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2004年03月15日

京大再任拒否事件、2月18日京都地裁証人尋問 井上氏本人調書

Academia e-Network Letter No 73 (2004.03.13 Sat)より

2月18日口頭弁論における井上氏の証人尋問の内容

「本人調書

事件の表示 平成15年(行ウ)第8号
期日  平成16年2月18日午前10時20分
氏名  井上一知

・・・・・・

その次に開かれた協議員会が11月12日なんですが,この日に先生と
しては再任が決まると思っていたのでしょうか。

   先ほど申しましたが, 私の分野に関する一流の専門家が一日割いて北
   海道からもいろいろ来られて, そして, 本当に真剣な議論をされて,
   私も出席して,評価していただいて, 外部評価委員会の先生が再任可
   ということで結論を出され, 内規では当然外部評価委員会に基づいて
   再任されるということで、当然私はそれを信じておりました。

11月12日の協議員会では決まるというふうに思われたんですか。

   だから,当然に決まると思っておりましたが,私がそのときかなり強
   引に退席させられまして, そして私のいないところで再任審議が行わ
   れました。

その結果,その協議員会はどうなったという報告がありましたか。

   その終了後に山岡前所長から, 理由説明は全くなく,再び継続審議に
   なったという簡単な一言をいただきました。

その日の協議員会で初めて取り上げられたのが, いわゆる医の倫理
に関する問題だったということですか。

   はい。それは少し後でわかりました。

医の倫理に関する問題とはどういう問題ですか。簡単で結構ですか
らご説明 ください。

   これは京都府立医科大学の外科の教授で現病院長の山岸先生と助教授
   の萩原先生からご依頼のあったお話でして,苦しんでおられる患者さ
   んを助けたいので,膵臓から細胞を分離して,そしてその分離した細
   胞を患者さんご自身に返してあげる,いわゆる自家膵島細胞注入療法
   をしたいので,膵臓から細胞を分離していただきたいというご要請が
   ありましたので,京都府立医大と私どもが合同で再生研の倫理委員会
   に申請したという,それだけのことであります。何の問題もあろうは
   ずがありません。ところが,山岡前所長は,これをいかにも医の倫理
   に何か問題があるというふうな話を一生懸命誇張してつくり上げて,
   それを私の再任拒否の理由にしようとしたことが明らかになっており
   ます。

その医の倫理に関する問題なるものが先生の再任の可否に影響を及
ぼすような問題だったのかどうかについて,これはどう考えたらい
いんでしょうか。

   これは全く根拠のない話であります。出月康夫東京大学名誉教授から
   お伺いした話ですが、山岡前所長はその平成10年11月にわざわざ
   東京まで出向かれまして,出月先生をホテルに呼び出されまして,そ
   してこの医の倫理なる問題を取り上げて,そして出月先生に私に対し
   て再任申請の取り下げを説得してほしいというふうに頼まれたそうで
   す。出月先生は膵臓移植に関しましては世界で初めてタッチされた先
   生でもありますが,膵臓移植,膵島細胞移植に関する世界のみならず
   日本の第一人者でもありますし,また特に医の倫理に関しては非常に
   ご造詣の深い先生ということで有名であります。その先生から見ても
   この医の倫理なる問題には何の根拠もない,何の問題もないというこ
   とが一目瞭然におわかりになりますので,即座に山岡前所長の要請を
   一蹴されたそうであります。

甲第32号証の2の5枚目を示す

 これは先ほどの我々弁護団が出月先生に差し上げた照会書に対する回答です
 が,今先生がご証言された内容がここに出月先生の文章として明記されてい
 るわけですか。

   はい,そのとおりです。

・・・・・・」

投稿者 管理者 : 2004年03月15日 00:06

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