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2004年07月28日

鹿児島国際大学不当解雇事件、「裁判の経過と現況」

裁判の経過と現況
― 三つの裁判で全面勝訴、本訴は終盤に入りました―

2004年7月27日

 鹿児島国際大学で2002年3月末に強行された三教授懲戒解雇処分については、同年9月末に決定が下された仮処分裁判と、この仮処分決定を不服として大学・学園側が提訴し去る3月末に決定が下された異議申立裁判の両方で、三教授側が全面勝訴しました。
 しかし、当局側は依然として処分を撤回せず、その後も裁判を複雑化させ長期化させるような対応を示しています。そこで、この解雇処分をめぐる裁判の経過と現況を整理してみると次のとおりです。
(1)地位保全等仮処分申立裁判(2002年4月提訴、同年9月末に三教授側全面勝訴)
(2)解雇無効・地位確認等請求裁判(本訴)(2002年11月提訴、口頭弁論進行中)
(3)上記仮処分決定に対する学園側の異議申立裁判(2002年12月提訴、2004年3月末に三教授側全面勝訴)
(4)南日本新聞社と八尾教授に対する学園側の名誉毀損損害賠償訴訟(2003年4月提訴、2004年1月に学園側全面敗訴、判決確定)
(5)2003年10月以降の賃金仮払い継続を求める仮処分再申立裁判(2003年10月提訴、近く決定が下される見通し)
(6)上記異議申立を却下した地裁決定に対する学園側の保全抗告裁判(2004年4月提訴、その審尋は7月12日に電話会議の形で行われ事実上結審した)

 以上のように三教授側は、これまでに裁判所の判断と決定が示された三つの裁判すべてで全面的に勝訴しています。なかでも去る3月末に下された異議審決定で、三教授らには「懲戒事由に該当する事実は認められない」、学園が2002年10月25日付で三教授に通告した予備的普通解雇も「解雇権の濫用に該当し無効である」との判断が示されたことは重要です。これは本訴を担当している鹿児島地裁民事第1部の判断だからです。
 学園当局はこの決定も不服であるとして福岡高裁宮崎支部に抗告しましたが、その審尋は「電話会議」の形で行われました。
 鹿児島地裁民事部に対して解雇無効と地位の確認などを求めている裁判(本訴)の方は、昨年1月20日の第1回口頭弁論以降1年半の間に9回の口頭弁論と2回のラウンド・テーブル(円卓審理)が行われ、この間に双方から多数の準備書面、陳述書・意見書・証拠書類が提出されました。昨年12月の第6回口頭弁論からは被告側証人尋問に入り、去る5月17日(第8回)と6月7日(第9回)の口頭弁論では、被告代表である菱山理事長本人への尋問が行われました。第9回口頭弁論の後半からは原告側への尋問に移り、田尻教授に対する尋問に入りました。原告側への尋問は8月9日(第10回)と9月13日(第11回)の口頭弁論で終了する予定です。そのあと原告・被告の双方が最終準備書面を提出して結審を迎え、それらを踏まえて判決が下されるというのが、今後の大まかな見通しです。

次回の本訴裁判口頭弁論に向けて三教授側証人から提出された「陳述書」(2004年7月22日付)を下記にリンク。
亀丸教授の証言(「陳述書」2004年7月22日付)

投稿者 管理者 : 2004年07月28日 06:41

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