全国
 カテゴリー (私)専修大学

2022年07月22日

無期雇用転換認める、専修大学非常勤講師が勝訴 東京高裁

しんぶん赤旗(2022年7月21日)

 専修大学のドイツ語非常勤講師が無期雇用契約への転換を求めた裁判で、東京高裁(村上正敏裁判長)は、研究者の無期転換を10年に先延ばしする特例法の適用を否定し、東京地裁に続いて無期転換を認める判決(6日付)を出しました。20日、原告が厚労省で会見しました。

 原告は1989年から非常勤講師を務め、2019年6月、労働契約法に基づいて無期転換を申し込みました。大学側は、科学技術イノベーション活性化法で、無期転換権発生が10年に先延ばしになる「研究者」にあたるとして拒否しました。

 東京地裁判決では、イノベ法が有期プロジェクトに参加する研究者などの特例だと指摘し、原告のようにドイツ語の授業や試験などの場合は該当しないと認定。東京高裁も、原告が「イノベ法の『研究者』にあたると考えるべき根拠は見いだせない」と判断しました。

 会見で原告は、「自分の身を守るだけではなく、多くの人が安心して働き、研究と教育に専念できることが願いです。若い人たちのためにも法律の悪用とたたかいたい」と強調。「来年、イノベ法を悪用した大量雇い止めの危険がある。無期転換できるよう願っている」と述べました。

※実名を「原告」に修正した(HP管理人)

2021年12月29日

専修大非常勤講師雇止め訴訟、東京地裁無期転換認める

しんぶん赤旗(2021年12月29日)

Document_20211229_0003%20%282%29.jpg

2020年10月04日

専修大学、30年勤務の非常勤講師の無期雇用を拒否…大学では異例、法律の抜け穴を悪用

Business Journal
2020/10/3

専修大学、30年勤務の非常勤講師の無期雇用を拒否…大学では異例、法律の抜け穴を悪用

文=田中圭太郎/ジャーナリスト

「法律が変わって、無期雇用になれると聞いていたのに、専修大学に拒否されて驚きました。勤務している他の大学ではすべて無期雇用が認められているのに、おかしいですよね」

 こう憤るのは専修大学で非常勤講師を務めている福岡悦子さんだ。2007年から英語講師をしている福岡さんは去年12月、大学に無期雇用への転換を申し込んだが、翌月、「拒否」の回答が大学からあった。

 同じく専修大学で30年間ドイツ語の授業を担当している小野森都子さんも、やはり無期雇用への転換を大学に拒否された。

「専修大学で30年間非常勤講師を続けてきました。長期間劣悪な環境で過ごしてきたのに、非正規で働く人の待遇の改善を目的にした法律をねじ曲げようとするのは許せません」

 2人とも複数の私立大学や公立大学で非常勤講師として勤務していて、すべての大学で無期雇用が認められた。専修大学だけが頑なに拒否しているという。

 非正規の有期契約で働く人が、無期雇用への転換を申し込めるようになったのは、2013年の労働契約法の改正からだ。2013年の4月以降に5年以上勤務した場合には、本人からの申込によって有期労働契約から無期労働契約に転換できることを定めた。法改正は有期契約で働く人の地位の安定と、労働条件の向上が目的だった。

 一方、10年経たなければ無期雇用に転換できないという例外もある。大学や研究開発法人の研究者や技術者、教員などについては、無期労働契約に転換する期間を特例として5年から10年に延長する法改正が2014年に施行された。法律名が成立時とは変わり、現在は「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(以下、科技イノベ活性化法)」という。

 科技イノベ活性化法は、一般の非常勤講師は対象にならないと考えられてきた。しかし専修大学は、非常勤講師は科技イノベ活性化法の対象になると主張し、非常勤講師など有期雇用で働く人ほぼ全員について、5年での無期転換を認めていないという。

 福岡さんと小野さんは、無期契約の権利を有する地位にあることの確認と慰謝料の支払いを求めて、今年4月に専修大学を提訴。新型コロナウイルスの影響で裁判日程がなかなか決まらなかったが、9月17日にようやく第一回口頭弁論が開かれた。

科技イノベ活性化法で5年無期転換拒否は専修大学だけ

 裁判に先立って9月15日に、原告である福岡さんと小野さん、それに弁護団が厚生労働省で記者会見した。

 そもそも科技イノベ活性化法による10年での無期雇用転換は、研究開発業務などのプロジェクトに従事する研究者が、5年未満で雇い止めをされる事態を防ごうと、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授らの提言によって法改正された経緯がある。

 弁護団の田渕大輔弁護士は、専修大学は科技イノベ活性化法と関係ない非常勤講師に、5年での無期転換を認めない専修大学のやり方は「脱法的な運用だ」と指摘。「語学を教える非常勤教員に適用するのは悪質だ」と主張した。

 会見に同席した首都圏大学非常勤講師組合(以下、非常勤講師組合)によると、「科技イノベ活性化法を理由に非常勤講師の無期転換を拒否した大学は、専修大学以外には聞かない」という。労働契約法の改正から5年が経過する2018年3月末までには、非常勤講師を5年未満で雇い止めしようとする動きが東京大学や早稲田大学など多くの大学で起きた。非常勤講師組合でも、各大学と団体交渉して、雇い止めをしないように説得した。

 その結果、首都圏ではほとんどの大学が法の趣旨を理解して、非常勤講師の無期転換に応じた。非常勤講師組合によると、現在でも慶応義塾大学や中央大学が「10年経たないと無期転換できない」と主張。早稲田、法政、立教など、労働契約法改正後に採用した非常勤講師に、10年での無期転換を適用しているケースもある。

 ただ、10年での無期転換を主張している大学は「大学の教員等の任期に関する法律(以下、任期法)」を根拠にしている。任期法はあくまで2013年度に無期転換権が発生しなかった人に特例として10年が適用されるもの。慶応義塾などの主張には問題点もあるが、10年で無期転換に応じる考えを示しているという。ただし、日本大学は2016年度以降に採用した人を、法律に関係なく5年で雇い止めしている。

 専修大学は、独自の法解釈で5年での無期転換を拒んでいることになる。田渕弁護士は「不合理な理由で無期転換を拒むこと自体が違法だと考えています。裁判所の見解を問いたい」と提訴の意義を説明した。

無期転換拒否は法の目的に沿っているのか

 9月17日の第1回口頭弁論では、専修大学側から答弁書が提出された。原告の主張に対して争う姿勢を見せている。主要な反論は、次のようなものだ。

 答弁書によると、原告の福岡さんは英語教育学を研究し、小野さんは独文学の研究をしていたので、「科学技術に関する研究者」に該当する、と指摘。さらに、労働契約法や科技イノベ活性化法は業務内容や労働契約の内容を限定していないとして、2人には科技イノベ活性化法が適用される、と主張しているのだ。

 科技イノベ活性化法には業務内容が書かれていないので、研究開発の技術者に限定するものではないということだろう。法律の抜け穴を指摘しているともいえる。

 5年での無期転換を認めていないことについて専修大学に質問したが、大学側は「係争中のため回答は控えさせていただきます」と述べるのみだった。

 一方、原告側は、この裁判で非常勤講師の立場の弱さについても問題提起をしている。田渕弁護士はその趣旨を次のように説明する。

「非正規労働者は使い捨てされ、企業にとって都合のいい雇用の調整弁になっています。雇用は不安定で、雇用主に逆らえば次の契約が更新されないかもしれないと考えると、主張したいことも主張できません。法律が悪用されないように、法の適用を合理的に制限すべきではないでしょうか」

 原告の小野さんは、裁判に踏み切った心情を次のように話す。

「自分のためだけではなく、多くの非常勤講師のみなさんのためにも、不安定な雇用を強いられる状況を改めたいと考えて思い切って提訴しました。

 雇用の安定があってこそ、優れた研究や教育ができるはずです。若い研究者や非常勤講師のためにも、安心して働ける環境が実現できるように訴えていきたい」

 両者の主張は法律の解釈で食い違っている。今後裁判で争われるが、現場で問題が起きていることを考えると、労働契約法と科技イノベ活性化法の趣旨について、監督官庁や国会などでも再度論議されるべきではないだろうか。

(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)

2016年06月11日

専修大学道短期大整理解雇事件,最高裁 棄却を決定

■道私大教連速報33(2016年6月10日)

8教員上告審が棄却決定

高裁でも不当判決されていた同短大8教員事件の上告審。1 年以上待たされた挙句、書面審理のみで 6 月 2 日付け棄却決定。事実上、教員側の敗訴が確定です。「これまでの皆様の まで強権支配を続けてきましたが、ご支援に深く感謝いたします」(同教員組合)。
募集停止、整理解雇をめぐる私学関係の事件で、ここまで酷い判例は見ません。極めて遺です。


2015年09月19日

専修大学北海道短期大学副学長解雇事件、札幌地裁の不当判決に対する声明(2015年9月18日)

原告団・弁護団・教職員組合・北海道私大教連「声明」

札幌地裁の不当判決に対する声明

(1) 札幌地方裁判所民事第五部合議係は、本日、専修大学北海道短期大学副学長の解雇無効等請求事件(平成25年(ワ)第2232号)において、8教員の地裁・高裁判決と同じく学校法人専修大学の行った解雇を容認する不当判決をした。

(2) 学校法人専修大学は、教員の配置転換等検討も全く行うことなく専修大学北海道短大を突然募集停止し、希望退職に応じなかった8教員を平成25年3月をもって解雇し、さらに翌3月には、副学長であった原告も解雇した。

(3) 本日の札幌地裁判決は、解雇の必要性がないことおよび解雇が不合理であることを示す数々の証拠を無視し、被告学校法人専修大学の主張をほぼ鵜呑みにして「原告らは北海道短大を勤務場所として採用されたもので、北海道短大の廃止により原告らは余剰人員になる。「北海道短大の帰属収支差額が赤字であり、法人全体としても財務状況が悪かった」などとして、解雇の必要性を認めた。このような判断は、不当な解雇や雇い止め派遣切りなどが多発する現状を容認し、さらに助長・促進するものだと言える。

(4) また、判決は、被告学校法人専修大学が学部の教学事項であることを口実として経営者として当然なすべき解雇回避努力をほとんど何もしていないにもかかわらず、解雇回避努力をしたとして整理解雇を有効と認めた。このことは、長年裁判所が整理解雇の有効性の判断の拠りどころとしてきた判例法理を実質的に覆すものであり、極めて不当な判断であると言わざるをえない。

(5) 学校法人専修大学の経営状態は他の学校法人と比較しても良好であり、東京の大学本部がある神田校舎周辺の土地を買収し続け、巨額の財政支出を行うほどの余裕もある状況である。したがって、仮に専修大学北海道短大を閉学するとしても、その教員を解雇する理由はない。被告は、原告を含む解雇した教員に謝罪し、解雇後の未払い賃金を支払い、配置転換を実施すべきである。

(6) われわれは、これまで、長期間にわたって支援をしていただいた多くの団体、個人の方々に心から感謝するとともに、控訴審での勝利と、8教員の解雇訴訟についての最高裁での勝利のために、そして、一刻も早く学校法人専修大学の理不尽な「解雇」を撤回させ、全教員の専修大学等への配置転換の実施による全面解決を実現するために全力で奮闘することを決意する次第である。

専修大学北海道短期大学不当解雇事件原告団
専修大学北海道短期大学不当解雇事件弁護団
専修大学北海道短期大学教員組合
北海道私立大学教職員組合連合

2015年07月08日

専修大学北海道短大不当解雇事件、8教員の訴訟 札幌高裁の判決について

■「不当解雇された専修大学北海道短大教員をさえる会」
 ∟●支える会ニュース第15号

8教員の訴訟 札幌高裁の判決について

弁護士 池田賢太

はじめに

 振り返ってみると、8教員訴訟は平成24年4月13日に札幌地裁に提訴、平成25年12月2日に判決言渡し。約1年半の審理を経て、48ページの判決文でした。
 不当判決を受け、平成25年12月13日に札幌高裁へ控訴、平成27年4月24日に判決言渡し。財政論や解雇回避努力について更なる主張立証を積み重ね、やっぱり約1年半の審理を経て、何ページの判決だつたと思いますか?わずかに6ページです。そのうち、札幌高裁の判断部分は2ページしかありませんでした。
 札幌高裁の判断は、次のように始まります。
 「当裁判所も、控訴人らの請求をいずれも棄却するのが相当であると判断するが、その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決書『事実及び理由』 の欄の『第3 当裁判所の判断』に記載のとおりであるから、これを引用する。」
 つまり、不当な地裁判決をそのまま鵜呑みにしてしまったのです。

2 財政論に踏み込まない

 私たちは、高裁での審理に当たり、雇用契約の当事者である学校法人専修大学の極めて健全な財政状態について、会計学の専門家に鑑定を依頼し、明らかにしてきました。私立学校法、学校法人会計基準等に照らし、しかも過去10年にわたつて、学校法人専修大学が盤石の財政状態を保ち続けている事を明らかにしました。しかし、札幌高裁はこの専門家の鑑定意見書を見向きもしませんでした。
 札幌高裁は、次のように述べて、意見書を無視したのです。
 「意見書は、北海道短大は被控訴人の一事業部門であるにすぎないとして、学校法人としての被控訴人の財政を分析の対象とし、資金ショートが生じない限り整理解雇が認められないとの前提に立って作成され、このような前提のもとに被控訴人の支払能力を重視しないとしているが、そもそも、上記の資金ショートが生じない限り整理解雇が認められないとの前提に立つことはできない (から) …その意見を採用することはできない。」
 つまり、札幌高裁は、 「鑑定意見書が偏頗な考え方に立つものであり、そんな偏頗な考え方で作られた鑑定書に書かれている意見など採用できません」と言ってのけているのです。確かに、鑑定意見書には、鑑定人の意見が記載されています。しかし、そこに記載された意見と採用されている分析手法との間に何の関係もありません。現に、判決は、分析手法の妥当性に一言も触れることができていません。鑑定人の分析手法は、極めて合理的で、学校法人会計基準に (しかも改正後の基準にも) 適合した分析手法だからです。札幌高裁判決は、まさに証拠に対する評価を誤り、事実を正確にみることができなかったということを露呈しています。高裁判決もまた、極めて不当な判決だつたということができるでしょう。

3 8人全員上告!最高裁へ!

 原告団・弁護団は、この不当判決を受けて、議論を重ねました。そして、この不当な判決を許すことはできず、また、今後の大学教員の雇用問題に悪しき前例を作ることはできないと、上告を決意しました。皆さまのこれまで以上の物心両面でのご支援を、重ねてお願いいたします。

(原告団代理人弁護士)

2015年06月08日

専修大職員、「労災受給者、安心して療養できなくなる」 解雇訴訟差し戻しで原告、最高裁を批判

産経(2015.6.8)

「労災受給者、安心して療養できなくなる」 解雇訴訟差し戻しで原告、最高裁を批判

 労災保険を受給している労働者を、使用者側が打ち切り補償すれば解雇可能とした8日の最高裁判決。専修大元職員の男性(40)は判決後に東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「金さえ払えば労災で療養中の労働者を解雇できるという判決。安心して労災申請や療養専念ができなくなる」と判決への疑問を訴えた。

 男性は今でも、首や肩などを長時間動かすことが難しく、電話での長時間通話やパソコン使用が困難という。男性は「完治していない状態で、再雇用先があるとは考えられない」と述べ、解雇有効とされた場合の不安をのぞかせる。

 男性の代理人の小部正治弁護士は、心の問題なども含め、労災は簡単に治癒しないと指摘。「『金を支払うから辞めてくれ』という企業が増えることを危惧している」と判決による悪影響を指摘する。

 ただ、最高裁は今回の解雇が正当だったのかについては、判断を示していない。小部弁護士は「大学はリハビリしながらの復帰を認めなかった。そうした大学の姿勢が認められるとは考えられない」と差し戻された高裁の判断に期待を込めた。

 専修大は「主張が認められたと理解している。引き続き適切に対応していく」とコメントを発表した。

労災保険受給の労働者「打ち切り補償払えば解雇可能」の初判断 最高裁が高裁に破棄差し戻し

産経(2015.6.8)

 労災認定を受け、国から労災保険の給付を受けている労働者について、使用者が一定の補償金を支払って解雇できるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は8日、「労働者が労災保険を受給していれば、使用者が療養補償をしていない場合でも雇用打ち切りの補償金を支払って解雇できる」との初判断を示した。

 その上で、解雇無効とした2審東京高裁判決を破棄、「正当な解雇か審理を尽くす必要がある」と高裁に差し戻した。裁判官4人全員一致の意見。

 労働基準法では、業務上の傷病で療養中の労働者を原則、解雇できないと規定。一方で使用者側が療養補償を行い、療養開始後3年を経過しても治らなければ、平均賃金1200日分の打ち切り補償を支払い解雇できるとしている。労災保険と療養補償を同質と見ることができるかが争点。

 訴えているのは専修大元職員の男性(40)。男性は肩などの難病「頸肩腕(けいけんわん)症候群」を発症して長期欠勤、平成19年に労災認定を受け労災保険を受給している。大学側は療養補償していないが約1630万円の打ち切り補償を支払い23年10月に解雇した。

 同小法廷は、「労災保険の給付は使用者側の療養補償に代わるものとして実質的に給付されている」と指摘。労災保険と療養補償が同質視できるとして、解雇は可能と結論づけた。

 ただ、こうしたケースでも、労働者の復帰可能性などを無視した解雇の場合、解雇権乱用にあたる可能性がある。


2015年04月26日

専修大道短大不当整理解雇事件、札幌高裁の不当判決に対する声明

専修大学北海道短期大学教員組合
 ∟●札幌高裁の不当判決に対する声明

札幌高裁の不当判決に対する声明

2015年4月24日

(1)札幌高等裁判所第2民事部は、本日、専修大学北海道短期大学8教員の解雇無 効確認等請求控訴事件(平成26年(ネ)第12号)に対し、第1審の札幌地方裁判 所民事第1部の学校法人専修大学の行った解雇を容認する不当判決を維持し、8名の教員の控訴を棄却する不当判決を下した。

(2) 学校法人専修大学は、平成2010年4月、専修大学北海道短大の学生募集停止を一方的に決定し、教員の配置転換等の措置を講ずることなく、希望退職に応じなかった8名の教員を、2012年3月に整理解雇した。

そのため、解雇された8名の北海道短大教員は、不当な解雇の無効確認を求めて札幌地方裁判所に訴訟を提起したが、同地裁民事第1部は、平成25年12月2日、原告 らの提出した、学生募集停止の不当性、解雇の不合理性を示す数々の証拠はほとんど無視し、法人の財務状況からして解雇はやむをえない、教員の採用は教授会の権限で あるなどの学校法人専修大学の主張をそっくり鵜呑みにして、8教員の解雇を容認する判決をした。

(3) これに対して、8名の教員は札幌高裁に控訴して、学校法人専修大学の財務状況は極めて健全であり、学校法人の財務評価の観点からも8教員を解雇しなければならない必要は全くないことを明かにするとともに、経営者がなすべき解雇回避努力と教授会の権限は無関係であり、法人は学部教授会に、8教員の採用を働きかけるこ とすらしておらず、学校法人専修大学が経営者として当然なすべき解雇回避努力をほ とんど何もしていないことをあらためて明かにした。

(4) しかし、本日の札幌高裁判決は、上記のような、控訴審で明かになった事実 についてほとんどまともな検討も加えることなく、北海道短大の開鎖の必要性が認められる以上教員の人員削減の必要性は認められるとし、さらに学校法人専修大学の財 務状況についての専門家の意見書を無視して財政状況が悪化している等と根拠のない認定をした上、教学事項が問題となるから一般企業の従業員と同一視できないなどとして、配置転換の措置も全くをとらなかった法人の対応を是認する判断をした。

このような判断は、これまで整理解雇の有効性の判断の拠りどころとしてきた判例法理を実質的に覆し、大学等を経営する学校法人が、一方的な経営判断のみで、教職員を整理解雇すること許すもので、極めて不当な判断であり、我々は到底是認できない。

(5)学校法人専修大学の経営状態は極めて良好であり、8教員の解雇には何等の正当性もない。法人は直ちに8教員に謝罪し、解雇後の未払い賃金を支払い、配置転換を実施すべきである。

(6)われわれは、本日の不当判決に屈せず、今後も学校法人専修大学の理不尽な「解雇」を撤回させるために全力で奮闘する決意である。

専修大学北海道短期大学8教員不当解雇事件原告団
専修大学北海道短期大学8教員不当解雇事件弁護団
専修大学北海道短期大学教員組合
北海道私立大学教職員組合連合

2015年04月25日

専修大道短大不当整理解雇事件、札幌高裁 不当判決

専修大学北海道短期大学教員組合

またしても不等判決!!

4月24日、札幌高裁は8教員の解雇無効確認訴訟に対し、原告敗訴の判決を言い渡 しました。


2014年01月08日

専修大学教員解雇を容認する不当判決

北海道合同法律事務所
 ∟●「北の峰」第74号(2014年新年号)

専修大学教員解雇を容認する不当判決

弁護士長野 順一

 二〇一三年一二月二日、札幌地裁(民事第一部)は、専修大学が、専修大学北海道短期大学(美唄市)の学生募集停止・廃止を理由として、北海道短大の教員八名を整理解雇したことについて、被告専修大学の主張をほとんどそのまま採用して、解雇を有効とする不当な判決をしました。
 被告、学校法人専修大学は、二〇一〇年四月二一日、学生数の減少を理由として、専修短大の募集停止を決定し、定年退職、任意退職等による退職をせずに残った八名の教員全員を二〇一二年三月付けで整理解雇しました。
 被告は、専修短大の学生募集停止を決定するにあたり、専修短大の教授会の決議すら経なかったばかりでなく、地元美唄市や周辺自治体の意見を聞くこともせず、地元の理解を得る努力も何もしませんでした。
 しかも、私立大学が学生募集停止・学校廃止をする場合に、教職員の雇用の確保の措置を事前に講ずべきことは、文部科学省からも求められているにもかかわらず、事前に何の措置も講じなかったばかりか、募集停止決定後も、専修大学教員の一般公募枠で五名を採用した以外は、若干の退職金の上積みによる任意退職の募集を行っただけで、他にはほとんど何の努力もせずに、残った教員全員を解雇しました。
 ところが、判決は、「被告法人全体の財務状況が悪化しつつあった」などという被告の言い分をそのまま採用して、予算をつけて短大教員の採用を専修大学の学部に要請することすらしなかった被告の対応も「理由がある。」などと正当化し、また教員の配置、採用は「教学事項」であって、被告(理事会)には決定権はないとの理由で、ほとんど解雇回避の名に値しないような措置でも、「解雇回避努力」をしたといえるなどとして、整理解雇が有効であるなどとしました。
 しかし、被告専修大学は財務状況も優良であり八人の教員の雇用すら確保できないような財務状況には全くありません。
 また被告は、「教学事項」を□実にして雇用確保の措置をとらなかっただけで、実際予算を確保して各学部に教員の採用を要請することは、教学権の侵害になどなりません。
 このような、専修大学経営者の無責任な立場をそのまま容認する、今回の判決は、到底許されるものではありません。控訴審で、この不当判決を覆すために、原告のみなさんも弁護団も、全力で頑張る決意です。


2013年12月03日

専修大道短大不当整理解雇事件、札幌地裁  原告8教員の訴えを全く無視した不当判決

 専修大道短大不当整理解雇事件について,12月2日午後1時10分より,札幌地裁701号法廷にて判決の言い渡しがあった。同地裁(裁判長・千葉和則)は整理解雇された8名の原告教員の訴えを全く無視し,解雇を容認する不当判決を出した。
 以下,原告団,同弁護士団,専修短大労組,北海道私大教連が発表した声明文を掲載する。今回の判決内容の不当性については,追って発表されると思われる。

2013年12月2日

札幌地裁の不当判決に対する声明

(1)札幌地方裁判所民事第一部合議係は、本日、専修大学北海道短期大学8教員の解雇無効等請求事件(平成24年(ワ)第854号)に対し、学校法人専修大学の行った解雇を容認する不当判決を下した。われわれは直ちに控訴する決意である。

(2)この事件は、専修大学北海道短大への入学者の減少を理由とする募集停止決定以前に、法人が教具の配置転換等を全く行うことなく、突然募集停止を決定し、希望退職に応じなかった8教員を解雇したことを不当として提訴したものである。

(3)本日の札幌地裁判決は、原告らの提出した、学生募集停止の不当性、解雇の不合理性を示す数々の証拠はほとんど無視し、被告学校法人専修大学の主張をそっくり鵜呑みにした事実認定のうえに立って、8教員の解雇を容認したもので、不当な解雇や雇い止め派遣切りなどが多発する現状を容認し、さらに助長・促進するものだと言える。

(4)また、判決が、被告学校法人専修大学が経営者として当裁なすべき解雇回避努力をほとんど何もしていないにもかかわらず、整理解雇を有効とを認めたことは、長年裁判所が整理解雇の有効性の判断の拠りどころとしてきた判例法理を実質的に覆すものであり、極めて不当な判断であると言わざるをえない。

(5)学校法人専修大学の経営状態は他の学校法人と比較しても良好であり、経営悪化が専修大学北海道短大を閉学する理由とはなりえない。それどころか東京の大学本部がある神田校舎周辺の土地を買収し続け、巨額の財政支出を行うほどの余裕がある。法人は直ちに8教員に謝罪し、解雇後の未払い賃金を支払い、配置転換を実施すべきである。

(6)われわれは、本日の地裁判決に屈せず、一刻も早く学校法人専修大学の理不尽な「解雇」を撤回させ、全教員の専修大学、およぴ、石巻専修大学への配置転換の実施による全面解決を実現するために全力で奮闘する決意である。これまで、長期間にわたって支援をしていただいた多くの団体、個人の方々に心から感謝の意を表するとともに、引き続きご支援ご協力をお願いするものである。

専修大学北海道短期大学8教員不当解雇事件原告団
専修大学北海道短期大学8教員不当解雇事件弁護団
専修大学北海道短期大学教員観合
北海道私立大学教職員組合連合

2013年11月29日

専修大学道短大不当解雇事件、いよいよ12月2日(月)判決日(札幌地裁)

北海道私大教連
 ∟●12月2日 専修大学による不当解雇事件の判決日です

【お知らせ】

 これまでにお知らせしております通り、学校法人専修大学が北海道短大(美唄市)を募集停止する際に任意退職に応じなかった教員全員を整理解雇したことでこの1年半にわたって争いが続いてきた不当解雇撤回訴訟の判決が12月2日(月)に札幌地裁(千葉和則裁判長)で言い渡されます。
 これまで数多くの口頭弁論では多くの支援者が法廷に結集。史上稀にみる大手学校法人による不当解雇事件への怒りとともたたかいの輪が全国へ広がり、社会的耳目が集まっています。
 公正校正判決を信じ、改めて判決期日の傍聴支援を皆様へ呼びかけるものです。

 ◆12月2日(月)13:10~ 札幌地裁7階

 ※判決後、弁護団を交えて裁判所近くで支援者報告集会および、記者会見を設定します。
 (詳細は当日までにお知らせします。)

 以上、よろしくお願いします。

専修大学道短大不当解雇事件、「原告意見陳述」「最終準備書面」要旨

専修大学北海道短期大学教員組合
 ∟●8教員を支える会、 ニュース第7号(平成25年11月8日)

2013年11月26日

専修大学道短大不当解雇事件、結審を迎えて

不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会
 ∟●支える会ニュース、第6号(2013年10月1日)

結審を迎えて

「支える会」事務局長
山本補将

 8人の教員の地位確認(解雇無効)裁判は、9月9日に結審を迎えたことをご報告いたします。
 提訴から一年五か月、会員の皆様のお力添えで、ここまで辿り着くことができました。原告一同に成り代わりまして、深く御礼申し上げます。

 判決は札幌地裁において、12月2日午後1時10分より言い渡されます。

 前号で予告いたしました尋問調書の要約記事ですが、調書自体が関係者以外閲覧できないものであることなどから、掲載を取りやめることといたしました。どうぞご理解下さいますよう、お願い申し上げます。

 調書要約の代わりに、私の傍聴記録を掲載いたします。これは、6月3日に行われた、原告側証人の専修大学北海道短期大学前学長の寺本千名夫氏への反対尋問の傍聴記録です。尋問は、専修大学内の事務所を構える、今村記念法律事務所の宮岡孝之弁護士によって行われました。

反対尋問傍聴記

 反対尋問を行った宮岡弁護士は、学校法人専修大学の理事だそうで、そうならば被告側の一人にあたります。反対尋問を行うに最もふさわしい人物といえなくもありません。もっとも、この人物がどのような経緯で理事になったのか全く明らかにされていません。本来、反対尋問は証人の主尋問や陳述書に沿ったものでなければならないのですが、今回の反対尋問は陳述書とかけ離れた質問が度々なされました。 たとえば短大の今後の方向を検討する「プロジェクト会疹委員から短大の教員を排除したことを弁明し、客観性を持たせて大胆な改革を進めるためには教員が入らないほうが北海道短大のためによかった、などと訳のわからないことを述べました。正直に北海道短大のためによいのではなく法人に都合の良い方向を打ち出すのに最適だからと、言い直して欲しいものだ。短大を最もよく知る教員を排除しておいて、短大のために良い方向など出せるわけがないのです。
 また平成22年4月22日の教授会において学生募集停止報告時に寺本氏がどこにいたかなどという質問なども、主尋問や陳述書と全くかけ離れた質問でした。これから行われるだろう「寺本裁判」のための材料集めを目的にしたとしか考えられない質問がありました。

 新家学長時代の農学部構想について、それがどのような経緯から出てきたのかという事情などは、直接寺本氏には関わりのないことであり、法人で機関決定していないことで非難されるいわれはない。また農学部構想提案時の費用に関して、寺本氏が学長でないときの事情を「もし」という仮定の問いを発して非難をするという悪質な尋問もしていました。さらにまた、法人がそれまで発表したことのない数字をもちだし、寺本氏がそのことを知らないことを持って、学長として不適任であるかのような印象を植え付けようとしました。
 寺本氏が学長に就任したのは、平成22年1月からであり、その年の4月に学生募集停止が一方的に法人で決定されました。学長時代の寺本氏は、閉校へ邁進する法人と対峙し、それとの対応に追われた3年間でした。そうした時に、古い時代にさかのぼって定員を満たしたかどうかを調べる余裕や時間などあるはずもなく、そうする意味もなかったといえます。
 尋問は、平成17年の学科改組にも及びました。宮岡弁護士は、学科改組に短大教員が関わっていることをあげつらい、改組の失敗は短大に責任があるかのように述べています。そもそも学科改組などというのは、新学部や新学科の設立と同様に法人の経営判断でなされることであり、最終責任は法人がとるべきものです。教員が行うのは法人の決定に基づく依頼によってそれを具体化することである。具体案が経営的に見て不十分だと思えば、法人の責任でやり直しを命じればよいのである。もっとも内容的にも平成17年の学科改組案はそもそも無理がありました。たとえば、商経社会総合学科の福祉コースのカリキュラムなどは専門家がいないところで計画されたものであり、最初から破綻していました。そうしたことも法人は気が付いていなかったのです。法人の無責任さの現れといえるでしょう。
 そのほかの悪辣な質問としては、「プレス空知。これは、先はどの決議を受けて、定員が割れれば23年度に学生募集停止が行われるという内容ですが、そういう報道がなされたことは事実ですよね。」というものです。この質問は定員割れの時は学生募集停止が決まっているかのように言い換え、証人から法人に都合の良い答弁を引き出そうとするものでした。この質問には直ちに原告側弁護士から「誤澄だとの異議申し立てがなされた。宮岡弁護士は「じゃ、記事の内容は、『定員割れれば23年度』、短大募集停止の可能性という記事があることは間違いないですね。」と訂正せざるを得ませんでした。もし、先の質問が見過ごされていたならば、寺本証人は窮地に立だされることになったかもしれません。 宮岡弁護士は、知っていながら「可能性」という言葉を省いたと考えられます。 傍聴者には、このような宮岡弁護士の態度は、「お抱え弁護士」とはかかる人物なのだろうという印象を持たせました。法人からすれば良い弁護士なのかもしれませんが。
(支える会事務局長)

2013年05月30日

専修大北海道短大不当解雇事件、6月3日 いよいよ証人尋問

■不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会

裁判傍聴のお願い

近年、全国の短大や小規模の大学などで閉校が相次いでいます。このような状況下で専修大学のような大規模かつ健全経営の大学法人の不当な教員解雇を許すことは、日本の全ての大学教職員の身分を不安定にする先例とされるでしょう。
 裁判は6月から証人尋問に入ります。多くの皆様の傍聴は、原告たちに勇気と希望を与えるとともに、また裁判官に与える影響も大きいのです。厳正な審理に基づく公正な判決の出る世論を作り上げるため、どうぞ御協力下さい。

証人尋問:6月3日(月)午後1時30分より
札幌地裁7階法廷

 今回の証人尋問は、原告側証人として、法人理事会で短大募集停止の決定にただ1人反対し、募集停止後は教職員の身分保障に尽力し、この3月にいわれのない罪を着せられて法人から諭旨免職処分を受けた専修短大前学長が、被告側証人として、短大募集停止や8教員解雇に主導的な役割を果たした法人専務理事が陳述します。
裁判傍聴はどなたでもできます。1人でも多くの方の傍聴をお願い申し上げます。

不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会

2013年05月25日

解雇無効求め前学長が提訴 、専修道短大

■北海道新聞(2015年5月25日)

 身に覚えのない理由で解雇されたとして、専修大学北海道短期大学(美唄市)の前学長寺本千名夫さん(64)が24日、運営主体の学校法人専修大学(東京)を相手取り、解雇無効を求めて札幌地裁に提訴した。
 訴状によると、法人側は2010年、学長だった寺本さんの反対を押し切り、本来必要な教授会の決議もなくH年度以降の同短大の学生募集停止を決定。さらに寺本さんに無断で学長印を使い、学長名義の募集停止の報告書を作成、文部科学省に提出したという。
 これに対し寺本さんは「自分は報告書を作成していない」と同省に説明。法人側は今年3月、「寺本さんは自分で印を押したのに文科省に虚偽の説朋をした」などとして、解雇したという。
 寺本さんは提訴後に記者会見し「このようなあるまじきことが行われ地方の短大がつぶされたということを世の中に知らしめたい」と述べた。法人側は「事実を確認しておらずコメントできない」としている。
 同短大をめぐっては、元教員8人が法人側に対し、解雇無効を求めて同地裁で係争中。

2013年05月06日

専修大道短大、処分「身に覚えない理由」 前学長の不当解雇事件

■北海道新聞(2013年5月6日)

処分「身に覚えない理由」
専修道短大 前学長・寺本さん

 「身に覚えのない理由で退職金を半分にされた上、解雇された。処分撤回を求め、今月中にも提訴したい」
 専修大学北海道短期大学(以下短大)を運営する学校法人専修大学(東京、以下専大)から3月22日付で諭旨免職処分を受けた、短大前学長の寺本千名夫さんは語気を強める。
 学長経験者が解雇処分をめぐり大学と裁判で争うのは全国でも珍しいという。専大は3月末に短大を閉校し、6月に閉校式を行う予定。
 寺本さんによると、専大は学生減を理由に2010年4月、短大生の募集停止を決め、寺本学長(当時)の学長印を押した報告書を文部科学省に提出した。

 寺本さんは11年2月、「学長印を押していない。報告書は専大が偽造した」との文書を文科省に送付。この行為について、専大は「違法性・反社会性が強く、懲罰事由に該当する」と諭旨免職処分にした。

 寺本さんは「権限を強化された理事会が、短大の教授会の意向を聞かずに閉校を強引に決め、自分を含め批判的な教員を処分した」と批判する。迷惑をかけた学生や保護者、地域への責任も感じており、「専大が何をしたか、裁判で明らかにしたい」と話す。
 寺本さんとは別に、短大の40~60代の教員8人も解雇された。8人は「配置転換や再就職あっせんがない状況での解雇はおかしい」として、解雇無効などを求めて札幌地裁に提訴している。
 専修大は「係争に関わることについてはコメン卜できない」(広報課)としている。


2013年03月20日

専修大道短大、元学長が諭旨免職

専修大学北海道短期大学教員組合
 ∟●2013年ニュース2

■ 専修大道短大 元学長が諭旨免職 閉校をめぐる対立、背景に 2013年3月20日(朝日新聞 朝刊 北海道版)

3月末に閉校する専修大学北海道短期大学(美唄市)で、元学長の教授が諭旨免職処分を受ける事態になった。閉校決定過程や教員の処遇をめぐって、経営する学校法人専修大学(東京)と教員の一部が対立を深めており、元学長は裁判闘争を辞さない構えだ。

■ 専大系短大の元学長、諭旨免職へ (2013年3月20日朝日新聞 朝刊 社会面)

 専修大学北海道短期大学(美唄市)で昨年12月まで学長を務めていた寺本千名夫教授が、短大を経営する学校法人専修大学(東京)から22日付で諭旨免職処分を受けることが19日わかった。

 法人は2010年4月、短大の学生募集を決め、寺本学長名で文科省に報告書を提出。寺本氏は、これに学長印を押しておらず偽造と主張、寺本氏が文科省に自らの考えを記した文書を送ったことなどを「極めて違法性・反社 会性が強い」としている。寺本氏は裁判で争う姿勢を示している。


2013年02月17日

専修大学道短大不当解雇事件,札幌地裁第6回公判行われる

■道私大教連書記局情報,第2号(2013年2月14日)

 原告・私大教連関係者のほか北や国民救援会など各方面ら傍聴支を得て 2月4日、第 6回公判が行れました。次回でに前学長(専修大が解雇を準備中)の陳述書が準備され,4月には本格的な証拠調べに入ることが見込まれています。次回公判は3月11日(月)14:00~札幌地裁です。

2013年01月04日

専修大学北海道短期大不当解雇事件、札幌地裁宛て「迅速・公正な審理を求める請願署名」

専修大学北海道短期大学教員組合
 ∟●迅速・公正な審理を求める請願署名

解雇無効確認等請求事件(平成24年(ワ)第854号)

迅速・公正な審理を求める請願署名

札幌地方裁判所 民事第1部 合議係 御中

平成22年4月22日、学校法人専修大学日高義博理事長は専修大学北海道短期大学の学生募集を停止しました。そして、系列大学(専修大学・石巻専修大学)への短大教員の配置転換を全く実施することなく、配置転換を求めて希望退職に応じなかった8教員を、平成24年3月31日付で解雇するに至りました。

短大教員は教育だけでなく学生募集にも懸命に努力してきました。短大の学生募集を停止せざる得ない状況に陥ったのは、短大教員のみの責任でしょうか。むしろ、経営者たる法人に大きな責任があるはずです。

法人の財務状況は決して悪くありません。現に、法人は北海道短大の学生募集を停止する一方で、東京都の専修大学神田校舎の近隣の土地を買収するなどして、経営規模を拡張しようとすらしています。また、専修大学には7学部1000人以上の様々な分野の教員が在籍しており、短大教員を受け入れる余地は十分にあります。このような状況にあるにもかかわらず、わずか8名の短大教員を、配置転換せず、解雇する行為は、まさに「経営者による労働者の使い捨て」という他ありません。

教員の身分保証を全く無視した当該解雇は、専修大学系列校の教員のみならず、日本全国の私大教員にまで、自分の身分に対する不安を少なからず与えています。

このような経営者による身勝手な解雇が認められるのであれば、私大教員は自分の身分に不安を抱えながら、教育研究に従事しなければならなくなり、十分な大学教育を提供することができなくなります。

大学教育を維持するため適正な環境を整える責務を負うべき大学法人経営者が、大学教育の根幹を揺るがす当該解雇を実施したことは、まさに「日本の大学教育崩壊の危機」と言わざるを得ません。

貴裁判所におかれましては、このような状況を御勘案いただき、迅速かつ徹底した審理を行い、公正な判断を下されることを強く求めます。

お願い
支える会では皆様に署名をお願いしています。署名用紙は以下からダウンロードできます。

>> 署名用紙のダウンロード

お手数ですが署名された用紙は、以下までお送りください。

宛先: 札幌市中央区北1条西10丁目1-11 北海道私立学校教職員組合内 不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会


不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会への入会のお願い

不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会のページ

不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会への入会のお願い

 学校法人専修大学は平成22年4月22日に専修大学北海道短期大学の学生募集を停止し、その後、関連大学(専修大学・石巻専修大学)への短大教員の配置転換を十分に実施することなく、平成24年3月31日、希望退職に応じなかった短大教員8名を解雇しました。今回の解雇は、学校法人の財政が健全であるにもかかわらず系列学校の教員を解雇するという理不尽極まりない不当解雇です。

 このような不当解雇は絶対に撤回されなければなりません。現在、不当解雇された専修大学北海道短大8教員は解雇撤回を求めて、札幌地裁に提訴するとともに、解雇撤回に賛同を求める活動を展開しています。解雇撤回を実現するためには、この活動を全国各地に広げていくことが必要です。そのため、われわれは「不当解雇された 専修大学北海道短大8教員を支える会」を結成することとしました。

 本会は 当該8教員の活動を物心両面で支援することを目的としています。運営等の詳細については別紙の会則をご覧ください。本会の趣旨にご賛同いただき、ぜひご入会いただきますよう、お願い申し上げます。

  《設立発起人》

  小越 洋之助 (労働運動総合研究所・代表理事)
  押谷 一 (日本私立大学教職員組合連合・中央執行委員長)
○ 神沼 公三郎 (北海道大学名誉教授)
  長野 順一 (北海道合同法律事務所・弁護士)
  名知 隆之 (北海道労働組合総連合・議長)
  早川 征一郎 (法政大学名誉教授)
○ 森山 軍治郎 (元専修大学北海道短期大学教授)
○ 山口 博教 (北海道私立大学教職員組合連合・執行委員長)

※ ○は「不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会」運営委員会代表

入会について

本会の会員には氏名、肩書きを公表する呼びかけ人と、公表しない賛同者があります。

呼びかけ人・賛同者とも会費は年額一口500円で、口数に制約はありません。

郵便局の「払込取扱票」(青色)におところ、おなまえと呼びかけ人・賛同者のどちらかを明記の上、会費をお振込みください。呼びかけ人の場合は、肩書きもお書き下さい。

また、入会とは別に、カンパもお願いしております。よろしくお願いいたします。

郵便振替の口座記号番号 02760-6-100988

加入者名        専修大学北海道短大8教員を支える会

※必要事項を印字した払込用紙も用意しています。

※おそれいりますが振込手数料はご負担下さい。

会報等をご希望の場合は、下記メールアドレスにご連絡下さい。

「不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会」事務局

事務局長 山本 補將 (元専修大学北海道短期大学教授)

060-0001 札幌市中央区北1条西10丁目1-11 北海道私立大学教職員組合連合内

E-mail :hokutan_sasaerukai@yahoo.co.jp

2012年10月03日

専修大学職員解雇事件、東京地裁判決「肩こりで休職 大学職員の解雇認めない」

NHKニュース

肩こりで休職 大学職員の解雇認めない判決

 9月28日 22時7分重い肩こりなどの症状で労災と判断されて休職した東京の大学職員が、解雇されたことについて東京地方裁判所は解雇を認めない判決を言い渡しました。

 この裁判は東京・千代田区の専修大学に勤務していた男性が起こしたもので、重い肩こりなどの症状で5年前に労災と認定され、休職しましたが、去年、解雇されたため、争っていました。裁判で大学は「男性に対して支払後に解雇できる『打切補償』という補償金を)去年支払った」と主張していました。
 28日の判決で東京地方裁判所の伊良原恵吾裁判官は「『打切補償』はそれまでの『療養補償』を企業側が負担していることが必要で今回のケースで男性は『打切補償』の対象にはあたらない」と指摘し、男性の解雇を認めない判決を言い渡しました。
 「打切補償」と呼ばれる補償金は支払いによって解雇を制限する規定を適用しなくなるものですが、今回の判決は、その対象を厳格にとらえる判断となりました。
 判決について専修大学は「判決内容を確認したうえで今後の対応を検討します」と話しています。


2012年06月06日

専修大学北海道短大不当解雇事件、裁判始まる 支援組織発足!

北海道私大教連
 ∟●専修大学北海道短大不当解雇事件】裁判始まる。支援組織発足!

専修大学北海道短大不当解雇事件】裁判始まる。支援組織発足!

 大手私学法人の専修大学(東京都)が一方的に北海道短大(美唄市)の募集停止を決め、教員を整理解雇した事件で組合の8教員が法人を提訴した事件の公判が本日、札幌地裁で始まりました。また、同日夜に8教員を支援する「支える会」が正式発足。以後、本格的に活動を開始します。
 裁判は16時から開始。8教員代理人弁護団の長野弁護士(道合同法律事務所)と、原告を代表して足達委員長が堂々と意見陳述。傍聴席は「支える会」発足前であるにもかかわらず多くの市民に駆けつけていただき一杯となりました。
 当日は本訴公判後に、同時進行中の仮処分申請「審尋」(原則、非公開)が入っていたため、傍聴終了後の支援者打合せを行うことができませんでした。お忙しい中、駆けつけていただいた皆様へきちんとご挨拶することができず、取り急ぎこの場を借りて御礼を申し上げます。
 以後、裁判の本格化と並行して支援活動を強化する体制が整いました。「支える会」事務局組織も始動。情宣や署名活動等、旺盛に取り組み、公教育機関にあるまじき事件を乱発する専修大学法人の横暴さを社会全体へ告発していきます。
 次回の公判は7月9日(月)13:30より札幌地裁701法廷で行われることが決まっています。
 (どなたでも自由に傍聴できます。終了後に支援者打合せ、交流の時間を設けます。)
 今後ともこの裁判闘争への皆さまのご支持ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

【原告8教員代表の足達委員長による、本日の陳述概要を紹介します】

 わたしたち原告8人は、平成24年3月に、31日をもって解雇するとの通告を、学校法人専修大学から受けました。理由はなんでしょうか。わたしたち8人を解雇しなければ、数百名の教員を擁するわが国有数の学校法人専修大学の命運が危うくなるのでしょうか。いまだにわたしたちは、首を切られる理由がわからないのです。
 ではこれまでのわたしたちの学生教育・研究活動は、学校法人にとって意味のないものだったのでしょうか。わたしたち8名が育て、送り出してきたのは北海道短大の学生です。しかし実際には学校法人全体に貢献してきたと思っています。少子化によりどの大学でも志願者数確保に奔走する昨今、わたしたちは長年、北海道短大の学生の多くを東京の専修大学へ編入学させてきました。また北海道短大の卒業生は、東京の専修大学、石巻専修大学と同様、全国にひろがる専修3大学全体の同窓会組織「校友会」の会員であり、3つの大学の区別なく、社会人としてのつながりを持っています。この3大学の一体性は、校友会の場でよく使われる「オール専修」という言葉に現れています。わたしたちは、学校法人の一教員として「オール専修」と胸を張って名乗れる人材を社会に送り出してきました。やはり、解雇される理由がわかりません。

 わたしたちは以前から、学校法人内での配置転換を検討してほしいと、団体交渉の場で法人に要請してきました。法人が提案する事務職員のポストや、リクルート・コンサルティングによる求職活動に応じられなかったのは、人生の大半を大学教員・研究者として働いてきたからです。わたしたちは大学で教育・研究するために、通常よりも長い年月をかけて教育を受け、学び、この職務を果たす能力を得ました。この職業を続けようと願うことが、それほど大それた望みでしょうか。
 世の中にはやむなく他の職業に就かねばならない人がいます。しかしだれもが思いつく方法を、実行してもいないうちから、首を切る、他の職業を探せと言われては、納得できません。わたしたちは、まずは東京の専修大学教授会に配置転換を検討してくれるよう、理事会から要請してくれないかと頼んだのです。教授会の意向を無視して、単純に「横滑り」で東京に移せなどと言っているのではありません。専修大学教授会に対して、わたしたち8名の願いを、 法人はいったいどのように伝えてくれたのでしょうか。団体交渉では何度それを尋ねても具体的に説明してもらえませんでしたが、解雇回避努力という点で、その内容を知りたいと思います。この法廷で、法人はこうしたことを明らかにしてくれると思います。しかし現在のところ、法人の北海道短大に対する姿勢は、おざなりという念がぬぐえないのです。

 北海道短大に対する法人の、数年前からの姿勢を一言でいえば、「直前になって、前触れなく最終決定を下す」というものです。
 学生募集停止後の教職員の処遇については「これから検討する」と言い続け、平成24年3月30日になって、31日付けの解雇を突然通知しました。
 学生募集停止も、北海道短大・美唄市との事前協議がないまま、すでに決定したものとして突然発表しました。しかもそれは、その2年前からスタートしていた「緊急3カ年計画」の途中でした。「前触れがない」どころか、短大存続のための計画実行を指示しておきながら、その途中での、突然の、募集停止です。
 そもそも教職員の処遇や大学の跡地をどうするかは、あらかじめ検討するものではないでしょうか。「教職員や跡地はこうしようと思うが、どうだろうか」と事前に協議するのが、ふつうだれもが考える手順です。これら突然の決定、突然の発表を見ていると、法人の手順はいかにも場当たり的と言わざるを得ません。
 「緊急3カ年計画」を完了する機会を奪われ、実質的に意味のない職業斡旋を直前に提示され、われわれ8名には対応する時間などありませんでした。わたしたちは好きで裁判を起こしたわけではありません。そうせざるを得なかったのです。

 突然の解雇通知を受けて以降、わたしたちは事実上、無収入になりました。収入が途絶えることは、有形無形の困難を生みます。十代の子どもを抱えている者、子どもが生まれたばかりの者、妻が妊娠中の者、自身あるいは家族が病気治療中の者がいます。
 研究を続けるためには、研究費を自腹でまかわねばなりません。 大学教員の身分が奪われたいま、公的研究費を得ることはほとんど不可能です。 収入が途絶えた一方で、支出は増えるのです。研究室も奪われました。資料・研究機材は手もとにありません。学識経験者として社会に貢献する場である自治体の委員会活動も、大学教員の身分がなければきわめて困難になります。
 このような有形の困難は、以前から理屈では理解していました。しかし実感はしていませんでした。ここから来る無形の困難、つまりじぶんの、家族の将来に対する強い不安と危機感は、その境遇になってみなければわからないでしょう。
 わたしたちは提訴に際し、法人に無理難題をふっかけているのではありません。社会通念上、じゅうぶんに自然と思われる努力をしてほしいと言っているのです。その願いが妥当であることが、この法廷で明らかにされることを望みます。

以上

2012年04月10日

専修道短大不当解雇事件、法人側から「私物の引き取り及び研究室の明渡し」の要請文

専修大学北海道短期大学教員組合
 ∟●私物の引き取り及び研究室の明渡し等について(要請)

私物の引き取り及び研究室の明渡し等について(要請)

学校法人専修大学(以下「本法人」という。)は平成23年3月31日をもって貴殿を解職しました。

つきましては、下記の要領に従い、平成24年4月27日までに、専修大学北海道短期大学(以下「本学」という。)から私物を引き取り、かつ研究室を明け渡すよう要請いたします。



1. 貴殿は、平成24年4月1日以後専修大学北海道短期大学教員としての身分を失うため、許可なく本学敷地内へ立ち入ることを禁止いたします。

2. 平成24年4月27日までは、以下の手続きを経て、本学から私物を引き取り、または研究室を明け渡すために必要な限度で、貴殿が本学敷地内へ立ち入ることを許可します。

① 本学への立ち入りを希望する3日前までに、専修大学北海道美唄事務所長まで電話連絡の上、立ち入りの日程・時間を申告し、許可を得てください。

② 本学に来校したら、まず、専修大学北海道美唄事務所に備え付けの立ち入り許可申請書に記入し、立入許可証の発行を受けてください。

③ 本学への立ち入りの際は、専修大学北海道美唄事務所職員が立ち会います。

④ 本学敷地内では、専修大学北海道美唄事務所職員の指示に従ってください。

3. 不明な点は、専修大学北海道美唄事務所長までお問い合わせください。

【問合せ先】 専修大学北海道美唄事務所長(所長名)

電話 0126-63-4321

以上

2012年04月04日

専修道短大不当解雇事件、専修大法人 8教員へ相次ぎ嫌がらせ

北海道私大教連
 ∟●道私大教連速報・専修短大解雇撤回闘争特集(4)(2012年4月4日付)

専修大法人、8教員へ相次ぎ嫌がらせ

 専修大学法人は8教員を三月末で一方的に即時解雇した後、研究室の明渡し・私物の持帰りを要求。そればかりではなく、短大敷地への出入りを制限する文書を送り付けています。三月末で任意退職に応じた教員へも研究室の明渡しを「依頼」する文書が届いていますが、8教員へは来校時の「三日前までの事前許可」など条件を付し、まるで懲戒解雇者のごとき文面。私物の持ち帰りすら自由にできない状況です。また、8教員へは私学共済等の取り扱いに関する「事務手続き」文書が送られていますが、任意退職者を対象に開かれている説明会等の案内は一切ありません。8教員はそもそも退職を認めていませんが、研究室の出入りを封じる前に、自らの都合で押し付けている「退職手続き」についての説明責任を果たそうとするのがせめてもの筋ではないでしょうか?全く不誠実な理事会です。
弁護団では急遽、こうした行為に対しても法的措置を検討しています。


専修道短大不当解雇事件、三月末 8教員へ解雇通知。撤回求め仮処分申立て・本訴訟へ!

北海道私大教連
 ∟●道私大教連速報・専修短大解雇撤回闘争特集(4)(2012年4月4日付)

三月末、8教員へ解雇通知。撤回求め仮処分申立て・本訴訟へ!

 専修大理事会は三月二八日に短大の8教員整理解雇を決め、当日中に解雇通告を発しました。教員組合と弁護団(北海道合同法律事務所の8弁護士)はただちに対応を協議し、地位確認と賃金支払いを求める仮処分申請と、本訴提起の準備に入っています。近く札幌地裁で「審尋」が開始される見込みです。
道私大教連、4・1支援集会を行う。
 道私大教連は一日、札幌市内のホテルで「専修道短大の組合員を励ます」集会を開催。被解雇当事者の皆さんをはじめ各大学・団体・弁護団から三十名が集まりました。冒頭、弁護団を代表して情勢報告にたった長野順一弁護士は「あまりにひどい不当な解雇。勝利へむけ全力をあげるので支援を」と訴えました。
昼食交流の後、参加者全員が発言。8教員勢揃いした専修短大からは山田委員長が代表して謝意と決意を述べると一同から大きな拍手が沸き激励の声が相次ぎました。
 月末に解雇通知が送りつけられた直後。8教員の皆さんは目下、様々の手続きに奔走していますが、四月十日に単組総会を開き、今後各方面への支援要請や単組運動体制構築の協議をする予定です。


2012年04月01日

北海道私大教連、2012総会決議「専修大道短大教員のたたかいを支援し復職勝利を目指して全力をあげる」

■北海道私大教連2012年総会決議

決  議

 学校法人専修大学(東京)は本年2月28日、理事会・評議員会を開催し、雇用の合意解約に応じない北海道短期大学(美唄市)の教員8名全員の解職を決定し、解雇通知を即日送付した。

 2010年4月に同短大の学生募集停止を発表して以来、教員組合および道私大教連は理事会との団体交渉を積み重ね、短大閉校と全教職員の解雇方針を撤回するか、それができないならば専修大学(東京)および石巻専修大学へ配置転換するよう主張してきた。

 にもかかわらず理事会は何ら歩み寄る姿勢すら見せないまま、年度末に突如「解雇」通知を突きつけてきた。このことは商経社会総合学科の留年生4名の発生による1年間の短大存続が決定しているにもかかわらず、在職教員を馘首し、希望退職教員5名(5名とも理系教員)と東京への2013年度に異動が決まっている2名の教員を任期制で雇用して対応しようする学校法人専修大学の無責任極まりない経営姿勢を浮き彫りにした。

 わが国の労働者が長年にわたる解雇反対闘争の積み重ねにより勝ち得てきた判例法理である「整理解雇の四要件」を一つとして満たさない、暴挙が実行されたこととなる。専修大学理事会のかかる振舞いは専修大学北海道短期大学教員とその家族の生活の基盤を根こそぎ奪う行為であるだけでなく、北海道と全国の大学教職員はもとより日本の労働者と労働運動全体への挑戦と言っても過言ではない。

 専修大学理事会はかねてより職員出身理事による実質的支配下にあり、教職員への専制支配体制が敷かれてきた。理事会にすり寄る教員・職員を優遇することで、専修大学で働く者の分断を図ってきたのである。この端的な現れが短大「職員」の希望者全員が専修大学の東京ないし石巻へ異動することが決まっていることにある。教員に対しては大学教員や研究職の紹介経験が全くない「リクルート社」を利用し転職せよ、という提案と専修大学の補充人事の短大教員に限っての公募先行(優遇措置はなく、ごく普通の採用人事)の実施、それに応募資格を誰一人満たせない付属高校の教員募集であった。これらは単なるアリバイ作りに過ぎないものであり、解雇回避の努力をしたことにはならない。

 私たちは、学校法人専修大学に対し、今次総会の意思として満腔の怒りを持って抗議し、このような愚挙の中止と、速やかな解雇撤回することを求める。同時に、北海道私大教連に結集する教職員は解雇された専修大学北海道短大教員のだたかいを支援し、復職勝利をめざして全力をあげることをここに決議する。

2012年4月1日
北海道私立大学教職員組合連合2012総会


2012年03月30日

専修道短大不当解雇事件、理事会は28日に解雇強行を決め8教員に解雇を通告!

北海道私大教連
 ∟●道私大教連速報・専修短大解雇撤回闘争特集(3)(2012年3月30日付)

=速報=

 専修大学理事会は28日に解雇強行を決め、早速に北海道短大8教員へ解雇を通告しました。

(以下、道私大教連速報3号より)

【専修大学理事会、28日の理事会・評議員会で不当な解雇を決定】
 大手学校法人、専修大学(日高義博理事長・法学部教授・兼学長)は28日に理事会・評議員会を相次いで開き、これまで理事会側が押し付けてきた希望退職に応じていない道短大の組合員8教員の整理解雇を決議したことが判明しました。近く即時解雇の通知が送付されるものと予想されます。
 前報のとおり、経営難など緊急性をともなわない大手法人が傘下の学校の廃止へ向け正規教員を全員解雇する、という事態は前代未聞のことです。何より、同短大は次年度も在学生がおり、1年間の存続が決まっています。法学部・法科大学院を設置する大学法人が整理解雇の四要件等の法理をも無視し、極めて悪質な整理解雇事件を起こしています。このような乱脈が許されれば、中小規模大学はもとより、道内各地方で高等教育を担っている道外学校法人設置の短大教育が著しく脅かされるなど各方面へ与える悪影響も必至です。
 8教員は春以降の生活をどうするか、様々に困難を抱えながらも結束して不当解雇と対峙する決意を固めています。理事会は団交等でも雇用継続協議を拒否しており、裁判闘争が避けられないものとなっていますが、以後、署名や抗議活動等、支援の取り組みも重要になります。
 この事件を全国・全道の私大教育、高等教育と教職員の生活・権利擁護をかけた重大なたたかいとして捉え、引き続き多くの皆様のご理解とご協力を心から呼びかけます。


2012年03月28日

専修道短大不当解雇事件、3月13日・26日団体交渉の経過

北海道私大教連
 ∟●道私大教連速報・専修短大解雇撤回闘争特集(2)(2012年3月28日付)

専修法人の対応は留年生対応も教員「解雇」も年度末ギリギリ!!

【この間の経過】
 前報の地位保全「仮処分」申請は二月末に、①理事会が解雇を明言していない、②留年生が生じること等で解雇されない可能性がある、として現段階での保全の必要性認められず、として札幌地裁は却下決定しました。これまでの団交の積み重ねからしてこの決定内容が不当であることは明らかであり、弁護団は即日抗告の手続きに入っています。
 そのご、三月一三日、二十六日には団体交渉が行われました。

 【三月一三日団交】(単組組合員+道私大教連の小松書記長・白鳥権利対策委員)
 理事会は「たまたま」四名の留年生が確定したことで短大を一年間「存続せざるを得ない」と認めましたが、教員全員解職の方針を曲げないと強調。一方で、希望退職に応じた教員を任期付の年俸制(五百万)で採用し直す「特例措置」を明らかにしました。学生規模が縮小しながらも短大を廃止せず、現行通り専修大学道短大として存続するものであることも認めながら教員の全員解雇手続きを進める、という極めて悪質な経営姿勢が改めて浮き彫りとなりました。理事会はこの時点でも解雇については「いまのところ解職の予定はない」「合意解約に応じていただくよう最大限努める」など繰り返し言明しています。また、組合側は「裁判闘争以前の和解的協議についても、私たちにとってたとえ本意ではないものであっても新たな理事会側の提起があれば検討する余地があることを否定しない。この間、団交では全く前進回答が無く、より踏み込んで協議に応じるよう」理事会側へ求めました。

 【三月二六日団交】(単組組合員+道私大教連の山口委員長・小松書記長)
 理事会の全権を掌握する富山専務理事は冒頭から組合側の提起を一顧だにせず拒否。短大存続の一方で強行しようとしている全員解雇と引換えの「任期制」への応募を売り込み、応じなければ五日後に「予告なし」即日解雇する方針であることを初めて明言しました。組合側との和解へむけた協議の打診に対しても「既に合意解職に応じた教員への信義がある。…オレの信義に反する!」などと一切を拒否。(自ら設置する短大を自ら募集停止し、雇用する教員を容赦なく外へ放り出して平然としている人物のいう「信義」とは一体何なのでしょう?)組合側八教員は一致して合意退職に応じない、理をもってたたかう意向であることを堂々と主張しました。法人は二八日の理事会で、希望退職に応じない教員の解職を正式決定するものと思われます。一ヶ月以上前の正式予告を伴わない教員全員解雇は、経営難法人以外私学では前代未聞の異常事態です。

「専修道短大教員組合」のホームページを検索してご覧ください!》


2012年03月09日

北海道私大教連、4月1日専修道短大の仲間を激励し交流する集いのご案内

専修道短大の仲間を激励し交流する集いのご案内

専修道短大の仲間を激励し交流する集いのご案内

皆様へご案内 ◆

 教職員や地元自治体を無視した不意打ちの「募集停止」が仕掛けられ、2011年度末の「閉校」と「全員解職」を迫られてきた専修大学北海道短期大学(美唄市)組合員の皆さん。
 大規模私学の専修大学による前代未聞の整理解雇に立ち向かい、テコでも動かぬと法廷闘争を決意し奮闘している当該教職員の皆さんを激励し、また、これまでの経過を学びあうための「交流会」を北海道私大教連として開催します。
 直近の状況としては私たちが警告してきた通り、次年度在学生が生じることによる短大の存置を年度末ギリギリになって理事会が発表するも、未だ教員の身分に関する具体的方針提示がありません。理事会の対応は極めて無責任であり、もはや反社会的だといって過言ではありません。
 予断を許さぬ状況が続きます。この解雇撤回闘争は、全道・全国の大学教員の生活・雇用と地位をまもる防波堤の役割を担うものでもあるのです。
 時に、励ましはたたかいの糧になり、学ぶことが生き抜く力となります。
 専修大学が企図してきた2011年度末の整理解雇を許さなかった成果の結節点が、新年度初日である4月1日の「励ます会」となります。新たな意気でのたたかいが始動する日でもあります。多くの皆さんの積極的なご参集を心より呼びかけ、ご案内とご支援のお願いを申しあげます。

北海道私立大学教職員組合連合
執行委員長  山口 博教
電話011-261-3820 FAX011-272-8186

■内容 昼食・飲物付です。専修道短大組合員(解雇撤回闘争当事者の皆さん)から報告、参加者代表・弁護団(予定)から激励挨拶等。
■会費 おひとり3,000円(組織単位で当日に申し受けます。)

◆参加申し込み◆
準備の都合上、お手数ですが事前の参加申し込みをお願いします。
3月27日(水)までに各組織(個人でも歓迎)の参加者数を北海道私大教連へFAXか電子メールでお知らせください。
(加盟大学は5名を目標に参加の組織を進めてください。)
道私大教連 FAX011-272-8186
電子メール:doshikyoso@ybb.ne.jp


2012年03月08日

北海道私大教連、専修道短大闘争の激励・経過報告集会のご案内

北海道私大教連
専修大学北海道短期大学教員組合

専修道短大闘争の激励・経過報告集会(食事会)を4月1日(日)に開催します。
場所が決まりましたので取り急ぎお知らせします。

◆会場 ホテルポールスター札幌(中央区北4条西6丁目)
◇道私大教連総会 4月1日(日)10:50受付開始・11:00~12:50会議
 ⇒単組2名の代議員組織をお願いします。

◇専修道短大組合員を励ます集い(経過報告会)
 4月1日(日)13:00受付開始・13:10~開会(2時間以内)
 ⇒激励会の参加費は1人3,000円(昼食・飲物付=専修道短大組合員は招待)

専修道短大不当解雇事件、閉校を1年延期

■北海道新聞空知版(2012/03/06)

 下記に報道されている通り、1年間の短大存置が決定された。しかし、理事会はいまだに教員の解雇方針を曲げていないとのこと。3月23日(火)の団体交渉が正念場。

専修道短大、閉校延期 情報不足 地元に不満 美唄市「事情聴きたい」 校舎活用策なお不透明

 【美唄】今月末で閉校の予定だった専修大学北海道短期大学(寺本千名夫学長)を運営する学校法人専修大学(東京、日高義博理事長)が5日、閉校を1年延期する方針を明らかにした。地元の関係者は安堵(あんど)する一方、大学側から情報提供が少なく、直前になっての延期方針に不満の声も漏れた。(藤本陽介、石井努)
 短大の卒業式が5日に行われ、式典後、日高理事長が報道陣の取材に閉校延期の意向を示した。地元への情報提供が遅れたのでは、との指摘に日高理事長は「募集停止時にも決まったことはかなり丁寧に伝えている」と述べ、地元との意思疎通に問題がないとの認識を示した。別に取材に応じた寺本学長は「留年の判定会議が2月でこの時期になった」と弁明した。
 一方、美唄市はJR美唄駅から短大を結ぶバスを今月末で廃止するなど閉校を念頭に置いたまちづくりに取り組んできた。市幹部は「とりあえずほっとしたが、大学から詳しい事情を聴きたい」と話す。
 学校法人幹部が2月下旬、市側に留年生が4人いることを伝えたが、今後の対応については言及しなかったという。このため、同市には「情報がいつも小出し」と不満もくすぶる。校舎は4月以降も使うことになるが、懸案の校舎活用方法をめぐる話し合いが進展するかは不透明だ。
                  ◇
 卒業式は同校体育館で行われた。卒業生は、みどりの総合科学科46人と商経社会総合学科89人の計135人。寺本学長は式辞で閉校問題に触れ「責任者として深くおわびします。教育以前の問題で、実に苦しい2年間だった」と語った。
 卒業生を代表し、青木京介さんが「仲間との絆と専修短大の卒業生であることを誇りに目標に向けてまい進します」とお礼の言葉を述べた。

専修道短大の閉校1年延期

北海道新聞全道版(2012/03/06)

 【美唄】学校法人専修大学(東京、日高義博理事長)は5日、3月末に予定していた専修大学北海道短期大学(美唄市)の閉校を1年延期する意向を明らかにした。
 日高理事長が同日、美唄市内で開かれた専修道短大の卒業式に出席後、記者団に対し、単位不足のため留年する学生が4人いることを明らかにした上で「学生の卒業まで教育しなければならない」と語った。
 短大によると、4人の留年生の中には、4月以降の通学を希望している学生もいるという。最終的な意向確認を行った上で、7日に開かれる法人の理事会で閉校延期を決める。

最後の卒業式、135人に学位記 美唄の専修大北海道短大

朝日新聞北海道版(2012年3月6日)

 経営悪化で2011年度から学生の募集を停止している美唄市の専修大北海道短大で5日、留年する学生を除いた事実上最後の卒業式が行われ、みどりの総合科学科46人と商経社会総合学科89人に寺本千名夫学長から学位記が授与された。
 中国黒竜江農業職業技術学院からの留学生19人も含まれ、同短大の卒業生は計1万2064人になった。留年する学生が4人出る見通しのため、閉校は早くても来年春の全員の卒業後になる。
 同短大は、1968年に専修大美唄農工短大として中堅の農業技術者を養成する目的で創立され、73年に現校名になった。少子化の進行や4年制大学志向の高まりなどで、99年度から定員割れが続いていた。中国人留学生を毎年10~20人受け入れて来たが、定員割れを改善できず、08年度末には累積赤字が33億円に達した。


2012年02月22日

専修道短大不当解雇事件、教授ら即時抗告

■北海道新聞(2012年2月22日)

専修道短大 系列大へ異動要求
教授ら 留年学生対応も訴え

 専修大学北海道短期大学(美唄市、寺本千名夫学長)が本年度末で閉校し、教員24人全員を解雇する問題で、同短大教授らが21日、札幌市で記者会見した。教授らは系列の他大学への異動を認めるよう求めるとともに、留年が決まった学生の4月以降の対応が学校法人専修大学(東京)から示されていないと主張した。

 会見した山田正範教授によると、学生4人んの留年が決まり、うち2人は新年度以降も学ぶ意思があるという。「学校側は学ぶ機会を用意する責任がある。大学法人からは何の説明もない」と批判した。

 教員24人のうち専修大への再採用は5人で、8人が専修大学移ることを希望したが拒否された。このため昨年12月に札幌地裁に地位保全を求める仮処分を申請したが、札幌地裁は今月20日付で、学校法人側が解雇方針を伝えただけで法的な解雇手続きに入っていないことを理由に却下。8人は即時抗告した。
 
 専修大広報課は「留年する学生が出ると短大側から正式な報告を受けていないため、コメントできない」と話している。


2012年02月18日

驚くべき学校法人専修大学の無責任ー留年生・在学生がいても教員全員を解雇

北海道私大教連
 ∟●専修短大解雇撤回闘争特集(1)2012年2月13日(月)

驚くべき学校法人専修大学の無責任~留年生・在学生がいても教員全員を解雇
専修大学法人が強行しようとしている募集停止・廃校、もう一つの大きな問題点

 学生募集の「停止」は、基本的には理事会が決めてしまえば文科省に対する届出(報告事項)で事済まされる仕組みです。必ずしも教授会等での決議が義務付けられているものではありませんが、文科省は「社会的な影響が大きいことに鑑み、…学生、教職員等関係者の理解を十分得るよう努めてください。」(「私立大学等の学長決定及び公私立大学等の学則変更等の届出について(通知)」)と指導しています。その一方で、募集停止後の「廃止」(廃校)については許認可事項となっており制度上のちぐはぐ感を否めませんが、在学生が全ていなくなった後で文科省へ提出すべき「廃止認可申請書」には、理事会の決議録等のみならず、教授会の決議録(議事録)添付も必須とされています。
 専修道短大の募集停止手続きで、学長に無断で学長名にて専修大学が文科省へ提出した報告書によれば、学生等の今後の取り扱いについて「専修大学北海道短期大学は、在学生が卒業するのを待って廃止する予定である。なお、廃止するまでの間の在学生への教育条件の維持には万全を尽くすこととしたい。」と明記しています。大学・短大の廃止認可に当たっては在学生が全ていなくなることが絶対条件ですから当然の記述といえます。
 しかし、年度末を控えた現段階において留年者が生じることがほぼ確定的となり、かつ、当該学生が次年度履修の意向をもっていることが明らかになってきているにもかかわらず、法人側は四月以降の対応について「まだ白紙である」「これから具体的に検討する」(教員「仮処分審尋」等での主張)などと、募集停止報告書の記載と全く矛盾する姿勢をあらわにしています。
 留年生を「卒業」させるまで短大を廃止しない、というのは先述のとおり法人側が明言したことであり、学生にとっても大切な権利です。そのためには大学・短大設置基準通りの教員(学科単位で最低七名、うち三割以上は専任教授)配置が必要ですが、法人側は目下、教員全員の解雇(解職)手続きを「粛々と進める」と表明しています。そもそも教員を全員解雇して四月以降の在学生への「廃止するまでの間の在学生への教育条件の維持に」どう万全を期するのでしょうか。何より、四月以降在学の可能性がある学生に対してこの期に及んでも「募集停止、閉校」という情報以外、何ら責任ある説明が行われていません。次年度以降、短大を存続する気があるのかないのか明らかにせず不安に陥れていること自体が「在学生への教育条件維持に万全を期す」と言い放った法人側の姿勢としていかがなものなのか。
 どの角度から見ても理事会側主張の矛盾点が際立ってきました。学校法人、それも大手法人のやり方とは思えない、極めて重い社会的責任・資質が問われるのが学校法人専修大学でのきわめて乱暴な短大廃止であり、全員解雇路線です。
 この経過を見ただけでも、募集停止・廃校・解雇を主導し、「理事長からの全権委任」を豪語し続けている学校法人専修大学の実質トップ、富山尚徳専務理事(専修大学松戸中高校理事長)が学校法人経営の資格を欠いていることは明白です。
 次回、法人側との団体交渉では雇用・解雇問題はもとより、これら一連の問題を中心に「短大の存続」を強く要求します。  (書記長記)

  

専修道短大不当解雇事件、仮処分裁判が本格的に開始

北海道私大教連
 ∟●専修短大解雇撤回闘争特集(1)2012年2月13日(月)

学校法人専修大学は雇用と社会に対する責任を果たすべき。人間の使い捨てをやめよ!

 私たちの加盟組合であり今年度末閉校と「全員解雇」が迫られている専修道短大(学校法人専修大学・日高義博理事長)での解雇禁止等を求める八名の教員の仮処分裁判が本格的に開始しました。

 二月七日に札幌地裁で行われた第一回審尋では、理事会側代理人が団交等で繰り返し今年度末の「(雇用関係の)合意解約に応じなければ解職」を明言してきたにも関わらず「法的手続き論においては、まだ解雇をするともしないとも明言していないので債務者(教員側)が主張する被保全権利は存在せず」しかし「(解職)手続きは粛々と進めていく」などと法規をもてあそび、自ら雇用する教員の生活権に対する責任を全く顧みようとしない学園側の極めて不誠実な姿勢が目立ちました。
 本裁判へ向けて全面対決の様相です。(因みに、相手方代理人弁護士の筆頭は専修大学内に事務所を置く「今村記念法律事務所」所長。学校法人専修大学の理事・評議員で法科大学院の教員も務める人物といいますから呆れます。)
 長期化が予想されるこの訴訟対策に関連して、書記局では文科省へ直近の大学短大の廃止事例に関する資料を情報開示請求していました(大学・短大の廃校時には文科省へ「廃止認可申請書」を提出します。「教職員の処遇」記載欄があります)。
 この資料(次号で掲載します)によれば、経営困難法人ではない限りは教職員の整理解雇が行われていないこと。系列校がある場合は配置換えにより雇用が継続されるケースが圧倒的であることが明らかになっています。専修大学のような大手法人で部門閉鎖による整理解雇が行われた、という事例はなく、専修道短大での法人側の暴走が全国の私学教職員の雇用・権利を死守するための「堰」を切るか、切らせないかのたたかいであることが浮き彫りとなってきました。
 道私大教連として以後の対策・支援(団交支援や激励集会、学習会等)については次回、道私大教連執行委員会(二月二九日18:30~)で一気に具体化します。
 今後ともご注目いただき、多くの皆様のご指導ご支援をよろしくお願いいたします。


2012年02月08日

許されない専修大学法人、前代未聞の全員解雇

北海道私立学校教職員組合(道私教組)
 ∟●【専修大学道短大】新聞道私教組記事

【「新聞道私教組」12月号より記事】
許されない専修大学法人、前代未聞の全員解雇

 2010年4月、専修大学北海道短大の学生募集停止が発表された時点における教員数は26名。学校法人「専修大学」は全員を解雇する方針です。形式は「合意解約」や希望退職を装うものの、いずれにせよ言うとおりにしなければ解雇であると意思を表明しました。
 定年退職予定者と退職意思表明者(高齢の教員)は4名だけです。それ以外の22名の教員は2012年3月に職=生活のあてもなく路頭へ放り出されることになりました。この時になって教員組合は過半数を大きく超えました。将来への不安と法人の処置に対する怒りのあらわれでしょう。
 教員組合は専修大学および石巻専修大学への配置転換を要求し、雇用を継続するよう求めて団体交渉に入りました。だが、法人は私たちの切実な要求である教員職の保障を拒否し、代わりに専修大学の退職教員の補充人事を短大教員にのみ先行募集するというものでした。それは短大教員の採用を優先的に取り扱うものでなく、公募と同じ審査を先に実施するだけの話でした。しかも、短大教員が応募できない不適合科目も多く、実際に採用されたのは3名だけ。
 教員組合は専修大学の教員枠を拡大し、短大教員を吸収するよう働きかけてきました。
 法人のこうした対応のため他大学で職を求めざるを得ないと考えることは当然の成り行きです。そうした努力の結果、3名の教員が自力で他大学に職を得ました。
 今も「就活」を続けている多くの教員がいます。
 最近の動きとしては、東京の専修大学教員有志による尽力の甲斐もあって3名の教員を道短大向けで募集。2名が専修大学に採用されることになりました。しかしまだ14名の教員が行く先も決まらないまま年を越こそうとしています。そのうち9名が教員組合の組合員です。小さな子供を何人も抱えた教員、一人だけの収入で生活をしている教員がほとんどなのです。
 12月には、裁判所に地位確認の仮処分申請を行います。本格的な法廷闘争に入らざるを得ません。
 私大法人における前代未聞の整理解雇、その乱脈を許すことは出来ません。北海道の皆様の引続くご支援を心からお願いします。
(山本 記)2011年12月

【関連ニュース】専修大道短大教員組合 http://island.geocities.jp/hokutan_union/index.html


専修道短大教員が仮処分申請、校舎・学生どうなる 地元困惑

■北海道新聞空知版(2012年2月4日朝刊)

専修道短大教員が仮処分申請 校舎、学生どうなる 地元困惑「問題整理早く」

 本年度末で閉校予定の専修大学北海道短期大学で教員処遇をめぐる学内対立の解決は司法の場に委ねられた。「解雇方針は不当」として4月以降の雇用を求める教授らに学校法人専修大学(東京)が歩み寄る気配は今のところない。閉校に伴う校舎の活用策も決まらず、地元は困惑している。

 専修大学道短大の教員8人は昨年12月、法人を相手取り、地位保全を求める仮処分を札幌地裁に申請、今月7日に1回審尋の後、地位保全を認めるかを裁判所が決定する。これまで法人は希望退職に応じない教員に3月末で解雇する考えを示しており、配置転換を求める教員側に歩み寄る姿勢を見せていない。教員側代理弁護士は「最終的には訴訟になるだろう」と説明する。

 こうした中、3月末に予定通り閉校できるかという問題も浮上している。短大側によると、2年生141人が在学しているが、現時点で本年度のすべての単位を取得しても卒業できない学生が数人いるという。2月上旬に判明する期末試験の結果次第では留年者が増える可能性がある。

 同校は文部科学省に提出した学生募集停止の報告書に「(学校は)在学生が卒業するのを待って廃止する」と明記しており、同省高等教育企画課も「学生がいる限り閉校できない」と話す。法人側は仮処分申請や閉校時期について、事実関係は裁判の中で明らかにする」と述べるにとどめている。

 大学側の事情で閉校後の校舎の活用方法の検討も進んでいない。市によると、昨年12月22日に高橋幹夫市長らが東京の法人本部を訪問。市議会など4者連名による短大施設の継続活用を求める要望書を提出した。法人の回答は「学生を卒業させることと、教員の処遇の問題を先にクリアしたい。跡地の検討は全く進んでいない」というものだったという。

 市は私有地を無償提供している同校校舎の活用方法を早期に決め、閉校による地域への影響を最小限にする考え。市幹部は「大学の考えが出てこないと何もできない。市民への説明責任もある」と困惑。藤井英昭副市長は「学内の問題を整理して、今後の活用策を早く前進させてほしい」と話している。

2012年02月03日

専修大学は、教員の使い捨てをやめ教育と雇用に対する社会的責任を果たせ!

北海道私立学校教職員組合(道私教組)
 ∟●組合ニュース(2012年2月3日)
 ∟●新聞記事(北海道新聞2012年2月3日付)

学校法人「専修大学」は人間を大切に!教員の使い捨てをやめ、教育と雇用に対する社会的責任を果たすべき!

 学校法人専修大学理事会(日高義博理事長、兼大学長)による一方的な募集停止・廃校の画策によって3月末に整理解雇を迫られている専修大学道短大(学校法人専修大学)の教職員8名(同短大教員組合の組合員)が12月末、解雇の禁止と四月以降の賃金保障を求める仮処分を札幌地裁に申し立てました。
 同法人は、専修大をはじめ全国展開の大規模私学です。経営困難等の問題はありません。しかし、短大の募集停止にあたっては「北海道短大の教員は現地採用である」との一方的主張に固執し、ごく一部の教員を一旦退職させた上で系列校に「雇い直す」形式の「優先公募」の実施以外、雇用確保策を何ら講じていません。基本的には全員が整理解雇です。一方で職員についてはほぼすべての希望者を同様の手法で学内で雇用先を確保しており差別しています。学校法人、教育機関にあるまじき事態が進行しているのです。
 この間の団体交渉は実質的に理事会の全権を掌握していると思われる富山尚徳専務理事(系列高校の理事長も務める)ら職員出身理事が総出で参列してきました。教員組合は一貫して教員職の確保、専修大学等への配置転換を要求。しかし、実質のない団交ばかり繰り返す理事側の姿勢はいっこうに変わらず時間ばかり経過してきました。そうこうする間に年度末が迫り、今回の提訴に踏み切ったものです。
 教員組合側の代理人である道合同法律事務所(道私大教連法律顧問)に対し、このほど法人側代理人(専修大学法科大学院直系の法律事務所など労務対策専門)から「答弁書」が届きました。法人側は昨年秋までの団交では「まだ解雇とは言っていない」(富山氏)などと解雇の明言を引き伸ばしていましたが、最近の交渉では繰り返し「契約解除」「解職手続きに入る」と言及。解職へ向けた手続きが開始されています。にもかかわらず答弁書では「少なくとも解雇の意思表示を行ったことはない」などと不可解な主張を行っています。呆れるより他ない内容ですが、法人側が全面対決する姿勢の証左です。教員組合は先に行われた臨時総会で年度末のスト権を全員一致で確立。万全の構えで2月中の団交開催要求を出し、次年度以降の留年生対応など最低限の社会的責任を果たす姿勢すら見せていない理事会の無責任をただし、当面の短大存続と教員の雇用継続を緊急かつ重要課題として粘り強く求めています。
 道内を含む全国各地の地方小規模大学・短大で撤退が相次いでいます。多くのケースでは閉校時、経営破綻でない限りは教職員の雇用を同一法人内で継続しています。それは労働組合の有無と無関係の、学校法人として極めて常識的かつ最低限の社会的責任です。大手私学の専修大学が強行しようとしている今回の全員解雇は前代未聞の事案であり、ここで歯止めをかけなければ他の私学法人での模倣・暴走を招きかねないものとして重大です。道私大教連として団体交渉の支援等を継続していますが、この事件は当該組合員の生活・権利擁護にとどまらず全ての私学教職員の権利をまもるたたかいであることを共通認識とし、長期化が見込まれる裁判闘争の支援体制構築などさらに強化する必要があります。
 仮処分訴訟の審尋は2月7日から札幌地裁で始まります。年度末までの決定をめざして争いが本格化します。
(書記長記)