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2004年11月24日

神戸大学教職員組合、学長選挙の結果についての声明

神戸大学教職員組合
 ∟●学長選挙の結果についての声明(2004年11月22日掲載) 組合ニュース

学長選挙の結果についての声明

1.11月10日第二次意向投票の結果を受けて、翌11日学長選考会議(以下、選考会議という)は学長予定者を野上智行氏と決定した。この学長選挙に、神戸大学教職員組合(以下、組合という)は当初から重大な関心を払い、折に触れてその問題点を指摘してきた。
 今回の学長選挙は国立大学法人への移行後最初の選挙として、これまでの学長選挙以上に重要な意味をもつものであった。法人化後、運営費交付金の毎年一律削減に象徴されるように、大学は大変厳しい状況に置かれている。こうした状況のもとに教育研究を充実・発展させるために教職員の叡智を結集した大学運営が必要であり、学長にはそのためのリーダーシップを発揮することが求められている。それには教職員による強い支持が必要であり、全教職員の意思を十分に反映した選挙によって学長が選出されることが望まれる。こうした観点から見たときに、今回の選挙は多くの問題点をかかえ、今後に多くの不安を残すものであったと言わざるを得ない。
 以下それらの問題点を指摘し、次回以降の選挙に生かされることを要求する。

2.組合は今回の学長選挙にあたり、6月10日に教育研究評議会が選考会議委員を選出して以後、選挙が全教職員の意思を反映する民主的な制度のもとで行われることを求めて、候補者選考の方法・手続きについて選考会議への申し入れを行った。また、全教職員への訴えや投票呼びかけのニュース発行なども積極的に行った。主な取り組みは以下のとおりである。

1)民主的かつ公正な選挙を求める取り組み
 組合は、以下の主張を掲げ、学長及び選考会議議長あてに申し入れを行い、また緊急声明も発表して全教職員に訴えを行った。
①構成員の意見を反映した民主的手続きによる候補者選考をすること
②候補者による所信表明の機会を設けること
③意向投票の結果が充分反映された候補者決定を行うこと
さらに8月9日に選考会議が学長選考規則などを決定するまでに、3回にわたって「学長候補者選考のあり方」を特集する組合ニュース号外を発行した。
 こうした取り組みもあって当初1回のみ予定されていた意向投票が2回行われるようになったこと、候補者による所信表明が神戸大学ホームページに掲載されるとともに、候補者が揃っての所信表明の場が設けられ、質疑応答も行われるようになったことなどの前進があった。しかし決定された学長選考規則には多くの問題点が含まれていた。その主なものは次のとおりである。
i 第一次意向投票では非常勤職員に投票権が与えられなかったこと。また、投票結果の公示では得票上位15名の人の氏名が発表されたが、得票数は発表されなかったこと。
ⅱ 所信表明の場における質疑応答の時間が限られており、所信表明を深めるに至らなかったこと。
ⅲ 第二次意向投票では講師以上の教員と課長補佐相当職以上の職員にのみ投票権が与えられ、助手や職員の多くが投票から排除されたこと。また過半数の得票者がない場合の投票は2回目のみを実施し、過半数得票者が得られるまで行うことにしなかったこと。

 さらに今回の選挙で特に強調しておくべきなのは、選挙の公正という点で大きな問題を残したことである。第一次意向投票が実施される直前に、選考会議委員から複数の職員に対して、特定候補者への投票依頼が行われたとの情報が組合にもたらされた。これが事実であれば、公正であるべき学長選考をゆがめる重大な問題であるとの認識から、組合は選考会議議長あてに事実関係の調査とそれに対する見解を示すことを求める公開質問状を提出した。しかし選考会議からの回答は、事実関係をあいまいにしたまま、r投票の公正さを害し、その効力に影響を及ぼすような事態はなく、重大な問題があるとは認め」ないとするものであった。
 組合はこの回答を不十分と判断して、事実の再調査と明確な見解の提示を求めて公開質問状を再度提出したが、それに対する回答は、「当初の回答で言い尽くしている」とする不誠実なものであった。組合はこうした選考会議の姿勢に強く抗議するとともに、今後ともこの問題をあいまいなまま終わらせないよう追求し、公正な学長選考が行われるよう規則改正などを要求していく。

2)第一次および第二次意向投票に向けての取り組み
 組合は学長選挙について全教職員が関心を寄せ、また投票にも積極的に参加することが非常に重要であると考え、投票への呼びかけや学長選挙に関する情報提供を行うとともに、候補者への公開質問状とその回答を全教職員に配付して投票への判断材料を提供した。訴え・呼びかけは下記のような組合ニュースとともに組合員のメーリングリストでの配信も行った。
9/17組合ニュース号外「学長選挙についての特集号一学長選挙にあたっての組合の見解一」(教職員の意思を反映できる学長選考を、私たちが求める学長像、第一次意向投票に積極的参加を)
10/19組合ニュース号外「学長選挙についての大特集号」(候補者への公開質問状)
10/25組合ニュース号外r学長選挙についての特集号一学長候補者のお考え一」(公開質問状に対する候補者からの回答)
11/5組合ニュース号外「学長選挙についての特集号一学長選挙に関心と投票を一」(第二次意向投票に向け、「私たちが求める学長像」を再掲しつつ、参加を呼びかけ)

3 上記の取り組みを踏まえ、組合は次回の選挙がより民主的・公正なものとして実施されるよう、選考会議に次のことを要求する。

①意向投票(第一次、第二次とも)には全教職員に投票権を与えること。
②第一次意向投票の結果公示では得票数も公表すること。
③候補者の所信表明の場での質疑応答の時間を十分保障すること。
④第二次意向投票では投票回数を2回と限定せず、過半数得票者を得るまで投票を行うこと。
⑤第二次意向投票の結果を必ず踏まえた学長予定者決定を行うこと。
⑥意向投票にあたっては投票者への不当な圧力がかからないよう、公正な選挙実施のための措置を講じること。
⑦選考会議の中立性を学長選考規則に明記すること。

 今回の選挙において再選された野上学長が、その所信表明ならびに組合の公開質問状に対する回答として示したr公約」を誠意をもって実行することによって、教職員の意向を十分踏まえたリーダーシップを発揮されることを要望するものである。

2004年11月19日
神戸大学教職員組合中央執行委員会

投稿者 管理者 : 2004年11月24日 01:51

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