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2004年06月09日

[支局長インタビュー]アジアと交流の新学部 佐賀大学長・長谷川照さん

毎日新聞(6/08)より

◇佐賀大学長・長谷川照さん(65)
 ――独立行政法人になって初の予算編成を終えた感想は
 キーワードは有明海研究、文系の基礎学重視、県との連携などでした。国からの運営費交付金が削られて資金がなく、学長のリーダーシップもほとんど取れていない初年度としては、及第点をつけていいのでは。支出の6割近くを人件費が占めているのですから。
 ――自身は物理専攻なのに、文系を重視?
 国はこれまで理工、医学系には力を入れてきたが、文系には冷たく私大に任せていた感じ。そんな中、法人化で大学がある程度自由にやれるようになった。周囲の状況変化や土地柄を考えると、アジアの留学生と交流する学部を作ってもいいのではないか。理系は英語の論文を通して世界に通用するが、文系は違う。文系はどんどん進む国際化をもっと意識するべきだと思う。
 ――新学部の内容は
 大学間の連携を取る形でやりたい。今、佐賀大には海外の50以上の大学から300人の留学生が来ており、ほとんどはアジアから。新たにやらなければならない訳ではない。佐賀大と韓国、中国、台湾、マレーシアなどの大学との間で共通のカリキュラムを持ち、単位も共通にして、どこで卒業してもいい形にしてはどうか。そうすれば、一つの大学だけではできないものが、かなり広範囲でできるようになる。
 大学4年間のうち2年はうちで学び、2年はアジアの大学で学ぶようになれば。ポイントはうちの学生がアジアに目を向けてくれるかどうか。その意味でも、今年度中にはある程度の骨格を学生に示さなければいけない。今年度、新たに国際推進室を作った。今年いっぱいは推進室長を中心にアジアの大学を回り、協定を結ぶよう積極的に打って出たい。
 ――入試で工夫は
 具体的に考えているのは医学部。卒業生が県内に残らない。へたに枠を設けると試験の公平性に関係してくるが、文部科学省は地域枠を認め始めている。入る時に「県内に残る」という誓約書を書かせたり、県内の学生だけ奨学金を出すなど具体策を進めたい。
 ――任期は来年9月まで
 今年は少し種をまいた。来年はその種を使って、文科省に研究費をつけてもらいたい。それがうまくいけば、新しいものが育つきっかけになる。私が言われているのは、骨格づくり。法人としての方向性は出したい。【聞き手・関野弘】


投稿者 管理者 : 2004年06月09日 00:34

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