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2004年09月22日

首都大学東京、大学設置審 設置認可を文科省に答申

大学管理本部、「首都大学東京の設置認可について」(平成16年9月21日)

Academia e-Network Letter No 183 (2004.09.22 Wed)より転載

設置審答申に記載された、首都大学東京についての留意事項

1.既設大学の教育研究資源を有効に活用し,統合の趣旨・目的等が活かされるよう,設置者及び各大学間の連携を十分図りつつ,開学に向け,設置計画(教員組織,教育課程の整備等)を確実か つ円滑に進めること。

2.名称に「都市」を冠する「都市教養学部」の教育理念を一層明確にし,これにふさわしい特色を持つ体系的な教育課程の編成に一層の配慮をすること。特に分野横断型の「都市政策コース」や「都市教養プログラム」等,要となる科目群の教育内容について独自性が十分発揮されるよう,その充実を図ること。

3.関係組織間の適切な連携の下,単位バンクシステムや学位設計委員会等の新たな試みが円滑かつ有効に機能するよう努めること。

4.学生の選択の幅を拡大するコース制等を導入するに当たっては,大学設置基準第19条に掲げる教育課程の体系的な編成に十分留意すること。また,学生が科目等の選択を円滑に行えるよう,きめ細やかな履修指導体制の一層の充実を図ること。

5.平成18年度開設に向けて構想されている新たな大学院については,新大学の趣旨・目的等にふさわしいものとなるよう十分に配慮した上で,その構想を可及的速やかに検討し,示すこと。

#(編註:口頭での留意事項(非公開)もあったそうである。)

以下,大手新聞社の報道

首都大学東京、来春開設認可へ 設置審が答申

朝日新聞(9/21 23:50)

 大学設置・学校法人審議会は21日、東京都立大学などを廃止してつくる「首都大学東京」の来春からの開設を認めるよう河村文部科学相に答申した。都の新大学構想に反発する都立大の教員らが教員就任承諾を保留するなど混乱した経緯があり、7月にはいったん設置認可が見送られていた。今回の答申にも、都と大学間の連携を促す留意事項がついた。

 留意事項は5項目にわたった。文科省によると、既存の大学を統合して開設する際などに適用される「早期認可」の場合としては異例の多さだという。

 主な留意事項は、都と大学間の連携促進▽新設の「都市教養学部」の教育理念を一層明確にすること▽他大学や専門学校の単位や資格を認定する「単位バンクシステム」が有効に機能するよう努めること――などとなっている。

首都大学東京:設置認可を文科相に答申

毎日新聞(9/21 20:54)

 大学設置・学校法人審議会は21日、東京都が都立4大学を統廃合して来春の開学を目指している「首都大学東京」の設置を認可するよう河村建夫文部科学相に答申した。答申に当たって、設置審は「(統合前の)教育研究資源を有効活用し、統合の趣旨・目的が生かされるよう設置者(都)と大学間の連携を十分図る」など5項目の「留意事項」を付けた。認可は9月末となる見通し。

 首都大学東京を巡っては、4月末の認可申請後、「トップダウンの計画立案」などと都の姿勢に反発する教員21人が新大学への就任を拒んだため設置審は7月末の認可答申を見送っていた。留意事項は設置審が運営面で一層の努力を求める場合に付けられる。

 一方、設置審は来春に開学を予定する中部大学大学院の応用生物学研究科など公私立8大学の大学院の研究科や専攻も認可するよう答申した。
     ◇
 一時は来春の開学が危ぶまれた「首都大学東京」はようやく学生募集を始める見通しが立った。新大学が受験生や社会の認知を得るには、4大学の教員らの指摘も踏まえ、具体的な大学像を早く示す必要がある。

 都立大、科学技術大、保健科学大、都立短大を母体とする新大学は主眼を「大都市で活躍するための課題解決力」育成などに置き、基礎研究よりも「役に立つ実学」を重視する。法学部、文学部といった従来の枠組みではなく、都市教養、都市環境、システムデザイン、健康福祉の4学部(定員予定1510人)で構成。青年海外協力隊などの社会経験や他大学の授業で単位認定する「単位バンクシステム」も掲げる。石原慎太郎都知事は21日の都議会で「東京のシンクタンクとして機能させる」と述べた。

 ただ、都市教養学部の目的が「大都市における新しい教養の創成」では漠然とし過ぎて分かりにくく、設置審は「留意事項」の中で、理念の明確化を求めた。都が8月26、27日開いた説明会の参加者は各千数百人。都立大の前年度実績から半減した。大手進学塾関係者は「模擬試験の結果を見る限り、入試の難易度も今春よりかなり下がると予想される。受験生には理念や教育内容が評価されていないようだ」と話す。

 都大学管理本部は「教員側とも密接に連携して準備を進めている。都市教養学部は幅広く理解されるよう努めていきたい」と話す。

「首都大学東京」の設置認可を答申・大学設置審

日経新聞(9/21 19:00)

 大学設置・学校法人審議会は21日、東京都が都立4大学を統廃合して来春開校を目指す「首都大学東京」の設置を認可するよう河村建夫文部科学相に答申した。文科相は月内に認可する見通し。同大をめぐっては同審議会が今年7月、「教員数に変動があった」として認可の可否の結論を先送りし、継続審査となった経緯がある。

 関係者によると、4大学から新大学の教員に就く「就任承諾書」を提出した教員数が、4月に都が申請した段階では510人だったが、都立大人文学部を中心とする25人が就任をとりやめたため485人に減少。同審議会は7月、「審査の前提が崩れたため、引き続き審査する必要がある」と判断した。

 このため都は9月、当初計画より21人少ない教員数を同審議会に補正申請。同審議会は設置基準自体は満たしていると判断して設置認可を答申した。設置認可見送りで延期となっていた大学院理学研究科と工学研究科の入試は10月以降、速やかに実施する。

「首都大学東京」の設置認可を留意事項付きで答申

読売新聞(9/21 20:05)

 東京都が4大学・短大を統合して来年4月の開校を目指している首都大学東京について、文部科学相の諮問機関、大学設置・学校法人審議会は21日、設置を認可するよう河村文科相に答申した。

 同大を巡っては、就任を拒否する教員が出て、授業の割り当てに変更が生じたため、7月の審議会では判断を保留し、継続審査となっていた。

 審議会は答申にあたり、統合の趣旨・目的が生かされるよう教員組織や教育課程の整備を確実に進めることや、他大学で取得した科目を単位として認める「単位バンクシステム」などの新たな試みが有効に機能するよう努めることなど、5項目の留意事項を付記した。

首都大学東京を認可へ=設置審

時事通信(9/21)

 大学設置・学校法人審議会は21日、来春の開設を目指して4月に申請があった「首都大学東京」の設置を認可するよう、河村建夫文部科学相に答申した。認可に当たって設置審は「統合の趣旨・目的が生かされるよう教員組織、教育課程の整備などの設置計画を確実かつ円滑に進めること」など5項目の「留意事項」を付けた。 
 同大は、東京都立大など4大学・短大を統廃合してつくるもので、石原慎太郎知事が「これまでの日本にない大学を」とトップダウンで推進。これに反発した教員が、新大学の教員に就任するのを拒否するなどの動きもあった。
 公立大が統合して新大学を設置する場合、通常は7月の答申で認可されるが、設置審はこうしたことから7月の答申を見送り、審査を継続していた。
 「留意事項」は、直接認可の条件となるものではないが、改善点などを示したもので、大学側にはそれに沿った運営が求められる。同大にはこのほか、「名称に『都市』を冠する『都市教養学部』の教育理念を一層明確に」「06年度開設に向けて構想されている新たな大学院について、新大学にふさわしいものとなるよう十分配慮」などが付けられた。
 設置審はまた、中部大の応用生物学研究科など、公私立8大学の大学院の研究科や専攻についても、認可するよう答申した。
 答申の内容は次の通り。()内は学部。大学院では研究科・専攻
 【公立大学の設置】首都大学東京(都市教養、都市環境、システムデザイン、健康福祉)
 【私立大学院の研究科の設置】中部(応用生物学)
 【公立大学院の専攻の設置】熊本県立(環境共生学・環境共生学)
 【私立大学院の専攻の設置】実践女子(生活科学・食物栄養学)▽大東文化(外国語学・英語学)▽東京女子(理学・数学)▽武蔵工業(環境情報学・環境情報学)▽ルーテル学院(総合人間学・臨床心理学)▽同朋(文学・仏教文化)(了)

首都大学東京の設置認める 大学設置審が文科相に答申

共同通信(9/21 16:02)

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会は21日、都立4大学を統合し来年4月の開設を目指す「首都大学東京」の設置を認める答申を河村建夫文科相に提出した。中部大大学院の研究科と、熊本県立大大学院など7校の専攻・課程の2005年度設置も認めた。
 首都大学東京は、教員数などに申請時からの変更があり、7月の答申では結論を先送りした。審議会は今回の答申で、他大学で履修した科目やボランティア体験などを単位として認定するなどの新たな試みについて「円滑かつ有効に機能するよう努めること」とする留意事項を付記した。
 東京都は、7月の認可が見送られたために当初予定の9月実施を延期した大学院入試の準備を進めるほか、学生募集要項を作成するなどして受験生へのPRを本格化させる。


投稿者 管理者 : 2004年09月22日 00:28

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