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2004年02月18日

茨城大人文学部の外部評価 教育の質向上へ

茨城新聞(2/17)

 大学を取り巻く社会環境の変化を受け、茨城大学人文学部は本年度までの二年間、「学生に対する教育」に視点を置いた詳細な自己点検・評価を実施し、これを踏まえた外部評価に取り組んでいる。大学入学者の多様化や大学に対する社会からのニーズの変化も見据え、教育の質を高めるのが狙い。二年目の本年度は「全国でもきわめて珍しい」(同学部)海外の大学に在籍する四人の外国人教員による外部評価を実施中だ。評価結果は同学部の将来計画指針に取り入れられる。…

 国立大の自己点検・評価は一九九二年の大学設置基準の改定で大学・学部ごとに義務化され、法人化論議が本格化した数年前から、外部評価への関心が急速に高まってきた。
 こうした中で、茨城大人文学部は従来実施していた学生に対する授業アンケートなどを発展させる形で、二〇〇二年度から詳細な自己評価と外部評価制度を導入。学部教育に関して、カリキュラムや教育方法、成績評価など六項目で自らが現状把握と評価を行い、課題を抽出した。そのうえで、初年度は国内の大学教授や弁護士、経営コンサルタントらの協力を得て、外部評価を行った。
 二年目の本年度は海外からの批評を取り込む方針を決め、ドイツと米国から計四人の大学教員を招へい。四人は先月から今月にかけて来日し、それぞれ一週間程度の日程で学長をはじめ、学部長らを対象に個別の聞き取り調査を実施。現在、ドイツのボン大学のクッチ教授ら三教員が精力的に評価活動を行っている。
 初年度の評価結果はすでに報告書にまとめられ、学部再編を目指して検討が進められている将来計画委員会の指針として採用。参加型授業による問題解決能力の向上を目指すとともに、一般教養と専門的知識の双方を身につけた幅広い視点を持つ人材の育成を図る。また、持続可能社会の構築に向けて、カリキュラムの改編も課題として盛り込まれた。
 同学部の村中知子学部長は「外部評価は当初考えていたよりも有益。二年間にわたって具体的で細かなプロセスを点検・評価しており、改善点がリアルに浮かび上がっている」と外部評価を含めた教育活動評価の意義を強調。今後、さらに議論を深めながら、変革に取り組んでいく考えを示した。

投稿者 管理者 : 2004年02月18日 02:07

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