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2011年04月04日

鹿児島国際大学不当解雇事件、三教授を支援する全国連絡会「声明文」 学園は三教授の名誉を著しく傷つけたことに対して謝罪せよ!

鹿児島国際大学解雇事件の裁判と資料
 ∟●声明文(2011年4月4日)

声 明 文

2011年4月4日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会

 2011年4月1日、八尾信光教授、馬頭忠治教授は教授会に復帰した。最高裁完全勝訴(2008年3月21日)の結果を経て、その後、両教授は「学長気付」教授とされてきたが、それがようやく終止符をうった。また、2011年度から授業を担当することにもなった。
全国連絡会は、最高裁判決後、すみやかな原状回復を求めてきたが、3年を過ぎてようやく実現した。この3年間という空白の意図は何であったのか、大きな疑問である。今後、このことも明らかになっていくであろう。
2002年3月29日、当時の津曲学園理事長および鹿児島国際大学学長の連名で全教職員に告知された三教授の「懲戒退職」処分は、鹿児島地裁、福岡高裁、最高裁のいずれも三教授の完全勝訴であった。今、処分が行われて9年という月日が過ぎ、10年目を迎えている。原状回復に9年を要したが、この間の経緯は大学史に記録として残されなければならない。

 しかし、過去の事柄になったのではない。現時点においても、次の3つの課題が残されている。
第1は、今回、八尾、馬頭両教授は原状回復したが、両教授に対して大学・学園としての公式の処分撤回や、謝罪と名誉回復措置も行っていない。大学運営のトップとしての倫理感を欠くものであり不見識極まりない。また、2002年3月の処分は間違っていないとの認識さえも示している。
第2は、三教授の一人である田尻利教授は裁判中(2006年)に定年退職となり、原状回復を迎えることなく今日に至っている。従って、田尻教授については2002年3月処分以前の原状回復がなされていない。大学当局は、回復措置を行うとともに名誉回復と謝罪を行わなければならない。
第3は、誤った処分によって、9年もの長きにわたって名誉を傷つけられ、さらに教育者・研究者としての多大の犠牲を強いられた三教授に対し、大学当局は原状回復にあたって特段の配慮が求められている。

 全国連絡会は、2002年4月7日、学校法人津曲学園理事長、鹿児島国際大学学長および全理事に対して、以下、2件の要請を行った。
1)懲戒退職処分を撤回し、原状回復を行うこと。
2)三教授の名誉を著しく傷つけたことに対して謝罪すること。
 このうち、ようやく二教授の原状回復が行われることになったが、処分撤回と謝罪は依然として行われていない。学校法人津曲学園および鹿児島国際大学に対して改めて、田尻教授の「原状回復を行うこと」、「懲戒処分を撤回すること」、「名誉を著しく傷つけたことに対して謝罪すること」を強く求める。
さらに、大学運営のトップとして、この9年間の鹿児島国際大学の教育・研究等に与えた大きな負の影響、またこの誤った処分およびその裁判で費やされた大きな大学財政支出についての反省も何ら示されていない。今、学校法人津曲学園理事会と鹿児島国際大学学長は、この間の自らが行った大学運営について、その説明責任が厳しく問われている。

 最後に、2002年4月7日に設立された鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会の活動は、早9年を経過し、この間、多くの方々のご参加ご支援によって進めることができた。あらためて感謝申し上げたい。今後は新たな取り組みを展望したいと考えている。