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2004年07月05日

非常勤組合 コマ数削減に対し,全額支払勝ち取る!

「私大教連おおさか」No.12(2004年6月20日)より転載

 Yさんは九五年度からA短大で非常勤講師として勤務していました。〇四年度は短大で英語二クラス、大学で英語一クラスを担当することになっていました。すでに文書で契約書も取り交わしています。ところが、新学期を目前に短大での二クラス「不開講」を通告されたのです。
 この時期に「不開講」とはひどい。責任者にその理由を質問したところ、「新入生一五〇名五クラスの予定が一二〇名であったので、クラス減はどうしようもない」との返事でした。一クラスの定員を減らすことでコマ数を確保してほしいとYさんは懇願しましたが「その意志は全くありません」という。そこで、Yさんが、他のクラスを担当している非常勤の先生複数に電話で問い合わせてみたところ、コマ数が減っているのはYさんだけでした。それどころか、コマ数の増えている先生もいるし、新任の非常勤がいることも判明しました。開講責任者の高圧的な会話に不安を抱いたYさんは当組合に相談し、団交に臨みました。
 団交の席で、組合は「大学側はこれを不開講科目とすることで、二か月分だけの手当てを支給して終らせようとしているがこれはおかしい。不開講とは学生登録が終了した時点で学生か集まらなかった科目についていわれることである。削減された科目は必須科目であって、大学の意志によって一クラス当たりの学生数とクラス数を決定するものである。したがってこれは不開講ではなく、解約にあたる。契約書に『三ヶ月前に通知しなければ解約の効力は生じない』とあるので、大学はYさんを元の状態に復帰させなければならない。それができないというのであれば、違約金として一二か月分の給与全額を支払うべきである。」と主張しました。
 さらに、「予定していた人数の新入生が集まらなかったのは大学の責任であり、非常勤のコマ削減はその責を非常勤に帰すものであり、断じて認めるわけにはいかない。非常勤がいないとカリキュラムを編成できないにもかかわらず、困難に直面すると、いとも簡単にその責任を非常勤に押し付けるのにいかかなものか。大学側は学生数の減少に対し、どのような策を講じてこられたのか、お聞かせ願いたい」と質問しましたが、回答はありませんでした。
 また、なぜ、はずされたのがYさんであるのかという質問に対する回答も納得のいくものではありませんでした。
 後日、大学から「これは不開講であって、契約違反ではないが、生計に少なからぬ支障が生じるという指摘に鑑み、本件については一二か月分の給与(相当額)を支払う。本件合意は今回に限定した措置であり、前例としない」旨の提案がなされました。Yさんと組合は、本年度の科目担当を回復できなかったという無念さを残しっつも この提案を受け入れました。
 団交を通じてわかったのは、大学は雇用にかかわる責任などこれっぽっちも考えていないということです。それと同時に、大学の理不尽に憤り、たたかうことを決心したものだけが、自己の矜持を持ち続けられるということです。

投稿者 管理者 : 2004年07月05日 00:18

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