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2005年05月11日

京都大学任期制再任拒否をめぐる訴訟(井上事件控訴審)、出月康夫氏の「陳述書」

「京大再生研教授再任拒否をめぐる訴訟」ホームページ
 ∟●出月康夫氏陳述書(行コ53:041224) (PDF)

 東京大学名誉教授、日本臨床外科学会会長であり,平成14年京都大学再生医科学研究所(再生研)の教授である井上一知氏の再任審査に関する外部評価委員を務めた出月康夫氏の「陳述書」(2004年12月24日)が公開されました。
 この陳述書には,出月氏ら外部評価委員会が井上教授の再任について会議では全員一致で賛成し可とした審査経過,また「再任審査結果報告書」の作成段階(作成は議長に一任した)において,特に第2次ドラフト,第3次ドラフト過程において,京大再生研の山岡前所長の意見が入ってきたこと,さらに後日,山岡所長が「井上教授に再任申請を自主的に取下げるよう説得してほしい」と出月氏に依頼してきた事実経過などが語られています。
 最後に出月氏は,「所感」として,今回の再任拒否は「外部評価委員会での評価が全く無視されたもの」であり,「再生研協議員会は、外部評価を覆す結論を出しながら、その後、私達外部評価委員に対し、その理由に関する説明・報告も一切なく、それこそ外部評価を蔑ろにしている態度」をとった,また今回の事件は「大学教員任期制の導入の際に危惧されていた再任手続の恣意的濫用の問題が顕著に表れた典型例」であり,「再任審査が正しく行われるように設けられたはずの外部評価というシステムが踏みにじられたことは、社会的にも、今後の日本の任期制の将来にとっても、看過できない極めて大きな問題だ」と陳述しています。

 なお,前回リンク紹介した桃福さんのHPには,4月27日大阪高裁での証人尋問において「前所長は出月教授(東大名誉教授)への働きかけを認めました」とあります。実際,前所長は出月氏の「陳述書」の内容を認めたようです。

出月康夫氏の「陳述書」
http://ac-net.org/poll/2/shiryou/041224-chinjutsu.pdf

[今後の裁判の日程]
5月18日(水)(14時30分)大阪高裁第11民事部
6月22日(水)(10時30分)大阪高裁第9民事部

投稿者 管理者 : 2005年05月11日 00:01

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