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2004年06月18日

東京都立大学人文学部、教授会決定(6月17日)

「開かれた大学改革を求める会」ニュース(2004年6月17日第8号)より

6月17日人文学部教授会で新たな決定
いよいよ正念場・新大学(「首都大学東京」)をめぐる動向

 去る6月14目(月)、文部科学省教育局大学振興課大学設置室は、東京都が申請した新大学計画に対して、設置を認可する方向の書類を出しました。そこには、≪大学設置・学校法人審議会大学設置部会における設置構想審査の結果、申請内容の補正を求める意見は付されませんでした≫と記されています。このままいけば、7月末に新大学設置の認可がおりる見通しです。
 現行の都立4大学の教員・学生、そして都民・国民から多数あがっている抗議の声をいっさい無視して進められている、手続き・内容ともに重大な疑問に充ちた新大学構想に対して、ひとつの≪補正≫も求めずに認可の方向が示されたことは驚愕に堪えないことです。これを機に、今後、目本全国で大学破壊が進行してゆくことのないよう祈るばかりです。

 さて、右記文科省書類では、≪追加書類を作成し、7月2目(金)までに提出≫することが求められています。この必要書類には、現行大学から新大学へ移る教員による「就任承諾書」も含まれています。これに対して、6月17目(木)に開かれた都立大学人文学部教授会では、大学院構想、教員の身分・労働条件、教授会への人事権付与という三項目の明確化を求めた6月3目及び10目の教授会決定を踏まえ、改めて、改めて次の点を決定しました。

六月一七日 人文学部教授会決定

[「開かれた大学改革を求める会」によるまとめ]

 東京都の進めている新大学構想は、いまだに不明な点が多く、このままでは人文学部教員は「就任承諾書」を提出できる状況ではない。よって、とりわけ重要な次の3点について、文書によって公式に回答することを東京都大学管理本部に求める。

1.大学院について

 新大学より1年遅れで2006年度に発足する予定の大学院では、仮称「人間・社会・文化科学研究科」(現人文学部教員が所属予定)定数85を明示し、かつこの85名の所属は大学院であって、学部教育等(都市教養学部・基礎教育センター・オープンユニヴァーシティー)は兼任としての出講とすること。この大学院には人事権等の決定権を有する教授会を設けること.

2.教員の身分・雇用について

 現行の雇用・給与体制を、長期的に維持すること。

3.教授会の権限

 教授会には、人事権をはじめ、大学の自治を保障する諸権利を与えること。

 この要求に対して東京都大学管理本部がどのような回答を寄せるのか、今後の日本の大学にとっても重大な意味をもつものとなるでしょう。
 もし管理本部からの回答が遅れた場合、多くの教員が新大学へ就任するかどうかの決定ができない状態に陥ります。予定していた教員の就任承諾書を管理本部が集めることができず、2005年4月に新大学が発足できなくなったとしても、その責任はひとえに管理本部にあることは言うまでもありません。


投稿者 管理者 : 2004年06月18日 10:44

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