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2005年06月15日

都立の大学を考える都民の会、「都政関係コラム:石原都政の強権的側近政治の歪みと矛盾が吹き出る」

都立の大学を考える都民の会
 ∟●都政関係コラム:石原都政の強権的側近政治の歪みと矛盾が吹き出る(浜渦副知事辞任報道に関して) 2005年6月10日

コラム:石原都政の強権的側近政治の歪みと矛盾が吹き出る
~都議会百条委員会と浜渦副知事の辞任~

 この間、石原都政は大きな激震に見舞われた。 百条委員会とは、地方自治法にもとづき、地方自治体の議会が、その自治体の事務・運営に重大な疑義がある場合、設置される特別委員会を条文の名をとって”百条委員会”と呼ばれる。 国会議員と違って地方議会の議員には調査権がないので、議会で議決して設置される。この百条委員会は記録の提出、証人尋問、理由なくして出頭の拒否は出来ない、虚偽の陳述に対しては告発の権限を持ち、禁固刑が科せられる。 今回35年ぶりに都議会で百条委員会が設置されたのは、東京都自らが行った事業である、福祉局(当時)の「社会福祉総合学院」の運営(都有地を民間学校法人に転貸したこと)について、こともあろうに執行責任者の一人である浜渦副知事が3月14日の予算特別委員会で不正・不法があったかの発言に端を発している。 「自ら執行責任がある副知事が不正・不法とはおかしい」と都議会が反発、3月16日には百条委員会設置を全会一致で発足させ、ただちに記録の提出、証人喚問を行った。 4月末までには浜渦副知事の言う「不正・不法」はなかったことが判明し、なぜ浜渦副知事が民主党議員にやらせ発言を行ったのか、櫻井出納長が誤った情報を知事に入れたのか等が焦点となった。 加えて調査の中で、浜渦副知事の石原知事の虎の威をかりた都政の壟断(ろうだん)や知事の勤務ぶりが明らかになった。 知事は都庁に常在せず、週に出勤するのは2日~3日で、それも3時間程度(4月は9日、5月は7日しか登庁していない。毎日新聞5月31日夕刊)というあきれた実態が白日の下となった。 又、都庁には「お手紙・お詫び行政」という異様な世界が存在することも明らかになった。 知事自ら側近中の側近という浜渦副知事にすべての権限が集中し、各局が知事にブリーフィング(事前レク)するのに必ず、浜渦副知事にA4版の「お手紙」を出して、OKを取らねばならないと言うものである。又ミスをすれば「お詫び」の文書を自筆で出すことが求められるという浜渦専制政治が横行していたのである。 百条委員会の山崎委員長(自民)は4月25日の委員会で「浜渦恐怖独裁政治への反感は庁内に充満し、臨界点に達している」とまで発言している。 5月に入って、焦点は浜渦副知事の偽証問題に移った。そもそも浜渦副知事の予算特別委員会での発言は、民主党の中村議員の質問に答えるということで行なわれた。この質問自体が、浜渦副知事がやらせたのではないかという疑問が4月の百条委員会で俎上(そじょう)に登り、証言が求められた。3月29日の百条委員会で浜渦副知事は民主党に「質問依頼はしていない」と否定した。 しかし、5月12日の内田都議会議長が証言し、民主党の幹事長が、浜渦副知事から、かなりしつこく依頼を受けていた事実も明らかにされ、 百条委員会は浜渦副知事の民主党への発言依頼はしていないという証言を偽証として採決し、5月16日には証人に出頭しなかった民主党の富田議員を告発すると決定した。 その後、現職の2副知事と教育長が「進退伺い」をだし、混乱の責任と知事の決断を迫った。 5月下旬になってようやく事態の重要性を悟った石原知事は側近で協議、6月1日から始まった第2回定例都議会の前日に浜渦副知事を辞めさせる事を表明せざるを得なかった。 浜渦副知事がその専横ぶりが糾弾され辞任することになったことは、大きな意義を持つものである。 しかし、石原知事は、それまで自らの責任を語っていたものが、6月3日の定例記者会見では前言をひるがえし、全く反省のない発言を繰り返し、都庁内には失望と怒りの声があがった(都政新報6月7日版)。 知事は浜渦副知事は余人に代え難い有能な人物であったことをほめあげ、自らの責任についても次期副知事を選任したことで棚上げしようとしている。 加えて浜渦副知事が否定した民主党への発言依頼についても自らが関与していた発言を行った。都議会の共産党と生活者ネットから知事の問責発言が出るのは当然であった。 今回の事件は石原都政の「終わりの始まり」であることは間違いない。また石原都政の求心力が弱まることは確実である。 しかし、石原都政を変えるためには、広範なネットワークを作り、都民本位の都政を作り上げる運動がいよいよ切実な課題として浮上してきている。


投稿者 管理者 : 2005年06月15日 01:11

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