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2004年07月03日

研究・業務「公正ルール」策定6大学のみ 国立大調査

毎日教育メール(7/02)

 大阪大病院の臨床試験を巡る未公開株取得問題に絡み、毎日新聞は全89国立大学を対象に、教職員による株の所有などで大学の研究や業務の公正さが疑われる事態(利益相反)が起きるのを防ぐルール作りの現状を調査した。何らかのルールを作っていたのは東京大など6大学で、臨床試験を想定して策定していたのは徳島大と佐賀大の2大学だけだった。薬を人体に投与する臨床試験は大学の研究の中でも特に慎重さが求められるが、ルール作りが遅れている実態が浮き彫りになった。

 80大学から回答があり、回答率は90%だった。調査はアンケート形式で利益相反に対するルール策定の有無や内容などを質問。医学部がある42大学(回答35校)には臨床試験に関するルールの有無も聞いた。うち徳島大は「倫理審査委員会の規則で、関連組織とのかかわりを(臨床試験の)被験者に説明するよう義務づけている」、佐賀大は「制定した利益相反の規定を臨床試験にも適用している」と答えた。
 
 臨床試験に限らない一般的なルールは、岩手、東京、山梨、名古屋、佐賀、宮崎の6大学が策定。徳島大を含む38大学が策定中だった。残り36大学は取り組んでいなかった。

 利益相反に関するルールは、2002年11月に科学技術・学術審議会が各大学に策定を求めていた。

 製薬会社の株を持っている大学の研究者が、その会社が開発を目指す薬の臨床試験を担当すればデータの信頼性は損なわれる。大阪大で発覚した、このような事態が「利益相反」だ。産学連携を進める上で避けて通れない問題だが、今回の調査結果を見る限り、対策は予想以上に遅れている。

 背景には、産学連携の明るい面ばかりが注目され、利益相反の考えが浸透しなかったことがある。東京大のように「必ず起こる」と認識している大学がある一方、「過去に例がない」としてルール作りを予定していない大学もあった。各大学には主体的な取り組みが求められる。


投稿者 管理者 : 2004年07月03日 00:42

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