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2004年06月22日

自衛隊イラク派兵差止訴訟(名古屋地裁)第1回口頭弁論 原告「意見陳述書」(全文)

「たんぽぽ・だより」サイトより
「訴訟の会」代表池住義憲氏の「意見陳述書」(全文)

原告意見陳述書

原告 池住義憲

 原告の池住義憲です。私は、1975年3月、世界YMCAヴェトナム難民救済復興事業のワーカーとして当時の南ヴェトナム・サイゴン(現在のホーチミン市)に赴任しました。既に北からの解放勢力が攻勢を極め、米国の傀儡政権であったグエン・バン・チュー政権の南ヴェトナムは日一日と緊迫の度合いを増しているヴェトナム戦争終結二ヶ月前でした。…

…中略…

6.私の権利

 私は、日本でNGOという言葉が一般に知られる以前から、もう30年以上にわたってNGO活動に携わってきました。しかし、今お話しましたヴェトナム、フー・バンでの経験は、今でも私の中で、整理することができない原体験となっています。私の背負った原罪として私を苦しめています。29年間、私はこの体験を語ることができませんでした。
 日本が重武装した自衛隊を戦地であるイラクへ派兵することは、私が背負っている原罪に加えて、さらに私に原罪を背負わせることになります。これによって私は、身体が震え背筋が凍りつく想いがするほど、精神的苦痛を受けています。善意が途絶し、善意が命を奪うという不条理を生むことは、私たちNGOの活動を否定することになります。国境を越えた人々の結びつきの中で、「非暴力」で平和を創り出そうとしてきた私の人生をも否定されることになります。
 私は、直接・間接を問わず、誰一人をも殺したくありません。加担者になりたくありません。これは、憲法で保障された、私の「権利」です。徹底した平和主義に立つ憲法が、イラク派兵を許さないことは明白です。裁判所がイラク派兵を違憲と断ずべき責務を有することも明白です。

 以上、私は、いたたまれない思いから、憲法に基づいて、本訴を提起した理由の一端を述べて、私の意見陳述とします。

2004年6月18日
名古屋地方裁判所 民事第6部 御中


投稿者 管理者 : 2004年06月22日 00:04

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