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2004年04月15日

鬼界彰夫氏(筑波大学)『選ばれる立場にあるのは誰か:都立大を巡る一連の事態の本質と大学を巡る市場原理のあり方』

学問の自由と大学の自治の危機問題(佐藤教授)サイトより転載

【抜粋】

・・・それは任期制・年俸制に関して言えば、よほど特殊な事情がない限りそれを大規模に導入する大学が出てくるとは考えられないということである。こうした判断の傍証となる事実をここで三つ挙げたい。第一は都立大、横浜市大の改革や様々な言説を通じてあたかも任期制が大学運営にとって先進的な制度であるかのような誤った印象が一時的に醸成されたにもかかわらず、法人への移行に際して現実に全員任期制という自己破壊的な制度の導入を決定した国立大学はわずか一校であったこと、しかも報道を見る限りその決定は不幸な誤解に基づいていると推測されることである。第二は京都大学再生研井上氏再任拒否事件に関する京都地裁の判決後の記者会見で、尾池京大総長が、京大として全学一律に任期制を導入する気がないと明言するとともに、任期制の乱用に対して警戒の念を表明したことである。第三は私が所属する筑波大学での出来事だが、一昨年以来定年の3年延長とリンクさせる形で半ば受け入れなければならない外圧かのように全員任期制の導入が真剣に評議会で議論されてきたが、定年は延長するが任期制は導入しないという決定が最近なされたという事実である。その動機は任期制の導入が優秀な教員の確保の障害にしかならないという単純な事実に大学幹部が気づいたことだと思われる。…


投稿者 管理者 : 2004年04月15日 00:03

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