戦後日本の枢要な国家原則でした。

国家の基本原則は、憲法によって一政権を拘束こそすれ、一政権が自らの解釈だけで自在に運用できるものではありません。当然それは、総選挙の結果によってでさえ変更できないものです。主権者の意思に直接問う、つまり憲法を改正することが最低限不可欠の要件になります。しかも政府は、今まさにそれを法案化しようとしています。その意味でこの法案は、主権者である国民の意思を無視するものです。主権在民は人類が長い歴史的な闘争を積み上げて獲得した「人類普遍の原理」であり、そのことは日本国憲法の精神を表現した前文にも明記されているとおりです。

振り返れば人類は長きにわたって、大いなる逡巡を抱きながらも国家の存在意義を認めつつ、他方で国家権力をいかに制限するか、そのパラドキシカルな工夫を重ねる努力を続けてきました。人類の知恵として誇りうるものがあるとすれば、他ならぬ人類自身が自らの必要上作りあげた国家の権力を制限し濫用させないようにするため、「法の支配」に磨きをかけてきたことではないでしょうか。これこそが文明の証なのです。

その努力の足跡は800 年にもわたって人類史に刻まれており、その蓄積のうえに地球上に憲法が制定されてきました。日本も例外ではありません。19 世紀末にできた最初の日本の憲法は、君主による統治権を前提にしたものであるにせよ、西欧モデルに準じた立憲主義的原理を含んだものですし、20 世紀中葉にできた憲法は日本だけでも約310 万人もの犠牲者を出して作られた、主権在民を前提とする近代立憲主義的原理を包含したものです。いずれも歴史に根ざし、また世界に準拠した憲法でした。

その憲法に反してこの法案が成立すれば、日本国は地球の裏側においてでさえ「自衛権」の行使を可能とする国家原則を新たに持つことになります。これが日本の国家原則と憲法に対する重大な違反にあたるのは言うまでもありません。そして何よりも、そのような法案を政府が合憲だと解釈してしまうのですから、もはやこの国では憲法の存在は意味を持たないと言っても過言ではないでしょう。これは憲法の存立根拠を大きく揺るがす行為であり、近代立憲主義を破壊しかねない行為であることは明白です。

安保法制を正当化するために、政府は憲法13 条の幸福追求権を根拠にしていますが、憲法13 条はあくまで「すべて国民は、個人として尊重される」というのが基本です。個人としての「国民」の幸福追求を口実に国家が同盟国のために武力を発動させることは、「個人の尊重」と「国家の尊重」を暴力的に同一化させる所為であり、国家を民主的に運営する主体でありながら、それでもなお国家から自由であることを保障されるはずの個人としての国民の権利を侵害するものです。これは、主権在民下での民主主義の根幹を空洞化させるものです。

以上のとおり、わたしたち大阪府立大学教員有志は、人類とともに日本が歴史のなかで獲得してきた主権在民・立憲主義・民主主義に背馳する安保法制関連法案に反対し、その法案の廃案を強く求めます。

2015 年8月6日

安保法制関連法案に反対する大阪府立大学教員有志

東洋大学有志の会、安全保障関連法案に反対する声明

安全保障関連法案に反対する東洋大学有志の会

私たち東洋大学有志の会は安全保障関連法案に反対します。
  
 安倍政権は、「国際平和支援法」と10本の安全保障関連法案を提出し、衆議院で強行採決をおこないました。

  この法案は、「集団的自衛権」を合憲として行使をめざすものですが、すでに多くの憲法学者が「集団的自衛権」は憲法違反であることを表明しています。国の最高法規である憲法を、解釈によって変えてしまうなどということは到底許されません。違憲であるこれらの法案を強行採決によって成立させることは、立憲主義の否定に他なりません。私達はこの暴挙を見過ごすわけにはいきません。

 今年は戦後70年ですが、この間、日本が戦争を行わなかったことは歴史上、極めて重大なことであり、それが達成できたのは憲法9条があったからです。今後も憲法9条を守り、戦争に加担しない平和な国を維持することを強く願ってやみません。

 大学は、「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」を目的としています。平和な社会がその前提です。東洋大学白山キャンパスには、学徒出陣戦没者を追悼し平和を祈念するために建立された「平和祈念の碑」があります。しかし、安倍政権は、過去から学ぶことなく、再び同じ過ちをおかそうとしています。私達は学問の自由と平和との関連を強く受け止め、学生たちの生命を守るために、この法案に反対します。

以上のことから、この法案をただちに廃案とすべきです。民主主義の根幹は民衆が声をあげることにあります。民主主義の火を絶さぬために、ここに声明を発表いたします。

2015年8月4日

呼びかけ人(順不同)

 小澤浩明(社会学部)*、大野裕之(経済学部)、高橋典史(社会学部)、中山伸樹(社会学部)、手塚洋一(経済学部)、蒲生美香(理工学部)、村尾祐美子(社会学部)、曽田長人(経済学部)、山﨑甲一(文学部)、鈴木規子(社会学部)、 安藤和宏(法学部)、小苅米清弘(経済学部名誉教授)、小俣利男(元社会学部教授)、守田貴弘(経済学部)、青木辰司(東洋大学図書館長、社会学部)、須田 将司(文学部)

2015年08月12日

首都大有志、アピール「自由と平和のためにアクション!」

首都大有志の会

自由と平和のためにアクション!首都大有志の会 アピール

 わたしたち首都大学東京の学生・院生・教職員有志は、研究と教育の自由を守り発展させていくため、そしてその土台となる平和と民主主義をこれからの時代に継承・創造していくため、「自由と平和のためにアクション!首都大有志の会」に集まりました。
 東京都においても、東京大空襲のあった3月10日を「平和の日」と定め、「平和は都民すべての願いである」と、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓っています。
 都民に支えられている首都大学東京で学び研究するわたしたちは、憲法を蹂躙し、学問を愚弄し、平和を破壊することも辞さない現政権の暴走を許すことができません。そして、「自分とは無関係」「どうしようもない」という思考停止から抜け出し、自らの見解を表明し行動する道を選びます。
 自由と平和のためにアクション!首都大有志の会は、①平和を守る、②学問の自由を守る、③立憲主義を守る、という3つの観点から安保法制の廃案を求めます。

2015年8月9日
自由と平和のためにアクション!首都大有志の会 呼びかけ人一同

【「東京都平和の日条例」(平成二年七月二十日、東京都条例第九十号)前文より】
 東京は、今や、世界の経済社会の発展を支える大都市としての地位を占めるに至った。
 これは、東京の地に住み、働いてきた人々の努力の賜物である。
 しかし、東京の歴史には、幾多の惨禍が刻まれている。特に、多数の都民が犠牲となった第二次世界大戦の悲惨を我々は忘れることができない。
 平和は、都民すべての願いである。


呼びかけ人一覧(2015年8月11日19時10分現在まで)
阿部彩、荒井文昭、石川知広、石川求、岡部卓、落合守和、鎌倉佐保、木之内誠、田中浩司、丹野清人、中嶋英里、長沼葉月、西山雄二、野元弘幸、堀江孝司、松下丈宏、源川真希、宮下与兵衛、室田信一、山沢智樹


安全保障関連法案に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会、声明

安全保障関連法案に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会

声明

 
 平和は自由な対話、すなわち人権の尊重からはじまります。

 大学正門に掲げられた「創價大學」の文字は、教育と人権の勝利を信じつつ対話を貫き通し、軍部権力の弾圧により獄死した「創価教育の父」牧口常三郎先生の筆によるものです。いかなる圧迫にも屈せず、民衆のために声をあげること。これこそが創価教育の魂だと私たちは信じます。

 現在、9割の憲法学者が「違憲」と判断している安全保障関連法案が、安倍政権により採決されようしています。私たちはガンジー、キングの人権闘争の流れに連なる創立者・池田大作先生の人間主義思想を社会に実現すべく学び続けてきました。そこで培った人権意識を持つ者なら、声を上げるべき時は、今です。

 私たち関係者有志は、創立者・池田大作先生の理念を我が人生の根幹に据え、安全保障関連法案への「反対」を表明します。

「英知を磨くは何のため 君よ それを忘るるな」(創立者・池田大作)

 この言葉を深く心に刻み、「人類の平和を守るフォートレスたれ」との建学の精神を生涯堅持することを、ここに誓います。

呼びかけ人(五十音順)
五十嵐惠(36期 卒)
植村紀孝(19期 卒 )
氏家法雄(創価女子短期大学教員)
金田建志(元創価大学職員)
佐野潤一郎(創価大学教員・13期 卒)
鈴木隆文(2期 卒)
竹原弘樹(39期 卒)
戸田通隆(通信教育 在学)
長谷伸之(7期 卒)
村田憲一(22期 卒)
和合勇磨(43期 在学)


2015年08月11日

学習院大学・学習院女子大学教員有志、安全保障関連法案に反対する声明

安全保障関連法案に反対する学習院大学・学習院女子大学教員有志の声明

安全保障関連法案に反対する学習院大学・学習院女子大学教員有志の声明

安保関連法案のもととなった2014年7月1日の閣議決定も含め、安倍政権は、法的にいえばできないはずのことを強行し、7月15日、16日には衆議院において強行採決を行った。しかし、安全保障関連法案の違憲性は極めて明白である。
安倍政権は、「立憲主義」、「民主主義」、「平和主義」といった高次の概念を軽んじ、日本の政治は危機に瀕している。これらの概念は、権力を馴致する試みのなかで長い年月をかけて人類が学びとってきた知恵であって、もはや世界標準というべき価値を体現している。そのような人類普遍の価値を軽視することの代償は大きい。
これほど多方面から、政権のとる手法を含め、法案の審議に対して累次の批判が寄せられているという事実は、日本の立憲政治が異常事態にあることを如実に示している。このような事態においてもなお立ち止まることすらできない政治は、権力を自ら適切に扱えないさまを白日のもとに晒している。現政権が、軍事に関わる事柄と国家権力の関係という、もっとも統制の難しい問題を真剣に考えているとは到底思われない。
私たち学習院大学・学習院女子大学教員有志一同は、安全保障関連法案に強く反対し、すみやかな廃案を求め、ここに声明を公表する。

2015年8月8日

<呼びかけ人>(計10人、2015年8月8日現在)
青井未帆(憲法学)

荒川一郎(物理学)

大貫敦子(ドイツ文学・思想)

神田龍身(日本文学)

小島和男(哲学)

佐藤 学(教育学)

下川 潔(哲学)

高埜利彦(日本史)

長谷部由起子(民事手続法学)

福井憲彦(西洋史)

2015年08月09日

「教員が退学強要」 常葉学園を提訴 元大学院生

■静岡新聞(2015年7月9日)

 常葉大大学院に2014年9月まで在籍していた静岡市の男性(25)が8日までに,複数の教職員から虚偽の事実によって自主退学を強要されたとして,大学院を運営する常葉学園に対して地位確認と慰謝料など550万円を請求する訴訟を静岡地裁に起こした。
 訴状によると,男性は12年4月に旧浜松大大学院(現・常葉大大学院)に入学し,運動部に所属。14年9月,父親と共に複数の教員から大学院に呼び出され「複数の部員から(学生)が部費を指摘に流用し,借金を強要するなどパワーハラスメントをしているとの訴えがあった」などと自主退学を迫られたという。男性はその場で「事実ではない」と否定したが,教員から「懲罰委員会で除籍処分になったら経歴に傷が付く」と脅され,自主退学せざるを得なかったと主張している。
 常葉学園法人本部は「訴状の内容と把握しているが,主張は法廷で行って行く」と話した。

京都教育大学教職員有志、安全保障関連法案に対する抗議声明

安全保障関連法案に反対する京都教育大学教職員有志の会

安全保障関連法案に対する抗議声明


 学生たちが、また、彼ら彼女ら未来の教師の育てた子どもたちが、戦争の危険にさらされる可能性のある「安全保障関連法案」に、我々は強く反対し、即時廃案を求めます。

 多くの国民が反対の声をあげ、多くの憲法学者や歴代の内閣法制局長官らが「違憲」とする「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法」が、7月15日の衆院平和安全法制特別委員会で、さらに16日に行われた衆院本会議で、強行採決されました。首相自身が「国民の理解は進んでいる状況ではない」と認めていたにもかかわらずです。

 このような政治のありかたは、多様な意見を無視することなく議論を積み重ねてゆくという民主主義の根本的な精神をないがしろにし、単なる数の論理で押し切ろうとするものであり、民主主義を形骸化し、葬り去ってしまうものです。

 このような憲法の蹂躙は、権力の行使を制限するという、立憲主義の意味を台無しにするものです。

 このようないたずらな武力への依存は、国の内外で多くの犠牲を払って生まれた平和主義という財産を、みずから打ち捨てるという愚かな行為だと言わざるをえません。

 紛争を武力によって解決する、そのことがいかに人間の尊厳を深く傷つけ、長く災いをもたらすかということを、我々は先の大戦で、またその後に世界で起きた数々の戦争で知ったはずです。

戦争は 私たちの 大事なものを 傷つけます。

それは 決して もとには 戻りません。

この前の 戦争では たくさんの人が 殺されました。

この前の 戦争では たくさんの人を 殺しました。

その歴史の続きに 私たちの 歴史があります。

戦争に 安全な 場所など ありません。

どのようなかたちにしろ もう二度と 戦争に 加わりたくは ありません。


 先の大戦において、大学は、多くの学徒を戦地に送り出しました。 これは大学人にとって決して忘れてはならない過去であり、痛恨の歴史です。そして、再び、戦争に学生を関わらせ、戦地に赴かせるかもしれないという危機が迫っています。もう二度と、現在の、また未来の若者を戦地に送り、殺し殺される場で戦わせたくはありません。彼ら彼女らの大切な日常を、報復の連鎖のなかに追いやりたくはありません。

 教員養成大学である京都教育大学は、「人を育てる人」を育てるという重要な使命を持っています。我々は、学生が教師となり、彼ら彼女らが育てた子どもたちが戦争の危険にさらされる可能性を、また、学生たちが将来、子どもたちを戦争に追いやる手伝いをさせられる可能性を、黙って見過ごすことなど断じてできません。本学で育つ学生が輝かしい未来を創造し、また、彼ら彼女らが育てる子どもたちが安心して成長してゆくためには、平和であることが何より大事です。

 我々は、民主主義や立憲主義は誰のためにあるのかという基本に立ちながら、おかしいと感じたことを押し殺すことなく勇気をもって表明し、その考えと態度を持続してゆきたいと考えています。

2015年8月5日
安全保障関連法案に反対する京都教育大学教職員有志の会


【呼びかけ人】
天野知幸(国文学科)    井谷惠子(体育学科)     加用文男(幼児教育科)
河原田博(教務・入試課)   神代健彦(教育学科)     古賀松香(幼児教育科)
郷間英世(発達障害学科)   関口久志(教育支援センター)   田中多佳子(音楽科)
土屋英男(産業技術科学科)   奈倉洋子(名誉教授)     西本有逸(英文学科)
濱田麻里(国文学科)    藤岡秀樹(教育学科)     丸山啓史(発達障害学科)
南本忠宏(総務・企画課)

天理大学教員有志、安保関連法案に反対し廃案を求める声明

安保関連法案に反対し廃案を求める天理大学教員有志声明

安保関連法案に反対し廃案を求める天理大学教員有志声明


 安倍政権は、昨年7月1日に閣議決定をしてそれまで自民党政権時代も含めて歴代内閣が一貫して否定していた「集団的自衛権行使」の限定的容認をしました。その主な根拠として、1972年砂川事件最高裁判決、安全保障環境の変化を挙げております。これに対して憲法研究者を中心に批判の声が高まっております。メディア報道で周知のように、憲法研究者・行政法研究者等の圧倒的多数が「集団的自衛権行使」容認を基本とする安保関連法案(以下法案とする)は「違憲」であると指摘しております。
 たとえば、今年7月11日朝日新聞掲載のアンケート結果では、回答を寄せた憲法研究者の122名中違憲104名・違憲可能性15名=119名(98%)の憲法研究者が違憲または違憲の可能性を指摘しております、合憲と回答した者は2名(0.17%)だけでした。また、6月末に行われた公法学研究者に対するNHK緊急アンケート結果は7月23日の「クローズアップ現代」で紹介されましたが、公法学研究者の90%以上が違憲・違憲の疑いがある、5%だけが合憲であると回答しました。さらに、ノーベル賞受賞研究者も含む多様な分野の多数の研究者から、法案が違憲であり、日本が戦争に巻き込まれることを危惧する声が挙がっております。当然、憲法研究者を中心に安倍政権が推し進める法案は、根拠が妥当でなく違憲な立法でありそれを押し通すことは「法的安定性を欠く」「立憲主義に反する」「法の支配を逸脱する」といった批判が噴出しております。
 ところが、安倍政権は、このような多くの研究者の声に耳を傾けることなく7月16日に衆議院で採決・可決するに至りました。審議を十分尽くしたということが理由でしたが、11本からなる重要な法案をわずか110時間強の審議というきわめて不十分なプロセスでの採決・可決でした。国民のなかからも「説明不足である」「内容がよくわからない」「戦争に巻き込まれる不安を感じる」という声が数多く挙がっております。
 参議院に審議の場が移されてからは、安倍政権はもっぱら「中国、北朝鮮による脅威論」に基づいて法案が日本の安全・防衛のために必要だと強調しだしています。しかし、そもそも「仮想敵国」を名指してその脅威を唱えることは、アジアでの緊張関係を「外交努力」ではなく「軍事力」によって抑止していくという果てしない「軍拡競争に陥る」危険性を孕んでおります。また、たとえ「他国の軍事的脅威」が存在するとしてもそれはまさに「個別的自衛権」に関わる問題であり、「集団的自衛権行使」とは直接関係がありません。
 私たちは、天理大学で研究・教育する者として、安倍政権の強引な法案成立を試みる対応には大きな疑問を抱かざるをえません。戦争のない平和な世界をも志向する内容である「陽気ぐらし」という理念、「他者への献身」という平和のために献身するという内容も含んでいる「建学の精神」からは、「違憲立法」でありかつ他国の戦争に日本が巻き込まれる恐れがある法案には反対の声を挙げざるをえません。この機会に、天理大学でも教職員・学生が、「軍事力」を通してではなく、「対話」「外交努力」を通して日本及び世界の平和・安全をどう構築していくのかを議論していくことがきわめて重要であると考えます。戦後70年の節目に、世界的にもブランドである「平和憲法」の意義を再確認する必要があるといえます。
 上記のような理由から、私たちは、安倍政権の法案に反対し廃案にすべきことを求めます。そして、天理大学教職員、学生、卒業生の皆様にもこの声明に賛同の声を寄せていただき共に日本及び世界の平和・安全をどう構築していくのかを考えていくことを切に希望します。

2015年8月6日   
 広島原爆投下70年の日に犠牲者・関係者の皆様に黙祷し平和の意味を噛みしめながら。

関西大学教員有志、全保障関連法案に反対する声明

関西大学教員有志

全保障関連法案に反対する関西大学教員有志の声明

 わたしたち関西大学教員有志は、安全保障関連法案に反対し、その即時廃案を求めます。

 この法案の眼目である集団的自衛権の行使容認について、世論は反対意見が多数を占めており、ほとんどの憲法学者や歴代の内閣法制局長官が違憲と判断し、首相みずから「国民の理解が進んでいない」(7月15日午前の衆院平和安全法制特別委員会)と認めています。にもかかわらず、この法案は今まさに法制化されようとしています。

 政権は法案の必要性として「安全保障環境の変化」を挙げますが、費やされた言葉の量にもかかわらず説得力に欠けています。国民の多くは、国政の大転換を意味するこの法案が、憲法秩序と安全保障環境に照らして適切であるとは納得できず、その拙速かつ強引な手法に憤りを感じています。このような政治の進めかたは、憲法を骨抜きにしようとするものであり、護憲か改憲かといった問題以前の立憲主義にたいする挑戦と言わざるをえません。

 法案の目標であるはずの平和は、日々の生活に根ざすのでなければ持続可能でないのは論をまちません。周辺諸国との関係にいたずらに懸念材料を増やす可能性の高いこの法案は、諸外国の人びととの文化的、経済的な交流にさえ水を差しかねません。近代日本の歩みが周辺諸国で起こした軋轢のことを考え合わせると、この法案は、率直に言って、日本社会に関わる多様な人びとの生活にとって迷惑の種にしかならないと憂慮します。

 「正義を権力より護れ」を建学の精神とする関西大学に奉職するわたしたちは、上の事態に際して、まさしく正義を護るべく声を上げる責務を負うと考え、ここに意見表明します。

2015年8月3日
関西大学教員有志

安保法案、北海道大学教員も「ノー」声明 賛同1週間で167人

道新(08/08)

 北大の教員有志が、安全保障関連法案の廃案を求める声明をインターネット上で発表した。文学部の3人の発起人を含め、法学部や農学部など文系、理系にまたがる20人の教員が呼び掛け人となって北大教員に賛同者を募ったところ、7日までに167人が加わった。教育や研究の現場から、反対の声が広がっている。 

 2日から公開している声明では、安保法案が集団的自衛権の行使を認めることを「明らかな憲法違反」としたうえで、安倍晋三首相が「憲法学をはじめとする数々の学問的蓄積を無視」し、「民主主義と立憲主義を軽んじている」ことに「深刻な懸念」を抱いていると表明。「未来世代に希望ある社会を手渡すために、戦争を止める知性を、平和をつくる知性を求めつづけます」と結ぶ。

 北大生だった宮沢弘幸さんらが太平洋戦争開戦当日に軍機保護法違反容疑で逮捕された「レーン・宮沢事件」にも言及。同法の再現と言われる特定秘密保護法が一昨年12月に成立したことなどを挙げ、言論や研究の自由が脅かされているとの危機感を示した。

 声明はネット(https://sites.google.com/site/hokudaiampo/)で読むことができる。

 道内では他に、札幌学院大と北海道教育大釧路校の有志も安保法案に反対する声明を出している。


2015年08月07日

神奈川大学教職員有志、安全保障関連法案に反対するアピール

神奈川大学教職員有志

安全保障関連法案に反対する神奈川大学教職員有志のアピール

 
私たちは反対する。「限定的」だと言い訳しながら、専守防衛を放棄し、日本が攻撃を受けていなくても「同盟国」の戦闘行為に参加する集団的自衛権の行使という質的に新たな道に日本を引き入れることに。
 
私たちは反対する。戦闘する外国軍隊への幅広い「協力支援活動」をつうじて、殺し、殺される武力行使の危険をはらんだ道に踏み込むことに。
 
私たちは反対する。ホルムズ海峡から朝鮮半島まで、「安全保障環境の変化」を縦横に持ち出すことによって、外交的努力を疎かにしつつ、法的拘束を軽視し、ありとあらゆる軍事的対応を正当化しようとする飛躍した論理に。
 
私たちは反対する。自衛隊員のリスクの増大すら直視しようとしない不誠実な態度に、そして殺し殺される戦闘を隣家の火事に例えれば「わかりやすい」かのように考える、国民を愚弄した発想に。
 
私たちは反対する。法的な保障もなく「絶対にない」を繰り返す総理大臣の「総合判断」に戦争への参加を委ねる危険な道に。
 
私たちは反対する。憲法9条のもとで築いてきた「戦争をしない国」としての信頼をこのようにして投げ捨て、国際紛争を解決する手段として武力を行使する「普通の国」になることに。
 
私たちは反対する。圧倒的多数の憲法学者も元法制局長官たちも違憲と認める法案を憲法解釈の変更の名の下に強行し、憲法9条をあってなきが如きものに変えてしまうことに。
 
私たちは反対する。かつてなく高まる世論の反対と疑問を承知のうえで、「今は反対でもいずれは理解される」とうそぶいてそれを冷笑する傲慢さに。
 
私たちは反対する。実質11本もの重大な法案を提出しながら、ひたすら「審議時間」の長さのみを頼りに、予定された結論を急ぐ民主主義の矮小化に。
 
こんな問題だらけの法案を、問題だらけのやり方で押し通すことに、私たちは反対する。
 
そして、知性を欠いた政府による反平和主義的、反立憲主義的、反民主主義的な企てに、自分たちの未来のために異議を申立て、立ち上がった学生たちに、こころから連帯する。
 
2015年8月6日 
神奈川大学教職員有志
 
   2015年8月6日21時30分現在 123名
 
  【呼びかけ人】
   出雲 雅志 (経済学史)
   大庭 絵里 (社会学)
  木村  敬 (物理学)
   窪谷 浩人 (物理学)
   郷  健治 (英文学)
   杉田 弘也 (比較政治学・オーストラリア政治)
   鈴木 陽一 (中国文学)
   辻子美保子 (言語学)
   東郷 佳朗 (法社会学)

安保法案に反対声明 岐阜大、岐経大、IAMAS教員ら

岐阜新聞(2015年08月06日)

 安全保障関連法案に反対する大学関係者有志の会が先月、岐阜県内の3大学で発足し、それぞれ法案反対の声明を出した。各大学の呼び掛け人の教員が5日、岐阜県庁で記者会見し「県内のほかの大学にも呼び掛け、地方の大学から反対の声を上げていきたい」と訴えた。

 有志の会が立ち上がったのは、岐阜大、岐阜経済大、情報科学芸術大学院大(IAMAS)の3大学。先月21~23日にそれぞれ法案反対の声明を出し、賛同者を募ってきた。今回は、各有志の会が連携して法案反対を訴えようと、合同会見に臨んだ。

 岐阜大では、教員や卒業生、学生ら約100人の賛同者が集まった。呼び掛け人の椎名貴彦准教授(応用生物科学部)は「息子を持つ親の責任として、何か取り組む必要があると考えた」と説明。25人が賛同した岐阜経済大の呼び掛け人の高木博史准教授(経済学部)は「教員の2割が賛同してくれた。大学人としてきちっと向き合いたい」と話した。IAMASは教員ら45人が賛同した。

 今後は、合同で法案の勉強会を企画するほか、各地のデモ行進や街頭活動に参加する予定。高木准教授は「潜在的に反対の声は多い。この機会を通じて賛同者を増やしたい」と話している。


4年制私大の43%が定員割れ 18歳人口増で若干改善

共同通信(2015/08/06)

 4年制私立大で今春定員割れしたのは43%で、前年度より3ポイント減ったことが6日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。事業団は「18歳人口が約2万人増えたのに対し、入学定員の増加が抑制されたことで若干の改善が見られた」としている。

 調査は、全国にある588校のうち579校が回答。定員割れは15校減の250校だった。定員以上の入学者がいたのは16校増の329校。定員全体に占める入学者の割合を示す入学定員充足率は1ポイント増の105%だった。

 入学定員の規模別では、800人未満の大学の充足率が100%を切った一方、800人以上では100%を超えた。


2015年08月06日

安保関連法案に反対する高崎経済大学有志の声明

安保関連法案に反対する高崎経済大学有志の声明

安保関連法案に反対する高崎経済大学有志の声明

戦後70年を迎える今年、安倍政権は安全保障関連11法案(以下、安保関連法案)を通そうとしています。これは、歴代政府が日本国憲法第9条との関係上行使できないとしてきた集団的自衛権を、閣議決定という形で一方的に合憲とみなすという、昨年7月1日に行われた「解釈改憲」にもとづき、自衛隊の活動範囲を拡大させようとするものです。
立憲主義とは、国民の合意に基づいて定められた憲法によって権力を縛るという原則ですが、これは幾多の過ちを反省した人類が、長年にわたり培ってきたものです。そのため日本国憲法は、「国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」という「人類普遍の原理」を謳っています。したがって、国政はあくまで憲法上認められる範囲内で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の実現を目指さなければならないのです。

立憲主義に基づくならば、現在の憲法の条文に問題があるかどうかは主権者である国民が判断します。このために、日本国憲法は改正条項を用意しているのです。しかし、安倍政権は、日本国憲法第9条の改正が多くの日本国民の反対によって実現できないということから、解釈改憲という手段に訴えました。これは、国民主権および立憲主義を蔑ろにし、法的安定性を著しく損なうものです。

このため、大多数の憲法学者はもちろんのこと、歴代内閣の法解釈の一貫性と安定性を保ってきた内閣法制局の元長官でさえも解釈改憲という行為を強く批判し、今回の安保関連法案は違憲であると指摘しています。さらに、世論調査でも反対が多数を占め、全国で反対の声があげられるとともに、「安全保障法案に反対する学者の会」の賛同者は3万9000人を超え、各地の大学でも有志が反対の声をあげています。それにもかかわらず、去る7月16日に衆議院で強行採決が行われました。

高崎経済大学は学則で「真理と平和を希求する人間の育成を図」ることをその目的として掲げています。私たち高崎経済大学有志は教育者・研究者として、正統な手続きを経ず、学問の真理を無視した解釈改憲による集団的自衛権行使を、容認することはできません。ここに、安保関連法案の廃案を政府に対して強く求めます。


2015年8月5日 高崎経済大学有志

呼びかけ人(50音順)
経済学部 天羽正継 國分功一郎 土谷岳史 永田瞬 水口剛 矢野修一
地域政策学部 伊佐良次 齋藤康輝 友岡邦之 西野寿章 福間聡 米本清

京都工芸繊維大学有志の会、安保法制に反対する賛同の呼びかけ

「安保法制に反対する京都工芸繊維大学有志の会」

「安保法制に反対する京都工芸繊維大学有志の会」への賛同を呼びかけます

「安保法制に反対する京都工芸繊維大学有志の会」

7月15日の衆議院本会議で強行採決された安全保障関連法案(安保法制法案)は、10本の現行法を見直す一括改正案と軍事活動中の他国軍への支援を可能にする新たな恒久法「国際平和支援法案」で構成されています。これらは、歴代総理大臣や内閣法制局も認めなかった集団的自衛権の行使を前提としており、日本が攻撃されていなくても、海外での同盟国の戦争への参加を可能にするものです。この法案が成立すれば、これまで専守防衛が任務であった自衛隊は、海外で戦える軍隊として質量ともに変化することになります。自衛隊員が担うとされる後方支援活動は軍事的には前線と一体化したものであり、攻撃の的になることも十分に考えられます。戦後70年間、戦場で殺し殺されることがなかった日本人、とくに若者が、ときの内閣の判断で戦闘地域に送り込まれ、武器を手に殺戮に加わることになるのです。

衆議院特別委員会の公聴会では、出席した憲法学者全員が、この法案は憲法違反と述べました。報道機関によるアンケートでは、151名の憲法学者のうち146名が憲法違反あるいはその疑いがあると回答しました。それにもかかわらず安倍政権は、これまでの内閣が違憲としてきた集団的自衛権の行使を、解釈の変更により「合憲」としています。一つの内閣が憲法の解釈をねじ曲げ、平和を守り抜いてきた国民の努力を踏みにじるなら、日本はもはや立憲主義に基づく法治国家ではなく、独裁国家も同然です。国務大臣や国会議員に対して憲法尊重義務を課している憲法99条に、安倍内閣は違反しています。

京都工芸繊維大学で働き学ぶ私たちは、憲法が保障する自由や権利に基づいて、科学と芸術に関わる教育・研究を行っています。国民の一人としてはもちろん、学問に携わる者として、憲法という根幹のルール違反を見逃すことはできません。また、自衛隊員をはじめ、いつの時代の若者も戦場に送り出すことは認められません。米国のように、経済的弱者が学費免除や奨学金のために「経済的徴兵制」に志願せざるを得ない状況に追いやられることも許せません。

私たちは安保法制法案の廃案を強く求めます。

このアピールに賛同いただける方からの署名を募っています。賛同される方は、こちらのフォームからお知らせください。

2015年8月
安保法制に反対する京都工芸繊維大学 教職員・学生・OB/OG有志の会

呼びかけ人(五十音順)
岩崎仁、岩本正治、宇山泰、大倉弘之、大嶋悟、大瀬長門、岡田哲治
木原壯林、宗川吉汪、竹井智子、中山純一、並木誠士、西田秀利、萩原亮
羽藤由美、廣岡直美、前田耕治、政宗貞男、南剛、森武宏


滋賀大学人有志の会、「安全保障関連法案の撤回・廃案を求める声明」

安全保障関連法案に反対する滋賀大学人有志の会

安全保障関連法案の撤回・廃案を求める声明


安全保障関連法案に反対する滋賀大学人有志の会


私たち滋賀大学人有志の会は、学問の自由と良識の名のもとに、戦争放棄を定めた日本国憲法第9条に違反し、立憲主義を否定する安全保障関連法案およびそれを支える稚拙な法解釈、そして民主主義を否定する数の力による強行採決を認めず、この法案の速やかな撤回と廃案を要求します。

滋賀大学彦根キャンパスにはかつて、「軍事教練」を行うために「武器庫」が設けられていました。アジア・太平洋戦争においては、このキャンパスで学んだ学生が、武器を持って戦場に赴き、彼らのなかに生きて郷里に帰れなかった者がいたことを、いま本学にあって私たちは痛恨と慚愧の念とともに、再び学舎と武力、学徒と武器とをかかわらせない決意をあらたにします。
2014年7月1日、安倍政権は憲法解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。そして2015年5月14日には安全保障関連法案を閣議決定し、7月15日に衆議院特別委員会で強行採決、翌16日にも再度の強行採決によって衆議院本会議を通過させるに至りました。現在、法案の審議は参議院へと移されています。
この法案は、ほとんどの憲法学者が違憲であると主張している通り、戦争の放棄を定めた日本国憲法第9条に明白に違反するものです。安倍政権は民意を問うことをせずに、解釈改憲といった姑息な手段によるすり抜けを図りながら、違憲である法制を強権的に成立させようとしています。これは明白な立憲主義の否定です。
各種メディアで報じられているように、大多数の国民が「政府の説明は不十分」と感じ、首相自らも「理解が進んでいない」としつつも、数の力で押し切り強行採決したことは、民主主義の否定にほかなりません。
また、この法案はアメリカ合衆国に追随して自衛隊が戦争に参加する道を大きく開くものであり、自衛隊員の生命をこれまでにない危機にさらすものです。政府は「後方支援であり、安全である」と繰り返し説明しますが、戦争にあっては兵站が真っ先に攻撃目標になるのは歴史的に見て明らかであり、戦場に安全地帯など存在しません。自衛隊員以外の人びとにとっても、報復やテロ行為の標的となる危険性を飛躍的に高めます。
そして、この法案が成立するならば、国際社会における平和国家としての日本国の信頼は完全に失墜することにもなります。とくに東アジア諸国との緊張は、極度に高まることとなるでしょう。東アジアにおける「抑止力」を口実として、法案への支持を訴えようとする論調に対しては、国際紛争は平和的手段で解決することが国連加盟国の義務であり、現代国際法の原則であることが想起されるべきです。軍事力の増強と軍事同盟の強化による「恫喝」に依存する姿勢は、対話の契機を失わせるばかりであり、結局は戦争の危険性を高めることにしかなりません。
私たちは、立憲主義、民主主義、平和主義を踏みにじり、戦争によって他国の人々を殺し、私たち自身が殺されることに意を払わない安倍政権に断固として抗議します。とくに私たちは大学人として、戦争が起こる際に、最も被害を蒙る恐れがある若い人たちの未来を守るために、いま声を上げる必要があると考えます。

2015年8月4日
安全保障関連法案に反対する滋賀大学人有志の会


賛同者
青柳周一、阿知羅隆雄、阿部安成、市川智史、宇佐美英機、菊地利奈、黒田吉孝
柴田淳郎、白石恵理子、須永知彦、武永淳、中野桂、坂野鉄也、藤岡俊博、渡邊暁彦

安全保障関連法案に反対する東京経済大学教職員有志の声明文

安全保障関連法案に反対する東京経済大学教職員有志の声明文

安全保障関連法案に反対する東京経済大学教職員有志の声明文


 私たちは安倍政権が推進する「安全保障関連法案(以下、この法案)」に反対します。この法案は、「集団的自衛権」の行使を合憲とすることによって、世界的規模で活動するアメリカの戦争に日本の自衛隊が参戦できるようにするものです。

 反対する理由は第一に、解釈改憲や強行採決によってこの法案を成立させようとする安倍政権の手法が、立憲主義と民主主義に反しているからです。衆議院憲法審査会に招聘された憲法学者全員(自民党推薦の学者も含む)が、この法案は「違憲」と表明し、各メディアが憲法学者におこなったアンケートでもほとんどの回答者が「違憲」と述べています。戦後歴代の内閣も集団的自衛権の行使は「違憲」と国会答弁してきました。世論調査では、この法案について政府は「説明不足」であると多くの市民が答えています。専門家の「違憲」の指摘に耳を貸さず、人々の疑問に答えることなく強引に法案成立をめざす安倍政権の反知性的手法は、立憲主義と民主主義とは相容れません。

 第二に、この法案が成立すれば、現在・将来の若者たちが戦争に巻き込まれる可能性が高くなるためです。この法案は、自衛隊を戦闘現場近くに派遣し、アメリカ軍とその同盟軍の支援活動を行わせることを想定しています。安倍政権の説明では、「後方支援」つまり兵站のみを担わせ、かつ「現に戦闘行為が行われている現場」では活動させないから、自衛隊員のリスクは高まらないと言及されています。しかし、自衛隊の「後方支援」は、紛争相手国からすれば敵対行為であり、その結果、自衛隊員の身体と生命の安全は、危機にさらされるでしょう。また、自衛隊員が、「武器の使用」により、他国の人びとを傷つける可能性もあります。

 戦後日本は、「戦争しない国」として国際社会の信頼を集め、「名誉ある地位」を獲得しようと努力してきました。この法案が成立すれば、70年近くかけて培われた国際社会の信頼は揺らぎはじめるでしょう。私たち東京経済大学教職員有志は、個人の良識にもとづき若者を二度と戦場に送ってはならないことを心に刻み、安倍政権が推進する安保関連法案に反対の意思を表明いたします。

 賛 同 人 (50音順。計52名、教職員48名+元教員4名。8月4日8時現在)

麻生博之 余部福三 池宮正才 和泉澤衛 礒野弥生 石川浩司 板垣雄三 色川大吉
上野麻美 大榎淳 大岡玲 大久保奈弥 尾崎寛直 大出良知 小田登志子 片岡直樹
加藤一彦 草野清子 川浦康至 菊池聡 金成垣 小島真澄 笹川克也 桜井健夫
佐藤和夫 澁谷知美 鈴木直 鈴木佳子 関昭典 徐京植 高津秀之 高井良健一 田中景
寺地五一 寺中誠 戸邉秀明 中野新之祐 中村青志 中村嗣郎 中村悠人 西下彰俊
浜田覚 早尾貴紀 深山直子 藤原修 牧原憲夫 村本武志 本橋哲也 森反章夫
山田晴通 渡辺龍也 渡辺裕一


2015年08月05日

安保法案に反対する高知の大学人声明

安保法案に反対する高知の大学人声明

安保法案に反対する高知の大学人声明

「自由は土佐の山間より出づ」という言葉通り、高知は自由民権運動発祥の地です。この地の先人たちは、近代日本において個人の自由を保障し、民主的な政府を設立することを目指して行動しました。しかしながら、今国会における安保法案の審議は、憲法と民意を無視し、開かれた自由な議論をないがしろにするものであり、先人たちが目指した政府の姿を真っ向から否定するものです。私たちは、次の理由から安保法案に反対します。

1、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更は、立憲主義を壊します

 昨年7月、安倍政権は憲法解釈を変更し、憲法9条の下で個別的自衛権だけでなく集団的自衛権も行使できる、と宣言しました。これにより、日本自身が攻撃されていない場合でも、他国間の戦争に参加することが可能になります。しかし、このような憲法の解釈は条文から大きく逸脱しています。
 民主的に選ばれた国家権力も、ときには政治を誤ることがあります。だからこそ、国家権力を憲法によって縛って暴走を防ぐ立憲主義という仕組みが必要なのです。したがって、国家権力が自分で勝手に憲法を緩めてはならず、今回のように限界を越えて憲法解釈を変更することは、立憲主義を壊します。

2、説明と議論が尽くされないまま法案を強行することは、民主主義に反します

 今回の安保法案は、日本の平和に関する重要な内容を含んでいますし、量も膨大です。国会では、審議を重ねるほどに法案の問題点が浮かび上がってきています。それに対し、政府はまともな回答をほとんど示せていません。市民の不安は解消できず、世論調査でも「議論が尽くされていない」「今国会で成立させるべきではない」という回答が多数を占めています。
 選挙で選ばれた国会だからといって、何を決めてもよいわけではありません。とりわけ、市民の理解が得られないまま平和の根幹にかかわる法案を押し通すことは、民主主義に反します。

「自由は取る可(べ)きものなり、貰(もら)う可き品に非ず」(中江兆民)。先人たちは、互いの意見の違いを尊重し、自由闊達な議論を大切にしました。わたしたち高知の大学の教職員、学生、卒業生には、先人たちの理想を学び、現実社会を見つめ、知を探求することを通じて社会に貢献する責務があるのではないでしょうか。だからこそ、この事態を目の前にして、もはや沈黙することはできません。
 わたしたちは、安保法案をすみやかに廃案にすることを求めます。

2015年8月3日 声明呼びかけ人一同

声明呼びかけ人(五十音順)

岩佐和幸(高知大学人文学部教授)、岩田裕(高知大学名誉教授)、内田純一(高知大学地域協働学部教授)、岡田健一郎(高知大学人文学部准教授)、岡本博公(同志社大学名誉教授、高知工科大学マネジメント学部教授)、小幡尚(高知大学人文学部教授)、加藤誠之(高知大学教育学部准教授)、霜田博史(高知大学人文学部准教授)、鈴木堯士(高知大学名誉教授)、田中きよむ(高知県立大学社会福祉学部教授)、種田耕二(高知大学名誉教授)、中道一心(高知大学人文学部准教授)、中村哲也(高知大学地域協働学部准教授)、根小田渡(高知大学名誉教授)、原崎道彦(高知大学教育学部教授)、福田善乙(高知短期大学名誉教授)、牧田寛(高知工科大学大学院工学研究科助教)、松尾亘孝(高知大学名誉教授、高知学園短期大学名誉教授)、松永健二(高知大学名誉教授)、峯一朗(高知大学理学部准教授)、村瀬儀祐(高知大学名誉教授、高知工科大学名誉教授)、森明香(高知大学地域連携推進センター助教)、吉尾寛(高知大学人文学部教授)


「安保法案に反対」 高知の大学教授らが声明

高知新聞(2015年08月04日)

 参院で審議されている安全保障関連法案に対し、高知県内の大学教授らが8月3日、「市民の理解が得られないまま平和の根幹に関わる法案を押し通すことは民主主義に反する」などとして、「法案に反対する高知の大学人声明」を出した。

 声明は、高知大学や高知工科大学など県内五つの大学、短期大学の教授ら23人が呼び掛けた。

 「安保法案の審議は憲法と民意を無視し、開かれた自由な議論をないがしろにするものだ」と指摘。その上で、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更は立憲主義を壊す▽説明と議論が尽くされないまま法案を強行することは民主主義に反する―とし、「この事態を目の前にして沈黙することはできない」と訴えている。

 この日、呼び掛け人のうち14人が高知市曙町2丁目の高知大学教職員組合室で記者会見し、高知大学の小幡尚教授(日本近代史)は「安倍政権の説明は、賛成反対以前に何を言っているか分からない。憲法どころか言葉すら尊重していない」と訴えた。高知大学の岡田健一郎准教授(憲法)は「高知は自由民権運動発祥の地で、自由な議論を大事にしてきた。県民が法案をよく理解してもらえるきっかけになれば」と語った。

 今後、インターネットを通して賛同者を募るという。

 安保法案をめぐっては、東京大学や京都大学など全国の各大学でも、教職員らが反対声明を出す動きが広がっている。


安全保障関連法案に反対する北海道大学教員有志の声明

安全保障関連法案に反対する北海道大学教員有志の声明

安全保障関連法案に反対する北海道大学教員有志の声明

安全保障関連法案の廃案を求めます

 北海道大学で研究と教育に従事する私たちは、安全保障関連法案の廃案を求めます。

 集団的自衛権の行使容認は、明らかな憲法違反です。安倍内閣が、憲法学をはじめとする数々の学問的蓄積を無視し、また、人類の歴史的な成果である民主主義と立憲主義を軽んじていることに、私たちは深刻な懸念を抱いています。
 この法案は、日本が他国の戦争に参加できるようにするためのものであり、日本の若い世代の命を危険にさらすものです。同時に、米国等が「敵」とみなした国の無辜の人びとの命をも脅かす可能性をはらむものです。無数の住民を殺害したイラク戦争は、「大量破壊兵器の存在」を口実に、米国が一方的に仕掛けた不当な戦争でした。しかし、日本政府はこの戦争の不当性をいまだ公式に認めていません。この法案が成立すると、これまで米国に追従してきた日本は、米国主導の不当な戦争に本格的に参戦する恐れがあります。私たちはそれを認めるわけにはいきません。
 この法案は、武力で平和が達成できるとの前提に立っています。対立する相手を「敵」と決めつけ、武器を構えると、相手はさらに強力な武器を構えるでしょう。20世紀の二つの世界大戦と冷戦期の軍拡競争はそのように起こりました。それがどれほどの惨禍を巻き起こしたのかは歴史をひもとけば明らかです。
 本当の平和は対話によってこそ生まれると私たちは考えます。そこで必要になるのが知性です。歴史を知り、相手の立場を知り、自己批判をいとわず、しかし言うべきことは言い、時間をかけて共存できる関係を築くこと。軍事力の増強ではなく、「対話の場」の構築に資源を注ぎ込むべきです。いまこそ「軍事による安全保障」から「対話による安全保障」への転換が求められています。

 大学は知性を磨き、高める場です。知性を敵視した戦前戦中の日本政府は、軍機保護法、治安維持法などにより、知識人・大学人の言論の自由を弾圧し、私たちの先達が不当に逮捕・監禁されました。その中に北海道大学の宮澤弘幸(工学部生)、ハロルドとポーリン・レーン夫妻(英語講師)がいたことを、私たちは痛みをもって思い起こします。
 今日の安倍政権も知性を恐れ、抑圧する道を歩み始めています。まず特定秘密保護法を強引に成立させて、市民が知る権利を制約しました。国立大学に国旗掲揚・国歌斉唱を求めるばかりか、文系(人文社会科学系)学部の廃止や見直しを求める通知まで出しました。そうした流れのなかで安保法案が出てきました。
 私たちは愚かな歴史を繰り返さないために、安保法案に反対します。そして、隣人たちと平和な関係を築き、未来世代に希望ある社会を手渡すために、戦争を止める知性を、平和をつくる知性を求めつづけます。

呼びかけ人:
姉崎洋一(教育学研究院・高等継続教育学)
石岡丈昇(教育学研究院・社会学)
小田博志(文学研究科・文化人類学)
柿澤宏昭(農学研究院・森林政策学)
加藤博文(アイヌ・先住民研究センター・考古学)
北村嘉恵(教育学研究院・教育史)
蔵田伸雄(文学研究科・倫理学)
笹岡正俊(文学研究科・環境社会学)
敷田麻実(観光学高等研究センター・観光学)
辻 智子(教育学研究院・社会教育学)
戸田 聡(文学研究科・西洋古典文献学)
栃内 新(北方生物圏フィールド科学センター・生物科学)
中村太士(農学研究院・生態系管理学)
西部 忠(経済学研究科・経済学)
波多野隆介(農学研究院・農芸化学)
東山 寛(農学研究院・農業経済学)
三上直之(高等教育推進機構・科学技術社会論)
宮内泰介(文学研究科・社会学)
宮崎隆志(教育学研究院・社会教育学)
山崎幹根(法学研究科・地方自治論)

連絡先:
宮内泰介・小田博志・笹岡正俊(文学研究科) | ampohouanhantai@gmail.com


自由法曹団、「戦争法制の論点 逐条検討・補充意見書」

自由法曹団
 ∟●戦争法制の論点 逐条検討・補充意見書


「戦争法制の論点 逐条検討・補充意見書」
http://www.jlaf.jp/html/menu2/2015/20150804153231_5.pdf

奨学金返還を手助け 未来人材育成基金を開設

日本海新聞(2015年8月4日)

 鳥取県は3日、県内の特定職域に就職を目指す若者の奨学金返還を手助けする「県未来人材育成基金」を開設した。民間からの寄付金1割、県の出資9割の割合で創設し、規模は2億円。助成対象は、県内の製造業やIT企業、薬剤師の分野に就職する35歳以下の高専生、大学生ら。最大で奨学金返還額の半額を助成する。

 県と民間の出資による奨学金返還助成の基金の創設は全国初。IT企業など県内で人材確保が難しい職種を目指す人材に、無利子の奨学金は返還額の半額、有利子は4分の1を助成。年間150人の活用を見込む。

 同日、県庁で基金開設式があり、県情報産業協会と県薬剤師会、山陰合同銀行、鳥取銀行がそれぞれ、平井伸治知事に寄付金を手渡した。同基金の民間からの寄付目標は2千万円で、9月末までに目標額の達成を目指す。

 平井知事は「地方経済を上昇気流に乗せるには人材確保が不可欠。基金は県外から人材を獲得するツールになる」と話した。

 助成制度は、既卒者は本年度、新卒者は来年度から活用できる。開設式での意見交換では、出席者から県外の学生らに周知を図る必要性が指摘された。


2015年08月04日

上智大学教職員有志、「安全保障関連法案強行採決に抗議し同法案の廃案を求める上智大学教職員有志による声明」

安全保障関連法案強行採決に抗議し、同法案の廃案を求める上智大学教職員有志による声明

安全保障関連法案強行採決に抗議し、同法案の廃案を求める上智大学教職員有志による声明
(2015年7月25日現在:更新中)

A Statement by Concerned Faculty and Staff of Sophia University Denouncing the Forced Passage of Security-related Legislation and Demanding the Rejection of These Bills
(As of July 25, 2015: still being updated)

 2015年7月16日、安倍晋三内閣は衆議院本会議において合計11の法案をまとめた安全保障関連法案を強行採決し、可決しました。同法案については、大部分の憲法学者をはじめ、多くの国民が憲法違反であるとし、また、同法案可決に反対する声が日に日に高まっています。そうした中での強行採決は、立憲政治の根幹を揺るがし、日本における民主主義の存続を危うくする暴挙と言わざるを得ません。
 私たちの上智大学は、キリスト教精神を基底とし、真実と価値を求めて、人間形成につとめることを教育理念の中心に据えています。人格の尊厳と基本的人権の尊重を脅かす戦争への参加を違憲立法で可能にしてしまうことは、「人を望ましい人間へと高める最上の叡智」(Sophia)を追究する本学の使命とおよそ相容れるものではありません。
 満州事変から軍靴の響きが日本国内でも日増しに強まっていた1932年春、カトリック信者の学生数名が軍事教練での靖国神社の参拝を拒否したとして軍部が配属将校を引き上げ、上智大学が存亡の危機に立たされるということがありました。信教の自由、学問の自由への弾圧が強化されるなか、上智大学もまた学生を戦場に送っていくことになりました。
 我々、上智大学教職員有志は、「上智の精神」を胸に立憲主義と民主主義の擁護を求める全てのソフィアンとともに、この強行採決に抗議し、同法案を廃案に持ち込むことを要求します。

On July 16, 2015 the Abe Cabinet forced a total of eleven security-related bills through the Lower House. An overwhelming majority of constitutional law scholars and many Japanese citizens believe these bills to be unconstitutional, and the number of people speaking out in opposition to the passage of these bills is growing day by day. The forced passage of the security-related bills amidst such protests can only be described as a reckless act that shakes the very foundation of constitutional government and threatens the future of democracy in Japan.

At the core of Sophia University’s educational ideal lies the Christian spirit that encourages humans to seek truth and value. This unconstitutional legislation will allow Japan to participate in war, threatening individual dignity and fundamental human rights. This is incompatible with the mission of this university, which is embodied in the meaning of our name “Sophia:” “the wisdom which is expressed in ethical activities that further the goals of human existence.”

In the wake of the Manchurian Incident, the drums of war grew stronger within Japan with each passing day. In the spring of 1932 several Catholic students at Sophia University were said to have refused to pay reverence at Yasukuni Shrine as part of their military training. In response, the military authorities recalled the commissioned officer assigned to the university, jeopardizing the university’s very existence. As the suppression of religious and academic freedom increased, students from Sophia University had to go to the battlefields.

With “the spirit of Sophia” in our hearts, we, the below-named members of the Sophia University faculty and staff, together with all Sophians who seek to defend constitutional government and democracy, denounce the forced passage of the security-related bills and demand their rejection.


2015年7月31日
上智大学教職員有志一同
連絡先: sophiapeaceadvocates@gmail.com

July 31, 2015
Concerned Faculty and Staff of Sophia University
Contact: sophiapeaceadvocates@gmail.com

呼びかけ人
Signed by

青木研(経済学部) 赤羽研三(文学部) 赤堀雅幸(総合グローバル学部) 秋山真一(外国語学部) 飯島真里子(外国語学部) 飯野友幸(文学部) 稲葉奈々子(総合グローバル学部) 井上茂子(文学部) 伊藤毅(国際教養学部) 大澤正昭(文学部) 大竹靖(課程センター) 荻野美佐子(総合人間科学部) 小此木潔(文学部) 片山はるひ(神学部) 加藤幸次(総合人間科学部名誉教授) 川島緑(総合グローバル学部) 私市正年(総合グローバル学部) 鬼頭宏(経済学部名誉教授) 北島玲子(文学部) Bettina Gramlich-Oka(国際教養学部) 黒川由紀子(総合人間科学部) 小山英之(神学部) 權田菜美(グローバル・コンサーン研究所) 斎藤玉緒(理工学部) Sven Saaler(国際教養学部)  進藤美津子(外国語学部名誉教授) 澤田稔(総合人間科学部) 島薗進(グリーフケア研究所) 鈴木雄雅(文学部) David Slater(国際教養学部) 高岡詠子(理工学部) 高橋暁生(外国語学部) 高見勝利(法科大学院) 竹内修一(神学部) 竹田陽介(経済学部) 伊達聖伸(外国語学部) 田中幸子(外国語学部名誉教授) 田中雅子(総合グローバル学部) 谷洋之(外国語学部) 田渕六郎(総合人間科学部) 田村梨花(外国語学部) 寺田勇文(総合グローバル学部) 寺田俊郎(文学部) 東郷公德(外国語学部) Kate Wildman Nakai(国際教養学部名誉教授) 中野晃一(国際教養学部) 中村愛音(グローバル・コンサーン研究所) 長井伸仁(文学部) 根本敬(総合グローバル学部) 幡谷則子(外国語学部) 服部隆(文学部) 林道郎(国際教養学部) 福井直樹(外国語学研究科言語学専攻) 福武慎太郎(総合グローバル学部) 北條勝貴(文学部) Vincente M. Bonet(文学部名誉教授) 松本尚子(法学部) 丸井雅子(総合グローバル学部) 三浦まり(法学部) 光延一郎(神学部) Angela Yiu(国際教養学部) 横山恭子(総合人間科学部) 渡邊久哲(文学部) David Wank(国際教養学部) 渡邉英司(学事局)


2015年08月03日

安保関連法案に反対する被災三県大学教員有志の会、知性と良識の「否決」を許さない

安保関連法案に反対する被災三県大学教員有志の会

知性と良識の「否決」を許さない

 安倍政権は自衛隊法、武力攻撃事態法、周辺事態法、国連平和維持活動協力法等を改正する平和安全法制整備法案及び新規立法である国際平和支援法案(以下「安保関連法案」)について、7月15日の衆議院の委員会に続き、翌16日の衆議院本会議においても採決を強行した。私たちは、憲法の根幹にかかわるこの安保関連法案をこのような仕方で採決することに対して、強く反対を表明する。

 安保関連法案が憲法に違反していることは、ほとんどの憲法学者が等しく認めているところである。憲法学者たちの意見表明が、専門家としての知性と良識にもとづくものであることを疑う理由はない。また、法案の内容をよく知るにつれ、多くの人々も憲法学者の意見を支持し、法案の採決に対して慎重な判断を求めるようになっている。人々の見解が市民としての知性と良識を示すものであることもまた疑う理由はない。しかるに安倍政権は、こうした専門家の声にも市民の声にもいっさい耳を傾けることなく、法案を押し通そうとしている。日本に対する外国の脅威を言いつのることで、立憲主義とそのもとでの民主的議論を踏みにじる現政権の態度はそれ自体、知性と良識によって支えられた市民社会にとっての脅威であると私たちは判断する。

 被災地を内に含む東北三県の大学に身を置く私たちは今、心苦しく思っている。東日本大震災においてかけがえのない人を失った人たち、故郷への帰還が今も叶わない人たち、生活の基盤を今も取り戻せない人たち――そうした人たちは、安保関連法案をめぐる動きを伝えるテレビの前で、あるいは新聞の前で何を思うだろうか。

 知性と良識にもとづく民主的議論は、被災地復興のための最も重要な社会的源泉の一つである。民主的議論によって触発される自治と、これによって醸成される市民間の紐帯なくしては、復興がこの社会に生きる私たち全員にとっての課題であることが見失われてしまうだろう。このことは他の脆弱化した地域についても、貧困層の人々の苦境についても当てはまる。被災三県において教育・研究に携わる私たちは、現在そのことを明瞭に再認識し、安倍政権の強引なやり方に強い危惧を覚えている。現政権が立憲主義を踏みにじり、知性と良識を踏みにじったとき、いったいその先に何が起こるのか。知性と良識が法の制定プロセスから排除される前例ができたとき、いったい何が起こるのか。

 私たちは、あの日に始まる苦境に耐えつつ、出口を求め続けている被災者の顔を思い浮かべるとともに、他の多くの脆弱化した地域、人々の呻吟を想像しないではいられない。そして、その苦境をともに乗り越えてゆくための礎となるのは、知性と良識によって支えられた市民間の紐帯に他ならないと強く信ずる。

 安保関連法案の可決が知性と良識の否決である限り、私たちは安倍政権のやり方を断じて認めるわけにはいかない。

2015年7月31日
安保関連法案に反対する被災三県大学教員有志の会

呼びかけ人一覧(あいうえお順)
秋永雄一(東北大学教授)
阿久津洋巳(岩手大学教授)
荒武賢一朗(東北大学准教授)
池田成一(岩手大学教授)
石川真作(東北学院大学准教授)
伊藤宏之(福島大学名誉教授)
伊藤幸男(岩手大学教授)
井上博夫(岩手大学教授)
植田今日子(東北学院大学准教授)
上村静(尚絅学院大学准教授)
内田龍史(尚絅学院大学准教授)
海野道郎(東北大学名誉教授)
遠藤隆幸(東北学院大学准教授)
遠藤寿一(岩手医科大学准教授)
大内秀明(東北大学名誉教授)
大迫章史(仙台白百合女子大学准教授)
大平聡(宮城学院女子大学教授)
越智洋三(東北学院大学名誉教授)
郭基煥(東北学院大学教授)
春日菜穂美(盛岡大学教授)
川端浩平(福島大学准教授)
菊池哲彦(尚絅学院大学准教授)
菊池勇夫(宮城学院大学教授)
菊池慶子(東北学院大学教授)
菊地登志子(東北学院大学教授)
北川誠一(東北大学名誉教授)
北村寧(福島大学名誉教授)
木村邦博(東北大学教授)
木村敏明(東北大学教授)
熊沢由美(東北学院大学准教授)
黒坂愛衣(東北学院大学准教授)
黒田秀治(東北学院大学准教授)
桒田但馬(岩手県立大学准教授)
後藤康夫(福島大学教授)
後藤宣代(奥羽大学非常勤講師)
小林一穂(東北大学教授)
小林睦(東北学院大学教授)
小松丈晃(東北大学准教授)
小宮友根(東北学院大学准教授)
齋藤直樹(盛岡大学教授)
齋藤博次(岩手大学教授)
境田清隆(東北大学教授)
酒井朋子(東北学院大学准教授)
坂田勝彦(東日本国際大学准教授)
佐久間政広(東北学院大学教授)
座小田豊(東北大学総長特命教授)
佐々木俊三(東北学院大学教授)
佐藤英世(東北学院大学教授)
佐藤滋(東北学院大学准教授)
佐藤利明(石巻専修大学教授)
佐藤直由(東北文化学園大学教授)
佐藤嘉倫(東北大学教授)
三條秀夫(東北学院大学准教授)
信太光郎(東北学院大学准教授)
清水修二(福島大学特任教授)
下夷美幸(東北大学教授)
白鳥圭志(東北学院大学教授)
末永恵子(福島県立医科大学講師)
杉山弘子(尚絅学院大学教授)
鈴木努(東北学院大学准教授)
高木竜輔(いわき明星大学准教授)
高倉浩樹(東北大学教授)
高瀬雅男(福島大学名誉教授)
高橋早苗(仙台白百合女子大学教授)
高橋直彦(東北学院大学教授)
高橋満(東北大学教授)
武井隆明(岩手大学教授)
竹井英文(東北学院大学講師)
田中史郎(宮城学院女子大学教授)
津上誠(東北学院大学教授)
土屋明広(岩手大学准教授)
徳川直人(東北大学准教授)
永井彰(東北大学教授)
中川学(東北大学講師)
永田英明(東北大学准教授)
永吉希久子(東北大学准教授)
野家啓一(東北大学総長特命教授)
野崎明(東北学院大学教授)
長谷川公一(東北大学教授)
羽田さゆり(東北学院大学講師)
浜田宏(東北大学准教授)
原塑(東北大学准教授)
半田正樹(東北学院大学教授)
坂内昌徳(東北学院大学准教授)
東義也(尚絅学院大学教授)
比屋根哲(岩手大学教授)
藤野美都子(福島県立医科大学教授)
冬木勝仁(東北大学准教授)
細谷昻(東北大学名誉教授)
堀裕(東北大学准教授)
槇石多希子(仙台白百合女子大学教授)
松前もゆる(盛岡大学准教授)
三須田善暢(岩手県立大学准教授)
宮本直規(東北学院大学講師)
麦倉哲(岩手大学教授)
森美智子(東北学院大学教授)
門間俊明(東北学院大学講師)
柳沢文昭(盛岡大学教授)
柳原敏昭(東北大学教授)
安田勉(尚絅学院大学教授)
山崎冬太(東北学院大学准教授)
横山英信(岩手大学教授)
渡部友子(東北学院大学准教授)
以上103名


安全保障関連法案に反対するフェリス女学院大学教員有志の会、声明

安全保障関連法案に反対するフェリス女学院大学教員有志の会

「汝、殺すなかれ(出エジプト記20章、モーセ「十戒」より)」。ひとがお互いに殺し、殺され合う場に駆り出されないように私たちは、安全保障関連法案を廃案にすることを求めます。

 第二次世界大戦終結後70年の今、私たちは重大な岐路に立っています。安倍晋三政権は新法の「国際平和支援法」と10本の戦争関連法を改悪する「平和安全法制整備法案」を国会に提出し、審議が行われています。先日7月15日には衆議院平和安全法制特別委員会、16日には衆議院本会議で強行採決・可決されました。27日には参議院での委員会審議が始まっています。

 これら政府の謂う「安全保障関連法案」は、日本国憲法第 9 条 に違反するものであり、日本を「戦争をしない国」から「戦争ができる国」へと変えようとするものです。安倍政権がこれを、衆議院において十分に説明を果たさないまま審議を打ち切り、強行採決によって可決したことは、日本の立憲主義と民主主義を破壊する行為です。私たちは憲法に基づき、学問と良識の名において、国会がこれらの法案を廃案とすることを強く求めます。

 フェリス女学院は、キリスト教の信仰に基づく女子教育を行うことを建学の精神とし、「For Others」という教育理念を掲げています。建学以来の永い歴史のなかで自然に人々の心の中で形をなし、学院のモットーとして受け継がれるようになりました。このことば「他者のために」は、自分やちかしい人だけではなく、より広い視野から他者の存在をも考えに入れて、他者のために行動するという規範を意味するものであり、「集団的自衛権行使」などという名の武力行使・軍事介入=戦争を決して容認するものではありません。その本学も、戦時下の1941年、校名を「横浜山手女学院」と変更を余儀なくされた時期がありました。

 戦争はかけがえのないいのちを持った若者たちを戦場に送り込み、その場で殺し殺されることを強要することを意味します。そして、子どもたちを含む多くの犠牲者を生み出し、いのちの尊厳を踏みにじるものです。「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし/槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず/もはや戦うことを学ばない。(イザヤ書2章4節)」過去の悲惨な侵略戦争の反省の上に立って戦後日本が国是としてきた平和主義に逆行し、あらたに戦争への道を開く安全保障関連法案の衆議院強行可決に、私たちは強く抗議し、法案の即時廃案を要求します。

2015年7月
安全保障関連法案に反対するフェリス女学院大学教員有志の会


呼びかけ人(各学部五十音順)

文学部:井上 惠美子、梅﨑 透、小ヶ谷 千穂、齋藤 孝滋、島村 輝、髙田 明典、田中 里奈、
谷 知子、中川 正紀、福永 保代、藤本 朝巳、諸橋 泰樹、由井 哲哉、吉田 弥生、饒平名 尚子、
渡辺 信二、渡辺 浪二

音楽学部:川本 聡胤、瀬藤 康嗣、谷口 昭弘、土屋 広次郎、船場 ひさお、堀 由紀子

国際交流学部:荒井 真、泉谷 陽子、江上 幸子、大西 比呂志、木曽 順子、金 香男、佐藤 輝、
高雄 綾子、高柳 彰夫、田丸 理砂、常岡(乗本) せつ子、中塚 次郎、ヒガ,マルセーロ、
矢野 久美子、横山 正樹、和田 浩一

情報センター:内田 奈津子

留学生センター:椎名 渉子

安保関連法案廃案を求める日本大学教員の会、「今国会での安全保障関連法案の廃案を求める声明」

安保関連法案廃案を求める日本大学教員の会

今国会での安全保障関連法案の廃案を求める声明


安保関連法案廃案を求める日本大学教員の会


 現在国会では,与党自由民主党・公明党によって,集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案(「平和安全法制整備法案」および「国際平和支援法案」)11件が上程され,議論が充分尽くされないままに7月15日には衆院特別委員会で強行採決のうえ可決,翌16日には衆院本会議で野党5党の批判をはねのけて可決されました。
 この法案は第二次大戦後70年間維持された「戦争放棄」という理念を破るものではないか,という不安が国民のあいだで高まっており,さらに圧倒的多数の憲法学者から憲法違反すら指摘されています。政府が説明をすればするほど反対意見が増加しているという結果も世論調査によって明らかになっています。それに対してこの間,多数の市民たちとともに全国の学生や大学教員も「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」や「安全保障関連法案に反対する学者の会」を組織して活発に抗議行動を行っています。
 こうした現状に鑑みるに,衆院で世論の動向を無視した拙速な「強行採決」を敢行したことは政権与党としての義務に悖るものでした。
 私たち日本大学教員の研究分野はさまざまで,日本の安全保障・憲法に対する考え方も一致するわけではありませんが,学問的真理を追究するという姿勢は共有されています。その観点から,憲法違反の疑いがあるうえ適用基準が曖昧でときどきの政権の恣意性を許容する法案を不適切と考えます。また未来の社会を担うべき学生の教育に携わる者として,今後日本国が国際的武力紛争そして戦争に積極的かつ無際限に加担してゆく可能性を開く法案を不適切と考えます。
 ここに私たちは安全保障関連法案を徹底的に審議したうえで,廃案とすることを求めます。

2015年7月29日

呼びかけ人 荒木田英禎(工),飯田隆(文理・哲学*),石井直紀(理工),石川晃司(文理),石浜弘道(理工),井尻直彦(経済),糸長浩司(生物資源),小平麻衣子(文理),小野雅章(文理),片山義博(生物資源),金田耕一(経済),権赫旭(経済),後藤範章(文理),小浜正子(文理),小林信一(生物資源),小山由美(薬),近藤直子(文理),坂野徹(経済),清水みゆき(生物資源),杉本竜也(法),高橋巌(生物資源),竹内真人(商),武廣亮平(経済),丹治信春(文理),土屋好古(文理),長沼宗昭(法),野口邦和(歯),初見基(文理),広田照幸(文理),藤原孝(法),松重充浩(文理),水野和夫(国際関係),村上英吾(経済),安原伸一朗(商),山岸郁子(経済),山口守(文理),吉田洋明(理工)[50音順・括弧内は所属学部](*同学部に同姓同名の方がおられるためこのような表記をします。)

非常勤講師組合、共同声明「安全保障法関連法案の制定・改定に反対する声明」

首都圏大学非常勤講師組
 ∟●安全保障法関連法案の制定・改定に反対する声明

安全保障法関連法案の制定・改定に反対する声明

 2015年、日本政府は、自衛隊法、武力攻撃事態法、周辺事態法、国連平和維持活動協力法等を改正する平和安全法制整備法案、及び新法としての国際平和支援法案を閣議決定し、5 月 15 日の沖縄「復帰」記念日に、衆議院への法案提出を行いました。そして 7月16日には、衆議院本会議がこれらの法案を可決しました。 日本国憲法前文には、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とあります。集団的自衛権の名のもとに、他国の戦争に武力で介入すれば、他国の国民の、平和のうちに生存する権利を否定することになります。また、第 9 条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とうたっています。違法・不当な侵略を受けていない状態で日本が他国に武力介入することは、国際紛争を解決する手段としての武力の行使に他なりません。
 社会は自由で平等な個人の契約によって成立するとジョン・ロックは主張しました。民主主義の精神とは、同意による社会の運営です。私たち非常勤講師組合は、どのような交渉相手に対しても、説得と同意により多くの問題を解決してきました。どれほど理不尽な事件・相手であっても、誠実な交渉は必ず良い結果をもたらします。それは憲法前文がいうように、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」からです。世の中に、殺人や暴力でしか解決できない問題は存在しないと、私たちは強く実感しています。
 この法案は、他国の政府や他国民を対等な相手として扱わず、問答無用の殺人や暴力で解決することを目指すものに他なりません。現在、沖縄の辺野古で日米両政府が強行に推進している新基地建設も、自国の民意を省みない暴挙であり、これまでの日本の外交努力による世界平和の推進を無化するに等しい行いです。私たちは、それをいかなる理由においても認めることはできません。それは日本国憲法、私たちの活動のみならず、人類の進化と発展そのものの否定になるからです。
 よって、私たち非常勤講師組合は、基本的人権の保障を活動目的に掲げる団体の使命として、また教育研究に携わる者の社会的使命として、その違憲性を訴え、これら安全保障法制の制定・改定に強く反対いたします。そして「7/14 緊急シンポジウム学者の会×SEALDs KANSAI」やこの法案に反対する全ての組織、人々、集会、声明に賛同し、連帯いたします。

2015年7月28日

首都圏大学非常勤講師組合
東海圏大学非常勤講師組合
関西圏大学非常勤講師組合
大学等非常勤講師ユニオン沖

北大職組、「立憲主義に反する安保法制強行採決に抗議する」

北大職組
 ∟●立憲主義に反する安保法制強行採決に抗議する

立憲主義に反する安保法制強行採決に抗議する

 7 月 16 日に衆議院本会議で安保法制案の採決が強行されました。本法案が,集団的自衛権の行使を禁止している日本国憲法に違反していることは,多くの憲法学者や歴代の内閣法制局長官が指摘しているところです。憲法違反の法案採決を強行することは,「国家権力の暴走を防ぐための憲法」という立憲主義の立場を否定するものであり,およそ民主国家として許されるものではありません。
 本法案の内容は,世界のあらゆる場所で,米軍への補給活動を可能にするというものです。近代戦において補給が戦争行為の一部であることは常識であり,その行為が相手側からの攻撃の対象とされることは必至です。米軍と一体となって活動する日本は,テロの対象となるでしょう。このように,本法案は,日本を戦争行為に巻き込むものです。本来,国の安全は,他国と武力で対抗することで得られるものではなく,粘り強い平和外交によってこそ確保されるものです。このことは,第 2 次世界大戦の教訓であり,その考えは日本国憲法に明確に述べられているものです。今国会の討論では,「補給活動で危険を感じたら撤退するから安全は確保される」などと答弁して本法案の問題点に対して,安倍内閣はまともに答えようとしていません。その結果,世論調査でも,多くの国民が法案の内容が十分説明されていないと感じており,今国会での成立に反対しています。また,国民の理解が得られていないことは,法案を提出した安倍総理自身がみとめているところです。にもかかわらず,採決が強行されたことは民主主義を否定する暴挙です。一部周辺国の領土問題での態度をことさら誇張して危機をあり,それを理由に法案成立を正当化することは断じて許されません。平和であってこそ、学問の自由があります。民主主義が育ってこそ、大学の自治も守られます。本大会は,大学の根幹をも揺るがしかねないこうした暴挙に強く抗議するとともに、安保法案の廃案を強く求めるものです。

2015年7月25日
北海道大学教職員組合定期大会

2015年08月02日

人文系学部廃止要請に批判相次ぐ 日本学術会議が討論会

朝日新聞(2015年8月1日)

 国立大に人文社会・教員養成系学部の廃止などを求めた国の通知について、2千人以上の研究者でつくる日本学術会議が7月31日、討論会を開いた。「現実の問題に対処できる教養は人文系の学問で育つ」など国への批判的な意見が相次ぐ一方、「人文系の有用さについて研究者が発信を怠った結果」との指摘もあった。

 会員の大学教授ら約370人が参加。酒井啓子千葉大教授(中東研究)らが「日本から海外へ優秀な研究者が流出しかねない」「『すぐに役立つ学問』がもてはやされる社会全体の風潮を危惧する」などと発言した。

 文部科学省は6月、全国立大学に特色の明確化などを促す通知を出し、特に人文・教育系学部について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組むよう」に求めた。


国立大学の人文社会系見直しで激論 京都でシンポ

京都新聞(2015年08月01日)

 下村博文文部科学相が国立大学に人文社会系学部の組織見直しを求める通知を6月に出したことを受け、今後の高等教育のあり方を考えるシンポジウムが1日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開かれた。文科相補佐官の鈴木寛東京大教授が通知の内容を解説、国立大学関係者は問題点を指摘した。

 鈴木教授は、通知の内容を人文社会系の軽視ととらえる見方について「誤解だ」と否定。その根拠として、通知の基になった「国立大学のミッション(社会的役割)の再定義」という文書では、人文社会系を重視し、充実の方向性を打ち出していることを挙げた。また、人文社会系の大きな課題として、学生数に対して教員数が少ないことを説明し、「人文社会系の教育の質をもっと高めることが必要だ」と指摘した。

 一方、愛媛大の松本長彦前副学長は「現場には人文社会系をつぶせとしか読めない。もっと文言を工夫してほしかった」と苦言を呈した。奈良女子大の小路田泰直副学長は「人文社会系を縮小するつもりはない。理工系の人材を育てるためにも人文社会系は必要だ」と強調した。

 関西の国公私立大学の教員らでつくる高等教育研究会の主催。大学関係者ら約50人が参加した。


2015年08月01日

戦後70年・安保法制を許さない京都の大学人の集い

戦後70年・安保法制を許さない京都の大学人の集い

 
 2015年7月15日の衆議院・平和安全法制特別委員会での強行採決、そして翌日の衆議院本会議での強行採決から約半月が経過しました。7月27日からは参議院特別委員会での法案審議が開始されましたが、私たちはこの暴挙に対して強く抗議するとともに、引き続き法案に対する反対する運動を強め、参議院で廃案にしていく決意を強くしています。
 安保法制が強行されれば、立憲主義と民主主義が否定され、日本国憲法が蹂躙されることになります。そして、大学は「戦争のための学問」に貢献することを強制されることが危惧されます。さらに、学生たちが戦場へ送られる危険性も強まることになります。戦後70年という節目の年に、私たち大学人-教職員と学生-は、このようなことを決して許すことはできません。
 この間、京都でも多くの大学で教職員と学生による運動が広がっています。それは、全国各地で取り組まれている、さまざまな階層の方々の取り組みと共鳴するものになり、全国の運動に対しても励ましを与えるものとなっています。
 こうした状況を踏まえ、私たちは京都におけるさまざまな大学、さまざまな大学人の皆さんと運動を交流し、法案反対に向けた運動の前進を図りたいと考え、以下の要領で「戦後70年・安保法制を許さない京都の大学人の集い」を企画しました。緊急の呼びかけでありますが、多数の教職員や学生のみなさんにぜひ「集い」にご参加いただきますようお願いいたします。

*日 時:2015年8月5日(水) 18:30~20:00(18:00開場) *場 所:アバンティ9階・龍谷大学「響都ホール」 ※ 京都駅八条東口から徒歩1分 (https://www.ryukoku.ac.jp/ryudaihall/access/) *基調報告: 山室信一氏(京都大学人文科学研究所教授、近代法政思想史/元衆議院法制局参事) *リレー・トーク:   京都大学(「自由と平和のための京大有志の会」発起人)、同志社大学(グローバル・ スタディーズ研究科・岡野八代氏)、立命館大学(法学部・小松浩氏)、龍谷大学 (All Ryukoku Anti Warほか)など。 *その他:参加費無料。

主催:「戦後70年・安保法制を許さない京都の大学人の集い」実行委員会
        <連絡先>
         龍谷大学「安全保障関連法案の撤回を求める声明」事務局・細川孝
          e-mail:hosokawa@biz.ryukoku.ac.jp
京滋地区私立大学教職員組合連合書記局・佐々江洋志
     e-mail:kfpu@ari.bekkoame.ne.jp