個別エントリー別

« Winny開発の東大助手を逮捕 著作権法違反幇助容疑 | メイン | 都立大・短大教職員組合、「今年度都立4大学研究費の配分に関する公開質問状」を提出 »

2004年05月11日

メディア寸評 「ブッシュの戦争と経済破綻」、「帝国以後−アメリカシステムの崩壊」

自由法曹団、「団通信」第1126号(4/21)
神田高氏、「メディア寸評ー日本が支えるアメリカの行く末」より

1“日本が支えるアメリカ”

 『軍縮問題資料四月号』で福田邦夫明大教授は、「ブッシュの戦争と経済破綻」の中で“日本国民の税が支える米国の財政赤字”を論じている。…

 …〇四年一月現在、米国債保有高は約五五兆円であり、同年度の米国財政赤字額と日本政府の米国債保有高はほぼ同額であり、日本政府による支援なしに、ブッシュ政権の赤字財政は維持不可能である。だが、日本の対外純資産残高は一七五兆円で世界第一位であり、〈ドル安・円高阻止〉のためのドル買いは無意味である。小泉の真のねらいは、ブッシュ政権の軍事拡張政策を財政的に支え、これに群がる米軍事産業を潤すことにある。〇三年には、ロッキードをはじめとする米国主要軍事企業は憲政記念館で“ミサイル防衛システム”の展示会をやり、同じ場所で自・公・民議員も参加し、「日米安全保障戦略会議」が開催され、年末には政府はBMD(弾道ミサイルを遊撃する弾道ミサイル防衛)システム導入を決定した。…

2“アメリカの行く末”

 フランス人のE・トッドは『帝国以後〜アメリカシステムの崩壊』の中で、アメリカの行く末を予見している(同書は、イラク戦争へのシラク大統領の反対の理論的支えになったそうだ)。世界最強の軍隊をもち、軍事的、経済的に無敵にみえるアメリカ帝国の脆弱さを問題にし、それは「世界が民主主義を発見し、政治的にはアメリカなしにやっていくすべを学びつつあるまさにその時、アメリカの方は、その民主主義的性格を失おうとしており、己が経済的に世界なしではやって行けないことを発見しつつある」ことだという。つまり、“アメリカシステムの崩壊”である。
 トッドは、アメリカの脆弱さの核心を世界への経済的依存、つまり「略奪者」となっていることに求めている。…

 …“ハイリスク・ハイリターン”が新自由主義と言われるといかにも斬新な感じをもたされるが、実は、アメリカへの投資は高利潤と同時に「安全性の至上命令」が優先しているのだそうだ。“グローバリゼーション”は経済・金融のことと思わされているが、本質は政治的・帝国主義的である。…


投稿者 管理者 : 2004年05月11日 00:01

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/917

このリストは、次のエントリーを参照しています: メディア寸評 「ブッシュの戦争と経済破綻」、「帝国以後−アメリカシステムの崩壊」:

» 財政赤字カウンタ from ディープコザ発・沖縄ブログ
「カネもないのに減税なんかして、米財政が大変な事になりかけてるじゃないか!」と、ロスアンゼルスタイムスの社説にありました。って、これ、永瀬さんが翻訳したんですけどね♪ それによりますと 2004年度の財政赤字は4770億ドル。10年後の2013年には減税による赤字分... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2004年06月01日 23:33

コメント