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2004年07月28日

国立大法人化、非常勤講師にしわ寄せ 33大学で賃下げ

朝日新聞(7/27)

 4月に法人化された際に非常勤講師の賃金を1割程度も減額した国立大学が、全国89大学のうち11大学に上ることがわかった。1%前後の減額を合わせると、賃金を引き下げたり、年度内の引き下げを検討したりしている国立大は計33大学になる。国立大は法人化で経営の効率化を迫られており、そのしわ寄せが弱い立場の非常勤講師にも及んでいるようだ。

 首都圏大学非常勤講師組合と関西圏大学非常勤講師組合の両労働組合が調べた。

 時間給を1割前後減らしたのは福岡教育大(最高ランク6900円→6000円)▽大阪外語大(同6450円→5900円)▽大分大(同6200円→5000円)▽浜松医科大(同6100円→5200円)▽岡山大(同6000円→5500円)▽信州大(同5850円→5120円)▽静岡大(同5850円→5300円)▽神戸大(同5800円→5200円)▽香川大(同5700円→5000円)▽高知大(同5400円→5000円)▽富山医科薬科大(5850円→5260円)。

 各大学は「周囲の大学を調べた結果、単価が少し高いとわかった」(福岡教育大)、「講師や待遇を決めた時点では法人化後、人件費にあてられる予算がどの程度あるかはっきりせず、額を抑えた」(神戸大)などと説明している。

 関西圏大学非常勤講師組合によると、非常勤の仕事だけで生活する講師(専業非常勤講師)は全国で2万5000人前後。平均年齢は42.4歳、平均年収は約287万円で専任教員の3分の1ほどにとどまっている。

 1%前後の賃下げは国家公務員の月給が昨秋、人事院勧告で平均1.1%引き下げられたのに伴う措置。だが、非常勤講師の賃金がもともと少ないことを踏まえ、非常勤講師に限っては賃下げしなかった国立大も多数あった。

 法人化前、国立大には国が非常勤職員手当を配っていた。だが、4月以降は国からの交付金のうち、人件費部分は専任教員の定数をもとに計算されるようになった。非常勤講師分は含まれておらず、各大学は非常勤講師に対する賃金の工面に頭を悩ませている。

 加えて交付金は05年度以降に毎年1%ずつ削られることになっており、国立大はコスト削減を迫られている。賃下げの背景にはこうした実情があるようだ。

 同組合の担当者は「非常勤講師は立場が弱いので、賃金を削っても言うことを聞くと大学側は踏んでいるのではないか。痛みを一方的に押しつけるのは許せない」としている。

首都圏大学非常勤講師組合
関西圏大学非常勤講師組合

投稿者 管理者 : 2004年07月28日 06:32

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