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 カテゴリー (私)北星学園大学

2014年12月27日

北星学園大の業務を妨害容疑、弁護士が地検に告発

朝日新聞(2014年12月27日)

 慰安婦問題の記事を書いた元朝日新聞記者の植村隆氏(56)が勤める北星学園大(札幌市厚別区)に電話し、虚偽の内容を話して録音、動画投稿サイトで公開したとして、札幌の弁護士らが26日、氏名不詳の電話主に業務妨害の疑いがあるとする告発状を札幌地検に提出した。弁護士らの呼びかけに賛同した352人が告発人となり、弁護士438人が代理人を務める。

 告発状によると、電話主は8月と10月、同大に電話し、職員に「北星学園大学はね、国賊大学いうことなるんですよ」「犯罪者をね、採用するなんてふざけたことをしなさんな」などと事実に反する内容を話して録音したうえ、動画投稿サイトに投稿し、同大の業務を妨害したとされる。


2014年11月12日

元朝日記者の雇い止め再考を 北星学園大の院生、学長に要望書

北海道新聞(2014/11/11)

 札幌市厚別区の北星学園大で、かつて朝日新聞記者として従軍慰安婦問題の報道に携わった非常勤講師をめぐり、大学側が来年度の契約を更新しない方向で検討していることについて、同大の大学院生4人が10日、田村信一学長に対し、その処遇に関して大学院生との意見交換の場を設けることなどを求める要望書を提出した。

 4人はこのほど「北星・学問の自由と大学の自治のために行動する大学院生有志の会」を結成した。

 要望書では「脅迫で誰かの雇用が奪われるという前例ができれば、私たち自身の研究も常に危険にさらされる状況となる」と指摘、大学院生との意見交換会や、契約更新しないとの方針について多方面との議論を踏まえて再考することを求めた。

 同大は理事会や公聴会で意見を聴いた上で、学長と理事長がこの非常勤講師との契約について月内にも最終判断するとしている。


2014年11月08日

北海道私大教連、北星学園大学「非常勤講師」脅迫問題をめぐる一連の動きに対して

北海道私大教連

道私大教連発
2014年11月5日(水)

北星学園大学「非常勤講師」脅迫問題をめぐる一連の動きに対して

【 談 話 】

北海道私立大学教職員組合連合
(道私大教連) 執行委員会

 従軍慰安婦の本人証言をいち早く報じた元朝日新聞記者が非常勤講師 を務める北星学園大学(以下、同大学)と元記者本人に対する匿名勢力に よる卑劣な攻撃と人権侵害が社会問題になっています。私たちとしても重 大な関心をもって動向を注視し、11 月 1 日に開かれた定期大会では特別 決議を上げたところですが、それに前後して 10 月 31 日、同大学長が、 学生の安全、財政的・人的負担、入試への考慮等を理由に当該非常勤講師 の次年度採用を取り止める、と表明したことが報じられました。かかる新 たな事態に対して道内の私立大学教職員を組織する労働組合の立場から 懸念を深めており、現在の見解を以下の通り表します。

 この問題に関わっては、同様のケースで元朝日新聞記者が大学教員への 就職を取り消されたり、自主退職に追い込まれるケースが関西の2大学で生じていたこともわかり、日本における「大学の自治」と「学問の自由」 を揺るがす危機として受けとめられています。同大学がその自治と自由、 民主主義を貫くことができるかどうか、国の内外から注目が寄せられてい ます。同大学は 9 月 30 日付で学長名のメッセージを発し、その中では今 年度の当該非常勤講師の授業を最後まで行うこと、そして、来期以降につ いては「全ての非常勤講師の担当授業依頼と同様、本授業においても検討されている」と述べました。その姿勢は、「大学の自治」・「学問の自由」 を貫くものとして一定評価され、草の根で支援運動が生じるなどし、脅迫 電話事案では犯人が逮捕されました。また、当該非常勤講師の授業を扱う 教学組織の担当部局において、次年度も授業を依頼することが決定し、学 内機関としては通常慣行通りの承認を待つばかりとなっていました。しか し、わずか 1 ヶ月後に同じ学長が、入試等への考慮を理由に当該非常勤講 師の次年度採用を取り止める旨会見した、という報道に私たちは驚きを禁じえません。
 多様な思想や学問、言論が交錯する府においては、正々堂々としたそのぶつかり合いが大学としての質を高めていきます。しかし、それはあくま で平和的土台の上に成り立つものであり、匿名の暴力や個人への誹謗中傷 とは無縁です。脅迫にさらされていた同大学の「被害」および関係者の心 労は斟酌するべきですが、大学機関であればこそ学問の自由と相容れない 言論テロを排斥し、正当な大学自治を堅持する姿勢を貫かなければ最早そ の機能と社会的責任は果たしえない、ということも同大学側には問われて います。
 この問題では労働界のみならず言論界、法曹界、議会関係など各界各層 で同大学への支援決議や声明が上げられ、各紙の社説でも取り上げられる などしていますが、同学長は会見で「『北星頑張れ』という気持ちは分か るが、過大な要求だ」(11 月 1 日・朝日)と述べ、拙速に同講師の来年度 の雇い止めを評議会へ諮る、としています。苦しい胸中の吐露と理解する ものの、この発言を事実とすれば「暴力に屈するな、という気持ちはわか るが、過大な要求だ」と述べているに等しいものがあります。大学機関の 長の発言として、資質にかかわる重大な問題性を包含していると言わざる を得ません。
 「大学の自治」・「学問の自由」は社会における重要な価値として、人類 が築いてきたものです。わが国でも幅広く合意され、尊重されてきました。 暴力や言論封じのテロ的行為と相容れない価値です。いま、大学人それぞ れがその普遍性を貫き通すために、大学人としての矜恃をもって行動する ことが求められます。ゆえに私たちは、大学人として同大学当局の動向に 対しても多角的・批判的な検討を厭ってはならない、と考えます。「姿勢」 の毅然とした様が、この問題で社会的合意を見出すための大前提だと考え るからです。
 「大学の自治」・「学問の自由」が侵される流れを、何としても食い止め なければなりません。私たちは、同大学がその「平和宣言」の精神に即し た原則を堅持して目下の困難を乗り越えてより良い大学づくりへと邁進 できるよう、全力で支えなければなりません。そのことを再確認すると同 時に、その思いの共有を同大学へ強く求め、今後もあらゆる労を惜しまな い意向であることを表明するものです。

以 上

北星学園大脅迫、札幌市議会が非難決議

北海道新聞(11/07)

 札幌市議会は6日、北星学園大(札幌市厚別区)に、従軍慰安婦問題の報道に関わった元朝日新聞記者の非常勤講師の解雇を要求する脅迫状などが届いた問題で、個人を攻撃する脅迫を非難する決議案を自民党・市民会議、民主党・市民連合などの賛成多数で可決した。

 決議は、北星大に「(講師を)すぐに辞めさせないと学生を痛めつけてやる」などとする脅迫文が送りつけられたことなどに触れ、「個人の人権を蹂躙(じゅうりん)する不当な行為は、断固として容認しない」と批判。無所属の金子快之(やすゆき)氏は「元記者は意図的に日本の名誉をけがした。大学に批判が集まるのは当然のことではないか」として、ただ一人反対した。


2014年10月04日

北星学園大脅迫、許すな 山口二郎氏ら、市民団体を6日発足

北海道新聞(10/03)

 札幌市厚別区の北星学園大に、従軍慰安婦問題の報道に携わった朝日新聞元記者の非常勤講師を辞めさせなければ「爆弾を仕掛ける」「学生を傷めつける」などと脅迫する匿名の手紙が届いた問題で、脅しに屈しないよう大学を励ます市民団体が6日発足する。山口二郎北大名誉教授、作家の池澤夏樹氏(道立文学館長)らが「大学の自治、学問・言論の自由を守ろう」と呼び掛け人に名を連ねた。

 発足するのは「負けるな北星!の会」。呼び掛け人は他に中島岳志北大大学院准教授、小林節慶応大名誉教授、桂敬一元東大教授ら全国にわたる。

 賛同した人は既に100人以上に達し、元自民党幹事長の野中広務氏も含まれる。大学を孤立させないよう、署名運動や集会などを検討する。

 北星学園大や呼び掛け人によると、解雇を求められている非常勤講師は朝日新聞在職中の1991年、韓国人元従軍慰安婦が初めて体験を告白した記事を書いた。今春、神戸の大学に就職が決まっていたが、反対の電話が殺到し解消。2012年から非常勤講師を務める北星学園大にも脅迫状のほか、嫌がらせの電話やメールが続いている。<どうしん電子版に全文掲載>