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2004年11月19日

首都圏ネット事務局、ポスターセッション報告

「意見広告の会」ニュース216より

 去る11月1日、2日と国会内で開かれたポスターセッションのポスター内容の報告が首都圏ネットから届いています。ポスター内容のテキスト版です。本号から連載形式でお示し致します。格調高いポスターにより、当日の会場・議員会館会議室は学会のポスター発表、ないし大学文化祭の雰囲気になりました。

1 ポスターセッションの趣旨説明
主旨説明
大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション

 国立大学が国立大学法人へ移行してから半年が経ちました。参議院文教科学委員会は国立大学法人法案を採決する際に23 項目にもわたる附帯決議を採択し、その中で、「運営費交付金等の算定に当たっては、・・・法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。」と決議しました。また、文科省は、国立大学法人の雇用関係への労働法適用に関連して、「労働基準法等の労働法制を遵守することは当然である。」と繰り返し答弁してきました。
 しかし、それらは法人化後半年の間に全くの絵空事であることが明白になっています。研究教育の最前線に位置づく研究室および教員に割当てられる予算が40%~50%減少するという事態が多くの国立大学法人において発生しています。また、サービス残業の問題や同じ労働をしていながら低賃金しか払われていない非常勤職員の問題も解決されていません。
 私たちは、国立大学法人が直面している財政的危機を解決するために、当面の間必要な財政的措置および抜本的財政措置を国会議員の皆様に訴えたいと思い、国会議員会館内においてポスターセッションを開催することにしました。

 上述の問題は、附帯決議や文科省答弁にもかかわらず、法人化に必要な財政的な手当てが行われなかったことにその原因の一つがあります。そこで、附帯決議違反、労働法制違反の状態を今年度中に解決するために、最低限、どれほどの費用が必要かを以下の3分野に絞って全国集計・推計し、それを補正予算要求として提示することとしました。

(1)法人化にあたって新たに発生した経費 → 355 億円
(2)「サービス残業」解消のための経費 → 274 億円
(3)“同一労働・同一賃金”の原則に反する非常勤職員の均等待遇化経費 → 320億円
 私たちは以上の経費総額をおよそ 949 億円と推計しました。

運営費交付金制度の抜本的改善を求めます

 国立大学法人法案の審議過程では、運営費交付金は従来の交付金制度を引き継ぎ、「収支差額補填方式」が想定されていました。しかし、法成立後、財務省は強引に「総額管理・各種係数による逓減方式」を要求し、文科省はこれを受け入れてしまいました。これにより、国立大学への運営費交付金が毎年1~2%程度減額されることは必至です。特に病院には2%の経営係数が乗ぜられるために、大学財政を大きく圧迫します。附属病院での収支を改善しようとするならば、先端医療や難病研究など大学病院が担っていた役割を捨て、収益のあがる部門重視へ傾斜せざるをえなくなります。それは民間の医療機関を圧迫し、国民医療体制を崩壊の危機にさらすことになりかねません。
 ポスターセッションでは、来年度予算決定過程において、運営費交付金制度を当初設計通りの「収支差額補填方式」に戻す必要性を具体的に提示したいと思います。
(以下次号)

新首都圏ネットワーク「大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッションLast Circular」(11/18)

投稿者 管理者 : 2004年11月19日 01:54

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