全国
 カテゴリー (私)札幌大学

2021年03月26日

札幌大学、開学以来の看板「ロシア語専攻」廃止が取り沙汰

リアルエコノミー(2021/03/08)

 札大のロシア語専攻は、開学以来の看板でもある。1967年に開学した同大は、経済学部経済学科と外国語学部英語学科、ロシア語学科でスタートしたが、当時の学生募集のフレーズは『外国語に堪能なビジネスマンを養成する』というものだった。

 ロシア語学科は全国的にも珍しく、道内外から優秀な学生が集まり、ロシアに近い北海道の地政学的な関係もあって人材育成に一定の役割を果たしてきた。しかし、北方領土返還の膠着状態やロシアとの外交関係も一進一退ということもあって、同大のロシア語学科も入学定員を下回る状況が続いている。

 2013年からは、学部制を廃止して地域共創学群13専攻に改変しているが、20年度からは、地域創成専攻、現代政治専攻、中国語・中国文化専攻、異文化コミュニケーション専攻の4専攻の募集を停止した。いずれも定員充足率が50%台だったことが影響した。

 同大では、20年度の定員充足率が43%にとどまった短期大学部の募集も、本年度限りとすることを決めている。ロシア語専攻の20年度の定員充足率は60%で、全学年の定員充足率は59%となっている。こうしたことから学内外でロシア語専攻の募集停止が取り沙汰されているものだが、札大は募集停止について、「ない」(秋山一二三事務局長)としている。ただ、ロシア語専攻のOBを中心に廃止を危惧する声が巻き起こっており、3月初めには「札幌大学ロシア語学科・専攻卒業生有志の会」が荒川裕生理事長宛てに、『札幌大学ロシア語専攻廃止に抗議し、継続を求める』と題して文書を送付している。

 札大では短大と同時にロシア語専攻の募集停止も俎上に上がっていたが、ロシア語専攻の募集停止を延期することになったという話も漏れ出ている。有志の会が提出した文書には、《卒業生は皆、大学の発展に寄与したいという思いを持っているはず。大学の有意義な発展に向け邁進していただけることを心より願いロシア語専攻の継続を強く要請するものです》としている。


2019年10月10日

札幌大・雇い止め特任准教授の上告と鈴木学長辞任を巡る点と線

リアルエコノミー
 ∟●札幌大・雇い止め特任准教授の上告と鈴木学長辞任を巡る点と線

 札幌大学(札幌市豊平区)のロシア語担当の元特任准教授の女性(45)が、違法に雇い止めされたとして札幌大を相手に地位確認などを求めていた訴訟でその女性は8日、札幌高裁が控訴を棄却した判決(9月24日)を不服として上告した。それと同時進行するように札大の鈴木淳一学長(68)が任期途中で辞任する。何らかの関係があるのだろうか。(写真は、札幌大学中央棟)

 女性は、札大ロシア語学科を卒業し東京外国語大学修士課程を卒業。札大は2008~9年当時、度重なるロシア語特任教員の突然の退職で困り、長期にわたり働いてもらうことを目的に卒業生から優秀な人材を採用する方針でその女性を採用。その後、女性は6回の契約更新をして特任准教授としては初めて教職課程も担当。また、教授会や各種業務などにも特任教員の校務を超えて出席を課せられていた。このため労働契約更新の期待する合理的理由があったと主張。

 9月24日の控訴審判決で冨田一彦裁判長は、「労働契約更新を期待する合理的理由がなく控訴人(元特任准教授)の主張は採用できない」と棄却、札幌地裁判決を支持した。
 高裁の審理から女性側は元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害を大学に相談したことが雇い止めに影響したとの主張を加えた。この点について冨田裁判長は、「労働契約が更新されると期待を抱いたかどうかは無関係」と退けたものの、セクハラ・ストーカー被害の事実は認定している。
 
 女性は上告について、こうコメントしている。「改正労働契約法を悪用した違法な雇い止めが全国的に横行しており、非正規労働者は精神的にも経済的にも極限状態に置かれています。人間が部品のように使い捨てにされる社会に未来はありません。この悪循環を断ち切るために、最高裁判所には、改正労働契約法19条に関する規範・指針となる判断を示していただきたい」
 
 なお、控訴審判決が出る数日前に札大鈴木淳一学長は法人側に辞任届を提出、任期途中の11月15日付で辞任することになった。鈴木学長はその女性の札大学生時代のロシア語担当教授で、女性が特任教員に採用された後も鈴木氏の授業を代講するなど師弟関係だった。鈴木氏は、女性が元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害とも関係しており、女性の雇い止めにも関わったとされる。
 鈴木学長の任期は21年3月末までだったが、突然の辞任届提出は札大教員の間でも波紋が広がっている。女性の控訴審判決と上告、それと同時進行している鈴木学長辞任は点と線で関連しているのか。


2019年10月09日

札大雇い止め訴訟、元准教授が上告

北海道新聞(2019/10/08)

 札幌大に違法に雇い止めされたとして、元特任准教授の女性(45)が同大を相手取り、解雇の無効などを求めた訴訟で、女性側は8日、雇用打ち切りを適法とした9月24日の札幌高裁判決を不服とし、上告した。

 札幌高裁判決は「大学側は雇用継続を約束できない旨、3年前に女性に伝えていた」と認定。大学側は契約打ち切りを断言しておらず、更新を期待する合理的理由があったなどとする女性側の主張を退けていた。

 女性は取材に対し「非正規労働者が使い捨てにされる現状を変えたい」と述べた。同大は「上告状を確認しておらず、コメントは控えたい」とした。

 労働契約法は、有期労働者が契約更新を期待することに合理的理由がある場合、使用者は更新を拒めないと定める。


2019年09月27日

札大の雇い止め訴訟 元准教授の控訴棄却 札幌高裁

■北海道新聞
 ∟●札大の雇い止め訴訟 元准教授の控訴棄却 札幌高裁(2021/09/24)

 札幌大に違法に雇い止めされたとして、元特任准教授の女性(45)が同大を相手取り、解雇の無効などを求めた訴訟の控訴審判決が24日、札幌高裁であった。冨田一彦裁判長は、雇用の打ち切りは大学側の採用の自由の範囲内とした一審札幌地裁判決を支持し、女性側の控訴を棄却した。

 判決によると、女性は2010年度にロシア語担当の特任教員となり、1年ごとに契約を更新。大学側は15年度の契約更新時に「17年度以降の雇用を保障しない」との条項を契約書に加え、17年2月に同3月末で契約を打ち切ると通知した。

 判決理由で冨田裁判長は「大学側は、14年3月の雇用に関する説明会で、数年後の雇用の継続は約束できないと女性に伝えていた」と指摘。大学側は契約打ち切りを断言しておらず、契約更新を期待する合理的理由があったなどとする女性側の主張を退けた。

 判決後の記者会見で女性は「労働者の権利保護に逆行する残念な判決」と述べた。札幌大は「これまで主張してきたことが認められたものと受け止める」とコメントした。

 労働契約法は、有期労働者が契約更新を期待することに合理的理由がある場合、使用者は更新を拒めないと定める。


2019年09月26日

札大雇い止め訴訟、セクハラ被害を判断しない高裁判決

リアルエコノミー
 ∟●札大雇い止め訴訟、セクハラ被害を判断しない高裁判決(2019/09/25)

 札幌大学(札幌市豊平区)のロシア語担当の元特任教員の女性(45)が、違法に雇い止めされたとして札幌大を相手に地位確認などを求めていた札幌高裁の控訴審判決が24日あった。冨田一彦裁判長は「労働契約更新を期待する合理的理由がなく控訴人(元特任教員)の主張は採用できない」として控訴を棄却、一審の札幌地裁判決を支持した。また、女性が元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害を大学に相談したことが雇い止めに影響したとの主張は「無関係」と退けた。(写真は、札幌高裁の入っている札幌市中央区の裁判所)

 女性は、札大ロシア語学科を卒業し東京外国語大学修士課程を卒業。札大は2010年当時、卒業生から優秀な人材を採用して末永く働いてもらう目的を掲げて女性を採用した。その後、女性は特任教員として教職課程も担当、「特任教員が教職課程の担当になったことは過去になかったため、17年度以降も雇用継続への期待を持つ理由があった」と主張したほか、教授会への参加など特任教員の業務範囲を超えて各種会議への参加を課せられていたことも労働契約更新を期待させたなどと主張。

 大学は14年3月の契約更新時に「16年度末までの雇用の継続は確実だが、労働契約が1年ごとに更新される以上、2年後、3年後の雇用の継続を約束することはできない」と回答したことや教授会への参加はオブザーバーとしてのものであり、会議等への出席も義務付けられていなかったと主張。

 冨田裁判長は、女性の主張に「雇用契約更新に係る期待の合理性との関連性は認められないため控訴人の請求は理由がない」と一審判決を支持した。

 女性は10年12月から15年7月までの4年半にわたって元副学長からセクハラを受け、学内の苦情相談員に被害を申し立て、大学側は副学長の研究室を移動させた。このセクハラ被害については大学側も記録を残している。女性はセクハラ・ストーカー被害を大学に申し立てたことに対する報復措置として雇い止めを強行したとも主張したが、冨田裁判長は「無関係」と断じ、このことが雇い止めと関係するかの判断はしなかった。


2019年02月15日

札大元准教授の請求棄却、雇い止め訴訟で札幌地裁

北海道新聞(2019/02/14)

 札幌大に雇い止めされたとして、元特任准教授の女性(45)が同大を相手取り、解雇の無効などを求めた訴訟の判決で、札幌地裁(武部知子裁判長)は13日、原告側の請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

 判決によると、女性は2010年度にロシア語担当の特任教員となり、1年ごとに契約を更新。大学側は15年度の契約更新時に「17年度以降の雇用を保証しない」との条項を契約書に加え、17年2月、3月末で契約を打ち切ると通知した。

 労働契約法は、有期労働者が契約更新を期待することに合理的理由がある場合、使用者は更新を拒めないと定める。原告側は、同大が14年2月に特任教員の雇用期間の上限を5年から9年に延長したことなどから「合理的理由があった」と主張していた。


2019年02月14日

札幌大学特任准教授による地位確認および未払い賃金請求訴訟、札幌地裁不当判決(2019年2月13日)

札幌地裁判決に対する教職員組合の声明

「札幌大学特任准教授による地位確認および未払い賃金請求訴訟」
札幌地裁判決に対する教職員組合の声明

2019年2月13日

1.札幌大学教職員組合が本裁判を支援し続けてきた理由

 札幌大学教職員組合は、訴訟準備の段階から、本裁判を支援し続けてきました。その理由として、以下の3点が挙げられます。

 第一に、学校法人札幌大学(以下「法人」と略称)は、労働契約法等の改正に伴い、一定期間(10年)継続して勤めれば無期雇用へと転換を望めるとする規定を逆手にとって、その一定期間(9年)内でしか有期雇用契約は継続できないとの内規まで設けました。一定期間間近になれば直前で雇い止めされることが考えられるため、労働契約法は、継続雇用の期待があってしかるべき場合には、その期待権を保障するという形にまでなっています。にもかかわらず、こうした点を全く無視するということは、有期雇用契約の教職員を好き勝手に雇い止めできることになります。その根底には彼ら有期雇用の教職員に対する軽視があり、労働者の団体である教職員組合としては、本裁判の支援を通じて、そうした法人の有期雇用職員への態度の是正を求めたいという考えがありました。

 第二に、現在の日本の大学では、無期雇用の専任教員だけでなく、特任教員、助教や非常勤講師のような様々な有期雇用の教員も大学教育を支える重要な担い手となっています。にもかかわらず、法人が有期雇用の教員を単なる目先の「調整弁」としてのみ考え、彼らの待遇を変化させるような近視眼的な大学経営は、中長期的な継続性が求められる大学教育の維持・向上を難しくし、本学の存続すらあやうくなり、この大学で働く全ての教職員の労働環境の悪化を招くことになります。この点からも、職場の労働環境の維持・向上を守ることを使命とする教職員組合が、本訴訟を支援するのは当然といえるでしょう。

 第三に、大学の人事は、カリキュラムを通して学生に良質な教育を供給するという、大学の本質に関わることです。それが研究や教育の業績ではなく、単に縁故があるとか、友人関係であるからで左右されてはならないはずです。だからこそ、大学には教員採用のための詳細な規則が定められています。そうした規則に照らしてみても、原告には何の問題も無く、むしろ積極的に招聘すべき人材です。こうした状況を無視して雇い止めすることは、本学全体の評価を下げることになり、本学のこれからの発展にも大きく影響するでしょう。こうした法人の恣意的かつ独裁的な経営姿勢は、教職員や学生、卒業生など札幌大学に関わる全ての人々に対する背信行為です。教職員組合として到底容認することはできません。
 
2.法人に対する組合見解

 本裁判で明らかになったのは、自分たち内部の都合でしか考えない、法人執行部による大学の私物化でした。しかし、50年以上も続く札幌大学を支えてきたのは、現場で働き、大学教育を支えてきた全ての教職員一人一人です。裁判を契機に、法人は大学で働く教職員の労働環境を悪化・破壊してきたという根本的な問題を直視し、労使が協力してこの問題と誠実に向き合い、全教職員が働きやすい労働環境を作っていくことこそが、本学再生の道です。

 また、本裁判を通じて明らかとなった理事らによる一連の行為は、大学を私物化する無責任なものであり、到底学校法人の経営責任を負う者とは言えません。理事長をはじめとする理事会には猛省を求めます。

以上

2018年02月15日

「札大雇い止め訴訟」一審は請求棄却 原告側控訴方針

リアルエコノミー
 ∟●「札大雇い止め訴訟」一審は請求棄却 原告側控訴方針(2019/02/14)

 札幌大学ロシア語専攻の有期雇用の特任准教授が、同大学から労働契約更新を期待させる合理的理由があったのに雇い止め(雇用契約終了)にされたとして2017年3月10日、同大学を札幌地方裁判所に訴えた「札大雇い止め訴訟」。その判決が13日、同地裁であった。武部知子裁判長は、原告の請求を「労働契約更新を期待する合理的な理由があったということはできない」と棄却した。原告側は、「この不当判決は、私と同じように不安定な有期雇用に苦しむ全国の非正規教職員・労働者の方々の希望を打ち砕く残酷で非人道的な判決」として控訴する方針。(写真は、札幌地裁)

 この特任准教授は2010年度から7年間、1年更新で継続的に雇用され、労働契約も5回更新してきた。大学側は14年2月に特任准教授ポストの雇用期間の上限をこれまでの5年から9年に延長する規定に改正。
 15年度の原告と大学側の契約更新時に、大学側は「17年度以降の雇用を保証できるものではない」としていた。しかし、18年4月の入学者募集案内に原告の名前が記載されたことや、理事が無期雇用の准教授に昇格できる可能性を示唆したことなど、契約更新を期待する合理的理由があったと主張。
 
 武部裁判長は判決で、「いずれも合理的理由となるものではない」と主張を退けた。その上で、「期間の定めのない教員としての雇用義務が大学側に生じる前の段階で、原告の雇用継続を打ち切ることは大学の採用の自由の範囲内に属する判断として尊重されるべき」とした。
 
 原告側は、合理的理由の基準が示されていないことや事実認定からカットされている原告側の主張もあるとして控訴する方針。札大雇い止め訴訟については、全国から6000人を超える署名が集まっており大学側と裁判所にそれぞれ提出されている。


2017年10月24日

札大雇い止め訴訟」、3800人の署名を札大に提出

リアルエコノミー
∟●札大雇い止め訴訟」、3800人の署名を札大に提出(2017/10/24)

 札幌大学ロシア語専攻の特任准教授が同大学から合理的理由について説明のないまま雇用契約を終了させられたとして、同大学を札幌地方裁判所に訴えた「札大雇い止め訴訟」。原告の特任准教授を支援する同大OBや教職員が「支える会」を結成、全国から集まった約3800人の署名を23日、同大学に手渡した。IMG_8914(写真は、集まった署名を札大の武田修一理事(=左)に、提出する支える会代表の三ツ野豊さん。23日午後2時過ぎ、札大中央棟2階会議室で)

 特任准教授は2010年から7年間、継続的に雇用され、労働契約も5回更新されてきた。現学長や理事からも2017年度以降の雇用継続を示唆する発言を受けていたが、今年2月同大は一方的に雇用契約を終了した。

 特任准教授が札大を提訴したのは今年3月10日。この提訴に伴って特任准教授を「支える会」が同大OBや現役、OB教職員を中心に結成され、署名活動、カンパ、裁判傍聴などの活動を行ってきた。支える会は、全国のOBや一般市民を中心に署名を集めたところ、これまでに3785人、3団体の署名が集まった。

 23日、支える会の代表や有志、支援団体など10人が同大に署名を手渡した。支える会代表の三ツ野豊さんは、「教職員と大学側が裁判をしていることは異常な状態。理事長も交代しているので良い方向にもっていければと思っている」と話した。
 署名を受け取った武田修一理事は、「本来は雇用の案件が裁判にならないのがベストと感じている」と述べていた。
※2017年11月7日、記事一部訂正しました。


2017年10月04日

札幌大、2審も敗訴 減額分支払い命令

毎日新聞(2017年10月4日)

 札幌大(本部・札幌市)の教授と元教授の計14人が、定年後の再雇用で一方的に給与を下げられたとして、減額分の賃金や慰謝料などの支払いを求めた訴訟で、札幌高裁は4日、減額分計約1億400万円の支払いを命じた1審・札幌地裁判決を支持し、大学側の控訴を棄却した。

 佐藤道明裁判長(細島秀勝裁判長代読)は判決で「最大4割もの大幅な減額で不利益は重大。経過措置や代償措置を全く講じておらず、合理的とは言えない」と判断した。

 判決によると、札幌大は2007年に定年を70歳から65歳に変更し、本人が希望すれば賃金を引き下げたうえで再雇用するとの雇用延長制度を教職員組合に提案。08年に労働協約を締結したが、11年に一方的に労働協約の破棄を通告し、給与支給の内規を改定したうえで、教授らの年俸を13年4月から引き下げた。

 札幌大は「今後の対応について検討中」としている。【真貝恒平】


2017年04月12日

札幌大、教授給与減額訴訟 1審判決を不服、大学側が控訴

毎日新聞(2017年4月12日)北海道朝刊

 定年退職後も継続雇用されていた札幌大(札幌市)の教授ら14人が、一方的に給料を減額されたのは不当として、減額分の賃金や慰謝料などの支払いを求めた訴訟で、大学側は11日、減額分の計約1億円を支払うよう命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。

 判決によると、札幌大では66~70歳の雇用延長された教授の年俸を最高で800万円としていたが、大学側は2013年4月以降の年俸を480万円に下げた。


2017年03月31日

札幌大、再雇用賃下げ無効判決 1億400万円支払い命令

毎日新聞(2017年3月30日

 定年後に再雇用された札幌大学(札幌市豊平区)の教授や元教授ら14人が、賃金を一方的に減額されたのは不当だとして大学側に減額分の未払い賃金などの支払いを求めた訴訟で、札幌地裁は30日、計1億400万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 湯川浩昭裁判長は「最大4割の大幅かつ急激な減額で重大な不利益が生じるにもかかわらず、代償措置や経過措置がとられなかった。教職員組合への説明も不十分だった」と指摘。「入学者数の減少などで人件費を削減する必要性はあったが、大幅な減額は不要で、無効だ」として、原告の訴えを大筋で認めた。

 判決によると、札幌大では2007年、教員の定年を労使協議で70歳から65歳に引き下げ、希望すれば70歳まで再雇用される制度を新設。再雇用期間中の年収は最高800万円とした。

 しかし大学側は12年10月、一方的に就業規則を改定し、13年4月以降の年俸を480万円に決めた。

 このため原告らは未払い賃金など計約1億1300万円の支払いを求めて提訴し、「当事者の同意なく大きな賃金引き下げが決められ、無効だ」と主張。大学側は「少子化など厳しい経営環境で人件費を引き下げる必要があった」と反論していた。

 判決後、八鍬(やくわ)幸信教授ら原告側が記者会見し、「企業や大学が労働者や研究者に、安易に厳しい条件を一方的に通告する風潮の歯止めとなる」と判決を評価。大学側は「今後の対応を含め、現時点でコメントできることはない」とした。


札大の一方的賃下げ無効 札幌地裁判決 教授ら再雇用後


道新(2017/03/30)

 札幌大学の教授ら14人が、再雇用後に労使協定に反して一方的に賃金を引き下げられたとして、大学に減額前の賃金との差額などの支払いを求めた訴訟の判決が30日、札幌地裁であった。湯川浩昭裁判長は「賃金を減額する給与支給の内規の変更は無効」として、原告それぞれに約300万~約1千万円の支払いを命じた。

 判決理由で湯川裁判長は、内規の変更によってそれまで516万~800万円だった教授らの年俸が、480万円に引き下げられたとし、「最大4割もの大幅な減額を強いられ、不利益の程度は重大であるにもかかわらず、不利益を緩和する代償措置や経過措置が全く講じられていない」と指摘した。

 さらに人件費を削減し経営再建を図る必要性があったことは認めながらも、「原告らの年俸を大幅に減額しなければ、直ちに運営資金の調達に困難を生じるほど経営状況が逼迫(ひっぱく)していたとは言えない」と判断した。

2017年03月19日

「雇い止め違法」 特任准教授、札幌大を訴え

毎日新聞(2017年3月12日)地方版

 札幌大(札幌市)が3月末で労働契約の更新をしないとしたのは違法として、特別任用准教授の女性(43)が10日、大学側に地位の確認と4月以降の給与を毎月支払うよう求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 訴状によると、女性は2010年4月、ロシア語担当の教員として雇用され、毎年3月に契約を更新してきた。15年の契約では17年4月以降の雇用を保証しないとの一文が加えられ、17年2月に大学側から契約更新をしないとの通知を受けた。

 原告側は「女性は7年間も継続して雇用されており、大学側の雇い止めには合理的な理由がなく違法だ」と主張している。

 大学側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

2017年01月26日

札幌大学の「未払賃金支払等請求事件」訴訟の結審における意見陳述

酪農大はやっぱり素晴らしい!
 ∟●札幌大学の「未払賃金支払等請求事件」訴訟の結審における意見陳述

札幌大学の「未払賃金支払等請求事件」訴訟の結審における意見陳述

 札幌大学の教授13人が「賃金引き下げは無効」を訴えて、2013年9月に札幌大学を提訴した裁判が、2017年1月12日に札幌地方裁判所で結審(すべての審理を終了すること)となりました。この日、原告側を代表して、八鍬幸信先生が意見陳述を行いました。その内容は、格調が高く心を打つものでした。そこで、本ブログにも掲載し、真摯に教育を行なおうとして闘っている仲間の想い・姿勢を共有したいと思います。

 意見陳述書の掲載を許可して下さった札幌大学の八鍬先生はじめ原告団の皆様に感謝申し上げます。裁判の概要は以下の通りです。なお、この裁判は、3月30日(木)11:00から札幌地裁で判決が下されます。傍聴しましょう!

【裁判の概要】

 定年の引き下げ(70歳から65歳に)に伴う賃金引き下げが、労使協定で合意していた額(800万円)からさらに大幅に低い額(480万円)に、一方的に引き下げられた事に対する裁判です。(提訴は2013年7月18日付)

 訴えたのは、札幌大学の教授(66~69歳の男女13人、後に1名追加)で、詳しい提訴理由は以下の通りです。

 「われわれ原告は、本学の勤務延長制度に係り2013年4月から突然一方的に実施された任用対象年齢及び校務分担の区分廃止、休職規程廃止、定年年齢経過措置に伴う暫定措置廃止、大幅な賃金切り下げ(年俸額800万円から480万円への減額)などが、すべて違法無効であることの公正な判断を求めて、同年7月、札幌地方裁判所に訴えを起こしました。本訴訟は、労働協約違反ならびに労働条件の一方的不利益変更を糾すものであることはもちろん、本学が創設以来これまで蓄積してきた知的資産を将来に向けて継承し、有為な人材の育成を図るための健全な職場環境の構築を目指し、勤務延長教員有志の義憤の発露としてまったく自然発生的に惹起されたものでありました。」(「原告の会」代表から発信された証人尋問への傍聴要請文(2016年9月25日付)より)

*********************************************

2017年(平成29年)1月12日

原告「意見陳述書」

八鍬幸信

 私たち原告は、2013年4月から突然一方的に改定施行された、本学の勤務延長制度に係る「勤務延長任用規程」、「任用基準内規」、「給与支給内規」がすべて違法無効であることの公正な判断を求めて、同年7月札幌地方裁判所に訴えを起こしました。とりわけ、800万円から480万円への減額という大幅な年俸額切り下げは、勤務延長制度の導入に伴う1千数百万円から800万円への不利益変更に続く更なる不利益変更として、到底容認できるものではありませんでした。

 この裁判は、直接的には逸失した労働条件を回復するための闘いでありますが、合わせて,本裁判の究極の目標は、有為な人材の育成・輩出に資する健全な職場環境の構築を目指して日夜奮闘している本学教職員の尊厳を断固守りつつ、社会にかけがえのない高等教育機関としての札幌大学の維持発展を目指すところにありました。

 この裁判が始まって以来、この1月でほぼ3年半を迎えようとしております.この間、我々原告は、30数回に及ぶ会合を重ね、真剣に意見交換を行って参りました。原告14名が一体となって闘いを継続できた背景には、本学の知的財産を後世に残したいという共通の意志・思いはもとより、被告に対する原告の根強い不信感が通奏低音として流れていたのではないかと推量されます。この点について、「和解協議の過程」と「札幌大学の統治組織」という2つの観点から言及しておきます。

 第1に、われわれ原告は、和解協議の過程に関し被告に対して大いなる不信感を抱かざるを得ませんでした。

 2016年2月に、札幌地方裁判所から,原告と被告双方に対して和解協議に係る打診がありました.私たち原告は、本学の将来を憂いまた係争の早期決着を願い譲り合えるところがあれば譲り合おうとの考えの下、勤務延長教員の権利が私たち原告だけでなく、すべての勤務延長教員さらには今後勤務延長に入る教員にも同様に保障されるべきことを第一義と考え、原告全員一致の下に被告との和解協議に臨みました.そして「このことが明確に保障されるのであれば、賃金の減額については一定の譲歩も止むなし」と判断しました.私たち原告は、担当裁判官が示した枠組みに沿いつつ、12項目からなる和解協議案を作成し、合意形成に向けて真摯に努力を重ねました.しかしながら被告の対応は到底納得できるものではありませんでした.すなわち、第1に2013年4月の「勤務延長任用規定」,「任用基準内規」及び「給与支給内規」の規程改定手続きの瑕疵について謝罪はしない、第2に和解により成立するであろう新しい「給与支給内規」については、原告以外の勤務延長教員に対しては原告らと同じ取り扱いをしないと主張して、この和解協議の核心部分の受け入れを全面的に拒絶したのでした.そして不払い賃金については、原告のみを対象に、しかも減額して支給するという驚愕すべき内容でした.

 被告のこのような頑なな態度はまったく受け入れ難く、私たち原告は、和解による解決は望めないと確信し、やむなく和解協議を諦め、判決を仰ぐことを決意しました。

 その約半年後、裁判所から2度目の和解協議の提案がありました。本提案に対しましても最初のときと同様の趣旨に則って協議に応じました。

 まず、この2度目の和解協議の最初の局面で、われわれ原告は和解条項9項を削除した和解案の受け入れを迫られました。この9項は、次のことを求めるものでした。

 一、和解により改正されることになるであろう教員勤務延長任用に関する給与内規について、和解成立後5年間、教員に不利益に賃金額を変更しないこと。

 一、就業規則、賃金規程、教員勤務延長任用規程等いかなる名目でも、賃金額において前記給与支給内規と抵触する別規定を制定しないことを相互に確認すること。

 われわれ原告としては、この条項を削除した和解案は到底受け入れられるものではなく、和解を諦め、判決を求めることとしました。

 次いで、われわれ原告が和解条項9項の削除を拒否すると、被告は、その場で、もともとの和解協議案の条項すべての受け入れを申し出て参りました。

 ここで丸呑みするなら、どうして最初の和解協議において受容できなかったのか。われわれ原告には、被告の態度は原告を愚弄するものであり、ひたすら原告の分裂を待つべく時間稼ぎをしているかのごとくに見えたものでした。

 第2に、われわれ原告は、教育・研究機関としての札幌大学における統治の在り様に対して大いなる不信の念を抱かざるを得ませんでした。

 教育・研究環境の改善のためには、われわれ教職員の労働条件や職場環境の改善が重要な課題の一つと考えます。しかし、われわれ原告は、教授会に直接参加することによって意思表明を行う機会が封じられているという、今日の本学における教学組織のガバナンスの在り様に深い失望の念を禁じ得ないところでした。具体的には次のようなことです。

 一つ、この裁判の重要なポイントでもありましたが、勤務延長制度の周知に関し、教学組織の最高責任者としての学長から納得のいく説明を受けたことはありませんでした。

 一つ、私たち勤務延長者は勤務延長期における担当科目について、教授会を含む然るべき教学組織を通じて意見表明する術を持つことが今日に至るもできないでおります。

 一つ、勤務延長期における校務分担について異議を然るべき教学組織を通じて表明する術を持つことができませんでした。

 一つ、本学の教員は、改正寄付行為の下で、「教育職員」と括られ、教育・研究に携わる専門教授職としての社会的立場をないがしろにされております。

 こうした教学組織の統治体制の下でわれわれ勤務延長者が教育研究職としての社会的立場を守り抜くためには、裁判に訴えるしか途はなかったのです。

 私は、この3月で札幌大学を退職いたします。昭和58年4月に本学に職を得てこの30数年間、経営学ならびに情報学分野の教育・研究に携わって参りました。この退職の年度に原告として、判決を待つ境遇に立ち至るとは、入職当時には想像だにしませんでした。こうした思いを残した勤務延長者が、来年度以降も生まれてくる状況というのは慙愧に堪えません。

 札幌大学創設以来,約半世紀が経とうとしています.私たち原告は,本裁判が一刻も早く終結し、本学がこれまで営々と蓄積してきた知的財産を将来に向けて継承していくために、本学関係者が一丸となって闘いのスタートラインに立てる日が訪れることを切に望んでいるところであります。この点を最後に申し述べ、意見陳述に代えさせていただきます。

以上

2015年06月04日

札幌大学、法人理事長の電撃交代 太田博氏(元北海道職員)が選任 任期は半年

札幌大学
 ∟●学校法人札幌大学理事長に太田博理事が選任されました

学校法人札幌大学理事長に太田博理事が選任されました

平成27年5月29日に開催された第201回理事会において、太田博氏(元北海道職員、元札幌医科大学副理事長、元北海道監査委員)が理事長(任期:平成27年5月29日から平成27年11月15日まで)に選任されました。


2014年10月30日

給与規定改定で札大に救済命令 道労働委

■道新(10/29)

 北海道労働委員会 は28日、札幌大学(札幌市豊平区)に対し、労組と十分な交渉を行わずに給与規定や教員の定年延長に関する規定を一方的に改定したのは不当労働行為に当たるとして、団体交渉で誠実に対応することなどを求める救済命令を出した。

 命令書などによると札大は、期末手当や通勤手当の削減、 定期昇給 の制限など7項目の給与規定改定を札大教職員組合(小山修委員長)に2012年9月に提示した後、団体交渉で十分な説明を行わないまま同11月に実施。定年延長時に給与を引き下げるとした規定改定も、理由を十分に説明せずに13年4月に実施したとされる。

 命令書は「規約改定の適正さを十分説明し、組合員の理解を得るように努めたとは言えない」と指摘した。

 教職員組合の小山委員長は「主張がほぼ認められた。今後の団体交渉で不利益変更の回復を求めていく」とした。札大は「弁護士と協議中でコメントは差し控える」としている。


2014年10月29日

札幌大学不当労働行為事件、10月28日道労委命令 労組側の全面的勝利

北海道労働委員会
 ∟●札幌大学事件(平成25年道委不第3号)命令書(概要)
 ∟●札幌大学事件(平成25年道委不第3号)命令書(全文)

祝! 地労委勝利

平成25年道委不第3号 札幌大学事件 命令書(概要)

1 当事者
(1) 申立人 札幌大学教職員組合(以下「組合」という。)
(2) 被申立人 学校法人札幌大学(以下「法人」という。)

2 事案の概要
 本件は、法人が、組合に対し、平成24年9月4日(以下、平成の元号は省略する。) 提示の給与規程の改正(以下「本件給与規程改正」という。)について、改正理由を資 料を示して説明することなく団体交渉継続中に上記改正を一方的に施行するなどしたこ と、また、教員の定年後の勤務延長任用に関して、教員勤務延長任用規程の改正(以下
「本件延長規程改正」という。)の協議を組合に申し入れずに一方的に実施するなどし たことが労働組合法(以下「法」という。)第7条第2号及び第3号の不当労働行為に 当たるとして、北海道労働委員会に救済申立てがあった事案である。

3 主文要旨
(1)法人は、法人の給与規程の改正及び教員の勤務延長任用規程の改正に係る団体交渉 につき、平成23年3月に申入れをしていた労働条件の不利益変更の内容を更に不利 益なものに変更する理由のみならず変更内容が適正なものであることを説明するとと もに、必要に応じて資料を提供するなどして誠実に対応しなければならない。
(2)法人は、前記(1)に係る団体交渉において不誠実な対応をすることにより組合の運 営に支配介入してはならない。
(3)法人は、前記(1)及び(2)の内容の文書を、縦1メートル、横1.5メートルの白紙
にかい書で明瞭に記載し、法人の中央棟の正面玄関の見やすい場所に、本命令書写し 交付の日から7日以内に掲示し、10日間掲示を継続しなければならない。
(4) 組合のその余の申立てを棄却する。

4 判断要旨
(1) 不誠実団体交渉について
 法人は、23年9月以降、全教職員を対象とする説明会を実施するなどして、大幅な定員割れと人件費の高水準、それによる高い人件費率により財政が厳しい状況にあること、そして、財政の健全化のため人件費の削減が必要であると説明し、24年5 月以降も、財政状況が更に悪化している旨説明をしていることが認められる。
 しかしながら、24年5月以降に行われた説明は、24年度の財政状況が更に悪化し、本件給与規程改正及び本件延長規程改正による労働条件の更なる不利益変更が必 要であることを説明するものであるが、上記規程改正によって労働者の被る労働条件 の不利益が適正なものであることを十分説明を尽くしたものとはいえない。
 すなわち、法人は、上記規程改正につき、財政状況の健全化のため人件費の削減が 必要であることを説明するだけではなく、上記規程改正が財政状況の健全化にどの程 度寄与し、今後どの様に財政状況を健全化していくのか、財政状況の見通しや中長期 的な経営方針などを明らかにするなどして、上記規程改正によって労働者の被る不利 益の程度が必要以上に過大なものではなく、また、特定の労働者だけが不利益を被る ものではないなど、経過措置や代替措置などの他の施策も含めて上記規程改正が財政 状況を健全化する施策として適正なものであることを説明しなければならない。
 しかし、組合が上記規程改正に係る団体交渉で財政状況の見通しを示すよう再三求 めたことが認められるところ、法人は、上記規程改正の内容を折り込んだ資料などを 提示しておらず、23年3月申入れを超える労働条件の更なる不利益変更をするに至 った理由を説明するための上記規程改正に関する財政状況の見通しを示したとはいえ ない。また、法人は、第四次基本計画の進捗状況が当初の想定とは乖離していること を認識していながら、その代替となるような計画の策定や新たな中長期的な経営方針 を明らかにしていない。
 さらに、法人は、上記規程改正によって労働者の被る不利益、特に勤務延長任用教 員に対する年俸額の削減につき、これまで申入れをしていた段階的な削減から一律に 年俸額を480万円に削減すること、さらには校務の負担及び休職の廃止などの不利 益につき、組合の要求や主張に対し、単に財政難である旨を繰り返すのではなく、段 階的な削減から一律に削減することにした理由や必要性の論拠、さらには激変緩和措 置の有無などに関する情報を提供したり、校務の理解に対する溝を埋めるような提案 や説得をしておらず、十分な説明をしたとはいえない。
 したがって、法人は、専ら事業団資料によって財政状況の健全化のため人件費の削 減が必要であることを説明するにとどまり、労働条件の更なる不利益変更につき、改 正の具体的な実施・施行日を決定した旨通知していることも併せて考えれば、本件給 与規程改正及び本件延長規程改正を早急に実施することが必要であり、かつ適正なも のであることを十分説明するなどして組合の理解を得るように努めたとはいえない。
 よって、法人は、上記規程改正に係る団体交渉において、労働条件の更なる不利益変更につき、誠実に対応したと認めることはできない。 以上のとおりであるから、本件給与規程改正及び本件延長規程改正に係る団体交渉における法人の対応は、法第7条第2号の不当労働行為に該当する。

(2)支配介入について
 法人は、前記(1)のとおり本件給与規程改正及び本件延長規程改正に係る団体交渉につき不誠実な対応をした上、上記規程改正を実施したものであるから、このような法人の対応は組合の運営に介入したものと認めるのが相当である。 よって、上記団体交渉における法人の対応は、法第7条第3号の不当労働行為に該当する。

5 審査の経過(調査8回、審問2回)
(1) 申立年月日 25年2月21日
(2) 公益委員会議の合議年月日 26年9月12日、同年9月26日、同年10月10日
(3) 命令書(写)交付年月日 26年10月28日

2013年09月05日

札幌大に未払い賃金請求 教授13人が提訴

産経新聞(2013.9.5)

 定年退職後も雇用を継続されていた札幌大(札幌市)の教授が5日までに、一方的に給料を減額されたのは不当として、学校法人に未払い賃金や慰謝料など計約1億1290万円の支払いを求める訴えを札幌地裁に起こした。提訴は7月18日付。定年は65歳で訴えたのは66~69歳の13人。

 5日の第1回口頭弁論で、大学側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 訴状によると、札幌大は平成19年、教員の定年を70歳から65歳に引き下げた上で、本人が希望すれば70歳まで雇用される勤務延長制度を創設。雇用延長中の教授の年収を最高で800万円とする労使協定も締結した。ところが学校法人側は24年10月、25年4月以降の年収を480万円に下げる方針を一方的に決めたとしている。

 学校法人側は「訴訟中であり、コメントは差し控える」としている。