2005年01月24日
法人移行で弘大に固定資産税
東奥日報(1/23)弘前大学の法人移行を受けて、国は国有財産だった弘大の建物と土地を「国立大学法人弘前大学」に所有権移転登記する手続きを二十二日までに完了した。これを受けて弘大は二〇〇五年度から弘前市に固定資産税を納める必要に迫られている。課税対象は複数ある大学の教職員宿舎で、弘大側は約六百万円の負担になるとみている。「大学には税金はかからないと思っていた」と苦渋の表情の遠藤正彦学長。財政状況が厳しい中、大学は新たな負担増に直面している。
弘大の所有権移転登記は、文部科学省が昨年十二月から順次実施。青森地方法務局弘前支局が二十二日までに、地方自治法に基づき所有権が移転された事実を弘前市に文書通知した。
これにより、大学法人は行政側に対する固定資産税の納税義務が生じる。国立大学法人は基本的には非課税法人だが、市と大学によると、公共性の高いキャンパスや学生寮は非課税で、固定資産税の対象は「教職員宿舎」となる。
弘前市は(1)〇五年一月一日の賦課(2)さらに、同年度から四半期ごとに固定資産税を徴収―で作業に入っているが、現在、弘大に図面提出を要望中。宿舎にかかる課税額について市は「調査はこれからで、現段階では何とも言えない」とする。弘大は「六百万円程度になると見込んでいる」と話す。教職員宿舎等については、これまで固定資産等所在市町村交付金法に基づき国が納めてきた。それだけに、〇五年度から自前で支払うことになる弘大は「負担増は明らか」と苦境を訴える。
遠藤学長は「固定資産税がかかることは、法人化されてから知った。財政的に極めて厳しい」と語り、宿舎の家賃等について再検討の必要があるとみている。
教職員宿舎は弘前市学園町や文京町にある。市税務課は「複数ある鉄筋の教職員宿舎(共同住宅)は鉄筋等の理由で県税事務所扱い、木造分が市扱いとなる」と説明する。
法人化により経営権を得た弘大。今後の大学運営では外部資金などを得ていかなければならないが、現実には「地域の経済基盤が弱く、財政面に不安を抱える。容易なことではない」と大学側は言う。国の保護下にあった時代から新しい時代に入り、大学にはいっそうの意識改革が迫られている。
投稿者 管理者 : 2005年01月24日 00:11
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