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2004年04月16日

日本社会の萎縮に対抗し,大学関係者からもっと声を!

Academia e-Network Letter No 96 (2004.04.16 Fri) 編集後記より

 さきほど高遠さんたちが解放されたとのニュースがあった。この一週間、日本社会に光と闇が拮抗し闇が優勢の中で、新たに二名の方が捕われている。やはり、日本の若い世代のもつ可能性を象徴するような方たちだ。元気に戻られることを切に祈る。

 箕輪氏と坪井氏のメッセージを転載した前号について、旧国立大学の教員の方から以下のメールを頂いた。

「このメールのどこが AcNet Letter の趣旨に沿っているのでしょうか?編集発行人の気に入った情報なら何を流しても良いということでしょうか?
それに、このニュースは常識的に考えてニュース価値は0でしょう。」

 報道機関であることをやめ情報産業に衰退してしまった大手紙や週刊紙が、目に余る世論誘導と煽動を行う中で、思ったことを語れない雰囲気が日本社会に急速に広がっている状況において、言論の自由が残されている数少ないセクタの一つである大学からも余り声は社会の届いていない。その中で、当然の事を語った方がおられることを知らせたかった。マスメディアが無視することを伝えることにより、メディアの情報操作によって大学セクタが萎縮していくことを防ぎたい、ということが、AcNet Letter を辛うじて続けている主要な動機である。それにしても、この方は、どうして情報産業の視点で「ニュース価値」を云々しなければならないのだろうか。

 今回の事件を通し、大手紙の一部が煽動した激しい個人攻撃を目撃して、日本社会の多くの人が萎縮し、思うことを語ることに慎重になったと推測される。「戦前」の状況への下準備となることが懸念される。この中で、倉本聡氏、江川紹子氏、坂東英二氏、浅田彰氏を初め、著名な方が当然のことを言いつづけてくださったことは、強力なカウンターバランスとして機能しているように思う。一千万の信じやすい読者を持つメディアの野蛮な暴走を留め得るのは、数千万の人が敬意する著名な方が、良識を当然のこととして発言されることであろう。日本社会の言論状況がクリティカルな今、メディアの崩壊を防ぐために、大学界の著名なかたがたが積極的に発言される始めることを願ってやまない。

なお、「学者 文化人による緊急声明」が4月10日に出されている。


投稿者 管理者 : 2004年04月16日 10:00

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