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2004年08月09日

教育基本法「改正」−いよいよ本格化か?

JANJAN(8/06)

 秋の臨時国会を前に、改めて「教育基本法の改悪」に反対する院内集会が、8月3日、衆議院第2議員会館で行われ、民主・共産・社民から13名の議員、9名の議員秘書が代理で出席。参加市民も合わせて会場を埋め尽くす勢いを見せている。

 ここ数年、改正法案が提出されようとする動きに対して、多くの市民らが反対運動を行い、国会上程を阻止してきた。しかし、参院選を前にした6月16日、「教育基本法改正に関する検討会」(与党協議機関)は「中間報告」を発表。報告の中身とともに、与党側が、いよいよ具体的な動きを見せ始めたことに対しての集会となる。

 ちなみに、民主党から参加した議員は、松野信夫(衆議院)、那谷屋正義、楢崎欣弥、岡崎トミ子、喜納昌吉。松野氏は、「(教育基本法は)短いが、非常によくできた法律。よく噛みしめて活かしてゆきたい」と発現し、他の議員も、「教育基本法の改悪法案について絶対阻止」を宣言した。

 さて、集会では、主催の「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」の呼びかけ人でもある、大内裕和(松山大学)、小森陽一(東京大学)、三宅晶子(千葉大学)らが、コメントをし、上記「中間報告」で示された与党の「改正」内容について報告した。

 はじめに、大内氏は教育基本法改悪のねらいとして、「教育に、(1)新自由主義(市場原理)、(2)国家主義(愛国心など)、を盛り込もうとしている」と指摘。三宅氏は、「ここ2年間、呼びかけ人を中心として、全国を飛び回って、教育基本法改正の問題点を訴えてきた。本日、多くの議員が集まり、励みになった」とこれまでの運動の成果を語った。

 小森氏は、現行の教育基本法を「教育を国家の道具とすることを禁止したもの」として、今回の改正の動きを、「教育を、国家の有能な人材を育てるための、道具とするもの」と、教育概念の根本的な転換であることを訴えた。

 教育基本法の改正については、当初から、教育を「国家意思を達成する」、「統治手段」として再構築するもの、と批判されてきた。東京都教育委員会による国歌斉唱時の不起立者への処分問題など、実際には、改正を前に現場レベルで、先取り的な事態が続いている。教育基本法改正は、これら先行事態を正当化する意味合いも含まれる。そういった意味でも、現場レベルでのたたかいは極めて重要なものとなる。

 今や、「上程されれば、強行採決」となるのは、前回国会を見れば明らかである。マスコミは、国会上程されてからでなければ騒がない(あるいは強行採決直前・直後?)。今回は、多数の議員(民主党含む)も反対の声を上げており、反対運動も広がりをみせる可能性がある。集会では「国会上程を許さない運動の展開を」との提起が数多くなされ、幕を閉じた。

 上記「中間報告」の内容は、下記で見られる。かなりすごい内容(露骨な)となっているので、一読していただきたい。

●参考資料
「教育基本法に盛り込むべき項目と内容について(中間報告)」
 与党教育基本法改正に関する検討会
 http://www.kyokiren.net/_misc/chukan_hokoku
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
 http://www.kyokiren.net/
東京ココロ裁判をすすめる会
 http://homepage3.nifty.com/yeonso/data/kokoro.htm
「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン
 http://member.nifty.ne.jp/eduosk/

(亀井誠史)


投稿者 管理者 : 2004年08月09日 05:41

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