個別エントリー別

« 鹿国大解雇無効訴訟 元学長と原告教授を証人尋問 鹿地裁 | メイン | 大学評価学会 発足にあたって 資金配分のための「評価」に基礎研究はなじまない 益川 敏英氏 »

2004年06月09日

私的な海外渡航の承認制度 東北大、あわてて廃止 労基法抵触の恐れ

東京読売新聞(2004/06/08)より

 ◆法人化で非公務員 
 東北大が、労働基準法に抵触する可能性が大きいとして、教職員が私的に海外へ渡航する場合でも事前に部局長の承認を必要としていた「私事渡航承認制度」を二日付で廃止したことが七日、わかった。四月の法人化に伴って教職員は非公務員となっており、その時点で廃止は可能だったが、教職員から指摘を受けるまで継続していた。同大国際交流課では「危機管理の一環として、テロや重症急性呼吸器症候群(SARS)のような不測の事態が起きた場合に教職員がどこにいるか把握しておきたかった」と説明している。
 文部科学省人事課によると、四月一日に独立法人化する以前には、同大は文部科学省内の一機関で教職員は国家公務員だったため、一九九一年十二月の文部事務次官(現、文部科学事務次官)通知に基づき、私的な海外渡航でも事前承認が必要だった。しかし、大学の独立法人化に伴って教職員は非公務員となっており、通知の対象から外れていた。
 東北大などによると、同大は四月一日付で各学部の事務長あてに、教職員は私的な渡航であっても、各部局長の承認が必要との通知を流した。ところが、通知後、教職員から「法人化により非公務員になったため、私事渡航承認制度は労働基準法に抵触する恐れがある」との指摘が数件、大学側に寄せられ、大学側が弁護士と相談。弁護士も「労働基準法に抵触する可能性が大きい」と回答したため、承認制度を廃止することになった。
 同大では今月二日、国際交流課長名の文書で、各学部の事務長あてに承認制度の廃止を通知。文書には「当方の調査不足で多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪の言葉も添えられたという。
 
 〈メモ〉国立大の独立法人化
 二〇〇三年七月に成立した国立大学法人法に基づき、国の機関だった国立大学は二〇〇四年四月一日から、国から独立した法人格を持つことになった。産学連携の推進など特色ある研究や教育の促進を図るのが狙い。能力・業績に応じた給与システムを各大学の責任で導入できるよう、教職員も非公務員となった。


投稿者 管理者 : 2004年06月09日 00:39

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/1159

コメント