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2004年02月21日

福岡教育大,教授会有志65人が学長の辞任を求める声明を発表

朝日新聞ニュースサイト(2/21)

辞職要求に反発 有志側「自治」を

 福岡教育大学(福岡県宗像市)の教授会(208人)の有志65人が20日,非常勤講師の手当を半減する「学長裁定」を撤回した松尾祐作学長に対し,速やかな辞職を求める声明を発表した。学長権限が大幅に強まる4月の法人化。組織運営の在り方を巡る教授会の開催要求を拒否するなど,「トップダウン」を先取りする学長の運営に,懸念と反発が強まっている。

「学内を混乱させようという意図はない。大学の自治を取り戻したいだけだ」
 20日,学内で記者会見した有志代表の岡俊房教授(言語学)はこう強調した。
 辞職要求に至った直接の原因は,非常勤手当の半減を決めた1月の「学長裁定」と,3回にわたる教授会の開催要求の拒否。裁定は事実上「撤回」されたが,法人化後の運営の在り方を議題とした教授会の開催要求は,「組織運営は全学の問題。教授会にはなじまない」などの理由で拒み続けている。
 規定では,構成員の6分の1の要求があれば,学長は教授会を開催しなければならない。過半数の開催要求署名が集まったり,「学長の信を問う」との議題に変えたりしたが,学長は「開催理由に当たらない」との姿勢を崩していない。

発端は原案否決

 混乱の発端は,昨年の全学教授会までさかのぼる。法人化後の「中期目標・中期計画」。昨年,計3回にわたって審議されたが,学長が提案した原案はいずれも拒否された。代わりに教授会有志が出した対案が賛成多数で可決され,文部科学省に送られた。
 学長に対する「不信任」ともいえる3回の否決を受け,一部教員から学長の辞職要求が出た。2人の副学長が辞任したが,学長は続投を表明。以来,全学教授会は一度も開かれないままになっている。
 今回,教授会開催要求が強まっているのは,可決した中期計画と,学長が1月に決めた組織運営案に「開きがある」とき見方が出ているためだ。
 計画には「重要事項を審議する教授会の役割を踏まえた意思決定システムと運営体制を整備・充実する」とある。しかし,組織運営案は,教授会の審議権を大幅に縮小。学長が構成員の多くを自由に任命できる拡大役員会や戦略室を設けて,学長が意思決定するシステムになっている。
 岡教授らは「この組織では,非常勤手当の半減も強行できる。教授会のチェック機能も学内のコンセンサスも無視される可能性があり,問題だ」と指摘する。
 
法的拘束力なし

 朝日新聞の取材に対し松尾学長は「組織運営案が中期計画を踏まえているのは当然。十分理解していない人が勝手に批判している」と反論。辞職要求については「法人化を何としても実現するのが今の私の立場だ」と,あくまで職にとどまる考えを強調した。
 辞職要求に法的な拘束力はなく,このまま教授会が開かれない可能性は高い。
 文科省大学課は「法人化の趣旨は学長が何でもできるということではない。学内のコンセンサスを得る努力は常に求められる」と話している。

非常勤講師の手当問題

04年度の予算で,松尾祐作学長が教職員の定期昇給相当分の人件費が約4400万円不足するのを補うとして,非常勤講師手当の約8900万円を半減させて「流用」する方針を1月の「学長裁定」で決定。文部科学省は「人件費に定期昇給分は積算している」などと疑問視し,すでに約200人の講師を手配していた教員側は反発した。17日に学長は「凍結する」と表明し,事実上撤回した。

投稿者 管理者 : 2004年02月21日 16:02

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