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2004年05月17日

イラク失業労働者組合(UUI)、報告「イラク民衆のレジスタンス」

「たんぽぽ」だより(2004年5月15日)から転載

 4月24日(土)〜5月3日(月)に「イラク失業労働者組合(UUI)」の代表らが来日した。その間,神戸,大阪,広島,京都,東京で開催された2つの国際戦犯民衆法廷公聴会や各種集会に招かれ,イラクの労働運動の現状とともに、占領軍の撤退・イラクの主権回復を訴え帰国した。

 ペンネーム「たんぼぼ」さんは,5月2日大阪で開催された集会に参加し,同組合副代表ヘイサム・アリ・ムハマド氏の報告をレポートしている。ここにリンク・掲載する。

 イラク失業労働者組合(UUI)は2003年5月1日にわずか20名で発足。その後占領支配の下であふれる失業者の闘いを組織し、現在はイラク全土で25万人を組織する組合となっているとのこと。
 下記,同組合からの報告は,イラクの労働運動に関して興味ある事実を伝えている。例えば,バース党政権下での労働組合は,政府当局の指示の下のみ結成されてきたこと,したがって,イラク労働組合総同盟(GFTU)は,バース党政権の「スパイ組織」と化し,労働組合内部における「ファシズムの道具」として機能してきたこと,また連合軍占領当局とイラク統治評議会(IGC)は,バース党時代の法律を踏襲し,公的部門における組合結成を禁止するとともにそれを他産業にも適用したこと,そして「一つのグループ」にのみ団体としての労働組合を認め,イラク労働運動を「アメリカとIGCに隷属させようと」してきたことなどである。
 日本の社会政策学会では,イラク労働運動に関する研究はほぼ皆無であり,これらの報告内容は日本において全く知られていない事実だと思われる(労働問題研究者として勉強になった)。

報告 「イラク民衆のレジスタンス」

イラク失業労働者組合−UUI
2004年4月

 私たちは、バグダッドを訪問した代表団との会合ですでに述べたことや2003年12月にヨルダンのアンマンで述べたことを繰り返して述べなければなりません。
 こう述べる理由ははっきりしています。イラク情勢は何一つ改善されていないからです。以前私たちが問題としてきたことが、今もって労働運動の発展や労働者の生活条件や労働条件にとって重要であり影響を与えているのです。

 まず、2003年5月に私たちUUIの活動の最初から、そして、私たちが労働運動を建設するために前進しつつあった時、実際に労勝者のための組織は全く存在せず、爆撃を受けて破壊されたか略奪にあったために、工場や企業や職場の大多数では、稼働している機会がありませんでした。

 大規模な失業が発生し、世界の他のどの地域とも比較できないようなインフレと経済危機と高い失業率が発生しました。私たちは2003年5月1日にイラク失業労働者組合を結成しましたが、この労働組合に何千人もの失業者が加盟しました。私たちは治安が崩壊した環境の下で、しかも常に人々を脅かす爆発が起こっている下で、組合の組織化を進めてきました。私たちは、2003年5月7日から9月14日までの間に13回のデモを組織し、その中でバグダッドの燃えるような炎天下の中で43日以上にわたる座り込み抗議行動を行い、アメリカ軍民政局−CPAとの13回以上にわたる交渉を行いました。

 UUIを結成すると共に、私たちは「イラク労働者評議会労働組合協議会結成準備委員会」を結成しましたが、その結成の主な目的は、破壊をまぬがれた産業において労働組合を結成することでした。

 私たちは現場で活動を進めるときに、様々な障害に直面しました。

…以下,省略…

[関連文書]
下記の証言要旨も,大変興味ある事実を証言している。
イラク失業労働者組合(UUI)海外代表 アソ・ジャバールさんの証言要旨「世界の反戦運動とともに占領紛争もないイラク」イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)兵庫公聴会にて(2004年4月25日)

投稿者 管理者 : 2004年05月17日 00:08

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