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2004年02月03日

東北大医学部、会議費使って接待 6年間で760万円

河北新報(2/3)

 東北大医学部が1998年4月から2003年12月までの約6年間に、委任経理金(国費)を使って支出した「会議費」のうち、6割に当たる約760万円が学外での飲食費に充てられていたことが2日、同大職員組合の情報公開請求に対し、大学が開示した資料で分かった。飲食には吉本高志学長、玉井信医学部長らも出席していた。公立病院からの研究助成金問題がクローズアップされる中、医局経費の使途のあいまいさが、あらためて問われそうだ。

 資料によると、期間中に各医局や東北大病院が委任経理金を支出した会議は234件で、総額1285万円を費やした。

 このうち、終業時刻以降の学外での飲食を伴う会合は180件(77%)。酒代、コース料理などに761万円(60%)が支払われた。
 会場は仙台市内の料理屋、レストランなど。名目は「専門分野に関する打ち合わせ」としているが、ほとんどが学外の研究者への接待だった。
 同医学部関係者659人を含む1036人が参加し、1件当たりの平均費用は4万2305円、1人当たり平均7350円を使った。

 吉本学長(当時は研究科長)は3回参加、32回について書類に「支出承認印」を押していた。玉井学部長も4回参加、26回、承認した。
 公立病院からの研究助成金が充てられたかどうかは、委任経理金の性格上、確認できなかった。

 職員組合は、開示資料を全学の評議員に送付した。同組合は「医学部ではこうした使い方がまかり通ってきたが、支出が認められる基準について全学で明確なルールをつくるべきだ」と言う。
 医学部への寄付金のルートはこのほか、財団「艮陵医学振興会」と同窓会を通すものもある。

 公金扱いの委任経理金が、飲食費に使われていたことが判明したことでで、職員組合は内部調査の限界を指摘。「他のルートの使途について、独立した調査機関をつくっるべきだ」としている。
 これに対し、医学部は「会議費に委任経理金を充てることは文部科学省通知で認められている。会計監査院の検査も受けており、法的に問題はない」と反論。

 飲食については「社会通念上、許される範囲と考えるが、今後は適正額など内規を定めて改善を検討したい」としている。

[委任経理金] 同窓会組織や病院、製薬会社など外部からの寄付金を、一度国庫に納入した後、医学部の医局などに交付される経費。国家公務員である教授らが金銭を受け取ることは法令違反となるため、大半がこの手続きを踏む。

投稿者 管理者 : 2004年02月03日 09:53

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