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2004年06月16日

琉大助教授の敗訴確定 最高裁が上告棄却

沖縄タイムス(6/15)より

 琉球大医学部の助教授が、教授から嫌がらせを受けたとして、大学などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は十四日までに、助教授の上告を退ける決定をした。

 大学側に約五十五万円の支払いを命じた一審那覇地裁判決を取り消し、請求を棄却した助教授敗訴の二審福岡高裁那覇支部判決が確定した。決定は十日付。

 助教授は、論文データのねつ造を指摘したことなどから、教授(当時)との関係が悪化し、講義から外されたと主張していたが、二審判決は「教授の裁量の範囲を明らかに逸脱したとはいえない」と判断していた。

過去の同事件に関するニュースは以下。

「嫌がらせ」訴訟、琉大助教授上告
日本経済新聞西部朝刊(2003/11/26)

 琉球大医学部で研究上の嫌がらせを受けたとして、助教授(64)が国と当時の教授に損害賠償を求めた訴訟で、助教授は二十五日、請求を棄却した福岡高裁那覇支部判決を不服として最高裁に上告した。
 一審那覇地裁判決は、助教授を専門科目の講義・実習担当から外したことなどを「合理的裁量の範囲を逸脱した違法な嫌がらせ」と認定し、国に五十五万円の慰謝料支払いを命じたが、十三日の控訴審判決はこれを取り消し請求を棄却、原告が逆転敗訴した。

助教授が逆転敗訴/琉大・地位利用嫌がらせ訴訟/国の責任認めず/高裁那覇支部
琉球新報夕刊(2003/11/13)

 琉球大学医学部の男性助教授(六四)が、所属講座の男性教授(六六)=三月に定年退官=から、地位を利用した嫌がらせ(いわゆるアカデミックハラスメント)を受けたとして、元教授と大学管理者の国に五百五十万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が十三日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。
 渡辺等裁判長は、国に約五十五万円の支払いを命じた一審の那覇地裁判決の一部を取り消し、「元教授が、助教授を講義・実習担当から外したことは、その裁量の範囲を明らかに逸脱した違法なものと認められない」などとして助教授側の請求を棄却した。助教授側と国側の双方が控訴していた。
 助教授側は控訴審で「元教授による嫌がらせの決定的動機は、論文データねつ造を(助教授側に)指摘されたことにあり、ねつ造事実の有無を検討しなかった一審判決の判断は不十分。元教授の賠償責任を否定した点も誤っている」とし、一審での敗訴部分の取り消しを求めた。
 国側は「助教授に講義・実習を担当させなかったこと、職員録の所属講座欄から助教授の氏名を除外したことを一審判決は違法と認定したが、いずれも司法判断の対象となるものではなく、違法性もない」と一審判決の取り消しと請求の却下を主張。元教授側は控訴棄却を求めていた。
 今年二月の那覇地裁判決は、助教授を講義・実習担当から外し、職員録の所属講座欄から助教授氏名を除外したことを違法と認定し、国に約五十五万円の支払いを命じた。元教授への請求は「元教授の行為は公権力の行使であり、賠償責任は個人ではなく国が負う」と棄却した。

那覇地裁/国に賠償命じる/琉大医学部/助教授への嫌がらせ
琉球新報夕刊(2003/02/12)

 琉球大学医学部の男性助教授が、部内の男性教授から、いわゆるアカデミック・ハラスメント(研究機関などでの上司による地位を利用した嫌がらせ)を受けたとして、教授と大学管理者の国に五百五十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が十二日、那覇地裁で言い渡された。
 清水節裁判長は、原告の訴えを認め、国に約五十五万円の支払いを命じた。教授への請求は棄却した。
 訴状によると、助教授は一九九一年、雑誌への論文投稿に際し、教授から「自分も著者に加えないと論文発表は許さない」などの要求を受け、これを拒否したことが発端となり、物品購入、実験、事務機器利用の妨害などの嫌がらせを受けた。
 助教授側は「教授のアカハラ行為は原告の学問研究の自由に対する重大な侵害。大学当局は、教授による嫌がらせを認識していたにもかかわらず、それをやめさせる適切な措置を講じなかった」と訴えた。

「研究で嫌がらせ受けた」/指導教授を提訴/琉大医学部助教授
琉球新報朝刊(1999/11/23)

 琉球大学医学部のB教授から約八年間研究活動などで嫌がらせを受け、大学側もその嫌がらせに対し適切な措置を怠ったとして、同大のA助教授がB教授と大学側を相手取り、五百五十万円の損害賠償を求める訴訟を二十二日、那覇地裁に起こした。学問研究に対する妨害や研究者へ嫌がらせをする、いわゆる「アカデミックハラスメント」訴訟は今年七月、那覇簡裁に少額訴訟が提起されて以来、二例目とみられる。
 訴えに対しB教授は「どういう訳か分からない。(嫌がらせ行為について)身に覚えがないことだ。中身が分からないので何も言うことはない」と述べ、柊山(ふきやま)幸志郎医学部長も「内容が良く分からないのでコメントできない」としている。
 訴状によると、A助教授は一九九一年十月ごろ、雑誌への論文投稿に際し、B教授から「自分も著者に加えないと論文発表を許さない」などの要求を受け、これを拒否したのが発端となり、物品購入や同大紀要への業績掲載の妨害、実験、事務機器利用妨害など数々の嫌がらせを受けたという。このためA助教授は九州まで出向いて研究をせざるをえない状況に追いこまれるなど「B教授の私怨(しえん)、腹いせで学問研究の自由や人格権を侵害された」としている。


投稿者 管理者 : 2004年06月16日 00:09

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