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 カテゴリー 2016年10月

2016年10月21日

東北大学、5年上限就業規則強行で非正規職員3200人以上に雇止め宣告 「私たちは解雇に慣れてない」

MY News Japan(10/19 2016)

東北大学、5年上限就業規則強行で非正規職員3200人以上に雇止め宣告 「私たちは解雇に慣れてない」

林 克明

 東北大学の非正規職員の無期転換方針にいての概要。労働契約法では、雇用期間が5年に達した有期労働者が無期転換を申し込めば自動的に無期契約になる。しかし、同大学は様々な条件を課して、無期転換のハードルを高くしている。

 東北大学が揺れている。大学側が、雇用安定を目的とした改正労働契約法の趣旨に反して、今年2月から4月にかけての説明会等で、5771名の非正規職員のうち3243人を、2018年3月から数年間で雇止めする、とあらためて宣告したからだ。背景には、短期契約を繰り返す有期契約労働者の雇用安定を図るために13年4月に施行された改正労働契約法がある。有期雇用労働者の雇用期間が通算5年に達すれば、本人が希望すれば期限のない無期契約に転換できるものだ。ところが東北大学は、非正規職員の無期転換を阻止するため、当事者の意見も聴かず5年で雇い止めとする就業規則を成立させた。同じ目的で5年雇止め規則を作った早稲田大学は刑事告訴・告発され、5年上限を撤回。多くの大学も5年上限を次々に取り下げている。また、65%の企業が5年以内の無期転換を決定、という調査もあるなかで、同大学は孤立を深めている。非正職員ら約1200名が、雇い止め反対の署名を里見進総長あてに提出するなど、反撃が始まった。


大学非常勤講師が労組 道内初、札幌圏の10人が来月結成

道新(2016/10/20)

 札幌と近郊の計約10校の国立、私立大に勤める非常勤講師約10人が、不安定な雇用や低賃金の改善を求め、労働組合「札幌圏大学・短大非常勤講師組合」(仮称)を11月5日に結成する。北海道私立大学教職員組合連合(道私大教連)が支援している。非常勤講師の労組は関東や関西などにあるが、道内では初めて。

 非正規雇用の非常勤講師は半年~1年の契約が多く低賃金のため、専業の場合は生活が不安定になりやすい。道私大教連は今年7月、道内の非常勤講師の実態調査を初めて行い、札幌などの計約10校の59人が回答、70%が30~50代だった。

 非常勤講師が専業の人は36%で、「安定していない他の仕事との掛け持ち」は29%だった。これらの講師の担当授業は週1~6コマが69%、7~10コマ18%、11コマ以上が13%で、雇用に不安が「ある」との回答は89%、賃金が「不満」は78%だった。道私大教連は通年で6コマ教えても年収は210万円程度とみており、「大半が年収300万円未満では」と回答している。

 組合に加入予定の40代の男性の非常勤講師は本年度、複数の私大で計7コマの授業を受け持つが、年収は約200万円にとどまり、「毎年、契約が更新されるまで不安だ」と話す。

 道私大教連の川村雅則委員長(北海学園大教授)は「カリキュラムの変更で 雇い止め される場合もあり、生活の安定しない非常勤講師は道内に数百人いるとみられる。賃金や雇用条件の改善に協力したい」と話している。

 組合の設立総会は11月5日午前11時、札幌市中央区北1西10、道私大教連。問い合わせは同教連(電)011・261・3820へ。


2016年10月20日

東京高裁の判決を受けての三大学教職員組合共同声明

東京高裁の判決を受けての三大学教職員組合共同声明

巻口勇一郎先生の教育研究者としての権利を守るため速やかなる職場への完全復帰を行うことを改めて求めます。

 本年1月25日の静岡地方裁判所に続いて、9月6日には東京高等裁判所においても、昨年7月3日の巻口先生の地位保全を認めた仮処分決定の有効性が再度確認されました。高裁レベルで、解雇無効を争っている労働者の雇用契約上の地位の保全を認める地裁決定判決が維持されたことは、少なくとも公刊されている事例の限りでは初めてのケースとされ、全国的にも画期的な判断判決として注目されています。常葉学園は最高裁への上訴を断念した結果、地位保全に関する決定判決は確定することとなりました。
 地裁決定判決以来、常葉学園側は様々な解雇事由を持ち出してきましたが、高裁レベルで地裁決定判決が維持されたことによりは、常葉大学側の解雇事由が、前例がないほど正当性に欠くものであることがを改めて明確になっしたものと言えます。東京高裁決定判決は、「本件懲戒解雇は、懲戒権の濫用であり、本件刑事告訴をその理由とするも、実質的には公益通報に対する報復措置である可能性がある」として、懲戒解雇の不当性を断じています。同時に高裁決定判決は、巻口先生は「教育・研究活動に従事するものであり、抗告人の教職員の地位を離れては、相手方(巻口)の教育・研究活動に著しい支障が生じることは明らかであり、抗告人との間で、労働契約上の権利を有する地位にあることを仮に認めなければ、回復し難い著しい損害が生じるものというべきである」と、労働契約上の地位保全とともに教育研究者としての権利保護を求めています。
 解雇措置を巡る本裁判は、先日結審し、来年1月に静岡地方裁判所の判決が下される予定です。その結果次第で、裁判が高裁に移行するとしても巻口先生の教育研究に従事する労働者としての権利は労働契約法に基づいて厳格に保護されるべきものです。私たち三大学の教職員組合は、常葉大学が司法の度重なる判断を尊重して、巻口先生の速やかなる教育研究者としての職場復帰を保証し、遅くとも来年度以降での教育研究者としての権利と活動を保証する具体的措置を取ることを求めるものです。
 昨年7月の仮処分決定に対して、常葉大学がその取消しを申し立ててきたことによって、巻口先生の回復しがたい著しい損害は一層深刻なものになっています。今回、この異議申し立てが東京高裁においても却下されたことの重みを、常葉大学は真摯に受け止めて対応することが、高等教育機関としての義務であると考えるものです。私たち三大学の教職員組合は、内部告発者の権利は「公益通報者保護法」等に基づき最大限尊重されるべきであり、かつ教育研究者の労働契約法上の権利は厳格に擁護されるべきものと考えるものであり、東京高等裁判所の決定の尊重と速やかに履行することを常葉大学に求めるものです。

2016年10月18日
              
静岡大学教職員組合、静岡県公立大学教職員組合、静岡英和学院大学教職員組合

常葉学園の教員 地位保全が確定、東京高裁が常葉学園の抗告を棄却

■朝日新聞(2016年10月19日朝刊)

 学校法人常葉学園に解雇された男性教員(43)が職員としての地位保全を求めた仮
処分の申し立てをめぐり、仮処分を認めた静岡地裁の決定に対する学園側の抗告を、
東京高裁が棄却した。男性と支援する教職員組合が、18日に記者会見を開き、明ら
かにした。

 男性らによると、棄却決定は9月7日。「(学園側が)上訴せず地位保全の決定は
確定した。」と説明した。

男性は2012年、旧常葉学園短大(*現・常葉大学短大部)で補助金の過大受給が
あったことを内部通報。学園から過大受給の調査内容を捜査機関などに通報しないよ
うに強要されたとして理事長らを刑事告訴したが、不起訴処分となった。

 学園は「学園の名誉または信用を害したとき」という就業規則の懲戒解雇条件に当
たるとして昨年の2月に懲戒解雇処分を決めたという。

 男性は昨年3月、「告訴を理由に解雇をするのは不当だ」として地位保全の仮処分
を静岡地裁に申し立てていた。


2016年10月12日

京都産業大学昇任拒否雇止め事件、京都地裁判決の不当性について

女性助教裁判の判決の不当性について

京都産業大学昇任拒否雇止め事件について,2016年9月27日,京都地裁は原告教員の訴えを棄却する判決を下した。
原告によれば,同判決は,原告には一分の利も認めない不当な判決であった。しかし「大学の人事審査権については当該大学が決定権を持つものであり、『大学の自治』及び『学問の自由』などの憲法条項からも司法はそれに介入できない」との姿勢を示したため、上告した処でこれを覆せるまでの証拠を提示できない(=証拠を提示出来る側の人間が全て被告の証人や証書となっている)と判断したため、控訴を断念した。

女性助教裁判の判決の不当性について

京都産業大学教職員組合
執行委員会からのアピール

 今回の裁判の原告である女性助教は、助教から准教授への文化学部の昇進規定である任期中の論文3本の公刊という条件を満たしたにもかかわらず、平成25年4月に本学文化学部助教から准教授への昇進を果たすことはできませんでした。その地位回復のための裁判が3年以上にわたり、続いていました。

 9月27日午後1時10分、京都地方裁判所で判決が出されました。そこでの判決は、原告である女性助教の請求を全面的に棄却するという、予想だにしなかったものでした。

 裁判所は、すでに学会誌に掲載済みの論文であっても、学部による再審査により、その質をさらに検証することは当然だという趣旨の判決を出しました。

 学会誌の査読は、専門家によるものであり、学部の人事委員会による審査が、専門家とはいえない人たちによる判断となる可能性は否定できません。少なくとも専門性という観点から見れば、学会誌による審査の方が、学部の人事委員による審査よりも学問的に客観的な裏付けができるということは、研究者にとって常識であると言えるでしょう。ですが、残念ながら今回の判決は、そのようなことは一切考慮に入れられておりません。

 ここでの判例は、有期雇用から無期雇用に転換するさいに、とりわけ大きな問題となると言わざるを得ません。専門家によるピアレビューよりも、より専門性が劣る人たちによる審査の方が、研究能力に関する判断基準として適切だという判例を裁判所が出したことになり、学問業績の評価の基準を大きく歪め、昇進に深刻な問題をもたらす判決であると、私たちは考えます。

 すでに文化学部では、5年間、准教授から教授への昇進人事がありません。それは、女性助教が昇進できなかったので、教授への昇進人事においても、これまでの自分の研究業績が否定されるようなことを言われたうえに昇進できないかもしれないと考え、昇進願いを出さないからだと思われます。

 また、他学部の公募においても、女性助教の裁判はよく知られているので、「業績があっても本当に助教から准教授に昇進できるのか」と質問されることも少なくないと聞きます。

 今回の判決により、京都産業大学は、公明で透明性がある人事をしない大学だという評判が立つことを、私たちは恐れます。さらに、今回の裁判結果が、テニュアトラックにいる多数の研究者の将来にとって大きなマイナスになるのではないかと危惧します。有期から無期への雇用形態の転換が、結局のところ恣意的な判断に基づくことを放置してしまうことになるからです。これは、とりわけ若い研究者にとって、研究をしていく上での大きな妨げとなるでしょう。

 私たち執行委員会は、今回の判決は不当であり、京都産業大学、さらには日本の学界に対して大きな負の遺産を残したと訴えます!