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2013年04月07日

任期制助教解雇撤回を、教職員組合が訴え 東京医科歯科大学歯学部

■しんぶん赤旗(2013年4月6日)

東京医科歯科大学歯学部 任期制助教解雇撤回を、教職員組合が訴え 

 大学教員に任期制と個人評価制度が導入された例は多くありますが、その運用方法によっては教員の労働環境におよぼす深刻な問題点を含んでいます。国立大学法人・東京医科歯科大学歯学部では3人の任期制の助教授」「准教授」に次ぐ職階)が再任不可にされてしまいました。就職先の紹介もなく、解雇通告を受けており、助教側は労働審判に訴えています。
 同学部で学校側から任期制と評価制度の導入が打診されたのは2000年初頭でした。当時の歯学部長は「任期更新の際には、決して窒息(しい)的な個人評価は行いません。むしろ、評価は皆さんをエンカレッジする(励ます)ように運用いたします」と答えたと、質問者ははっきり覚えていると語っています。その後04年に一部の不同意者を除き、任期制が導入され、助教職には、すでに2回の再任が行われ、当初の歯学部長発言に沿ったかたちで、任期制と個人評価の運用がなされてきました。
 この運用に異変が起きたのは09年の冬から10年にかけてでした。同学部に15年半勤務するAさんはこの頃に上司から「今度つくる再任基準は、絶対に一人で達成は不可能だ。早く探して外に出て行け」といわれ、顔を合わせると「論文を書くより、職探しが優先だ」と退職を勧奨され続けました。
 同学部では昨年11月17日の時点で、対象者33人中16人が発表論文数を規定した再任基準に達しませんでした。論文数不足にもかかわらず、教授の理由書提出で11人が再任可とされ、その後2人が同様に再任可とされ、最終的に3人のみが再任不可となサています。
 Aさんらは研究教育業績再任基準を達成していますが、大学院生への教育が問題とされ、再任不可となっています。しかし、大学院生の配属は教授の権限でなされており、直属の大学院生がいないAさんらの場合、不備は教授にあるはずです。
 今回の不当解雇通告について、東京医科歯科大学教職員組合は、次のように指摘しています。
 「研究教育業績より教授個人の悪意附評価を最優先させる体制の確立が現在の学部執行部の狙いであるようです。この理屈が通ってしまったら、任期制関連の問題は全国で頻発するでしょう。全国の支援も得て、不当解雇
通告を撤回させたい」