個別エントリー別

« 派遣労働者数213万人に増加、厚生労働省2002年度「労働者派遣事業報告」の集計結果を発表(2/13) | メイン | 「東京都の教育『改革』で,いま起こっていること−これでいいのか?都立の大学『改革』−」のポスターを掲載 »

2004年02月16日

都立4大学「廃止」をめぐる闘い、いよいよ正念場に!

日本科学者会議第7回権利ミニシンポジウム2/14の概要(1)

 2月14日,日本科学者会議第7回権利ミニシンポジウムにて,都立4大学の問題が報告された。報告者は,都立大学教職員組合委員長。
 同委員長は,岩波「科学」4月号に掲載予定の「都立4大学改革について: 石原都政のファッショ的手法による都立4大学の『廃止』をめぐる危機」論文をもとに,これまでの都立4大学「改革」の経緯と,学内教員および学生の反対運動の取り組み,および大学管理本部の「新構想」の問題点と今後の展望について報告した。

 報告の柱は,以下。
1.2003年8月1日の「都立新大学構想」発表にいたる経緯
 1-1.2003年7月31日までの大学改革案検討の経過とその内容
 1-2.突然の新構想発表
2.「都立新大学構想」と「教学準備委員会」
 2-1.「新構想」の問題点
 2-2.「教学準備委員会」とその問題点
3.その後の展開−配置案・「同意書」と都立大総長声明
 3-1.配置案と「同意書」の問題
 3-2.都立大総長声明と3大学学長意見書
4.最近の動きと今後の展開
 4-1.第4回教学準備委員会(10.25),「移行」問題等
 4-2.教職員の動き
 4-3.任期制・年俸制
 4-4.法学部4教員の突然の辞任
 4-5.学生の動き
 4-6.学外への働きかけ(意見広告,都議会文教委員会,「都立大プロジェクト」,「都民の会」)
 4-7.学外の反応・マスコミの報道
5.問題点と展望

 5の問題点と展望については,7点にわたって整理してまとめておられた。
それは,
第一に,4大学が合意し議会などにも報告された従来の構想が,一方的に覆されたこと。
第二に,大学管理本部という行政機関が新大学の構想からカリキュラムに至るまで実質的に作成・決定するなど,大学の自治や教育の自由が踏みにじられたこと。
第三に,8月以降の準備体制が,4大学の教授会・評議会など正規の審議・意思決定機関を疎外することで,学内民主主義が著しく犯されたこと。
第四に,学問的に裏打ちされていない「都市教養学部」や「都市環境学部」などが,大学構成員に何ら相談もなく出されてきたこと。
第五に,もともと構想になかった「エクステンションセンター」や「基礎教養センター」案が浮上し,短大教員,都立大人文学部および科技大,保科大の文学・語学系の教員や理学部の身体科学や工学部の情報系の教員が「センター」に過員で押し込まれること。
第六に,「新構想」では,教員定数の大幅削減や,全教員への任期制・本俸制の導入がうたわれ,教職員の身分,諸権利にとっても重大な問題が生じること。
第七に,「新構想」ではキャンパスの都心への展開をうたっており,これは大企業の都市再開発と密接な関係があり,問題を孕んでいること。

 最後に,石原都政の大学改革との闘いは,いま正念場を迎えている。2月28日(土)日比谷公会堂で開催する「東京都の教育『改革』で,いま起こっていること−これでいいのか? 都立の大学『改革』」において,数千名規模の市民参加を実現することが重要である旨報告された。

投稿者 管理者 : 2004年02月16日 00:48

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/396