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2017年04月24日

上野学園、前音楽学部長も解雇…無効求め法的措置 「授業料を納付したばかり」騒動の影響は学生にも

産経(2017.4.22)

 私立音楽大「上野学園大」などを運営する学校法人「上野学園」(東京、石橋香苗理事長)が、同大教授で前音楽学部長の村上曜子氏を解雇したことが21日、分かった。解雇は20日付。村上氏は、学園が3月13日付で解雇した国際的ピアニストの横山幸雄氏とともに「新しい上野学園を作る会」の共同代表を務め、経営難の続く学園の運営改善を求めていた。

 学園の代理人弁護士は、産経新聞の取材に「村上氏は学生に署名活動を呼び掛け、機密情報の漏洩(ろうえい)などの就業規則違反行為を繰り返した。作る会の活動自体を問題とするものではない」などとコメントした。

 一方、村上氏は「私自身は署名活動の呼び掛けや機密情報の漏洩などをしていない」と解雇の無効を訴え、法的措置をとる構え。「経営難を理由に科目の削減などが決定された後、石橋家へのお金の流れが判明し、作る会の共同代表として理事長側に説明会の開催を求めてきた」と反論している。

 一連の騒動は学生にも影響を広げている。一部の学生が解雇に反対する署名活動を開始したほか、保護者からも入学金納付後に横山氏、授業料納付後に村上氏が相次いで解雇されたことに憤りの声が上がる。

 村上氏によると、3月20日に自宅待機を命じられ、今月20日に復帰予定だったが、19日に解雇の連絡があった。

 女子学生の母親(60)は「4月上旬にレッスン担当は村上先生だと掲示があり、復帰を信じて授業料を納付したばかりだったのに…」と肩を落とした。


2017年03月23日

上野学園を告発して解雇…ピアニスト横山幸雄氏が全激白

日刊ゲンダイ(2017年3月22日)

 「このまま学園が潰れたら、学生たちが路頭に迷う。(経営陣と)ケンカをしたいわけでもなければ、犯罪者にしたいわけでもありません。学生たちが音楽を学べる環境を取り戻したい。ただそれだけなんです」

 こう悲痛な思いを語るのは、上野学園大元教授で、世界的なピアニストの横山幸雄氏(46)だ。

 同大は1904(明治37)年に設立された学園が経営する名門音楽大。創設初期に校長を務めた石橋蔵五郎以来、一族経営が続いている。

 一方、横山氏は1990年に最年少でショパン国際ピアノコンクールで3位入賞した世界的ピアニスト。98年から同大で指導し、「盲目のピアニスト」辻井伸行氏(28)を育てた。

「私が学園に携わった当初は、現役の演奏家が後進を育成することはそれほど一般的ではありませんでした。そこで仲間の演奏家たちに『上野学園に力を貸して欲しい』とお願いしました。ところが学園は、毎年数億円の赤字を出し続け、給与を半分に下げ、中には月給が10万円になった専任教授もいます。彼らは演奏家としての貴重な時間を削りながら、教育に力を注いでくれた。それが『経済的にも精神的にもきつい。辞めさせてください』と頭を下げられ、言葉を失いました」(横山幸雄氏)

 その元凶が創業家一族による学園の私物化だという。横山氏は昨年8月、学園の旧経営陣を背任の疑いで東京地検と上野警察署に刑事告発した。

 学園側はHPで石橋慶晴前理事長(49)と母親の石橋裕学園長(今年死去)の役員報酬について、「高額であり、適切性を欠く水準」と明記。第三者委の調査報告書によると、10年以降、勤務実態のない裕氏に1億4000万円が支払われ、補助金が減額される一因となった。さらに石橋一族が役員を務める関連企業「和」に高額な業務委託を行っていた。その一方で赤字補填のため、昨年7月にはバッハの直筆の譜面を3億4000万円で売却したというのだから、メチャクチャだ。

「経営環境の悪化を理由に教職員の給与を減額する一方、前理事長は報酬を下げたように見せかけて、給与に付け替えていました。第三者委では過去9年間で学園が『和』に業務委託したことによる損失が8億4000万円になるという指摘がありました」(横山幸雄氏)

 学園側は今月13日、経営の健全化を求める横山氏を、「就業規則違反を繰り返していた」として解雇した。

「複数のメディアにおいて、学園の創業一族が多額の金員を着服したかのような内容が報道されています。これらの報道は事実を伝えるものではありません」(上野学園広報担当者)

 そこで学園側に横山氏に対する法的措置を取るのか尋ねたところ、代理人を通じて「回答不要」とのことだった。

「本来なら教育に回るべきお金が創業者一族に流れ、『犯罪者の片棒を担ぐようなことをこれ以上続けるのはムリだ』と辞めていった同僚もいます。しかし『私と一緒に音楽を学びたい』と言ってくれる学生がいる限り、無責任なことはできません」(横山幸雄氏)

 横山氏は近く、「学生たちを守らなければならない」と、地位保全の仮処分を申請する予定だ。

2017年03月19日

上野学園創業家10億円“着服”を有名ピアニストが実名告発

文春オンライン (2017年3月18日)

 開学100年以上を誇る名門、上野学園大学で創業家の石橋一族による10億円“着服”疑惑が発覚した。

「上野学園は今や末期的な状況です。実態を知ってもらうために、実名でお話しさせて頂く事にしました」

 そう語るのは、同大の教授で日本を代表するピアニストでもある横山幸雄氏(46)。横山氏が問題視するのは、石橋家による乱脈経営だ。横山氏は昨年、この問題を東京地検特捜部と上野警察署に刑事告訴。その後、第三者委員会が調査に入り学園側に報告書が出されたが、原本は公開されなかった。横山氏は情報公開請求により、原本を入手。これにより石橋家の学園私物化の実態が明らかになった。

「石橋一族は、自分たちがそろって役員を務めるファミリー企業に対して、学園の清掃や食堂などの業務委託を相場よりも高額な値段で発注していたのです。理事長の慶晴氏は、この企業から高額な報酬を得ており、明確な利益相反です」(横山氏)

 第三者委の調査では、ファミリー企業への発注額は、過去9年で相場に比べて約八億4000万円も高額であることが指摘された。また勤務実態のない石橋家の人間に対して学校側から報酬が支払われていたことも明らかになり、「石橋一族が“着服”した金額は10億円を越える」(同大学職員)という。

 一方で、経営陣は横山氏に対して、〈当学園の機密情報を学内外に開示・漏洩〉したことは、〈当学園の学校経営・業務に対する重大な妨害行為である〉として、3月13日付で解雇通知書を送付した。


創立者一族の大学私物化を追及しクビに! あの辻井伸行さんも教えた有名ピアニスト

Jcast(2017/3/16)

「クラシックの名門大学で内紛です」(岩本乃蒼アナウンサー)

開学100年以上のクラシックの名門大学だという上野学園大学で、教授をつとめる有名ピアニストの横山幸雄さんが13日(2017年3月)に解雇された。同大学で十数年、教えてきたという横山さんは、これまで大学経営の問題点を調査し、告発してきた。

「長年、(大学が)経営不振だと聞いていた」「事務職員から『このままだと学校がいつ立ちゆかなくなるかわからない』という声も聞こえてきた」(横山さん)

貴重な楽譜や楽器も売っていた

横山さんによると、昨年、経営悪化の原因について同僚らと調査を開始。その結果、大学の理事を代々つとめる創立者一族が学校を私物化しており、その穴埋めのために貴重な楽譜や楽器を売却せざるをえなくなったことがわかったそうだ。昨年8月には、利益相反の疑いで刑事告発も行ったという。

大学側は解雇の理由について、横山さんが所定のレッスンなどを行わず、さらに特待生の合否基準といった入試に関する機密情報をSNSを通じて漏えいしたことを挙げている。

また大学経営については、第三者委員会の指摘を受けて、すでに改善を進めていると発表したという。


ピアニスト横山幸雄さんを上野学園大解雇 経営巡り対立

朝日新聞(2017/3/15)

 クラシックの名門「上野学園大学」(東京都台東区、石橋香苗理事長)が、教授の横山幸雄さん(46)を13日付で解雇したことがわかった。横山さんは昨年8月、同大を運営する学校法人「上野学園」の経営陣を、背任の疑いで東京地検に刑事告発している。横山さんは1990年のショパン国際ピアノコンクールで3位入賞し、脚光を浴びた人気ピアニスト。バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんも同校で横山さんに師事した。

 昨年4月、当時教員だった指揮者の下野竜也さんらと「新しい上野学園を作る会」をたちあげ、経営の健全化を訴えていた。昨年末には第三者委員会による調査報告書で、前理事長に支払われた報酬が「財務状況をさらに悪化させる結果となった」ことや、ファミリー企業への業務委託金額が不自然であることなどが指摘された。同学園では、創設当初から石橋家による同族経営が続いている。

 同学園は、代理人を通じ「機密情報をSNSで漏洩(ろうえい)し、業務を妨害するなどの行為があった。安心して勉学できる環境を確保するため、やむなく解雇処分とした。第三者委員会の指摘を受け、すでに経営改善を進めている」としている。横山さんは地位保全の仮処分を申請する意向。「一部の経営陣のためではなく、音楽の未来を担う教員や学生のための運営を取り戻すまで闘う」と話している。