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2004年09月28日

横浜市立大学教員組合、「現学生への教育保障を当局は具体的に示せるか?」

「教員組合週報」(PDF版)2004.09.27より
大学改革日誌(永岑三千輝教授)−最新日誌(2004年9月27日(4))経由

現学生への教育保障を当局は具体的に示せるか

 文部科学省の認可を受けた来年度からの教員向けカリキュラム及び入試説明会の開催が、現学長、学長予定者、副理事長予定者、改革推進本部主催として10月1日に予定されています。「新学部、研究科の教育内容とカリキュラムおよび入試体制全般に関する説明」を行うとしているこの説明会の形式が異様なものであることは言うまでもありません。またすでに副学長、国際総合科学部長、国際総合科学研究科長のそれぞれについても予定者が発表されていますが、法人移行と学部改組にともなう新たな人事が、それぞれの役職にかんする何の規程もないままに文字通り適当に決められたことも、「そんないい加減な」と呆れられて当然のやり方です。この調子で「適当に」運営される大学の行く末に危惧を抱かざるをえません。
 法人移行と学部改組のプロセスにかんする適正で合意された手続きの欠如、無視がこうした異様な事態を生んでおり、繰り返し指摘してきたように、「ともかく発足させればいい」という強引な手法は大学の将来に禍根を残し、今後も数多くの混乱をもたらすにちがいありません。なかでももうすでに現在、焦眉の問題となっているのは、現行学部から新学部への移行期間に現学生にたいする教育保障がないがしろにされる恐れのあることです。現学長は現学生にたいする教育保障は行うと公約していますが、その公約を履行するためには、移行期に必要な措置を財政的保障もふくめ確実にとらなければならないはずです。カリキュラムの読み替え問題もふくめ、移行期間に必要な手当てを行うことは、当然ながら大学の義務です。それすらもできないのであれば、結局は、改革と称する大学のリストラが改革推進本部の目的だとみなされて仕方ありません。

大学改革日誌(永岑三千輝教授)−最新日誌(2004年9月27日(2))より

 郵便ボックスに、「教員説明会開催のお知らせ」という文書が入っていた。学長・学長予定者・大学改革推進本部(行政の部局)最高経営責任者の連名による「お知らせ」である。それによれば、行政当局(市長・大学改革推進本部)がおこなった「国際総合科学部および国際総合科学研究科」の設置が認可されたそうである。そこで、「新学部、研究科のカリキュラムおよび入試体制全般に関する説明会」を実施するという。項目は、「(1)挨拶(学長、学長予定者、最高経営責任者)、(2)新カリキュラム教育内容について、(3)2005年度入試実施体制について」ということである。

 カリキュラムも最終的にどのようになったのか、最終段階で閲覧期間があったが、その結果、どの程度修正されたのか、一体どのようになったのか、その全体像はわれわれはまったく知らないわけで、今回はじめてそれが知らされるということなのだろう。当然にもまた、そうした個々の変更も含むカリキュラム体系の内容に関しても、設置認可を踏まえた初めての説明がある、ということであろう。

 新学部・新研究科の入試に関しても、実際には指定校入試など実施しているようであるが、教授会・評議会がこれまで審議したことはなく(新学部・新研究科の教授会はそもそも準備組織でさえも組織されていない、全体としての学部の方針や入試・カリキュラム体系を議論するということにはなっていない)、したがって最終的に何がどのような判断基準でどのようになったのか、これも一般に外部に示されていること以外、われわれは正式にはなにも知らないわけで、それが今回示されるのであろう。

 ただ、「説明会」だというのだから(したがって正式の会議日時として慣例化している木曜日午後ではなく、金曜日の18時からという通常なら勤務時間外の時間帯)、決まったことの説明だけで、その全責任(最終責任)は設置申請にあたった行政当局が負うというスタンスなのだろう。しかも、決まったことの説明会というわけで、そのような法的性格のはっきりしない集会での説明が、どのような法的効力をもつのかははっきりしない。単に広く情報を開示した、という程度の位置付けなのであろう。


投稿者 管理者 : 2004年09月28日 00:42

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