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2004年04月03日

京大井上事件京都地裁不当判決、「任期制は多数派による少数派弾圧手段」

大学改革日誌(永岑教授)−最新日誌2004年4月2日(1)

 日本を代表する行政法学者・神戸大学大学院法学研究科・阿部泰隆教授の井上事件に関する講演記録を入手した。昨日触れた横浜での「大学人の会」(今井清一本学名誉教授代表)主催シンポジウムの阿部教授の発言の全文である。ポイントは、「任期制は多数派による少数派弾圧手段」、「任期制でも学問は活性化しない」、「任期制は導入すべきではない」等である。
 本学でも、任期制問題に関する正確で法律的な認識は絶対に必要である。任期制問題は、教員組合問題だと思っている人もいるが、それにとどまらず、実際には教授会・大学の人事権の問題であり、また大学自治の内容・あり方、したがって学問の自由、科学的批判の自由に深く関わる問題である。…

神戸大・阿部泰隆教授の井上事件に関する講演記録「大学教員任期制法の濫用から学問の自由を守るための法解釈、法政策論―京都大学井上事件をふまえて」(3/28)

大学教員任期制法の濫用から学問の自由を守るための法解釈、法政策論―京都大学井上事件をふまえて

−本文略−

『追記』
 京都地裁は3月31日、井上教授の訴えをまともに取り合わずにはねた。判決は全くずさん。詳細は改めて報告しますが、こんな裁判所を「正義の機関」と思って救済を求めたのが馬鹿だと言わんばかりの判決。
 普通にやっていれば再任されるという説明があったことを認めた上で、再任される保障はないことを明確に説明するのが望ましかったと言うだけで、再任は期待にすぎないという。同意書も自ら作成して提出したとひどい認定。錯誤などという言葉は出てこない。ばたばたで、言われるままにかかざるをえなかった事情は評価されていない。再任を拒否するための策略は認定されず、再任拒否が処分ではないという理由は、先の執行停止の時よりも悪い。再任請求権はないなどと判断しているが、当方はそんな権利を主張するものではないと何度も言っている。そのほか、何を主張しても、それに反論せずに、はねている。
 こんなものは学生のレポートなら突っ返すところ。裁判官とはなんて気楽な商売だと、憤懣やるかたない。
 司法改革と言うが、裁判官に論文を読めるようにしてほしいとかねて思っていたが、本当にそういう判決である。
 高裁で、まともな裁判官に当たるか、ダメ裁判官に当たるか。昨年即時抗告で当たった下方裁判官だったら最悪。
 このままでは、普通にやっていれば再任されると騙しても、皆同意書は有効で、多数派に迎合しないと、大学から追い出されるから、大学ではなくなる。日本の学問も大学も死滅します。残るのは無能教授とアホ官僚の支配だけ。こんな大学でまともな学生が研究者を志すわけはない。
 しかし、この判決は、任期制は学問の自由を侵害しないことは明らかと勝手に断定している。学問がなんたるかを知らない判決。
 こんな裁判官こそ再任拒否すべきだ。京都大学学長も、騙しても同意書を取った方が勝ちだと言わんばかりの主張をしているのだから、とても学者とは言えない。
 どうすれば、この裁判のひどい状況を改善できるでしょうか。
 なお、この井上事件は大阪高裁に控訴しますが、高裁の裁判官も簡単にはねてしまう可能性があるので、是非ともご支援をお願いします。世論が大事です。小生は、この点について至急本を出版します。京都大学井上事件(信山社)の予定です。

投稿者 管理者 : 2004年04月03日 02:36

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