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2005年05月05日

安心のファシズム、「インターネット掲示板におけるイラク人質事件の投稿分析」

イラク意見広告の会
 ∟●インターネット掲示板におけるイラク人質事件の投稿分析(2004年12月12日刊行)(イラク意見広告の会05月04日掲載)

 イラク意見広告の会のHPに,「インターネット掲示板におけるイラク人質事件の投稿分析(2004年12月12日刊行)」が紹介されていた。これを読んで,あらためて斉藤貴男氏の著書『安心のファシズム-支配されたがる人びと-』(岩波新書)に書かれていた問題状況,および表題にある「安心のファシズム」という言葉とその意味をかみしめた。
 「安心のファイズム」の背景として,教育面に関わる下記共同通信(5/04付)記事のような単純な事実も深く関与しているのだろう。

インターネット掲示板におけるイラク人質事件の投稿分析:Yahoo!掲示板の場合

…(略)…

III. 結論

 「人質非難の投稿がふえると、事件の背景について議論する投稿が減ったのではないか」という仮説は、むしろ「事件の背景について議論したくないから、人質非難の投稿がふえた」と言うほうが正しかった。「複数のオピニオンリーダーが、拘束事件についての議論を、事件の背景よりも人質非難の方へと導いたのではないか」という仮説は、非難は正当であると考える根拠を他の投稿者たちに提供したという点で正しかったが、その根拠は、オピニオンリーダーが多数派と同じ意識や感情を共有していたからこそ、支持された。ウェブ掲示板で人質とその家族が中傷されている、とマスコミに批判されたときに、オピニオンリーダーの投稿は、それに対抗できる道徳的根拠とみなされた。掲示板の多数派の意思とは「国内に敵がいる」であった。イラクでイラク人(または、アラブ人)が起こした事件を、まるで日本人が日本国内向けに起こした事件のように議論するために、10日間で10万件の投稿が費やされたのだと言える。

「銃後」「御真影」知らず 大学生、沖縄戦の日も

共同通信(5/04)

 「銃後(じゅうご)」「御真影(ごしんえい)」といった言葉を知っている学生が減り、近代史に関する日付として6月23日を「沖縄戦終結」、9月18日を「柳条湖事件」、12月8日を「太平洋戦争勃発」と正しく記憶している割合も低下していることが、教育史研究者の岩本努さんの調査で分かった。特に加害の歴史については理解不足が目立った。
 岩本さんは「中高校で近代史を十分教えず、マスメディアもあまり取り上げない。中国、韓国で反日運動が高まる中、歴史を正しく知らなければ、本当の意味の友好関係を築くことはできない」と話している。
 岩本さんの講義を受けている中央大の44人、法政大の79人を対象に4月に調べた。


投稿者 管理者 : 2005年05月05日 00:00

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