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2004年10月12日

新「府立大」大学院移転問題 異論、府議会与党にも−先行き不透明

毎日新聞(10/09)より部分抜粋

  ◇民主、公明、共産が原案反対−−堺市も反発
 府立3大学の統合・再編で来年4月に誕生する新「府立大」(堺市)の生命環境科学部大学院をりんくうタウン(泉佐野市)に移転する計画を巡り、府議会で与野党の枠を超えて賛否が分かれている。府は来年度予算に百数十億円の施設建設費を盛り込む考えだが、現時点では過半数の議員が原案に反対しているうえ、堺市側の反発も根強く、先行きは不透明だ。 【堀雅充、沢田石洋史】
 移転が計画されているのは、現在の農学部大学院のキャンパス。りんくうタウンに、先端的な動植物バイオの研究を主テーマとし、学外研究機関との共同施設となる遺伝子資源保存室や食の安全特別研究室などを備えた延べ約3万6000平方メートルの建物を建設する予定。
 府側は移転のメリットとして▽近接する国の検疫所などとの連携▽バイオ関連産業の振興▽国際交流特区としてのりんくうタウンのまちづくり促進▽泉佐野食品コンビナート内の企業との連携――などを挙げ、計画案を受け入れた大学側の意向を尊重する形で準備を進めている。
 これに対し、真っ先に「反対」を表明したのが、1期目から太田房江知事を一貫して支えてきた民主党・無所属ネット(25人)。4日の府議会代表質問で、「りんくうタウンへのバイオ関連企業進出の見通しはないに等しい」と指摘。堺市が30億円規模の援助を検討していることも挙げ、現キャンパスでの建て替えを強く求めた。
 与党的立場の公明党(23人)も同日の代表質問で「移転目的が大学の発展か、りんくうタウンの活性化か明確でなく、経緯も不透明」と追及。7日の一般質問では堺市選出議員が持ち時間すべてをこの問題に費やし、「両地域の顔を立てるための折衷案であり、理由は後付けだ」と痛烈に批判して撤回を要求。野党の共産党(9人)は一般質問で「移転理由は希薄で、破たんしたりんくうタウンの救済策としての押し付けだ」と反対した。
 一方、最大会派の自民党(39人)は、岸和田市選出議員が一般質問で、「りんくうタウンほどの適地はない。すべての大学院の移転を」と賛同したが、会派の統一見解にはなっていない。主権おおさか(10人)も一般質問で、泉南郡選出議員が府の案に賛同しながら、豊中市選出議員は「府民全体の知的財産の発展という視点が乏しい。地域の利益のみの論争になってしまうとむなしい」と苦言を呈した。
 太田房江知事は答弁で、「これは私自身の考え」とわざわざ断ったうえで、「大学の発展のためにどうあるべきかを考えた結果」と語気を強め、見直す意思がないことを強調した。しかし現状では、民主、公明、共産の3会派が反対に回れば、賛成は過半数に達しない。府議会では今年3月、銀行税条例の税率を巡って、民主、公明などが出した修正案が可決された例もあり、政令指定都市を目指す堺市の動きも含め、水面下の駆け引きが激化しそうだ。


投稿者 管理者 : 2004年10月12日 06:42

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