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2004年06月29日

科研費補助金、無作為監査を導入 大学で不正相次ぎ

朝日新聞(6/28)より

 相次ぐ科学研究費補助金(科研費)の不正使用対策として、文部科学省は、主任研究者が所属する国立大学法人や公私立大学、研究機関に対して研究テーマの10%を無作為に選んで監査、1%に特別監査をするよう義務付けることを決めた。今年度支給分から適用する。財務省も、独自調査で問題点が複数見つかったため、文科省を通じて国立大学法人に外部監査の導入を求める。

 科研費は公募型の補助金。科学技術立国を目指す国の方針から緊縮財政の中でも例外的に毎年、増え続け、今年度は文科省だけで1830億円を予算化。従来、文科省は不正使用情報があった時は使用状況を調べるが、チェックの仕組みを制度化していなかった。

 不正使用は、カラ出張やアルバイトを雇用したように装うカラ謝金で資金を作り、目的外に使う内容が多い。

 昨年12月には愛媛大医学部教授が不正使用で2カ月の停職処分、今年1月には東大元副学長が目的外使用で3カ月の停職処分を受けた。文科省による返還命令は01年度1件、02年度、03年度各4件。今年度は1件あり、別に13件で調査中だ。

 監査、特別監査とも実施されるのは科研費を使った翌年度。監査は書類のチェックが中心。特別監査では、実際の使用状況や納品の状況などを徹底して調べさせる。結果は次年度の応募、申請の際に報告させる。

 文科省は、目的外使用をした研究者本人は2年間、研究以外への私的流用をした場合は5年間、申請できなくする罰則を昨年9月に導入。今年4月には、共同研究者も連帯責任として1年間申請できなくしている。

 財務省の調査は03年度の実施。23の研究機関、29人の研究者を対象に実態を調べたら、帳簿や証拠書類が紛失している▽打ち合わせが飲食店で頻繁に行われている▽研究者本人による押印が義務づけられている書類の日付が研究者の休暇中▽備品納入の契約は1社の見積もりだけで、競争原理が働いていない▽10〜3月分の謝金が3月に集中して支出される――などの例が見つかった。

 科研費については、使い道が限定されていることが不正使用の一因との声が研究者側からある。国際会議での食事代への支出やクレジットカードによる決済は以前から認められており、文科省は手引書を作って、周知徹底していく。


投稿者 管理者 : 2004年06月29日 00:17

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