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2005年03月04日

全大教、衆参文教委員宛て「国立大学等の学生納付金標準額の引き上げ問題、運営費交付金等の充実に関する要望書」

全大教
 ∟●衆参文教委員宛て「国立大学等の学生納付金標準額の引き上げ問題、運営費交付金等の充実に関する要望書」(05/02/23)

2005年2月23目

衆議院文部科学委員・参議院文教科学委員各位

全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 関本英太郎

国立大学等の学生納付金標準額の引き上げ問題、
運営費交付金等の充実に関する要望書

 貴職の大学・高等教育の研究・教育の充実と教職員の待遇改善・地位確立に向けた御尽力に心から敬意を表する次第です。
 国立大学、国立高専、大学共同利用機関が法人化されて1年が経とうとしています。
 その中で下記のように黙過しえない問題点が顕在化しつつあります。
 第1に、現在審議中の2005年度予算案に関わって、国立大学、高専の学生納付金標準額の引き上げ(国立大学は15,000円引き上げ535,800円、国立高専は6,600円引き上げ234,600円)及びそれを前提にした運営費交付金等の予算が盛り込まれております。このことは、国立大学法人法等成立時の附帯決議「学生納付金については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよう将来にわたって適正な金額、水準を維持する」としていることに逆行するものです。また、欧米諸国では、高等教育費は実質的に無償措置がとられています。さらに日本は、国際人権規約の「中等教育・高等教育無償化条項」を批准していないわずかの国(146力国中3力国:日本、ルワンダ、マダガスカル)の1つです。
 各大学は学生納付金を据え置けば、現状でも厳しい運営費交付金が削減される仕組みとされているため、教育の機会均等の立場からすれば「苦渋の選択」であるとし、引きあげることを決定・検討している大学が多くを占めています。
 したがって、学生納付金を据え置けば、運営費交付金が削減される仕組みなどを抜本的に改めるなど、運営費交付金等の充実と算定ルールの見直しも重要な課題としてあります。

 第2に、2005年度運営費交付金は、前年度より約98億円削減され、1兆2,317億円とされています。これは、大学法人法等成立時の国会附帯決議にも「法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に、各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。(参議院文教科学委員会)」に明らかに反しています。
 その要因には、2005年度以降については、文科省と財務省の協議により、(1)限定された概算要求事項以外は、2004年度運営費交付金で固定する、(2)2004年度予算を基準として、一般管理費(職員人件費等)について毎年1%の「効率化係数」をかけ、運営費交付金を減額する、(3)附属病院については「教育研究」と「一般診療」とを区別し、後者については経営努力を求めるため、病院収入に対して毎年「経営改善係数」2%をかけ、その収入目標が達成できない場合、運営費交付金を削減するという運営費交付金の算定ルールの問題があります。
 即ち、予算は一部の概算要求事項(競争的資金を中心とした「特別教育研究経費」等)を除き人件費を含めて2004年度予算で固定され、それに効率化係数、経営改善係数が毎年加わる仕組みとされ、必然的に、各大学等は自己収入増に頼らざるを得ません。
 それは、第1に、産学連携等により、自己収入増が安定的に可能な大規模大学とそうでない地方大学等との格差構造がさらに拡大する危険性をもっています。
 第2に、相対的に自己収入増大が可能な先端的・応用的分野と直ちに実用的ではないが、学問の普遍的発展の上で重要な基礎的・文化的分野との研究教育費の格差がさらに広がる危険性があります。
 第3に、運営費交付金が削減される中で、学生納付金の引き上げ、「教員任期法」の無限定な運用拡大、非常勤講師等の削減、職員の「サービス残業」の常態化、身分の不安定化等により、法人化が教育研究水準の劣悪化、教職員の労働条件悪化を招くことが危惧されます。
 こうした問題点は、「大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに、我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るため」(国立大学法人法第1条)という設置目的に全く逆行するものであり、国立大学がこれまで果たし、今後一層その役割を発揮すべき総合的で均衡ある発展を阻むものと言わざるを得ません。また、度々指摘されている欧米に比べ半分以下の高等教育への公的支出(GDP比0.5%)の増額も重要な課題です。
 このことをふまえ、貴職におかれましては下記事項の実現について特段のご尽力をお願いする次第です。

1、学生納付金標準額の引き上げに反対されること。また、国際人権規約の「高等教育無償化条項」を早急に批准するようご尽力くださること。
2.国会での附帯決議や国立大学法人の設置目的をふまえ、学術研究の水準の向上と均衡ある発展をはかるため、国立大学等に対して、効率化係数(毎年1%、附属病院における経営改善係数(毎年2%)による運営費交付金の削減を行なわず、運営費交付金を増額すること。
 また、自己収入増への傾斜をはかる運営費交付金の算定ルールを見直すこと。
3,政府の大学・高等教育に対する公費投入額を欧米並みに早急にGDP比1%とすること。
 その際、研究教育の中・長期的発展をはかる立場から、過度の競争的資金重視政策ではなく、基礎的基盤的経費の充実をはかること。


投稿者 管理者 : 2005年03月04日 01:33

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