全国
 カテゴリー (国)北海道教育大学

2019年12月28日

緊急アピール、「袁克勤・北海道教育大学教授の中国での安否について憂慮しています」

緊急アピール
■緊急アピールの署名サイトは,以下です。
アピール賛同署名サイト

緊急アピール

私たち研究仲間と友人一同は、袁克勤・北海道教育大学教授の中国での安否について憂慮しています

 わが国の人文・社会系の学界において戦後東アジア国際政治史研究の著名な学者の一人である袁克勤・北海道教育大学教授の安否について心配しています。袁教授は、2019年6月に親族のご不幸という事情により中国に一時帰国されましたが、それ以後、現地にて音信不通となっています。袁教授は、現在、高血圧による体調不良で中国にて療養中であるとの伝聞情報がありますが、すでに半年以上も連絡がとれない状態が続いております。

 在札幌中国総領事館、北海道教育大学など関係諸機関も袁教授の安否について調査などをされていると確信しますが、袁教授が現在、中国でどのような状況で暮らしておられるのか、教授の安否について確認できる情報をお持ちの方がおられましたら、なにとぞお知らせいただきたくお願い申し上げます。また研究仲間・友人一同、袁教授が一日も早く、日本に無事にお戻りになり、教壇に復帰されることを切に願っています。

2019年12月24日

袁克勤教授の研究仲間・友人を代表して
岩下明裕(北海道大学教授)
佐々木卓也(立教大学教授)
武田泉(北海道教育大学准教授)
池直美(北海道大学講師)

*このアピールはすべて個人的なものであり、いかなる組織や機関を代表するものではありません。また本件に関わる問い合わせ・照会につきましては、すべて岩下の方で対応しますので、よろしくお願いします。

問い合わせ先:岩下明裕 090-2873-3618 akotaro@msi.biglobe.ne.jp

*電話が通じない場合にはどうぞ留守番メッセージをお残しください。後ほどこちらから折り返します。

マスコミ報道
北海道教育大の中国人教授が音信不通に 5月に帰国後(朝日)
中国人教授、音信不通で声明 北海道教育大の同僚(共同通信)

2016年06月14日

オンブズマン北教大、旭川校教員の不当解雇についての申し入れ

オンブズマン北教大
 ∟●旭川教員の不当解雇について,申し入れを行いました(2016年4月17日)

旭川教員の不当解雇について,申し入れを行いました

 さる3月22日に、サテライトにおいて、佐藤共同代表と、姉崎共同代表が、蛇穴学長と面談を行い、大学オンブズマン?北海道教育大学の設立の趣旨を説明しました。
 北海道教育大学の3教員の解雇の問題で、最高裁で上告棄却が確定したにもかかわらず、完全職場復帰ができていない現状について、早期の解決を行うように申し入れを行いました。(申し入れ文書は次ページ参照)
 現在すでに重大なコンプライアンス違反の状態にあることを指摘しています。
 蛇穴学長は、できるだけ早期に解決したいとのことでしたが、我々は,これからも注視していきます。

〔経緯〕
 
*平成21年2月  3教員を諭旨解雇の懲戒処分。理由は、平成18年?20年、学生に対して,アイヌ語研究等の自己の研究に利用する目的で,過大な課題を強制するなどし,この問題に対する大学の調査にも応じなかったというもの。
*平成21年3月  退職に応じないため,懲戒解雇。
*平成22年11月 札幌地裁判決。大学側 敗訴。 → 大学側は評議会にはからずに高裁に控訴し,評議会には事後報告を行った。
*平成24年3月 札幌高裁判決。大学側 敗訴。 → 評議会、および各校教授会で控訴への懸念が表明されたが、学長は反対意見を押し切って、自ら「学長一任」と決定し,最高裁に控訴。
*平成26年2月 最高裁上告棄却。3教員の解雇無効が確定。
*平成26年6月 教育研究評議会で議題となり,学長が、「自らの行為に対する反省がなければ、大学教員としての復帰を認めない」として、3教員に反省文を求めることになった。
*平成26年7月 教育研究評議会で、3教員の提出文書について議論を行ない、学長から、反省が不十分として再度提出させる方向が示されるとともに、教員側から交渉の非公開の要望があったとして、以後の評議会で議題にされなくなる。
*平成27年 3教員のうち1名と和解し、同教員は辞職。2教員については、教育?管理運営への復職が認められておらず、今日に至る。

申し入れ書

2016年3月22日

大学オンブズマン・北教大
共同代表 姉 崎 洋 一
共同代表 佐 藤 博 文

1.貴大学は、2006(平成18)年から2008(平成20)年にかけ、旭川キャンパスの教員3名が学生にアカデミック・ハラスメント(以下「アカハラ」と言います)を行ない、大学側の調査に応じなかったとして、諭旨解雇としました。これに対し、3教員が解雇の無効を求めて裁判を起こし、2010(平成22)年11月の札幌地裁判決、2012(平成24)年の札幌高裁判決はいずれも解雇を無効としました。貴大学は最高裁に上告しましたが、2014(平成26)年2月20日、上告棄却の判決が下され、3教員の解雇無効が確定しました。
 ところが、2教員(1名は辞職)について、雇用上の地位の回復こそ認めたものの、今日に至るまで教育(授業の担当など)と管理運営(会議の出席など)への参加を認めておらず、完全に復職するには至っていません。これは異常というほかありません。
 
2.貴大学は、判決確定を受けて3教員との間で解決するにあたり、反省文の提出を求めました。それに対して提出された反省文が、3人とも自書したものでなく同一文章であるということを理由に、「反省しているとは思えない」として、貴大学が納得できるものが提出されるまで全面的な復職は認めないとされています。
 しかし、解雇無効の確定は、解雇が初めから無かったことを意味しますから、必然的に解雇時の状態に無条件で復帰させねばなりません。仮に、解雇後に既成事実が積み重ねられ、即時の復職に支障か生じているのであれば、それは貴大学の責任で除去・改善しなければならず、いやしくも被解雇者にその責任や負担を転嫁することは許されません。
 しかるに、貴大学の対応は、下記3、4に述べるように違法・不当であり、かえって問題解決を難しくしていると言わざるをえません。

3.近代市民社会の個人意思尊重の基本理念より、本人の自由な意思に基づくことなく、強制的に謝罪文の提出を求めることはできません。憲法第19条が保障する思想・良心の自由に反するからです。ましてや、貴大学が納得する謝罪文を提出するまで全面的な復職は認めないという、不利益処遇と引き換えにするやり方は許されるものでありません。
 また、就業規則に懲戒処分手続として「始末書」の提出を求めることを定めることがありますが、貴大学にかような規定はありません。従って、反省文提出は、雇用契約上根拠のないことを要求していることになります。
裁判例をみますと、「労働者の義務は労働提供業務に尽き、労働者は何ら使用者から身分的支配を受けるものでなく、個人の意思の自由は最大限に尊重されるべきであることを勘案すると、始末書の提出命令を拒否したことを理由に、これを業務上の指示命令違反として更に新たな懲戒処分をなすことは許されない」(豊橋木工事件:名古屋地判 昭和48年3月14日)とされています。「始末書」を「反省文」に、「懲戒処分」を「不利益」と置き換えれば、今回の事案にそのまま当てはまります。

4.解雇無効の判決が確定したならば、判決に従って直ちに復職させなければなりませんが、もし判決に従わず、「賃金は支払うが仕事はさせない」とした場合はどうなるでしょうか。
 言うまでもなく、判決の履行は、法人の業務執行行為にほかなりません。従って、法人役員がその業務執行責任を果たさないということは、法人に対する善管注意義務・忠実義務に違反していることになります。働かせるべき人を働かせないで賃金だけ支払うことは、その賃金相当額について法人に損害を与えていることになります。
これには有名な裁判例があります。渡島信用金庫会員代表訴訟判決(札幌高裁平成16年9月29日判決・平成14年2月12日上告棄却)は、違法解雇した職員に対して、仮処分・本訴訟等の敗訴により賃金は支払っていたものの職場復帰を認めなかった事案において、法人代表者2名に対して、被解雇者の賃金相当分(約3100万円)の損害を法人に与えたとして、賠償を命じたのです。「判決に従う」という法治国家として当然のことを、雇用関係におけるコンプライアンス遵守の問題として、役員の責任を認めたのです。
 貴大学における法人役員は、学長、理事、監事であり、同人らのコンプライアンス違反は、貴大学に対する善管注意義務・忠実義務違反として個人責任まで問われる重大な問題であります。

5.以上のとおり、私たちは、貴大学が、上記の指摘を真摯に検討され、判決の確定から2年を超えたという異状事態に対して、法に基づき速やかに解決することを強く申し入れます。
 また、本問題の解決を機に、貴大学が雇用関係全般にコンプライアンスを貫くことを強く求めるものです。

以上


(ニュースレターNo.2より)

2016年05月21日

大学オンブズマン北教大、旭川教員の不当解雇について申入書を提出

大学オンブズマン北教大
 ∟●旭川教員の不当解雇について,申し入れを行いました

申し入れ書

2016年3月22日

大学オンブズマン・北教大
共同代表 姉 崎 洋 一
共同代表 佐 藤 博 文

1.貴大学は、2006(平成18)年から2008(平成20)年にかけ、旭川キャンパスの教員3名が学生にアカデミック・ハラスメント(以下「アカハラ」と言います)を行ない、大学側の調査に応じなかったとして、諭旨解雇としました。これに対し、3教員が解雇の無効を求めて裁判を起こし、2010(平成22)年11月の札幌地裁判決、2012(平成24)年の札幌高裁判決はいずれも解雇を無効としました。貴大学は最高裁に上告しましたが、2014(平成26)年2月20日、上告棄却の判決が下され、3教員の解雇無効が確定しました。
 ところが、2教員(1名は辞職)について、雇用上の地位の回復こそ認めたものの、今日に至るまで教育(授業の担当など)と管理運営(会議の出席など)への参加を認めておらず、完全に復職するには至っていません。これは異常というほかありません。
 
2.貴大学は、判決確定を受けて3教員との間で解決するにあたり、反省文の提出を求めました。それに対して提出された反省文が、3人とも自書したものでなく同一文章であるということを理由に、「反省しているとは思えない」として、貴大学が納得できるものが提出されるまで全面的な復職は認めないとされています。
 しかし、解雇無効の確定は、解雇が初めから無かったことを意味しますから、必然的に解雇時の状態に無条件で復帰させねばなりません。仮に、解雇後に既成事実が積み重ねられ、即時の復職に支障か生じているのであれば、それは貴大学の責任で除去・改善しなければならず、いやしくも被解雇者にその責任や負担を転嫁することは許されません。
 しかるに、貴大学の対応は、下記3、4に述べるように違法・不当であり、かえって問題解決を難しくしていると言わざるをえません。

3.近代市民社会の個人意思尊重の基本理念より、本人の自由な意思に基づくことなく、強制的に謝罪文の提出を求めることはできません。憲法第19条が保障する思想・良心の自由に反するからです。ましてや、貴大学が納得する謝罪文を提出するまで全面的な復職は認めないという、不利益処遇と引き換えにするやり方は許されるものでありません。
 また、就業規則に懲戒処分手続として「始末書」の提出を求めることを定めることがありますが、貴大学にかような規定はありません。従って、反省文提出は、雇用契約上根拠のないことを要求していることになります。
裁判例をみますと、「労働者の義務は労働提供業務に尽き、労働者は何ら使用者から身分的支配を受けるものでなく、個人の意思の自由は最大限に尊重されるべきであることを勘案すると、始末書の提出命令を拒否したことを理由に、これを業務上の指示命令違反として更に新たな懲戒処分をなすことは許されない」(豊橋木工事件:名古屋地判 昭和48年3月14日)とされています。「始末書」を「反省文」に、「懲戒処分」を「不利益」と置き換えれば、今回の事案にそのまま当てはまります。

4.解雇無効の判決が確定したならば、判決に従って直ちに復職させなければなりませんが、もし判決に従わず、「賃金は支払うが仕事はさせない」とした場合はどうなるでしょうか。
 言うまでもなく、判決の履行は、法人の業務執行行為にほかなりません。従って、法人役員がその業務執行責任を果たさないということは、法人に対する善管注意義務・忠実義務に違反していることになります。働かせるべき人を働かせないで賃金だけ支払うことは、その賃金相当額について法人に損害を与えていることになります。
これには有名な裁判例があります。渡島信用金庫会員代表訴訟判決(札幌高裁平成16年9月29日判決・平成14年2月12日上告棄却)は、違法解雇した職員に対して、仮処分・本訴訟等の敗訴により賃金は支払っていたものの職場復帰を認めなかった事案において、法人代表者2名に対して、被解雇者の賃金相当分(約3100万円)の損害を法人に与えたとして、賠償を命じたのです。「判決に従う」という法治国家として当然のことを、雇用関係におけるコンプライアンス遵守の問題として、役員の責任を認めたのです。
 貴大学における法人役員は、学長、理事、監事であり、同人らのコンプライアンス違反は、貴大学に対する善管注意義務・忠実義務違反として個人責任まで問われる重大な問題であります。

5.以上のとおり、私たちは、貴大学が、上記の指摘を真摯に検討され、判決の確定から2年を超えたという異状事態に対して、法に基づき速やかに解決することを強く申し入れます。
 また、本問題の解決を機に、貴大学が雇用関係全般にコンプライアンスを貫くことを強く求めるものです。

以上


2015年12月22日

北海道教育大にオンブズマン 弁護士ら運営を監視

道新(12/20)

 道内の弁護士や大学教員有志ら6人が21日、北海道教育大の大学運営を監視し、改善の勧告や提言を行う市民団体「大学オンブズマン・北教大」を立ち上げる。全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋)によると、一つの大学を対象にしたオンブズマン組織は全国的に珍しいという。

 メンバーは札幌弁護士会所属の佐藤博文弁護士や北大大学院の姉崎洋一特任教授、公認会計士、元道教大教員ら。21日に記者会見し、正式発表する。

 道教大では011年の学長選で学外委員や理事らによる選考会議が、教職員投票(意向投票)で次点だった現職学長(当時)の続投を決め、落選した教授らが取り消しを求めて提訴。裁判は敗訴が確定し、昨年10月に教職員投票が廃止された。今年5月に同大付属札幌小中学校教員の賃金未払いが発覚し、労働基準監督署から是正勧告を受けた。


2015年07月17日

北海道教育大、時間外の過少申告指示か 付属小中学校が教員にメール

道新(07/16)

 北海道教育大(札幌市北区)が同大付属札幌小中学校(同)の教員に時間外労働の割増賃金を払っていなかった問題で、同大による労働時間調査の際、小中学校の管理職が教員に対し、実際の労働時間より少なく申告するよう指示していたことが15日、学校関係者への取材で分かった。学校側は「過少申告させる意図はなかった」としている。

 同大は5月28日付で札幌中央労働基準監督署の是正勧告を受け、教員45人の過去半年間の労働時間を調べ、割増賃金の未払い分を払うよう指導された。

 学校関係者によると、同大は5月29日、教員に労働時間の記録票を提出するよう指示。教員は職場のパソコンを使った時間などを基に記録票を作ったが、その際に小中学校の管理職から時間外労働を少なく記入するよう口頭や電子メールで指示があったという。

 北海道新聞が入手した管理職から教員に宛てたメールには、「申告した時間だと残業手当が多額になる。もう一度検討してほしい」という趣旨の文章が書かれていた。ある教員は「大学の予算が圧迫されることを理由に、『ほかの先生はこのくらいに調整している』と過少申告を促された教員もいる。不誠実な対応だ」と非難する。


北海道教育大、労使協定結ばず 労基署が是正勧告

日経(2015/7/16)

 札幌市北区の北海道教育大が、付属札幌小中学校の教員と労使協定を結ばず、札幌中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが16日、分かった。労基署は過去半年の時間外労働を調べ、未払いの割増賃金を支払うよう指導しており、大学が調査している。

 大学によると、是正勧告は5月。2004年度に国立大学法人化した際、労使協定を結ぶことが義務付けられたのに締結せず、時間外労働の割増賃金が払われていなかった。法人化後も、国公立校の教職員の残業代に相当する「教職調整額」が支払われていた。

 北海道教育大は幼稚園や特別支援学校を含めて11ある付属校全てで労使協定を結んでおらず、「認識不足だった」と説明。今月7日に協定を締結したという。〔共同〕


2015年07月16日

北海道教育大、割増賃金未払い 付属校教員と協定なく

道新(07/15)

 北海道教育大(札幌市北区)が、運営する付属札幌小中学校(同)の教員と時間外勤務などを定めた労使協定を結ばず、割増賃金を払っていなかったとして、札幌中央労働基準監督署から 是正勧告 を受けていたことが14日、同大や付属学校への取材で分かった。大学の2004年度の国立大学法人化に伴い、労使協定を結ぶなどの措置が義務づけられたが、認識不足で行っていなかった。

 同大などによると、労基署が5月20日に両校に立ち入り調査を行い、同28日付で是正勧告した。労基署は過去半年間の教員45人の時間外労働を調べ、割増賃金の未払い分を支払うよう指導。同大は調査した上で、応じる方針だ。

 付属札幌小中学校の教員は同大の法人化に伴い、公務員から団体職員に身分が変わった。公務員時代は、労働基準法における時間外労働の割増賃金の規定が適用されず、代わりに給与の4%が「教職調整額」として支給されていた。

 団体職員では労基法が適用される。労使協定を結び、割増賃金を払うことが義務づけられたが、同大は勤務内容にほとんど変更がないことから協定を結ばず、教職調整額しか支払っていなかったという。

 勧告を受け、今月7日に同大と教員側が時間外勤務などに関する協定を締結した。

 同大の石川博美総務部長は「人事交流で公立学校から赴任する教員が多く、公務員時代の給与の仕組みをそのままにしていた」と認識不足を認めた上で、「今後は労働時間を適正に管理したい」としている。

北海道道教育大に労基署が是正勧告

■NHK(07月15日)

北海道教育大学が、札幌市にある付属の小中学校の教員の残業代などを適切に支払っていないとして労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかりました。
大学は勧告を受け入れるとともに、ほかの9つの付属校についても勤務状況などを調査することにしています。
北海道教育大学によりますと、ことし5月、札幌中央労働基準監督署の立ち入り調査を受けた際、札幌市にある付属の小学校と中学校の教員45人について時間外勤務などを定めた労使協定を結んでいないと指摘されたということです。
そのうえで労働基準監督署は、大学に対し、ことし5月までの半年間の教員の残業代などを調査し、未払い分を支払うよう是正勧告を出しました。
この労使協定は国立大学の法人化に伴って義務づけられたものですが、北海道教育大学では、「付属校の場合、ほとんどの教員が公立の学校から来ているため、誤って協定を結んでいなかった」としています。
大学は、今月になって労使協定を結んだほか、今後、未払い分を調査して支払う方針です。
また、ほかに9つある付属の小学校や中学校などの教員およそ140人についても勤務状況などを調べることにしています。


2015年03月20日

北海道教育大学の教職員を支援する弁護団声明、「「裏口入学」の学長が、教授会の廃止までやるのか!」

■北海道教育大学の教職員を支援する弁護団
 ∟●声明「「裏口入学」の学長が、教授会の廃止までやるのか!」
 ∟●新聞記事

「裏口入学」の学長が、教授会の廃止までやるのか!

今、北海道教育大学で起きている、教育研究者の人権侵害と大学の自治破壊の
異常さを、北海道の未来は教育とともにあると考える全ての道民に訴えます

2015年3月18日
北海道教育大学の教職員を支援する弁護団

北海道教育大学は、本間学長のもとで何が起きてきたのか

 北海道教育大学の本間謙二現学長は、平成19年に就任したが、4年後の平成23年改選時には、現職にもかかわらず教職員による意向投票で対立候補に大敗したにもかかわらず(208対250)、自ら任命した委員が過半数を占める学長選考会議でそれを覆して、再選を果たした。
 「再選」後の任期は2年だが、平成25年の再再選時には、学長選考会議に「特に必要と認める場合」という例外規定を適用させ、意向投票を回避して「再々任」された。
  
 「再々任」の2年間の昨年10月、学長選考会議は意向投票を廃止した。言うまでもなく、教職員が大学運営に直接参加できる意向投票は、憲法23条で保障された学問の自由、大学の自治を体現するものである。2004年の大学法人化まで、教育・学問の自由に対する脅威は監督権を行使する文科省が第一だったが、法人化後は、「大学の自主・自律」の名の下に学長に強力な権限が集中し、学内権力もこれに加わることになった。
 こうして、教育大学は、企業の指揮命令関係と変わらない状況に変質し始めた。

この3月、さらに、教授会を実質的になくし、5キャンパスの長を学長任命へ
 
 本間学長は、今年1月29日付の「本学のガバナンス改革(案)」(以下「ガバナンス案」という)を発表した。その内容は多岐にわたるが、驚くのは、現在のキャンパス毎の教授会ないしは教授会機能を実質的に廃止するという内容である。
 まず、現在、5キャンパス(札幌、函館、旭川、釧路、岩見沢)に教授会があるが、これを廃止し、各教授会ごとに推薦され,それに基づいて学長が任命しているキャンパス長(副学長)を学長が自ら指名できる任命制に変えるという。
 そして、全学1つの「学部教授会」と大学院所属教員による「研究科教授会」の2つに統合しつつ、さらに、教授会構成員から1人に人数を絞り込んだ代議員による代議員会に代替できる仕組みにする。
 本間学長は、この案を僅か2か月で、この3月末までに成立させると言っている。
  
大学の自治を、本当に根こそぎ無くしてしまう

 北海道教育大学の教授会は、なぜ5キャンパスごとだったかといえば、本州とは異なる北海道の広大さと地域性にある。各キャンパス教授会が、各地域の拠点として、義務教育制教員の養成と地方赴任、生涯教育を含む地域人材養成、地域文化への寄与は計り知れない。
 各キャンパスの教授会の構成員には准教授、講師も含まれるが、全学1つとなれば教授に限られる。今回の改正法では、その教授でさえ、さらに人数を絞り込んだ「代議員会」に替えられるという。これは、実質的に教授会の解体にほかならない。
 教授会の職務は、本来、広く教育研究に関する事項を審議・決定することであり、教育課程に関することや学生の試験、留学など、あらゆる問題に関わる。それ故に、教員、学生のことをよく知る教育職員で構成されることが最も適切なことはいうまでもない。本間学長のガバナンス案によれば、全学1つの教授会は、審議の対象となっている教員や学生のことを知らないままに議題を消化することになり、形骸化は必至である。
 ちなみに、大阪教育大学は3教授会、東京学芸大学は4教授会が、単一学部の課程、学科等の別で置かれている。地理的にも内容的にも特長がある、5つのキャンパスをもち、それぞれが機能単位となっている北海道教育大学が、それぞれ教授会を持つことは自然であり、ガバナンス案は異質というほかない。

いま、教員は、教育者・研究者としての自由と良心を踏みにじられている

 本間学長のかつて所属していた旭川校で、最初の任期中に起きた、旭川校3名のアカハラ事件で、大学は最高裁まで争ったものの昨年2月敗訴が確定したのに、未だに復職解決をしていない。
 本間学長が平成23年学長選挙の意向投票の相手方候補の退職にあたり、その名誉教授称号授与関する審議で、本間学長になってから今まで行なったことがない投票に付し、多数に頼んで否決した。
 教職員大学院長の「一身上の都合」を理由とする辞任が、昨年9月に突然発表された。これは、同院長の研究者としての知見に基づいた新聞記事インタビュ-を、本間学長が問題視し、辞職の止むなきに追い込まれたと言われている。
 多様な価値観の存在とその切磋琢磨、違う意見や立場への敬意と尊重のないところに、真の教育は生まれない。
 いま、北海道教育大学は、本間学長の下で、自由と自治の深刻な危機にある。それは、北海道の教育の未来、教員養成の危機でもある。

5キャンパスの教授会をなくす、長を学長任命制にすることに反対し、教員
養成大学であるからこそ自由で民主的な運営を、という声を上げて下さい。

 私たち弁護団は、平成23年の北海道教育大学学長選挙無効確認訴訟の弁護団及び「道内の大学シンポジウム」(平成25年、26年開催)実行委員会を担当した弁護士である。私たちは、今、北海道教育大学で起きていることは、憲法違反の重大な人権侵害、自由と民主主義の侵害であり、問題の深刻さを広く道民に訴えることが必要だと考えた。大学や教育現場において自由が奪われていく過程は、人権抑圧と戦争への道、貧困と格差への暗い社会への道にほかならない。

 道民の皆さん 教育関係者の皆さん、どうか北海道教育大学で起きていることを知って下さい。そして、学長に批判と抗議の声を集中して下さい。頑張っている教職員の皆さんを応援して下さい。


2015年01月13日

北洋銀頭取が学長選に口出し疑惑の道教大

My News Japan(2015.01.13)

 国立大学(独立大学法人)の学長選びに大企業の幹部が介入している――という話を耳にし、遅まきながら驚いたのは昨年暮れ、札幌を訪ねたときのことであった。北海道教育大の学長選挙をめぐる騒動である。
 ことの経緯は、およそ次のとおりである。

 2011年春、当時北海道教育大の学長だった本間謙二氏は、4年の任期をまもなく終えようとしていた。だれもが本間氏の退任を信じて疑わなかったところ、次期学長にも立候補すると言い出し、職員らを驚かせた。

 北海道教育大の規則によれば、4年の任期がすぎた学長の再任は1回限り、任期は2年だ。そして再任の場合は、教職員による意向を確認する投票をしなければならない。むろん、学長の権力乱用を防ぐための仕組みである。

 本間学長は再任を希望して立候補し、対抗馬として神田房行教授も立候補した。やがて意向投票が行われ、開票された。結果は、本間候補208票、神田候補250票。神田氏の圧勝だった。投票結果にしたがって神田教授が新学長になったのであれば、なんら問題はなかった。

 ところが、次に起きた事態に、学内は大騒ぎとなる。投票の結果を無視して「学長選考会議」に事実上一任するとの決断を本間学長がしたのだ。自ら選んだ委員で大方を占める「会議」に誰が次期学長になるべきかを決めさせる、というわけだ。「やらせ」といわれてもおかしくないだろう。

 そもそも学内の規則によれば、再任の場合は意向投票をやらなければならない、とある。それなのに、どうして投票結果を無視して「学長選考会議」に一任できるのか。奇妙な話だが、そのからくりが、2007年の規則変更にあった。

 「学長選考会議は、特に必要と認める場合、教育研究評議会の意見を聴取の上、さらに2年に限り再任させることができる」

 そういう内容の規定が増設されていたのだ。本間氏はこれを使い、次期学長の選考を学長選考会議にさせた。なぜ意向投票を無視する必要があるのか、理由の説明はなかった。

◇ 学長お好みの「学長選考会議」という茶番

 学長選考会議の結論は、火を見るより明らかだった。選挙結果を一顧だにせずに本間氏を学長に選んだ。選考理由も説明しないという密室ぶりだった。

 さらに2年後の2013年、本間学長は3度目の学長選に立候補した。やはり同様に「学長選考会議」の密室で再々任を決めた。現在8年目になる長期政権を手にした本間氏は、現在、意向投票そのものの廃止を画策しているという。

 権力への執着、そして民意を平気で無視するやり方は、まるでいまの安倍政権のミニチュアを見るようである。だが問題の本質は、本間氏個人というよりも、本間氏を支える者たちにあるだろう。

 北海道教育大の学長選考委員は16人。民間人は7人。問題の学長選挙があった2011年当時、この7委員のなかで特に力を持っているとみられるのが、高向厳氏だ。北洋銀行の代表取締役会長である。北洋銀行の大株主は北海道電力で4・47%の株を保有。いうまでもなく、北海道電力は、泊原発を抱える原発企業だ。

 学長選考会議だけではない。その後、北洋銀行は北海道教育大の役員にも食い込んだ。最新の役員名簿をたしかめたところ、中尾進・元常務取締役(現交洋不動産相談役)が同大学の監事になっていた。

 北海道電力を大株主に持つ銀行が北海道教育大の運営を担う。学長選びにも介入する。こんなことでは、原発政策に批判的な研究など、できっこないではないか。そのような危惧を筆者は持った。


2014年12月05日

北海道教育大、「意向投票」存続求め元副学長ら要望書

■北海道新聞(2014/12/04)

「意向投票」存続求め元副学長ら要望書 道教大学長選考会議に

 次期学長選考から教職員による「意向投票」の廃止を決めた北海道教育大の学長選考会議に対し、副学長経験者ら道教大の退職教員8人が連名で3日、投票存続を求める要望書を提出した。

 要望書の中で、意向投票は「大学の自治の核心の一つ」とし、制度廃止で「学問研究の発展や地域社会への貢献に否定的な影響が生じかねない」と指摘。民主的な大学運営のため、制度を残すよう要請した。

 意向投票廃止をめぐり、同大では教授51人も10月、制度存続を求める要請文を提出するなど反発が根強い。

 本間謙二・現学長は3期目で任期は来年9月末まで。同大によると、次期選考では意向投票を廃止する代わり、学長候補者について教職員からメールで意見を聴く制度などを設ける。

 国立大学法人の学長選考は、学外有識者も含めた学長選考会議が選んだ学長候補者を文部科学相が任命する。多くの国立大学法人は教職員による意向投票を実施し、学長選考会議がその結果を尊重して学長候補者としている。


2014年11月04日

北海道教育大学、学長の選考 自治揺るがす投票廃止

北海道新聞社説(11/03)

学長の選考 自治揺るがす投票廃止

 「大学の自治」が空洞化しかねない。

 学長を決めるに当たって、教職員投票を廃止する国立大学が出てきた。道内でも北海道教育大が初めて投票をやめる。これで全国86校中5校になる。

 経済界の重鎮や学内外の有識者などで構成される学長選考会議が選考を一手に握る形になる。

 法律上、問題はない。しかし、ほとんどの教職員がタッチできない密室でリーダーが決まれば、学内に閉塞(へいそく)感が募らないだろうか。

 経営手腕や対外交渉力ばかりが優先されれば、すぐには成果が出せそうにない基礎研究や教員の地位保全が脇に追いやられかねない。道教大には再考を求めたい。

 教職員による投票は2004年の国立大学法人化前はほとんどの大学で行われ、最多得票の候補者が学長に選ばれてきた。

 法人化後は、学長を最終的に決めて文部科学相に推挙するのは学長選考会議と明確化され、教職員による投票は必ずしも行わなくてもよくなった。

 だからといって、一気呵成(かせい)に廃止してよいものか。大学は自治が保障されることによって、学問と教育の自由が守られてきた。

 法人化から10年を経てなお、ほとんどの大学が学内投票を行い、その結果を尊重しているのは、教職員が自ら意思を示す投票行為が自治を下支えしているからだ。

 今年、大学当局が投票廃止に動いた京大で、教職員が大学の自治を掲げて反発し、廃止を阻止したことは記憶に新しい。

 逆に、07年の山形大学長選考では、投票2位の文科事務次官経験者が非公開の選考会議で選ばれ、就任後に選考会議で投票廃止を決めて学内の批判を浴びた。

 国立大学に国際競争力や産学協同の開発力がますます求められるようになり、学長に経営手腕や外に開かれた視野が必要とされるようになったのは確かだ。

 しかし、大学は利潤や業績を優先する企業とは異なる基本理念で運営されなくてはならない。

 そうでなくては、成果主義や効率一辺倒になって、基礎科学や実現に長い時間がかかる研究、社会のあり方を問う文系の学問がますます切り捨てられかねない。

 学問を守り発展させるためにも、大学の学長には幅広い見識と教員や研究を大事にする内面を備えた人物が就くべきだ。

 そうした学長を決める場が「密室」の選考会議だけでいいわけがない。


2014年10月27日

北海道教育大学教授51名、学長選考委員に対し「学長選挙における意向投票制度の存続」を要請

2014年10月6日

学長選考会議委員 各位

学長選考において、構成員の意志を直接・明確に知ることのできる
意向投票制度の存続を望みます。

 国立大学法人法の成立時の議論及び二回に渡る国会両院の附帯決議においても,憲法の保障する「学問の自由」と「大学の自治」を踏まえることが要請されています。また同法の条文においても高等教育機関の特性を尊重した大学運営を求めています。
 「大学の自治」の本質は,構成員の十分な議論の上に大学の運営をすすめることです。憲法・国立大学法人法によりふさわしい運営をするためにも,学長選考における意向投票の存続を望みます。

教授51名(名前は省略)


以上 (北海道教育大学 教授)

北海道教育大、学長選考密室の決定 大学自治を破壊する

北海道新聞(2014/10/26)

密室の決定「自治脅かす」、道教大・学長選の教職員投票廃止 強まる学長色、根強い反発

 北海道教育大の学長選考会議が決めた、学長を選ぶ際の教職員による「意向投票」の廃止をめぐり、同大教職員の間には「大学の自治を脅かすものだ」との反発が根強い。同会議は非公開で開かれ、教職員の傍聴も認められていない。27日に開く同会議で関連規約の変更が行われる予定だが、大学の重大事を決める議論が「密室」で行われることへの不満が強い。

 関係者によると、道教大の意向投票は教員や係長以上の職員ら約500人が投票権を持つ。廃止を決めた6日の学長選考会議では開会に先立ち、教授51人が連名で制度の存続を求める要請文を提出。「大学を構成する教職員の論議の上で運営するのが『大学の自治』の本質」と、廃止反対を訴えた。しかし会議では学外委員を中心に「選考会議が主体的に選ぶべきだ」との議論が行われ、投票存続の主張は多数決で退けられた。 

■学問の自由は

 国立大学の学長選考は、国家権力など学外の干渉を受けずに教育・研究を行う「学問の自由」を保障するため、学内の教職員による投票で選ぶ形が続けられてきた。2004年の国立大学法人化で、学外有識者も含めた学長選考会議が選ぶ形に改められたが、多くの国立大学法人は「意向投票」という形で教職員による投票を続けてきた。

 ある教員は「投票という民主主義のプロセスを踏んでこそ、学長は、学内で支持され信頼される存在になる」と主張する。

■次点でも再任

 ただ、道教大はこれまでも意向投票結果と異なる学長が選ばれた経緯がある。11年の学長選で選考会議は、意向投票で2位にとどまった本間謙二学長を「意向投票の結果や、立候補者との面接などを踏まえた」として再任。05年と13年には投票そのものを行わずに学長を再々任した。複数の教員が「就任に至った経緯や選考の理由の説明を受けていない」と憤りを語る。

 選考会議に本間学長は入っていないが、投票廃止には学長サイドの考えが大きく働いたもようだ。会議の構成メンバーは弁護士など学外7人、教員7人、理事2人の計16人で、教員を除く9人は事実上、学長が指名できる。関係者は「投票結果と違う学長を選んで混乱するくらいなら、投票そのものを廃止した方が、しこりが残らない」と解説する。

 学長選考の過程は非公開で進められ、議論の中身は教職員すら知らされていない。取材に対しても同大は「一切答えられない」と繰り返す。

 北大大学院教育学研究院の姉崎洋一特任教授(高等継続教育)は「意向投票の廃止方針を非公開で議論することがそもそも問題。開かれた大学づくりや対話型民主主義を実現させるため、意向投票は存続させるべきだ」と指摘している。


2014年10月23日

北海道教育大、学長選の教職員投票廃止 国立大で道内初

道新(2014/10/22)

 北海道教育大(本間謙二学長)が、学長選考の際に行ってきた教職員による「意向投票」について、次期選考から廃止を決めたことが21日、分かった。文部科学省によると、投票などによる教職員の意向聴取を取りやめたのは、全国の86国立大学法人のうち東北大など5法人あるが、道内では初めて。 

 道教大は、意向投票を行ってきた学長選考会議が6日に存廃について審議。関係者によると、教員から「廃止は大学の自治を脅かす」との意見が出たが、「学長選考会議の責任と権限の下で主体的に選考することが重要」との意見が大勢で、多数決により廃止を決めたという。近く開く同会議で、関連規約を改める。

  学長の選考 は、2004年の国立大学法人化で、学外有識者も含めた学長選考会議が選んだ候補者を文部科学相が任命するようになった。多くの国立大学法人は、国立大学当時から行われていた教職員による投票を引き継ぐ形で意向投票を実施。学長選考会議は、その結果を尊重し、学長候補者とするケースが多い。

 道教大の学長選考会議は、11年の学長選で、再任を目指した本間氏は意向投票で次点だったが、候補者に選んだ。1位だった教授がこれを不服として、本間氏の学長任命取り消しなどを求めて提訴したが、札幌地裁に続き同高裁でも今年2月に訴えを退けられ、敗訴が確定した。13年は、再々任の場合は意向投票を実施せずに続投できるという同大の規約に基づき、本間氏が選ばれた。

 道教大の学長は3期まで務めることができ、任期は1期目が4年で、2、3期目は各2年。本間氏の任期は、来年9月末まで。

   ◇

 学長の選考 国立大学の学長は教職員による投票で決められていたが、2004年の国立大学法人化に伴い、学内に設置した学長選考会議が候補者を選考し、文部科学相が任命すると国立大学法人法で規定された。学長選考会議のメンバーは、副学長ら「教育研究評議会」委員、経営課題を審議する学外からの「経営協議会」委員で構成され、独自に事務局長らの理事などを加えることもできる。大半の国立大学法人は、候補者選考の参考にするため、学長選考会議が教職員を対象に意向投票などを実施している。


2014年07月28日

北海道教育大学当局のこの驚くべき人権侵害、「反省がなければ大学教員としての復帰を認めない」

北海道教育大学
 ∟●平成26年度第3回教育研究評議会議事要旨

 札幌高裁が大学側の「解雇権濫用」を判示し,2014年2月20日最高裁の上告棄却により解雇無効が確定した旭川校アカハラ事案に関し,2014年6月26日,北海道教育大学教育研究評議会は,3教員が「自らの行為に対する反省がなければ、大学教員としての復帰を認めない」という驚くべき対応を「全会一致」で決めた。
 こうした人権侵害は,この大学の体質を際立たせている。反省し謝罪すべきは3教員の名誉を毀損し,何年もの間教育研究の自由の剥奪した大学当局ではないか!。 このような人権無視,非常識な大学が,北海道の教員養成を担っていてよいのか。

 同大学の教育研究評議会のメンバーはこの通り

平成26年度第3回教育研究評議会議事要旨

日 時 平成26年6月26日(木) 10時30分開会
12時07分閉会
場 所 事務局第1、2会議室
欠席者 なし

○ 議題等

……(中略)……

2 旭川校アカハラ事案の対応について

資料3-1、3-2(回収資料)に基づき、前回の教育研究評議会での意見を踏まえ、3教員の対応について、次の3点、①反省がなければ復帰を認めないこと、②反省の有無については、教育研究評議会が判断すること、③再度、懲戒処分等を検討すること、等について審議を行った。審議の結果、3教員に対する当面の方針として、次の事項を全会一致で承認した。
1.自らの行為に対する反省がなければ、大学教員としての復帰を認めない。
(1)学生及び大学に対する謝罪を求める。
(2)二度とアカデミック・ハラスメントをしないことの誓約を求める。
(3)本学職員就業規則等を遵守することの誓約を求める。
2.反省の内容及び有無については、教育研究評議会として慎重に判断する。

…以下略……

2014年04月22日

北海道新聞による「北海道教育大学旭川校不当解雇事件」の寸評

■北海道新聞(2014年4月21日)

記者の視点
旭川報道部 田辺恵

基準明示対策の第一歩

 アカデミック・ハラスメント(アカハラ)を理由に解雇された道教大旭川校昨准教授3人による解雇無効の訴えが2月、最高裁に認められた。5年にわたる裁判は准教授らの勝訴に終わったが、確定判決ではアカハラと『研究指導』との線引きの微妙さは残った。大学などでアカハラ問題を尽つ際は、専門家が加わる調査体制と、具体的な定義づけが求められる。

アカデミック・ハラスメント

 今回のアカハラ問題のあらましは、こうだ。2008年6~9月、道教大は学生などからの情報を基に准教授らによる言語教育ゼミの指導ぶりを調査。資料作成や辞書編さんの強制で学生の学業や健康に支障をもたらし、『教員の立場を利用した嫌がらせ』に当たるとして、翌年3月に准教授らを懲戒解雇した。准教授らは同月、札幌地裁に解雇無効を求めて提訴した。
 一、二審判決は、准教授らが「学生たちの自主的な活動を適切に指導、監督しなかった」のはアカハラにつながると認定したものの、大学側の主張の多くを認めず、解雇処分は重すぎるとした。最高裁は大学側の上告を受理せず、准教授らの勝訴が決まった。3人は復職について道教大と協議中だ。
 アカハラ認定の難しさは、教員と学生に『上下関係』が生じるのを避けられず、強制も伴う研究指導との境目が分かりにくいことにある。アカハラと判断しても度合いによって処分の軽重を考えなくてはならない。
 この点で道教大には慎重な調査が足りず、判断ミスを招いたのは否めない。教員18人による調査委員会が学生ら100人近くに聞き取りなどしたが、「アカハラに詳しい専門家は調査委にいなかった」(道教大人事課)。
 一審判決も「客観的な証拠による裏付けを欠き、聴取者の主観的意図の入る余地がある」と疑問を投げかけていた。
 道教大の例を教訓に、今後のアカハラ対処では、臨床心理士や社会福祉士などを調査チームに加え、聞き取ぴ対象の学生らの心身状態も見極めながら調査の信頼性を高める必要がある。
 また、アカハラ行為の定義について各大学は指針で定めるが、抽象的な内容もみられる。具体的な定義=表=を設け、その内容に伴う処分の基準も明示すれば、研究現場が萎縮することもないだろう。
 国内でアカハラが問題になり始めたのは05年頃とされ、NPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」(大阪市)は現在、年間に約750件の相談を受けるという。「単純な暴力、どう喝などの相談は減っているが、問題が長期化し、処分を受けた側が裁判に訴えるようなこじれた例は増えている」(ネットワーク)という。大学は、教員と学生双方が不安に駆られず研究できる環境を保つよう努めてほしい。

アカハラの具体的な定義  (アカハラ対策が進む広島大の指針から)

・他の教員や学生に対し、正当な理由がないのに研究室の立ち入りを禁止する。
・学生に理由を示さずに単位を与えなかったり卒業・修了の判定基準を恣意(しい)的に変更して留年させたりする。
・指導教員の変更を申し出た学生にし「私の指導が気に入らないなら退学せよ」と言う。
・主任指導教員が、学生の論文原稿を受け取ってから何力月たっても添削指導をしない。
・学生が出したアイデアを使って、教員が無断で論文を書いたり研究費を申請したりする。
・就職希望の学生に冷たく接し、大学院進学志望の学生を優遇する。


2014年02月26日

北海道教育大学旭川校不当解雇事件、最高裁の不受理決定(2014年2月20日) 三教員の解雇無効が確定

祝! 勝訴!

 北海道教育大学旭川校における3名もの大量不当解雇事件で,最高裁は2014年2月20日付で大学側からの上告について不受理を決定した。これで一審・二審とも確定し,3名の教員の解雇無効が確定した。
 そもそもこの上告は,内容から判断して憲法に触れる問題でもなく,従来の判例を大きく変えるような事案でもない。それだけに最高裁の棄却は100%確実であった。しかし,大学当局はそれを知りながら,国民の税金を使って上告したのである(実際には,控訴を含め上告は,本部主導の下,本間学長の単独あるいは一任のもとで行われたと聞く)。無駄に費やされたのは,税金だけではない。新聞報道によれば,上告は2012年3月30日頃であるから,解雇された当事者3教員は,それから約2年近く教育・研究のための貴重な時間を奪われたことになる。
 私は,当該解雇事件に関して,解雇された当事者の教員とは面識はない。また北海道にいながらも,事件発生当初から新聞が報道する断片的な事柄以外,具体的な事実関係や真偽について知ることはできなかった。3名もの「懲戒解雇処分」という稀にみるショッキングな事件であったにも拘わらず,何らかの不当性を社会的に訴える個人や労組の取り組みや動きもなかった(あるいは伝わってこなかった)からである。したがって,暫くの間,この解雇事件が不当解雇であるのか否かも判断できなかった。
 しかし,一審(札幌地裁2010年11月12日)と二審(札幌高裁2012年3月16日)の判決がなされ,ここではじめて判決文全文を読むことが可能となり(現在,地裁・高裁とも「判例体系」に判決文全文が掲載されている),客観的な事実経過,大学側の対応等を知ることができた。これによって,この事件は解雇権の濫用であり,不当解雇であることがはじめてわかった。私が「不当」と評価する根拠は,端的に言えば,懲戒解雇処分に相当する学生への「アカハラ」の事実はないこと,加えて解雇処分手続も極めて問題があるという点にある。特に,後者の点に関わって,この事件は学生への教育指導上の問題が解雇事由となったにも拘わらず,処分に当たって当該教授会で全く議論・審議がなされていない事実は,大きな問題である。初めから処分ありきで,一方的に上から問題が処理されていったことは明らかである。したがって,いずれの裁判所も,解雇権の濫用であるとして解雇無効を判断したのは当然である。

 北海道教育大学は,控訴審判決で敗訴した後も,公式ホームページにおいて,「教員の懲戒処分にかかる学長見解」(平成21年2月20日付)を,掲げて続けている。以下がそれである。
http://www.hokkyodai.ac.jp/pdf/20090220press.pdf

ここでは,学長名で「当該准教授3名」は「学生の名誉や尊厳を著しく傷つけ人権を侵害した」と書いている。しかし,最高裁棄却決定後の2014年2月26日現在に至っても,このような文書を公に掲げているのは極めて異常である。「名誉や尊厳を著しく傷つけ」「重大な人権侵害」を行い,しかも現在に至っても行っているのは,むしろ大学当局であり学長・本間謙二氏である。また,当該事件では,その経過からして,発端において「アカハラ」を訴えた学生もいるはずである。これらの学生は課外教育を指導した教員3名の懲戒解雇を望んだとは思われないが,それら学生の「声」を重大な人権侵害たる懲戒処分に結びつけ,一方的に解雇した事実は明らかである。当該学生はこの事実をどう受けとめているのだろうか。こうしたことは,人を教え・導く人間を養成する大学で許される行為であろうか。

 北海道教育大学は,解雇権を濫用し,教育・研究者の生命を奪う処分を下したことに対して,まずもって少なくとも学長自ら3名の教員に深く謝罪し,その内容を文書で掲載すべきである。(ホームページ管理人)

[過去の記事]
http://university.main.jp/blog7/archives/cat54/
http://university.main.jp/blog8/archives/2010/11/post_341.html
http://university.main.jp/blog8/archives/2012/03/post_345.html
http://university.main.jp/blog8/archives/2012/03/post_125.html


旭敢大アカハラ訴訟 教員の解雇無効確定 最高裁

北海道新聞(2014年2月25日)

 教員の立場を利用した学生への嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)を理由に不当解雇されたたたとして、道教育大旭川校の元准教授の男性3人が解雇無効の確認などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(横田尤孝裁判長)は、大学側の上告を受理しない決定をした。一、二審判決が確定し、大学側が敗訴した。決定は20日付。
 二審の札幌高裁判決は「3人に一定の懲戒処分を科すことは相当だが、減給や停職を検討しなかったのは判断の誤り。処分はいささか酷で、社会通念上、相当性を欠く」として、解雇無効とした札幌地裁判決を支持した。判決によると、3人は、学生に過大な課題を強制するなどして学生の学業に支障をもたらし、また、学内の事情聴取にも応じなかったとして、大学側に2009年、懲戒解雇された。


2013年07月25日

北海道教育大学釧路校教授会、本間学長の辞任を求める

釧路新聞(2013年07月24日)
 ∟●学長の辞任求める/道教育大教授会

学長の辞任求める/道教育大教授会

  道教育大学釧路校(今泉博副学長)は、19日に教授会を開き、本間謙二学長が、今年3月に各校で開催した学位記等授与式式辞の内容の出典先を明らかにせず、テレビ番組の内容をまねた疑いがあることを問題視し、学長辞任を求める決議を採択した。同教授会は22日に決議文を同大学本部などに送付した。

道教大釧路校:学長辞任求め、教授会が決議

毎日新聞 7月24日(水)11時40分配信

 北海道教育大釧路校は23日、教授会で本間謙二学長の辞任を求める決議を可決したと発表した。

 同校の今泉博副学長によると、本間学長は今年3月、卒業式の式辞で、テレビ番組の内容を自分の意見のように話し、「剽窃(ひょうせつ)(盗用)の疑いがある」という。教授会は調査委員会の設置も求めている。

 19日に開かれた同校教授会には、40人余りが出席。反対意見も出たが、多数決で決議した。今年6月の学長選考会議で同校教授会は本間学長の再々任に反対していた。

 今泉副学長は「教授会の決議は重い。学術倫理規範を維持するためにも(盗用は)あってはならないこと」と話している。【近藤卓資】

【関連ニュース】

現学長の再任反対/道教育大釧路校教授会

釧路新聞(2013年06月04日)

  北海道教育大(本間謙二学長)の再編計画で、釧路校の地域教育開発専攻の廃止などを打ち出している現学長の再任ついて、同大釧路校の教授会は3日、臨時教授会で反対を全会一致で決議した。この専攻課程は地域特性を生かした教員を養成する釧路校の目玉だが、今後の再編で廃止される可能性が出ている。将来的に釧路校の規模縮小にもつながる恐れもあることから、同校は今後、地域と連携して存続を強く訴えていく考え。


2013年06月07日

道教大 本間学長を再々任 反発の声も

朝日新聞(2013年6月7日)

道教大 本間学長を再々任 反発の声も

■係争中 反発の声も

 【芳垣文子】9月末に任期満了となる北海道教育大(札幌市北区)の学長の選考会議(議長=松岡和久・日本国際協力センター名誉顧問)が6日にあり、現職の本間謙二学長(67)の再々任が決まった。本間学長は再任された2年前の学長選をめぐり、任命取り消しを求める訴訟が係争中で、学内には反発の声もある。…


2013年06月04日

北海道教育大学・学長任命処分取消請求訴訟原告団・弁護団、文部科学大臣宛て「緊急要請書」

平成25年6月3日

文部科学大臣 下村博文 殿

緊 急 要 請 書

北海道教育大学・学長任命処分取消請求訴訟
原告団団長  神田房行
弁護団団長  佐藤博文

要請の趣旨

 北海道教育大学(以下「大学」と言います)より本年5月31日に書類提出された新学科設置認可申請について、以下の点に留意を払い、拙速な審査を行わないよう強く要請します。
 ①大学において教職員の意向を十分に尊重し、大学構成員の意向に基づくものであることが確認されること
 ②北海道の自治体や経済団体、学校、教育・文化関係団体などに情報を提供し、意見を聴取し、地域に根ざし支えられるよう努力しており、これに反するような性急かつ強権的なやり方が行われていないこと

要請の理由

1.弁護団が本要請を行った理由

 私ども原告団及び弁護団は、北海道教育大学において平成23年5月に行われた学長選挙において、現職学長だった本間謙二氏が、教職員による意向投票で208票対250票と敗北したにもかかわらず、同学長任命に係る委員が過半数を占める学長選考会議で"敗者復活"の「選考決定」を下し、学長選考会議がその理由すら明らかにしないことに対して、違法無効であるとして裁判に訴えております。現在、札幌高等裁判所に係属中です。(裁判の内容については、同封の新聞記事を参照)
 この裁判で実質的に問われていることは、4年間の在任中、専断的な大学運営を行ってきた現職学長に対して教職員の明確なノーの意思が示されたにもかかわらず再任されたのは何故かということです。例えて言えば、学級委員長選挙で子ども達の投票で1位になった子を、担任教諭が理由も明らかにせず2位の子を委員長に指名したようなものです。大学の命である「自由」「真実」「自治」はどこに行ったのでしょう。
 この専断的な大学運営の1つに、平成18年から始まる「函館校新学部構想」問題があります。私たちは、訴訟の中で、重要かつ象徴的な問題として主張してきました。
 これが、今年3月末から本間学長が強行した「函館校の再編計画」により、さらに新たな問題に直面しており、他キャンパスにおいても同種の問題を抱えております。
 そこで、私たちは、重大かつ緊急を要すると考え、貴省にかかる事実を知らせ、認可の判断及び大学に対する指導に誤りのないよう要請するものです。

2.北海道教育大学の改革に関わる問題点

  大学の改革に伴い、次のような問題が挙がっています。
(1)大学は、一体改革を求められながら、函館校と岩見沢校の新課程の学部化構想を先行させました。そのため、「学部」が「学科」になった現在、教員養成と新学科の構想に整合性がなくなっています。その調整を、現在の大学執行部は怠っています。

(2)教員養成改革の検討は暫くの間進んでいませんでした。大学が当初めざしていた平成27年度改革実施も危うい状態です。ところが、最近、大学執行部より、「平成26年度から」という提案がありました(5月14日、教員養成課程改革部会)。教員養成課程の複数キャンパスは反対していますが、今後も同様の提案が繰り返されるおそれがあり、大学執行部の計画性のなさが露呈されています。

(3)上記の教員養成改革に関して、全学の関連部会で話し合っていることと異なる学長案が提案されました。たとえば、釧路校では、現在、3専攻で教育を行っていますが、学長案では、3専攻のうち、釧路校の目玉として地域に最も密着した「地域教育開発専攻」を外した2専攻にされていました。それは、釧路校の教授会の意見を無視した提案であり、釧路校からは強い反対意見が出され、その案を引っ込めざるを得ませんでした。しかし学長が完全に断念したわけではないことは、その後の対応から明らかです。

(4)札幌校は、以前より改革の理念と方向性を提案しているにもかかわらず、大学執行部はそれを検討してきませんでした。改革を実施するためには、新たなカリキュラム、入試、課程認定のための人事計画の策定が不可欠ですが、学長側は、それらのすべてにおいて成案を示さず、この5月14日に性急な改革を要求してきており、札幌校教授会では多くの反対意見が出ています。

3.喫緊の課題である、函館校の改革に関して

(1)大学は、平成18年4月から、大きな改組により教員養成課程を札幌校、旭川校、釧路校に集約し、新課程(教養系で教員免許取得を卒業要件としない課程)のうち、芸術・スポーツ系を岩見沢校に、残りを「人間地域科学課程(1学年の学生定員330名)」として函館校に集約しました。
 この改組は、函館校から、長い伝統と実績を誇り、地域の二-ズも極めて大きい教員養成課程をなくして、教員需要に対する「緩衝装置」としての役割のみとし、いつ廃止の方針が出るか分からない新課程を函館校に集約するものでした。
 強い反対がありましたが、将来の「学部化」と小学校・特別支援学校・幼稚園教員(以下「小学校等教員」とします)養成機能の維持、学生定員比で学生4名に1名の教員を保証することなどを条件として、函館校は渋々計画を飲まされました。

(2)このように、函館校の「学部化」は北海道教育大学の既定方針であり、新課程の集約を引き受けざるを得なくなった時の約束でした。そのために、改組後すぐに学部化について文科省と協議を始めましたが、「改組したばかりで時期尚早」と実質的に門前払いにあい、学部化の方針は凍結され、全学的に議論さえされませんでした。
 その後、平成21年10月に至り、当時の文科省の高官らが函館校を視察したのを機に学長の言葉を借りるならば「時機到来」とばかり学部化検討が始まり、準備運動なしに学部化に向けた全力疾走が始まりました。
 計画は二転三転し、本間学長は、函館校の意向を無視し、地元に情報を提供したり意見聴取をしたりすることなく、平成24年5月31日、小学校等教員養成の教育課程を外し、「国際地域学部(1学科3コース。1学年の学生定員230名)」のみで設置認可申請をするという暴挙を行いました。

(3)しかし、上記申請は通らず、平成25年度における函館校(と岩見沢校)の学部化は文科省段階で保留とされ、本間学長は1年の先送りを表明しました。これは、性急で拙速な本間学長の行為が招いたものであり、結果的に函館校教職員のみならず、学外、とくに受験生や高校に大きな混乱を与えるものでした。
 当然ながら本間学長の方針には、函館校教職員の反発だけでなく、特に小学校教員養成機能を無くすることに対する道南地域の反対が強く、反対署名は3万6千人分も集まりました。

(4)学内外のこれらの声を受けて、函館校教授会は、平成24年9月14日本間学長の方針に反対して、「小学校等教員養成の維持など、函館校に相応しい学部化と、必要に応じて現課程の改組を検討する等、必要な時間を掛けて事にあたる」ことを決定し、その後一貫してこの方針を貫いてきました。
 具体的には、函館校教授会は、学生定員を現在の330名から320名とし、うち小学校等教員養成を含む教育課程の定員を60名から70名にするという案を出しています。実績のある教員養成(特に小学校教員養成)にこそ函館校のアドバンテージがあるという考えです。そして、平成27年度からの改組を目指し、それまで、正規の、透明性ある新採用人事選考を行うなど、議論と準備を尽くすという考え方です。

(5)こうした函館校の意向に再度反して、今年3月下旬、本間学長は、全学将来計画会議で函館校新学科構想を提示しました。それは、教員養成機能を残すことにしましたが、定員数を330名から280名にし、教員養成課程は60名から40名に、いずれも大幅に減員するというもので、しかも平成26年度から実施するというものです。そのために、昨年の学部化構想と同様に、前述した、正規の、透明性ある新採用人事選考を行わないまま、「今回改組しなければ、<ミッションの再定義>で函館校に関して何も書けない」「函館校は更地になる」等の発言を繰り返し、本年5月末までに文科省に設置認可申請をするとして、平成27年度改組を強く要望した函館校教授会の意向を無脱して本部の指示を強行してきています。

4.結論

(1)以上で明らかなように学長の性急かつ強権的なやり方により、大学全体で多くの問題が起こっています。特に函館校に関して、もともと本間学長は、同校の小学校等教員養成機能を維持するという姿勢がなく、むしろ廃止してもよいという行動を取ってきました。今回の「再編案」は、大学内外の世論に押されて小学校等教員養成機能を残したものの、教員養成課程を持つ他のキャンパスとの調整及び函館キャンパス内の議論が絶対的に足りず、合意形成が不十分であるのは明らかです。平成27年度改組を目指すキャンパスの意向を尊重し、大学全体の合意形成を丁寧に行わなければ、同大学が「沈没」する危険性もあります。

(2)そもそも本間学長は、今年9月30日に2期目の任期満了を迎えており、本来ならば新しい学長に交替する立場です。ところが、先日5月31日に行われた学長選考会議は、学長選考規則の例外規定を適用して、教職員の意向投票なしての本間学長の再々任を、強い反対意見を押し切って強行採決で決めました。当然、大学内外から強い抗議の声が上がっています。
 2年前の意向投票で大敗した学長が、教職員が反対している政策を、頭越しに強行するやり方で、あるべき「大学改革」が実現できるとは考えられません。学長は、新学科設置認可申請の経過について、全教職員に「学長メッセージ」を発信していますが、拙速で頭ごなしに進めてきたことについて、改善の意志や反省は一切見受けられず、今後も同様な強権的押しつけが行われるのは明らかです。

(3)以上より、要請の趣旨記載のとおりの要請を行うものです。

同 封 資 料

1。毎日新聞
2.函館新聞
3.北海道新聞
平成25年1月6日付朝刊
平成25年4月13日付
平成25年4月14日付朝刊

北海道教育大学学長選挙無効確認訴訟原告団・弁護団、抗議声明

学長選考会議による本間学長の再々選の決定手続開始に強く抗議する。学長選考会議は直ちに撤回し、教職員の意向を問う公正な選挙を行うことを求める。

2013年6月3日
北海道教育大学学長選挙無効確認訴訟
原告団団長  神 田 房 行
弁護団団長  佐 藤 博 文

1 先週末の5月31日(金)、北海道教育大学(以下「大学」という)の学長選考会議は、本間謙二現学長の任期を2年間延長する方針を決め、同大学の教育研究評議会の意見聴取を行うことを決定した。しかも、6月7日(金)開催の教育研究評議会を急きよ5日(水)に早め、翌6日(木)に次の学長選考会議の開催を決めた。
 本間学長の下で教育研究評議会は形骸化されているので、「意見聴取」は手続要件クリアの形式的なものとされ、6日の会議で決定される可能性が極めて高い。

2 そもそも、北海道教育大学学長の任期は4年であり、再任は1回限り、任期は2年とされている(学長選考規則5条1項)。そして、その都度、教職員による意向投票がなされなければならない。ところが、同条3項で「第1項ただし書の規定にかかわらず、学長選考会議は、特に必要と認める場合、教育研究評議会の意見を聴取の上、さらに2年に限り再任させることができる」とする規定があり(平成19年4月創設)、今回、学長選考会議は同条項を適用するというのである。

3 このような学長選考会議のやり方は、以下に述べるとおり、大学運営の自主性・自律性、大学の自治を壊滅させる暴挙というほかなく、断じて許すことができない。
 第1に本間学長は、再選された平成23年5月の学長選挙において、教職員による意向投票で208票対250票と敗北したにもかかわらず、学長選考会議による「敗者復活」で就任した人物であり、もともと教職員の支持も信頼もないのである。
 第2に、学長選考会議は、教育研究評議会委員7名の他、経営協議会委員7名と理事2名の合計16名の構成からなり、後者の9名は学長の任命による委員である。特に、理事は学長とともに役員会を構成し大学の業務執行を行う者である。選挙に付さずこのメンバーの多数決で決することは、お手盛り人事以外の何物でもない。
 第3に、学長選考規則5条3項は、例外のさらに例外規定であり、「特に必要と認める場合」とする厳しい要件があるにもかかわらず、31 日の学長選考会議では何ら具体的に示されず議論もされていない。
 第4に2年前の選挙の「敗者復活」選考の適法性について、現在札幌高等裁判所で係争中であるにもかかわらず、問題となった意向投票の実施を回避するやり方を強行しようとしている。これは、学長選挙を前回以上にブラックボックスに放り込むもので、学長選考会議は大学の自治と民主主義の"墓堀り人"と言わざるをえない。

4 このような本間学長と学長選考会議の大学運営のやり方は、同じ5月31日に、本間学長が、函館校「新学科」について、函館校教授会の平成27年度改組の意向を無視して頭越しに、地域の要望が強かった小学校等教員養成機能を持つ教育課程を減員し、平成26年度から実施する設置認可申請を強行したことに象徴されている。しかもこの申請に関しては、学内の正規の新採用人事選考も行われていない。このような各校教授会の意向や学内規則を無視したやり方は、釧路校や札幌校をはじめ、全学で顕在化している。

5 以上より、私たち原告団・弁護団は、大学の自治と民主主義を無視した学長選考会議の強引な決定に強く抗議するとともに、延長手続開始の撤回を求める。そして、本間学長と学長選考会議に対して、速やかに公正な学長選挙を実施するよう求めるものである。

以上

    (参考)国立大学法人方制定の際の衆参両院の附帯決議
一 国立大学の法人化に当たっては、憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、国立大学の教育研究の特性に十分配慮するとともに、その活性化が図られるよう、自主的・自律的な運営を確保すること。(参議院附帯決議/衆議院附帯決議にもほぼ同様の項目有り)
二 国立大学法人の運営に当たっては、学長、役員会、経営協議会、教育研究評議会等がそれぞれの役割・機能を十分に果たすとともに、全学的な検討事項については、各組織での議論を踏まえた合意形成に努めること。また、教授会の役割の重要性に十分配慮すること。(参議院附帯決議/衆議院附帯決議にもほぼ同様の項目有り)
三 役員等については、大学の教育研究や運営に高い識見を有し、当該大学の発展に貢献し得る者を選任するとともに、選任理由等を公表すること。(参議院附帯決議/衆議院附帯決議にもほぼ同様の項目有り)


2013年06月01日

道教大釧路校、1専攻廃止の可能性

釧路新聞(2013年06月01日)

1専攻廃止の可能性/道教大釧路校

 北海道教育大学の学長選考会議が5月31日、同大札幌校で開かれ、今年9月末で満了する本間謙二学長の任期について、教員の意向投票を経ず2年間延長する公算が高くなった。本間学長は釧路校3専攻のうち、地域特性を生かした教員を養成する地域教育開発専攻の廃止を打ち出しており、早ければ来年度にも廃止が現実となる。今泉博釧路校担当副学長は「学生の募集人数、教員削減など釧路校の規模縮小につながる可能性があり、釧根地域の教育に大きな打撃となる」と危機感を示している。 


2012年03月31日

道教大旭川校アカハラ訴訟、なんと大学側上告

■北海道新聞(2012年3月31日)

旭教大が上告、アカハラ訴訟

 教員の立場を利用した学生への嫌がらせけ(アカデミック・ハラスメント)を理由に不当に解雇されたとして,道教育大学旭川校の元准教授の男性3人が解雇無効の確認などを求めた訴訟で,大学側は上告期限の30日までに,一審に続き解雇を無効とした札幌高裁判決を不服として,最高裁に上告した。

以下は,3月16日札幌高裁の判決に関する新聞報道。

高裁も解雇無効判決 道教大アカハラ訴訟

朝日新聞(2012年03月17日)

 北海道教育大旭川校(旭川市)の38~42歳の男性准教授3人が学生に対し、教員の立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)をしたとして解雇された問題で、3人が同大を相手に解雇の無効などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。小林正裁判長は、解雇の無効と賃金の支払いを認めた一審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 判決は「原告の指導は、一部の学生に被害を与えたが、多数の学生には一定の成果をもたらした面もある」と指摘。減給や停職を検討することなく、解雇を選択した点について「いささか酷だ。懲戒権や解雇権の乱用だ」と判断した。

 判決によると、3人はアイヌ語の研究プロジェクトに複数の学生を手伝わせて過大な課題を強制し、長時間拘束するなどして勉学を阻害。同大は3人に諭旨解雇を通告したが、退職願を出さなかったため、2009年3月に懲戒解雇にした。

 同大は「主張が認められず大変遺憾だ。対応を検討する」とコメントした。

 原告代理人の三森敏明弁護士は「大学側は上告をしないで、3人の職場復帰の態勢を直ちに整えてほしい」と話した。

北海道教育大のアカハラ訴訟、大学側控訴を棄却

読売新聞(2012年3月16日)

 学生に対する立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)を理由に、勤務先の北海道教育大旭川校(北海道旭川市)を懲戒解雇されたのは不当だとして、元准教授の男性3人が同大に対し、地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。

 小林正裁判長は、3人の准教授としての地位を認め、同大に対して解雇後から現在までの賃金を支払うよう命じた1審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 3人は、アイヌ語関連の研究を学生に手伝わせて過重なノルマを課し、不当な学生指導を行ったなどとして、2009年3月に大学に懲戒解雇されていた。

 1審では「原告らの行為はハラスメントに該当するが、懲戒解雇に相当するような重大な行為とは言えない」と認定。大学側は「処分は学内規則に基づき、調査結果を踏まえた厳格な手続きで行った」と主張し、控訴していた。


2012年03月17日

北海道教育大学不当解雇事件、札幌高裁 解雇無効判決

■朝日新聞(2012年03月17日)

 北海道教育大旭川校(旭川市)の38~42歳の男性准教授3人が学生に対し、教員の立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)をしたとして解雇された問題で、3人が同大を相手に解雇の無効などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。小林正裁判長は、解雇の無効と賃金の支払いを認めた一審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 判決は「原告の指導は、一部の学生に被害を与えたが、多数の学生には一定の成果をもたらした面もある」と指摘。減給や停職を検討することなく、解雇を選択した点について「いささか酷だ。懲戒権や解雇権の乱用だ」と判断した。

 判決によると、3人はアイヌ語の研究プロジェクトに複数の学生を手伝わせて過大な課題を強制し、長時間拘束するなどして勉学を阻害。同大は3人に諭旨解雇を通告したが、退職願を出さなかったため、2009年3月に懲戒解雇にした。

 同大は「主張が認められず大変遺憾だ。対応を検討する」とコメントした。

 原告代理人の三森敏明弁護士は「大学側は上告をしないで、3人の職場復帰の態勢を直ちに整えてほしい」と話した。

北海道教育大のアカハラ訴訟、大学側控訴を棄却

■読売新聞(2012年3月16日)

 学生に対する立場を利用した嫌がらせ(アカデミック・ハラスメント)を理由に、勤務先の北海道教育大旭川校(北海道旭川市)を懲戒解雇されたのは不当だとして、元准教授の男性3人が同大に対し、地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁であった。

 小林正裁判長は、3人の准教授としての地位を認め、同大に対して解雇後から現在までの賃金を支払うよう命じた1審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 3人は、アイヌ語関連の研究を学生に手伝わせて過重なノルマを課し、不当な学生指導を行ったなどとして、2009年3月に大学に懲戒解雇されていた。

 1審では「原告らの行為はハラスメントに該当するが、懲戒解雇に相当するような重大な行為とは言えない」と認定。大学側は「処分は学内規則に基づき、調査結果を踏まえた厳格な手続きで行った」と主張し、控訴していた。


2010年11月30日

北海道教育大学旭川校不当解雇事件、解雇無効 札幌地裁判決

■毎日新聞(2010年11月30日)

道教育大旭川校アカハラ処分訴訟:解雇無効、嫌がらせは認定 札幌地裁判決 /北海道

 大学教員の立場を利用し学生に嫌がらせをした「アカデミックハラスメント」を理由に不当解雇されたとして、北海道教育大旭川校の元准教授3人が解雇無効の確認などを求めた訴訟の判決が12日、札幌地裁であった。石橋俊一裁判長は「アカハラ行為はあったが、直ちに懲戒解雇に相当するとまでは言えず、解雇権の乱用」と解雇の無効を認め、解雇後の未払い賃金を支払うよう大学側に命じた。
 判決によると、元准教授らは昨年3月、ゼミの学生にアイヌ語研究の手伝いをさせた際、過度なノルマを課し長時間拘束するなどしたうえ、大学の事情聴取にも応じなかったとして、懲戒処分を受けた。
 判決で石橋裁判長は、准教授らの行為についてアカハラに当たると認定しつつも、「参加しなかった学生に不利益を課すような積極的な人権侵害は認められず、直ちに解雇に相当する重大な行為だったとは言えない」と判断した。
 大学側は「想定外の判決。弁明の機会は何度も与えたが、(元准教授が)応じなかった。処分が重過ぎたとは考えていない」とし、控訴する方針。元准教授の代理人は「判決に満足している」と話した。【久野華代】

共同通信(2010年11月12日)

道教大元准教授3人の解雇無効 札幌地裁アカハラ訴訟

 アカデミックハラスメントを理由に北海道教育大(札幌市)を懲戒解雇された元准教授の男性3人が、大学に地位確認と解雇後の賃金支払いを求めた訴訟の判決で、札幌地裁(石橋俊一裁判長)は12日、解雇無効を認め、賃金支払いを命じた。

 判決理由で石橋裁判長は「アカハラはあったが、直ちに解雇に相当するような行為とはいえない」と解雇権乱用を認めた。

 訴状によると、3人はゼミの学生にアイヌ語研究の手伝いを強制し、過大なノルマを課した上、大学の事情聴取に応じなかったなどとして、昨年3月に懲戒解雇された。

 元准教授側は、アイヌ語研究について「学生の自主的な活動で、求められて指導しただけだ」と主張。大学の調査も「文書を提出しており、拒否してはいない」とした。

 大学側は「不当な指導で学生の勉強を阻害し、心身の調子を崩す学生も続出した。懲戒手続きも適切だった」と主張した。